JP2009031319A - 液晶配向剤の製造方法、液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤の製造方法、液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 Download PDF

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勉 熊谷
Michinori Nishikawa
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Abstract

【課題】金属イオンやアミン成分といったイオン性不純物が除去され、電気特性に優れ、かつ信頼性に優れた液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供する。
【解決手段】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって得られるポリアミック酸重合体および/またはそのイミド化重合体を含有する溶液を、イオン交換樹脂を含有する濾材またはゼータ電位が作用する濾材で処理する液晶配向剤の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤の製造方法、当該液晶配向剤、それより得られる液晶配向膜および当該液晶配向膜を具備した液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、液晶配向剤を、イオン交換樹脂を含有する濾材もしくはゼータ電位が作用する濾材で処理する方法により、溶液中のイオン性不純物を除去した液晶配向剤を得る製造方法、当該液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子に関する。
現在、液晶表示素子としては、ITO(酸化インジウム−酸化スズ)等の透明導電膜が設けられている基板表面にポリアミック酸、ポリイミドなどからなる液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置してその間隙内に正の誘電異方性を有するネマティック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90°捻れるようにした、いわゆるTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。また、TN型液晶表示素子に比してコントラストが高くて、その視角依存性の少ないSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子が開発されている。また、液晶を駆動するための2つの電極を片側の基板に櫛歯状に配置し、基板面に平行な電界を発生させ、液晶分子をコントロールする横電界型液晶表示素子が提案されている。この素子は一般的にインプレーンスイッチング型(IPS型)と呼ばれ、広視野角特性に優れることで知られている。さらには、負の誘電異方性を有する液晶分子を基板に垂直に配向してなるMVA(Multi−Domain Vertical Alignment)方式やPVA(Patterned Vertical Alignment)方式と呼ばれる垂直配向型液晶表示素子が提案されている(特許文献1および非特許文献1参照)。
液晶配向膜は、一般的に、液晶表示素子の液晶の配向状態を決める材料であるが、同時に良好な電気特性を有する必要もあることが知られている。ここで言う良好な電気特性としては、表示のチラツキの指標である電圧保持率が高いこと、および焼き付きの指標である残留DC値が低いこと、を代表的なものとして挙げることができる。これまで一般的に、配向膜の組成等をコントロールすることで、上記特性の向上を図ってきている(特許文献2〜5参照)。しかしながら、電圧保持率や残留DC値は、現に更なる改善が求められており、また、近年特に改善要求の強い性能の一つとして、液晶表示素子の信頼性の向上も挙げられている。一般に、信頼性低下を引き起こすひとつの要因として、金属イオン等のイオン性不純物の存在が疑われている。イオン性不純物が液晶表示素子内に存在することで、電圧保持率の低下、残留DC値の上昇のみならず、表示ムラ等の表示不良の原因となることが指摘されている。そのため、上記要請から、信頼性の向上のためには、液晶表示素子中のイオン性不純物を低減する必要があると考えられ、このような観点から、液晶配向剤中のイオン性不純物成分を除去することにより、その塗膜である液晶配向膜のイオン性不純物も低減可能であり、結果として信頼性の向上が見込まれることになる。
特開平11−258605号公報 特開平10−111514号公報 特開平8−220541号公報 WO2004/053583号公報 特開2006−152247号公報 特開平6−222366号公報 特開平6−281937号公報 特開平5−107544号公報 「液晶」、Vol.3(No.2)、p117(1999年)
本発明は上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的は、液晶配向剤溶液中のイオン性不純物を除去した液晶配向剤を得る製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、良好な電気特性と信頼性を有する液晶配向膜を与える液晶配向剤、当該液晶配向膜および高品位の表示特性を持つ液晶表示素子を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によると、本発明の上記目的および利点は、第一に、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって得られるポリアミック酸重合体および/またはそのイミド化重合体を含有する溶液を、イオン交換樹脂を含有する濾材またはゼータ電位が作用する濾材で処理することを特徴とする液晶配向剤の製造方法により達成される。
本発明の上記目的および利点は、第2に、上記製造方法により製造された液晶配向剤、それから得られる液晶配向膜ならびに当該液晶配向膜を具備する液晶表示素子によって達成される。
本発明の製造方法によれば、金属イオンやアミン成分といったイオン性不純物が除去された液晶配向剤が与えられる。また、当該液晶配向剤は、電気特性に優れ、かつ信頼性に優れた、液晶表示素子に好適に使用しうる液晶配向膜が得られる。
本発明の液晶表示素子は、種々の液晶表示装置、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、携帯電話、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶テレビなどに好適に使用することができる。
[機能性濾材]
本発明の液晶配向剤の製造方法に使用されるイオン交換樹脂を含有する濾材としては、濾過される濾液中のイオン性不純物に対しイオン交換機能を有する樹脂が選ばれる。ここで、イオン交換樹脂は、重合体、例えばスチレン系重合体、アクリル系重合体、メタクリル系重合体、ビニルアルコール系重合体、ポリエステル、セルロース等にイオン交換機能を有する官能基が導入されたものである。これらのイオン交換樹脂の形態は特に限定されず、粒状、繊維状あるいは多孔性の膜状(以下、単に「膜状」という)等であってよい。より具体的には、イオン交換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂あるいは弱塩基性アニオン交換樹脂が挙げられる。ここで、強酸性カチオン交換樹脂としては、例えば、ジビニルベンゼンで架橋したスチレン系重合体をスルホン化したものや、メタクリル系重合体をカルボン酸化したものが挙げられる。弱酸性カチオン交換樹脂としては、例えば、ジビニルベンゼンで架橋したアクリル酸、メタクリル酸の共重合体が挙げられる。また、強塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、ジビニルベンゼンで架橋したスチレン系重合体をアミノメチル化した後、4級アミン化したものが挙げられる。また弱塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、ジビニルベンゼンで架橋したスチレン系重合体をアミノメチル化したもの、あるいはジビニルベンゼンで架橋したアミノメチル基を有するアクリルアミド重合体等が挙げられる。
本発明の製造方法に使用されるゼータ電位が作用する濾材としては、濾過される濾液にゼータ電位が作用するものが選ばれる。ここでゼータ電位には、濾材に使用される樹脂膜およびイオン電荷調節剤の選択に応じて、正のゼータ電位を示す濾材と、負のゼータ電位を示す濾材が挙げられる。
まず正のゼータ電位を示す濾材としては、一般的に、通常の濾材、例えば木綿、パルプ、セルロース、ポリエステル、ケイソウ土、パーライト、活性炭、ゼオライト等にカチオン電荷調節剤が添加されたものが挙げられる。カチオン電荷調節剤により、濾材はカチオン電荷を付与され、濾過過程で当該濾材を通過する濾液中に含まれる荷電している物質、すなわち金属成分など、との間でゼータ電位を生じる。カチオン電荷調節剤としては、米国特許第2802820号公報に記載されているジシアンジアミド、モノエタノールアミンおよびホルムアルデヒドの反応物、米国特許第2839506号公報に記載されているアミノトリアジン樹脂、米国特許第4007113号公報に記載されているメラミン−ホルムアルデヒドカチオン樹脂、特公昭36−20045号公報に記載されているN,N’−ジエタノールピペラジン、メラミン、ホルマリンおよびグリセリンフタル酸エステルを反応させた樹脂、特公昭63−17486号公報に記載されているポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンカチオン樹脂等が挙げられ、中でもポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンカチオン樹脂が安定したカチオン電荷を与えるので好ましい。
上記の特公昭63−17486号公報には、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンカチオン樹脂をカチオン調節剤として用い、セルロース、ケイソウ土、パーライトを機能性濾材化した濾材から成るフィルターの製造方法が記載されている。本発明で使用される機能性濾材の厚さは10cm以下であることが好ましく、0.01〜10cmであることがより好ましい。
一方、特に「電荷修飾等を行っていない」膜において負のゼータ電位を示す濾材としては、一般的に、樹脂膜中にアミド結合を有する樹脂膜が選ばれる。前記アミド結合を有する樹脂としては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド系樹脂が挙げられ、ナイロン66が最も好ましいものとして挙げられる。
上記に挙げたイオン交換樹脂を含有する濾材、もしくはゼータ電位を示す濾材(以下、双方を併せて「機能性濾材」とする)は、それ単独で濾材として使用することもでき、両方の機能を有する濾材として使用することもできる。また、その他の素材から形成されたフィルターと組み合わせて使用してもよい。その他の素材としては、例えば、PTFE等のフッ素含有樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂が挙げられる。好ましい組み合わせの具体例としては、機能性濾材のあとに、ポリオレフィン樹脂の濾材を通過させる組み合わせが挙げられる。
上記の機能性濾材の、あるいは機能性濾材により形成される孔径は、好ましくは0.01μm〜10.0μmであり、より好ましくは0.02μm〜2.0μmである。機能性濾材のうちゼータ電位を示す濾材では、通液したときに発生する電位差によって、液中に存在している荷電した粒子が吸着されるので、濾材の孔径に比べて小さい不純物でも濾材に捕捉される。また荷電した金属等の不純物のうちいくつかは、ミクロゲル等の微粒子の状態で存在しているが、これらも濾材により捕捉される。同様に機能性濾材のうちイオン交換樹脂を含有する濾材では、通液したときに接触したイオン交換基、例えば強酸性カチオン交換樹脂中のスルホン基など、とのイオン交換反応によって、上記と同様の捕集能を有する。ここで言うフィルター孔径とは、メーカーの公称孔径値である。
本発明の製造方法に用いられる機能性濾材としては、市販されているものを広く用いることができる。
機能性濾材のうちゼータ電位を示す濾材としては、キュノ(株)製のゼータプラスGNシリーズおよびLAシリーズ(製品名)やフォトシールドシリーズ(製品名)、日本ポール(株)製のポジダインシリーズ、ウルチプリーツ・P−ナイロン(製品名)、ウルチポアN66(製品名)などが好ましく用いられる。
また機能性濾材のうちイオン交換樹脂を含有する濾材としては、日本ポール(株)製のイオンクリーンシリーズ(製品名)、日本インテグリス(株)製のプロテゴシリーズ(製品名)などが好ましく用いられる。またゼータ電位を示しかつイオン交換樹脂を含有する濾材としては、キュノ(株)製のゼータプラスSHシリーズ(製品名)などが好ましく用いられる。
[液晶配向剤]
本発明の液晶配向剤は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって得られるポリアミック酸重合体および/またはそのイミド化重合体を含有する。以下、本発明の液晶配向剤に含有される重合体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンについて説明する。
<テトラカルボン酸二無水物>
ポリアミック酸の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
上記脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
上記脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば下記式(I−1)〜(I−8)
Figure 2009031319
(ここで、Rは相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、nは0〜2の整数である。但しn=2のとき、2つのRは同一でも異なっていてもよい。)
のそれぞれで表される化合物、下記式(1)または(2)
Figure 2009031319
(式(1)および(2)中、RおよびRは芳香環を有する2価の有機基を示し、RおよびRは相互に独立に水素原子またはアルキル基を示す。)
で表される化合物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3,4,8,9−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−4−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
上記式(I−1)におけるRのハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を挙げることができる。また、Rの1価の有機基としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシル基などを挙げることができ、具体的には例えばメチル基、エチル基、メトキシル基などを挙げることができる。
上記式(I−1)で表される化合物の具体例としては、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジエチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジエチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
上記式(I−8)で表される化合物の具体例としては、例えば1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンなどを挙げることができる。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(3)〜(7)
Figure 2009031319
のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
これらテトラカルボン酸二無水物は1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、このうち、上記式(I−1)〜(I−8)のそれぞれで表される化合物よりなる群から選らばれる少なくとも1種の化合物を含有するものが好ましい。これらの好ましいテトラカルボン酸二無水物の含有割合は、全テトラカルボン酸二無水物に対して20モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましい。
<ジアミン>
ポリアミック酸の合成に用いられるジアミンとしては、例えば脂肪族または脂環式ジアミン、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン、ジアミノオルガノシロキサン、芳香族ジアミンなどを挙げることができる。
上記脂肪族または脂環式ジアミンとしては、例えば1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4−ビス(アミノプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノプロピル)シクロヘキサン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)など;
上記分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミンとしては、例えば2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンなど;
上記ジアミノオルガノシロキサンとしては、例えば下記式(8)
Figure 2009031319
(式(8)中、Rは相互に独立に水素原子または1価の有機基を示し、Rは相互に独立にメチレン基または炭素数2〜20のアルキレン基であり、pは1〜20の整数である。)
で表される化合物など;
上記芳香族ジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、4−(4−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、下記式(9)〜(11)
Figure 2009031319
(式(9)〜(11)中、Xは相互に独立に単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−S−、メチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基またはフェニレン基であり、Rは炭素数10〜20のアルキル基、脂環式骨格を有する炭素数4〜40の1価の有機基または炭素数6〜20のフッ素原子を有する一価の有機基であり、R10は脂環式骨格を有する炭素数4〜40の2価の有機基または炭素数5〜30のフッ素原子を有する2価の有機基であり、qは1〜20の整数である。)
のそれぞれで表される化合物などを、それぞれ挙げることができる。
上記式(9)で表わされるジアミンとしては、例えば下記式(12)〜(22)
Figure 2009031319
Figure 2009031319
Figure 2009031319
のそれぞれで表される化合物を、また、上記式(10)で表される化合物としては、下記式(23)〜(25)
Figure 2009031319
のそれぞれで表される化合物を、それぞれ挙げることができる。
これらジアミンは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。上記で例示したジアミンのうち、好ましいものの例として、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4−ビス(アミノプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノプロピル)シクロヘキサン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,7−ジアミノフルオレンが挙げられる。これらの好ましいジアミンの含有割合は、全ジアミンに対して20モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましい。
<ポリアミック酸の合成>
次に、本発明の液晶配向剤が含有することのできるポリアミック酸の合成方法について説明する。
ポリアミック酸は、上記のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、好ましくは有機溶媒中において、好ましくは−20℃〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で、好ましくは0.5〜72時間反応させることにより合成することができる。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.2当量となる割合である。
ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒などを例示することができる。有機溶媒の使用量(α)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(β)の反応溶液の全量(α+β)に対する割合(モノマー濃度)が0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
上記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
<ポリアミック酸のイミド化重合体の合成方法>
次に、本発明の液晶配向剤が含有することのできるポリアミック酸のイミド化重合体の合成方法について説明する。
ポリアミック酸のイミド化重合体は、上記ポリアミック酸が有するアミック酸構造のうちの一部または全部を脱水閉環することにより合成することができる。
ポリアミック酸の脱水閉環反応は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解しこの溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、所望するイミド化率によるが、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好ましい。イミド化率は上記の脱水剤、脱水閉環剤の使用量が多いほど高くすることができる。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして上記に例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。このようにして得られた反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法におけるのと同様の操作を行うことにより、得られたイミド化重合体を精製することができる。
<重合体の平均イミド化率>
本発明に用いることのできるポリアミック酸のイミド化重合体は、全繰り返し単位におけるイミド環を有する繰り返し単位の割合(以下、「イミド化率」ともいう)が100%未満の、部分的に脱水閉環されたものであってもよい。イミド化率は、重合体のH−NMRから下記数式(1)により求めることができる。

イミド化率(%)=(1−A1/A2×α)×100 (1)

(ここで、A1はNH基のプロトンに由来する化学シフト10ppm付近のピーク面積であり、A2は芳香族プロトンに由来する化学シフト7〜8ppm付近のピーク面積であり、αはイミド化反応前のポリアミック酸におけるNH基のプロトン1個に対する芳香族プロトンの個数の割合である。)
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体の平均イミド化率は、好ましくは10〜100%であり、より好ましくは20〜100%である。なお、ここでいう「平均イミド化率」とは、本発明に含有されるポリアミック酸およびそのイミド化重合体の全部からなる重合体混合物について上記の方法により測定されたイミド化率を意味する。後述するように、本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体は、その一部をその他のポリアミック酸およびそのイミド化重合体からなる群から選択される少なくとも一種で置き換えることができる。その場合の平均イミド化率は、ポリアミック酸およびそのイミド化重合体ならびにその他のポリアミック酸およびそのイミド化重合体の全部からなる重合体混合物について上記の方法により測定されたイミド化率をいうものと理解されるべきである。
<末端修飾型の重合体>
本発明で用いられるポリアミック酸またはそのイミド化重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型の重合体は、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。モノアミン化合物としては、例えばアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、p−ヘキシルアニリン、2−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、p−トリフルオロメトキシアニリン、p−トリフルオロエトキシアニリン、シクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルエチルアミン、n―エチルシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどを挙げることができる。モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
<重合体の溶液粘度>
本発明の配向剤に使用する重合体は、10重量%の溶液としたときに、20〜800mPa・sの粘度を持つものであることが好ましく、30〜500mPa・sの粘度を持つものであることがより好ましい。
なお、重合体の溶液粘度(mPa・s)は、N-メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、固形分濃度10重量%になるように希釈した溶液ついてE型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
<分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物>
本発明の液晶配向剤は上記重合体のほかに、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物(以下「エポキシ化合物」という。)を含有してもよい。
エポキシ化合物としては、例えばグリシジルエーテル化合物、グリシジルアミン化合物などを挙げることができる。
上記グリシジルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、ベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−メチルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−エチルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−n−ヘキシルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−n−ドデシルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−トリフルオロメチルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2,5−ジエチルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテルなどを挙げることができる。これらグリシジルエーテル化合物のうち、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、ベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、2−メチルベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテルが好ましいものとして挙げられる。
上記グリシジルアミン化合物としては、例えばN,N−ジグリシジルアミノベンゼン、N,N−ジグリシジル−2−n−ヘキシルアミノベンゼン、N,N−ジグリシジル−2,2’−ジメチル−4−アミノビフェニル、N,N−ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアミノメチルベンゼン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2−メチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2−n−プロピル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2−n−ヘキシル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス[4−(N,N−ジグリシジル−4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼンなどを挙げることができる。これらグリシジルアミン化合物のうち、N,N−ジグリシジルアミノベンゼン、N,N−ジグリシジル−2−n−ヘキシルアミノベンゼン、N,N−ジグリシジル−2,2’−ジメチル−4−アミノビフェニル、N,N−ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアミノメチルベンゼン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2−n−ヘキシル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス[4−(N,N−ジグリシジル−4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼンを好ましいものとして挙げることができる。
本発明の液晶配向剤におけるエポキシ化合物の使用割合としては、全重合体(ポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体の全部をいう。以下同じ。)100重量部に対して好ましくは0.01〜100重量部であり、より好ましくは0.1〜50重量部である。
<官能性シラン含有化合物>
本発明の液晶配向剤は、得られる液晶配向膜の基板表面に対する接着性をより向上させる目的として、官能性シラン含有化合物を含有してもよい。かかる官能性シラン含有化合物の具体例としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(N−アリルーNーグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体ならびに任意的に添加されるその他の成分が、好ましくは有機溶媒に溶解して含有された溶液状態として調製されたのち、上記に挙げた機能性濾材を通過させることにより製造される。
本発明の液晶配向剤に使用される有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどを挙げることができる。これらは単独で使用することができ、または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤中の溶媒以外の成分の合計重量を液晶配向剤の総重量で除した値)は、粘性、揮発性などを考慮して、好ましくは1〜10重量%の範囲で選択される。本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、一方、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる場合があり、いずれも好ましくない。
本発明の液晶配向剤のより好ましい固形分濃度の値は、本発明の液晶配向剤を基板に塗布する際に採用する方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合には固形分濃度を1.5〜4.5重量%の範囲とすることが特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を4〜10重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を10〜50mPa・sの範囲とするのが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を2〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とするのが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤の表面張力は、30〜40mN/mであることが好ましい。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃であり、より好ましくは20℃〜60℃である。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、上記の如くして得られた本発明の液晶配向剤から得られた液晶配向膜を具備する。
本発明の液晶表示素子は、例えば次の工程(1)〜(4)により製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を、例えばオフセット印刷法、スピンコート法、インクジェット印刷法などの適宜の塗布方法により塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板などを用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、例えば酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や、透明導電膜を形成する際に予めマスクを用いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。なお、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成するが、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。
形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)次いで、上記の如くして形成された塗膜面を、通常、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特許文献6や特許文献7に示されているような紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特許文献8に示されているようなラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
(3)上記(1)ないし(2)のようにして得られた液晶配向膜は、必要に応じて洗浄を行ってもよい。洗浄溶剤としては、例えば水、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどを用いることができる。洗浄効率を高めるために、洗浄溶剤に界面活性剤を添加してもよく、あるいは溶剤を加熱して洗浄する方法、ブラッシングを併用する方法、超音波を併用する方法によってもよい。洗浄後は、そのまままたは適当な溶剤でリンス等を実施したのち、必要に応じて加熱乾燥を実施することもできる。
(4)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と一致または直交するように貼り合わせることにより、液晶表示素子が得られる。ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
以下の実施例、比較例において調製した液晶配向剤の評価は、以下の方法によった。
[液晶配向剤の金属含有量測定]
液晶配向剤を、原子吸光分析を用いて測定した。
[液晶表示素子の電圧保持率の測定]
60℃において液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、16.7マイクロ秒のスパンで印加した後、印加解除から16.7ミリ秒後の電圧保持率を測定した。
[液晶表示素子の残留DCの測定]
液晶表示素子に直流0.5Vを重畳した30Hz、3.0Vの矩形派70℃の環境温度で2時間印加し、直流電圧を切り15分間室温にて放置したのち、液晶表示素子内に残留した直流電圧を、フリッカー消去法により求めた。
合成例1〜30
N−メチルピロリドンに、表1に示す組成でジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物をこの順で加えて、60℃で4時間反応させてポリアミック酸(A−1)〜(A−30)を含有する溶液を得た。次に、得られた各ポリアミック酸を希釈した溶液に、溶液中のアミック酸単位の総量(モル)に対して表1に示した倍モル数(当量)のピリジンおよび無水酢酸をそれぞれ加えた後、110℃に加熱して4時間脱水閉環反応を行った。得られた溶液をジエチルエーテルで再沈殿して、回収、減圧乾燥することにより、イミド化重合体である(B−1)〜(B−30)を得た。これらイミド化重合体のイミド化率を表1に示した。
合成例31〜37
N−メチルピロリドンに、表1に示す組成でジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物をこの順で加えて、60℃で4時間反応させた。得られた溶液をジエチルエーテルで再沈殿して、回収、減圧乾燥することにより、ポリアミック酸(A−31)〜(A−37)を含有する溶液を得た。なお、合成例31〜37においてはイミド化反応は行わなかった。
Figure 2009031319
表1中、ジアミンおよび酸無水物について、カッコ内の数字はモノマーの使用割合(モル比)を示し、表中の記号の意味は下記の通りである。
<ジアミン化合物>
D−1:p−フェニレンジアミン
D−2:4,4’−ジアミノジフェニルメタン
D−3:2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル
D−4:1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン
D−5:m−キシレンジアミン
D−6:ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン
D−7:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
D−11:上記式(12)で表されるジアミン
D−12:上記式(13)で表されるジアミン
D−13:上記式(19)で表されるジアミン
D−14:上記式(23)で表されるジアミン
D−15:上記式(18)で表されるジアミン
D−16:オクタデシルアミン
D−17:アニリン
<テトラカルボン酸二無水物>
T−1:2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
T−2:1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン
T−3:5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物
T−4:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
T−5:ピロメリット酸二無水物
実施例1
重合体として合成例1で得たイミド化重合体B−1を、γ―ブチロラクトン/N−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ混合溶液(重量比60:30:10)に溶解し、固形分濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液を、「ゼータプラス020GN(製品名)」(キュノ(株)製;フィルターA)を用いて濾過することにより、本発明の液晶配向剤を得た。続いてこの溶液を目視観察したところ、濁りのない透明な溶液であった。
この液晶配向剤を用いて上述した方法に従って、各種評価を行った。結果を表2に示した。
実施例2〜46および比較例1〜15
液晶配向剤に配合した重合体および使用したフィルターの種類を表2および表3に記載のとおりとしたほかは実施例1と同様にしてそれぞれ液晶配向剤を調製した。これらの配向剤を用いて上述した方法に従って行った評価の結果を表4、表5に示した。
Figure 2009031319
Figure 2009031319
表2および表3中、使用フィルターに関する記号の意味は下記の通りである。
フィルターA:「ゼータプラス020GN(製品名)」 (キュノ(株)製)
フィルターB:「プロテゴCF(製品名)」 (日本インテグリス(株)製)
フィルターC:「ウルチプリーツ・P−ナイロン(製品名)」 (日本ポール(株)製)
フィルターD:「ゼータプラス40QSH(製品名)」 (キュノ(株)製)
フィルターX:「マイクロガード(製品名;ポリエチレン製)」 (日本インテグリス(株)製)
Figure 2009031319
Figure 2009031319

Claims (6)

  1. テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって得られるポリアミック酸重合体および/またはそのイミド化重合体を含有する溶液を、イオン交換樹脂を含有する濾材またはゼータ電位が作用する濾材で処理することを特徴とする液晶配向剤の製造方法。
  2. テトラカルボン酸二無水物が脂環式テトラカルボン酸二無水物である請求項1に記載の液晶配向剤の製造方法。
  3. 脂環式テトラカルボン酸二無水物が、下記式(I−1)〜(I−8)のそれぞれで表される脂環式テトラカルボン酸二無水物のうちの少なくとも一種である請求項2に記載の液晶配向剤の製造方法。
    Figure 2009031319
    (ここで、4つのRは、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、nは0〜2の整数である。但し、nが2のとき、2つのRは同一でも異なってもよい。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られた液晶配向剤。
  5. 請求項4に記載の液晶配向剤から得られた液晶配向膜。
  6. 請求項5に記載の液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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