JP2010173040A - ワイヤカット放電加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】算出される板厚と実際の板厚との誤差が許容範囲を超えて的確に適切な加工条件に変更設定することが困難である。
【解決手段】数値制御装置10は、所定時間毎に板厚を算出して板厚に適応する加工条件に変更設定する。電圧検出装置16は、平均加工電圧を出力する。速度検出装置18は、ワイヤ電極の送り速度を出力する。板厚計算装置19は、放電一発当たりの加工量と複数の演算係数とを記憶装置13から取得して、カウンタで計数された予め設定された期間に供給される放電電流パルスの数と、検出された送り速度と平均加工電圧とから、上記期間における加工量を送り速度と平均加工電圧を用いて近似式で表わされる加工溝幅との積で除算して板厚を計算して出力する。指令装置15は、板厚に適応する加工条件を記憶装置13から検索して抽出し加工条件を変更設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、板厚が変わる段差部位を有する被加工物をワイヤカット放電加工するときに、段差部位で加工条件を板厚に適応する加工条件に変更設定して加工するワイヤカット放電加工装置に関する。
被加工物を挟んで設けられる一対のワイヤガイド間に張架されたワイヤ電極と被加工物とで形成される加工間隙に間歇的に電圧パルスを印加して連続的に放電を発生させながらワイヤ電極と被加工物とを相対移動させて被加工物を任意の加工形状に切断加工するワイヤカット放電加工装置が知られている。
一発の放電における放電エネルギが大きいほど被加工物から除去される材料の量が多くなる。放電エネルギの大きさは、加工間隙に流れる放電電流の電流密度に依存する。したがって、放電一発当たりの加工量(取り量)は、放電電流パルスのピーク電流値とパルス幅によって異なる。放電一発当たりの加工量が多いほど加工速度が速くなる一方で、放電痕の直径が大きくて外輪山が大きくなるので加工面粗さが粗くなるとともに、加工形状精度が低下する傾向にある。
被加工物の板厚が厚いほどワイヤ電極が被加工物に対して相対移動する単位移動距離当たりに除去するべき加工体積が大きくなるから、同一の加工条件で同一の取り代の加工をする場合、板厚が厚いほど単位時間当たりに加工する距離で示される距離加工速度が遅くなる。
加工間隙の極間電圧に依存して加工間隙の距離を一定に維持するサーボ方式でワイヤ電極を被加工物に対して相対移動させる場合は、ワイヤ電極の送り速度(相対移動速度)が加工進行方向における加工状態の影響を受ける。ファーストカットと称される被加工物を大まかに切断加工する荒加工工程では、ワイヤ電極が被加工物に形成される加工溝に挟まれている状態であるため、頻繁に短絡してワイヤ電極が断線したり加工が進行しなくなることがないように、加工間隙を一定に維持しながらワイヤ電極を加工送りする方法で加工が行なわれる。
そのため、同一の加工条件で板厚が変わる段差部位を有する被加工物を加工すると、段差部位で距離加工速度が大幅に変わって送り速度が急に変化する。ワイヤ電極の送り速度が遅くなるほど放電ギャップが拡大するから、段差部位で送り速度が急に変化して放電ギャップが大きく変動することによって加工溝幅が変わってしまい、加工面に縦筋状の形状損失部位が形成される。このような形状損失部位が加工面に残されていると、磨き工程でも取り除くことができないため、結果的に要求される加工形状精度を得ることができなくなる。
段差部位で変わる板厚の差が小さい場合は、加工溝幅の差が小さいので、荒加工工程の後に行なわれる仕上げ加工工程中の形状出しの加工工程で加工溝幅の差を修正して形状損失部位をなくすことができるが、加工回数が不必要に多くなって加工時間が余計にかかる。そして、段差部位における板厚の変化が大きい場合は、形状出しの加工工程で修正しきれないほどに加工溝幅の差が生じる。また、単位移動距離当たりに除去するべき加工体積が急に変化することによって、サーボ制御が追従できなくなったり、予期しない放電ギャップの変動にともない加工が不安定になったりして、しばしばワイヤ電極の断線が発生する。
そこで、段差部位で発生する加工溝幅の差を低減し、または段差部位におけるワイヤ電極の断線の発生を抑止するために、段差部位で変わる板厚に適応する加工条件に変更設定するようにされている。加工溝幅は、送り速度が一定であると変わらないので、送り速度が一定であるように加工条件が変更設定される。または、加工間隙を一定に維持しながらワイヤ電極を送る場合は、ある期間における送り速度と距離加工速度は同じであるとみなすことができるので、距離加工速度が一定であるように加工条件が変更設定される。
加工軌跡の途中で電気的な加工条件を切り換えることは望ましいことではないが、段差部位における形状損失部位をなくすために必要不可欠なことである。したがって、段差部位で変更設定される電気的な加工条件のパラメータは、最終的に送り速度または距離加工速度が一定であるようにすることができ、加工不能に陥ることなく加工結果と加工状態に及ぼす影響が可能な限り小さい要素が選択される。一般的に、サーボ基準電圧あるいはオン時間を変更設定するようにされている。
段差部位で加工条件を変更設定する基本的なワイヤカット放電加工装置として、特許文献1に開示されるように、板厚が変わると変化するパラメータ、例えば、平均加工電流値または送り速度を検出して板厚の変化を検知し、検出したパラメータの値に適応する加工条件に変更設定するワイヤカット放電加工装置がよく知られている。板厚の変化を間接的に表わすパラメータに基づいて加工条件を変更設定することから、実際の板厚に対して十分に適当な加工条件に変更設定されるとは限らないが、加工間隙の状態に対応して加工条件が変更設定されるので、少なくともワイヤ電極の断線を抑制することができる。
加工条件をより的確に変更設定するために、例えば、特許文献2に示されるように、検出される平均加工電流を送り速度と加工溝幅の積で除算し所定の係数を乗算して板厚を計算することによって、板厚に直接適応する加工条件に変更設定することができるワイヤカット放電加工装置が考えられている。板厚に直接適応する加工条件に変更設定することによって、実際の板厚に対してより適切な加工条件に変更設定することができ、加工溝幅の差を低減することができる。
特公昭63−25889号公報(第2頁第4欄) 特公平2−29453号公報(第2頁第3欄−同第4欄)
板厚に直接適応する加工条件に変更設定するワイヤカット放電加工装置は、単位時間当たりの加工体積に平均加工電流が直接関係するため、基本的に平均加工電流値に基づいて板厚を計算するようにされる。しかしながら、放電一発ごとの放電電流パルスの大きさは、加工状態による変動が大きくばらつきがあるため、算出される板厚と実際の板厚との誤差が比較的大きくなる。また、平均加工電流値は、板厚が変わらないときでも大きく変動することがあるから、実際には段差部位ではないのにも関わらず、板厚が変わったと誤判定をして加工条件を変更設定するおそれがある。
加えて、平均加工電流値が他の電気的な加工条件のパラメータによって重大な影響を受けるため、加工条件が異なるたびに加工溝幅と演算係数が変わってしまうので、加工条件毎に全ての演算パラメータを再設定する必要がある。しかしながら、加工条件毎に全ての演算パラメータを正確に設定することは困難であるため、加工溝幅と演算係数が加工条件に関わらずワイヤ電極と被加工物の材質で固定値にされており、信頼性のある計算をすることができなくなることがある。しかも、放電加工回路の構成上の物理的な制約で電流検出器を加工間隙に十分に近接して設けることができないので、そもそも検出される平均加工電流値と実際の平均加工電流値の間に避け難い相当の誤差がある。
このようなことから、要求される加工形状精度にもよるが、算出される板厚と実際の板厚の誤差が許容範囲を超えてしまうことがあり、しばしば形状出しの加工工程で修正することができないほどに加工溝幅の差を発生させる不適当な加工条件で加工する不利益が生じる。
特に、加工状態に対応して加工状態が比較的良好な状態のときには第1のパルス幅の放電電流パルスを供給し、加工状態が比較的良好ではない状態のときには第1のパルス幅よりも短い第2のパルス幅の放電電流パルスを供給するようにした加工方法においては、第1のパルス幅の放電電流パルスと第2のパルス幅の放電電流パルスとで放電一発当たりの電流密度が大きく異なるため、平均加工電流値で加工体積を推定して板厚を計算する方法では、正しい加工体積を得ることができず、算出された板厚と実際との板厚との誤差が大きすぎて、実質的に加工条件を決定することができない。
本発明は、板厚が変わる段差部位で板厚に直接適応する加工条件に変更設定するワイヤカット放電加工装置において、算出される板厚と実際の板厚との誤差が許容範囲以内に小さくなるように板厚をより正確に計算して的確に段差部位で適切な加工条件に変更設定することができる改良されたワイヤカット放電加工装置を提供することを主たる目的とする。
本発明のワイヤカット放電加工装置は、上記課題を解決するために、平均加工電圧を出力する電圧検出装置(16)と、ワイヤ電極の送り速度を出力する速度検出装置(18)と、複数の加工条件の組合せと加工条件毎の放電一発当たりの加工量と加工溝幅の演算に要求されるワイヤ電極と被加工物の材質毎に設定される複数の演算係数とを記憶する記憶装置(13)と、予め設定された期間に供給される放電電流パルスの数を計数するカウンタ(192)と、放電一発当たりの加工量と上記期間に供給される放電電流パルスの数との積を上記期間における送り速度と平均加工電圧を用いて近似式で表わされる加工溝幅との積で除算して板厚を計算する板厚計算装置(19)と、板厚計算装置(19)で算出された板厚に適応する加工条件に変更設定する指令装置(15)と、を有するものである。
また、本発明のワイヤカット放電加工装置は、平均加工電圧を出力する電圧検出装置(16)と、ワイヤ電極の送り速度を出力する速度検出装置(18)と、複数の加工条件の組合せと加工条件毎の所定の第1のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量と第1のパルス幅よりも短い第2のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量と加工溝幅の演算に要求されるワイヤ電極と被加工物の材質毎に設定される複数の演算係数とを記憶する記憶装置(13)と、予め設定された期間に供給される第1のパルス幅の放電電流パルスの数と第2のパルス幅の放電電流パルスの数をそれぞれ計数するカウンタ(192)と、大きい平均電流値の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量と上記期間に供給される第1のパルス幅の放電電流パルスの数との積に第2のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量と上記期間に供給される前記第2のパルス幅の放電電流パルスの数との積を加算した値を上記期間における送り速度と平均加工電圧を用いて近似式で表わされる加工溝幅との積で除算して板厚を計算する板厚計算装置(19)と、板厚計算装置で算出された板厚に適応する加工条件に変更設定する指令装置(15)と、を有するものとする。
本発明のワイヤカット放電加工装置は、不安定な要素を有する平均加工電流を演算パラメータとして使用することなく板厚を計算することができる。また、加工中の実際の加工溝幅を求めて加工体積を演算することができる。したがって、これまでの方法に比較して加工条件または加工状態の影響が少なく、より正確に板厚を得ることができる。そのため、実際の板厚との誤差が十分小さい板厚のデータに基づいて加工条件が変更設定される。その結果、段差部位で発生する加工溝幅の差を最終的に所望の加工形状が得ることができる程度に小さくすることができ、要求される加工形状精度で加工することができる効果を奏する。
実施の形態の全体構成を示すブロック図である。 実施の形態の制御装置における動作のプロセスを示すフローチャートである。 計算で得られた板厚と実際の板厚の誤差を示すグラフである。
図1は、本発明のワイヤカット放電加工装置の代表的な実施の形態の全体構成を示すブロック図である。図1に示される実施の形態のワイヤカット放電加工装置は、機械本機の具体的な構成と発明に直接関係のない構成要素が図示省略されている。
ワイヤカット放電加工装置は、機械本機と、電源装置と、付属装置とを備える。電源装置は、機械本機に並設される。電源装置は、電力供給ケーブルで機械本機と接続されている。電源装置は、電源装置自体と、機械本機と、付属装置とを統括制御することができる制御装置1を備える。
機械本機は、被加工物を取り付けて設置するワークスタンドを有し、機械本機に加工部位が形成される。機械本機は、被加工物を挟んで設けられる図示しない一対のワイヤガイドと加工液噴流ノズルとを備える。また、機械本機は、少なくとも機体構造物と各制御軸方向に移動する複数の移動体とを有し、各移動体をそれぞれ駆動する複数のサーボモータを含む駆動装置2を備える。
電源装置は、制御装置1と加工用電源装置3を含んでなる。電源装置は、電力供給ケーブルを通して機械本機に駆動のための電力を供給する。また、電源装置は、加工用電源装置3から放電加工のための電力を供給する。制御装置1の操作パネルまたはリモートコントロール用のペンダントボックスが電源装置の筐体から離れて設けられることがあるが、操作パネルとペンダントボックスを含んで制御装置という。
加工液供給装置4は、機械本機に隣接して配設される。加工液供給装置4は、機械本機に含まれる機械本機の付属装置の1つである。加工液供給装置4は、機械本機に供給するワイヤカット放電加工用の加工液を収容する加工液槽を有する。加工液供給装置4は、加工液噴流ノズルを通して加工部位に加工液噴流を供給し、加工液供給管を通して機械本機の加工槽に加工液を供給する。また、加工液供給装置4は、ドレインを通して加工槽から加工液を回収する。
制御装置1は、指令信号を出力する数値制御装置10と、駆動装置2の複数のサーボモータを制御するモータ制御装置20と、加工用電源装置3を操作するパルス制御装置30と、加工液供給装置4の複数のポンプと制御バルブを操作する加工液制御装置40と、を含んでなる。
数値制御装置10は、データの入出力を行なう入出力装置11と、データを一時的に記憶する第1の記憶装置12と、第1の記憶装置12のデータを適時ストアし複数の加工条件の組合せのデータと板厚の計算に必要なデータを保存しておく第2の記憶装置13と、NCプログラムを解読する解読装置14と、NCデータに基づいて指令信号を出力する指令装置15と、平均加工電圧を出力する電圧検出装置16と、一定の周波数を有するクロックパルスを出力するクロック17と、ワイヤ電極の送り速度を出力する速度検出装置18と、板厚を計算する板厚計算装置19と、を有する。数値制御装置10の演算装置は、少なくとも解読装置14と、指令装置15と、板厚計算装置19とを含んでいう。
モータ制御装置20は、駆動装置2の各サーボモータを制御する手段である。モータ制御装置20は、指令装置15から出力される移動指令信号に相当するモータ制御量を演算してモータ制御量に相当する駆動電流をサーボモータに供給するとともに移動体の位置決め制御を行なう。
パルス制御装置30は、加工間隙を含む放電回路を制御する手段である。パルス制御装置30は、加工間隙に所望のピーク電流値とパルス幅を有する放電電流パルスを所定の周波数で供給する。以下、加工間隙に放電が発生したときに流れる電流を放電電流と総称するが、特に加工に寄与する放電電流を加工電流として説明することがある。また、放電回路に設けられるスイッチング素子をオンオフするゲート信号が出力される時間をオン時間と称し、放電電流パルスの時間幅をパルス幅という。ただし、電気的な加工条件のパラメータとしてオン時間を説明するときは、オン時間とパルス幅とは誤差範囲で実質同義とする。
パルス制御装置30は、指令装置15から出力されるパルス指令信号に従って設定されている加工条件に基づいて加工間隙に電圧が印加され所望のピーク電流値とパルス幅を有する放電電流パルスが供給されるように、加工用電源装置3の直流電源または電流制限抵抗のような放電回路の回路要素が所定の値で放電回路に挿入されるように加工用電源装置3を操作するとともに、加工用電源装置3の複数のスイッチング素子に選択的にゲート信号を供給する。
加工液制御装置40は、加工液供給装置4のポンプまたは制御バルブを制御する手段である。加工液制御装置40は、指令装置15の加工液指令信号に従ってポンプまたは制御バルブに駆動電圧または駆動電流を供給し、ポンプと制御バルブのオンオフを制御し、またはポンプの回転数と制御バルブの開度を調整する。
数値制御装置10の入出力装置11は、オペレータが入力するNCプログラムおよび板厚を計算するために必要なデータを演算装置に与えて第1の記憶装置12または第2の記憶装置13に記憶させる手段である。また、入出力装置11は、オペレータの要求に応じて演算装置を通してディスプレイを含む表示装置またはプリンタのような外部記録装置にデータを出力する手段である。入出力装置11は、具体的に、キーボードを含む操作パネル、各種記憶媒体にデータを読書きするディスクドライブ、USBメモリのような外部記憶装置、表示装置、外部記録装置との間でデータを入出力するインターフェースを含む。
第1の記憶装置12は、ランダムアクセスメモリであり、数値制御装置10の主記憶装置である。第1の記憶装置12は、入出力装置11から入力されるデータを記憶する手段である。また、第1の記憶装置12は、演算装置が演算のためのプロセスと演算で要求されるデータおよび演算で得られたデータを記憶する手段である。
第2の記憶装置13は、ハードディスクドライブであり、電源装置の主電源が遮断され数値制御装置10に電力が供給されていないときでもデータを記憶しておくことができる数値制御装置10の補助記憶装置である。第2の記憶装置13は、第1の記憶装置12に一時的に記憶されているデータの中で保存が要求されるデータをストアする手段である。また、第2の記憶装置12は、少なくとも複数の加工条件の組合せでなる加工条件のデータベース、板厚の計算に必要な演算パラメータのデータ、および機械本機を制御するために必要な複数の設定値を保存する手段である。
解読装置14は、NCプログラムを解読してNCデータを出力する手段である。NCプログラムには、ワイヤ電極と被加工物との相対移動軌跡に関するデータだけではなく、ワイヤ電極の送り速度、オフセット値、加工液噴流の液圧のような加工毎に要求される欠くことのできない初期設定値に関するデータと、ピーク電流値、オン時間、オフ時間、サーボ基準電圧、電源電圧のような電気的な加工条件のパラメータを含む加工条件に関するデータと、放電電流パルス制御、サーボ制御、コーナ制御のような特定の加工制御に関するデータと、が記述されている。したがって、解読装置14から出力されるNCデータは、移動に関する情報以外に、少なくとも加工条件と特定の加工制御に関する情報を含んでいる。
指令装置15は、解読装置14から出力されるNCデータに対応する値を演算して複数種類の指令信号を出力する手段である。指令装置15は、相対移動に関するデータを入力したときは、各軸の単位移動量を演算して移動指令信号をモータ制御装置20に出力する。指令装置15は、加工条件に関するデータを入力したときは、パルス指令信号をパルス制御装置30に出力し、または駆動指令信号を加工液制御装置40に出力する。また、指令装置15は、初期設定値に関するデータまたは特定の加工制御に関するデータを入力したときは、設定データまたは加工制御指令信号をモータ制御装置20、パルス制御装置30、加工液制御装置40に出力する。
指令装置15は、板厚計算装置19で算出された板厚のデータを入力し、必要に応じて板厚に適応する加工条件に変更設定する。実施の形態の指令装置15は、入力した板厚計算装置19からの板厚に適応する加工条件を第2の記憶装置13に記憶されている複数の加工条件の組合せの中から検索して抽出する。そして、指令装置15は、変更される加工条件に相当するパルス指令信号を出力して加工条件を変更設定する。
電圧検出装置16は、加工間隙における極間電圧を検出して平均加工電圧を板厚計算装置19に出力する手段である。また、電圧検出装置16は、モータ制御装置20の図示しないサーボ制御装置に平均加工電圧を出力することができる。電圧検出装置16は、加工用電源装置3に設けられる電圧検出器を含んでなる。電圧検出器は、加工間隙と並列に接続される検出抵抗を有する検出回路を有し、検出抵抗の両端の電圧を作動増幅器で増幅して出力する。電圧検出装置16は、フィルタを通して電圧検出器から出力される極間電圧を平滑化し、平滑化された電圧信号をアナログ−デジタル変換器でデジタル変換して、平均加工電圧のデータを板厚計算装置19に出力する。
クロック17は、所定周波数のクロックパルスを連続して出力する電子時計である。実施の形態のクロック17から出力されるクロックパルスの単位時間をカウンタの動作時間を考慮して1マイクロ秒(μsec)に設定している。必要に応じてクロック17のクロックパルスの周波数を変更することができる。
速度検出装置18は、ワイヤ電極の送り速度のデータを出力する手段である。実施の形態の速度検出装置18は、クロック17からのクロックパルスを常時入力して所定時間毎に位置検出器から位置データを取得して所定時間における移動体の移動量を算出するか、または所定時間中に指令装置15から出力される移動指令信号を取得して所定時間における移動量を算出して、所定時間における移動量から送り速度を求める。速度検出装置18は、第1の記憶装置12に送り速度のデータを出力し、第1の記憶装置12は、送り速度のデータを履歴で保存する。
板厚計算装置19は、板厚を計算して指令装置15に出力する手段である。板厚計算装置19は、電圧検出装置16から出力される平均加工電圧のデータと速度検出装置18から出力され第1の記憶装置12に記憶されている送り速度のデータを入力する。また、板厚計算装置19は、第2の記憶装置13に保存されている加工条件毎に対応する放電一発当たりの加工量のデータおよびワイヤ電極と被加工物の材質毎に異なる複数の演算係数のデータを取得する。
板厚計算装置19は、所定時間毎に取得した各演算パラメータの値を数1に示される計算式に代入して板厚を計算して出力する。板厚を計算するタイミングは、予め設定されたサンプリング時間とする。板厚計算装置19は、サンプリング時間毎に平均加工電圧と送り速度のデータを取得する。ただし、数1において、Tは板厚(mm)、Fはワイヤ電極の送り速度(mm/min)、Vgは平均加工電圧(V)、Hは放電一発当たりの加工量(mm)、nはサンプリング期間に供給される放電電流パルスの数、α,β,γはワイヤ電極と被加工物の材質で決定する演算係数である。
Figure 2010173040
加工溝幅は、αVg+βVg+γで求められる。加工溝幅を表わす演算式は、平均加工電圧値と加工体積との相関関係を示すデータから得られた近似式である。加工溝幅は、ワイヤ電極径に加工進行方向に対して直交する方向のワイヤ電極両側の放電ギャップを加算した距離である。ワイヤ電極径は変わらないから、加工中の加工溝幅の大きさは、放電ギャップの大きさに依存する。このとき、加工間隙を一定に維持しながらワイヤ電極を送るサーボ方式における放電ギャップの大きさは、サーボ基準電圧に依存し、サーボ基準電圧は、概ね平均加工電圧の大きさを考慮して設定される。したがって、理論上、加工溝幅の大きさを平均加工電圧で表わすことができる。
具体的には、複数の加工条件で所定の板厚の被加工物を試験加工し、単位時間毎に平均加工電圧、加工体積、送り速度を実測して、平均加工電圧と加工溝幅との関係を示す多数のデータを採取する。そして、採取したデータを複数の近似法を用いて近似しながら、最終的に適する近似式を確定した。加工溝幅を表わす演算式は、再試験加工を行なって平均加工電圧と加工溝幅を測定し、確定した近似式で演算して得られる加工溝幅と測定された加工溝幅とを比較することによって、許容誤差の範囲で正確に実際の加工溝幅が得られることが検証されている。このことから、加工溝幅を示す演算式は、平均加工電圧で表わされているならば、数1に示されるαVg+βVg+γに限定されない。
ワイヤカット放電加工において実用上の加工領域で使用される加工条件で平均加工電圧が取り得る値の範囲では、加工体積の変化に対する平均加工電圧の変化率は僅かであるが、放電加工における電気的な加工条件は、ワイヤ電極と被加工物の材質によって異なるので、演算係数α,β,γは、ワイヤ電極と被加工物の材質で適する値が選択される。演算係数α,β,γは、近似式を作成するときに得られる。演算係数α,β,γは、基礎データとしてワイヤ電極と被加工物の材質毎に各値を対応させて第2の記憶装置13に予め記憶されている。
加工体積の変化に対する平均加工電圧の変化率が僅かであるとするならば、実施の形態における板厚計算装置19のように演算式を使って加工溝幅を求めることなく、加工条件毎に試験加工を行なって得られる実測値を固定値として数1に代入することができる。しかしながら、板厚を計算するたびに加工溝幅を演算して求めることによって、常に実際の加工溝幅に近接する値で板厚を計算することができ、より正確に板厚を計算することができる点で依然として有益である。
サンプリング期間における加工体積は、放電一発当たりの加工量とサンプリング期間における放電電流パルスの数で表わされる。正常に加工を続けている場合、放電一発当たりの加工量は、僅かな誤差の範囲で正確に一定である。したがって、放電一発当たりの加工量から誤差が極めて小さい加工体積を求めることができる。
放電一発当たりの加工量は、放電エネルギの大きさで決まるので、加工条件によって異なる。したがって、放電一発当たりの加工量は、加工条件に対応して選択して決定される。放電一発当たりの加工量のデータは、第2の記憶装置13に加工条件に対応させて保存されている。加工条件毎の放電一発毎の加工量のデータは、既存の加工条件のデータベースにおける各加工条件の組合せのデータに関連付けられるデータフィールドをデータベースに追加して、各加工条件番号の加工条件の組合せ毎に対応させて記録させておくことができる。
予め定められたサンプリング期間における加工体積は、加工面積と板厚との積である。また、加工面積は、加工溝幅と移動距離との積である。したがって、板厚は、サンプリング期間における加工体積を加工溝幅と移動距離との積で除算して求めることができる。加工間隙を一定に維持しながらワイヤ電極を送るサーボ方式における送り速度は、ある期間においては距離加工速度に相当するとみなすことができる。距離加工速度は、移動距離を単位時間で除したものであるから、移動距離を送り速度に置き換えることができる。したがって、所定期間における加工体積を送り速度と加工溝幅の積で除算して板厚を求めることができる。
数1に示される計算式は、加工状態による変動が大きく不安定な要素を有する平均加工電流が演算パラメータとして含まれていないので、実際の板厚との誤差がより小さい板厚のデータを得ることができ、誤った判定で加工条件を変更設定するおそれがない。また、これまでの計算方法に比べて加工条件と加工状態の影響が少なくされ、板厚との誤差がより小さい板厚のデータが求められる。そして、板厚を計算するたびに実際の加工溝幅を平均加工電圧から求めるので、加工溝幅の変動に関係なく板厚を計算することができる。
加工状態が比較的良好であるときにワイヤ電極径およびワイヤ電極と被加工物の材質とから加工速度を可能な限り速くできる比較的長い第1のパルス幅を有する放電電流パルスを供給し、加工状態が比較的良好でないときに第1のパルス幅よりも短い第2のパルス幅を有しワイヤ電極の断線を回避し得る安全で小さい放電エネルギの放電電流パルスを供給する加工方法がある。例えば、具体的に、加工状態が良好なときに台形波の放電電流パルスを供給し、加工状態が良好でないときに台形波の放電電流パルスと同じピーク電流値でオン時間が短い三角波の放電電流パルスを供給する加工方法が知られている。
このように、パルス幅が異なる放電電流パルスを選択的に供給する加工方法で加工が行なわれるときは、数1に示される計算式では、単位時間当たりの加工量の誤差が大きくなるので、板厚計算装置19は、数2に示される計算式で板厚を計算して出力する。ただし、数2において、Hは第1のパルス幅の放電電流パルスが供給されたときの放電一発当たりの加工量(mm)、Lは第2のパルス幅の放電電流パルスが供給されたときの放電一発当たりの加工量(mm)、nはサンプリング期間に供給された第1のパルス幅の放電電流パルスの回数、mはサンプリング期間に出力された第2のパルス幅の放電電流パルスの回数であり、その他の演算パラメータは、数1と同一である。
Figure 2010173040
したがって、本発明のワイヤカット放電加工装置は、放電エネルギが大小の放電電流パルスが混在する加工の場合でも、実際の板厚との誤差がより小さい板厚のデータを求めることができ、的確に実際の板厚に直接適応する適切な加工条件に変更設定することができる。なお、数2における単位時間当たりの加工体積は、パルス幅が異なる放電電流パルス毎に単位時間当たりの加工量を求めて加算して得るものであるから、パルス幅が異なる3種類以上の放電電流パルスが供給されるときは、その種類の数に応じて異なるパルス幅の放電電流パルス毎に加工量を求めて順次加算するように演算式を変形することができる。
板厚計算装置19は、付属のデバイスとして、板厚を計算するタイミングとしてのサンプリング時間を計時する時間カウンタ191と放電電流パルスの数をカウントするパルスカウンタ192を備える。ただし、このようなワンアップカウンタは、第1の記憶装置12における記憶領域の一部分をカウンタとして予め割り当てておくことによって第1の記憶装置12を代用させることができるので、必ずしもカウンタを新たに追加して設けることは要求されない。
時間カウンタ191は、サンプリング時間を計測する手段である。時間カウンタ191は、クロック17のクロックパルスを入力して入力したクロックパルスの数が予め設定されたサンプリング時間になったときにタイムアップ信号を板厚計算装置19に出力するとともにクロックパルスの計数値をリセットする。
パルスカウンタ192は、放電電流パルスの数を計数する手段である。実施の形態におけるパルスカウンタ192は、パルス制御装置30から出力され放電電流パルスを供給するスイッチング素子をオンオフするゲート信号の数をカウントする。板厚計算装置19は、時間カウンタ191からタイムアップ信号を入力したときにパルスカウンタ192に放電電流パルスの数のデータを要求する。パルスカウンタ192は、板厚計算装置19の要求に応じてサンプリング期間における放電電流パルスの数のデータを板厚計算装置19に出力し、計数値をリセットする。
実施の形態のパルスカウンタ192は、加工間隙が短絡して極間電圧が無負荷電圧まで立ち上がらないときは、ゲート信号を入力せず、放電電流パルスの数を計数しないようにされている。パルス制御装置30は、加工間隙が短絡したときは、電圧検出器から無負荷電圧が出力されないため、直ちにゲート信号の出力を停止してスイッチング素子をオフする。そのため、ゲート信号が極めて短く放電電流が殆んど流れないので、パルスカウンタ192は、短いゲート信号を識別しない。また、パルスカウンタ192は、電圧検出器から短絡を示す信号を入力して加工間隙が短絡したときは放電電流パルスの数を計数しないように構成することができる。
パルスカウンタ192は、比較的長い第1のパルス幅の放電電流パルスと第2のパルス幅の放電電流パルスが供給される場合は、第1のパルス幅の放電電流パルスを生成するゲート信号と第2のパルス幅の放電電流パルスを供給するゲート信号とが相違することから、ゲート信号の種類に対応して第1のパルス幅の放電電流パルスと第2のパルス幅の放電電流パルスとをそれぞれ分別して計数する。
パルスカウンタ192は、電圧検出器に極間電圧の電圧信号を出力させ、加工間隙における一発一発の放電を計数して放電電流パルスの数を計数するように変形することができる。加工間隙における放電を直接計数する構成は、加工に寄与しない無効放電を計数しないようにする場合に、極間電圧の電圧信号で無効放電を判別して加工電流パルスだけを計数することができるので有効である。
図2は、本発明のワイヤカット放電加工装置の制御装置における動作のプロセスを示すフローチャートである。図2に示されるプロセスは、具体的に、図1に示される制御装置で説明される。ただし、図2に示されるプロセスは、制御装置の動作の中で本発明に係るプロセスだけを取り出したものである。
数値制御装置10は、段差部位を有する被加工物を加工するときに設定フラグを検出して図2に示されるプロセスを実行する。制御装置1が被加工物または所望の加工形状の三次元形状データを得ることができる場合は、三次元形状データから被加工物に段差部位があるかどうかを判断して設定フラグを“段差加工”に自動的にセットするようにすることができる。図2に示されるプロセスは、加工中に実施され、加工が終了したときにプロセス中のステップの位置に関わらず終了される。
初期状態では、予め設定されたサンプリング時間を計測する時間カウンタ191と放電電流パルスの数を計測するパルスカウンタ192のカウント値が0にリセットされている(S1)。板厚計算装置19は、加工開始と同時に時間カウンタ191を起動してサンプリング時間の計測を開始する。
パルスカウンタ192は、サンプリング期間中に放電電流パルスの数nをカウントアップする。このとき、加工に寄与する有効放電と加工に寄与しない無効放電とを分別して加工電流パルスの数だけをカウントするようにすることができる。加工電流パルスの数だけをカウントする場合は、放電電流パルスの数nをカウントアップする工程の前に有効放電と無効放電を分別する工程を実行する。ただし、ワイヤカット放電加工における放電一発毎の有効放電と無効放電との差は、実質的に放電が発生しない短絡を除いて一定の期間中の加工体積に与える影響が形彫放電加工に比べて僅かであるから、加工電流パルスの数だけをカウントする利益は大きくない。
パルスカウンタ192は、加工状態に対応して異なるパルス幅の放電電流パルスを切り換えて供給する加工制御方法で放電加工を行なっているときは(S3)、供給される放電電流パルスのパルス幅が第1のパルス幅である場合(S4)、第1のパルス幅の放電電流パルスの数nをカウントアップする(S5)。また、供給される放電電流パルスのパルス幅が第2のパルス幅である場合(S4)、第2のパルス幅の放電電流パルスの数mをカウントアップする(S6)。
サンプリング期間中に、速度検出装置18は、所定時間毎に速度を検出して送り速度のデータを出力している。第1の記憶装置12は、送り速度のデータを記録している(S7)。実施の形態の数値制御装置10における第1の記憶装置12は、相対位置と時間とに関連付けて送り速度の履歴を記憶しておくことができる。
時間カウンタ191がサンプリング時間を検出したら(S8)、時間カウンタ191からタイムアップ信号が板厚計算装置19に出力される。板厚計算装置19は、時間カウンタ191からタイムアップ信号を入力したときに、数2で示される計算式に要求される各演算パラメータのデータを取得する(S9)。
具体的に、板厚計算装置19は、パルスカウンタ191にサンプリング期間における第1のパルス幅の放電電流パルスの数nと第2のパルス幅の放電電流パルスの数mのデータを要求して入力する。また、板厚計算装置19は、第2の記憶装置13に保存されている加工条件のデータベースから現在の加工条件に適応する第1のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量Hと第2のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量Lのデータを取得する。
同時に、板厚計算装置19は、電圧検出装置16から平均加工電圧Vgのデータを入力するとともに、速度検出装置18から第1の記憶装置12を通して送り速度Fのデータを入力する。加えて、板厚計算装置19は、第2の記憶装置13に記憶されているワイヤ電極と被加工物の材質で決定される演算係数α,β,γを選択的に抽出して取得する。
板厚計算装置19は、各演算パラメータのデータを取得したら、数2に示される計算式に演算パラメータの値を代入して板厚Tを算出する(S10)。異なるパルス幅の放電電流パルスを供給していないときは、第2のパルス幅の放電電流パルスの数mが0であるから、数1と数2で示される計算式のどちらで計算しても得られる板厚Tは同じである。板厚計算装置19は、算出された板厚Tを直ちに数値制御装置10の主演算機能を有する指令装置15に出力する。
指令装置15は、板厚計算装置19から新しい板厚Tのデータを入力したとき、板厚Tが予め定められている加工条件の変更設定が要求される閾値以上または以下であるかどうかを判別する。入力した新しい板厚Tのデータが加工条件の変更設定が要求される値である場合は(S11)、指令装置15は、入力した板厚に適応する加工条件を第2の記憶装置13に保存されている加工条件のデータベースの中から検索して抽出する。
板厚の変化が小さいときは加工溝幅の差が小さいので、板厚が僅かに変化するたびに加工条件を変更設定する必要がなく、むしろ望ましくない加工結果になる可能性がある。そこで、実施の形態のワイヤカット放電加工装置では、板厚10mm毎に加工条件を変更設定するようにしている。したがって、加工条件の変更設定が要求される閾値は、10mmの倍数である。
指令装置15は、加工条件のデータベースから抽出された新しい加工条件を第1の記憶装置12に記憶させて加工条件を変更設定し、パルス制御装置30に新しく変更設定された加工条件に対応するパルス指令信号を出力する(S12)。パルス制御装置30は、変更設定された加工条件をセットする。また、指令装置15は、必要に応じて変更設定された加工条件に対応する加工液指令信号を加工液制御装置40に出力する。
数値制御装置10は、平均加工電圧と送り速度を検出しながら、予め定められたサンプリング時間毎にサンプリング期間における板厚を計算している。そして、加工が終了するまでの間、板厚が計算されるたびに算出された板厚に基づいて現在の加工条件に対して加工条件を変更設定する必要が判断される場合に加工条件を変更設定することを繰り返す。
図3に、実施の形態のワイヤカット放電加工装置において本発明の計算方法で算出された板厚と実際の板厚の変化との誤差を平均加工電流に基づく従来の計算方法で算出された板厚と対比して示す。黒菱形のプロットは、従来の計算方法で算出された板厚のデータを示し、白丸のプロットは、本発明の計算方法で算出されたデータを示す。ただし、平均加工電流値の変動に対して計算される板厚の誤差をわかりやすくするために、無負荷時間に対応して第1のパルス幅の放電電流パルスと第1のパルス幅よりも短い第2のパルス幅の放電電流パルスを切り換えて供給する加工方法を行ない、計算方法は、数2に示される計算式で板厚を算出する方法を採用している。
図3の上段のグラフは、移動距離10mm毎にサーボ基準電圧を段階的に小さくしていったときに算出される板厚の値を示す。サーボ基準電圧は、最終的に板厚が変わって加工溝幅の差を小さくするために送り速度を一定にするように変更されることがある電気的な加工条件のパラメータである。図3に示されるように、従来の計算方法では、サーボ基準電圧が変更されると算出される板厚と実際の板厚との誤差が大きくなりすぎて、適切な加工条件に変更設定することができないおそれが高いが、本発明の計算方法では、サーボ基準電圧が変更されても算出される板厚と実際の板厚との誤差が許容範囲以内であり、適切な加工条件に変更設定できることがわかる。
図3の中段のグラフは、移動距離10mm毎に第2のパルス幅の放電電流パルスのパルス幅を段階的に小さくしていったときに算出される板厚の値を示す。ただし、第1のパルス幅の放電電流パルスのパルス幅は変更されない。放電電流パルスのパルス幅は、板厚が変わって加工溝幅の差を小さくするために距離加工速度を一定にするように変更されることがある電気的な加工条件のパラメータである。また、第2のパルス幅の放電電流パルスのパルス幅は、常に加工状態で変化する。図3に示されるように、従来の計算方法では、放電電流パルスのパルス幅が変更されると算出される板厚と実際の板厚との誤差が大きくなりすぎて、適切な加工条件に変更設定することができないおそれが高いが、本発明の計算方法では、放電電流パルスのパルス幅が変更されても算出される板厚と実際の板厚との誤差が許容範囲以内であり、適切な加工条件に変更設定できることがわかる。
図3の下段のグラフは、移動距離10mm毎に板厚を段階的に薄くするとともに各板厚に適応する加工条件に変更していったときに算出される板厚の値を示す。図3に示されるように、従来の計算方法では、板厚を変更したときに変更設定される加工条件の影響を受けて算出される板厚と実際の板厚との誤差が比較的大きくなるだけではなく、算出される板厚の値がばらつくため、的確なタイミングで適切な加工条件に変更設定されないおそれがある。一方、本発明の計算方法では、板厚が変化した直後に僅かに誤算が生じるが、直ちにばらつきが収束して算出される板厚と実際の板厚との誤差が許容範囲以内であり、的確に適切な加工条件に変更設定できることがわかる。
以上に説明される実施の形態のワイヤカット放電加工装置は、好ましい構成を具体的に示すものであるから、既にいくつかの例が示されているように、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で変形、置換、組合せ、応用が可能である。
本発明は、ワイヤカット放電加工装置で使用される。本発明のワイヤカット放電加工装置は、段差部位を有する被加工物を加工するときに、ワイヤ電極の不慮の断線がなく、許容できない加工形状誤差が生じることがないので、加工効率と加工結果に優れ、ワイヤカット放電加工の発展に寄与する。
1 制御装置
2 駆動装置
3 加工用電源装置
4 加工液供給装置
10 数値制御装置
11 入出力装置
12 第1の記憶装置
13 第2の記憶装置
14 解読装置
15 指令装置
16 電圧検出装置
17 クロック
18 速度検出装置
19 板厚計算装置
20 モータ制御装置
30 パルス制御装置
40 加工液制御装置
191 時間カウンタ
192 パルスカウンタ

Claims (4)

  1. 平均加工電圧を出力する電圧検出装置と、ワイヤ電極の送り速度を出力する速度検出装置と、複数の加工条件の組合せと加工条件毎の放電一発当たりの加工量と加工溝幅の演算に要求されるワイヤ電極と被加工物の材質毎に設定される複数の演算係数とを記憶する記憶装置と、予め設定された期間に供給される放電電流パルスの数を計数するカウンタと、前記放電一発当たりの加工量と前記期間に供給される放電電流パルスの数との積を前記期間における前記送り速度と前記平均加工電圧を用いて近似式で表わされる加工溝幅との積で除算して板厚を計算する板厚計算装置と、前記板厚計算装置で算出された板厚に適応する加工条件に変更設定する指令装置と、を有するワイヤカット放電加工装置。
  2. 前記板厚計算装置において、次の数式で計算される請求項1に記載のワイヤカット放電加工装置。ただし、板厚T、放電一発当たりの加工量H、前記予め設定された期間に供給される放電電流パルスの数、送り速度F、平均加工電圧Vg、複数の演算係数α,β,γとする。
    Figure 2010173040
  3. 平均加工電圧を出力する電圧検出装置と、ワイヤ電極の送り速度を出力する速度検出装置と、複数の加工条件の組合せと加工条件毎の所定の第1のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量と前記第1のパルス幅よりも短い第2のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量と加工溝幅の演算に要求されるワイヤ電極と被加工物の材質毎に設定される複数の演算係数とを記憶する記憶装置と、予め設定された期間に供給される前記第1のパルス幅の放電電流パルスの数と前記第2のパルス幅の放電電流パルスの数をそれぞれ計数するカウンタと、前記第1のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量と前記期間に供給される前記第1のパルス幅の放電電流パルスの数との積に前記第2のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量と前記期間に供給される前記小さい平均電流値の放電電流パルスの数との積を加算した値を前記期間における前記送り速度と前記平均加工電圧を用いて近似式で表わされる加工溝幅との積で除算して板厚を計算する板厚計算装置と、前記板厚計算装置で算出された板厚に適応する加工条件に変更設定する指令装置と、を有するワイヤカット放電加工装置。
  4. 前記板厚計算装置において、次の数式で計算される請求項3に記載のワイヤカット放電加工装置。ただし、板厚T,第1のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量H,第2のパルス幅の放電電流パルスの放電一発当たりの加工量L,単位時間当たりに供給される第1のパルス幅の放電電流パルスの数n,単位時間当たりに供給される第2のパルス幅の放電電流パルスの数m,送り速度F,平均加工電圧Vg,複数の係数α,β,γとする。
    Figure 2010173040
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