JP6212457B2 - インクジェット印刷用紙 - Google Patents
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Description
本実施形態に係るインクジェット印刷用紙の基紙に使用するパルプとしては、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)若しくはNBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)若しくはCGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ、又はケナフ、バガス、竹若しくはコットンなどの非木材パルプを用いることが可能である。これらは、単独で使用するか、又は任意の割合で混合して使用することが可能である。また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲において、合成繊維を更に配合することができる。環境保全の観点から、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプ、TCF(Total Chlorine Free)パルプ、古紙パルプ又は植林木から得られるパルプを用いることがより好ましい。
本実施形態に係るインクジェット印刷用紙では、基紙の少なくとも片面に、顔料と、スチレンブタジエンラテックスと、微カチオン性高分子とを含有するインク受容層を設ける。インク受容層は、インクジェット印刷用紙の塗工層のうち、最表層の塗工層をいう。インク受容層に用いる顔料としては、一般に印刷用塗工紙に使用されている公知の白色顔料が例示できる。白色顔料は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン(クレーを含む)、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化チタン若しくは水酸化アルミニウムなどの無機顔料、又はプラスチックピグメントなどの有機高分子の微粒子である。これらの中から目的に応じて1種又は2種以上を適宜選択して使用する。本実施形態では、顔料として重質炭酸カルシウムを含有することが好ましく、重質炭酸カルシウムとカオリンとを併用することがより好ましい。重質炭酸カルシウムの含有量は、インク受容層中の全顔料100質量部に対して50〜100質量部であることが好ましく、60〜95質量部であることがより好ましい。
本発明のインクジェット印刷用紙は、インク受容層用塗工液を基紙の表面に塗工し、乾燥することで得ることができる。また、本実施形態に係るインクジェット印刷用紙は、顔料及びスチレンブタジエンラテックスを含有し、かつ、微カチオン性高分子を含有しない塗工液を基紙の表面に塗工して塗工面を形成し、該塗工面が湿潤状態にあるうちに、微カチオン性高分子を含有する塗工液を塗工面上に塗工し、乾燥することで製造してもよい。インク受容層用塗工液又は各種塗工液の塗工方式としては、特に限定するものではなく、一般に使用されている塗工装置が使用できる。塗工装置は、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、チャンプレックスコーター、メータリングブレード式のサイズプレスコーター、ショートドウェルコーター、スプレーコーター、ゲートロールコーター又はリップコーターである。
本実施形態に係るインクジェット印刷用紙は、一般の印刷用塗工紙と同様に、キャレンダー処理を施して光沢を付与してもよい。基紙上にインク受容層用塗料を塗工、乾燥した後にキャレンダー処理を行うことが好ましい。キャレンダー処理装置としては、通常のスーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、シューニップキャレンダー、ソフトキャレンダーなどが用いられる。キャレンダー処理時の、加圧装置形態、加圧ニップ数又は温度条件などの処理条件は、適宜調節して処理することができる。
(基紙の作製)
カナディアンスタンダードフリーネス480mlcsfの広葉樹晒クラフトパルプ100部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業社製)8部、カチオン化澱粉(商品名:ネオタック30T、日本食品加工社製)0.25部、中性ロジンサイズ(商品名:CC167、星光PMC社製)0.25部に水を加えて紙料を調製し、長網多筒式抄紙機を用いて坪量67.5g/m2の原紙を作製した。この原紙にゲートロールコーターによって、酸化澱粉(商品名:MS3800、日本食品化工社製)を両面あたりの乾燥塗布量が2.5g/m2となるように塗布し、乾燥して基紙を得た。
カオリン(商品名:コンツアー1500、イメリス社製)40部及び重質炭酸カルシウム(商品名:カービラックス、イメリス社製)60部に分散剤(商品名:アロンT-50、東亜合成社製)0.15部を加え、加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作製した。この顔料スラリーに、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品加工社製)2部及びスチレンブタジエンラテックス(商品名:PA0372、日本エイアンドエル株式会社製)8部、微カチオン性高分子としてポリアミン系樹脂(商品名:フロックスターLAS22、カチオン化度0.25meq/g、三晶株式会社製)0.05部を加え、更に水を加えて分散させ、固形分濃度50%のインク受容層用塗工液を調製した。
上記で得られた基紙の両面に、インク受容層用塗工液を、片面当たりの乾燥塗工量が10g/m2になるようにブレードコーターを用いて塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が90g/m2のインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子を、ポリアミン系樹脂(商品名:フロックスターLAS22、カチオン化度0.25meq/g、三晶株式会社製)0.05部から、ポリアクリルアミド樹脂(商品名:フロックスターESC51、カチオン化度1.2meq/g、三晶株式会社製)0.05部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子を、ポリアミン系樹脂(商品名:フロックスターLAS22、カチオン化度0.25meq/g、三晶株式会社製)0.05部から、変性ポリアミン系樹脂(製品名:Sumirez Resin SPI−102A、カチオン化度1.9meq/g、田岡化学社製)0.05部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子を、ポリアミン系樹脂(商品名:フロックスターLAS22、カチオン化度0.25meq/g、三晶株式会社製)0.05部から、変性ポリアミド系樹脂(製品名:Sumirez Resin SPI−203(50)H、カチオン化度3.0meq/g、田岡化学社製)0.05部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子の添加量を0.01部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子の添加量を1.0部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子の添加量を3.0部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例3において、微カチオン性高分子の添加量を0.01部とした以外は、実施例3と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例3において、微カチオン性高分子の添加量を2.0部とした以外は、実施例3と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例3において、微カチオン性高分子の添加量を3.0部とした以外は、実施例3と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子を、ポリアミン系樹脂(商品名:フロックスターLAS22、カチオン化度0.25meq/g、三晶株式会社製)0.05部から、変性ポリアミン系樹脂(商品名:PA629、カチオン化度0.05meq/g、星光PMC社製)0.05部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1のインク受容層用塗工液の調製において、重質炭酸カルシウム(商品名:カービラックス、イメリス社製)を添加せず、カオリン(商品名:コンツアー1500、イメリス社製)の添加量を100部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1のインク受容層用塗工液の調製において、カオリン(商品名:コンツアー1500、イメリス社製)40部をタルク(商品名:SW、日本タルク製)40部に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子の代わりに、インクジェットインク用定着剤であるカチオン性ポリアミジン系樹脂(商品名:ハイマックスSC−700L、カチオン化度4.5meq/g、ハイモ社製)0.05部を添加したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子の代わりに、インクジェットインク用定着剤であるカチオン性ジアリルジメチルアンモニウムクロライド樹脂(商品名:ハイマックスSC−100、カチオン化度6.0meq/g、ハイモ社製)0.05部を添加したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
得られたインクジェット印刷用紙に、以下の2機種のインクジェットプリンターを用いて白抜き文字の印字を行い、インクの滲み具合を目視で以下のように評価した。インク吸収性が悪いと滲む傾向にある。
プリンターA:CM8060 ColorMFP(ヒューレットパッカード社製)
プリンターB:PX−105(EPSON社製)
◎:滲みが全くなく、実用できる。合格。
○:滲みが僅かに発生するが、実用できる。合格。
△:滲みが発生し、実用不可。不合格。
×:滲みが著しく発生し、実用不可。不合格。
得られたインクジェット印刷用紙にオフセット印刷を行い、印刷終了後のブランケット汚れを評価した。塗工層強度が低くなるほど、ブランケットが汚れやすい。
◎:ブランケット汚れが全くなく、実用できる。合格。
○:ブランケット汚れが僅かに発生するが、実用できる。合格。
△:ブランケット汚れが発生し、実用不可。不合格。
×:ブランケット汚れが著しく発生し、実用不可。不合格。
Claims (2)
- 基紙の少なくとも片面に、顔料とバインダーとを含有するインク受容層を設けたインクジェット印刷用紙において、
前記インク受容層は、前記バインダーとしてスチレンブタジエンラテックスを含有し、かつ、カチオン性高分子を含有し、該カチオン性高分子は、カチオン化度が0meq/gを超え3.00meq/g以下の微カチオン性高分子であり、
前記微カチオン性高分子の含有量が、前記インク受容層中の顔料100質量部に対して0.01〜0.05質量部であり、前記微カチオン性高分子がポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリアクリルアミド系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするインクジェット印刷用紙。 - 前記インク受容層が、前記顔料として重質炭酸カルシウムを含有することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷用紙。
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