JPWO2011001706A1 - 情報記録用紙及び加工紙 - Google Patents

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明人 荻野
佳美 緑川
佳美 緑川
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明伸 茶谷
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正一 宮脇
志穂 勝川
志穂 勝川
裕 阿部
裕 阿部
夕子 飯嶋
夕子 飯嶋
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Abstract

支持体の片面又は両面に、少なくとも1層の塗工層を設けた情報記録用紙又は加工紙において、この塗工層のうちの最表層がセルロースナノファイバーを含有することを特徴とする。セルロースナノファイバー表面に高密度に存在するカルボキシル基が紙を構成するセルロース繊維や塗工液に加えられたバインダーや顔料などと強固な結合を形成して、塗工層の膜強度を向上させ、更にその塗工層とその下の紙との接着も強化することにより、一般印刷特性が向上する。

Description

本発明は、支持体上に設けた塗工層のうち最表層がセルロースナノファイバーを含有し、一般印刷適性等に優れた情報記録用紙又は加工紙に関する。
木材などの高等植物に含まれるセルロースは、幅が約3〜4nmで結晶化度が75〜85%の繊維状のセルロースミクロフィブリルがリグニン成分と複合化して形成された繊維集合体の形態を持つ。この繊維集合体をミクロフィブリルに分離してナノファイバー(「セルロースナノファイバー」又は「CNF」ともいう。)を得る試みは多くなされており(特許文献1など)、得られたナノファイバーはナノ材料として多くの用途に応用が期待されている(特許文献2など)。
一方、感熱記録媒体、感圧複写紙、インクジェット用紙、熱転写紙、電子写真用転写紙に代表される情報記録用紙や、剥離紙、防湿包装紙、壁紙に代表される加工紙は、様々な機能を付与するために、通常、支持体の片面又は両面に、顔料やバインダーを含有する塗工層が1層以上設けられている。
例えば、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料(以下、「染料」という。)とフェノ−ル性化合物等の電子受容性顕色剤(以下、「顕色剤」という。)を、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤及びその他の助剤を添加して得られた塗工液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチック等の支持体に塗工して得られる感熱記録体は、サ−マルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レ−ザ−光等の加熱による瞬時の化学反応により発色させることにより、記録画像を得ることができる(特許文献3、4等)。
また、インクジェット記録方式に適した構成のインクジェット記録媒体として、例えば、単に文字を記録する場合は、紙上に直接記録する普通紙タイプの媒体が使用され、高い解像度と色再現性を得たい場合は、塗工層としてインク受容層を設けた塗工紙タイプの媒体が使用される。特に、銀塩写真に匹敵するような高い光沢度が要求される場合は、塗工紙タイプの塗工層をキャスト方式で形成したキャストコート紙タイプの媒体などが使用される。風合いが一般コート紙に近いインクジェット記録媒体として、支持体表面にカオリン及び非晶質合成シリカを主に含有する下層側のインク受容層と、気相法アルミナを主な顔料とする上層側のインク受容層を設けたものが開示されている(特許文献5〜7等)。
国際公開WO2009/084566 国際公開WO2009/112982 特開2001−121823(特許4223644号) 国際公開WO2002/020277 特開2005−103827 特開2005−297473 特開2004−209965
感熱記録紙やインクジェット記録紙などの情報記録用紙に予め印刷しておき、その上に印字したり記録したりすることが多くなってきているが、これら各用途に応じて塗工層を設けた情報記録用紙や加工紙に、オフセット印刷やグラビア印刷などの一般印刷をした場合、塗工層のインキ定着性不良や印刷時のピッキングなどの問題が発生している。
このインキ定着不良は、印刷した紙面にインクが定着しないことをいい、インキと塗工層との親和性が低いことや塗工層へのインキの浸透性が低いことが原因で引き起こされると考えられている。また、ピッキングは、印刷時に発生する紙の毛羽立ち紙剥けのことをいい、最表層である塗工層の強度(表面強度ともいえる)が、塗工面へのインキの粘着力よりも弱いことが原因で引き起こされると考えられている。印刷時にこのような問題が生じないことを「一般印刷適性」という。
そこで、本発明は、一般印刷適性に優れた情報記録用紙及び加工紙を提供することを目的とする。特に、本発明は、発色性(印字部と白紙部のコントラスト)、耐擦過性、一般印刷適性(インキ定着性、耐ピッキング性)に優れた感熱記録体や、顔料インク印字部の耐擦過性や印字品質に優れたインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題が、支持体の片面又は両面に、少なくとも1層の塗工層を設けた情報記録用紙や加工紙において、この塗工層のうち最表層がセルロースナノファイバーを含有する構成とすることによって解決されることを見出した。
紙面に塗工液を塗工すると、塗工液は紙の内部に浸透し、紙の表面部分と一体となって塗工層を形成すると考えられる。塗工層の最表層にセルロースナノファイバーを含有させることにより、セルロースナノファイバー表面に高密度に存在するカルボキシル基等が紙を構成するセルロース繊維や塗工液に加えられたバインダーや顔料などと強固な結合を形成して、塗工層へのインク等の浸透性を保ちつつ、塗工層の膜強度を向上させ、更にその塗工層とその下の紙との接着も強化することにより、一般印刷特性を向上させたものと考えられる。
特に、感熱記録体については、感熱記録体に塗工層として設けた感熱記録層及び任意の保護層の最表層にセルロースナノファイバーを含有させることにより、一般印刷適性(インキ定着性、耐ピッキング性)や発色性が改善されることを見出した。
また、インクジェット記録用紙については、最外層であるインク受容層中にセルロースナノファイバーを配合することにより、一般印刷適性や耐擦過性が改善されることを見出した。
即ち、本発明は、支持体の片面又は両面に、少なくとも1層の塗工層を設け、該塗工層のうち最表層がセルロースナノファイバー及びバインダーを含有する情報記録用紙又は加工紙である。
また本発明は、この情報記録用紙であって、支持体上に塗工層として、無色又は淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設け、該感熱記録層が最表層である感熱記録体である。
また本発明は、この情報記録用紙であって、支持体上に塗工層としてインク受容層を設け、該インク受容層が最表層であるインクジェット記録媒体である。
セルロースナノファイバーを含有する塗工層を最表層とする情報記録用紙及び加工紙は、優れた一般印刷適性(インキ定着性、耐ピッキング性)を持つ。また、感熱記録体の保護層にセルロースナノファイバーを含有させた場合、感熱記録体に印刷したときに良好なインキ定着性と耐ピッキング性を持ち、更に、優れた発色性(印字部と白紙部のコントラスト)や耐擦過性を持つ。また、インクジェット記録用紙のインク受容層中にセルロースナノファイバーを配合することにより、インクジェット記録用紙は印刷適性や耐擦過性に優れる。
本発明で用いる支持体としては、セルロースナノファイバーを含む塗工液を塗工できるものあれば特に制限は無く、用途によって適宜選択すればよい。このような支持体として、例えば、紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等、これらを組み合わせた複合シートなどが挙げられる。
この支持体の片面又は両面に、用途に応じて少なくとも1層の塗工層が設けられる。
この塗工層のうちの最表層がセルロースナノファイバーを含有する。塗工層中のセルロースナノファイバーの含有量は、用途によって適宜調製することが望ましいが、一般的には、当該塗工層の固形分100重量部に対して、好ましくは0.004重量部以上、より好ましくは0.005重量部以上、更に好ましくは0.008〜70重量部である。塗工層が1層の場合その層が最表層になる。なお、最表層以外の塗工層がセルロースナノファイバーを含有してもよい。
塗工液の溶媒やセルロースナノファイバーの濃度は、用途によって適宜調製することが望ましい。
情報記録用紙としては、感熱記録媒体、感圧複写紙、インクジェット用紙、熱転写紙、電子写真用転写紙などが挙げられ、加工紙として、剥離紙、防湿包装紙、壁紙などが挙げられる。
セルロースナノファイバーについて
本発明で用いるセルロースナノファイバーは、セルロース系原料を化学的処理あるいは機械的処理により解繊(微細化)して得られる。
本発明で用いるセルロースナノファイバーの製造方法としては、触媒により酸化処理を施した微粉末のセルロースなどのセルロース原料を高圧ホモジナイザーにより解繊して得る方法(化学的処理によるセルロースナノファイバー)、セルロース原料の懸濁液をガラスやジルコニアビーズなどを粉砕媒体として解繊・分級して得る方法(機械的処理によるセルロースナノファイバー)などを例示することができ、これらの製造方法に限定されるものではないが、感熱記録体の保護層の強度が向上する点から、触媒により酸化処理を施して製造されたセルロースナノファイバーを用いることが特に好ましい。
好ましいセルロースナノファイバーの製造方法は、セルロース系原料を、(1)N−オキシル化合物並びに(2)臭化物、ヨウ化物及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物の存在下で、酸化剤を用いて酸化して酸化されたセルロースを調製する工程、及び該酸化されたセルロースを湿式微粒化処理してナノファイバー化させる工程から成る。
このセルロース系原料は、特に限定されるものではなく、各種木材由来のクラフトパルプ又はサルファイトパルプ、それらを高圧ホモジナイザーやミル等で粉砕した粉末状セルロース、あるいはそれらを酸加水分解などの化学処理により精製した微結晶セルロース粉末などを使用できる。また、ケナフ、麻、イネ、バガス、竹等の植物を使用することもできる。このうち、漂白済みクラフトパルプ、漂白済みサルファイトパルプ、粉末状セルロース、微結晶セルロース粉末を用いた場合、取り扱いやすい比較的低粘度(2%(w/v)水分散液のB型粘度において500〜2000mPa・s程度)のセルロースナノファイバーを効率よく製造することができるので好ましく、粉末状セルロース、微結晶セルロース粉末を用いることがより好ましい。
粉末セルロースとは、木材パルプの非結晶部分を酸加水分解処理で除去した後、粉砕・篩い分けすることで得られる微結晶性セルロースからなる棒軸状粒子である。粉末セルロースにおけるセルロースの重合度は好ましくは100〜500程度であり、X線回折法による粉末セルロースの結晶化度は好ましくは70〜90%であり、レーザー回折式粒度分布測定装置による体積平均粒子径は好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。体積平均粒子径が、100μm以下であると、流動性に優れるセルロースナノファイバー分散液を得ることができる。本発明で用いる粉末セルロースとしては、例えば、精選パルプを酸加水分解した後に得られる未分解残渣を精製・乾燥し、粉砕・篩い分けするといった方法により製造される棒軸状である一定の粒径分布を有する結晶性セルロース粉末を用いてもよいし、KCフロック(日本製紙ケミカル社製)、セオラス(旭化成ケミカルズ社製)、アビセル(FMC社製)などの市販品を用いてもよい。
セルロース系原料を酸化する際に用いるN−オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であれば、いずれの化合物も使用できる。例えば、本発明で使用されるN−オキシル化合物としては、下記一般式(化1)で示される物質が挙げられる。
Figure 2011001706
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数が1〜4程度のアルキル基を表す。)
一般式(化1)で表される化合物のうち、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(以下、「TEMPO」という)、及び4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(以下、「4−ヒドロキシTEMPO」という)を発生する化合物が好ましい。また、TEMPO又は4−ヒドロキシTEMPOから得られる誘導体も好ましく用いることができ、特に、4−ヒドロキシTEMPOの誘導体が最も好ましく用いることができる。4−ヒドロキシTEMPO誘導体としては、4−ヒドロキシTEMPOの水酸基を、炭素数4以下の直鎖或いは分岐状炭素鎖を有するアルコールでエーテル化して得られる誘導体か、あるいは、カルボン酸又はスルホン酸でエステル化して得られる誘導体が好ましい。4−ヒドロキシTEMPOをエーテル化する際には、炭素数が4以下のアルコールを用いれば、アルコール中の飽和、不飽和結合の有無に関わらず、得られる誘導体が水溶性となり、酸化触媒として良好に機能する4−ヒドロキシTEMPO誘導体を得ることができる。
4−ヒドロキシTEMPO誘導体としては、例えば、下記一般式(化2〜4)の化合物が挙げられる。
Figure 2011001706
Figure 2011001706
Figure 2011001706
(式中、Rは炭素数が4以下の直鎖又は分岐状炭素鎖を表す。)
さらに、下記一般式(化5)で表されるN−オキシル化合物のラジカル、即ち、アザアダマンタン型ニトロキシラジカルも、短時間で、均一なセルロースナノファイバーを製造できるため、特に好ましい。
Figure 2011001706
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数が1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。)
セルロース系原料を酸化する際に用いるTEMPOや4−ヒドロキシルTEMPO誘導体などのN−オキシル化合物の量は、セルロース系原料をナノファイバー化できる触媒量であれば特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロース系原料に対して、0.01〜10mmol、好ましくは0.01〜1mmol、さらに好ましくは0.05〜5mmol程度である。
セルロース系原料の酸化の際に用いる臭化物又はヨウ化物としては、水中で解離してイオン化可能な化合物、例えば、臭化アルカリ金属やヨウ化アルカリ金属などを使用することができる。臭化物又はヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。例えば、絶乾1gのセルロース系原料に対して、0.1〜100mmol、好ましくは0.1〜10mmol、さらに好ましくは0.5〜5mmol程度である。
セルロース系原料の酸化の際に用いる酸化剤としては、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸又はそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物など、目的の酸化反応を推進し得る酸化剤であれば、いずれの酸化剤も使用できる。中でも、生産コストの観点から、現在工業プロセスにおいて最も汎用されている安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムが特に好適である。酸化剤の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。例えば、絶乾1gのセルロース系原料に対して、0.5〜500mmol、好ましくは0.5〜50mmol、さらに好ましくは2.5〜25mmol程度である。
本発明におけるセルロース系原料の酸化は、上記のとおり、(1)4−ヒドロキシTEMPO誘導体などのN−オキシル化合物と、(2)臭化物、ヨウ化物及びこれら混合物からなる群から選択される化合物の存在下で、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を用いて、水中で、セルロース系原料を酸化することを特徴とする。この方法は、温和な条件であってもセルロース系原料の酸化反応を円滑に効率良く進行させることができるという特色があるため、反応温度は15〜30℃程度の室温であってもよい。なお、反応の進行に伴ってセルロース中にアルデヒド基を経てカルボキシル基が生成するため、反応液のpHの低下が認められる。酸化反応を効率良く進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加することにより、反応液のpHを9〜12、好ましくは10〜11程度に維持することが望ましい。
上記のように酸化処理されたセルロース系原料を、湿式微粒化処理して解繊することにより、セルロースナノファイバーを製造することができる。湿式微粒化処理としては、例えば、高速せん断ミキサーや高圧ホモジナイザーなどの混合・攪拌、乳化・分散装置を必要に応じて単独もしくは2種類以上組合せて用いることができる。特に、100MPa以上、好ましくは120MPa以上、さらに好ましくは140MPa以上の圧力を可能とする超高圧ホモジナイザーを用いて湿式微粒化処理を行なうと、比較的低粘度(2%(w/v)水分散液のB型粘度において500〜2000mPa・s程度)のセルロースナノファイバーを効率よく製造することができるので好ましい。
セルロースナノファイバーの濃度2%(w/v)(即ち、100mlの分散液中に2gのセルロースナノファイバー(乾燥質量)が含まれる)におけるB型粘度(60rpm、20℃)が500〜7000mPa・s、好ましくは500〜2000mPa・sであるセルロースナノファイバーの水分散液であることが塗料として好適に使用できるため望ましい。セルロースナノファイバーの2%(w/v)水分散液におけるB型粘度は、比較的低い方が、塗料を調製する際に取り扱いが容易であるため好ましく、具体的には、500〜2000mPa・s程度が好ましく、500〜1500mPa・s程度がより好ましく、500〜1000mPa・s程度がさらに好ましい。
本発明のセルロースナノファイバーの水分散液のB型粘度は、公知の手法により測定することができる。例えば、東機産業社のVISCOMETER TV-10粘度計を用いて測定することができる。
上記方法により得られるセルロースナノファイバーの幅及び長さは酸化処理の時間、湿式微粒化の処理時間あるいは処理圧によってコントロールすることができる。また、セルロースナノファイバー分散液の粘度は酸化処理の時間、湿式微粒化の処理時間あるいは処理圧によってコントロールでき、カルボキシル基量は酸化処理の条件を変更することで調整することができる。
本発明で用いるセルロースナノファイバーは、幅:0.5〜20nm、長さ:0.1〜15μmであることが好ましく、幅:2〜5nm、長さ:1〜5μmであることがより好ましい。
また、セルロースナノファイバーのカルボキシル基量は0.3〜5mmol/gであることが望ましく、0.8〜2mmol/gであることが更に望ましい。
セルロースナノファイバーのカルボキシル基量は、セルロースナノファイバーの0.5質量%スラリーを60ml調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出することができる。
カルボキシル基量〔mmol/gパルプ〕= a〔ml〕×0.05/酸化パルプ質量〔g〕
感熱記録体への応用:
以下、本発明を感熱記録体に応用した実施形態について説明する。
感熱記録体は、支持体上に感熱記録層と任意に感熱記録層上に保護層を有する。保護層を設けずに感熱記録層を最表層としてもよく、また保護層を設けて保護層を最表層としてもよい。また、支持体と感熱記録層との間に下塗り層(アンダー層)を設けてもよいし、感熱記録層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
セルロースナノファイバーを含有する塗工層に、更に任意に顔料及び/又はバインダーを含有させることが好ましい。
保護層は通常1〜5g/m程度、感熱記録層は通常2〜12g/m程度、下塗り層は通常1〜20g/m程度である。
次に、本発明で使用される各種材料を例示するが、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、セルロースナノファイバーを含有させた塗工層のみならず、例えば、感熱記録体の感熱記録層やアンダー層、その他各用途に応じて設けられた各塗工層にも使用することができる。
本発明の感熱記録体に使用する染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の塩基性無色染料の具体例を示す。また、これらの塩基性無色染料は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン、ビス−〔2,2,2',2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明で用いられる顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものはすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4'−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4'−メチルフェニルスルホン、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2'−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、国際公開WO02/081229号あるいは特開2002−301873号記載のフェノール性化合物、国際公開WO02/098674号あるいはWO03/029017号に記載のフェノールノボラック型縮合組成物、国際公開WO00/14058号あるいは特開2000−143611号に記載のウレアウレタン化合物、N,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独又は2種以上混合して使用することもできる。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
また、所望の効果を阻害しない範囲で従来公知の増感剤を使用することができ、かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4,4'−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−トルエンスルホン酸フェニルを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明の感熱記録層に使用する染料、顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、塩基性無色染料1部に対して顕色剤0.5〜10部、顔料0.5〜10部程度使用され、バインダーは感熱記録層固形分中5〜25%程度が適当である。
セルロースナノファイバーの含有量は、最外層である感熱記録層に配合する場合は、感熱記録層の全固形分100重量部に対して好ましくは5〜30重量部程度、より好ましくは6〜15重量部であり、最外層である保護層に配合する場合は、保護層の全固形分100重量部に対して好ましくは20〜70重量部程度、より好ましくは30〜50重量部である。
本発明で使用するバインダーとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロース及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂などを例示することができる。
これらの中で、デンプン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子やスチレン・ブタジエン共重合体、アクリル酸系共重合体等の合成樹脂エマルジョン等のバインダーを含有させることが好ましく、特にセルロースと屈折率の近いポリビニルアルコール又はアクリル樹脂などの屈折率が1.48〜1.50のバインダーを含有させることがが好ましい。
これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
本発明で使用される顔料はカオリン、(焼成)カオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、各種有機顔料等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用する架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
本発明で使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
また、本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果などを示す画像安定剤として、4,4'−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチル−4,4'−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4−ベンジルオキシ−4'−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン等を添加することもできる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
本発明の感熱記録体において、染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。この塗液に用いる溶媒しては、水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。
染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。この塗料に用いる溶媒としては水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40%程度である。また、塗布する手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗布することができ、例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。本発明の感熱記録体はさらに、発色感度を高める目的で、支持体と感熱記録体の間に填料、バインダーからなるアンダー層を設けることもできる。また、支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる。
インクジェット記録媒体への応用:
以下、本発明をインクジェット記録媒体に応用した実施形態について説明する。
支持体としては、透気性支持体、非透気性支持体のいずれも使用できるが、透気性支持体が好ましい。非透気性支持体としては、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のフィルム類、ポリオレフィン樹脂被覆紙、金属フォイル、合成紙、不織布などが挙げられる。好ましい透気性支持体としては、木材パルプを主成分とする原紙である。
この原紙上にインク受容層を設ける。
インク受容層を設ける前に、原紙に、紙力増強やサイズ性付与などを目的として、澱粉、ポリビニルアルコール、サイズ剤などから調成されたサイズプレス液を含浸又は塗布してもよい。含浸又は塗布の方法については特に制限されないが、ポンド式サイズプレスに代表される含浸法、又は、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、若しくはブレードコーターに代表される塗布法、で行われることが好ましい。また、該サイズプレス液を含浸、又は塗布する際に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて蛍光染料、導電剤、保水剤、耐水化剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等の助剤を任意の割合で混合することができる。
インク受容層の顔料として、一般的なオフセット印刷用塗工紙に使用される公知の顔料であればいかなるものも用いてもよい。無機顔料として、例えば、カオリン、合成非晶質シリカなどのシリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、シリカ−炭酸カルシウム複合粒子、タルク、上記カオリンを焼成した焼成カオリン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等から1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
インク受容層中の無機顔料の配合割合は、インク受理層全体(固形分)100質量部に対して65〜88重量部、好ましくは70〜80重量部である。
インク受容層表面の白紙光沢度を向上させるため、インク受容層中にプラスチックピグメント等の有機顔料を含有することができる。有機顔料の配合割合は、無機顔料100重量部に対して好ましくは多くとも40質量部、より好ましくは多くとも30質量部である。
有機顔料としては、密実型、中空型、又はコア−シェル型等のタイプを、必要に応じて単独又は2種類以上混合して使用することができる。有機顔料の構成重合体成分としては、好ましくは、スチレン及び/又はメチルメタアクリレート等のモノマーを主成分とし、必要に応じてこれらと共重合可能な他のモノマーが用いられる。この共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジメチルスチレン等のオレフィン系芳香族系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリロニトリル等のモノオレフィン系モノマー;及び酢酸ビニル等のモノマー;が例示される。
また、上記した主成分のモノマーや他のモノマーに加え、さらに、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のオレフィン系不飽和カルボン酸モノマー類;ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル等のオレフィン系不飽和ヒドロキシモノマー類;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド等のオレフィン系不飽和アミドモノマー類;ジビニルベンゼン等の二量体ビニルモノマー等を、一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。これらのモノマーは例示であり、共重合可能なモノマーであれば他のモノマーも使用することができる。
インク受容層におけるセルロースナノファイバーの含有量は、インク受理層全体(固形分)100質量部に対して、0.004〜2.3重量部、より好ましくは0.008〜0.8重量部である。
インク受容層に用いるバインダーとしては、一般的なオフセット印刷用塗工紙や、インクジェット記録媒体に使用される公知のバインダーであればいかなるものも用いてもよい。バインダーとしては、例えば、酸化澱粉やエーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類;スチレン・ブタジエン共重合体(SB)ラテックスやアクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NB)ラテックス等のラテックス類;ポリビニルアルコール及びその変性物;カゼイン;ゼラチン;カルボキシメチルセルロース;ポリウレタン;酢酸ビニル;及び不飽和ポリエステル樹脂等のバインダーの中から1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
インク受容層に含まれる全ての無機顔料の合計100質量部に対し、バインダーの割合が4質量部以上35質量部以下であることが好ましく、5質量部以上30質量部未満であることがさらに好ましい。バインダーの含有量が4質量部未満の場合、インク受容層の強度が不足する傾向にある。一方、バインダーの含有量が35質量部を超えると、インク受容層中に存在する空隙がバインダーによって満たされ、インクの吸収容量が少なくなるため、良好な印字品質を得ることが困難となる傾向にある。
インク受容層には、その他必要に応じて、顔料分散剤、増粘剤、保水剤、滑剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、防腐剤、耐水化剤、界面活性剤、pH調整剤等の助剤を適宜添加することができる。
インク受容層の塗工量は特に制限を設けないが、片面あたり1g/m以上40g/m未満であることが好ましく、特に片面あたり4g/m以上30g/m未満であることが好ましい。塗工量が多いほどインク受容層の空隙量も多くなるため、インク吸収性が良好となる。
原紙上にインク受容層を設ける方法としては、一般的な塗工装置である、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレス等の各種塗工装置を、オンマシン又はオフマシンで使用することができる。
また、セルロースナノファイバーを含有するインク受容層は、原紙の片面、両面のいずれに設けてもよく、1層又は2層以上設けてもよい。本発明においてはインク受容層が1層であっても充分な性能が得られるため、コストを低減する点からインク受容層を1層のみを設けることが好ましい。なお、セルロースナノファイバーを含有するインク受容層は最表層であることが好ましく、セルロースナノファイバーを含有するインク受容層の下層にセルロースナノファイバーを含有しないインク受容層あるいは下塗り層を設けてもよい。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
尚、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
[製造例1〜3]
粉末セルロース(日本製紙ケミカル(株)製、粒径24μm)15g(絶乾)を、TEMPO(Sigma Aldrich社)78mg(0.5mmol)と臭化ナトリウム755mg(7mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、粉末セルロースが均一に分散するまで攪拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素5%)50ml添加した後、0.5N塩酸水溶液でpHを10.3に調整し、酸化反応を開始した。低下する反応中は系内のpHを、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。2時間反応した後、遠心操作(6000rpm、30分、20℃)で酸化した粉末セルロースを分離し、十分に水洗することで酸化処理した粉末セルロースを得た。酸化処理した粉末セルロースの2%(w/v)スラリーをミキサーにより12,000rpmで、15分処理し、さらに粉末セルローススラリーを超高圧ホモジナイザー(圧力140MPa)の処理時間を変更して、下記3種類のセルロースナノファイバーの透明な分散液を得た。
なお、セルロースナノファイバーの幅及び長さは、電子顕微鏡で撮影したセルロースナノファイバーの写真からランダムに抽出(100本)し、その測定した平均値である。
・セルロースナノファイバー1:幅2.1nm、長さ1.5μm 固形分2%
・セルロースナノファイバー2:幅4.9nm、長さ4.8μm 固形分2%
・セルロースナノファイバー3:濃度1%(w/v)の水分散液におけるB型粘度(60rpm、20℃)が3000mPa・s、カルボキシル基量が1.2mmol/g。
まず感熱記録体を以下のようにして作製した。
下記の材料を混合し、アンダー層の塗液とした。
[アンダー層塗液]
焼成カオリン(エンゲルハード社製、商品名:アンシレックス93、平
均粒径3μm)30%分散液 100部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%) 40部
完全鹸化ポリビニルアルコール(PVA117)10%水溶液 30部
水 160部
下記配合の顕色剤分散液(A液)、ロイコ染料分散液(B液)、及び増感剤分散液(C液)を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
A液(顕色剤分散液)
4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン(日本曹達社
製、D8) 6.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 18.8部
水 11.2部
B液(染料分散液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山田化学
社製、ODB−2) 2.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 4.6部
水 2.6部
C液(増感剤分散液)
シュウ酸ジベンジル 6.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 18.8部
水 11.2部
次いで、下記の割合で分散液を混合して感熱記録層の塗液とした。
[感熱記録層塗液1]
A液(顕色剤分散液) 36.0部
B液(染料分散液) 13.8部
C液(増感剤分散液) 36.0部
カルボキシル変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%
水溶液 25部
シリカ(水澤化学社製、商品名:ミズカシルP603)30%分散液
10部
下記の材料を40℃以下の環境下で混合し、保護層の塗液とした。
[保護層塗液1]
セルロースナノファイバー1 2%分散液 225部
カルボキシル変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%
水溶液 30.0部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ−7−30、
固形分30%) 2.0部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:WS4
030、固形分:25%) 2.0部
変性ポリアミド樹脂(住友化学社製、商品名:スミレーズレジンSPI
106N) 0.5部
水酸化アルミニウム(マーティンスベルグ社製、商品名:マーティフィ
ンOL)50%水溶液 3.0部
[保護層塗液2]
セルロースナノファイバー1 2%分散液 225部
カルボキシル変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%
水溶液 30.0部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ−7−30、
固形分30%) 2.0部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:WS4
030、固形分:25%) 2.0部
変性ポリアミド樹脂(住友化学社製、商品名:スミレーズレジンSPI
106N) 0.5部
[実施例1]
アンダー層塗液を60g/mの基紙(支持体)の片面に塗布した後、乾燥を行ない、塗布量10.0g/mのアンダー塗工紙を得た。
次いで、アンダー層の上に感熱記録層塗液1を塗布量4.0g/mとなるように塗布、乾燥した。
次いで、感熱記録層の上に保護層塗液1を2.0g/mとなるように塗布、乾燥した。このシートをベック平滑度が1200秒となるようスーパーカレンダーで処理して感熱記録体を作製した。
[実施例2]
保護層塗液1のセルロースナノファイバー1をセルロースナノファイバー2に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例3]
保護層塗液1のカルボキシ変性ポリビニルアルコール10%水溶液をアクリルエマルジョン(三井化学社製、商品名:バリアスターB1000)10%溶液に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例4]
保護層塗液1のセルロースナノファイバー1の配合量を150部に減量した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例5]
保護層塗液1のポリアミドエピクロロヒドリン樹脂と変性ポリアミド樹脂を除いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例6]
保護層塗液1の水酸化アルミニウムをシリカ(水沢化学社製、商品名:ミズカシルP537)に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例7]
感熱記録層塗液1にセルロースナノファイバー1を150重量部加え、保護層塗液1を塗布せずに、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例8]
感熱記録層塗液1のシリカ30%分散液を水酸化アルミニウム(マーティンスベルグ社製、商品名:マーティフィンOL)50%水溶液に変更した以外は実施例7と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例9]
感熱記録層塗液1のセルロースナノファイバー1をセルロースナノファイバー2に変更した以外は実施例7と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例1]
保護層塗液1からセルロースナノファイバー1を除いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例2]
保護層塗液1のセルロースナノファイバー1をカルボキシルメチルセルロース(日本製紙ケミカル製、商品名:サンローズF30MG)に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例3]
保護層塗液1のセルロースナノファイバー1をメチルセルロース(信越化学社製、商品名:メトローズSM100)に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例4]
保護層塗液1のセルロースナノファイバー1をアクリル樹脂(三井化学社製、商品名:バリアスターB1000)に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例5]
感熱記録層塗液1にセルロースナノファイバー1を50重量部加え、保護層塗液1からセルロースナノファイバー1を除いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例10]
アンダー層塗液を支持体(60g/mの基紙)の片面に塗布した後、乾燥を行ない、塗布量10.0g/mのアンダー塗工紙を得た。
次いで、アンダー層の上に感熱記録層塗液1を塗布量4.0g/mとなるように塗布、乾燥した。
次いで、感熱記録層の上に保護層塗液2を2.0g/mとなるように塗布、乾燥した。このシートをベック平滑度が1200秒となるようスーパーカレンダーで処理して感熱記録体を作製した。
[実施例11]
保護層塗液2のセルロースナノファイバー1をセルロースナノファイバー2に変更した以外は実施例10と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例12]
保護層塗液2のカルボキシ変性ポリビニルアルコール10%水溶液をアクリルエマルジョン(三井化学社製、商品名:バリアスターB1000)10%溶液に変更した以外は実施例10と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例13]
保護層塗液2のセルロースナノファイバー1の配合量を150部に減量した以外は実施例10と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例14]
感熱記録層塗液1にセルロースナノファイバー1を150重量部加え、保護層塗液2を塗布せずに、実施例10と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例15]
感熱記録層塗液1にポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:WS4030、固形分:25%)を1.5重量部及び変性ポリアミド樹脂(住友化学社製、商品名:スミレーズレジンSPI106N)を0.3重量部加えて、実施例14と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例16]
感熱記録層塗液1のセルロースナノファイバー1をセルロースナノファイバー2に変更した以外は実施例14と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例6]
保護層塗液2からセルロースナノファイバー1を除いた以外は実施例10と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例7]
保護層塗液2のセルロースナノファイバー1をシリカ(水沢化学社製、商品名:ミズカシルP537)に変更した以外は実施例10と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例8]
保護層塗液2のセルロースナノファイバー1をカオリン(カピム社製、商品名:カピムCC)に変更した以外は実施例10と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例9]
感熱記録層塗液1にセルロースナノファイバー1を150重量部加え、保護層塗液2からセルロースナノファイバー1を除いた以外は実施例10と同様にして感熱記録体を作製した。
上記で得られた感熱記録体について、以下の評価を行った。
<発色感度評価>
作製した感熱記録体について、感熱記録紙印字試験機(大倉電気社製 TH−PMD、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.42mJ/dotで印字した。記録部の記録濃度は、マクベス濃度計(RD−914)で測定し評価した。
数値が大きいほど発色感度が高くコントラストも良好となる。
<画質評価>
ベタ印字部を目視で評価した。
良:鮮明な黒で印字される
不可:全体が白くぼける
<擦過性評価>
塗工表面を1000g/cm加重を加えたスチールウールで擦り線発色を目視評価した。
良:ほとんど発色しない
可:薄く発色する
不可:濃く発色する
<ドライピッキング強度評価>
RI印刷機(明製作社製)にて墨インキ(大日本インキ社製:スペースカラーフュージョンG、インキ盛り量0.15cc)を印刷したときのピッキングの程度を目視評価した。
良:毛羽立ちや紙剥けがほとんどない
可:毛羽立ちや紙剥けが僅かに見られる
不可:毛羽立ちや紙剥けが多く見られる
<ウエットピッキング強度評価>
感熱記録紙の表面を給水ロールで湿してから、RI印刷機(明製作社製)にて紅インキ(大日本インキ社製:スペースカラーフュージョンG、インキ盛り量0.15cc)を印刷したときのピッキングの程度を目視評価した。
良:毛羽立ちや紙剥けがほとんどない
可:毛羽立ちや紙剥けが僅かに見られる
不可:毛羽立ちや紙剥けが多く見られる
結果を表1に示す。
Figure 2011001706
注:PVA:カルボキシル変性ポリビニルアルコール; EP:ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂; PA:変性ポリアミド樹脂; アルミナ:水酸化アルミニウム; CNF:セルロースナノファイバー(数字はセルロースナノファイバーの番号を表す。)
次にインクジェット記録媒体を以下のようにして調整した。
[製造例4]
広葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度400ml)100質量%に対し、カチオン化澱粉を対パルプ0.5%添加し、アルキルケテンダイマーを対パルプ0.05%添加し、硫酸バンドを対パルプ2%添加し、炭酸カルシウムを対パルプ12%添加し、低密度化薬品として多価アルコールと脂肪酸とのエステル化合物(製品名:KB−115、花王製)0.3部を添加し、紙料とした。この紙料を用いてオントップツインワイヤー抄紙機で紙匹を形成し、3段のウェットプレスを行い乾燥した後、2ロールサイズプレスコーターにて10質量%濃度の酸化澱粉水溶液を塗布して再び乾燥し、坪量80g/mの原紙を得た。
[実施例17]
カオリンA(製品名:ECLIPS650、エンゲルハード社製)80部、ゲル法シリカA(製品名:NIPGEL AY−200、東ソーシリカ社製)20部、有機顔料A(製品名:P8900、旭化成ケミカルズ社製)10部、セルロースナノファイバー3を0.5部及びSBラテックス(ガラス転移温度15℃)10部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.25部、及び希釈水を混合して固形分51%の塗料を得た。
この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量12g/mとなるようにして、製造例4で得た原紙の両面に塗工した。尚、この時の塗工速度は500m/minであった。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
[実施例18]
セルロースナノファイバー3の配合量を2部としたこと以外は、実施例17と同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
尚、実施例2の塗料の固形分は30%であり、ブレードコーターで所定の紙中水分に管理するため、塗工速度を200m/minまで低下させる必要が生じた。
[実施例19]
セルロースナノファイバー3の配合量を0.01部としたこと以外は、実施例17と同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
[比較例10]
上記塗料中のセルロースナノファイバー3を配合しなかったこと以外は、実施例17と同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が30%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
上記で得られたインクジェット記録媒体について、下記の評価を行った。
市販の顔料インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、GP−700)で印字を行い、以下の評価方法に準じて印字評価した。なお、白紙光沢度は、JIS−Z 8741に準じて、光沢度計(村上色彩技術研究所製、True GLOSS GM−26PRO)を用い、インク受容層表面に対し光入射角75度の白紙光沢度を測定した。
<乾燥性(インク吸収性)>
上記プリンター(写真用紙/きれいモード)にて1.5ポイントの太さの黒色直線を印字し、印字10分後に指で擦り、以下の基準で乾燥性を評価した。
良:指で擦っても印字部が殆ど延びず、インク吸収速度が速く、良好である。
可:指で擦ると印字部が若干延び、ややインク吸収速度が遅いが、実用上問題無い。
不可:指で擦ると印字部が延び、インク吸収速度が遅く、実用に耐えない。
<印字部の耐擦過性>
上記インクジェットプリンター(写真用紙/きれいモード)にて1.5ポイントの太さの黒色直線を5本並べて印字し、印字10分後及び5時間後に乾いた綿棒で擦り、以下の基準で耐擦過性を評価した。
良:綿棒で擦ってもインクが剥がれず、良好である。
可:綿棒で擦るとインクが若干剥がれるが、実用上問題無い。
不可:綿棒で擦るとインクが剥がれ、実用に耐えない。
<色間の境界滲み>
上記インクジェットプリンター(写真用紙/きれいモード)にて、黄色べた部内に黒文字が入るパターンを印字し、目視で文字の滲みを評価した。
良:全く滲んでおらず、良好である。
可:若干黄色ベタ部に滲んでいるが、実用上問題無い。
不可:ひどく滲んでいて、実用に耐えない。
<表面強度>
RI印刷機にて、東洋インキ製造社製 特殊インキ SMX タックグレード15を用いて印刷し、印刷後の印刷面の状態を以下の基準で評価した。
良:全く表面が剥けておらず、問題ない。
可:少々剥けているが、実用上耐えられる。
不可:ひどく剥け、実用に耐えない。
得られた結果を表2に示す。(CNF:セルロースナノファイバー3)
Figure 2011001706

Claims (7)

  1. 支持体の片面又は両面に、少なくとも1層の塗工層を設け、該塗工層のうち最表層がセルロースナノファイバーを含有する情報記録用紙又は加工紙。
  2. 前記セルロースナノファイバーが、(1)N−オキシル化合物並びに(2)臭化物、ヨウ化物及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物の存在下で、セルロース系原料を酸化剤を用いて酸化して酸化されたセルロースを調製する工程、及び該酸化されたセルロースを湿式微粒化処理してナノファイバー化させる工程を含む方法により製造された請求項1に記載の情報記録用紙又は加工紙。
  3. 前記最表層である塗工層が更に顔料を含む請求項1又は2に記載の情報記録用紙又は加工紙。
  4. 前記情報記録用紙が、感熱記録媒体、感圧複写紙、インクジェット用紙、熱転写紙又は電子写真用転写紙であり、前記加工紙が、剥離紙、防湿包装紙又は壁紙である請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報記録用紙又は加工紙。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報記録用紙であって、支持体上に塗工層として、無色又は淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設け、該感熱記録層が最表層である感熱記録体。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報記録用紙であって、支持体上に塗工層として、無色又は淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層と、更に該感熱記録層上に保護層とを設け、該保護層が最表層である感熱記録体。
  7. 請求項3に記載の情報記録用紙であって、支持体上に塗工層としてインク受容層を設け、該インク受容層が最表層であるインクジェット記録媒体。
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