JPWO2011004426A1 - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents
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Abstract
ワイヤ電極(1)と被加工物(2)との間にパルス電圧を印加して放電加工を行うワイヤ放電加工機において、被加工物(2)とワイヤ電極(1)との相対的な加工速度を検出する加工速度検出手段(14)と、放電パルスの加工エネルギを算出する加工エネルギ演算手段(13)と、加工速度検出手段(14)により検出された加工速度と、加工エネルギ演算手段(13)により算出された加工エネルギとに基づいて被加工物(4)の板厚を演算す板厚算出手段(12)と、板厚算出手段(12)により算出された被加工物(4)の板厚に応じて加工条件が切り替わった後に、加工中の加工状態より加工が定常状態であるか否かを判断する定常状態判断手段(16)と、この定常状態判断手段(16)より定常状態と判断された際に、板厚算出手段(12)の算出板厚に応じた加工条件に切り替え、定常状態でないと判断された際には、算出板厚に応じた加工条件への切り替えを行わない加工条件切替手段(11)と、を備えた。
Description
本発明はワイヤ放電加工装置に関するものである。
一般的に、ワイヤ放電加工では被加工物の板厚が40〜60mmの範囲で最もワイヤ電極の断線限界が高く、加工エネルギの最も大きな加工条件を設定できる。
これは、ワイヤ電極に流すことができる加工電流には上限があるが、被加工物が厚くなるほど単位ワイヤ電極長さあたりの電流密度が小さくなることによって断線限界が高くなるからである。一方、ある板厚を超えると加工液によるワイヤ電極の冷却効果や加工粉の除去効果が低下することによって断線限界が低下し、ワイヤ断線を生じることがある。
すなわち、上述の如く板厚が40〜60mmの範囲で投入可能エネルギが最大となり、前記板厚範囲から離れるほど投入可能エネルギは小さくなる。
これは、ワイヤ電極に流すことができる加工電流には上限があるが、被加工物が厚くなるほど単位ワイヤ電極長さあたりの電流密度が小さくなることによって断線限界が高くなるからである。一方、ある板厚を超えると加工液によるワイヤ電極の冷却効果や加工粉の除去効果が低下することによって断線限界が低下し、ワイヤ断線を生じることがある。
すなわち、上述の如く板厚が40〜60mmの範囲で投入可能エネルギが最大となり、前記板厚範囲から離れるほど投入可能エネルギは小さくなる。
ワイヤ放電加工機では異なる板厚を有する被加工物を加工する時、断線限界の高い板厚部に合わせて加工条件を設定すると、断線限界の低い板厚部を加工する時にワイヤ断線し、断線限界の低い板厚部に合わせて加工条件を設定すると、断線限界の高い板厚部を加工する時に加工速度が低下するという問題がある。
したがってワイヤ放電加機で断線せず、かつ効率良く加工するためには、被加工物の板厚変化に応じて適切な加工条件を設定する必要があり、被加工物の板厚を、加工速度とエネルギとの比を算出することで求め、算出板厚に応じて適切な加工条件を選択することによって効率良く放電加工を行う技術が特許文献1に開示されている。
したがってワイヤ放電加機で断線せず、かつ効率良く加工するためには、被加工物の板厚変化に応じて適切な加工条件を設定する必要があり、被加工物の板厚を、加工速度とエネルギとの比を算出することで求め、算出板厚に応じて適切な加工条件を選択することによって効率良く放電加工を行う技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された加工条件の変更は、加工送り量及び加工エネルギの比から板厚を算出し加工条件を変更している。
具体的には、放電加工において、単位時間あたりの加工体積は、被加工物の板厚と、加工取り代と、単位時間あたりの加工送り量の積で算出される。(式1参照)
板厚=加工体積/(加工送り量×加工取り代) 式1
加工体積は加工エネルギと比例関係にあることから、式1は式2と表せる。
板厚=(定数×加工エネルギ)/(加工送り量×加工取り代) 式2
具体的には、放電加工において、単位時間あたりの加工体積は、被加工物の板厚と、加工取り代と、単位時間あたりの加工送り量の積で算出される。(式1参照)
板厚=加工体積/(加工送り量×加工取り代) 式1
加工体積は加工エネルギと比例関係にあることから、式1は式2と表せる。
板厚=(定数×加工エネルギ)/(加工送り量×加工取り代) 式2
例えば、断線限界の低い(薄い)板厚から断線限界の高い(厚い)板厚方向へ加工する場合では、式2に基づいて、板厚変化が検出され、検出された板厚に応じて予め設定されている加工エネルギの大きな加工条件に切り替えられる。
そして、加工条件を変更した直後(加工サーボの応答性に応じた過渡状態中)は、加工エネルギの変化に起因して加工が安定せず、加工面粗さの悪化や、ワイヤ断線が生じてしまうおそれがあった。
そして、加工条件を変更した直後(加工サーボの応答性に応じた過渡状態中)は、加工エネルギの変化に起因して加工が安定せず、加工面粗さの悪化や、ワイヤ断線が生じてしまうおそれがあった。
本発明者らの実験により、板厚変化に伴う加工条件変更直後の不具合は、加工取り代の変化に起因する点を見出した。
すなわち、薄い板厚から厚い板厚へ加工が切り替わる際には、変更後の加工エネルギによって加工取り代が大きくなり、逆に、板厚が厚い状態から薄い状態に変化する場合は、加工エネルギの小さな加工条件に切り替えた後は、加工取り代が小さくなり、加工精度の点から加工取り代を一定となるように制御(加工サーボ)しているにもかかわらず、実際には加工サーボの応答が加工電源の条件切替に比べて遅いため、加工条件を変更した直後は加工取り代が一定とはならない。
具体的には、変更後の加工エネルギによって加工取り代が大きくなるというよりは、加工エネルギが変わったにも関わらず、加工サーボの応答が遅いためにすぐに加工エネルギに対応した加工速度にならず、加工取り代が大きく(または小さく)なる現象が発生する。
すなわち、薄い板厚から厚い板厚へ加工が切り替わる際には、変更後の加工エネルギによって加工取り代が大きくなり、逆に、板厚が厚い状態から薄い状態に変化する場合は、加工エネルギの小さな加工条件に切り替えた後は、加工取り代が小さくなり、加工精度の点から加工取り代を一定となるように制御(加工サーボ)しているにもかかわらず、実際には加工サーボの応答が加工電源の条件切替に比べて遅いため、加工条件を変更した直後は加工取り代が一定とはならない。
具体的には、変更後の加工エネルギによって加工取り代が大きくなるというよりは、加工エネルギが変わったにも関わらず、加工サーボの応答が遅いためにすぐに加工エネルギに対応した加工速度にならず、加工取り代が大きく(または小さく)なる現象が発生する。
加工エネルギを決定するための板厚は、上述の通り式2に基づいて定められるが、板厚変化後の過渡状態は、加工取り代が変化するため、式2における加工取り代の変動により板厚を誤検出し、この誤検出した板厚に応じて加工条件をさらに変更すると不適切な加工条件に切り替わる場合や、適切な加工条件より大きなエネルギの加工条件に切り替わることによってワイヤ断線を生じたりする可能性がある。
また端面、コーナ部では加工が不安定になりやすいために板厚を誤検出する可能性があり、上記と同様の問題がある。
すなわち、式2に基づく算出板厚に応じて加工条件を切り替えるだけでは適切な加工条件に切り替わらなかったり、不適切な加工条件に切り替わることによってワイヤ断線が生じたりすることを発明者らは明らかにした。
すなわち、式2に基づく算出板厚に応じて加工条件を切り替えるだけでは適切な加工条件に切り替わらなかったり、不適切な加工条件に切り替わることによってワイヤ断線が生じたりすることを発明者らは明らかにした。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、板厚変化に応じて加工条件を切り替えた直後の過渡状態では板厚変化の誤検出を起こす可能性があるので、該誤検出を防止し、実際の板厚に応じた加工条件の提供により精度良く加工を行うことを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のワイヤ放電加工装置は、設定された加工条件に応じてワイヤ電極と被加工物との間にパルス電圧を印加して放電パルスを発生させることにより、被加工物の放電加工を行うワイヤ放電加工機において、前記被加工物と前記ワイヤ電極との相対的な加工速度を検出する加工速度検出手段と、前記放電パルスの加工エネルギを算出する加工エネルギ演算手段と、前記加工速度検出手段により検出された前記加工速度と、前記加工エネルギ演算手段により算出された前記加工エネルギとに基づいて前記被加工物の板厚を演算す板厚算出手段と、前記板厚算出手段により算出された前記被加工物の板厚に応じて加工条件が切り替わった後に、加工中の加工状態より加工が定常状態であるか否かを判断する定常状態判断手段と、この定常状態判断手段より定常状態と判断された際に、前記板厚算出手段の算出板厚に応じた加工条件に切り替え、定常状態でないと判断された際には、算出板厚に応じた加工条件への切り替えを行わない加工条件切替手段と、を備えた。
本発明によれば、定常状態判断装置によって、板厚を誤検出する可能性がある加工サーボの過渡状態時と、板厚を正確に算出できる加工サーボの定常状態時とを判別できる。
そして板厚を誤検出する可能性がある過渡状態時は算出板厚に応じた加工条件の切替を待機し、定常状態となり板厚が正確に算出できるようになってから算出板厚に応じて加工条件を切り替えることによって、板厚誤検出による不適切な加工条件への切替を回避できる。
そして板厚を誤検出する可能性がある過渡状態時は算出板厚に応じた加工条件の切替を待機し、定常状態となり板厚が正確に算出できるようになってから算出板厚に応じて加工条件を切り替えることによって、板厚誤検出による不適切な加工条件への切替を回避できる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1で述べるワイヤ放電加工機の装置全体を示すブロック図である。
ワイヤ電極1と、ワイヤ電極1に接触する一対の給電子4と、発振器6の出力に応じて給電子4にパルス電圧を印加する加工電源5と、被加工物2を搭載した被加工物テーブル3とワイヤ電極1を移動させるサーボモータ7と、サーボモータ7を駆動するサーボアンプ8と、発振器6及びサーボアンプ8を制御する制御手段9と、加工条件を設定する加工条件入力手段10とを備える。
そしてワイヤ電極1と被加工物2を相対的に所定の速度で移動させながら、ワイヤ電極1と被加工物2の間で放電を発生させて加工を行う。
図1は、本発明の実施の形態1で述べるワイヤ放電加工機の装置全体を示すブロック図である。
ワイヤ電極1と、ワイヤ電極1に接触する一対の給電子4と、発振器6の出力に応じて給電子4にパルス電圧を印加する加工電源5と、被加工物2を搭載した被加工物テーブル3とワイヤ電極1を移動させるサーボモータ7と、サーボモータ7を駆動するサーボアンプ8と、発振器6及びサーボアンプ8を制御する制御手段9と、加工条件を設定する加工条件入力手段10とを備える。
そしてワイヤ電極1と被加工物2を相対的に所定の速度で移動させながら、ワイヤ電極1と被加工物2の間で放電を発生させて加工を行う。
さらに本発明のワイヤ放電加工機は、予め定められたサンプリング期間における加工間隙に発生する全ての放電パルス数を計数する放電パルス計数手段15と、放電パルス計数手段15が出力する放電パルス数から加工エネルギを算出する加工エネルギ算出手段13と、単位時間当たりの加工送り量である加工速度を計測する加工速度計測手段14と、加工エネルギ算出手段13の出力する加工エネルギと加工速度計測手段14の出力する加工速度から、被加工物2の板厚を算出する板厚算出手段12を備える。
また加工状態量を計測する加工状態量計測手段19と、加工状態量計測手段19が出力する加工状態量からワイヤ電極と被加工物との極間電圧に基づく制御の定常状態指標を算出する定常状態指標算出手段18と、加工サーボが定常状態であるかを判断する閾値を設定する定常状態閾値設定手段17と、定常状態指標算出手段18から出力される定常状態指標と定常状態閾値設定手段17に設定された定常状態閾値を比較して加工サーボが定常状態であるかを判断する定常状態判断手段16を備える。
そして板厚算出手段12が算出する被加工物2の板厚と、定常状態判断手段16が出力する定常状態判断結果をもとに加工条件を切り替える加工条件切替手段11を備える。
なお、本実施の形態では、制御装置9から加工状態量計測手段19までが数値制御装置の各機能として構成されている。
なお、本実施の形態では、制御装置9から加工状態量計測手段19までが数値制御装置の各機能として構成されている。
本発明の実施の形態1の動作を説明する前に、本発明の原理を以下に説明する。
背景技術でも述べたように、ワイヤ放電加工機で複数の異なる板厚を有する被加工物を、断線せずに効率良く加工するためには、被加工物の板厚に応じて加工条件を適切に切り替える必要がある。
そのため、放電パルス計数手段15が、予め定められたサンプリング期間(単位時間)における加工間隙に発生する全ての放電パルス数を計数し、加工エネルギ算出手段13が、放電パルス計数手段15から出力された放電パルス数と放電電流ピーク値との積から加工エネルギを算出する。
また、加工速度計測手段14は、リニアスケールなどを用いて単位時間あたりの加工送り量を計測し、単位時間あたりの加工送り量を加工速度とする。
加工サーボを適用して加工している時は加工取り代が一定となるので、加工取り代をあらかじめ求めておけば、板厚は2式を用いて加工エネルギと加工速度から算出できる。
そして、板厚算出手段12が、加工エネルギ算出手段13の出力する加工エネルギと加工速度計測手段14の出力する加工速度から、式2を用いて被加工物2の板厚を算出し、該算出された板厚に応じた加工条件となるように加工条件切替手段11がNC装置9に指令を与え、加工を行うものである。
背景技術でも述べたように、ワイヤ放電加工機で複数の異なる板厚を有する被加工物を、断線せずに効率良く加工するためには、被加工物の板厚に応じて加工条件を適切に切り替える必要がある。
そのため、放電パルス計数手段15が、予め定められたサンプリング期間(単位時間)における加工間隙に発生する全ての放電パルス数を計数し、加工エネルギ算出手段13が、放電パルス計数手段15から出力された放電パルス数と放電電流ピーク値との積から加工エネルギを算出する。
また、加工速度計測手段14は、リニアスケールなどを用いて単位時間あたりの加工送り量を計測し、単位時間あたりの加工送り量を加工速度とする。
加工サーボを適用して加工している時は加工取り代が一定となるので、加工取り代をあらかじめ求めておけば、板厚は2式を用いて加工エネルギと加工速度から算出できる。
そして、板厚算出手段12が、加工エネルギ算出手段13の出力する加工エネルギと加工速度計測手段14の出力する加工速度から、式2を用いて被加工物2の板厚を算出し、該算出された板厚に応じた加工条件となるように加工条件切替手段11がNC装置9に指令を与え、加工を行うものである。
なお、背景技術で説明した如く、加工エネルギの大きな加工条件に切り替えた直後の過渡状態では定常状態時に比べて加工取り代が大きくなり、反対に加工エネルギの小さな加工条件に切り替えた後の過渡状態では定常状態に比べて加工取り代が小さくなることから、式2より、定常状態時に比べて過渡状態時に加工取り代が大きくなる時には板厚は実際より薄く算出され、定常状態に比べて過渡状態時に加工取り代が小さくなる時には板厚は実際より厚く算出される。
図2は断線限界の低い板厚から断線限界の高い板厚へと加工が進んだ時の算出板厚、加工エネルギ、加工取り代を示したものである。
タイミング1において板厚が変化し、算出板厚も大きな値に変化する。
すると、所定のタイムラグ後、加工エネルギは算出板厚の変化に応じた加工条件に切り替えられ、加工エネルギが大きくなる。
なお、タイミング1による板厚算出と、加工エネルギ変更のタイムラグは、制御手段9が条件切替出力をしてから、加工電源5が切替出力通りの条件で動作するまでの遅れにより生じるが、該時間は数十から数百μ秒程度であり、加工には影響がほとんど発生しない。
タイミング1において板厚が変化し、算出板厚も大きな値に変化する。
すると、所定のタイムラグ後、加工エネルギは算出板厚の変化に応じた加工条件に切り替えられ、加工エネルギが大きくなる。
なお、タイミング1による板厚算出と、加工エネルギ変更のタイムラグは、制御手段9が条件切替出力をしてから、加工電源5が切替出力通りの条件で動作するまでの遅れにより生じるが、該時間は数十から数百μ秒程度であり、加工には影響がほとんど発生しない。
加工条件切り替え後の、過渡状態である時は、前述したように加工取り代が一定とならず、タイミング2からタイミング4の間、加工取り代は加工取り代が定常状態の時より大きな値になるために板厚が実際より薄く算出され、算出板厚に応じて加工条件を切り替えるだけでは適切な加工条件にスムーズに切り替わらない場合が存在する。
なお、過渡状態を過ぎるタイミング4以降は、加工取り代も一定値となり、板厚は正しく算出される。
なお、過渡状態を過ぎるタイミング4以降は、加工取り代も一定値となり、板厚は正しく算出される。
すなわち、本発明の趣旨は、加工条件が切り替わった直後の過渡状態(タイミング2〜4の期間)である時や加工が不安定な時は、算出板厚に応じた加工条件切り替えを行うことなく正確な板厚に応じた加工条件で加工を行うものである。
なお、加工取り代と密接に関係する加工サーボの応答に着目し、板厚を誤検出する可能性がある過渡状態時や不安定状態時は加工サーボが不安定な状態は加工サーボが定常状態に落ち着いていない状態と考え、加工サーボが定常状態に落ち着いたかどうかを検出することで板厚変化時の加工条件変更を制御するものである。
また、以下の説明では加工サーボが不安定な状態も加工サーボが過渡状態である場合に含めることにする。
なお、加工取り代と密接に関係する加工サーボの応答に着目し、板厚を誤検出する可能性がある過渡状態時や不安定状態時は加工サーボが不安定な状態は加工サーボが定常状態に落ち着いていない状態と考え、加工サーボが定常状態に落ち着いたかどうかを検出することで板厚変化時の加工条件変更を制御するものである。
また、以下の説明では加工サーボが不安定な状態も加工サーボが過渡状態である場合に含めることにする。
図3は、極間電圧から加工サーボ定常状態指標を算出する過程を示したものであり、図3(a)は、極間電圧波形を示したもの、図3(b)は、(a)の波形からAC成分のみを抽出するためにハイパスフィルタ処理した波形、図3(c)は、(b)の波形の絶対値をとった後にローパスフィルタ処理した波形である。
板厚変化に応じて加工エネルギの小さい加工条件から加工エネルギの大きい加工条件に切り替えると、図3(a)のように極間電圧が定常状態に落ち着くまでには時間を要する。
この極間電圧の変動している間は上述の通り加工サーボ過渡状態であり、板厚を正確に算出できない。
そこで、AC成分のみを抽出するハイパスフィルタによって極間電圧の変動量を求め、その波形の絶対値を取った後にローパスフィルタ処理を施すことにより高周波ノイズを除去することによって図3(c)の波形を得て、ある閾値を設定することで加工サーボ過渡状態であるか否かを判断すれば、図3(c)の波形は加工サーボ定常状態指標として用いることができる。
なお前記閾値は、定常状態指標値の取得と板厚を算出しながら加工を行い、板厚誤検出を生じている間の定常状態指標値を事前に調べることで求められる。
この極間電圧の変動している間は上述の通り加工サーボ過渡状態であり、板厚を正確に算出できない。
そこで、AC成分のみを抽出するハイパスフィルタによって極間電圧の変動量を求め、その波形の絶対値を取った後にローパスフィルタ処理を施すことにより高周波ノイズを除去することによって図3(c)の波形を得て、ある閾値を設定することで加工サーボ過渡状態であるか否かを判断すれば、図3(c)の波形は加工サーボ定常状態指標として用いることができる。
なお前記閾値は、定常状態指標値の取得と板厚を算出しながら加工を行い、板厚誤検出を生じている間の定常状態指標値を事前に調べることで求められる。
なおここで示したのは定常状態指標の一例であり、極間電圧の他にも放電パルス数、サーボ指令速度や、加工速度のいずれかから定常状態指標を算出しても構わない。
また極間電圧などの加工状態量から定常状態指標を算出する処理も、上記手順に限定するわけではなく、例えば移動平均値や分散値を定常状態指標として用いても構わない。
また極間電圧などの加工状態量から定常状態指標を算出する処理も、上記手順に限定するわけではなく、例えば移動平均値や分散値を定常状態指標として用いても構わない。
また定常状態の判断を開始するタイミングであるが、加工条件切り替え後すぐに定常状態を判断しては、定常状態指標が変化する前に定常状態と判断されてしまう。
これは定常状態指標の応答が、比較的ゆっくりとした加工サーボの応答とほぼ等しいためである。
したがって定常状態であるかの判断は、定常状態指標の応答を考慮した時間だけ待機してから行う必要がある。
これは定常状態指標の応答が、比較的ゆっくりとした加工サーボの応答とほぼ等しいためである。
したがって定常状態であるかの判断は、定常状態指標の応答を考慮した時間だけ待機してから行う必要がある。
以上のように、加工サーボが定常状態であるかの判断を行い、加工サーボが過渡状態であると判断されている間は算出板厚に応じた加工条件切替を待機し、加工サーボが定常状態と判断されて板厚を正しく算出できるようになってから、算出板厚に応じた加工条件を切り替えることによって、板厚誤検出による不適切な加工条件への切替を回避できる。
次に実施の形態1の動作について図1及び図4を参照して説明する。
図4は、加工条件を切り替える制御動作を示すフローチャートである。
図1に示すように制御手段9には加工開始前に加工条件入力手段10より加工条件が入力される。加工条件は一般に放電加工機機械メーカから提供されるが、ユーザーが条件を作成して加工条件入力手段10に入力することも可能である。
図示しないワイヤ電極走行手段によってワイヤ電極1が走行され、制御手段9は入力された加工条件を発振器6に送出し、加工電源5は発振器6の発振指令に従って給電子4を介してワイヤ電極1と被加工物2の間にパルス電圧を印加することによって放電加工を行う。
またサーボアンプ8は制御手段9から出力される加工速度指令に従ってサーボモータ7を駆動し、サーボモータ7は被加工物テーブルを移動させることによってワイヤ電極1と被加工物2が相対移動される。
制御手段9は加工条件入力手段10に入力された加工条件に従って指令を行う一方で、加工条件切替手段11による指令に従って、加工条件を切り替える。
図4は、加工条件を切り替える制御動作を示すフローチャートである。
図1に示すように制御手段9には加工開始前に加工条件入力手段10より加工条件が入力される。加工条件は一般に放電加工機機械メーカから提供されるが、ユーザーが条件を作成して加工条件入力手段10に入力することも可能である。
図示しないワイヤ電極走行手段によってワイヤ電極1が走行され、制御手段9は入力された加工条件を発振器6に送出し、加工電源5は発振器6の発振指令に従って給電子4を介してワイヤ電極1と被加工物2の間にパルス電圧を印加することによって放電加工を行う。
またサーボアンプ8は制御手段9から出力される加工速度指令に従ってサーボモータ7を駆動し、サーボモータ7は被加工物テーブルを移動させることによってワイヤ電極1と被加工物2が相対移動される。
制御手段9は加工条件入力手段10に入力された加工条件に従って指令を行う一方で、加工条件切替手段11による指令に従って、加工条件を切り替える。
加工条件切替手段11の詳細な動作は、図4も併せて参照しながら説明する。
図4に示すようにユーザーは加工開始前に加工条件を加工条件入力手段10に入力する(ステップS1)。加工条件入力手段10にはあらかじめメーカーから条件を入力する形態としてもよい。
ユーザーが加工開始すると、数値制御装置9は入力された加工条件に従って加工を行う。(ステップS2)。
図4に示すようにユーザーは加工開始前に加工条件を加工条件入力手段10に入力する(ステップS1)。加工条件入力手段10にはあらかじめメーカーから条件を入力する形態としてもよい。
ユーザーが加工開始すると、数値制御装置9は入力された加工条件に従って加工を行う。(ステップS2)。
加工を開始したら、放電パルス数計数手段15により放電パルス数を計数し、計数した放電パルス数を加工エネルギ算出手段13にリアルタイムに送出する。
加工エネルギ算出手段13は、放電パルス数と放電電流ピーク値の積を計算することで加工エネルギを算出し、板厚算出手段12に送出する。
また加工速度計測手段14はリニアスケールを用いて計測した単位時間あたりの加工送り量を加工速度とし、板厚算出手段12に送出する。
板厚算出手段12は加工エネルギと加工速度より、式2を用いて板厚を算出する(ステップS3)。
ここで式2の定数は加工体積と加工エネルギとの比例係数であり、以下の手順によりあらかじめ求めておく。
まず、加工サーボによって加工取り代は一定となるので、適当な条件にて加工を行い、その加工寸法より加工取り代を計測しておく。
次に、前もって板厚が分かっている平板の被加工物を、加工取り代を求めた時と同じ条件で加工する。この時、加工エネルギと加工速度を算出し、前もって計測しておいた加工取り代を用いれば、式2において定数以外の値は既知となり、次式より定数を算出できる。
定数=(板厚×加工送り量×加工取り代)/加工エネルギ ・・・式3
加工エネルギ算出手段13は、放電パルス数と放電電流ピーク値の積を計算することで加工エネルギを算出し、板厚算出手段12に送出する。
また加工速度計測手段14はリニアスケールを用いて計測した単位時間あたりの加工送り量を加工速度とし、板厚算出手段12に送出する。
板厚算出手段12は加工エネルギと加工速度より、式2を用いて板厚を算出する(ステップS3)。
ここで式2の定数は加工体積と加工エネルギとの比例係数であり、以下の手順によりあらかじめ求めておく。
まず、加工サーボによって加工取り代は一定となるので、適当な条件にて加工を行い、その加工寸法より加工取り代を計測しておく。
次に、前もって板厚が分かっている平板の被加工物を、加工取り代を求めた時と同じ条件で加工する。この時、加工エネルギと加工速度を算出し、前もって計測しておいた加工取り代を用いれば、式2において定数以外の値は既知となり、次式より定数を算出できる。
定数=(板厚×加工送り量×加工取り代)/加工エネルギ ・・・式3
算出された板厚は加工条件切替手段11に送られ、加工条件切替手段11は該板厚に応じて加工条件の切替を行うかを判断する(ステップS4)。加工条件を切り替えるかは、前回の算出板厚と異なる板厚が算出されるかどうかで判断する。
加工条件を切り替えると判断した時はステップS5に進み、そうでない時は引き続き加工を行い、ステップS3に戻り板厚を算出する。
加工条件を切り替えると判断した時はステップS5に進み、そうでない時は引き続き加工を行い、ステップS3に戻り板厚を算出する。
加工中は板厚算出と並行して、定常状態判断手段16によって加工サーボが定常状態であるかを判断する。
定常状態指標算出手段18は、加工状態量計測手段19により計測された加工状態量から、図3を用いて前述した手順により定常状態指標を算出し、定常状態判断手段16に送出する(ステップ5)。ここで加工状態量とは先に述べたように、極間電圧、放電パルス、サーボ指令速度、加工速度のいずれかであり、加工状態量計測手段は電圧センサ、パルス数カウンタ、リニアスケールのいずれかである。
また定常状態指標の算出には各種フィルタ処理などを用いる。
加工サーボが定常状態であるかを判断するための閾値は、定常状態閾値設定手段17から設定され、定常状態判断手段16にリアルタイムに送出される。
定常状態指標算出手段18は、加工状態量計測手段19により計測された加工状態量から、図3を用いて前述した手順により定常状態指標を算出し、定常状態判断手段16に送出する(ステップ5)。ここで加工状態量とは先に述べたように、極間電圧、放電パルス、サーボ指令速度、加工速度のいずれかであり、加工状態量計測手段は電圧センサ、パルス数カウンタ、リニアスケールのいずれかである。
また定常状態指標の算出には各種フィルタ処理などを用いる。
加工サーボが定常状態であるかを判断するための閾値は、定常状態閾値設定手段17から設定され、定常状態判断手段16にリアルタイムに送出される。
定常状態判断手段16は、定常状態指標の応答性を考慮した時間だけ待機した後(ステップS6)、定常状態指標算出手段18が算出した定常状態指標と、定常状態閾値設定手段17に設定された定常状態閾値とを比較して、加工サーボ定常状態であるか否かを判断する(ステップS7)。
定常状態指標が定常状態閾値より小さければ加工サーボが定常状態であると判断し、ステップS8に進み、算出板厚に応じた加工条件の切替を行う。
一方、定常状態指標が定常状態閾値より大きければ加工サーボが過渡状態であると判断し、算出板厚変化に応じた加工条件への切替は行わずにステップS3の板厚算出に戻る。
そして加工が終了するまではステップS3からステップS8の処理を繰り返す(ステップS9)。
定常状態指標が定常状態閾値より小さければ加工サーボが定常状態であると判断し、ステップS8に進み、算出板厚に応じた加工条件の切替を行う。
一方、定常状態指標が定常状態閾値より大きければ加工サーボが過渡状態であると判断し、算出板厚変化に応じた加工条件への切替は行わずにステップS3の板厚算出に戻る。
そして加工が終了するまではステップS3からステップS8の処理を繰り返す(ステップS9)。
以上の構成によれば、被加工物の板厚に応じて適切な加工条件を選択することによってワイヤ断線せず、かつ効率的な加工を行う放電加工装置において、加工条件切替時の板厚の誤検出による不適切な加工条件切替を回避できる。そして不適切な加工条件への切替を回避することで、適切な加工条件より大きなエネルギの加工条件に切り替わることによるワイヤ断線や、不適切な加工条件に切り替わることによる精度悪化も回避できる。
実施の形態2.
実施の形態2.
本発明の実施の形態2の動作を説明する前に、本発明の概念を以下に説明する。
板厚変化に伴う加工条件の切替によって算出板厚に誤差を生じ、この算出板厚誤差によって不適切な加工条件に切り替えられる問題に対して、実施の形態1では不適切な加工条件切替を回避する技術を開示した。
しかし板厚の変化が大きい場合は、板厚変化前後で切り替えられる加工条件の加工エネルギ差が大きくなるために、加工条件切替後に定常状態判断手段16によって加工サーボが定常状態であると判断されるまでに時間を要してしまう。
そこで、本実施の形態では、加工エネルギ差の大きな加工条件切替を行う時は、徐々に加工条件であるサーボ指令電圧や、休止時間制御や、放電電流ピーク値を切り替えることによって、加工サーボが定常状態であると判断するまでの時間を最小限に抑えることを可能とするものである。
板厚変化に伴う加工条件の切替によって算出板厚に誤差を生じ、この算出板厚誤差によって不適切な加工条件に切り替えられる問題に対して、実施の形態1では不適切な加工条件切替を回避する技術を開示した。
しかし板厚の変化が大きい場合は、板厚変化前後で切り替えられる加工条件の加工エネルギ差が大きくなるために、加工条件切替後に定常状態判断手段16によって加工サーボが定常状態であると判断されるまでに時間を要してしまう。
そこで、本実施の形態では、加工エネルギ差の大きな加工条件切替を行う時は、徐々に加工条件であるサーボ指令電圧や、休止時間制御や、放電電流ピーク値を切り替えることによって、加工サーボが定常状態であると判断するまでの時間を最小限に抑えることを可能とするものである。
次に実施の形態2の動作について図5を参照して説明する。
図5は本発明の実施の形態1で述べるワイヤ放電加工機の装置全体を示すブロック図であり、図1の構成において、加工条件段階出力手段20と段階出力設定手段21を追加したものである。
一般にワイヤ放電加工機では、電気的な加工条件はノッチで設定され、ユーザーは段階出力設定手段21に段階出力設定値である加工条件ノッチの段階出力刻み、及び段階出力時間を設定する。
ここで加工条件ノッチの段階出力刻みは、ユーザーまたメーカーが加工中の定常状態指標値を確認しながら、加工サーボが過渡状態となる時間が短くなるように事前に設定される。
また段階出力時間は短すぎると、定常状態指標が変化する前に次の加工条件ノッチで定められた加工条件変更出力値を出力してしまい、段階的に出力する意味がなくなる。
そこでユーザーまたはメーカーが、加工条件ノッチを段階出力刻みで出力してから定常状態指標値が落ち着くのにかかる時間を調べ、段階出力時間を設定する。
図5は本発明の実施の形態1で述べるワイヤ放電加工機の装置全体を示すブロック図であり、図1の構成において、加工条件段階出力手段20と段階出力設定手段21を追加したものである。
一般にワイヤ放電加工機では、電気的な加工条件はノッチで設定され、ユーザーは段階出力設定手段21に段階出力設定値である加工条件ノッチの段階出力刻み、及び段階出力時間を設定する。
ここで加工条件ノッチの段階出力刻みは、ユーザーまたメーカーが加工中の定常状態指標値を確認しながら、加工サーボが過渡状態となる時間が短くなるように事前に設定される。
また段階出力時間は短すぎると、定常状態指標が変化する前に次の加工条件ノッチで定められた加工条件変更出力値を出力してしまい、段階的に出力する意味がなくなる。
そこでユーザーまたはメーカーが、加工条件ノッチを段階出力刻みで出力してから定常状態指標値が落ち着くのにかかる時間を調べ、段階出力時間を設定する。
板厚変化に伴い加工条件切替手段11が、段階出力設定手段21に設定された加工条件ノッチの段階出力刻みより大きなノッチの加工条件切替出力をした時には、加工条件段階出力手段20は段階出力設定手段21に設定された段階出力時間ごとに、段階出力設定手段21に設定された段階出力刻みノッチずつ制御手段9に条件指令を出力する。
そして、加工条件切替手段11が出力したノッチの切替が終了したら、再び実施の形態1に記したように、加工条件切替手段11が算出板厚と定常状態判断結果に応じて加工条件の切替を行う。
以上の構成によれば、加工エネルギ差の大きな加工条件切換を行う時でも、加工条件切替後に加工サーボが定常状態となるまでの時間を最小限に抑えることができる。
そして、加工条件切替手段11が出力したノッチの切替が終了したら、再び実施の形態1に記したように、加工条件切替手段11が算出板厚と定常状態判断結果に応じて加工条件の切替を行う。
以上の構成によれば、加工エネルギ差の大きな加工条件切換を行う時でも、加工条件切替後に加工サーボが定常状態となるまでの時間を最小限に抑えることができる。
本発明は、板厚変化の発生する被加工物を切断加工するワイヤ放電加工装置の電源制御技術に適用できる。
1 ワイヤ電極、2 被加工物、6 発振器、9 制御手段、10 加工条件入力手段、11 加工条件切替手段、12 板厚算出手段、13 加工エネルギ算出手段、14 加工速度計測手段、15 放電パルス計数手段、16 定常状態判断手段、17 定常状態閾値設定手段、18 定常状態指標算出手段、19 加工状態量計測手段、20 加工条件段階出力手段、21 段階出力設定手段。
Claims (10)
- 設定された加工条件に応じてワイヤ電極と被加工物との間にパルス電圧を印加して放電パルスを発生させることにより、被加工物の放電加工を行うワイヤ放電加工機において、
前記被加工物と前記ワイヤ電極との相対的な加工速度を検出する加工速度検出手段と、
前記放電パルスの加工エネルギを算出する加工エネルギ演算手段と、
前記加工速度検出手段により検出された前記加工速度と、前記加工エネルギ演算手段により算出された前記加工エネルギとに基づいて前記被加工物の板厚を演算す板厚算出手段と、
前記板厚算出手段により算出された前記被加工物の板厚に応じて加工条件が切り替わった後に、加工中の加工状態より加工が定常状態であるか否かを判断する定常状態判断手段と、
この定常状態判断手段より定常状態と判断された際に、前記板厚算出手段の算出板厚に応じた加工条件に切り替え、定常状態でないと判断された際には、算出板厚に応じた加工条件への切り替えを行わない加工条件切替手段と、
を備えたことを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - 定常状態判断手段は、加工中の極間電圧を検出しフィルタ処理した定常状態指標と、予め定められた閾値と、の比較を行うことで加工が定常状態であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
- 定常状態判断手段は、放電パルス数の変動量から求められた定常状態指標と、予め定められた閾値と、の比較を行うことで加工が定常状態であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
- 定常状態判断手段は、加工速度の変動量から求められた定常状態指標と、予め定められた閾値と、の比較を行うことで加工が定常状態であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
- 定常状態判断手段は、サーボ指令速度、移動量の何れかから求められた定常状態指標と、予め定められた閾値と、の比較を行うことで加工が定常状態であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
- 定常状態判断手段は、板厚に応じて加工条件が切り替わった後に定常状態指標の応答を考慮した時間分待機した後、予め定められた指標と比較を行うことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載のワイヤ放電加工装置。
- 前記板厚算出手段により算出された前記被加工物の板厚に応じて加工条件を切り替える際に、予め設定された加工条件ノッチの段階出力刻み、及び段階出力時間に応じて加工条件を徐々に切り替えることを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載のワイヤ放電加工装置。
- 加工条件は、サーボ指令電圧を徐々に切り替えることを特徴とする請求項7に記載のワイヤ放電加工装置。
- 加工条件は、休止時間長さを徐々に切り替えることを特徴とする請求項7に記載のワイヤ放電加工装置。
- 加工条件は、放電電流ピーク値を徐々に切り替えることを特徴とする請求項7に記載のワイヤ放電加工装置。
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