JPH1029117A - ワイヤ放電加工機およびワイヤ放電加工方法 - Google Patents

ワイヤ放電加工機およびワイヤ放電加工方法

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JPH1029117A
JPH1029117A JP18511996A JP18511996A JPH1029117A JP H1029117 A JPH1029117 A JP H1029117A JP 18511996 A JP18511996 A JP 18511996A JP 18511996 A JP18511996 A JP 18511996A JP H1029117 A JPH1029117 A JP H1029117A
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工条件データの蓄積を容易に行い、実際の
加工時に被加工物の板厚を精度よく判定して最適な加工
条件を選択し、効率よく放電加工を行うこと。 【解決手段】 加工速度fを平均加工電圧検出装置23
及びNC装置25により検出するとともに、エネルギ演
算部22により放電パルスのエネルギeを演算して求
め、[加工速度f/エネルギe]の値をNC装置25に
より演算し、その[加工速度f/エネルギe]の値をメ
モリ250に記憶してデータ取りを行う。そして、蓄積
したデータに基づいて被加工物2の板厚を演算するため
の関数の特定をNC装置25により行う。ワイヤ電極1
の材質及び径と被加工物2の材質との組合わせがデータ
取りの際の組合わせと同じであれば、実際に放電加工を
行うだけで、加工速度f及びエネルギeが求まり、それ
らの値と特定された板厚の演算のための関数とにより板
厚が精度よく求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電加工技術、さ
らにはワイヤ電極と被加工物との間に放電を発生させて
加工を行うワイヤ放電加工機に係り、例えば、被加工物
の板厚および加工状況の変化に応じて電気的な加工条件
を切り替えて、効率のよい放電加工を行うことができる
ようにしたワイヤ放電加工機およびワイヤ放電加工方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被加工物とその被加工物に対向して配置
されたワイヤ電極との間にパルス電圧を印加して放電を
発生させ、それによって被加工物の加工を行うワイヤ放
電加工機では、一般に、細いワイヤ電極に数百g〜数kg
の張力を付与して加工を行うことにより、所望の加工精
度が得られるようになっている。従って、加工の際にワ
イヤ電極に流すことができる電流(加工電流)には上限
があり、その上限を超える電流がワイヤ電極に流れた状
態で加工を行うとワイヤ電極が断線してしまう。
【0003】ワイヤ電極に流れる加工電流の上限値すな
わちワイヤ電極の断線限界の電流値はワイヤ電極の長さ
に依存しているので、加工電流の大きさには被加工物の
板厚に応じた最適な範囲がある。一般には、被加工物の
板厚が40〜60mmの範囲で最も断線限界が高く、それ
よりも被加工物が薄いと電流密度が高くなりすぎて断線
限界が低下してしまい、一方前記範囲よりも被加工物が
厚いと加工中の冷却効率が低下して断線限界も低下して
しまう。従って、ワイヤ電極を断線させずに効率よく放
電加工を行うためには、被加工物の板厚に応じて加工電
流値等の電気的な加工条件を制御する必要がある。
【0004】従来、被加工物の板厚に応じて電気的な加
工条件の制御を行うようにされたワイヤ放電加工機とし
て、ワイヤ電極と被加工物との相対的な送り速度すなわ
ち加工速度と加工電流値とに基づいて被加工物の板厚を
求め、その求めた板厚に応じて電気的な加工条件の切り
替えを行うようにされたものが提案されている(特公平
2−29453号公報)。
【0005】ところで、一般に、ワイヤ放電加工機の単
位時間当たりの加工体積は、次式に基づいて計算して求
められる。すなわち、 (単位時間当たりの加工体積)=(加工溝幅)×(被加
工物の板厚)×(加工速度) である。
【0006】また、単位時間当たりの加工体積は、ワイ
ヤ電極および被加工物の材料固有の値等と加工エネルギ
ー(加工電流値)との関数で表される。従って、加工体
積に関するそれら2つの関係より、実際の加工中に加工
速度および加工電流値を測定することにより、被加工物
の板厚を計算して求めることができる。加工溝幅につい
ては、予備実験や試し加工(通常、本加工の前に行われ
る)などにより予め測定しておく。また、ワイヤ電極お
よび被加工物の材料固有の値等については、キーボード
等の外部の入力装置から入力する。
【0007】なお、通常、ワイヤ放電加工機の電源回路
には高速でオン・オフの切替え動作を行うスイッチング
素子が設けられている。そして、そのスイッチング素子
が極めて短い周期でオン・オフを繰り返すことにより、
ワイヤ電極に高ピーク値を有する加工電流が供給され、
加工速度の向上が図られるようになっている。従って、
被加工物の板厚を計算するに当たって、加工電流値とし
て、スイッチング素子のオン・オフによる高ピーク値を
有する加工電流を平滑化した値を用いる。
【0008】図9には、従来のワイヤ放電加工機の構成
が示されている。このワイヤ放電加工機は、ワイヤ電極
1、被加工物2、それらワイヤ電極1と被加工物2との
間にパルス電圧を印加して放電電流パルスを供給する加
工電源3、加工電源3によりワイヤ電極1と被加工物2
との間に印加されたパルス電圧の分圧を平滑化する第1
の積分器4、その第1の積分器4で平滑化された電圧
(平均加工電圧に対応した電圧である)と外部から入力
された基準となる電圧(基準電圧)V1との差を増幅す
る差動増幅器5を備えている。
【0009】また、上記差動増幅器5の出力電圧に基づ
いて発振周波数を制御してパルス信号を出力する電圧周
波数変換器6、外部から入力された前記基準電圧V1と
は異なる別の基準となる電圧(基準電圧)V2と前記第
1の積分器4の出力電圧とを比較する比較器7、比較器
7の出力信号に基づいてオン・オフの切替え動作を行う
アナログスイッチ8、アナログスイッチ8がオン状態の
時にアナログスイッチ8を介して加工電源3より供給さ
れた電流信号を平滑化する第2の積分器9、その第2の
積分器9で平滑化された電流(真加工電流に対応した電
流であり、アナログ信号である)をディジタル信号に変
換するAD変換器10を備えている。
【0010】さらに、前記電圧周波数変換器6の出力信
号S1と比較器7の出力信号S2とAD変換器10の出
力信号S3と外部からの入力信号S4,S5に基づい
て、ワイヤ電極1と被加工物2との相対的な送り速度
(加工速度)の制御を行う2つの制御信号S6x, S6
yおよび電気的な加工条件の制御を行う3つの制御信号
S7,S8,S9を生成する数値制御装置(NC装置)
11、NC装置11から出力された制御信号S6x,S
6yをそれぞれ受け取ってX方向およびY方向のサーボ
制御を行うXサーボユニット12XおよびYサーボユニ
ット12Y、並びにX方向およびY方向の各サーボユニ
ット12X,12Yによりそれぞれ駆動制御されてワイ
ヤ電極1と被加工物2とをX方向およびY方向にそれぞ
れ相対的に移動させるXモータ13XおよびYモータ1
3Yを備えた構成となっている。NC装置11により生
成された電気的な加工条件の制御信号S7,S8,S9
は加工電源3に送られる。
【0011】加工電源3は、NC装置11から送られて
きた3つの制御信号S7,S8,S9を受け取り、各制
御信号S7,S8,S9に基づく無負荷電圧値、ピーク
電流値、電圧のオン・オフタイム(印加時間および休止
時間)でもってパルス電圧を出力する。
【0012】第1の積分器4は、ワイヤ電極1と接地点
との間に直列に接続された一対の抵抗R1,R2によっ
てワイヤ電極1の電位を分圧してなる電圧を入力とし、
それを平滑化して平均加工電圧に対応した電圧信号を生
成し、その電圧信号を差動増幅器5および比較器7に分
岐して出力する。
【0013】第1の積分器4から差動増幅器5に送られ
た電圧信号は、該差動増幅器5および電圧周波数変換器
6を介して、加工電圧の大きさに基づく信号S1として
NC装置11に供給される。
【0014】比較器7は、基準電圧V2と第1の積分器
4の出力との比較を行った結果、積分器4の出力の方が
基準電圧V2よりも大きい間、出力信号S2として、相
対的に高電位レベル(“1”)の信号をアナログスイッ
チ8およびNC装置11に出力する。一方、比較の結
果、第1の積分器4の出力の方が基準電圧V2よりも小
さい間は、比較器7の出力信号S2は相対的に低電位レ
ベル(“0”)の信号となる。
【0015】ここで、基準電圧V2は、ワイヤ電極1と
被加工物2との間で正常に放電が発生し得る場合の第1
の積分器4の出力電圧の下限値である。従って、このワ
イヤ放電加工機では、NC装置11において、比較器7
の出力信号S2が“1”の場合にはワイヤ電極1と被加
工物2との間で放電が起こっており、一方、比較器7の
出力信号S2が“0”の場合にはワイヤ電極1と被加工
物2との間がアーク状態であると判断されるようになっ
ている。つまり、比較器7の出力信号S2は、放電状態
の検出信号として作用している。
【0016】アナログスイッチ8は、比較器7の出力信
号S2が“1”の場合すなわちワイヤ電極1と被加工物
2との間で放電が起こっていると判断されるような場合
にオン状態となり、一方、比較器7の出力信号S2が
“0”の場合すなわちワイヤ電極1と被加工物2との間
がアーク状態であると判断されるような場合にオフ状態
となる。従って、放電が起こっていると判断される場合
にのみ、電流検出用の抵抗R3からの加工電流信号がア
ナログスイッチ8を通過して第2の積分器9に送られ
る。
【0017】第2の積分器9に送られた電流信号は、該
第2の積分器9およびAD変換器10を介して、加工電
流の大きさに基づく信号S3としてNC装置11に供給
される。
【0018】NC装置11は、電圧周波数変換器6から
送られてきたパルス信号S1を分配してモータ制御用の
信号S6x,S6yを生成し、X方向およびY方向の各
サーボユニット12X,12Yにそれぞれ出力する。そ
れによって、平均加工電圧が一定となるような速度で、
ワイヤ電極1と被加工物2との相対的な送りが行なわれ
る。すなわち、加工速度の制御が行われる。なお、ワイ
ヤ放電加工機では、上述したような動作は周知の事であ
るので、詳細な説明を省略する。
【0019】また、NC装置11は、電圧周波数変換器
6の出力信号S1、比較器7の出力信号S2、AD変換
器10の出力信号S3、外部のキーボード(図示省略)
等から入力された被加工物2とワイヤ電極1との材質に
よって定まる定数Kのデータ信号S4および加工溝幅d
のデータ信号S5に基づいて、図10のフローチヤート
に示す電気加工条件の切替え処理(詳細については後述
する)を一定時間おきに行なうように構成されている。
【0020】なお、加工溝幅dについては、本加工前に
試し加工を行ない、予め測定して求めておく。NC装置
11には、図示省略したが、被加工物2とワイヤ電極1
との材質によって定まる定数Kのデータおよび加工溝幅
dのデータを格納するメモリが設けられており、そのメ
モリに定数Kおよび加工溝幅dの各データが記憶され
る。
【0021】さらに、NC装置11内には、不揮発性メ
モリ(図示省略)が設けられている。そのメモリには、
図11に示すように、被加工物2の各板厚h1,h2,
・・・,h(n−1),hn(但し、h(m−1)<h
m)に対応して、それぞれ無負荷電圧Vs1,Vs2,
・・・,Vs(n−1),Vsn、ピーク電流Ip1,
Ip2,…,Ip(n−1),Ipn、パルス電圧を印
加する時間(オンタイム)Ton1,Ton2,・・
・,Ton(n−1),Tonn、およびパルス電圧の
印加を休止する時間(オフタイム)Toff1,Tof
f2,・・・,Toff(n−1),Toffnのデー
タが格納されている。
【0022】それら各データについては、予め本加工を
行う前に、種々の板厚h1,h2,…,h(n−1),
hnの被加工物2を用いて実際に放電加工を行い、各板
厚毎に最適な加工条件を求めておき、前記不揮発性メモ
リに記憶させておく。
【0023】つぎに、上記従来のワイヤ放電加工機の作
用について、図10のフローチャートに従って説明す
る。まず、ワイヤ電極1および被加工物2を設置してそ
れらを加工電源3に接続し、加工液を入れ、被加工物2
とワイヤ電極1との材質によって定まる定数Kおよび試
し加工に基づいて求めた加工溝幅dの各データを外部か
ら入力した後、放電加工を開始する。NC装置11は、
図示省略したタイマ回路等により計時を行い、一定時間
経過する毎に(ステップS1)、比較器7から送られて
きた制御信号S2が“1”であるか否かの判断を行う
(ステップS2)。
【0024】その後、制御信号S2が“1”である場合
には、NC装置11は、電圧周波数変換器6の出力信号
S1に基づいてワイヤ電極1と被加工物2との相対的な
送り速度(加工速度)Fを演算して求める(ステップS
3)。次いで、NC装置11は、AD変換器10の出力
信号S3に基づいて真加工電流ITを演算して求める
(ステップS4)。それら真加工電流IT、ワイヤ電極
1と被加工物2との相対的な送り速度F、加工溝幅dお
よび被加工物2とワイヤ電極1との材質によって定まる
定数Kに基づいて、NC装置11はつぎの(1)式で表
される演算を行い、被加工物2の板厚hを求める(ステ
ップS5)。すなわち、 h=K×IT/(F・d) ・・・(1) である。
【0025】NC装置11は、被加工物2の板厚hを求
めると、前記不揮発性メモリに記憶された板厚h1〜h
nを順次読み出し、求めた板厚hと比較する。そして、
その比較結果に基づいて、NC装置11は電気加工条件
の切替えを行なう(ステップS6)。具体的には、例え
ば被加工物2の板厚hがh1<h<h2を満たす場合、
NC装置11は板厚h1に対応した電気加工条件Vs
1、Ip1、Ton1、Toff1を前記不揮発性メモ
リから読み出し、それらの条件に基づいて無負荷電圧、
ピーク電流およびオン・オフタイムの各制御信号S7,
S8,S9を生成して加工電源3に出力する。
【0026】それによって、加工電源3の駆動が制御さ
れ、被加工物2の板厚hに応じて電気加工条件が切り替
わり、能率のよい放電加工が行われる。ステップS6の
処理が終了したらステップS1に戻り、上述した処理を
繰り返す。なお、ステップS2で制御信号S2が“0”
である場合にもステップS1に戻り、上述した処理を繰
り返す。
【0027】なお、被加工物2とワイヤ電極1との材質
によって定まる定数Kの値をその都度キーボード等から
入力する代わりに、NC装置11内の不揮発性メモリ
に、種々の被加工物2について該被加工物2とワイヤ電
極1との材質によって定まる定数K1,K2,・・,K
nを予め記憶させておき、放電加工の実施の際にそれら
定数K1,K2,・・,Knのなかから適当なものを選
択するような構成とすることもできる。
【0028】また、NC装置11内の不揮発性メモリ
に、被加工物2とワイヤ電極1との材質によって定まる
定数Kが予め記憶されていないような被加工物2につい
ては、加工溝幅dの測定や加工の安定性を確認するため
にワイヤ放電加工の本加工前に行う試し加工の際に、そ
の被加工物2とワイヤ電極1との材質によって定まる定
数KをNC装置11が演算して求め、その求めたKの値
をNC装置11内の不揮発性メモリに自動的に記憶する
ようになっていてもよい。その場合には、人為的に電気
的な加工条件を適宜選択して設定するとともに、被加工
物2の板厚hをキーボード等から入力して試し加工を行
う。
【0029】試し加工の実施中に、NC装置11は、電
圧周波数変換器6の出力信号S1に基づいてワイヤ電極
1と被加工物2との相対的な送り速度Fを演算して求め
るとともに、AD変換器10の出力信号S3に基づいて
真加工電流ITを演算して求め、それらの値をNC装置
11の不揮発性メモリに記憶する。加工溝幅dについて
は、試し加工終了後に被加工物2を取り出して測定し、
その値をキーボード等から入力する。加工溝幅dのデー
タが入力されると、NC装置11は、上記(1)式を変
形して得られる(2)式に従って演算を行い、Kの値を
求めてNC装置11の不揮発性メモリに記憶する。すな
わち、 K=(F・d・h)/IT ・・・(2) である。
【0030】上述したように、NC装置11が被加工物
2とワイヤ電極1との材質によって定まる定数Kを演算
して不揮発性メモリに自動的に記憶するようになってい
ることにより、一度その定数Kを求めて記憶してしまえ
ば、以後、被加工物2の材質とワイヤ電極1の材質の組
合わせが同じであれば、NC装置11はその記憶してあ
るKの値を読み出して使用することができる。
【0031】従って、被加工物2の板厚hが前回の加工
時の板厚と異なっている場合、NC装置11は不揮発性
メモリからKの値を読み出し、その読み出したKの値に
基づいて上記(1)式の演算を行い、得られた被加工物
2の板厚hに基づいて電気的な加工条件(無負荷電圧、
ピーク電流およびオン・オフタイム)の切替えを行うこ
とができる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ワイヤ電極1
の材質や径および被加工物2の材質が同じであっても、
被加工物2の板厚hや加工液の供給ノズルと被加工物2
との密着状態などの要因により、従来被加工物2とワイ
ヤ電極1との材質によって定まるとされていたKの値が
変化する。すなわち、図8に示すように、被加工物2の
板厚hと[加工速度F/真加工電流IT(加工速度/加
工エネルギーと等価である)]の関係は、同図の直線A
に示すような線形の関係ではなく、曲線Bのような関係
であり、被加工物2の板厚hは[加工速度/加工エネル
ギー]の関数で表される。
【0033】従って、従来のワイヤ放電加工機では、被
加工物の板厚hに関係なくKの値を定数として扱ってい
たため、NC装置11において精度よく被加工物2の板
厚hを求めることは困難であり、被加工物2の板厚hが
誤って判定され、それによって電気的な加工条件が誤っ
て選択されてしまい、ワイヤ電極1が断線し易いという
問題点があった。
【0034】この問題点を解決するには、被加工物2の
板厚hと加工液の供給ノズルの位置と電気的な加工条件
との組合わせを種々変更し、全ての組合わせについて加
工速度と真加工電流ITを測定する予備実験を行ってデ
ータを蓄積し、そのデータに基づいてワイヤ電極1の径
および材質と被加工物2の材質とによって特定される関
数を求めておくことが考えられる。
【0035】しかしながら、被加工物2の板厚hと加工
液の供給ノズルの位置と電気的な加工条件との組合わせ
の数は莫大な数になり、予備実験に極めて多大な時間と
労力と費用を要し、到底実行不可能である。しかも、予
備実験においては、すべての被加工物2について、逐
一、放電加工後、被加工物2を取り出して人為的に加工
溝幅dの測定を行なわなければならず、極めて面倒であ
るという問題点があった。
【0036】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
被加工物の板厚や加工状況の変化に対応した加工条件の
データの蓄積を容易に行い、実際の加工時に被加工物の
板厚を精度よく判定して最適な加工条件を選択し、効率
よく放電加工を行うことができるワイヤ放電加工機およ
びワイヤ放電加工方法を得ることを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明に係るワイヤ放電加工機は、被加工物と
ワイヤ電極との相対的な送り速度すなわち加工速度を検
出する加工速度検出手段と、放電パルスの一パルス毎の
エネルギーを演算し所定期間毎にその一パルス毎の放電
エネルギーを加算するエネルギー演算手段と、加工速度
検出手段により検出された加工速度とエネルギー演算手
段により算出されたエネルギーとの比すなわち[加工速
度/エネルギー]の値を演算する加工速度エネルギー比
演算手段と、加工速度エネルギー比演算手段により算出
された[加工速度/エネルギー]の値を記憶する記憶手
段とを備えたものである。
【0038】上記構成のワイヤ放電加工機では、加工速
度検出手段により加工速度を検出するとともにエネルギ
ー演算手段により放電エネルギーを演算し、それらの比
すなわち[加工速度/エネルギー]を加工速度エネルギ
ー比演算手段により演算して求め、その求めた[加工速
度/エネルギー]の値を電気的な加工条件に対応させて
記憶手段に記憶する。
【0039】つぎの発明に係るワイヤ放電加工機は、ワ
イヤ電極と被加工物との間に印加されたパルス電圧の平
均値すなわち平均加工電圧を検出し、その検出した平均
加工電圧に基づいて、被加工物とワイヤ電極との相対的
な送り速度の演算を行うようにしたものである。
【0040】従って、検出した平均加工電圧が所定値よ
りも高い場合には、ワイヤ電極もしくは被加工物の送り
速度は所定の速度よりも遅く、一方、平均加工電圧が所
定値よりも低い場合には、ワイヤ電極もしくは被加工物
の送り速度は所定の速度よりも速いと判断され、さらに
検出した平均加工電圧と所定値との差から所定速度から
のずれ量が演算される。
【0041】つぎの発明に係るワイヤ放電加工機は、一
放電パルス毎に、放電電流パルスの積分値とアーク電位
との積により放電パルスのエネルギーを求め、その一放
電パルス毎のエネルギーを所定の期間毎に加算するよう
にしたものである。
【0042】従って、放電電流パルスの電流値を積分す
るとともにアーク電位を検出し、それら電流パルスの積
分値とアーク電位との積を演算することにより一パルス
毎のエネルギーが求まり、さらにそれら一パルス毎のエ
ネルギーを所定期間毎に加算することにより、所定の演
算周期毎に放電のエネルギーが求まる。
【0043】つぎの発明に係るワイヤ放電加工機は、前
記記憶手段に記憶された[加工速度/エネルギー]の値
に基づいて、被加工物の板厚を演算するための関数の特
定を行うようにしたものである。
【0044】従って、[加工速度/エネルギー]の値と
被加工物の板厚との関係を表す関数が求まり、ワイヤ電
極と被加工物の組合わせが同じ場合に、被加工物の板厚
の判定時にその求めた関数を用いることができる。
【0045】つぎの発明に係るワイヤ放電加工機は、前
記記憶手段に記憶された[加工速度/エネルギー]の値
および特定された被加工物の板厚を演算するための関数
に基づいて、被加工物の板厚を判定して加工条件の選択
を行うようにしたものである。
【0046】従って、被加工物の板厚の判定精度が向上
し、ワイヤ電極と被加工物の組合わせが同じ場合に、よ
り正確に被加工物の板厚が求まるので、最適な加工条件
の選択が可能となる。
【0047】つぎの発明に係るワイヤ放電加工方法は、
被加工物とワイヤ電極との相対的な送り速度すなわち加
工速度を検出する第1の工程と、放電パルスのエネルギ
ーを演算する第2の工程と、検出された加工速度と算出
されたエネルギーとの比すなわち[加工速度/エネルギ
ー]を演算する第3の工程と、演算して求められた[加
工速度/エネルギー]の値を記憶する第4の工程とを含
むものである。
【0048】この方法によれば、加工条件のデータを蓄
積するデータ取りの際に、加工中の加工速度の検出およ
び放電エネルギーの演算、並びにそれらの比すなわち
[加工速度/エネルギー]の値を演算して電気的な加工
条件に対応させて記憶する一連の動作が自動的に行われ
る。
【0049】つぎの発明に係るワイヤ放電加工方法は、
さらに、[加工速度/エネルギー]の値に基づいて、被
加工物の板厚を演算するための関数の特定を行う工程を
含むものである。
【0050】従って、加工条件のデータを蓄積するデー
タ取りに続いて、蓄積されたデータに基づいて[加工速
度/エネルギー]の値と被加工物の板厚との関係を表す
関数が自動的に求まる。
【0051】つぎの発明に係るワイヤ放電加工方法は、
さらに、[加工速度/エネルギー]の値および特定され
た前記関数に基づいて被加工物の板厚を判定する工程
と、判定した板厚に対応する加工条件を選択する工程と
を含むものである。
【0052】従って、ワイヤ電極と被加工物の組合わせ
が同じ場合に、加工の際に加工速度と放電のエネルギー
を求めることにより、[加工速度/エネルギー]の値と
被加工物の板厚との関係を表す関数に基づいて被加工物
の板厚をより精度よく判定でき、最適な加工条件の選択
が可能となる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るワイヤ放電
加工機およびワイヤ放電加工方法の実施の形態について
図1〜図7に基づいて詳細に説明する。
【0054】図1には、本発明に係るワイヤ放電加工機
の一例が示されている。この放電加工機は、ワイヤ電極
1、被加工物2、それらワイヤ電極1と被加工物2との
間にパルス電圧を印加して放電電流パルスを供給する加
工電源20、加工電源20を制御して加工電源20にパ
ルス電圧および放電電流パルスを生成させるパルス制御
回路21、パルス制御回路21の出力信号に基づいて加
工エネルギーの演算を行うエネルギー演算部(エネルギ
ー演算手段)22を備えている。
【0055】また、加工電源20により印加された加工
電圧の平均値(平均加工電圧)を検出する平均加工電圧
検出装置23、ワイヤ電極1と被加工物2との間の印加
電圧を監視して放電開始時点の検出を行いパルス制御回
路21にタイミング信号を出力する放電開始検出回路2
4、平均加工電圧検出装置23およびエネルギー演算部
22の各出力信号と図示省略した操作盤等から入力され
た加工経路情報および電気的な加工条件のパラメータに
基づいてワイヤ電極1と被加工物2との相対移動の制御
を行う信号を生成するとともに、パルス制御回路21に
加工条件パラメータを出力するNC装置25を備えてい
る。
【0056】さらに、NC装置25で生成されたワイヤ
電極1と被加工物2との相対移動の制御信号を受け取っ
てX方向およびY方向の各駆動モータ27X,27Yに
駆動信号を生成して出力する軸駆動制御装置26、X方
向の駆動モータ27XおよびY方向の駆動モータ27
Y、並びに被加工物2が載置されX方向およびY方向の
各駆動モータ27X,27Yにより移動自在にされたテ
ーブル28を備えている。
【0057】このワイヤ放電加工機は、ワイヤ電極1と
被加工物2との相対的な加工送り速度すなわち加工速度
を平均加工電圧検出装置23およびNC装置25により
検出して制御するとともに、エネルギー演算部22によ
り放電パルスのエネルギーを演算して求め、さらに検出
した加工速度と放電パルスのエネルギーの比をNC装置
25により演算し、その比の値を例えばNC装置25の
内部に記憶手段として設けられた不揮発性の半導体メモ
リ250に記憶するようになっている。
【0058】それによって、このワイヤ放電加工機にあ
っては、図6のフローチヤートに示す処理(詳細につい
ては後述する)を行うことにより自動的に加工条件のデ
ータの蓄積を行い得るようになっている。そして、蓄積
したデータに基づいて、被加工物2の板厚を演算するた
めの関数が特定される。なお、平均加工電圧検出装置2
3およびNC装置25は加工速度検出手段としての機能
を有しており、NC装置25は加工速度エネルギー比演
算手段としての機能も有している。
【0059】また、このワイヤ放電加工機は、データ蓄
積後の放電加工の実施に際しては、NC装置25により
加工中の加工速度とエネルギーの比を演算して求め、そ
の比の値と被加工物2の板厚を特定するための関数に基
づいて、被加工物2の板厚を精度よく求め、その求めた
板厚に基づいて、不揮発性メモリに蓄積されたデータ群
の中から最適な加工条件を選択することにより、ワイヤ
電極の断線の発生頻度を著しく低減させて効率よく放電
加工を行うことができるようになっている。
【0060】NC装置25は、パルス制御回路21に電
気的な加工条件のパラメータを出力する。この加工条件
パラメータは、ワイヤ放電の本加工前の予備実験等によ
るデータ蓄積時には外部の操作盤により入力されて供給
され、また本加工時にはNC装置25の内部の不揮発性
メモリ250から読み出される。
【0061】また、NC装置25は、NCプログラムに
記述された加工経路情報もしくは操作盤から入力された
加工経路情報および平均加工電圧検出装置23から送ら
れてきた加工中の平均電圧信号に基づいて、電極1もし
くは被加工物2の送り速度の演算を行い、電極1と被加
工物2との相対位置関係を一定に維持するように軸駆動
制御装置26に位置決め指令の制御信号を出力する。
【0062】具体的には、平均加工電圧検出装置23に
より検出された平均加工電圧が所定値よりも高い場合に
は、電極1もしくは被加工物2の送り速度が増大するよ
うに制御される。一方、平均加工電圧が所定値よりも低
い場合には、電極1もしくは被加工物2の送り速度が減
少するように制御される。なお、電極1もしくは被加工
物2の送り速度は、平均加工電圧と前記所定値との差に
基づいて演算される。
【0063】パルス制御回路21は、NC装置25から
送られてきた電気的な加工条件のパラメータに基づいて
所定の電流ピーク、パルス幅および休止時間を有する駆
動信号を生成して加工電源20に出力し、加工電源20
の制御を行う。
【0064】加工電源20は、パルス制御回路21から
送られてきた駆動信号によって駆動される。そして、被
加工物2の上方および下方においてワイヤガイドにより
保持されたワイヤ電極1と被加工物2との加工間隙に、
加工電源20により所定の電流パルスが供給されるとと
もに、その加工間隙に、特に限定しないが水もしくは水
系の加工液が供給されることによって放電加工が行われ
る。
【0065】図2には、ワイヤ電極1と被加工物2との
間に加工電圧および加工電流を供給する電源装置の実施
例が示されている。この電源装置は、主として、加工電
源20、パルス制御回路21および放電開始検出回路2
4から構成されている。
【0066】加工電源20は、パルス制御回路21から
駆動信号として出力される2つのパルス信号S11,S
12によりそれぞれオン・オフされる2つのスイッチン
グ素子TR1,TR2と、第1のスイッチング素子TR
1、電流制限抵抗R11およびダイオードD1を介して
ワイヤ電極1および被加工物2にそれぞれ負極および正
極が電気的に接続された第1の直流電源E1と、第2の
スイッチング素子TR2およびダイオードD2を介して
ワイヤ電極1および被加工物2にそれぞれ負極および正
極が電気的に接続された第2の直流電源E2と、ダイオ
ードD3を介してワイヤ電極1および被加工物2にそれ
ぞれ正極および負極が電気的に接続された第3の直流電
源E3とを備えている。
【0067】詳しくは、第1の直流電源E1の負極はダ
イオードD1のカソードに接続され、そのダイオードD
1のアノードはワイヤ電極1に接続されている。一方、
第1の直流電源E1の正極は電流制限抵抗R11の一端
に接続されている。第1のスイッチング素子TR1は例
えばn形の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(NMO
SFET)でできている。
【0068】そのMOSFET(第1のスイッチング素
子TR1)のドレインに電流制限抵抗R11の他端が接
続されている。そのMOSFETのソースは被加工物2
に接続され、ゲートはパルス制御回路21の第1のパル
ス信号S11の出力端子に接続されている。第1のパル
ス信号S11が“1”の時、第1のスイッチング素子T
R1はオン状態となり、ワイヤ電極1と被加工物2との
間に加工電圧が印加される。第1のパルス信号S11が
“0”の時、第1のスイッチング素子TR1はオフ状態
となり、加工電圧の印加が停止される。
【0069】第2の直流電源E2の負極はダイオードD
2のカソードに接続され、そのダイオードD2のアノー
ドはワイヤ電極1に接続されている。第2のスイッチン
グ素子TR2は例えばNMOSFETでできている。そ
のMOSFET(第2のスイッチング素子TR2)のド
レインに第2の直流電源E2の正極が接続されている。
そのMOSFETのソースは被加工物2に接続され、ゲ
ートはパルス制御回路21の第2のパルス信号S12の
出力端子に接続されている。
【0070】第2のパルス信号S12が“1”の時、第
2のスイッチング素子TR2はオン状態となり、ワイヤ
電極1と被加工物2との間に放電加工電流が供給され
る。第2のパルス信号S12が“0”の時、第2のスイ
ッチング素子TR2はオフ状態となり、放電加工電流の
供給が停止される。
【0071】第3の直流電源E3の正極はダイオードD
3のアノードに接続され、そのダイオードD3のカソー
ドはワイヤ電極1に接続されている。第3の直流電源E
3の負極は被加工物2に接続されている。
【0072】放電開始検出回路24は、ワイヤ電極1と
被加工物2との間の電圧を分圧する2つの抵抗R12,
R13を有しており、ワイヤ電極1とそれら2つの抵抗
R12,R13の接続点との間の電圧が分圧値Vgとし
て得られるようになっている。
【0073】図3には、図2に示す電源装置の動作タイ
ミングの一例が示されている。40aは加工電圧波形、
40bは加工電流波形、40cは第1のスイッチング素
子TR1を駆動する第1のパルス信号S11、40dは
第2のスイッチング素子TR2を駆動する第2のパルス
信号S12、40eは第1のパルス信号S11が“0”
から“1”に切り替わった後に放電が開始されるまでの
時間と所定時間Tcとの大小を判別する信号S3であ
る。
【0074】まず、加工開始のタイミングで第1のパル
ス信号S11が立ち上がって“1”となるとともにその
立上りエッジに同期して判別信号S3が“0”となる。
第1のパルス信号S11が“1”となったことにより第
1のスイッチング素子TR1がオン状態となり、ワイヤ
電極1と被加工物2との間に第1の直流電源E1の電圧
(E1)が印加される。その際、第2のパルス信号S1
2は“0”であるので、第2のスイッチング素子TR2
はオフ状態のままであり、ワイヤ電極1と被加工物2と
の間に加工電流は供給されない。
【0075】ワイヤ電極1と被加工物2との間に放電が
開始されると、ワイヤ電極1と被加工物2との間の印加
電圧の、抵抗R12および抵抗R13による分圧値Vg
と基準となる設定電圧V11との比較により放電開始の
タイミングが検出される。その放電開始のタイミングに
同期して第1のパルス信号S11が立ち下がって“0”
に切り替わるとともに第2のパルス信号S12が立ち上
がって“1”に切り替わる。
【0076】それによって、第1のスイッチング素子T
R1はオフ状態となって第1の直流電源E1による加工
電圧の印加が停止される。それと同時に、第2のスイッ
チング素子TR2がオン状態となって第2の直流電源E
2によりワイヤ電極1と被加工物2との間に加工電流が
供給され始める。
【0077】なお、判別信号S3は、加工電圧の印加開
始タイミングから所定時間Tcが経過した後、立ち上が
って“1”となる。この判別信号S3が“0”の時に加
工電流の供給が開始された場合(図3の第1番目および
第3番目のパルス群)には、第2のパルス信号S2は所
定時間ON1の間だけ“1”の状態を保持した後“0”
に切り替わり、加工電流の供給が停止される。
【0078】また、加工電流の供給が開始された時に判
別信号S3が“1”の場合(図3の第2番目のパルス
群)には、第2のパルス信号S2は所定時間ON2の間
だけ“1”の状態を保持した後“0”に切り替わり、加
工電流の供給が停止される。そして、加工電流の供給が
停止したら休止時間OFFの期間経過後、再び第1のパ
ルス信号S1を立ち上げて“1”とし、加工電圧を印加
するという動作が繰り返される。
【0079】一般に、第1のパルス信号S1が“1”と
なる期間すなわちワイヤ電極1と被加工物2との間に加
工電圧を印加している期間Tdが所定時間Tc以下の時
にON1を選択して放電がすぐに起こる(即放電パルス
モード)ようにし、TdがTcよりも大きい時にON2
(ON1<ON2)を選択して放電が正常に起こる(正
常放電パルスモード)ように制御することによって、加
工速度の向上を図ることができる。
【0080】なお、放電電流の波形は40bに示すよう
にピーク値が高く幅の短いパルス波形となる。これは、
第1のスイッチング素子TR1がオン状態となって第1
の直流電源E1によりワイヤ電極1と被加工物2との間
に加工電圧が印加された後、抵抗R11により制限され
た微小電流が放電開始とともに加工間隙に流れて放電の
発生が検出されると、第2のスイッチング素子TR2が
オン状態となって第2の直流電源E2から低インピーダ
ンス回路上を電流が流れて立ち上る。その後、第2のス
イッチング素子TR2がオフ状態に切り替わると、第3
の直流電源E3により加工電流と逆向きの電流が流れる
ため瞬時に立ち下がるからである。
【0081】図4には、エネルギー演算部22の実施例
が示されている。このエネルギー演算部22は、パルス
制御回路21から送られてきた第2のパルス信号S12
を受け取って一パルス毎に放電加工のエネルギー値のデ
ータに変換するエネルギー値変換回路220、エネルギ
ー値変換回路220により変換された一パルス毎のエネ
ルギー値のデータを所定周期毎に加算する加工エネルギ
ー値加算回路221、加工エネルギー値加算回路221
により加算された加算値のデータをラッチして所定のタ
イミングでNC装置25にエネルギーデータeとして出
力するラッチ回路222、並びに加工エネルギー値加算
回路221およびラッチ回路222に所定の周期でタイ
ミング信号を出力するタイマ223から構成されてい
る。
【0082】エネルギー値変換回路220は、第2のパ
ルス信号S12が“1”である時の時間(図3のON1
またはON2)と電流波形に基づき、電流パルス一個毎
の加工エネルギー値を演算して得る。すなわち、図4に
示すように、電流波形には、回路中のインピーダンスと
電流パルス幅に対応した回路固有の電流ピーク値がある
ので、アーク電位(図3のV12)と電流パルスの積分
値との積から放電パルス1個当たりの加工エネルギー値
を求めることができる。なお、放電パルス1個当たりの
加工エネルギー値は、図2に示す構成の加工電源20に
限らず、種々の構成の電源においても、アーク電位と電
流パルスの積分値との積により求められるのはいうまで
もない。
【0083】加工エネルギー値加算回路221は、その
リセット端子/RES(端子名の前の“/”は入力信号
が“0”の時に有効となる端子であることを表してい
る)にタイマ223から所定の演算周期T(図5参照)
で出力されるタイミング信号が入力されるようになって
いる。そして、加工エネルギー値加算回路221は、入
力されたタイミング信号の立下りに同期してリセットさ
れ、新たにエネルギー値変換回路220から送られてく
る加工エネルギー値の加算を開始するようになってい
る。すなわち、加工エネルギー値加算回路221により
得られた加算値のデータをラッチ回路222がラッチし
た後に、加工エネルギー値加算回路221はその加算値
をクリアするようになっている。
【0084】ラッチ回路222は、そのトリガー入力端
子Tgにタイマ223のタイミング信号が入力されるよ
うになっており、加工エネルギー値加算回路221から
出力されデータ入力端子Dに入力された加算値のデータ
を、タイマ223から入力されるタイミング信号の立上
りに同期してホールドする。
【0085】図5には、図4に示すエネルギー演算部2
2の動作タイミングの一例が示されている。50aはタ
イマ223から出力される周期Tのタイミング信号、5
0bは加工エネルギー値加算回路221における放電パ
ルス1個当たりの加工エネルギー値の加算値データ、5
0cはラッチ回路222におけるホールドデータすなわ
ちエネルギーデータeである。
【0086】タイマ223からは演算周期Tでタイミン
グ信号が出力されている。加工エネルギー値加算回路2
21では、タイミング信号の立下りエッジに同期して加
算値データがクリアされ、つぎのタイミング信号の立下
りにより再びクリアされるまでの間、新たに加算処理が
行われる。ラッチ回路222は、タイミング信号の立上
りエッジに同期して、一周期前の加算値データをラッチ
し、タイミング信号の一周期間ホールドしエネルギーデ
ータeとしてNC装置25に出力する。
【0087】本発明に係るワイヤ放電加工機の動作につ
いて説明する。図6には、本加工前に行われる電気的な
加工条件の蓄積処理(データ取り)の流れの一例が示さ
れている。予め、種々の板厚h1,h2,…,hnの被
加工物2を用意する。放電加工機にワイヤ電極1と板厚
h1の被加工物2をそれぞれ取り付け、加工液を入れ
る。加工開始の準備が整ったら、NC装置25のキーボ
ード等(図示省略)から被加工物2の板厚h(すなわち
h1)を入力する(ステップA1)。
【0088】その後、予め作成されたNCプログラムに
従って、NC装置25は初期電気条件E0を選択し、そ
の条件E0に従って放電加工を開始する(ステップA
2)。放電加工が開始されると、NC装置25は、一定
時間経過後(ステップA3)、平均加工電圧検出装置2
3の出力信号に基づいてワイヤ電極1と被加工物2との
相対的な送り速度すなわち加工速度fの算出を行う(ス
テップA4)。
【0089】次いで、NC装置25は、エネルギー演算
部22から出力されたエネルギーデータeを受け取り
(ステップA5)、そのエネルギーデータeとステップ
A4で算出した加工速度fとから[f/e]の値を演算
して求める(ステップA6)。[f/e]の値が求まっ
たら、NC装置25は、内部の不揮発性メモリ250に
板厚h1と[f/e]の値を記憶する(ステップA
7)。そして、初期電気条件E0による加工を終了し、
新たに電気条件をE1に設定する(ステップA8)。
【0090】電気条件をE1に変更したら、NC装置2
5は上記ステップA3に戻り、電気条件E1でもって放
電加工を行い、一定時間経過後に加工速度fとエネルギ
ーデータeとから[f/e]の値を演算して記憶し、さ
らに電気条件をE2に変更する。以上のようにして、N
C装置25は、板厚h1について、E0〜Enの複数の
電気条件を変更パラメータとして[f/e]の値を求め
てメモリに記憶する。
【0091】板厚h1についてのデータ取りが終了した
ら、続いて被加工物2を板厚h2のものに交換し、上記
ステップA1〜ステップA8の処理を行って、板厚h2
についてのデータ取りを行う。同様にして、他の板厚h
3〜hnについてもデータ取りを行う。
【0092】全部の板厚についてデータ取りが終了した
ら、NC装置25は、内部の演算回路(図示省略)によ
り[f/e]の値と板厚hとの関係を表す関数を求める
演算を行う。図7には、縦軸を板厚hとし、横軸を[f
/e]の値として、[f/e]の値と板厚hとの関係を
表したグラフの一例が示されている。なお、グラフが繁
雑になるのを避けるために、図7では便宜上E0〜E2
の電気条件についてプロットした。図7に示すグラフの
場合には、(3)式で表される回帰曲線の定数Kを算出
する計算を行い、被加工物2の板厚を演算するための関
数を特定する。すなわち、 h=K(f/e) ・・・(3) である。
【0093】そして、NC装置25は、特定した関数を
NC装置25内の不揮発性メモリ250に記憶する。な
お、回帰曲線の関数については、指数関数、累乗で表さ
れる関数もしくは多項式で表される関数またはそれらを
組み合わせた関数などを適宜用いることができる。
【0094】以上の処理により、種々の板厚h1〜hn
の被加工物2についてのデータ取りおよび被加工物2の
板厚hを演算するための関数を求めることができたの
で、以後行う本加工においては、ワイヤ電極1と被加工
物2の組合わせが同じであれば、放電加工中に加工速度
fおよびエネルギーeを求め、その比をNC装置25に
より演算して求めることにより、被加工物2の板厚を演
算するための関数を用いて被加工物の板厚hを精度よく
判定することができる。
【0095】そして、NC装置25は、予め不揮発性メ
モリ250あるいは外部記憶装置などに記憶された複数
の電気的な加工条件の中から、加工速度fとエネルギー
eとの比に基づいて判定した板厚hに対応する加工条件
を選択して放電加工を行う。
【0096】なお、同じ板厚hの被加工物2について複
数の電気条件E0〜Enでもってデータ取りを行うの
は、デー多数を増やして回帰曲線の精度を向上させるた
めである。従って、電気条件の数は複数に限らず一つで
もよい。
【0097】上記実施の形態によれば、ワイヤ電極1と
被加工物2との相対的な加工送り速度fを平均加工電圧
検出装置23およびNC装置25により検出するととも
に、エネルギー演算部22により放電パルスのエネルギ
ーeを演算して求め、それら加工速度fと放電パルスの
エネルギーeの比[加工速度f/エネルギーe]の値を
NC装置25により演算し、その[加工速度f/エネル
ギーe]の値を不揮発性の半導体メモリ250に記憶し
てデータ取りを行い、蓄積したデータに基づいて被加工
物2の板厚を演算するための関数の特定を行うようにし
たため、ワイヤ電極1の材質および径と被加工物2の材
質との組合わせがデータ取りの際の組合わせと同じであ
れば、実際に放電加工を行うだけで、加工速度fおよび
エネルギーeが求まり、それらの値と特定された板厚の
演算のための関数とにより板厚が精度よく求められる。
従って、最適な加工条件が正確に求まり、ワイヤ電極の
断線の発生頻度が著しく低減され、効率よく放電加工を
行うことができる。
【0098】また、種々の板厚の被加工物を用意し、板
厚の異なる被加工物を順次放電加工機に取り付け、各板
厚について種々の電気的な加工条件でもって放電加工を
行うだけで、[加工速度f/エネルギーe]の値がメモ
リ250に自動的に記憶されるので、労力や時間や費用
をかけずにデータ取りを効率よく行うことができる。特
に、従来のように加工後に逐一被加工物2を取り出して
加工溝幅を測定しなくても済むので、データ取りの労力
が著しく軽減され、効率が飛躍的に向上する。
【0099】なお、加工電源20およびエネルギー演算
部22は、それぞれ上記実施形態の構成のものに限ら
ず、種々設計変更可能である。
【0100】また、上記実施形態においては、回帰曲線
を特定する演算をNC装置25内の演算回路により行う
としたが、これに限らず、NC装置25の外部の計算機
により行ってもよい。ただし、その場合には、NC装置
25に蓄積されたデータをフロッピーディスク等の記憶
媒体にコピーして外部の計算機に入力し、外部の計算機
により求めた回帰曲線の関数を再びフロッピーディスク
等に格納してNC装置25に戻す作業が必要となる。従
って、回帰曲線を特定する演算をNC装置25内の演算
回路で行う方が、データ取り終了後、すぐに同じワイヤ
電極1と被加工物2との組合わせによる本加工を実施す
ることができる、という迅速性の点で優れる。
【0101】さらに、上記実施形態においては、加工速
度fとエネルギーeの比を[f/e]として表したが、
[e/f]であってもよいのはいうまでもない。
【0102】さらにまた、上記実施形態においては、N
C装置25内の不揮発性メモリ250に板厚hと[f/
e]の値を記憶するとしたが、これに限らず、[f/
e]の値に代えてもしくは[f/e]の値とともに、加
工速度fおよびエネルギーeを対にして記憶するように
してもよい。
【0103】また、上記実施形態においては、板厚hと
[f/e]の値をNC装置25内の不揮発性メモリ25
0に記憶するとしたが、これに限らず、NC装置に外付
けされたフロッピーディスク等の磁気記憶装置に記憶す
るようにしてもよい。
【0104】
【発明の効果】以上、説明したとおり、この発明に係る
ワイヤ放電加工機によれば、加工速度検出手段により加
工速度を検出するとともにエネルギー演算手段により放
電エネルギーを演算し、それらの比すなわち[加工速度
/エネルギー]を加工速度エネルギー比演算手段により
演算して求め、その求めた[加工速度/エネルギー]の
値を電気的な加工条件に対応させて記憶手段に記憶する
ため、放電加工機に種々の材質および径のワイヤ電極と
種々の材質および板厚の被加工物を組合わせて取り付
け、放電加工を行うことによって、[加工速度/エネル
ギー]の値の算出およびその記憶が自動的に行われるの
で、[加工速度/エネルギー]のデータ取りを効率よく
行うことができる。
【0105】つぎの発明に係るワイヤ放電加工機によれ
ば、検出した平均加工電圧が所定値よりも高い場合に
は、ワイヤ電極もしくは被加工物の送り速度は所定の速
度よりも遅く、一方、平均加工電圧が所定値よりも低い
場合には、ワイヤ電極もしくは被加工物の送り速度は所
定の速度よりも速いと判断され、さらに検出した平均加
工電圧と所定値との差から所定速度からのずれ量が演算
されるため、ワイヤ電極もしくは被加工物の送り速度す
なわち加工速度が容易に求まり、[加工速度/エネルギ
ー]の値を容易に求めることができる。
【0106】つぎの発明に係るワイヤ放電加工機によれ
ば、放電電流パルスの電流値を積分するとともにアーク
電位を検出し、それら電流パルスの積分値とアーク電位
との積を演算することにより一パルス毎のエネルギーが
求まり、さらにそれら一パルス毎のエネルギーを所定期
間毎に加算することにより、所定の演算周期毎に放電の
エネルギーが求まるため、放電エネルギーの値が容易に
求まり、[加工速度/エネルギー]の値をさらに容易に
求めることができる。
【0107】つぎの発明に係るワイヤ放電加工機によれ
ば、[加工速度/エネルギー]の値と被加工物の板厚と
の関係を表す関数が求まり、ワイヤ電極と被加工物の組
合わせが同じ場合に、被加工物の板厚の判定時にその求
めた関数を用いることができるため、被加工物の板厚の
判定精度が向上する。
【0108】つぎの発明に係るワイヤ放電加工機によれ
ば、被加工物の板厚の判定精度が向上し、ワイヤ電極と
被加工物の組合わせが同じ場合に、より正確に被加工物
の板厚が求まるので、最適な加工条件の選択が可能とな
り、ワイヤ電極の断線の発生頻度が著しく低減し、効率
よく放電加工を行うことができる。
【0109】つぎの発明に係るワイヤ放電加工方法によ
れば、加工条件のデータを蓄積するデータ取りの際に、
加工中の加工速度の検出および放電エネルギーの演算、
並びにそれらの比すなわち[加工速度/エネルギー]の
値を演算して電気的な加工条件に対応させて記憶する一
連の動作が自動的に行われるため、種々の板厚の被加工
物について種々の加工条件でもって放電加工を行い、
[加工速度/エネルギー]の値を求めて記憶するという
データ取りを容易に行うことができる。
【0110】つぎの発明に係るワイヤ放電加工方法によ
れば、加工条件のデータを蓄積するデータ取りに続い
て、蓄積されたデータに基づいて[加工速度/エネルギ
ー]の値と被加工物の板厚との関係を表す関数が自動的
に求まるので、種々の板厚の被加工物について種々の加
工条件でもって放電加工を行うだけで、[加工速度/エ
ネルギー]の値のデータ取りが自動的に行われるだけで
なく、[加工速度/エネルギー]の値と被加工物の板厚
との関係を表す関数も求めることができる。
【0111】つぎの発明に係るワイヤ放電加工方法によ
れば、ワイヤ電極と被加工物の組合わせが同じ場合に、
加工の際に加工速度と放電のエネルギーを求めることに
より被加工物の板厚をより精度よく判定でき、最適な加
工条件の選択が可能となるため、効率よく放電加工を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るワイヤ放電加工機の概略構成
を示すブロック図である。
【図2】 この発明に係るワイヤ放電加工機における電
源装置の概略構成を示す回路図である。
【図3】 この発明に係る電源装置の動作タイミングの
一例を示すタイミングチャートである。
【図4】 この発明に係るワイヤ放電加工機におけるエ
ネルギー演算部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】 エネルギー演算部の動作タイミングの一例を
示すタイミングチャートである。
【図6】 この発明に係るワイヤ放電加工機を使用して
電気的な加工条件の蓄積処理を行う際の手順の一例を示
すフローチャートである。
【図7】 蓄積処理により得られたデータについて[加
工速度/エネルギー]の値と被加工物の板厚との関係を
示す特性図である。
【図8】 [加工速度/エネルギー]の値と被加工物の
板厚との関係を示す特性図である。
【図9】 従来におけるワイヤ放電加工機の概略構成を
示すブロック図である。
【図10】 従来におけるワイヤ放電加工機における放
電加工手順を示すフローチャートである。
【図11】 電気的な加工条件が記憶されたメモリの記
憶内容を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極,2 被加工物,20 加工電源,21
パルス制御回路,22 エネルギー演算部,23 平
均加工電圧検出装置,24 放電開始検出回路,25
NC装置,26 軸駆動制御装置,220 エネルギー
値変換回路,221 加工エネルギー値加算回路,22
2 Dラッチ回路,223 タイマ,250 半導体メ
モリ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物の板厚に応じて加工条件を選択
    し、その選択した加工条件でもってワイヤ電極と被加工
    物との間にパルス電圧を印加して放電パルスを発生させ
    ることにより、被加工物の放電加工を行うワイヤ放電加
    工機において、 前記被加工物と前記ワイヤ電極との相対的な送り速度を
    検出する加工速度検出手段と、 前記放電パルスのエネルギーを演算するエネルギー演算
    手段と、 前記加工速度検出手段により検出された前記加工速度と
    前記エネルギー演算手段により算出された前記エネルギ
    ーとの比を演算する加工速度エネルギー比演算手段と、 前記加工速度エネルギー比演算手段により算出された前
    記比の値を記憶する記憶手段と、 を備えたことを特徴とするワイヤ放電加工機。
  2. 【請求項2】 前記ワイヤ電極と前記被加工物との間に
    印加されたパルス電圧を平均してなる平均加工電圧に基
    づいて、前記被加工物と前記ワイヤ電極との相対的な送
    り速度を演算するようにしたことを特徴とする請求項1
    に記載のワイヤ放電加工機。
  3. 【請求項3】 一放電パルス毎に、放電電流パルスの積
    分値とアーク電位との積により前記エネルギーを求め、
    その一放電パルス毎のエネルギーを所定の期間毎に加算
    するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記
    載のワイヤ放電加工機。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段に記憶された前記比の値に
    基づいて、被加工物の板厚を演算するための関数の特定
    を行うことを特徴とする請求項1〜3のいづれか一つに
    記載のワイヤ放電加工機。
  5. 【請求項5】 前記記憶手段に記憶された前記比の値お
    よび特定された被加工物の板厚を演算するための関数に
    基づいて、被加工物の板厚を判定して加工条件の選択を
    行うことを特徴とする請求項4に記載のワイヤ放電加工
    機。
  6. 【請求項6】 被加工物の板厚に応じて加工条件を選択
    し、その選択した加工条件でもってワイヤ電極と被加工
    物との間にパルス電圧を印加して放電パルスを発生させ
    ることにより、被加工物の放電加工を行うワイヤ放電加
    工方法において、 前記被加工物と前記ワイヤ電極との相対的な送り速度を
    検出する第1の工程と、 前記放電パルスのエネルギーを演算する第2の工程と、 検出された前記加工速度と算出された前記エネルギーと
    の比を演算する第3の工程と、 演算して求められた前記比の値を記憶する第4の工程
    と、 を含むことを特徴とするワイヤ放電加工方法。
  7. 【請求項7】 さらに、前記比の値に基づいて、被加工
    物の板厚を演算するための関数の特定を行う工程を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載のワイヤ放電加工方
    法。
  8. 【請求項8】 さらに、前記比の値および特定された前
    記関数に基づいて被加工物の板厚を判定する工程と、判
    定した板厚に対応する加工条件を選択する工程とを含む
    ことを特徴とする請求項7に記載のワイヤ放電加工方
    法。
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