JP2016130325A - ポリイミド及びポリイミド前駆体 - Google Patents

ポリイミド及びポリイミド前駆体 Download PDF

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亮一 高澤
Ryoichi Takazawa
亮一 高澤
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美晴 中川
Yoshiharu Nakagawa
美晴 中川
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Yukinori Kohama
幸徳 小濱
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Abstract

【課題】本発明の目的は、フレキシブルディスプレイ用や、太陽電池用、タッチパネル用の透明基材に適した優れた透明性と高い機械強度、低熱線膨張係数を併せ持つポリイミドを目的とする。【解決手段】ジアミン誘導体(ジアミン類及びそれらの誘導体を含む。)とテトラカルボン酸誘導体(テトラカルボン酸類及びそれらの誘導体を含む。)を反応させて得られるポリイミドであって、前記ジアミン誘導体が、光透過率が90%以上である芳香環を有しないジアミン誘導体、または光透過率が80%以上である芳香環を有するジアミン誘導体を含有し、前記テトラカルボン酸誘導体が、光透過率が75%以上であるテトラカルボン酸誘導体を含有することを特徴とするポリイミド。【選択図】 なし

Description

本発明は、高い透明性、高い機械強度、そして低線熱膨張係数を併せ持つポリイミド及び、そのポリイミド前駆体に関する。
高度情報化社会の到来に伴い、光通信分野の光ファイバーや光導波路等、表示装置分野の液晶配向膜やカラーフィルター用保護膜等の光学材料の開発が進んでいる。さらに表示装置分野では、ガラス基板代替として軽量でフレキシブル性に優れたプラスチック基板の検討が行なわれ、それを用いて曲げたり丸めたりすることが可能なディスプレイの開発が進んでいる。
ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとから得られる樹脂であるが、高寸法安定性や高耐熱性などの優れた特性を有することから高性能光学材料としての用途展開が望まれている。しかしながら、ポリイミドはその化学構造に起因して容易に着色が起こり易いのみならず、原料のテトラカルボン酸二無水物やジアミンも着色を抑制することが容易ではなかった。
ポリイミドの原料の一つに、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物がある。特許文献1,2には、着色が低減された3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物結晶及びその製造方法が開示されている。しかしながら、一般にジアミン化合物は、酸化や不純物として含まれる微量金属の影響により、顕著に着色することが知られており、ジアミンを反応させたポリイミドは、着色が低減された3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いた場合でも、400nmの光透過率は30%と着色していた。
一方、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンを用いたポリイミドは、芳香族ポリイミドでの着色原因であるCT吸収を有しないことから、光学材料用途へ展開が期待される(非特許文献1)。しかしながら、原料由来と想定される着色のため、フィルムとしたときの400nmの透過率が80%を下回り、着色が見られた。
すなわち、ポリイミドの着色の低減に関する検討は、CT吸収などの分子構造に由来する着色だけでなく、原料となるジアミン、テトラカルボン酸二無水物の着色にも大きく影響される。そのため、ポリイミドを光学材料用途へ用いるためには、ジアミン、テトラカルボン酸二無水物の透過率を厳密に制御する必要があった。
特開2005−314296号公報 特開2006−45198号公報
M. Hasegawa, High Perform.Polym. 13 (2001) S93-S106
本発明の目的は、フレキシブルディスプレイ用や、太陽電池用、タッチパネル用の透明基材に適した優れた透明性と高い機械強度、低熱線膨張係数を併せ持つポリイミド及びそのポリイミド前駆体を提供するであり、ジアミン、テトラカルボン酸二無水物の透過率を厳密に制御することで、従来のポリイミドの透明性を大幅に改良するに至った。
1. ジアミン誘導体(ジアミン類及びそれらの誘導体を含む。以下同じ)とテトラカルボン酸誘導体(テトラカルボン酸類及びそれらの誘導体を含む。以下同じ)を反応させて得られるポリイミドであって、
前記ジアミン誘導体が、光透過率が90%以上である芳香環を有しないジアミン誘導体、または光透過率が80%以上である芳香環を有するジアミン誘導体を含有し(但し、ジアミン誘導体の透過率は、純水もしくはN、N−ジメチルアセトアミドに10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの光透過率を表す。)、
前記テトラカルボン酸誘導体が、光透過率が75%以上であるテトラカルボン酸誘導体を含有する(但し、テトラカルボン酸誘導体の透過率は、2規定水酸化ナトリウム溶液に10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの透過率を表す。)
ことを特徴とするポリイミド。
2. ジアミン誘導体の波長400nm、光路長1cmの光透過率が95%以上であり、テトラカルボン酸誘導体の光透過率が80%以上であることを特徴とする前記項1に記載のポリイミド。
3. テトラカルボン酸誘導体、ジアミン誘導体の少なくともどちらか一方が、芳香族誘導体であることを特徴とする前記項1又は2に記載のポリイミド。
4. テトラカルボン酸誘導体が芳香族テトラカルボン酸誘導体であり、ジアミン誘導体が脂肪族ジアミン誘導体であることを特徴とする前記項1又は2に記載のポリイミド。
5. テトラカルボン酸誘導体がビフェニルテトラカルボン酸誘導体であることを特徴とする前記項1〜4のいずれかに記載のポリイミド。
6. ジアミン誘導体がトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンであることを特徴とする前記項1〜4のいずれかに記載のポリイミド。
7. 膜厚10μmのフィルムにしたときの400nmにおける光透過率が80%以上であることを特徴とする前記項1〜6いずれかに記載のポリイミド。
8. 光学材料用途であることを特徴とする前記項1〜7いずれかに記載のポリイミド。
9. 使用されるジアミン誘導体の総モル量に対し、芳香環を有しないジアミン誘導体が50モル%以上含まれるポリイミド前駆体のうち、極性溶剤に10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの光透過率が90%以上であることを特徴とするポリイミド前駆体。
10. 使用されるジアミン誘導体の総モル量に対し、芳香環を有するジアミン誘導体が50モル%以上含まれるポリイミド前駆体のうち、極性溶剤に10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの光透過率が50%以上であることを特徴とするポリイミド前駆体。
11. 30℃、0.5g/dL N、N−ジメチルアセトアミド溶液における対数粘度が0.2dL/g以上であることを特徴とする前記項9又は10いずれかに記載のポリイミド前駆体。
12. 下記一般式(1)の単位構造式を含むことを特徴とする前記項9又は11に記載のポリイミド前駆体。
Figure 2016130325
〔一般式(1)中、Xは4価の有機基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜9のアルキルシリル基である。〕
13. 前記項9〜12のいずれかのポリイミド前駆体が溶媒中に均一に溶解されていることを特徴とするポリイミド前駆体溶液組成物。
14. 前記項9〜12のいずれかのポリイミド前駆体をイミド化して得られることを特徴とするポリイミド。
本発明によって、フレキシブルディスプレイ用や、太陽電池用、タッチパネル用の透明基材に適した優れた透明性と高い機械強度、低熱線膨張係数を併せ持つポリイミド及びそのポリイミド前駆体を提供することができる。
本発明のポリイミドは、ジアミン誘導体(ジアミン類及びそれらの誘導体を含む。以下同じ)とテトラカルボン酸誘導体(テトラカルボン酸類及びそれらの誘導体を含む。以下同じ)を反応させて得られるポリイミドのうち、ジアミン誘導体が、光透過率が90%以上、好ましくは95%以上である芳香環を有しないジアミン誘導体(前述のとおり、ジアミン類及びそれらの誘導体を含む。)、もしくは、光透過率が70%以上、好ましくは80%以上である芳香環をするジアミン誘導体(前述のとおり、ジアミン類及びそれらの誘導体を含む。)を含有し(但し、光透過率は、純水もしくはN、N−ジメチルアセトアミドに10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの光透過率)、
テトラカルボン酸誘導体が、光透過率が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であるテトラカルボン酸誘導体(前述のとおり、テトラカルボン酸類及びそれらの誘導体を含む。)を含有する(但し、光透過率は、2規定水酸化ナトリウム溶液に10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの透過率)ことを特徴とする。ジアミン誘導体、テトラカルボン酸誘導体の光透過率が上記の範囲の場合は、得られるポリイミドの着色が低減されるため、良好である。また、ジアミン誘導体を構成するジアミン成分(1種または2種以上)の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、最も好ましくは100%が、上記の光透過率を満たす。テトラカルボン酸誘導体を構成するテトラカルボン酸成分(1種または2種以上)の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、最も好ましくは100%が、上記の光透過率を満たす。
本発明のポリイミドは、特に限定されないが、テトラカルボン酸誘導体、ジアミン誘導体の少なくともどちらか一方が、芳香族誘導体であることが、耐熱性が高いため好ましい。さらに、テトラカルボン酸誘導体が芳香族テトラカルボン酸誘導体であり、ジアミン誘導体が脂肪族ジアミン誘導体であることが、透明性が改善でき、さらに低線熱膨張係数を達成できるため、より好ましい。
本発明のポリイミドに用いるテトラカルボン酸誘導体(テトラカルボン酸類及びそれらの誘導体を含む。)は、特に限定はなく、通常のポリイミドに採用されるテトラカルボン酸類及びそれらの誘導体であればいずれでも構わない。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、m−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピレン)ジフタル酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン類、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、(1,1’:3’,1”−ターフェニル)−3,3”,4,4”−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ジメチルシラジイル)ジフタル酸二無水物、4,4’−(1,4−フェニレンビス(オキシ))ジフタル酸二無水物など、
脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル−3−メチル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3c−カルボキシメチルシクロペンタン−1r,2c,4c−トリカルボン酸1,4,2,3−二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。特にポリイミドの機械特性や耐熱性が優れるため、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピレン)ジフタル酸二無水物、4,4’−(ジメチルシラジイル)ジフタル酸二無水物が好適である。3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、ポリイミドの熱線膨張係数が低いため特に好ましい。
本発明で用いるテトラカルボン酸誘導体は、着色を低減する目的で精製することが好ましい。精製方法としては、特に制限されず公知の方法が利用できるが、以下の方法が好適である。
(1)溶剤と、テトラカルボン酸誘導体粉末を、少なくとも一部のテトラカルボン酸誘導体粉末が溶解していない不均一な状態で混合し、次いで混合液から未溶解のテトラカルボン酸誘導体粉末を分離回収する精製方法、
(2)酸無水物を含む溶液で再結晶する精製方法、
(3)加熱減圧下で昇華する精製方法
また、これらの方法を複数繰り返すことや、組み合わせて精製することもできる。
本発明のポリイミドに用いるジアミン誘導体(ジアミン類及びそれらの誘導体を含む。)は、特に限定はなく、通常のポリイミドに採用されるジアミン類及びそれらの誘導体であればいずれでも構わないが、ポリイミドの透明性を向上させるため、以下のジアミンが好適である。
例えば、芳香環を有しないジアミンとしては、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノウンデカン、ジアミノドデカンなどの直鎖状および分枝状の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、3−メチル−1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−メチル−、3−アミノメチル−、5,5−ジメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4,4′−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3,3′−メチル−4,4′−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(アミノメチル)−トリシクロ〔5,2,1,0〕デカン、イソホロンジアミン、1,3−ジアミノアダマンタンなどの脂環構造を有するジアミン、
芳香環を有するジアミンとしては、3,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、2−(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、
5−(トリフルオロメチル)−1,3−フェニレンジアミン、1,3 −ジアミノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、4,4−ビス(トリフルオロメトキシ)ベンジジン、3,3’−ジアミノ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン;2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]
ヘキサフルオロプロパン、4,4’−トリフルオロメチル−2,2’− ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,5,5’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)などのハロゲン基を有する芳香族ジアミン、
4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4−アミノフェニルー4−アミノベンゾエート、テレフタル酸ビス(4−アミノフェニル)エステル、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス(4−アミノフェニル)1,4−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノベンズアニライド、N,N−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−p−フェニレンビス(p−アミノベンズアミド)、N,N’−m−フェニレンビス(p−アミノベンズアミド)などのカルボニル基を有する芳香族ジアミン、
3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3、3’−ジアミノー4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、O−トリジンスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンなどのスルホニル基を有する芳香族ジアミンが挙げられる。
1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4,4′−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを用いたポリイミドは、透明性、耐熱性に優れるためより好ましく、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンは、熱線膨張係数が低いため特に好ましい。
本発明で用いるジアミン誘導体は、着色を低減する目的で精製することが好ましい。精製方法としては、特に制限されず公知の方法が利用できるが、以下の方法が好適である。
(1)昇華する精製方法
(2)吸着剤で処理する精製方法
(3)再結晶による精製方法
また、これらの方法を複数繰り返すことや、組み合わせて精製することもできる。
ジアミン誘導体は、反応性や生成物の溶解性付与の目的で、前述のジアミンをシリル化剤(アミド系シリル化剤など)と反応させジアミン誘導体としても好適に用いることができる。
本発明のポリイミド前駆体は、使用されるジアミン誘導体の総モル量に対し、芳香環を有しないジアミン誘導体が50モル%以上含まれるポリイミド前駆体の場合には、極性溶剤に10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの光透過率が90%以上であり、好ましくは95%以上である。一方、使用されるジアミン誘導体の総モル量に対し、芳香環を有するジアミン誘導体が50モル%以上含まれるポリイミド前駆体の場合には、極性溶剤に10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの光透過率が50%以上であり、好ましくは55%以上である。ここで測定に用いる極性溶剤は、ポリイミド前駆体を溶解できる溶剤であれば、特に限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール等のフェノール系溶媒、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどが好ましく採用される。さらに、その他の一般的な有機溶剤、即ちフェノール、0−クレゾール、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールメチルアセテート、エチルセロソルブ、プチルセロソルブ、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロへキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、ブタノール、エタノール、なども使用できる。これらの溶剤を複数組み合わせても使用できる。
本発明のポリイミド前駆体は、特に限定されないが以下の製造方法により容易に製造することができる。
1)ポリアミド酸
有機溶剤にジアミンを溶解し、この溶液に攪拌しながら、テトラカルボン酸二無水物を徐々に添加し、0〜100℃の範囲で1〜72時間攪拌することで、ポリイミド前駆体が得られる。
2)ポリアミド酸シリルエステル
あらかじめ、ジアミンとシリル化剤を反応させ、シリル化されたジアミンを得(必要に応じて、蒸留等によりシリル化されたジアミンの精製をおこなう。)、脱水された溶剤中にシリル化されたジアミンを溶解させておき、攪拌しながら、テトラカルボン酸二無水物を徐々に添加し、0〜100℃の範囲で1〜72時間攪拌することで、ポリイミド前駆体が得られる。ここで用いるシリル化剤として、塩素を含有しないシリル化剤を用いることは、シリル化されたジアミンを精製する必要がないため、好適である。塩素原子を含まないシリル化剤としては、N,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。フッ素原子を含まず低コストであることから、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。また、ジアミンのシリル化反応には、反応を促進するために、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミンなどのアミン系触媒を用いることができる。この触媒はポリイミド前駆体の重合触媒として、そのまま使用することができる。
3)ポリアミド酸エステル
テトラカルボン酸二無水物を任意のアルコールで反応させ、ジエステルジカルボン酸を得た後、塩素化試薬(チオニルクロライド、オキサリルクロライドなど)と反応させ、ジエステルジカルボン酸クロライドを得る。このジエステルジカルボン酸クロライドとジアミンを反応させることで、ポリイミド前駆体が得られる。また、ジエステルジカルボン酸とジアミンを、リン系縮合剤や、カルボジイミド縮合剤などを用いて脱水縮合することでも、簡便にポリイミド前駆体が得られる。また、このポリイミド前駆体は、安定なため水やアルコールなどの溶剤を加え再沈殿などの精製をおこなうこともできる。
また、前記製造方法は、いずれも有機溶媒中で好適に行なうことができるので、その結果として、本発明のポリイミド前駆体溶液組成物を容易に得ることができる。
これらの製造方法においては、いずれも、テトラカルボン酸成分とジアミン成分のモル比は、必要とするポリイミド前駆体の粘度により任意に設定できるが、好ましくは0.90〜1.10、より好ましくは0.95〜1.05である。
前記製造方法で使用する有機溶媒は、具体的にはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホオキシド等の非プロトン性溶媒が好ましいが、原料モノマーと生成するポリイミド前駆体が溶解すれば問題はなく使用できるので、特にその構造には限定されない。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール等のフェノール系溶媒、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどが好ましく採用される。さらに、その他の一般的な有機溶剤、即ちフェノール、0−クレゾール、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールメチルアセテート、エチルセロソルブ、プチルセロソルブ、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロへキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、ブタノール、エタノール、キシレン、トルエン、クロルベンゼン、ターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサ系溶媒なども使用できる。
本発明のポリイミド前駆体の対数粘度は、特に限定されないが、温度:30℃、濃度:0.5g/dL、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド溶液における対数粘度が0.2dL/g以上、好ましくは0.5dL/g以上である。0.2dL/g以上では、ポリイミド前駆体の分子量が高いため、得られるポリイミド膜の機械強度が向上する。また、本発明のポリイミド前駆体の対数粘度は、特に限定されないが、好ましくは2.5dL/g以下、より好ましくは2.0dL/g以下、特に好ましくは1.5dL/g以下である。対数粘度が低い場合、ポリイミド前駆体ワニスの粘度が低いため、ポリイミド膜製造工程のハンドリング性が改善する。
本発明のポリイミド前駆体は、特に限定されないが、下記一般式(1)の単位構造式を含むことを好ましい。
Figure 2016130325
〔一般式(1)中、Xは4価の有機基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜9のアルキルシリル基である。〕
得られるポリイミドの耐熱性が高いことから、Xは下記一般式(2)の4価の有機基であることがより好ましく、4価のビフェニル異性体であることが特に好ましい。
Figure 2016130325
本発明のポリイミドは、ポリイミド前駆体を脱水閉環反応(イミド化反応)することで製造することができる。イミド化の方法は特に限定されず、公知の熱イミド化、化学イミド化方法を適用することができる。得られるポリイミドの形態は、フィルム、ポリイミド積層体、コーティング膜、粉末、ビーズ、成型体、発泡体およびワニスなどを好適に挙げることができる。
本発明のポリイミドは、その限りではないが、膜厚10μmのフィルムにしたときの400nmにおける光透過率が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であり、優れた透明性を有する。
また、本発明のポリイミドは、その限りではないが、フィルムにしたときの50℃〜200℃における平均熱線膨張係数が50ppm/K以下、好ましく30ppm/K以下、より好ましくは20ppm/K以下である。
本発明のポリイミドからなるフィルムは、用途にもよるが、フィルムの厚みとしては1μm〜200μm程度が好ましく、さらには1μm〜100μm程度が好ましい。
本発明のポリイミドは、特に限定されないが、優れた透明性と靭性を有する特性から、光学材料として好適である。例えば、ディスプレイ用透明基材、タッチパネル用透明基材、太陽電池用透明基板として好適に用いることができる。
以下では、本発明のポリイミド前駆体を用いた、ポリイミドフィルム/基材積層体、もしくはポリイミドフィルムの製造方法の一例について述べる。ただし、以下の方法に限定されるものではない。
例えばセラミック(ガラス、シリコン、アルミナ)、金属(銅、アルミニウム、ステンレス)、耐熱プラスチックフィルム(ポリイミド)などの基材に、本発明のポリイミド前駆体溶液組成物を流延し、真空中、窒素等の不活性ガス中、或いは空気中で、熱風もしくは赤外線を用いて、20〜180℃、好ましくは20〜150℃の温度範囲で乾燥する。
次いで得られたポリイミド前駆体フィルムを基材上で、もしくはポリイミド前駆体フィルムを基材上から剥離し、そのフィルムの端部を固定した状態で、真空中、窒素等の不活性ガス中、或いは空気中で、熱風もしくは赤外線を用い、200〜500℃、より好ましくは250〜450℃程度の温度で加熱イミド化することでポリイミドフィルム/基材積層体、もしくはポリイミドフィルムを製造することができる。なお、得られるポリイミドフィルムが酸化劣化するのを防ぐため、加熱イミド化は、真空中、或いは不活性ガス中で行うことが望ましい。加熱イミド化の温度が高すぎなければ空気中で行なっても差し支えない。ここでのポリイミドフィルム(ポリイミドフィルム/基材積層体の場合は、ポリイミドフィルム層)の厚さは、以後の工程の搬送性のため、好ましくは1〜250μm、より好ましくは1〜150μmである。
またポリイミド前駆体のイミド化反応は、前記のような加熱処理による加熱イミド化に代えて、ポリイミド前駆体をピリジンやトリエチルアミン等の3級アミン存在下、無水酢酸等の脱水環化試薬を含有する溶液に浸漬するなどの化学的処理によって行うことも可能である。また、これらの脱水環化試薬をあらかじめ、ポリイミド前駆体溶液組成物中に投入・攪拌し、それを基材上に流延・乾燥することで、部分的にイミド化したポリイミド前駆体を作製することもでき、これを更に前記のような加熱処理することで、ポリイミドフィルム/基材積層体、もしくはポリイミドフィルムを得ることができる。
この様にして得られたポリイミドフィルム/基材積層体、もしくはポリイミドフィルムは、その片面もしくは両面に導電性層を形成することによって、フレキシブルな導電性基板を得ることができる。
フレキシブルな導電性基板は、例えば次の方法によって得ることができる。すなわち、第一の方法としては、ポリイミドフィルム/基材積層体を基材からポリイミドフィルムを剥離せずに、そのポリイミドフィルム表面に、スパッタ蒸着、印刷などによって、導電性物質(金属もしくは金属酸化物、導電性有機物、導電性炭素など)の導電層を形成させ、導電性層/ポリイミドフィルム/基材の導電性積層体を製造する。その後必要に応じて、基材より電気導電層/ポリイミドフィルム積層体を剥離することによって、導電性層/ポリイミドフィルム積層体からなる透明でフレキシブルな導電性基板を得ることができる。
第二の方法としては、ポリイミドフィルム/基材積層体の基材からポリイミドフィルムを剥離して、ポリイミドフィルムを得、そのポリイミドフィルム表面に、導電性物質(金属もしくは金属酸化物、導電性有機物、導電性炭素など)の導電層を、第一の方法と同様にして形成させ、導電性層/ポリイミドフィルム積層体からなる透明でフレキシブルな導電性基板を得ることができる。
なお、第一、第二の方法において、必要に応じて、ポリイミドフィルムの表面に導電層を形成する前に、スパッタ蒸着やゲル−ゾル法などによって、水蒸気、酸素などのガスバリヤ層、光調整層などの無機層を形成しても構わない。
また、導電層は、フォトリソグラフィ法や各種印刷法、インクジェット法などの方法によって、回路が好適に形成される。
本発明の基板は、本発明のポリイミドによって構成されたポリイミドフィルムの表面に、必要に応じてガスバリヤ層や無機層を介し、導電層の回路を有するものである。この基板は、フレキシブルであり、透明性、折り曲げ性、耐熱性が優れ、さらに極めて低い熱線膨張係数や耐溶剤性を併せ有するので微細な回路の形成が容易である。したがって、この基板は、ディスプレイ用、タッチパネル用、または太陽電池用の基板として好適に用いることができる。
すなわち、この基板に、蒸着、各種印刷法、或いはインクジェット法などによって、さらにトランジスタ(無機トランジスタ、有機トランジスタ)が形成されてフレキシブル薄膜トランジスタが製造され、そして、表示デバイス用の液晶素子、EL素子、光電素子として好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の各例で使用した原材料は、次のとおりである。
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン:ZHEJIANG TAIZHOU QINGQUAN MEDICAL & CHEMICAL株式会社製 純度 99.1%(GC分析)
1,4−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)ベンゼン(BABB):三國製薬工業株式会社製 BABB
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA):宇部興産株式会社製 純度99.9%(開環後した3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸のHPLC分析で求めた純度)、酸無水化率 99.8%、Na,K,Ca,Al,Cu,Si:それぞれ<0.1ppm、Fe:0.1ppm、Cl:<1ppm
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA):宇部興産株式会社製 純度99.6%(開環後した2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸のHPLC分析で求めた純度)、酸無水化率 99.5%、Na,K,Al,Cu,Si:それぞれ<0.1ppm、Ca,Fe:それぞれ0.1ppm、Cl:<1ppm
2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(i−BPDA):CHANGZHOU WEIJIA CHEMICAL株式会社製 純度 99.9%(開環後した2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸のHPLC分析で求めた純度)、酸無水化率 99%
4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピレン)ジフタル酸二無水物(6FDA):ダイキン工業株式会社製 純度99%
4,4’−(ジメチルシラジイル)ジフタル酸二無水物、(DPSDA):東レ・ファインケミカル株式会社製 純度99.8%(開環後した3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸のHPLC分析で求めた純度)、酸無水化率 99%
各溶剤:和光純薬株式会社製 特級、1級相当品もしくは、それらを精製したもの
2N 水酸化ナトリウム水溶液:東京化成株式会社製 水酸化ナトリウム水溶液
吸着剤:日本ノリット株式会社製 活性炭 Norit SX Plus BET法で求めた比表面積1100m/g
以下の各例において評価は次の方法で行った。
ジアミン粉末、テトラカルボン酸無水物粉末の評価
[光透過率]
所定量のジアミン粉末、テトラカルボン酸無水物粉末を測定溶剤に溶解し、10質量%溶液を得た。大塚電子製MCPD−300、光路長1cmの標準セルを用いて、測定溶剤をブランクとし、ジアミン粉末、テトラカルボン酸無水物粉末の400nmにおける光透過率を測定した。
ポリイミド前駆体の評価
[対数粘度]
0.5g/dLのポリイミド前駆体 N,N−ジメチルアセトアミド溶液を、ウベローデ粘度計を用いて、30℃で測定した。
[光透過率]
10質量%のポリイミド前駆体溶液となる様に、ポリイミド前駆体をN,N−ジメチルアセトアミドで希釈した。大塚電子製MCPD−300、光路長1cmの標準セルを用いて、N,N−ジメチルアセトアミドをブランクとし、10質量%のポリイミド前駆体溶液の400nmにおける光透過率を測定した。
ポリイミドの評価
[光透過率]
大塚電子製MCPD−300を用いて、膜厚約10μmのポリイミド膜の400nmにおける光透過率を測定した。
[弾性率、破断伸度]
ポリイミド膜をIEC450規格のダンベル形状に打ち抜いて試験片とし、ORIENTEC社製TENSILONを用いて、チャック間 30mm、引張速度 2mm/minで、初期の弾性率、破断伸度を測定した。
[熱膨張係数(CTE)]
ポリイミド膜を幅4mmの短冊状に切り取って試験片とし、島津製作所製TMA−50を用い、チャック間長15mm、荷重2g、昇温速度20℃/minで300℃まで昇温した。得られたTMA曲線から、50℃から200℃までの平均熱膨張係数を求めた。
〔参考例1〕 t−DACH粉末の精製
ガラス製昇華装置に未精製のトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン 10.0gを仕込み、1Torr以下に減圧した。トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンが接している壁下面の温度を50℃に加熱し、5℃に温調された対面した壁上面に昇華物を得た。収量は、8.2gであった。この方法で得られたトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン粉末の光透過率の結果を表1に示す。
〔参考例2〕 BABB粉末の精製
ガラス製容器にBABB 20.0g、N,N−ジメチルアセトアミド 140gを仕込み、60℃に加熱し溶解した。溶液に吸着剤(Norit SX Plus)0.20gを加え、2時間攪拌した。吸着剤をろ過で取り除き、純水を加え、5℃まで冷却し、析出物を回収した。さらに、得られた析出物 10.0gをガラス製昇華装置に仕込み、1Torr以下に減圧した。BABBが接している壁下面の温度を300〜350℃に加熱し、25℃に温調された対面した壁上面に昇華物を得た。収量は、8.5gであった。この方法で得られたBABBの光透過率の結果を表1に示す。
〔参考例3〕 s−BPDA粉末の精製
ガラス製容器に未精製のs−BPDA 10.0g、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン 10.0gを仕込み、25℃で3時間、十分に攪拌した。溶液をろ別し、得られた固体を100℃ 2時間真空乾燥し、着色が低減されたs−BPDA粉末を得た。光透過率の結果を表1に示す。
〔参考例4〕 a−BPDA粉末の精製
ガラス製容器に未精製のa−BPDA 10.0g、溶媒としてアセトン 10.0gを仕込み、25℃で3時間、十分に攪拌した。溶液をろ別し、得られた固体を100℃ 2時間真空乾燥し、着色が低減されたa−BPDA 9.4gを得た。光透過率の結果を表1に示す。
〔参考例5〕 i−BPDA粉末の精製
ガラス製容器に未精製のi−BPDA 10.0g、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン 10.0gを仕込み、25℃で3時間、十分に攪拌した。溶液をろ別し、得られた固体を100℃ 2時間真空乾燥し、着色が低減されたi−BPDAを得た。光透過率の結果を表1に示す。
Figure 2016130325
〔実施例1〕
反応容器中に参考例1と同様の方法で精製したトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(t−DACH) 1.40g(0.0122モル)を入れ、モレキュラーシーブを用いて脱水したN,N−ジメチルアセトアミド 28.4gに溶解した。この溶液を50℃に加熱し、参考例3と同様の方法で精製した3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA) 3.50g(0.0119モル)と、参考例4と同様の方法で精製したa−BPDA 0.09g(0.0003モル)とを徐々に加えた。50℃で6時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下120℃で1時間、150℃で30分、200℃で30分、350℃で5分 まで昇温して熱的にイミド化を行なって、無色透明なポリイミド/ガラス積層体を得た。次いで、得られた共重合ポリイミド/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの特性を測定した結果を表2に示す。
〔実施例2〜6〕
表2に記載したジアミン成分、酸成分を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体溶液及び、ポリイミドフィルムを得た。特性を測定した結果を表2に示す。
〔比較例1〜3〕
表2に記載したジアミン成分、酸成分を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体溶液及び、ポリイミドフィルムを得た。特性を測定した結果を表2に示す。
Figure 2016130325
表2に示した結果から分かるとおり、本発明のポリイミドは、400nmにおける光透過率が80%以上であり、光学材料用途ポリイミドとして好適である。
本発明によって、フレキシブルディスプレイ用や、太陽電池用、タッチパネル用の透明基材に適した優れた透明性と高い機械強度、低熱線膨張係数を併せ持つポリイミド及びそのポリイミド前駆体を提供することができる。

Claims (14)

  1. ジアミン誘導体(ジアミン類及びそれらの誘導体を含む。以下同じ)とテトラカルボン酸誘導体(テトラカルボン酸類及びそれらの誘導体を含む。以下同じ)を反応させて得られるポリイミドであって、
    前記ジアミン誘導体が、光透過率が90%以上である芳香環を有しないジアミン誘導体、または光透過率が80%以上である芳香環を有するジアミン誘導体を含有し(但し、ジアミン誘導体の透過率は、純水もしくはN、N−ジメチルアセトアミドに10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの光透過率を表す。)、
    前記テトラカルボン酸誘導体が、光透過率が75%以上であるテトラカルボン酸誘導体を含有する(但し、テトラカルボン酸誘導体の透過率は、2規定水酸化ナトリウム溶液に10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの透過率を表す。)
    ことを特徴とするポリイミド。
  2. ジアミン誘導体の波長400nm、光路長1cmの光透過率が95%以上であり、テトラカルボン酸誘導体の波長400nm、光路長1cmの光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド。
  3. テトラカルボン酸誘導体、ジアミン誘導体の少なくともどちらか一方が、芳香族誘導体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミド。
  4. テトラカルボン酸誘導体が芳香族テトラカルボン酸誘導体であり、ジアミン誘導体が脂肪族ジアミン誘導体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミド。
  5. テトラカルボン酸誘導体がビフェニルテトラカルボン酸誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミド。
  6. ジアミン誘導体がトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミド。
  7. 膜厚10μmのフィルムにしたときの400nmにおける光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のポリイミド。
  8. 光学材料用途であることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のポリイミド。
  9. 使用されるジアミン誘導体の総モル量に対し、芳香環を有しないジアミン誘導体が50モル%以上含まれるポリイミド前駆体のうち、極性溶剤に10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの光透過率が90%以上であることを特徴とするポリイミド前駆体。
  10. 使用されるジアミン誘導体の総モル量に対し、芳香環を有するジアミン誘導体が50モル%以上含まれるポリイミド前駆体のうち、極性溶剤に10質量%の濃度に溶解して得られた溶液に対する波長400nm、光路長1cmの光透過率が50%以上であることを特徴とするポリイミド前駆体。
  11. 30℃、0.5g/dL N、N−ジメチルアセトアミド溶液における対数粘度が0.2dL/g以上であることを特徴とする請求項9又は10いずれかに記載のポリイミド前駆体。
  12. 下記一般式(1)の単位構造式を含むことを特徴とする請求項9又は11に記載のポリイミド前駆体。
    Figure 2016130325
    〔一般式(1)中、Xは4価の有機基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜9のアルキルシリル基である。〕
  13. 請求項9〜12のいずれかのポリイミド前駆体が溶媒中に均一に溶解されていることを特徴とするポリイミド前駆体溶液組成物。
  14. 請求項9〜12のいずれかのポリイミド前駆体をイミド化して得られることを特徴とするポリイミド。
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