JP7236255B2 - 吸液紙、塗料及び吸液紙の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態に係る吸液紙は、紙基材及び微細セルロース繊維層を備える。
紙基材は、パルプ繊維を抄紙して得られる一般的な紙を用いることができる。紙基材を構成するパルプ繊維としては、特に限定されず、例えば、古紙パルプ(DIP)、化学パルプ(例えば広葉樹クラフトパルプ:LBKP、針葉樹クラフトパルプ:NBKPなど)、機械パルプ(例えばサーモメカニカルパルプ:TMP、プレッシャライズドクラフトパルプ:PGW、リファイナーグランドパルプ:RGP、グランドパルプ等)やケナフ、バガス、麻、コットンなどの非木材パルプなどから得られるパルプ繊維を挙げることができる。
微細セルロース繊維層は、上記紙基材の少なくとも一方の面側に積層された層であり、微細セルロース繊維を含む。微細セルロース繊維層は、無機顔料及び/又は多価アルコールをさらに含むことが好ましい。微細セルロース繊維、無機顔料及び多価アルコールの一部は、紙基材の一方の面から含浸した状態で、表面近傍の紙基材内部に存在していてもよい。微細セルロース繊維層は、紙基材の両面にそれぞれ積層されていてもよい。微細セルロース繊維層が両面に積層されている場合、両面からの良好な吸油性及び吸水性が発揮される。一方、微細セルロース繊維層が一方の面にのみ積層されている場合、当該吸液紙の柔軟性等が高まる。
微細セルロース繊維は、微細セルロース繊維層の主成分であることが好ましい。主成分とは、質量基準で最も含有量の多い成分であり、微細セルロース繊維層における微細セルロース繊維の含有量としては、例えば30質量%以上が好ましく、50質量%以上又は70質量%以上がより好ましいこともある。また、微細セルロース繊維層における微細セルロース繊維の含有量は、100質量%以下であってよく、無機顔料や多価アルコール等の他の成分を含有させる場合などは、80質量%以下又は60質量%以下が好ましいこともある。
好適な成分である無機顔料は、当該吸液紙の肌触りや柔軟性、特に肌触りを改善することができる。また、無機顔料は、吸油性の向上を補完する効果を有する。無機顔料としては、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、モンモリロナイト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、マイカ(雲母)、ベントナイト、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石、合成雲母等の層状無機化合物顔料を挙げることができ、これらの中でも、滑らかさや、油脂類の馴染み易さ(親油性)を有するタルクが好ましい。
好適な成分である多価アルコールは、当該吸液紙の肌触りや柔軟性、特に柔軟性を改善することができる。多価アルコールは、保湿性を有し、また、皮膚刺激性が低いことからも好ましい。微細セルロース繊維と共に、無機顔料及び多価アルコールの双方を少なくとも一方の面側に存在させた場合、肌触りや柔軟性が改善するとともに、吸油性が高まる場合もある。
当該吸液紙は、キッチンペーパー、産業用ワイプ、あぶらとり紙等、吸油性や吸水性等の吸液性が要求される各種用途に用いることができるが、これらの中でも、あぶらとり紙やキッチンペーパーとして特に好適に用いることができる。
本発明の一実施形態に係る吸液紙の製造方法は、紙基材の少なくとも一方の面側に、平均繊維幅が10nm以上1,000nm以下の微細セルロース繊維を含む塗料を塗工又は含浸させる工程を備える。この塗料により、微細セルロース繊維層が形成される。
塗料は、通常、微細セルロース繊維の水分散液である。上記塗料には、無機顔料及び/又は多価アルコールを含むことが好ましい。
・平均繊維幅
電子顕微鏡を使用した上記方法にて測定した。
・パルプ粘度
JIS-P-8215(1998)に準拠して測定した。
・保水度
JAPAN TAPPI No.26に準拠して測定した。
・坪量
JIS-P-8124(2011)に準拠して測定した。
・紙厚及び密度
JIS-P-8118(1998)に準拠して測定した。
・クレム吸水度
JIS-P-8141(2004)に準拠して測定した。溶媒として、水道水又は市販のオリーブ油を使用してそれぞれクレム吸水度試験を行った。なお、オリーブ油を用いて測定した場合も、形式的にクレム吸水度と表記している。
・吸水量及び吸油量
バットに水道水又は市販のオリーブ油を入れ、15cm×15cmに切断した吸液紙を浸した。その後、吸液紙表面に付着した余剰の溶媒をろ紙で挟み、含浸後の質量を測定した。含浸後の単位面積当たりの質量と含浸前の単位面積当たりの質量との差を吸水量又は吸油量として算出した。
以下の項目について、10人のモニターによるモニタリング評価を行い、(1)あぶらが取れた感覚、(2)顔にあてたときの肌触り感、(3)手触り感の全3項目を官能評価した。評価方法は、各項目について、良い:○(2点)、普通:△(1点)、悪い:×(0点)とし、1人あたりの合計の平均値(6点満点)で評価した。
柔軟性について、以下の方法で評価した。10人のモニターによるモニタリング評価を行い、紙の手触り感(柔軟性)について官能評価した。評価基準は、最もよい:◎、良い:○、普通:△、悪い:×とし、10人の評価のうちの最も多かった評価をそのサンプルの評価とした。
・CNF-A:パルプ繊維を酵素処理することにより得られた微細セルロース繊維
平均繊維幅30nm、パルプ粘度3cps、保水度404%
・CNF-B:パルプ繊維を機械的処理することにより得られた微細セルロース繊維
平均繊維幅50nm、パルプ粘度5cps、保水度342%
・CNF-C:パルプ繊維を機械的処理することにより得られた微細セルロース繊維
(CNF-Bに比べて、処理回数が少ない)
平均繊維幅900nm、パルプ粘度4cps、保水度321%
・CNF-a:パルプ繊維を亜リン酸エステル化変性して得られた微細セルロース繊維
平均繊維幅4nm、パルプ粘度及び保水度は測定不可
・CNF-b:パルプ繊維を機械的処理することにより得られた微細セルロース繊維
(CNF-Cに比べて、処理回数がより少ない)
平均繊維幅15,000nm、パルプ粘度6.1cps、保水度308%
・タルク:富士タルク工業社の「DS-34」
・PEG:和光薬品社のポリエチレングリコール(重量平均分子量20,000)
CNF-Aを水に分散させて、塗料を調製した。この塗料を市販のあぶらとり紙(丸菱ペーパーテック社製「脂取紙」)の片面に、塗工量(固形分換算)1.3g/m2で塗工し、乾燥することにより、実施例1の吸液紙(あぶらとり紙)を得た。
塗料の組成及び塗工量を表1の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2~6及び比較例1~4の各吸液紙(あぶらとり紙)を得た。
上記市販のあぶらとり紙を参考例1とした。
CNF-Aを水に分散させて、塗料を調製した。この塗料を市販のキッチンペーパー:大王製紙社製「ピーチキッチンタオル」)の片面に、ワイヤーバーにより塗工量(固形分換算)4.5g/m2で塗工し、乾燥することにより、実施例7の吸液紙(キッチンペーパー)を得た。
塗料の組成及び塗工量並びに塗工方法を表2の通りとしたこと以外は実施例7と同様にして、実施例8~11及び比較例5~6の各吸液紙(キッチンペーパー)を得た。
上記市販のキッチンペーパーを参考例2とした。
上記した方法にて、得られた各吸液紙の坪量、紙厚、密度、クレム吸水度(水又は油)、吸水量、及び吸油量を評価した。また、実施例1~6、比較例1~4及び参考例1の各吸液紙(あぶらとり紙)については、上記あぶらが取れた感覚、顔にあてたときの肌触り感及び手触り感に係る官能評価をした。実施例7~11、比較例5~6及び参考例2の各吸液紙(キッチンペーパー)については、柔軟性を評価した。評価結果を表1又は表2に示す。
Claims (5)
- 紙基材、及び
上記紙基材の少なくとも一方の面側に積層され、平均繊維幅が10nm以上1,000nm以下の微細セルロース繊維を含む微細セルロース繊維層
を備え、
あぶらとり紙又はキッチンペーパーに用いられる吸液紙。 - 上記微細セルロース繊維は、非変性の微細セルロース繊維である請求項1に記載の吸液紙。
- 上記微細セルロース繊維層が、無機顔料及び/又は多価アルコールをさらに含む請求項1又は請求項2に記載の吸液紙。
- 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の吸液紙の微細セルロース繊維層の形成に用いられる塗料であって、
平均繊維幅が10nm以上1,000nm以下の微細セルロース繊維、並びに無機顔料及び/又は多価アルコールを含む塗料。 - 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の吸液紙の製造方法であって、
紙基材の少なくとも一方の面側に、平均繊維幅が10nm以上1,000nm以下の微細セルロース繊維を含む塗料を塗工又は含浸させる工程
を備える吸液紙の製造方法。
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