JP6301241B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録方式は、染料インク又は顔料インクの液滴を吐出し、記録用紙上に付着させることによってドットを形成し、記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンター、インク及び記録用紙の技術的進歩によって、印字品質の高い記録が可能になってきている。また、商業印刷などの分野においては、可変情報をデジタル化して高速に印刷する、いわゆるオンデマンド印刷方式が導入されてきており、オンデマンド印刷方式を採用しているインクジェット印刷機も登場してきている。このようなオンデマンド印刷方式においては、情報を製版することなく紙などのメディアに直接印刷することが可能なために少部数の印刷にも適している。最近では、装置の高速化又は高精細化に著しい進歩が見られることによる用途の拡大に伴い、一般の印刷用塗工紙(例えば一般のオフセット印刷用紙)にもインクジェット適性を付与する要望が発生してきている。
一般の印刷用塗工紙では、顔料とバインダーとを含有する塗工層が設けられている。そして、適切なインク受理性を付与するために、顔料として炭酸カルシウム又はカオリンなどを用いることが一般的である。しかし、このような一般の印刷用塗工紙をインクジェット印刷機に適用すると、一般のインクジェット用紙に比べてインクジェット用インクの吸収性が著しく悪く、画像鮮明性及びインク乾燥性が悪化して実用に耐えなくなってしまう問題がある。この理由として、塗工層に使用する顔料の細孔容積が著しく低く、塗工層の細孔容積を著しく低下させてしまうことが挙げられる。
従来、インクジェット記録用紙のインク受容層としては、シリカ、アルミナ又はベーマイトなどの炭酸カルシウム又はカオリンと比べると比表面積の大きな顔料を主成分として用いて塗工層の細孔容積を大きくしている。しかし、このような顔料を用いたインクジェット記録用紙は、高価であるため、商業印刷分野においては実用的ではない。
このように、一般の印刷用塗工紙をインクジェット印刷機に適用することには様々な問題があるため、種々の改良がなされた印刷用紙が開発されている。このような印刷用紙として、顔料として特定の吸油量を有する炭酸カルシウムを含ませることでインクの滲みを少なくした記録用紙が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。また、凝集軽質炭酸カルシウムを含む顔料100重量部に対して、カチオン性高分子を5〜30重量部含む塗工液を塗工することでインク吸収性及び定着性などに優れた記録用紙とすることが開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特開2004−082464号公報 特開2005−008992号公報
しかしながら、特許文献1の記録用紙は、インクの吸収性が十分ではなく、乾燥性に劣る問題があった。また、特許文献2の記録用紙は、カチオン性高分子を比較的多量に用いるために、高価となるばかりか、軽質炭酸カルシウムの存在下では塗料が凝集しやすく、結果的に塗工層強度を損ねるという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、乾燥性が良好で比較的安価なインクジェット記録用紙を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るインクジェット記録用紙は、基紙の少なくとも片面に、顔料及びバインダーを含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、前記インク受容層は、前記顔料として軽質炭酸カルシウムの二次凝集体を含有し、かつ、微カチオン性高分子を含有し、該微カチオン性高分子のカチオン化度が0meq/gを超え3.00meq/g以下であることを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録用紙では、前記軽質炭酸カルシウムの二次凝集体のBET比表面積が7m/g以上であることが好ましい。乾燥性をより高めることができる。
本発明に係るインクジェット記録用紙では、前記顔料100質量部のうち、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体を5質量部以上含むことが好ましい。乾燥性をより高めることができる。
本発明に係るインクジェット記録用紙では、前記微カチオン性高分子の含有量が、前記インク受容層中の顔料100質量部に対して0.01〜3.00質量部であることが好ましい。乾燥性及びインク受容層の塗工層強度をより高めることができる。
本発明に係るインクジェット記録用紙では、前記軽質炭酸カルシウムの二次凝集体は、カルサイト型又はアラゴナイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子が二次凝集して形成され、いがくり状(ロゼッタ型)の形状を有することが好ましい。インク受容層の細孔容積を増加させて、乾燥性をより高めることができる。
本発明に係るインクジェット記録用紙では、前記インク受容層は、前記顔料として軽質炭酸カルシウムの一次粒子を更に含有することが好ましい。インク吸収性をより高めることができる。また、本発明に係るインクジェット記録用紙では、前記インク受容層は、顔料としてシリカを含有していないことが好ましい。また、本発明に係るインクジェット記録用紙では、前記インク受容層は、前記顔料100質量部に対して前記軽質炭酸カルシウムの二次凝集体を5〜15質量部含有していることが好ましい。また、本発明に係るインクジェット記録用紙では、前記インク受容層は、前記顔料100質量部に対して前記バインダーを5〜40質量部含有していることが好ましい。
本発明によれば、インク乾燥性が良好でかつ安価なインクジェット記録用紙を提供することができる。また、本発明によるインクジェット記録用紙はオンデマンド印刷方式のインクジェット印刷機の用紙として適している。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るインクジェット記録用紙は、基紙の少なくとも片面に、顔料及びバインダーを含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、インク受容層は、顔料として軽質炭酸カルシウムの二次凝集体を含有し、かつ、微カチオン性高分子を含有し、微カチオン性高分子のカチオン化度が0meq/gを超え3.00meq/g以下である。
(1)基紙
本実施形態に係るインクジェット記録用紙の基紙に使用するパルプとしては、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)若しくはNBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)若しくはCGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ、又はケナフ、バガス、竹若しくはコットンなどの非木材パルプを用いることが可能である。これらは、単独で使用するか、又は任意の割合で混合して使用することが可能である。また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲において、合成繊維を更に配合することができる。環境保全の観点から、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプ、TCF(Total Chlorine Free)パルプ、古紙パルプ又は植林木から得られるパルプを用いることがより好ましい。
基紙に使用する填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、焼成クレー、二酸化チタン又は水酸化アルミニウムを用いることが可能である。基紙中の填料含有量は、パルプの乾燥重量100質量部に対して、2〜30質量部であることが好ましい。より好ましくは3〜17質量部である。さらに好ましくは、4〜15質量部である。2質量部以下では白色度向上、不透明度向上などの効果が得られない場合がある。30質量部を超えると基紙自体の強度が不足し印刷・加工に耐えられず実質使用することができない場合がある。
基紙には、パルプ及び填料以外に、内添サイズ剤、湿潤紙力増強剤などの内添紙力増強剤、嵩高剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光消色剤又はピッチコントロール剤などの各種助剤を、適宜配合することができる。内添サイズ剤は、各種公知のものが使用でき、特に限定されず、例えば、強化ロジンサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、AKD(アルキルケテンダイマー)、ASA(アルケニル無水コハク酸)である。内添紙力増強剤としては、従来公知の紙力増強剤を使用することが可能であり、例えば、澱粉系紙力増強剤、ポリアクリルアミド系紙力増強剤又はポリビニルアルコール系紙力増強剤である。
基紙を抄紙する方法は、特に限定されるものではなく、長網抄紙機、長網多層抄紙機、円網抄紙機、円網多層抄紙機、長網円網コンビ多層抄紙機又はツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造できる。
また、基紙には表面サイズ液を塗布してもよい。表面サイズ液としては、澱粉、ポリビニルアルコール又はポリアクリルアミドなどの公知の水溶性高分子を含有させた水溶液などが挙げられるが特に限定されるものではない。基紙の坪量は、特に限定されないが、通常30〜300g/mである。より好ましくは、50〜250g/mである。
上記方法で得られた基紙の片面又は両面には顔料とバインダーとを主体とした塗工液を塗工して設けられるアンダー層を塗工しても何ら差し支えなく、このアンダー層を塗工した後の塗工紙を本実施形態に係るインクジェット記録用紙の基紙として用いることができる。
(2)インク受容層
本実施形態に係るインクジェット記録用紙は、基紙の片面又は両面に、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と微カチオン性高分子とを含有するインク受容層を設ける。本発明において、インク受容層は、インクジェット記録用紙の塗工層のうち、最表層の塗工層をいう。
軽質炭酸カルシウムの二次凝集体は、複数の軽質炭酸カルシウムの一次粒子が化学的又は物理的な分子間相互作用によって集合した集合体(二次粒子)である。本実施形態で用いる軽質炭酸カルシウムの二次凝集体は、特に限定するものではないが、例えば、立方体状若しくは紡錘状のカルサイト型、又は柱状のアラゴナイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子が、いがくり状(ロゼッタ型)に二次凝集したものが挙げられる。このような軽質炭酸カルシウムの二次凝集体としては、例えば、「TP−221BM」、「TP−121SA」、「TP−123FS」、「TP−NPF」(何れも奥多摩工業社製)の商品名で市販されている。軽質炭酸カルシウムの二次凝集体をインク受容層に含有させることによって、インク受容層の細孔容積が増加し、インクを十分に吸着・固定することができるようになることから、インク乾燥性が向上する。軽質炭酸カルシウムの二次凝集体の平均二次粒子径は、5μm以上であることが好ましく、6μm以上であることがより好ましい。この範囲とすることで、インク乾燥性をより高めることができる。軽質炭酸カルシウムの二次凝集体の平均二次粒子径の上限は、特に限定されないが、塗工層の表面強度を維持しやすいという点で、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。本発明において、粒子径は、レーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%粒子径である。
軽質炭酸カルシウムの二次凝集体のBET比表面積は7m/g以上であることが好ましい。より好ましくは、8m/g以上である。BET比表面積が7m/g未満では、インクを十分に吸着・固定することができなくなる場合があり、印刷時に吸着・固定しきれなかったインクによる汚れが発生して乾燥不良となるおそれがある。ここで、BET比表面積は、BET法によって求められた単位質量あたりの表面積である。BET法とは、気相吸着法による粉体の比表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料のもつ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常、吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、又は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。他分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer,Emmett,Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。軽質炭酸カルシウムの二次凝集体のBET比表面積の上限は、特に限定されないが、塗工層強度を維持しやすいという点で、25m/g以下であることが好ましく、15m/g以下であることがより好ましい。
インク受容層に含有させる顔料としては、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体の他に一般の印刷用塗工紙に使用されている公知の白色顔料を用いることができる。このような白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウムの一次粒子、重質炭酸カルシウム、カオリン(クレーを含む)、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化チタン若しくは水酸化アルミニウムなどの無機顔料、又はプラスチックピグメントなどの有機顔料である。これらの中から目的に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と、他の白色顔料とを併用する場合には、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体をインク受容層中の全顔料100質量部のうち、5質量部以上含有させることが好ましく、より好ましくは7質量部以上、更に好ましくは12質量部以上、特に好ましくは30質量部以上である。軽質炭酸カルシウムの二次凝集体の含有量が5質量部未満では、インクを十分に吸着・固定することができなくなる場合があり、インク乾燥性を満足できないおそれがある。また、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体の含有量の上限は、インク受容層中の全顔料100質量部に対して、80質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。この範囲とすることで、塗工層強度をより高めることができる。
本実施形態では、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と軽質炭酸カルシウムの一次粒子とを組合せて用いることがより好ましい。軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と軽質炭酸カルシウムの一次粒子とを併用するとき、二次凝集体の含有量は、二次凝集体及び一次粒子の合計質量に対して、5〜50質量%であることが好ましく、8〜40質量%であることがより好ましい。軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と軽質炭酸カルシウムの一次粒子とを併用することで、塗工層強度を強化することができる。軽質炭酸カルシウムの一次粒子の形状は、例えば、立方体状若しくは紡錘状のカルサイト型、又は柱状のアラゴナイト型である。このうちアラゴナイト型であることがより好ましい。軽質炭酸カルシウムの一次粒子の平均一次粒子径は、0.05〜5.00μmであることが好ましく、0.10〜3.00μmであることがより好ましい。平均一次粒子径をこの範囲とすることで、インク吸収性をより高めることができる。
本実施形態においては、インク受容層はバインダーを含有する。バインダーとしては特に限定するものではなく、例えば、酸化澱粉、酵素変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン性澱粉若しくは両性澱粉などの澱粉類、ゼラチン、カゼイン、大豆タンパク若しくはポリビニルアルコールなどの水溶性高分子、又はスチレンブタジエンラテックス、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂若しくはポリアミド系樹脂などの合成樹脂類である。これらの中から目的に応じて1種又は2種以上を適宜選択して使用可能である。特に澱粉とスチレンブタジエンラテックスとの組合せが、インク受容層のコスト抑制及び塗工層強度向上の観点から好ましい。
バインダーの配合量は特に限定されないが、インク受容層中の全顔料100質量部に対し3〜50質量部とすることが好ましく、5〜40質量部とすることがより好ましい。配合量が3質量部未満であると、塗工層が脱落するおそれがある。50質量部を超えると、インク吸収性が悪化するためにインク乾燥性を損ねるおそれがある。
本実施形態においては、インク受容層が微カチオン性高分子を含有する。本発明において、微カチオン性高分子とは、カチオン化度が0meq/gを超え3.00meq/g以下である高分子をいう。インクジェット記録用紙に用いられるカチオン性インク定着剤のカチオン化度は、通常、3.00meq/gを超える。一般のインクジェット記録用紙に用いられるカチオン性インク定着剤が、インクの定着性の向上に直接作用するのに対して、微カチオン性高分子は、インク受容層の細孔容積を増加させることでインク受容層のインクの吸収性を向上させる働きがある。即ち、インク受容層に微カチオン性高分子を含有させることによって、インク受容層の乾燥工程において塗工層の細孔容積が適度に増加し、インク吸収性が向上する。そして、前述した軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と微カチオン性高分子とを併用することによって、更にインク受容層の細孔容積が増加しやすくなり、インク吸収性が向上し、インク乾燥性を満足させることができる。軽質炭酸カルシウムの二次凝集体及び微カチオン性高分子の併用によって、インク受容層の細孔容積を、例えば、0.1〜0.5cm/gに調整することができる。インク受容層の細孔容積は、0.2〜0.4cm/gであることがより好ましい。本明細書において、細孔容積とは、チッソ吸着法で測定した細孔容積をいう。さらには、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と微カチオン性高分子とを併用すると、両者の相乗効果によって、それぞれのインク受容層中の含有量が比較的少量であってもインク吸収性が向上するため、比較的安価にインク乾燥性の良好なインクジェット記録用紙を得ることが可能となる。
微カチオン性高分子をインク受容層中に含有させる方法としては、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と、バインダーと、微カチオン性高分子を含有する塗工液(以降、インク受容層塗工液ということもある。)を基紙に塗布する方法、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体とバインダーとを含有し、微カチオン性高分子を含有しない塗工液を基紙に塗布した後、塗工面が乾燥前にその表面に微カチオン性高分子を含む塗工液を塗工する方法などが挙げられる。このうち、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と、バインダーと、微カチオン性高分子とを含有するインク受容層用塗工液を基紙に塗布する方法であることがより好ましい。塗工層の深さ方向の全体にわたって、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と微カチオン性高分子とを共存させることができ、その結果、乾燥性をより向上することができる。
微カチオン性高分子のカチオン化度としては、0.05〜3.00meq/gであることがインク吸収性及び塗工層強度維持の観点から好ましい。0.05meq/g未満では、インク吸収性に劣る。3.00meq/gを超えると、微カチオン性高分子と軽質炭酸カルシウムの二次凝集体とが過度に凝集して、平滑な塗工面が得られず、インク受容層の塗工層強度に劣る。カチオン化度は、更に好ましくは、0.10〜2.50meq/gである。なお、いわゆるインクジェットインク用定着剤であるカチオン性高分子はカチオン化度が高いため(例えば3.00meq/gを超える場合が多い)、本発明で使用される微カチオン性高分子とは区別される。前記カチオン化度はコロイド滴定法にて測定可能である。
微カチオン性高分子のインク受容層中の含有量としては、インク受容層中の顔料100質量部に対して0.01〜3.00質量部であることが好ましい。ここで、微カチオン性高分子のインク受容層中の含有量は、インク受容層が基紙の両面に設けられる場合は、片面当たりの含有量である。0.01質量部未満では、インク吸収性が低下するおそれがある。3.00質量部を超えると、インク受容層の塗工層強度に劣る場合がある。インク受容層中の顔料100質量部に対する微カチオン性高分子の含有量は、更に好ましくは0.05〜2.00質量部である。
本発明において使用可能な微カチオン性高分子としては、例えば、ポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリアミン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジウムハライド、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリスチレン共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド二酸化硫黄共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドアミド共重合物、ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂酸コロイド、尿素系樹脂、カチオン変性ポリビニルアルコール、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型化合物、ポリアミジン化合物、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、その他第4級アンモニウム塩類、又はカチオン変性ポリウレタン樹脂のうち、微カチオン性のものである。前述したインク受容層用の塗工液に含有させるにあたっては、水溶液又はエマルジョンの形態のものが好ましい。これらは1種を単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。本実施形態では、微カチオン性高分子が、ポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリアクリルアミド系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
また、インク受容層には、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、必要に応じて各種助剤を必要に応じて適宜配合してもよい。各種助剤は、例えば、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、耐水化剤、分散剤、流動変性剤、紫外線吸収剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、pH調節剤、消泡剤、可塑剤又は防腐剤である。
(3)塗工方式
本実施形態に係るインクジェット記録用紙は、例えば、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体と、バインダーと、微カチオン性高分子とを含有するインク受容層用塗工液を基紙の表面に塗工し、乾燥することで得ることができる。また、本実施形態に係るインクジェット記録用紙は、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体とバインダーとを含有し、かつ、微カチオン性高分子を含有しない塗工液を基紙の表面に塗工して塗工面を形成し、該塗工面が湿潤状態にあるうちに、微カチオン性高分子を含有する塗工液を塗工面上に塗工し、乾燥することで製造してもよい。インク受容層用塗工液又は各種塗工液の基紙への塗工方式としては、特に限定するものではなく、一般に使用されている塗工装置が使用できる。塗工装置は、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、チャンプレックスコーター、メータリングブレード式のサイズプレスコーター、ショートドウェルコーター、スプレーコーター、ゲートロールコーター又はリップコーターなどの公知の各種塗工装置を用いることができる。
インク受容層の塗工量は特に限定するものではないが、基紙の片面あたり、固形分換算で、2〜40g/mとすることが好ましい。より好ましくは5〜30g/mであり、更に好ましくは8〜20g/mである。塗工量が2g/m未満では所望のインク乾燥性を得ることが困難となる場合がある。40g/mを超えると、コスト的に不利となる場合がある。
(4)キャレンダー処理
本実施形態に係るインクジェット記録用紙は、一般の印刷用塗工紙と同様に、キャレンダー処理を施して光沢を付与することができる。基紙上にインク受容層用塗工液を塗工、乾燥した後にキャレンダー処理を行うことが好ましい。キャレンダー処理装置としては、通常のスーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、シューニップキャレンダー又はソフトキャレンダーなどが用いられる。キャレンダー処理時の、加圧装置形態、加圧ニップ数または温度条件などの処理条件は、適宜調節して処理することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
(実施例1)
(基紙の作製)
カナディアンスタンダードフリーネス450mlcsfの広葉樹晒クラフトパルプ100部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業社製)10部、カチオン化澱粉(商品名:ネオタック30T、日本食品加工社製)0.3部、及び中性ロジンサイズ(商品名:CC167、星光PMC社製)0.2部に水を加えて紙料を調製し、これを用いて、長網多筒式抄紙機を用いて坪量60g/mの原紙を作製した。
(インク受容層用塗工液の調製)
カオリン(商品名:コンツアー1500、イメリス社製)50部及び軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−221BM、奥多摩工業社製、カルサイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子がロゼッタ型に二次凝集したもの、平均二次粒子径:8μm)50部に加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作製した。この顔料スラリーに、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品加工社製)3.5部及びスチレンブタジエンラテックス(商品名:PA0372、日本エイアンドエル社製)7.5部と、微カチオン性高分子として変性ポリアミン系樹脂(商品名:PA629、カチオン化度0.05meq/g、星光PMC社製)0.05部とを加えてインク受容層用塗工液を調製した。
(インクジェット記録用紙の作製)
上記で得られた基紙の両面に、インク受容層用塗工液を、片面当たりの乾燥塗工量が10g/mになるようにブレードコーターを用いて塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が80g/mのインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例2)
実施例1において、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−221BM、奥多摩工業社製)50部を、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−121SA、奥多摩工業社製、カルサイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子がロゼッタ型に二次凝集したもの、平均二次粒子径:7μm)50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例3)
実施例1において、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−221BM、奥多摩工業社製)50部を、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−123FS、奥多摩工業社製、アラゴナイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子がロゼッタ型に二次凝集したもの、平均二次粒子径:7μm)50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例4)
実施例1において、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−221BM、奥多摩工業社製)50部を、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−NPF、奥多摩工業社製、カルサイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子がロゼッタ型に二次凝集したもの、平均二次粒子径:6μm)50部に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例5)
(インク受容層用塗工液の調製)
カオリン(商品名:コンツアー1500、イメリス社製)58部、重質炭酸カルシウム(商品名:カービタル90、イメリス社製)10部、軽質炭酸カルシウムの一次粒子(商品名:TP−123CS、奥多摩工業社製、アラゴナイト型、平均一次粒子径:0.17μm)20部及び軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−121SA、奥多摩工業社製、カルサイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子がロゼッタ型に二次凝集したもの、平均二次粒子径:7μm)12部に加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作製した。この顔料スラリーに、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品加工社製)3.5部及びスチレンブタジエンラテックス(商品名:PA0372、日本エイアンドエル社製)7.5部と、微カチオン性高分子としてポリアクリルアミド樹脂(商品名:フロックスターESC51、カチオン化度1.2meq/g、三晶株式会社製)0.05部とを加えてインク受容層用塗工液を調製した。
(インクジェット記録用紙の作製)
実施例1と同様の方法で作製した基紙の両面に、前記インク受容層用塗工液を片面当たりの乾燥塗工量が10g/mになるようにブレードコーターを用いて塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が80g/mのインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例6)
(インク受容層用塗工液の調製)
カオリン(商品名:コンツアー1500、イメリス社製)65部、軽質炭酸カルシウムの一次粒子(商品名:TP−123CS、奥多摩工業社製、アラゴナイト型、平均一次粒子径:0.17μm)28部及び軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−121SA、奥多摩工業社製、カルサイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子がロゼッタ型に二次凝集したもの、平均二次粒子径:7μm)7部に加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作製した。この顔料スラリーに、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品加工社製)3.5部及びスチレンブタジエンラテックス(商品名:PA0372、日本エイアンドエル株式会社)7.5部と、微カチオン性高分子として変性ポリアミド系樹脂(商品名:Sumirez Resin SPI−203(50)H、カチオン化度3.0meq/g、田岡化学社製)0.05部とを加えてインク受容層用塗工液を調製した。
(インクジェット記録用紙の作製)
実施例1と同様の方法で作製した基紙の両面に、前記インク受容層用塗工液を片面当たりの乾燥塗工量が10g/mになるようにブレードコーターを用いて塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が80g/mのインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例7)
(インク受容層用塗工液の調製)
カオリン(商品名:コンツアー1500、イメリス社製)58部、重質炭酸カルシウム(商品名:カービタル90、イメリス社製)10部、軽質炭酸カルシウムの一次粒子(商品名:TP−123CS、奥多摩工業社製、アラゴナイト型、平均一次粒子径:0.17μm)20部及び軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:Tunex−E、白石工業社製、カルサイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子がロゼッタ型に二次凝集したもの、平均二次粒子径:5μm)12部に加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作成した。この顔料スラリーに、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品加工社製)3.5部及びスチレンブタジエンラテックス(商品名:PA0372、日本エイアンドエル社製)7.5部と、微カチオン性高分子として変性ポリアミン系樹脂(商品名:PA629、カチオン化度0.05meq/g、星光PMC社製)1.0部とを加えてインク受容層用塗工液を調製した。
(インクジェット記録用紙の作製)
実施例1と同様の方法で作製した基紙の両面に、前記インク受容層用塗工液を片面当たりの乾燥塗工量が10g/mになるようにブレードコーターを用いて塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が80g/mのインクジェット記録用紙を作製した。
(実施例8)
(インク受容層用塗工液の調製)
カオリン(商品名:コンツアー1500、イメリス社製)53部、軽質炭酸カルシウムの一次粒子(商品名:TP−123CS、奥多摩工業社製、アラゴナイト型、平均一次粒子径:0.17μm)42部及び軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−NPF、奥多摩工業社製、カルサイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子がロゼッタ型に二次凝集したもの、平均二次粒子径:6μm)5部に加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作製した。この顔料スラリーに、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(商品名:MS4600、日本食品加工社製)3.5部及びスチレンブタジエンラテックス(商品名:PA0372、日本エイアンドエル社製)7.5部と、微カチオン性高分子として変性ポリアミン系樹脂(商品名:PA629、カチオン化度0.05meq/g、星光PMC社製)2.0部とを加えてインク受容層用塗工液を調製した。
(インクジェット記録用紙の作製)
実施例1と同様の方法で作製した基紙の両面に、前記インク受容層用塗工液を片面当たりの乾燥塗工量が10g/mになるようにブレードコーターを用いて塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が80g/mのインクジェット記録用紙を作製した。
(比較例1)
実施例1において、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−221BM、奥多摩工業社製)50部を、軽質炭酸カルシウムの一次粒子(商品名:TP−SO10、奥多摩工業社製、カルサイト型、平均一次粒子径:10μm)50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(比較例2)
実施例1において、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−221BM、奥多摩工業社製)50部を、軽質炭酸カルシウムの一次粒子(商品名:TP−121MS、奥多摩工業社製、カルサイト型、平均一次粒子径:1.7μm)50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(比較例3)
実施例1において、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体(商品名:TP−221BM、奥多摩工業社製)50部を、軽質炭酸カルシウムの一次粒子(商品名:TP−221F、奥多摩工業社製、カルサイト型、平均一次粒子径:0.21μm)50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(比較例4)
実施例1において、微カチオン性高分子である変性ポリアミン系樹脂(商品名:PA629、カチオン化度0.05meq/g、星光PMC社製)を無添加とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(比較例5)
実施例1において、微カチオン性高分子の代わりに、インクジェットインク用定着剤であるカチオン性ポリアミジン系樹脂(商品名:ハイマックスSC−700L、カチオン化度4.5meq/g、ハイモ社製)0.05部を添加したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
各実施例及び比較例で得られたインクジェット記録用紙について、以下に示す方法により評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(1)インクの乾燥性評価
インクジェットプリンター(製品名:PX−401A、EPSON社製)を用いてインクジェット記録用紙にベタ印字を行い、印字後に印字部分にPPC用紙を重ねて手で擦りつけ、PPC用紙に転写したインクの転写量を目視で確認し、5段階で評価した。インクの転写量が最も少なく乾燥性の最も良好なものを5とし、インクの転写量が最も多く乾燥性の最も悪いものを1とし、2〜5の評価のものを合格、1の評価のものを不合格とした。
(2)インク受容層の強度
得られたインクジェット記録用紙にオフセット印刷を行い、印刷終了後のブランケット汚れを評価した。塗工層強度が低くなるほど、ブランケットが汚れやすい。
◎:ブランケット汚れが全くなく、実用できる。合格。
○:ブランケット汚れが僅かに発生するが、実用できる。合格。
△:ブランケット汚れが発生し、実用不可。不合格。
×:ブランケット汚れが著しく発生し、実用不可。不合格。
Figure 0006301241
Figure 0006301241
表1から明らかなように、実施例1〜8で得られたインクジェット記録用紙は、インク乾燥性及び塗工層強度を満足できるものであった。これに対し、比較例1〜3で得られたインクジェット記録用紙は軽質炭酸カルシウムの二次凝集体がインク受容層に含有されていないために、インク乾燥性を満足できないものであった。比較例4で得られたインクジェット記録用紙は微カチオン性高分子がインク受容層に含有されていないために、インク乾燥性を満足できないものであった。比較例5で得られたインクジェット記録用紙は、微カチオン性高分子ではなく、カチオン化度の高いインクジェットインク用定着剤がインク受容層に含有されているために塗工層強度に劣った。

Claims (9)

  1. 基紙の少なくとも片面に、顔料及びバインダーを含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、
    前記インク受容層は、前記顔料として軽質炭酸カルシウムの二次凝集体を含有し、かつ、微カチオン性高分子を含有し、該微カチオン性高分子のカチオン化度が0meq/gを超え3.00meq/g以下であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記軽質炭酸カルシウムの二次凝集体のBET比表面積が7m/g以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記顔料100質量部のうち、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体を5質量部以上含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 前記微カチオン性高分子の含有量が、前記インク受容層中の顔料100質量部に対して0.01〜3.00質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のインクジェット記録用紙。
  5. 前記軽質炭酸カルシウムの二次凝集体は、カルサイト型又はアラゴナイト型の軽質炭酸カルシウムの一次粒子が二次凝集して形成され、いがくり状(ロゼッタ型)の形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のインクジェット記録用紙。
  6. 前記インク受容層は、前記顔料として軽質炭酸カルシウムの一次粒子を更に含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェット記録用紙。
  7. 前記インク受容層は、顔料としてシリカを含有していないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のインクジェット記録用紙。
  8. 前記インク受容層は、前記顔料100質量部に対して前記軽質炭酸カルシウムの二次凝集体を5〜15質量部含有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のインクジェット記録用紙。
  9. 前記インク受容層は、前記顔料100質量部に対して前記バインダーを5〜40質量部含有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のインクジェット記録用紙。
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