JP2005271343A - 耐オゾン性に優れたインクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 染料インクと顔料インクのいずれにも適し、画像品質に優れるとともに、耐オゾン性にも優れたインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】 支持体の表面に無機微粒子と水溶性結着剤とを含むインク受理層が設けられているインクジェット記録媒体であって、無機微粒子は二次粒子径5〜20μmの合成非晶質シリカと一次粒子径5〜40nmのコロイダルシリカを主体とし、インク受理層は塩化セリウムを0.005〜0.5g/m2含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体の表面に無機微粒子と水溶性結着剤とを含むインク受理層が設けられているインクジェット記録媒体であって、無機微粒子は二次粒子径5〜20μmの合成非晶質シリカと一次粒子径5〜40nmのコロイダルシリカを主体とし、インク受理層は塩化セリウムを0.005〜0.5g/m2含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録媒体に関し、特に保存性に優れたインクジェット記録媒体に関する。
従来、インクジェット記録用のインクとして、画像鮮明性やインク吐出安定性、プリンタヘッド詰りが少ないことから水溶性染料インクが使用されてきたが、染料インクは画像の保存性(耐オゾン性、耐紫外線性等)が低いという問題がある。そこで、近年、保存性の高い顔料インクが普及しつつある。染料インクと顔料インクはそれぞれインクの定着機構が異なるため、例えば染料インク印字に適した記録媒体は、顔料インク印字には不適である等の問題がある。そのため、いずれのインクにも適したインクジェット記録媒体の開発が要望されている。
一方、インクジェット記録画像の品質が銀塩写真に匹敵するようになると、写真の代用としてインクジェット記録画像を長期間保存することが必要になり、画像の耐オゾン性、耐光性が問題視されてくる。
そこで、支持体上に形成したインク受容層(インク受理層)に、2価以上の水溶性金属塩を含ませ、耐光性を向上させる技術が報告されている(例えば、特許文献1参照)。この技術においては、水溶性金属塩として、典型元素の塩が開示されている。又、支持体上にインク受理層を形成し、さらにその上に紫外線吸収剤を含む透明高分子膜を被覆する技術が報告されている(例えば、特許文献2参照)。この技術においては、紫外線吸収剤として、酢酸セリウムが開示されている。
そこで、支持体上に形成したインク受容層(インク受理層)に、2価以上の水溶性金属塩を含ませ、耐光性を向上させる技術が報告されている(例えば、特許文献1参照)。この技術においては、水溶性金属塩として、典型元素の塩が開示されている。又、支持体上にインク受理層を形成し、さらにその上に紫外線吸収剤を含む透明高分子膜を被覆する技術が報告されている(例えば、特許文献2参照)。この技術においては、紫外線吸収剤として、酢酸セリウムが開示されている。
ところで、希土類元素であるセリウム塩は、インクジェット記録媒体において各種用途に使用されており、染料インクを定着して滲みを防止する媒染剤に用いる技術(例えば、特許文献3参照)、顔料インクの発色性向上に用いる技術(例えば、特許文献4参照)、が開示されている。
ところで、通常、写真は室内に飾られるが、例えばテレビ、パーソナルコンピュータや電化製品から発する電磁波により、室内にオゾンが発生することが近年わかってきた。従って、インクジェット記録画像の保存において、以前にもまして耐オゾン性が求められている。
しかしながら、上記特許文献1記載の技術の場合、耐光性(耐紫外線性)を向上できるものの、耐オゾン性の向上は実現できない。そして、耐光性と耐オゾン性が生じるメカニズムは同一ではない。
上記特許文献2記載の技術の場合、インク受理層の上にさらに皮膜を設ける必要があり、生産性、インク吸収性に問題がある。
又、上記特許文献3記載の技術は、そもそも、染料インク用のインクジェット記録媒体であり、染料インクと顔料インクのいずれにも適したインクジェット記録媒体の実現には至っていない。又、媒染体は染料と結合して滲みを防止するが、その分、発色性が低下する問題がある。
さらに、上記特許文献4記載の技術は、顔料インク用のインクジェット記録媒体であるが、高速印字を目的とする普通紙(上質紙)タイプのものであって、高品質画像を得るために必須のインク受理層を備えていない。
従って、本発明の目的は、染料インクと顔料インクのいずれにも適し、画像品質に優れるとともに、耐オゾン性にも優れたインクジェット記録媒体を提供することにある。
しかしながら、上記特許文献1記載の技術の場合、耐光性(耐紫外線性)を向上できるものの、耐オゾン性の向上は実現できない。そして、耐光性と耐オゾン性が生じるメカニズムは同一ではない。
上記特許文献2記載の技術の場合、インク受理層の上にさらに皮膜を設ける必要があり、生産性、インク吸収性に問題がある。
又、上記特許文献3記載の技術は、そもそも、染料インク用のインクジェット記録媒体であり、染料インクと顔料インクのいずれにも適したインクジェット記録媒体の実現には至っていない。又、媒染体は染料と結合して滲みを防止するが、その分、発色性が低下する問題がある。
さらに、上記特許文献4記載の技術は、顔料インク用のインクジェット記録媒体であるが、高速印字を目的とする普通紙(上質紙)タイプのものであって、高品質画像を得るために必須のインク受理層を備えていない。
従って、本発明の目的は、染料インクと顔料インクのいずれにも適し、画像品質に優れるとともに、耐オゾン性にも優れたインクジェット記録媒体を提供することにある。
本発明者等は上記課題について鋭意検討した結果、インク受理層に含まれる無機微粒子を特定のものにし、さらにインク受理層に塩化セリウムを含ませることで、前記課題を解決することができた。つまり、塩化セリウムを含有することで、顔料インクの発色が向上し、耐オゾン性が向上する。一方、塩化セリウムは染料インクの発色を阻害するが、インク受理層の無機微粒子を規定することで層の透明度が上昇し、染料インクの発色性が向上すると考えられる。
すなわち、本発明の耐オゾン性に優れたインクジェット記録媒体は、支持体の表面に無機微粒子と水溶性結着剤とを含むインク受理層が設けられ、前記無機微粒子は二次粒子径5〜20μmの合成非晶質シリカと一次粒子径5〜40nmのコロイダルシリカを主体とし、前記インク受理層は塩化セリウムを0.005〜0.5g/m2含有することを特徴とする。
前記インク受理層側の75度鏡面光沢度が15%以下であることが好ましく、前記合成非晶質シリカとコロイダルシリカの含有割合が質量比で98:2〜60:40であることが好ましい。
本発明によれば、染料インクと顔料インクのいずれにも適し、画像品質に優れるとともに、耐オゾン性にも優れたインクジェット記録媒体が得られる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、支持体の表面にインク受理層が設けられ、インク受理層が塩化セリウムを含有するものである。
<支持体>
支持体は特に制限されるものではなく、木材繊維(パルプ)主体の紙、またはポリエチレンなどのプラスチック類、もしくは木材繊維や合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質が挙げられる。紙の場合は、サイズ剤や填料を添加してもしなくてもよく、サイズプレスの有無も何等制限しない。本発明においては、特にインク吸収性に優れる紙を支持体として使用することが望ましい。
紙支持体を構成する木材パルプとしてはLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを単独使用又は併用することが可能である。
支持体は特に制限されるものではなく、木材繊維(パルプ)主体の紙、またはポリエチレンなどのプラスチック類、もしくは木材繊維や合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質が挙げられる。紙の場合は、サイズ剤や填料を添加してもしなくてもよく、サイズプレスの有無も何等制限しない。本発明においては、特にインク吸収性に優れる紙を支持体として使用することが望ましい。
紙支持体を構成する木材パルプとしてはLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを単独使用又は併用することが可能である。
また、支持体に、サイズ剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、保水剤、pH調整剤、有機微粒子などを必要に応じ適宜含有させることもできる。
支持体の製造は、上記パルプに対し、必要に応じて従来公知の填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等の各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機にて紙匹を形成した後、乾燥させて行うことができる。
支持体の製造は、上記パルプに対し、必要に応じて従来公知の填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等の各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機にて紙匹を形成した後、乾燥させて行うことができる。
<塩化セリウム>
塩化セリウムは、後述するインク受理層に含有される。塩化セリウムは水和物であることが好ましい。塩化セリウムは顔料インク、特にフタロシアニン銅を主とするシアン顔料インクの定着効果が高く、又、インクジェット画像の耐オゾン性が高い。一方、塩化セリウムは染料インクの発色を阻害する傾向にあるので、後述するインク受理層の無機微粒子を規定することで染料インクの発色性を改善させる。
塩化セリウムは、後述するインク受理層に含有される。塩化セリウムは水和物であることが好ましい。塩化セリウムは顔料インク、特にフタロシアニン銅を主とするシアン顔料インクの定着効果が高く、又、インクジェット画像の耐オゾン性が高い。一方、塩化セリウムは染料インクの発色を阻害する傾向にあるので、後述するインク受理層の無機微粒子を規定することで染料インクの発色性を改善させる。
インク受理層中の塩化セリウムの含有量は0.005〜0.5g/m2とし、好ましくは0.01〜0.3g/m2とする。塩化セリウムの含有量が0.005g/m2未満であると、顔料インクの発色性向上効果が得られず、0.5g/m2を越えると、染料インクの発色性が低下したり、白紙部分が黄変する。
なお、セリウム以外の金属塩、酸化防止剤は本発明の効果を損なわない範囲で使用してもよい。又、塩化セリウムは耐オゾン性を向上させるが、さらに紫外線吸収作用のある酸化セリウムや他の公知の紫外線吸収剤を配合してもよい。このようにすると、耐オゾン性と耐光性を兼備することができる。
なお、セリウム以外の金属塩、酸化防止剤は本発明の効果を損なわない範囲で使用してもよい。又、塩化セリウムは耐オゾン性を向上させるが、さらに紫外線吸収作用のある酸化セリウムや他の公知の紫外線吸収剤を配合してもよい。このようにすると、耐オゾン性と耐光性を兼備することができる。
<インク受理層>
インク受理層は、無機微粒子と水溶性結着剤とを含み、支持体の片面又は両面に形成されてインクジェット記録面となる。
インク受理層は、無機微粒子と水溶性結着剤とを含み、支持体の片面又は両面に形成されてインクジェット記録面となる。
1 無機微粒子
無機微粒子は、二次粒子径5〜20μmの合成非晶質シリカと一次粒子径5〜40nmのコロイダルシリカを含む。
無機微粒子は、二次粒子径5〜20μmの合成非晶質シリカと一次粒子径5〜40nmのコロイダルシリカを含む。
合成非晶質シリカは、通常、珪酸ナトリウムと硫酸の中和反応で形成され、その製造方法により機能性フィラーとして様々な性質に分けることができる。合成非晶質シリカの平均二次粒子径は3〜20μm、好ましくは7〜15μmであることが必要である。平均二次粒子径が3μmより小さいと、染料インクの画像鮮明性が低下し、又、インク受理層の表面強度が低下する。平均二次粒子径が20μmより大きいと、染料インク及び顔料インクの画像鮮明性が低下し、又、インク吸収性が悪化する。上記平均二次粒子径は、コールターカウンター(例えば、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて測定することができる。
合成非晶質シリカとしては、JIS−K−5101で規定された吸油量が180〜400ml/100gのものを用いるのが望ましい。吸油量が180ml/100g未満であると、染料インクの発色性やインク吸収性が悪化することがある。吸油量が400ml/100gを超えると、合成非晶質シリカの硬度が低下してインク受理層が柔らかくなるため、記録媒体への鉛筆筆記が困難になる。より好ましくは、合成非晶質シリカの吸油量を200〜350ml/100gとする。
合成非晶質シリカとしては、JIS−K−5101で規定された吸油量が180〜400ml/100gのものを用いるのが望ましい。吸油量が180ml/100g未満であると、染料インクの発色性やインク吸収性が悪化することがある。吸油量が400ml/100gを超えると、合成非晶質シリカの硬度が低下してインク受理層が柔らかくなるため、記録媒体への鉛筆筆記が困難になる。より好ましくは、合成非晶質シリカの吸油量を200〜350ml/100gとする。
コロイダルシリカは、湿式法で合成された一次粒子径数nm〜100nm程度の合成シリカをいい、凝集して非球状の二次粒子となる場合も含まれる。また、球状のコロイダルシリカ粒子の表面にアクリル系高分子を結合させたコア/シェル構造の粒子を水性溶媒中に分散させた水性分散体もコロイダルシリカに含まれる。
本発明においては、上記コロイダルシリカの一次粒子径を5〜40nmとする。一次粒子径が5nm未満の場合、塗工液が増粘することがあり、40nmを越えると、インク受理層の透明性が低下し、染料インクの発色が低下する。好ましくは、分散状態でのコロイダルシリカの形態が鎖状又は会合状(会合性)のものが好ましい。二次凝集していない球状のものや、いわゆるパールネックレス状のコロイダルシリカの場合、鎖状および会合状のものと比較して染料インクの発色性が低くなる傾向があるため好ましくない。コロイダルシリカの一次粒子径は、窒素吸着法(BET法)により求めた。
本発明においては、上記コロイダルシリカの一次粒子径を5〜40nmとする。一次粒子径が5nm未満の場合、塗工液が増粘することがあり、40nmを越えると、インク受理層の透明性が低下し、染料インクの発色が低下する。好ましくは、分散状態でのコロイダルシリカの形態が鎖状又は会合状(会合性)のものが好ましい。二次凝集していない球状のものや、いわゆるパールネックレス状のコロイダルシリカの場合、鎖状および会合状のものと比較して染料インクの発色性が低くなる傾向があるため好ましくない。コロイダルシリカの一次粒子径は、窒素吸着法(BET法)により求めた。
ここで、鎖状コロイダルシリカとは、一次粒子が数個ないし十数個鎖状に連結した形状で、一次粒子に対する二次粒子の比が2.5よりも大きいものをいう。鎖状とは、通常、一次粒子が長手方向直列に連結し、短手方向には連結しないものが例示され、又、2つの鎖が交差(例えば、十文字に結合)したものも含む。会合状コロイダルシリカとは、一次粒子が数個(10個未満)結合した形状で、一次粒子に対する二次粒子の比が1.5〜2.5であり、パールネックレス状コロイダルシリカとは、数個ないし十数個の一次粒子がネックレスのように環状に凝集したコロイダルシリカをいう。
又、インク受理層中の合成非晶質シリカとコロイダルシリカの含有割合を、質量比で98:2〜60:40(合成非晶質シリカ:コロイダルシリカ)とすると、染料インク及び顔料インクの発色性が向上するので、好ましい。より好ましくは、上記比を80:20〜60:40、最も好ましくは、上記比を90:10〜70:30とする。コロイダルシリカの含有割合が2%未満の場合、染料インクの発色性向上効果が小さく、40%を越えると、インク受理層中の空隙が減少し、染料インクと顔料インクのインク吸収性がいずれも減少する傾向にある。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、通常使用される無機微粒子(例えば炭酸カルシウム、カオリン、アルミナ等)を混合することも可能である。ただし、コロイダルシリカと合成非晶質シリカ以外の無機微粒子は、無機微粒子全体に対し10質量%未満の割合で配合することが好ましく、5質量%未満の割合で配合することがより好ましい。
2 水溶性結着剤
インク受理層には、塗膜としての特性を維持するために水溶性結着剤を含有する。水溶性結着剤は、例えばポリビニルアルコール及びその変性物、酸化デンプン、エーテル化デンプン、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、カルボキシメチルセルロース、SBラテックス、NBラテックス、アクリルラテックス、酢酸ビニル重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル系ラテックス、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂等のうち一種以上が使用できる。水溶性結着剤の配合割合は、上記無機微粒子100質量部に対し、5〜60質量部であることが好ましい。配合割合が5質量部未満であると、インク受理層の表面強度が不充分となり、60質量部を超えるとインク吸収性が不充分となる。
インク受理層には、塗膜としての特性を維持するために水溶性結着剤を含有する。水溶性結着剤は、例えばポリビニルアルコール及びその変性物、酸化デンプン、エーテル化デンプン、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、カルボキシメチルセルロース、SBラテックス、NBラテックス、アクリルラテックス、酢酸ビニル重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル系ラテックス、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂等のうち一種以上が使用できる。水溶性結着剤の配合割合は、上記無機微粒子100質量部に対し、5〜60質量部であることが好ましい。配合割合が5質量部未満であると、インク受理層の表面強度が不充分となり、60質量部を超えるとインク吸収性が不充分となる。
3 その他の成分
インク受理層にその他の成分を含有してもよく、例えば、カチオン性水溶性樹脂を含有してもよい。カチオン性水溶性樹脂は、負に帯電している染料インクをインク受理層中で捕捉することで、画像保存性(特に耐水性)を改善すると考えられる。カチオン性水溶性樹脂は無機微粒子100質量部に対して、3〜30質量部添加するのが好ましい。
インク受理層にその他の成分を含有してもよく、例えば、カチオン性水溶性樹脂を含有してもよい。カチオン性水溶性樹脂は、負に帯電している染料インクをインク受理層中で捕捉することで、画像保存性(特に耐水性)を改善すると考えられる。カチオン性水溶性樹脂は無機微粒子100質量部に対して、3〜30質量部添加するのが好ましい。
カチオン性水溶性樹脂としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン、四級アンモニウム塩及び環状アミン、又は、これらの塩を単量体とした高分子化合物が挙げられる。具体例としては、ビニルイミン、アルキルアミン、アルキレンアミン、ビニルアミン、アリルアミン、脂環式アミン、エピハロヒドリン、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、ジアリルジメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、アミドアミン、アミジン等を単量体とするカチオン性水溶性樹脂である、いわゆる、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等が挙げられる。又、これらのカチオン性水溶性樹脂を2種以上併用することができる。
特にカチオン性水溶性樹脂として、ジアルキル(アルキレン)アミンエピハロヒドリン、及びジアリルジメチルアンモニウム塩の縮合体(ホモポリマー)、共重合体、及び誘導体を用いると、染料インクと顔料インクのいずれを用いても印字品質に優れ、とりわけ印字濃度や耐水性が向上する。
また、インク受理層に、サイズ剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、保水剤、pH調整剤、有機微粒子などを必要に応じ適宜含有させることもできる。
4 インク受理層の層構成
インク受理層は複数層設けてもよい。この場合、各層の成分を変化させてもよく、同一としてもよい。但し、後者の場合、製造工程では複数回の塗工がなされるが、塗工後のものは1層とみなされる。インク受理層を支持体の片面に設けた場合は、カール矯正あるいは搬送性改良等の目的で、支持体の反対側面に塗工層を設けることも可能である。さらに、インク受理層と支持体の間に1層以上の中間層を設けることも可能である。中間層の組成は目的に応じて特に制限されないが、無機微粒子と水溶性結着剤とカチオン性樹脂を主成分として含有する層であることが好ましい。
インク受理層は複数層設けてもよい。この場合、各層の成分を変化させてもよく、同一としてもよい。但し、後者の場合、製造工程では複数回の塗工がなされるが、塗工後のものは1層とみなされる。インク受理層を支持体の片面に設けた場合は、カール矯正あるいは搬送性改良等の目的で、支持体の反対側面に塗工層を設けることも可能である。さらに、インク受理層と支持体の間に1層以上の中間層を設けることも可能である。中間層の組成は目的に応じて特に制限されないが、無機微粒子と水溶性結着剤とカチオン性樹脂を主成分として含有する層であることが好ましい。
5 インク受理層の塗工
インク受理層は、通常は塗工によって形成することができる。塗工量(乾燥塗工量)は1〜20g/m2が好ましく、1〜15g/m2がより好ましく、最も好ましくは3〜15g/m2である。塗工量が1g/m2未満であると、顔料インクの発色性が低下したり、染料インクの吸収性が低下し、インクジェット印字品質が劣化することがある。
支持体表面に設けられる塗工層(インク受理層以外の塗工層も含む場合はそれを合わせたもの)の全塗工量(乾燥塗工量)は、支持体片面当り20g/m2以下であることが好ましく、15g/m2以下がより好ましい。塗工量が20g/m2を超えると、インク受理層と支持体間の接着強度が実用に耐えられない程低下し、支持体からの塗工層の剥離(粉落ち)が発生することがある。
インク受理層は、通常は塗工によって形成することができる。塗工量(乾燥塗工量)は1〜20g/m2が好ましく、1〜15g/m2がより好ましく、最も好ましくは3〜15g/m2である。塗工量が1g/m2未満であると、顔料インクの発色性が低下したり、染料インクの吸収性が低下し、インクジェット印字品質が劣化することがある。
支持体表面に設けられる塗工層(インク受理層以外の塗工層も含む場合はそれを合わせたもの)の全塗工量(乾燥塗工量)は、支持体片面当り20g/m2以下であることが好ましく、15g/m2以下がより好ましい。塗工量が20g/m2を超えると、インク受理層と支持体間の接着強度が実用に耐えられない程低下し、支持体からの塗工層の剥離(粉落ち)が発生することがある。
インク受理層と支持体の間に中間層を塗工して形成する場合、この中間層の塗工量(中間層が複数ある場合はその合計)は7〜19g/m2であることが望ましい。この場合、最表層となるインク受理層の塗工量は1〜13g/m2であることが好ましく、3〜10g/m2がより好ましい。
インク受理層及び中間インク層は、一般的な塗工装置である各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、ショートドゥエルコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン又はオフマシンで使用して塗工することができる。
さらに、インク受理層を塗工する前の支持体(若しくは中間層)、又は塗工後のインク受理層に対し、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置で表面処理を施すことも可能である。
インク受理層及び中間インク層は、一般的な塗工装置である各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、ショートドゥエルコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン又はオフマシンで使用して塗工することができる。
さらに、インク受理層を塗工する前の支持体(若しくは中間層)、又は塗工後のインク受理層に対し、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置で表面処理を施すことも可能である。
<インク受理層の光沢度>
インク受理層表面の75度鏡面光沢度は、特に制限はないが、15%以下のマット調のインクジェット記録媒体とした場合に、本発明の効果が大となる。つまり、インク受理層表面をマット調にすると表面が凹凸となって表面積が大きくなり、オゾンによって劣化し易くなるが、耐オゾン性が確保された本発明の場合は、オゾン劣化の問題が少なくなる。又、75度鏡面光沢度が15%を超え、マット調とならない場合、顔料インク中の色材顔料が表面に定着し難くなる傾向がある。
インク受理層表面の75度鏡面光沢度は、特に制限はないが、15%以下のマット調のインクジェット記録媒体とした場合に、本発明の効果が大となる。つまり、インク受理層表面をマット調にすると表面が凹凸となって表面積が大きくなり、オゾンによって劣化し易くなるが、耐オゾン性が確保された本発明の場合は、オゾン劣化の問題が少なくなる。又、75度鏡面光沢度が15%を超え、マット調とならない場合、顔料インク中の色材顔料が表面に定着し難くなる傾向がある。
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
<支持体の製造>
広葉樹漂白クラフトパルプ100%を叩解して濾水度を350mlに調製したパルプ100部に、炭酸カルシウム15部、カチオン化澱粉1部、アニオン化ポリアクリルアミド0.3部、及びアルキルケテンダイマー0.5部を添加し、長網抄紙機で抄造乾燥した後マシンカレンダー処理を行い、坪量157g/m2の支持体を製造した。
広葉樹漂白クラフトパルプ100%を叩解して濾水度を350mlに調製したパルプ100部に、炭酸カルシウム15部、カチオン化澱粉1部、アニオン化ポリアクリルアミド0.3部、及びアルキルケテンダイマー0.5部を添加し、長網抄紙機で抄造乾燥した後マシンカレンダー処理を行い、坪量157g/m2の支持体を製造した。
<インク受理層の形成>
コロイダルシリカ(扶桑化学製、1次平均粒子径30nm、二次平均粒子径60nm、会合状)10部、合成非晶質シリカ(ファインシールX−12 トクヤマ製:平均二次粒子径10μm、吸油量240ml/100g)90部、ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製)25部、エチレン酢酸ビニルエマルジョン(スミカフレックス401、住友化学製)4部、スチレンブタジエンラテックス(LX438C、日本ゼオン製)4部、塩化セリウム7水和物(和光純薬製)3部、カチオン水溶性樹脂(PAS−H−10L、日東紡績製)6部、及び希釈水等を適宜添加し、固形分が22%の塗工液を調製した。バーブレードコーターを用い、乾燥塗工量が10g/m2となるようにして上記塗工液を支持体の片面に塗工し、インク受理層を形成し、インクジェット記録媒体を得た。塩化セリウムの塗工量は0.20g/m2であった。
コロイダルシリカ(扶桑化学製、1次平均粒子径30nm、二次平均粒子径60nm、会合状)10部、合成非晶質シリカ(ファインシールX−12 トクヤマ製:平均二次粒子径10μm、吸油量240ml/100g)90部、ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製)25部、エチレン酢酸ビニルエマルジョン(スミカフレックス401、住友化学製)4部、スチレンブタジエンラテックス(LX438C、日本ゼオン製)4部、塩化セリウム7水和物(和光純薬製)3部、カチオン水溶性樹脂(PAS−H−10L、日東紡績製)6部、及び希釈水等を適宜添加し、固形分が22%の塗工液を調製した。バーブレードコーターを用い、乾燥塗工量が10g/m2となるようにして上記塗工液を支持体の片面に塗工し、インク受理層を形成し、インクジェット記録媒体を得た。塩化セリウムの塗工量は0.20g/m2であった。
上記塗工液において、コロイダルシリカの配合量を25部とし、合成非晶質シリカの配合量を75部としたこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
上記塗工液において、上記コロイダルシリカに代え、別のコロイダルシリカ(日産化学工業製、一次平均粒子径25nm、二次平均粒子径250nm、会合状)10部と、上記合成非晶質シリカに代え、別の合成非晶質シリカ(AY−601 日本シリカ製、平均二次粒子径6μm、吸油量300ml/100g)90部とを配合し、上記塩化セリウムに代え、塩化セリウム7水和物(第一稀元素化学製)を配合したこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
上記塗工液において、コロイダルシリカの配合量を50部とし、合成非晶質シリカの配合量を50部としたこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例1>
上記塗工液において、コロイダルシリカを配合せずに合成非晶質シリカを100部配合し、塩化セリウム7水和物を配合しなかったこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
上記塗工液において、コロイダルシリカを配合せずに合成非晶質シリカを100部配合し、塩化セリウム7水和物を配合しなかったこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例2>
上記塗工液において、塩化セリウム7水和物を配合しなかったこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
上記塗工液において、塩化セリウム7水和物を配合しなかったこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例3>
上記塗工液において、塩化セリウム7水和物の配合量を10部としたこと以外は実施例3とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。塩化セリウムの塗工量は0.66g/m2であった。
上記塗工液において、塩化セリウム7水和物の配合量を10部としたこと以外は実施例3とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。塩化セリウムの塗工量は0.66g/m2であった。
<比較例4>
上記塗工液において、塩化セリウム7水和物を配合せず、代わりに硫酸マグネシウム(和光純薬製)を3部配合したこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
上記塗工液において、塩化セリウム7水和物を配合せず、代わりに硫酸マグネシウム(和光純薬製)を3部配合したこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例5>
上記塗工液において、塩化セリウム7水和物を配合せず、代わりにヒンダードフェノール系の酸化防止剤(イルガノックス1035FF、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)を3部配合したこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
上記塗工液において、塩化セリウム7水和物を配合せず、代わりにヒンダードフェノール系の酸化防止剤(イルガノックス1035FF、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)を3部配合したこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例6>
上記カラーにおいて、塩化セリウム7水和物を配合せず、代わりに塩化アルミニウム6水和物(和光純薬製)を3部配合したこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
上記カラーにおいて、塩化セリウム7水和物を配合せず、代わりに塩化アルミニウム6水和物(和光純薬製)を3部配合したこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例7>
上記カラーにおいて、さらに塩化アルミニウム6水和物(和光純薬製)を3部配合したこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
上記カラーにおいて、さらに塩化アルミニウム6水和物(和光純薬製)を3部配合したこと以外は実施例2とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<評価>
各実施例及び比較例のインクジェット記録媒体について、以下に示す評価を行った。各評価項目において、△、○の評価であれば実用に差し支えない。
各実施例及び比較例のインクジェット記録媒体について、以下に示す評価を行った。各評価項目において、△、○の評価であれば実用に差し支えない。
1. 発色性
1−1.顔料インクの発色性
所定の顔料インクを用いたインクジェットプリンター(PM−4000PX、セイコーエプソン社製の商品名)により、マイクロソフト社製の表計算ソフト「エクセル」で作成したブラック、シアン、マゼンダ、及びイエローのベタ画像を印字した。印字後の記録媒体を恒温恒湿室にて24時間放置した後、マクベス濃度計(RD915、Macbeth社製の商品名)を用いて各色の印字濃度を測定し、測定値の合計(マクベス4色計)を求めた。測定値に応じて以下の評価とした。
○:4色合計が4.70以上である。
△:4色合計が4.40以上4.70未満である。
×:4色合計が4.40未満である。
なお、プリンター付属のプリンタードライバーの設定は、用紙:「MCマット」とし、モード設定:「推奨設定(きれい)」とした。また、ブラックインクはマットブラックインクとグレーインクを組合せたものを用いた。
1−1.顔料インクの発色性
所定の顔料インクを用いたインクジェットプリンター(PM−4000PX、セイコーエプソン社製の商品名)により、マイクロソフト社製の表計算ソフト「エクセル」で作成したブラック、シアン、マゼンダ、及びイエローのベタ画像を印字した。印字後の記録媒体を恒温恒湿室にて24時間放置した後、マクベス濃度計(RD915、Macbeth社製の商品名)を用いて各色の印字濃度を測定し、測定値の合計(マクベス4色計)を求めた。測定値に応じて以下の評価とした。
○:4色合計が4.70以上である。
△:4色合計が4.40以上4.70未満である。
×:4色合計が4.40未満である。
なお、プリンター付属のプリンタードライバーの設定は、用紙:「MCマット」とし、モード設定:「推奨設定(きれい)」とした。また、ブラックインクはマットブラックインクとグレーインクを組合せたものを用いた。
1−2.染料インクの発色性
所定の染料インクを用いたインクジェットプリンター(PM−970C、セイコーエプソン社製の商品名)により、上記と同一のベタ画像を印字し、上記とまったく同様にして印字濃度を測定し、測定値の合計(マクベス4色計)を求めた。測定値に応じて以下の評価とした。
○:4色合計が6.50以上である。
△:4色合計が6.00以上6.50未満である。
×:4色合計が6.00未満である。
なお、プリンター付属のプリンタードライバーの設定は、用紙:「PMマット」とし、モード設定:「推奨設定(きれい)」とした。
所定の染料インクを用いたインクジェットプリンター(PM−970C、セイコーエプソン社製の商品名)により、上記と同一のベタ画像を印字し、上記とまったく同様にして印字濃度を測定し、測定値の合計(マクベス4色計)を求めた。測定値に応じて以下の評価とした。
○:4色合計が6.50以上である。
△:4色合計が6.00以上6.50未満である。
×:4色合計が6.00未満である。
なお、プリンター付属のプリンタードライバーの設定は、用紙:「PMマット」とし、モード設定:「推奨設定(きれい)」とした。
2. インク吸収性
マイクロソフト社製の表計算ソフト「エクセル」を用いてレッドとグリーンの各ベタ画像を隣り合わせにした画像を作成し、これを上記染料インクプリンターを用いて印字した。同様してブルーとイエローの各ベタ画像を隣り合わせにしたものを印字し、それぞれについて印字境界部の滲み具合を評価し、各評価結果を合わせたものを総合評価とした。
○:境界部が鮮明でかつ滲みが認められない。
△:境界部がやや不鮮明だが滲みは認められない。
×:境界部が不鮮明で滲みが認められる。
マイクロソフト社製の表計算ソフト「エクセル」を用いてレッドとグリーンの各ベタ画像を隣り合わせにした画像を作成し、これを上記染料インクプリンターを用いて印字した。同様してブルーとイエローの各ベタ画像を隣り合わせにしたものを印字し、それぞれについて印字境界部の滲み具合を評価し、各評価結果を合わせたものを総合評価とした。
○:境界部が鮮明でかつ滲みが認められない。
△:境界部がやや不鮮明だが滲みは認められない。
×:境界部が不鮮明で滲みが認められる。
3. 画像色調
上記染料インクプリンターを用いて日本規格協会発行の標準カラー画像データのN1画像を印字し、印字後の記録媒体を恒温恒湿室にて24時間放置した。この試料の一部分の画像について、分光色差計(日本電色工業製 NF999)におり色差を測定した。比較例1を基準試料とし、L*a*b* 表色系による色差ΔEを求めた。
○:ΔEが1未満である。
△:ΔEが1以上3未満である。
×:ΔEが3以上である。
上記染料インクプリンターを用いて日本規格協会発行の標準カラー画像データのN1画像を印字し、印字後の記録媒体を恒温恒湿室にて24時間放置した。この試料の一部分の画像について、分光色差計(日本電色工業製 NF999)におり色差を測定した。比較例1を基準試料とし、L*a*b* 表色系による色差ΔEを求めた。
○:ΔEが1未満である。
△:ΔEが1以上3未満である。
×:ΔEが3以上である。
4. 耐オゾン性
マイクロソフト社製の表計算ソフト「エクセル」を用いて、ブラック、シアン、マゼンダ、及びイエローのベタ画像を作製し、これを上記染料インクプリンターを用いて印字した。印字後の記録媒体を恒温恒湿室にて24時間放置した。この試料を、オゾン発生器(メカジェニック製 ZNW−2000)によりオゾン濃度10〜15ppmとし、23℃、50%RHとした環境下に5時間静置した。マクベス濃度計(商品名:RD915、Macbeth社製)を用い、静置前後の各試料における各色の印字濃度を測定し、各色の印字濃度の減少率の平均値を以下の評価基準で分類した。
○:減少率が5%未満である。
△:減少率が10%未満で5%以上である。
×:減少率が10%以上である。
マイクロソフト社製の表計算ソフト「エクセル」を用いて、ブラック、シアン、マゼンダ、及びイエローのベタ画像を作製し、これを上記染料インクプリンターを用いて印字した。印字後の記録媒体を恒温恒湿室にて24時間放置した。この試料を、オゾン発生器(メカジェニック製 ZNW−2000)によりオゾン濃度10〜15ppmとし、23℃、50%RHとした環境下に5時間静置した。マクベス濃度計(商品名:RD915、Macbeth社製)を用い、静置前後の各試料における各色の印字濃度を測定し、各色の印字濃度の減少率の平均値を以下の評価基準で分類した。
○:減少率が5%未満である。
△:減少率が10%未満で5%以上である。
×:減少率が10%以上である。
5. 75度光沢度
JIS P−8142に従い、各試料のインク受理層面の75度鏡面光沢度を測定した。
JIS P−8142に従い、各試料のインク受理層面の75度鏡面光沢度を測定した。
得られた結果を表1に示す。なお、表中、「部」は質量部を示す。
表1から明らかなように、各実施例の場合、顔料インクと染料インクのいずれを用いても発色性がよく、インク吸収性及び画像色調に優れるとともに、耐オゾン性にも優れたものとなった。特に、実施例1〜3の場合、すべての評価項目が○となった。このことから、合成非晶質シリカとコロイダルシリカの含有割合を質量比で98:2〜60:40とすると好ましいことがわかる。
一方、塩化セリウムを配合しなかった比較例1,2の場合、耐オゾン性が劣化した。又、塩化セリウムの配合量が0.5g/m2を超えた比較例3の場合、染料インクの発色性、及び画像色調が劣化した。
塩化セリウムの代わりに硫酸マグネシウムを配合した比較例4の場合、及び塩化セリウムの代わりに酸化防止剤を配合した比較例5の場合、いずれも顔料インクの発色性が劣化した。
塩化セリウムの代わりに塩化アルミニウムを配合した比較例6の場合、塩化セリウムに加えて塩化アルミニウムを配合した比較例7の場合、いずれも染料インクの画像色調が劣化した。なお、比較例7の場合、耐オゾン性も劣化した。
塩化セリウムの代わりに硫酸マグネシウムを配合した比較例4の場合、及び塩化セリウムの代わりに酸化防止剤を配合した比較例5の場合、いずれも顔料インクの発色性が劣化した。
塩化セリウムの代わりに塩化アルミニウムを配合した比較例6の場合、塩化セリウムに加えて塩化アルミニウムを配合した比較例7の場合、いずれも染料インクの画像色調が劣化した。なお、比較例7の場合、耐オゾン性も劣化した。
Claims (3)
- 支持体の表面に無機微粒子と水溶性結着剤とを含むインク受理層が設けられているインクジェット記録媒体であって、前記無機微粒子は二次粒子径5〜20μmの合成非晶質シリカと一次粒子径5〜40nmのコロイダルシリカを主体とし、前記インク受理層は塩化セリウムを0.005〜0.5g/m2含有することを特徴とする耐オゾン性に優れたインクジェット記録媒体。
- 前記インク受理層側の75度鏡面光沢度が15%以下であることを特徴とする請求項1記載の耐オゾン性に優れたインクジェット記録媒体。
- 前記合成非晶質シリカとコロイダルシリカの含有割合が質量比で98:2〜60:40であることを特徴とする請求項1又は2記載の耐オゾン性に優れたインクジェット記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004086337A JP2005271343A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 耐オゾン性に優れたインクジェット記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004086337A JP2005271343A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 耐オゾン性に優れたインクジェット記録媒体 |
Publications (1)
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Family
ID=35171501
Family Applications (1)
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JP2004086337A Withdrawn JP2005271343A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 耐オゾン性に優れたインクジェット記録媒体 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005271343A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010504445A (ja) * | 2006-09-26 | 2010-02-12 | エボニック デグサ コーポレーション | 増強させた印刷性能のための多機能紙 |
JP2011110736A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Daio Paper Corp | 記録用紙 |
-
2004
- 2004-03-24 JP JP2004086337A patent/JP2005271343A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010504445A (ja) * | 2006-09-26 | 2010-02-12 | エボニック デグサ コーポレーション | 増強させた印刷性能のための多機能紙 |
JP2012136031A (ja) * | 2006-09-26 | 2012-07-19 | Evonik Degussa Corp | 増強させた印刷性能のための多機能紙 |
JP2011110736A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Daio Paper Corp | 記録用紙 |
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