JP2002148455A - 高分子光導波路素子 - Google Patents

高分子光導波路素子

Info

Publication number
JP2002148455A
JP2002148455A JP2000342621A JP2000342621A JP2002148455A JP 2002148455 A JP2002148455 A JP 2002148455A JP 2000342621 A JP2000342621 A JP 2000342621A JP 2000342621 A JP2000342621 A JP 2000342621A JP 2002148455 A JP2002148455 A JP 2002148455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
optical waveguide
polyimide
following structural
repeating unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000342621A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobutate Koshobu
信建 小勝負
Hideyuki Takahara
秀行 高原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2000342621A priority Critical patent/JP2002148455A/ja
Publication of JP2002148455A publication Critical patent/JP2002148455A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 0.5μmから1.1μm帯の光波長で高い
光透過性を有すると共に、高耐熱性、耐湿性、加工性等
にも優れた光導波路素子を提供することを目的とする。 【解決手段】 基板上にコア部とクラッド部とを有する
光導波路素子であって、該コア部または該クラッド部の
少なくとも一方が、0.5μmから1.1μm帯の可視
光波長で高い光透過性を有する特定の化学構造を有する
ポリイミドを含んでいることによって、0.5μmから
1.1μm帯の光波長で高い光透過性を有すると共に、
優れた高耐熱性、耐湿性、加工性等を有することを特徴
とする光導波路素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア部あるいはク
ラッド部の少なくとも一方が特定のポリイミド樹脂から
なる光導波路素子に関するものであり、一般光学や微小
光学分野で、また、光通信や光情報処理の分野で用いら
れる種々の光集積回路又は光配線板等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】光は情報伝送媒体として、大容量情報伝
送を可能にすること、接地フリーで長距離伝送に向いて
いる、光波長による信号多重が可能なことなど優れた特
性を有するものであり、近年の光通信・光情報処理技術
における発展は目覚ましく、その一環として、光機能素
子間を光導波路で接続した光導波路素子の開発・改良は
及び用途開発が強く押し進められている。そして、光導
波路材料の面から見ると、通信、情報処理に用いられ
る光の波長領域における光損失が低いこと、コア部
(高屈折率部)とクラッド部(低屈折率部)との屈折率
差の形成が容易であること、加工が容易であること、
軽量であること等に加えて、光通信・光情報処理のF
A化、自動車、航空機等への用途拡大を意図して、耐
熱性、耐湿性等の環境安定性も要求されるに至ってい
る。
【0003】従来、このような光導波路材料としては、
石英ガラス、半導体、LiNb3等の無機材料のほか、
有機高分子材料も検討されている。これらのうち、石英
ガラスに代表される非晶質誘電体は、光伝送損失が小さ
く、また、TiO2、GeO2等のドーピングによる屈折
率制御や、溶融、気相処理等による加工が可能であり、
しかもファイバーとの接続性も良い等の利点を有してお
り、光導波路材料として広く利用されている。しかしな
がら、非晶質誘電体は加工温度が高く、また、屈折率制
御のためのドーピング、真空プロセス、熱拡散等の操作
が複雑であり、光導波路素子の生産性、低コスト化の面
で難点がある。他方、有機高分子としては、ポリカーボ
ネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリスチレン、ポリイミド等の樹脂が使用されて
おり、これらの樹脂は、可撓性が高く、真空プロセス、
熱拡散等の操作が不要で、また薄膜及び厚膜の形成が容
易であるという長所を有している。加えて、PC、PM
MA、ポリイミドなどの樹脂では、長距離光通信用波長
帯(1.3μm、1.55μm帯)での光伝送損失を改
善するため、樹脂中の水素原子をフッ素等のハロゲン原
子や重水素原子で置換することが提案され(例えば戒能
俊邦ら、高分子論文集、42、257(1985)を参
照)、長距離光通信用波長帯での低損失化が実現されて
いる。一方で、光情報処理、光通信分野で用いる光導波
路は、光通信モジュールの高集積化のためLD、PDな
どの光デバイス、信号処理LSI、IC、電気配線との
ハイブリット化が進められており、その際、デバイス接
続、電気回路実装のためにはんだ接続が必要となるた
め、光導波路の高耐熱性が求められ、現在光導波路材料
として検討されている材料としては、ポリイミドのよう
なガラス転移温度が300℃以上の高耐熱性高分子でな
ければ、実装時のはんだ接続後の熱履歴の影響が問題と
なる。そこで、例えば、特願平6−305717に見ら
れるようなフッ素官能基を導入したフッ素化ポリイミド
のように高耐熱性な光導波路材料が有効であると考えら
れる。しかし、これらフッ素化ポリイミドは、長距離光
通信用に多く使用されている、1.3μm、1.55μ
m帯波長の光透過性は高くても、より短距離光通信で利
用されうる0.5μmから1.1μm帯において高い光
透過性を示すことが出来なかった。そのため、0.5μ
mから1.1μm帯の光波長を利用する短距離光通信用
の光導波路素子及び光モジュールには、利用しにくいと
いう問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、コア
部あるいはクラッド部が請求項1〜5の材料により構成
され、0.5μmから1.1μm帯の光波長で高い光透
過性を有すると共に、高耐熱性、耐湿性、加工性等にも
優れた光導波路素子を提供することを目的とするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、
0.5μmから1.1μm帯の可視光波長で高い光透過
性を有するポリイミドを用いた光導波路素子に関する発
明である。
【0006】本発明の第1の態様では、基板上にコア部
とクラッド部(クラッド部はコア部よりも屈折率が低
い)とを有する光導波路素子において、前記コア部ある
いはクラッド部の少なくとも一方が、下記一般式(式
1):
【0007】
【化19】
【0008】(式中、R1、R2は、下記構造式(式
2、式3): (式2):
【0009】
【化20】
【0010】および(式3):
【0011】
【化21】−SO2
【0012】で表される基よりなる群から選択され、
(式1)は、(式3)を少なくとも1つ含む2価の有機
基を示す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド
を含むことを特徴とする可視光域で光学的に透明な高分
子光導波路素子である。
【0013】また、本発明の第2の態様では、第1の態
様におけるポリイミドが、下記構造式(式4):
【0014】
【化22】
【0015】で表される繰り返し単位を有するポリイミ
ドである光導波路素子である。
【0016】また、本発明の第3の態様では、第1の態
様におけるポリイミドが、下記構造式(式5):
【0017】
【化23】
【0018】で表される繰り返し単位を有するポリイミ
ドである光導波路素子である。
【0019】また、本発明の第4の態様では、前記コア
部あるいは前記クラッド部の少なくとも一方が、下記構
造式(式4):
【0020】
【化24】
【0021】もしくは、下記構造式(式5):
【0022】
【化25】
【0023】で表される繰り返し単位の少なくとも一方
と、下記構造式(式6):
【0024】
【化26】
【0025】で表される繰り返し単位とを有するポリイ
ミドを含んでいる可視光域で光学的に透明な高分子光導
波路素子である。
【0026】また、本発明の第5の態様では、第4の態
様におけるポリイミドが、(式4):
【0027】
【化27】
【0028】と(式6):
【0029】
【化28】
【0030】との重合体、または、(式5):
【0031】
【化29】
【0032】と、(式6):
【0033】
【化30】
【0034】との重合体である、可視光域で光学的に透
明な高分子光導波路素子である。
【0035】本発明の第6および第7の態様では、コア
部は、下記構造式(式4):
【0036】
【化31】
【0037】もしくは、下記構造式(式5):
【0038】
【化32】
【0039】で表される繰り返し単位のどちらか一方
と、下記構造式(式6):
【0040】
【化33】
【0041】で表される繰り返し単位とを有するポリイ
ミドを含み、クラッド部は、下記構造式(式6):
【0042】
【化34】
【0043】で表される繰り返し単位を有するポリイミ
ドを含み、光波長0.850μmで光導波路の比屈折率
差Δが1.2%である高分子光導波路素子であり、これ
によって一般に使われている50μmコア径の光波長
0.850μm帯でのグレイテッドインデックス(G
I)ファイバの比屈折率差(約1.2%)に合わせられ
るため、光結合損失の小さな光導波路素子を作製でき
る。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。
【0045】ポリイミドの可視光帯(0.5μm〜1.
1μm)での光透過性は、約0.4μm以下でのポリイ
ミド分子内及び分子間の電子遷移吸収の影響が非常に強
く受ける。そのため本発明者らは、種々の既存ポリイミ
ド、フッ素化ポリイミド共重合体の0.5μm〜1.1
μm帯での光透過性を検討した。その結果、ポリイミド
の電子遷移吸収の吸収端がより短波長に存在するポリイ
ミドを用いることによって、すなわち、本発明のポリイ
ミドは(式1)((式1)中に、前記(式2)、(式
3)を含む)及び(式4〜6)であり、−(F3C)C
(CF3)−基(式2)、および/または−SO2−基
(式3)を導入することによって、可視光帯(0.5μ
m〜1.1μm)で高い光透過性を持たせることが可能
であること、さらにそれらのポリイミド共重合体を用い
て光導波路を作製できることを見出した。本発明のポリ
イミドは、酸二無水物部分、及びジアミン部分のベンゼ
ン環間に−(F3C)C(CF3)−基、−SO2−基の
導入によって、ベンゼン環、イミド環といった共役電子
系を分断し、分子内電子遷移吸収を低減するとともに、
(式6)のジアミン部分の−CF3の官能基の立体構造
も相俟って3次元的に嵩高い分子構造を形成することに
よって、分子間の電子遷移吸収も減らすことができ、ガ
ラス転移温度(Tg)が300℃以上の高い耐熱性を有
しながら、可視光帯(0.5μm〜1.1μm)で高い
光透過性を維持しうるという特徴を有している。さらに
−SO2−基(式3)の導入により、−(F3C)C(C
3)−基(式2)のみの導入の場合より屈折率が大き
くなり、光導波路のコア部として使用することが可能と
なる特徴をも有している。
【0046】本発明の構成要素である光導波路のコア部
及びクラッド部のポリイミド材料としては、該コア部及
び該クラッド部の少なくとも一方に一般式(式1)(式
1中、R1、R2は、(式2)および(式3)で表され
る基よりなる群から選択され、(式1)は(式3)を少
なくとも1つ含む)、及び構造式(式4)、(式5)、
(式6)で表される繰り返し単位を有する共重合体であ
って、前記コア部及び前記クラッド部間の屈折率差が光
導波路を形成できるものであれば、各ポリイミドの共重
合比については、いかなるものであってもよい。ただ
し、光導波路の光損失についてはコア部の光透過性に大
きく依存するため、本発明のポリイミド材料をコア部に
使用する方がより低損失な効果が期待できる。
【0047】一般式(式1)((式1)中、R1、R2
は、(式2)および(式3)で表される基よりなる群か
ら選択され、(式1)は(式3)を少なくとも1つ含
む)で表される繰り返し単位を有するポリイミドは、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−スル
フォニルジフタル酸二無水物、又はそれら誘導体と2,
2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(3,4−アミノフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンの組み合わ
せから製造できる。
【0048】構造式(式4)、(式5)、(式6)で表
される繰り返し単位を有するポリイミドは、2,2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン二無水物、又はそれら誘導体と3,3’−ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニル
スルホン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−
4,4’−ジアミノビフェニルから製造できる。
【0049】これらジアミンとテトラカルボン酸二無水
物を反応させることによりポリアミド酸を製造する。ポ
リアミド酸の合成に使用する酸二無水物はテトラカルボ
ン酸、又はその誘導体として、酸塩化物、エステル化物
等を用いることも可能である。
【0050】反応条件は、通常のポリアミド酸の重合条
件と同じでよく、一般的にはN−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミドなどの極性有機溶媒中で反応させる。次に得られた
ポリアミド酸のイミド化によるポリイミドの合成である
が、これも加熱によるイミド化や無水酢酸等を用いた化
学的イミド化等の通常のポリイミドの合成法が使用でき
る。
【0051】ポリイミド混合物を合成する場合には重合
反応終了後のポリアミド酸を2種以上用意し、これらを
溶液状態が均一になるまで混合攪拌した後にイミド化を
行う。用いるポリイミドが可溶性の場合には、合成した
ポリイミドを溶媒に溶かして混合し、その後溶媒を除去
してもよい。ポリイミド共重合体を合成する場合には、
2種以上のジアミン、又は2種以上の酸無水物もしくは
その誘導体を用いてポリアミド酸共重合体を合成し、こ
れをイミド化する。
【0052】作製する光導波路の用途に合わせて、共重
合比を変化させ、所望の屈折率差を選択して、前記コア
部、クラッド部を形成して光導波路を作製すればよい。
【0053】まず、埋め込み型光導波路の製造方法につ
いて図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明による
埋め込み型光導波路の作製方法の一例を示す工程図であ
って、符号1は基板、2は下部クラッド層、3はコア
層、4はコアパターンを形成するためのマスク層、5は
レジスト層、6は上部クラッド層を意味する。シリコン
等の基板1の上に下部クラッド部用のポリイミド共重合
体の前駆体溶液をスピンコート等の方法により塗布し、
これを過熱等により硬化して下部クラッド層2を得る。
次にこの上に下部クラッド層として用いたポリイミド共
重合体より屈折率が高いポリイミド共重合体の前駆体溶
液を下部クラッド層2を形成したときと同様の方法によ
り形成し、コア層3を得る。
【0054】次に、この上に、コアパターンを形成する
ためのマスク層4を形成する(図1(a))。マスクと
しては、Al、Ti等の金属、SiO2、スピンオング
ラス(SOG)、Si含有レジスト、感光性ポリイミド
等を用いることができる。マスク層4をつけた後、レジ
ストの塗布、プリベーク、露光、現像、アフターベーク
を行い、パターニングされたレジスト層5を得る(図1
(b))。次にレジスト層により保護されていないマス
ク層をエッチングにより除去した後(図1(c))、マ
スク層で保護されていないポリイミドをドライエッチン
グにより除去する(図1(d))。マスク層4にSi含
有レジストや感光性ポリイミドを用いた場合にはフォト
レジストを使用する必要はない。次に残ったマスク層4
をドライエッチングや剥離液を用いることにより除去す
る(図1(e))。更にこの上にコア層に用いたポリイ
ミド共重合体より屈折率が低いポリイミド共重合体の前
駆体溶液を下部クラッド層2を形成したときと同様の方
法により形成し、上部クラッド層6を得る(図1
(f))。以上の工程を経ることにより埋め込み型の光
導波路を作製できる。更に埋め込み型フィルム光導波路
を作製するためには、先に作製した光導波路を基板から
剥離する。基板として表面を熱酸化したSiを用いた場
合にはフッ化水素酸水溶液に浸漬することにより剥離で
きる。また、基板としてAl板を用いた場合には希塩酸
に浸漬することで剥離できる。このようにして埋め込み
型ポリイミドフィルム光導波路が得られる。
【0055】さらにこのポリイミドフィルム光導波路を
所定温度で熱処理することで光学的に均一な埋め込み型
ポリイミドフィルム光導波路を得ることが出来る(図1
0(g))。
【0056】また、図2に示したように図1の埋め込み
型ポリイミド光導波路と同様の方法を用いて基板上に下
部クラッド層2、コア層3及び上部クラッド層6を順次
形成する。このようにしてスラブ型ポリイミド光導波路
が得られる。また、図3に示したように図1の埋め込み
型ポリイミド光導波路と同様の方法を用いて基板上に下
部クラッド層2、コア層3を形成し、長方形又は、凸形
状の断面を有するコアパターンを形成することによっ
て、リッジ型ポリイミド光導波路も作製できる。これら
光導波路を基板から剥離することによって、フィルム光
導波路が作製できる。さらにこれらフィルム光導波路を
所定温度で熱処理することによって光学的に均一なスラ
ブ型及びリッジ型ポリイミドフィルム光導波路を得るこ
とができる(図2(b)、図3(b))。
【0057】本実施例に用いたポリイミドの熱分解温度
を表1に示す。なお、熱分解温度は窒素雰囲気下10℃
/分の速度で昇温下時の10wt%質量減少の温度で示
した。表1より本発明に用いたポリイミドは、全て45
0℃以上の熱分解温度を示すことから優れた耐熱性を有
する光導波路材料であることが分かる。
【0058】
【表1】
【0059】
【実施例】引き続いていくつかの実施例により本発明を
更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。例えば、下記実施例においては、
光導波路の構造が埋め込み型で光導波路断面が方形状の
直線光導波路への適用例についてのみ示しているが、光
導波路の構造は、一般の製造されている基板上の光導波
路と同等でよく、例えばリッジ型、スラブ型、埋め込み
型等があり、光導波路形状が曲線光導波路、方向性結合
器、マッハツェンダー干渉型光導波路の光導波路なども
実現できることはいうまでもない。
【0060】実施例1 3.5インチ(約8.9cm)のAl基板上に2,2−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン二無水物(6FDA)、と2,2−ビス(4−
アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(4,4’−
6F)を用いて合成したポリイミド前駆体溶液であるポ
リアミド酸のN,N−ジメチルアセトアミド(DMA
c)15wt%(質量%)溶液を加熱後の膜厚が、50
μmになるようにスピンコート法により塗布した。これ
を70℃で2時間、160℃で1時間、250℃で30
分、350℃で1時間熱処理をして下部クラッド層を形
成した。
【0061】次に、この下部クラッド層上に3,3’,
4,4’−スルフォニルジフタル酸二無水物(DSD
A)、と、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン
(4,4’−DDS)を用いて合成したポリイミド前駆
体溶液であるポリアミド酸のDMAc溶液を15wt%
溶液を加熱後の膜厚が50μmになるようにスピンコー
ト法により塗布した。これを70℃で2時間、160℃
で1時間、250℃で30分、350℃で1時間熱処理
をしてコア層を形成した。
【0062】次にこのコア層上に膜厚0.3μmのTi
層をスパッタ法により作製した。次にこのTi層上にポ
ジ型フォトレジストをスピンコート法により塗布した後
約95℃プリベークを行った。次にパターン形成用のフ
ォトマスクと超高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射し
た後、ポジ型レジスト用の現像液を用いて現像した。そ
の後、135℃でポストベークを行った。これにより、
線幅50μmを有する直線状のレジストパターンが得ら
れた。次にフッ化水素酸と硝酸の1:1の希釈混合液で
Tiのウエットエッチングを行い、レジストパターンを
Ti層に転写した。更にパターニングされたTiをマス
クにしてコア層のポリイミドをドライエッチングにより
加工した。次にポリイミドの上層にあるTiをエッチン
グ液で除去した。次にこの上に下部クラッド部として用
いたポリイミドと同一のポリイミドの前駆体であるポリ
アミド酸のDMAc溶液15wt%溶液を加熱後の膜厚
が50μとなるようにスピンコート法により塗布した。
これを70℃で2時間、160℃で1時間、250℃で
30分、350℃で1時間熱処理をして上部クラッド層
を形成した。次にこれを10%塩酸水溶液に浸漬してシ
リコン基板を剥離した。最後にこれを300℃で1時間
熱処理して、埋め込み型ポリイミドフィルム光導波路が
得られた。作製したフィルム光導波路の断面構造は、作
製した光導波路をダイシングソーを用いて長さ2mmに
切断したものを試料として透過光学顕微鏡により評価し
た。その結果、1辺約50μmの方形状断面コアを有す
る埋め込み型光導波路が作製できていることが確認でき
た。また、それぞれ光波長0.633μm、0.780
μm、0.850μmでの光損失を入射光と出射光の強
度比より求め、カットバック法により光導波損失を算出
した。その結果、それぞれ光波長0.633μm、0.
780μm、0.850μmでの光導波損失は、それぞ
れ0.8dB/cm、0.7dB/cm、0.6dB/
cm以下であり良好な結果であった。更に、この光導波
路を窒素雰囲気中のオーブンを用いて300℃で1時間
の熱処理を行った後、光導波路の断面構造及び光挿入損
失を測定して、加熱処理前後の変化を評価したところ、
断面構造及び光挿入損失ともに変化を示さなかった。
【0063】実施例2〜22 実施例1の下部クラッド層と上部クラッド層及びコア層
として用いたポリイミド前駆体であるポリアミド酸のD
MAc溶液を表2に示す原料の酸二無水物とジアミンか
ら合成したポリアミド酸のDMAc溶液に変更し、実施
例1と同様の方法により埋め込み型ポリイミド光導波路
を作製した。作製したフィルム光導波路の断面構造は、
実施例1と同様の方法により評価し、それぞれ1辺約5
0μmの方形状断面コアを有する埋め込み型光導波路が
作製できていることが確認できた。また、実施例1と同
様の方法により評価し光波長0.633μm、0.78
0μm、0.850μmでの光導波損失を評価したとこ
ろ、その結果は表2の通りであり、良好な結果を示し
た。更に、この光導波路を窒素雰囲気中のオーブンを用
いて300℃で1時間の処理を行った後、光導波路の断
面構造及び光挿入損失を測定して、加熱処理前後の変化
を評価したところ、断面構造及び光挿入損失ともに変化
を示さなかった。
【0064】
【表2】
【0065】実施例23 実施例1の下部クラッド層と上部クラッド層及びコア層
として用いたポリイミド前駆体であるポリアミド酸のD
MAc溶液を表2に示す原料の酸二無水物とジアミンか
ら合成したポリアミド酸のDMAc溶液に変更して、実
施例1と同様の方法により埋め込み型ポリイミド光導波
路を作製した。また、この作製したフィルム光導波路の
断面構造は、実施例1と同様の方法により評価し、それ
ぞれ1辺約50μmの方形状断面コアを有する埋め込み
型光導波路が作製できていることが確認できた。さらに
本実施例に用いたコア部とクラッド部の屈折率差(Δ)
は、光波長0.850μmにおいて、コア部に用いたポ
リイミドフィルムの屈折率(n(コア部))とクラッド
部に用いたポリイミドフィルムの屈折率(n(クラッド
部))をプリズムカップリング法によって測定し、その
値から下記数式(数式1)から計算で求めた。その結
果、Δ=約1.2%であった。
【0066】
【数1】Δ={n(コア部)2−n(クラッド部)2}/n
(コア部)2×100
【0067】また、実施例1と同様の方法により評価し
光波長0.850μmでの光導波損失を評価したところ
0.7dB/cmであり、50μmコア径の0.850
μm用GI光ファイバーとの光結合損失を測定したとこ
ろ、ポリイミド光導波路光入出射両端の光結合損失は合
計で1dB以下であり、良好な結果を示した。更に、こ
の光導波路を窒素雰囲気中のオーブンを用いて300℃
1時間の熱処理を行った後、光導波路の断面構造、光挿
入損失及び光結合損失を測定して、加熱処理前後の変化
を評価したところ、断面構造、光挿入損失及び光結合損
失ともに変化を示さなかった。
【0068】比較例1〜3 実施例2〜22の下部クラッド層と上部クラッド層とし
て用いたポリイミド前駆体であるポリアミド酸のDMA
c溶液と同様のものを用いて、及び実施例1のコア層と
して用いたポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のD
MAc溶液を表2の下欄に示すこれまでに検討されてい
る光導波路用ポリイミド原料の酸二無水物とジアミンか
ら合成したポリアミド酸のDMAc溶液に変更して、実
施例1と同様の方法により埋め込み型ポリイミド光導波
路を作製した。作製したフィルム光導波路の断面構造
は、実施例1と同様の方法により評価し、それぞれ1辺
約50μmの方形状断面コアを有する埋め込み型光導波
路が作製できていることが確認できた。更に、この光導
波路を窒素雰囲気中のオーブンを用いて300℃1時間
の熱処理を行った後、光導波路の断面構造及び光挿入損
失を測定して、加熱処理後の変化を評価したところ、断
面構造及び光挿入損失ともに変化を示さなかった。しか
しまた、実施例1と同様の方法により光波長0.633
μm、0.780μm、0.850μmで評価した光導
波損失の結果は表2の通りであり、0.2dB/cm以
上伝播損失が大きな値となった。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、0.5μmから1.1
μm帯の可視光波長で高い光透過性を有すると共に、3
00℃以上の高耐熱性、耐湿性、加工性等にも優れた光
導波路素子を実現することができ、高温の実装プロセス
技術が利用可能な光通信モジュールの高集積化が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による埋め込み型ポリイミドフィルム光
導波路を作製する方法の工程を示した断面図である。
【図2】本発明によるスラブ型ポリイミドフィルム光導
波路を作製する方法の工程を示した断面図である。
【図3】本発明によるリッジ型ポリイミドフィルム光導
波路を作製する方法の工程を示した断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部クラッド層 3 コア層 4 マスク層 5 フォトレジスト層 6 上部クラッド層
フロントページの続き Fターム(参考) 2H047 QA05 TA00 TA12 4J043 PA02 PA04 PA19 PC146 QB15 QB23 QB25 QB26 QB31 RA35 SA06 SA43 SA54 SB01 SB02 TA22 TB01 UA131 UA132 UB061 UB062 UB301 UB302 UB401 VA021 VA022 VA041 VA061 VA062 VA081 XA16 XA19 YA06 YA08 ZA52 ZB21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア部あるいはクラッド部の少なくとも
    一方が、下記一般式(式1): 【化1】 (式中、R1、R2は、下記構造式(式2、式3): (式2): 【化2】 および(式3): 【化3】−SO2− で表される基よりなる群から選択され、(式1)は(式
    3)を少なくとも1つ含む2価の有機基を示す)で表さ
    れる繰り返し単位を有するポリイミドを含むことを特徴
    とする可視光域で光学的に透明な高分子光導波路素子。
  2. 【請求項2】 前記ポリイミドが、下記構造式(式
    4): 【化4】 で表される繰り返し単位を有することを特徴とする、請
    求項1に記載の可視光域で光学的に透明な高分子光導波
    路素子。
  3. 【請求項3】 前記ポリイミドが、下記構造式(式
    5): 【化5】 で表される繰り返し単位を有することを特徴とする、請
    求項1に記載の可視光域で光学的に透明な高分子光導波
    路素子。
  4. 【請求項4】 コア部あるいはクラッド部の少なくとも
    一方が、下記構造式(式4): 【化6】 もしくは、下記構造式(式5): 【化7】 で表される繰り返し単位の少なくとも一方と、下記構造
    式(式6): 【化8】 で表される繰り返し単位とを有するポリイミドを含むこ
    とを特徴とする可視光域で光学的に透明な高分子光導波
    路素子。
  5. 【請求項5】 前記ポリイミドが、(式4): 【化9】 と(式6): 【化10】 との共重合体、または、(式5): 【化11】 と(式6): 【化12】 との共重合体であることを特徴とする請求項4に記載の
    可視光域で光学的に透明な高分子光導波路素子。
  6. 【請求項6】 コア部が、下記構造式(式4): 【化13】 で表される繰り返し単位と、下記構造式(式6): 【化14】 で表される繰り返し単位とを有するポリイミドを含み、
    クラッド部が、下記構造式(式6): 【化15】 で表される繰り返し単位とを有するポリイミドを含み、
    光波長0.850μmで光導波路の比屈折率差Δが1.
    2%であることを特徴とする高分子光導波路素子。
  7. 【請求項7】 コア部が、下記構造式(式5): 【化16】 で表される繰り返し単位と、下記構造式(式6): 【化17】 で表される繰り返し単位とを有するポリイミドを含み、
    クラッド部が、下記構造式(式6): 【化18】 で表される繰り返し単位とを有するポリイミドを含み、
    光波長0.850μmで光導波路の比屈折率差Δが1.
    2%であることを特徴とする高分子光導波路素子。
JP2000342621A 2000-11-09 2000-11-09 高分子光導波路素子 Pending JP2002148455A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000342621A JP2002148455A (ja) 2000-11-09 2000-11-09 高分子光導波路素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000342621A JP2002148455A (ja) 2000-11-09 2000-11-09 高分子光導波路素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002148455A true JP2002148455A (ja) 2002-05-22

Family

ID=18817132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000342621A Pending JP2002148455A (ja) 2000-11-09 2000-11-09 高分子光導波路素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002148455A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005113646A1 (ja) * 2004-05-21 2005-12-01 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. 重水素化ポリイミド化合物及びその誘導体
US20100048861A1 (en) * 2006-12-15 2010-02-25 Hak Gee Jung Polyimide resin and liquid crystal alignment layer and polyimide film using the same
CN111212867A (zh) * 2017-10-11 2020-05-29 株式会社钟化 聚酰亚胺树脂及其制造方法、聚酰亚胺溶液、以及聚酰亚胺薄膜及其制造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005113646A1 (ja) * 2004-05-21 2005-12-01 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. 重水素化ポリイミド化合物及びその誘導体
US20100048861A1 (en) * 2006-12-15 2010-02-25 Hak Gee Jung Polyimide resin and liquid crystal alignment layer and polyimide film using the same
CN111212867A (zh) * 2017-10-11 2020-05-29 株式会社钟化 聚酰亚胺树脂及其制造方法、聚酰亚胺溶液、以及聚酰亚胺薄膜及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100362829B1 (ko) 고분자 광도파로의 제조 방법
JP2813713B2 (ja) ポリイミド系光導波路
JP4595288B2 (ja) ポリベンゾオキサゾール樹脂、その前駆体及びこれらを用いた光導波路材料並びに光導波路
KR20040008073A (ko) 감광성 폴리이미드 수지 전구체 조성물, 이 조성물로부터수득된 광학용 폴리이미드, 이 폴리이미드를 사용한광도파로, 및 이 광도파로의 제조방법
JP3296458B2 (ja) 高分子フィルム光導波路及びその製造方法
KR100837024B1 (ko) 폴리이미드 광도파로의 제조방법
JP4799764B2 (ja) 光導波路用感光性ポリイミド前駆体組成物およびその光導波路用感光性ポリイミド組成物ならびにそれを用いた光導波路
JPH09251113A (ja) 耐熱性高屈折率差高分子光導波路、及びその製造方法
JPH04328504A (ja) ポリイミド光導波路
JP3674878B2 (ja) ポリイミド光導波路
JP3327356B2 (ja) フッ素化ポリイミド光導波路及びその製造方法
JP2002148455A (ja) 高分子光導波路素子
JP3943827B2 (ja) 高分子光導波路の製造方法
JP2816770B2 (ja) ポリイミド光導波路の製造方法
JP2816771B2 (ja) ポリイミド光導波路及びその製造方法
US20050129377A1 (en) Process for producing optical waveguide
JP2003313294A (ja) フッ素化ポリイミドを用いた光部品
JP2003248311A (ja) 感光性ポリイミド樹脂前駆体組成物とそれより得られる光学用ポリイミドと光導波路
JP4046614B2 (ja) 光導波路の製法
JPH06347658A (ja) プラスチック光導波路
JP2002202422A (ja) 高分子光導波路
JP2001318257A (ja) 高分子光導波路製造方法
JP3302157B2 (ja) フッ素化ポリイミド光導波路の製造方法
JP2002202424A (ja) 高分子光導波路
JP3299017B2 (ja) ポリイミド光導波路

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040305

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041029