JP2018015943A - インクジェット用紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】本開示は、一般印刷用塗工紙の風合いを有し、インクジェット印刷適性及びオフセット印刷適性に優れる安価なインクジェット用紙を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係るインクジェット用紙は、原紙の少なくとも片面に顔料及び結着剤を含有するインク受容層を有するインクジェット用紙において、インク受容層が、機械的解繊法セルロースナノファイバーを含有する。【選択図】なし
Description
本開示は、優れたオフセット印刷適性も備えたインクジェット用紙に関するものである。
インクジェット記録方式は、染料インク又は顔料インクの液滴を吐出し、記録紙上に付着させることによってドットを形成し、記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンター、インク及び記録媒体の技術的進歩によって、印字品質の高い記録が可能になってきている。また、商業印刷等の分野においては、可変情報をデジタル化して高速に印刷する、いわゆるオンデマンド印刷方式が導入されつつあり、オンデマンド印刷方式を採用しているインクジェット印刷機も登場しつつある。本オンデマンド印刷方式においては、情報を製版することなく紙などのメディアに直接印刷することが可能なために少部数の印刷にも適している。最近では、装置の高速化及び高精細化に著しい進歩が見られることによる用途の拡大に伴い、一般オフセット印刷用紙の風合いを有し、かつ、オフセット印刷適性を有する塗工紙にもインクジェット適性を付与する要望が発生してきている。
また、従来の技術としては、インク受容層にインクジェットインク用定着剤を多量に含有させる印刷用紙(例えば、特許文献1を参照。)が開示されている。また、インク受容層の表面にカチオン性染料定着剤を新たに塗工する印刷用紙(例えば、特許文献2を参照。)も開示されている。
しかし、一般印刷用塗工紙は従来市販のインクジェット用紙と比較した場合、インクジェット用インクの吸収性が著しく悪く、画像鮮明性又はインク吸収性が悪化して実用に耐えなくなってしまう問題がある。この理由として、インク受容層に使用する顔料の細孔容積が著しく低く、バインダーとして一般的に使用されるスチレン‐ブタジエンラテックスなどのラテックスがインク受容層の細孔容積を著しく低下させてしまうことが挙げられる。
従来、インクジェット用紙のインク受容層としては、シリカ、アルミナ又はベーマイトなどの比表面積の大きな顔料を主成分として用いてインク受容層の細孔容積を大きくしたものが使用されている。しかし、これらのインクジェット用紙は、一般印刷用塗工紙の風合いを有さないばかりか、高価であるため、商業印刷分野においては実用的ではない。
特許文献1のいわゆるカチオン性のインクジェットインク用定着剤はカチオン化度が大きすぎて、インク受容層中の顔料が凝集してしまい、インク受容層強度が低下して通常のオフセット印刷などの印刷適性に劣ってしまう。また、特許文献2の場合には、インク受容層中の細孔にカチオン性の高分子が入り込んでしまい、一定以上のインク吸収性を望むことが困難となる。
本開示は、一般印刷用塗工紙の風合いを有し、インクジェット印刷適性及びオフセット印刷適性に優れる安価なインクジェット用紙を提供することを目的とする。
本発明者は、インク受容層の印刷強度を維持しつつ、インク受容層の細孔を増加させるために、インク受容層に、機械的解繊法セルロースナノファイバーを含有させることで、インク吸収性を向上させることに成功した。また、上記方法にて、一般印刷用塗工紙と同様、オフセット印刷などの一般の印刷適性も有することも見出し、本発明に至った。すなわち、本発明に係るインクジェット用紙は、原紙の少なくとも片面に顔料及び結着剤を含有するインク受容層を有するインクジェット用紙において、前記インク受容層が、機械的解繊法セルロースナノファイバーを含有することを特徴とする。
本発明に係るインクジェット用紙では、前記機械的解繊法セルロースナノファイバーが、幅1〜300nm、長さ0.1〜500μmの範囲である形態を包含する。
本開示によれば、一般印刷用塗工紙の風合いを有し、インクジェット印刷適性及びオフセット印刷適性に優れる安価なインクジェット用紙を提供することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るインクジェット用紙は、原紙の少なくとも片面に顔料及び結着剤を含有するインク受容層を有するインクジェット用紙において、インク受容層が、機械的解繊法セルロースナノファイバーを含有する。
本発明においては、機械的解繊法セルロースナノファイバーをインク受容層に含有させることでインク吸収性が向上する。機械的解繊法セルロースナノファイバーの添加量はインク受容層中の顔料100質量部に対して0.05〜10質量部であることが好ましい。0.05質量部未満では、インク受容層強度向上への効果が少なくなる傾向にある。10質量部を超えると、インク吸収性が低下する場合がある。インク受容層中の顔料100質量部に対する機械的解繊法セルロースナノファイバーの添加量はより好ましくは0.1〜6質量部であり、更に好ましくは3〜5質量部である。
本発明のインクジェット用紙のインク吸収性が優れる理由は、インク受容層に、機械的解繊法セルロースナノファイバーを含有させることによって、インク受容層のバインダーマイグレーション(塗工層用塗工液を原紙上に塗工した後の乾燥工程において、塗工層用塗工液中のバインダーが塗工紙表面に移動する現象)が抑制されることとなり、最小限の結着剤の使用でオフセット印刷に耐えうるインク受容層強度とインク吸収性向上とを両立できるものと推測できる。また、もう一つの効果として、インク受容層に適度な空隙が生じ、インク吸収性が向上する。
本発明でインク受容層に含有させる機械的解繊法セルロースナノファイバーは、セルロース系原料を解繊することにより得られる幅1〜300nm、長さ0.1〜500μm程度の繊維である。また、セルロースナノファイバーの幅及び長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができる。機械的解繊法セルロースナノファイバーの幅は、2〜280nmであることがより好ましい。また、機械的解繊法セルロースナノファイバーの長さは、0.5〜400μmであることがより好ましい。
インク受容層は、機械的解繊法セルロースナノファイバーに加えて、TEMPO酸化法セルロースナノファイバーを含有してもよい。以降、単に「セルロースナノファイバー」というときは、機械的解繊法セルロースナノファイバーに加えて、TEMPO酸化法セルロースナノファイバーを含めたセルロースナノファイバーを指す。
TEMPO酸化法セルロースナノファイバーの製造方法としては、セルロース系原料を、4−ヒドロキシTEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル誘導体)などのN−オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物及びこれら混合物からなる群から選択される化合物の存在下で、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を用いて、水中で、セルロース系原料を酸化した後に機械的に解繊する方法が知られている。また一方で、機械的解繊法セルロースナノファイバーの製造方法としては、セルロール系原料を超高圧ホモジナイザーや機械的高せん断装置などの強力な分散機によって直接解繊する方法が知られている。機械的解繊法セルロースナノファイバーとして市販されている製品としては、BiNFi−S(スギノマシン社製)、CNF250(モリマシナリー社製)、セリッシュKY−100G(ダイセルファインケム社製)などを挙げる事ができる。また、具体的な機械的解繊法セルロースナノファイバーの製造方法に関しては、特開2012−51991号公報(特許文献3)、特開2015−977号公報(特許文献4)、特開2013−11026号公報(特許文献5)、特開2013−104142号公報(特許文献6)、特開2014−146695号公報(特許文献7)などに詳しく記載がある。
本発明に用いられるセルロースナノファイバーとしては、絶乾1gのセルロースナノファイバーにおけるカルボキシル基量が、0.5mmol/g以下であることが好ましい。0.5mmol/gを超えるとセルロースナノファイバーの表面電化がマイナス側に傾きすぎて、インク受容層用塗工液への相溶性が悪くなり、塗工ムラが生じてインク受容層強度が低下する場合がある。絶乾1gのセルロースナノファイバーにおけるカルボキシル基量は、0.3mmol/g以下であることがより好ましい。また、絶乾1gのセルロースナノファイバーにおけるカルボキシル基量の下限は、特に限定されないが、0.01mmol/g以上であることが好ましく、0.02mmol/g以上であることがより好ましい。機械的解繊法セルロースナノファイバーの場合は、概ね0.1mmol/g以下となる。
前記カルボキシル基量は、セルロースナノファイバーの0.5質量%スラリーを100ml調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(X)から、(数1)を用いて算出することができる。
(数1)カルボキシル基量(mmol/gパルプ)=X(ml)×0.05/セルロースナノファイバーの質量(g)
(数1)カルボキシル基量(mmol/gパルプ)=X(ml)×0.05/セルロースナノファイバーの質量(g)
本発明に係るインクジェット用紙の原紙を構成する原料パルプとしては、化学パルプとして、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)又はNBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)、機械パルプとしてGP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナリーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)又はCGP(ケミグランドパルプ)、木材パルプとして、DIP(脱インキパルプ)など、さらに非木材パルプとしてケナフ、バガス、竹又はコットンなどがある。これらは単独、または任意の割合で混用することができる。また、本発明の目的と効果を損なわない範囲において、合成繊維又はセルロースナノファイバーを更に配合することができる。環境負荷の少ないECF(Elemental Chlorine Free)パルプ又はTCF(Totally Chlorine Free)パルプ等の塩素フリーパルプの使用が望ましい。本発明の目的と効果を損なわない範囲において、古紙パルプも使用することが可能である。
また、原紙を構成するパルプは、インクジェット用紙として適切な叩解度を有する紙料とすることが好ましい。適切な叩解度としては、例えば、カナダ標準ろ水度(フリーネス)(JIS P 8121:1995「パルプのろ水度試験方法」)で、350〜650mlCSFである。より好ましくは、400〜600mlCSFである。
原紙に使用する填料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、合成シリカ、アルミナ、タルク、焼成カオリン、カオリン、クレー、ベントナイト、ゼオライト、水酸化アルミニウム又は酸化亜鉛などの公知の填料を使用することが可能である。原紙中の填料含有量は、パルプの乾燥質量100質量部に対して、2〜20質量部であることが好ましい。より好ましくは、4〜15質量部である。2質量部未満では、不透明度及び白色度が低下し、効果が得られない場合がある。20質量部を超えると、紙の強度が低下し、印刷又は加工時における負荷に耐えられず、使用することが困難となる場合がある。
紙料中には、前記パルプ及び填料以外にも内添サイズ剤若しくは湿潤紙力増強剤などの内添紙力増強剤、硫酸バンド、歩留まり向上剤、ピッチコントロール剤、着色染料、着色顔料又は蛍光染料などの各種抄紙用薬品を適宜用いることができる。各紙料の調製方法、配合、各抄紙薬品の添加方法については、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されない。
原紙を抄紙する方法は、特に限定されるものではなく、前記紙料を用いて円網抄紙機、長網抄紙機又はツインワイヤー抄紙機などの公知の抄紙機を適用して抄造することが可能である。また、抄き合わせ数は、単層抄きでも、2層以上の多層抄きでも構わない。
上記抄紙方法で得られた原紙には、インク受容層用塗工液の原紙への過度の浸透を抑えるために表面サイズ液を塗布することが可能である。表面サイズ液としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド又は澱粉などの公知の水溶性高分子などがある。
原紙の坪量は、特に限定されるものではないが、通常30〜300g/m2である。より好ましくは、40〜280g/m2である。
インク受容層に用いる顔料としては、公知の顔料を1種以上含むものであり、例えば、カオリン、クレー、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪藻土、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、アルミナ、ベーマイト、プラスチックピグメントなどの有機顔料が挙げられる。本発明においては、顔料として、重質炭酸カルシウム又は軽質炭酸カルシウムなどの、公知の炭酸カルシウムを含有することが、インク吸収性の観点から好ましい。
インク受容層に用いる結着剤(以降、バインダーということもある。)としては、スチレン−ブタジエンラテックス、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリアクリル酸又はその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類などの公知のバインダーを使用することができる。
インク受容層に配合するバインダーの配合量は、インク吸収性及びインク受容層の強度を考慮して決定される。通常、顔料100質量部に対し3〜40質量部の範囲で添加すればよい。好ましくは、顔料100質量部に対し5〜30質量部程度の範囲で添加する。3質量部未満であると、インク受容層強度が低下する場合がある。40質量部を超えると、インク吸収性が低下する場合がある。
さらに本発明においては、一般的な印刷用インクジェット用紙と同様の風合いを得るために、原紙にインク受容層を設けた後にスーパーカレンダー、マシンカレンダー又はソフトカレンダーなど公知のカレンダー装置によりカレンダー処理することによって、適当な光沢を付与する。
インク受容層は、原紙の片面だけでなく、両面に設けてもよい。両面印刷用紙とすることができる。また、インク受容層の下層に1層以上の下塗り層を設けてもよい。
本実施形態に係るインクジェット用紙の製造方法は、インク受容層の塗工工程を有する。インク受容層は、顔料及び結着剤に加えて機械的解繊法セルロースナノファイバーを含有するインク受容層用塗工液を原紙の片面又は両面に、バーコーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、ロールコーター又は同時多層塗工機などの公知の塗工機で塗工することによって形成されることが好ましい。インク受容層用塗工液の乾燥塗工量は、片面あたり3〜30g/m2であることが好ましく、片面あたり4〜28g/m2であることがより好ましい。本実施形態の製造方法に従えば、従来の一般印刷用塗工紙と同様の製造効率を維持することが可能である。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
(実施例1)
<原紙の作製>
カナディアンスタンダードフリーネス450mlcsfの広葉樹さらしクラフトパルプ100部に対し、軽質炭酸カルシウム(製品名:TP―121、奥多摩工業社製)を10部、カチオン化澱粉0.2部、中性ロジンサイズ剤(製品名:CC167、星光PMC社製)0.04部となるように添加して紙料とした。この紙料を用いて、長網多筒式抄紙機で坪量77g/m2の原紙を作製した。作製した原紙はゲートロールコーターによって、酸化澱粉1%、TCC澱粉4%、アルキルケテンダイマー系表面サイズ剤(SE2360、星光PMC社製)0.05%、水溶液を両面で乾燥塗布量3g/m2となるように塗布した。
<原紙の作製>
カナディアンスタンダードフリーネス450mlcsfの広葉樹さらしクラフトパルプ100部に対し、軽質炭酸カルシウム(製品名:TP―121、奥多摩工業社製)を10部、カチオン化澱粉0.2部、中性ロジンサイズ剤(製品名:CC167、星光PMC社製)0.04部となるように添加して紙料とした。この紙料を用いて、長網多筒式抄紙機で坪量77g/m2の原紙を作製した。作製した原紙はゲートロールコーターによって、酸化澱粉1%、TCC澱粉4%、アルキルケテンダイマー系表面サイズ剤(SE2360、星光PMC社製)0.05%、水溶液を両面で乾燥塗布量3g/m2となるように塗布した。
<インク受容層用塗工液の調製>
カオリン(製品名:ウルトラホワイト90、エンゲルハード社製)30部、重質炭酸カルシウム(製品名:Carbital−97、イメリス・ミネラルズ・ジャパン社製)60部及び軽質炭酸カルシウム(TP−123CS、奥多摩工業社製)10部に分散剤(製品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.2部を添加し、加水した後にコーレス分散機によって水分散し、顔料スラリーとした。この顔料スラリーに、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(製品名:MS4600、日本食品化工社製)3部、スチレンブラジエンラテックス(製品名:JSR0695、JSR社製)8部、機械的高せん断装置による機械的解繊法セルロースナノファイバー(製品名:CNF250、幅30〜200nm、長さ1〜300μm、モリマシナリー社製)3部、印刷適性向上剤(PA629、カチオン性高分子、星光PMC社製)0.1部、潤滑剤(LB−3200I、脂肪酸系カルシウム塩、東邦化学工業社製)0.2部、青紫系着色染料0.01部、青紫系着色顔料0.01部、蛍光染料0.2部及び防腐剤0.03部を添加、混合して固形濃度30%の塗工液を調製した。
カオリン(製品名:ウルトラホワイト90、エンゲルハード社製)30部、重質炭酸カルシウム(製品名:Carbital−97、イメリス・ミネラルズ・ジャパン社製)60部及び軽質炭酸カルシウム(TP−123CS、奥多摩工業社製)10部に分散剤(製品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.2部を添加し、加水した後にコーレス分散機によって水分散し、顔料スラリーとした。この顔料スラリーに、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(製品名:MS4600、日本食品化工社製)3部、スチレンブラジエンラテックス(製品名:JSR0695、JSR社製)8部、機械的高せん断装置による機械的解繊法セルロースナノファイバー(製品名:CNF250、幅30〜200nm、長さ1〜300μm、モリマシナリー社製)3部、印刷適性向上剤(PA629、カチオン性高分子、星光PMC社製)0.1部、潤滑剤(LB−3200I、脂肪酸系カルシウム塩、東邦化学工業社製)0.2部、青紫系着色染料0.01部、青紫系着色顔料0.01部、蛍光染料0.2部及び防腐剤0.03部を添加、混合して固形濃度30%の塗工液を調製した。
<インクジェット用紙の作製>
上記で得られた塗工液を原紙の両面に、テスト枚葉バーコーター(型番:PM-9040MC、エスエムテー社製)で片面あたり乾燥塗布量が10g/m2となるように塗工し、乾燥後にカレンダー処理を行ない、坪量100g/m2のインクジェット用紙を作製した。
上記で得られた塗工液を原紙の両面に、テスト枚葉バーコーター(型番:PM-9040MC、エスエムテー社製)で片面あたり乾燥塗布量が10g/m2となるように塗工し、乾燥後にカレンダー処理を行ない、坪量100g/m2のインクジェット用紙を作製した。
(実施例2)
実施例1において、機械的解繊法セルロースナノファイバーの添加量を0.1部にしたこと以外は実施例1の通りにインクジェット用紙を作製した。
実施例1において、機械的解繊法セルロースナノファイバーの添加量を0.1部にしたこと以外は実施例1の通りにインクジェット用紙を作製した。
(実施例3)
実施例1において、機械的解繊法セルロースナノファイバーの添加量を6部にしたこと以外は実施例1の通りにインクジェット用紙を作製した。
実施例1において、機械的解繊法セルロースナノファイバーの添加量を6部にしたこと以外は実施例1の通りにインクジェット用紙を作製した。
(実施例4)
実施例1において、インク受容層の顔料として、カオリン(製品名:ウルトラホワイト90、エンゲルハード社製)100部にしたこと以外は実施例1の通りにインクジェット用紙を作製した。
実施例1において、インク受容層の顔料として、カオリン(製品名:ウルトラホワイト90、エンゲルハード社製)100部にしたこと以外は実施例1の通りにインクジェット用紙を作製した。
(比較例1)
実施例1において、機械的解繊法セルロースナノファイバーを添加しなかったこと以外は実施例1の通りにインクジェット用紙を作製した。
実施例1において、機械的解繊法セルロースナノファイバーを添加しなかったこと以外は実施例1の通りにインクジェット用紙を作製した。
各実施例及び比較例で得られたインクジェット記録用紙についての構成と評価結果とを表1に示す。尚、表中の評価は次の方法により実施した。
(1)インク吸収性評価
以下のインクジェットプリンターを用いて白抜き文字の印字を行い、インクの滲み具合を目視で以下のように評価した。インク吸収性が悪いと滲む傾向にある。
プリンター:CM8060 ColorMFP(ヒューレットパッカード社製)
◎:滲みが全くなく、実用できる。
○:滲みが僅かに発生するが、実用できる。
△:滲みが発生し、実用不可。
×:滲みが著しく発生し、実用不可。
以下のインクジェットプリンターを用いて白抜き文字の印字を行い、インクの滲み具合を目視で以下のように評価した。インク吸収性が悪いと滲む傾向にある。
プリンター:CM8060 ColorMFP(ヒューレットパッカード社製)
◎:滲みが全くなく、実用できる。
○:滲みが僅かに発生するが、実用できる。
△:滲みが発生し、実用不可。
×:滲みが著しく発生し、実用不可。
(2)インク受容層の強度の評価
RIテスター(明製作所社製)を用いて印刷を行い、強度を目視で評価した。印刷条件は、タックインキ(型番:SMXタック15墨、東洋インキ社製)0.4cc、60回転/分、1回刷りとした。
◎:塗工層強度が強く、オフセット印刷で実用できる。
○:塗工層強度が若干低下するが、オフセット印刷で実用できる。
△:塗工層強度が低下し、オフセット印刷で実用不可。
×:塗工層強度が著しく低下し、オフセット印刷で実用不可。
RIテスター(明製作所社製)を用いて印刷を行い、強度を目視で評価した。印刷条件は、タックインキ(型番:SMXタック15墨、東洋インキ社製)0.4cc、60回転/分、1回刷りとした。
◎:塗工層強度が強く、オフセット印刷で実用できる。
○:塗工層強度が若干低下するが、オフセット印刷で実用できる。
△:塗工層強度が低下し、オフセット印刷で実用不可。
×:塗工層強度が著しく低下し、オフセット印刷で実用不可。
表1より明らかなように、実施例1〜4で得られたインクジェット用紙は、インクジェット印刷適性及びオフセット印刷適性に優れていた。
これに対して、比較例1で得られたインクジェット用紙は、インク受容層に機械的解繊法セルロースナノファイバーを含まなかったために、インク吸収性及びインク受容層強度について両立しなかった。
本開示のインクジェット用紙は、インクジェット印刷及びオフセット印刷に加え、グラビア印刷、凸版印刷などの一般の印刷適性も有する。
Claims (2)
- 原紙の少なくとも片面に顔料及び結着剤を含有するインク受容層を有するインクジェット用紙において、
前記インク受容層が、機械的解繊法セルロースナノファイバーを含有することを特徴とするインクジェット用紙。 - 前記機械的解繊法セルロースナノファイバーが、幅1〜300nm、長さ0.1〜500μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用紙。
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