JP2013240892A - インクジェット印刷用コート紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット印刷適性を持たないコート紙に、長期間の保存後も安定したインクジェット印刷適性を付与し、既存の有版印刷用コート紙と同等の外観、風合いをもった、安価なインクジェット印刷用コート紙を提供すること。
【解決手段】基紙上にコート層及びインク定着剤層を有するインクジェット印刷用コート紙であって、前記コート層は、顔料及びバインダーを主成分とし、インクジェット印刷適性を持たないものであり、前記インク定着剤層は、水溶性カチオンポリマーおよびコロイダルシリカを含み、該コロイダルシリカの含有量が水溶性カチオンポリマーに対して30質量%以上300質量%以下であり、前記水溶性カチオンポリマーの塗布量が0.2g/m以上2.0g/m以下であることを特徴とするインクジェット印刷用コート紙。
【選択図】なし

Description

本発明はオフセット方式などの有版印刷用コート紙の風合いを持つインクジェット印刷用コート紙に関する。
インクジェット記録方式は、フルカラー化が容易なことや印字騒音が少ないことなどから、印字性能の急速な向上に伴って多くの用途に利用されてきている。これらの用途として、例えば、文書作成ソフトからの文書記録、デジタル写真などのデジタル画像の記録、銀塩写真や本などの美麗な印刷体をスキャナーで取り込んでの複製、比較的少枚数のポスターなどの展示用画像作成が挙げられる。
また、これらの用途毎に適した構成のインクジェット印刷用コート紙が提案されており、例えば、単に文字を記録する場合は、紙上に直接記録する普通紙タイプの媒体が使用され、高い解像度と色再現性を得たい場合は、塗工層としてインク受容層を設けた塗工紙タイプの媒体が使用される。特に、銀塩写真に匹敵するような高い光沢度が要求される場合は、塗工タイプの塗工層をキャスト方式で形成したキャスト紙タイプの媒体などが使用される。
インクジェット記録方式の種々の分野への展開の一つとして、印刷分野が挙げられる。
従来、商業印刷分野では、主にオフセット方式などの有版印刷が用いられてきたが、有版印刷方式は版を必要とし、製版、印刷の工程を経て印刷される。一方、インクジェット記録方式は、有版印刷方式と比較すると製版する必要がないため、少ロット印刷に容易に対応できると共に安価であり、一部毎に異なる可変情報を印刷することも可能であり、色調整等の印刷機の操作に熟練の技術を必要としない等のメリットがある。
しかし、従来の印刷物に代替することを考慮すると、インクジェットによる印刷物にも有版印刷物と同等の風合いが求められ、また、通常の有版印刷用紙は、インクジェット印刷適性を持たないため、インクジェット記録をしても、有版印刷並みの印刷画像が得られない。
有版印刷用紙としては、表面にコート層を持たない非コート紙タイプの用紙と、表面にコート層を有するコート紙タイプの用紙がある。非コート紙タイプの有版印刷用紙にインクジェット記録を行った場合には、ある程度のインク吸収性を有するものの、印刷画像がにじむなどの現象が発生し、有版印刷の画像に比べ大変劣った画像しか得られない。
一方、有版印刷用コート紙は、一般に、カオリン、炭酸カルシウムなどの顔料や澱粉、各種共重合体ラテックスなどのバインダー主成分としたコート層を、基紙上に設けた顔料コート紙が用いられており、このようコート紙は、コート層の中の細孔が非常に少ないため、インクジェット記録を行った場合にインク吸収性が非常に乏しく、インクが吸収される前にインクが横方向へ拡散してしまい、印字部の境界で鳥の羽状にギザギザしたにじみが発生するフェザリングと呼ばれる問題や、印字部のインクドットが集まって粒状のムラが発生するビーディングと呼ばれる問題が発生し、印字画像が乱れてしまう問題があり、加えて、インク吸収性が乏しいため、完全にインクを吸収するにはかなりの時間を必要とする。
これらの問題に対処するために、非コート紙タイプの有版印刷用紙に各種のカチオン性インク定着剤を塗布し、インクジェット印字適性を付与した用紙が提案されている。(特許文献1、2、3、4)。これらの用紙では、塗布されたカチオン性インク定着剤がインクの成分を凝集させて、用紙表面にインクの色材成分を固定させることにより画像の乱れを防ぐものである。
有版印刷用紙にカチオン性インク定着剤を塗布しインクジェット印刷適性を付与する方法は、表面にコート層を持たない非コート紙タイプの有版印刷用紙では、良好なインクジェット印刷適性が得られるものの、表面にコート層を有する有版印刷用コート紙では、経時的にインクジェット印刷適性が悪化するため、用紙の長期保存ができない問題がある。
この現象の原因としては、有版印刷用コート紙にカチオン性インク定着剤を付与した場合には、付与後の比較的短い期間においては該定着剤が表面付近に留まっているが、経時と共に定着剤が基紙中に拡散してインク定着機能が損なわれることと、有版印刷用コート紙のコート層に一般的に含まれる炭酸カルシウムとインク定着剤が反応しインク定着機能が低下してしまうことなどが推定される。
この問題に対して、特定のカチオン性インク定着剤を用いる方法が提案されている。(特許文献5)。しかしながら、この方法によっても長期間にわたり用紙を保存した場合には、インクジェット印刷適性の低下が避けられない。
一方、インクジェット印刷を行う直前に、カチオン性インク定着剤を被記録紙表面に塗布する方法が提案されている。(特許文献6)。この方法によれば、経時的なインク定着機能の安定性は必要ないが、印刷装置にカチオン性インク定着剤を塗布する装置を組み込む必要が生じ、装置が複雑化・大型化する問題があり、有版印刷用コート紙自体に経時的に安定なインクジェット印刷適性を付与することが望まれている。
このように、一般的な有版印刷用紙にインクジェット印刷適性を付与しインクジェット用印刷用紙にすることが検討されているが、表面にコート層を有する有版印刷用コート紙では、経時的に安定なインクジェット印刷適性を有するインクジェット用紙は得られていない。
したがって、本発明の目的は、インクジェット印刷適性を持たないコート紙に、長期間の保存後も安定したインクジェット印刷適性を付与し、既存の有版印刷用コート紙と同等の外観、風合いをもった、安価なインクジェット印刷用コート紙を提供することにある。
本発明者らはインクジェット印刷適性を持たないコート紙に、経時的に安定なインクジェット印刷適性を付与する方法について鋭意検討した結果、紙基紙上に、顔料およびバインダーを主成分とするコート層が設けられたインクジェット印刷適性を持たないコート紙のコート層表面に、水溶性カチオンポリマーおよびコロイダルシリカを主成分とするインク定着剤層を設けたコート紙であって、該インク定着剤層が含有する水溶性カチオンポリマーに対するコロイダルシリカの比率が、30質量%以上300質量%以下であり、該インク定着剤層に含有される水溶性カチオンポリマーの塗布量が、0.2〜2.0g/mであるインクジェット印刷用コート紙で上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、上記課題は、本発明の、下記(1)〜(8)によって解決される。
(1)「基紙上にコート層及びインク定着剤層を有するインクジェット印刷用コート紙であって、前記コート層は、顔料及びバインダーを主成分とし、インクジェット印刷適性を持たないものであり、前記インク定着剤層は、水溶性カチオンポリマーおよびコロイダルシリカを含み、該コロイダルシリカの含有量が水溶性カチオンポリマーに対して30質量%以上300質量%以下であり、水溶性カチオンポリマーの塗布量が0.2g/m以上2.0g/m以下であることを特徴とするインクジェット印刷用コート紙」、
(2)「前記水溶性カチオンポリマーの分子量が、1500以上20000以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェット印刷用コート紙」、
(3)「前記水溶性カチオンポリマーが、エピクロロヒドリン由来の部位を含む重合体、または、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド由来の部位を含む重合体であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載のインクジェット印刷用コート紙」、
(4)「前記インク定着剤層は、さらに気相法シリカを含有するものであり、該気相法シリカの含有量がコロイダルシリカに対して10質量%以上70質量%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のインクジェット印刷用コート紙」、
(5)「前記インク定着剤層は、さらにポリビニルアルコールを含有するものであり、該ポリビニルアルコールの含有量が、水溶性カチオンポリマーに対して2質量%以上20質量%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のインクジェット印刷用コート紙」、
(6)「前記インク定着剤層は、さらに合成樹脂ラッテクスを、水溶性カチオンポリマーに対して5質量%以上30質量%以下含有するものであり、前記合成樹脂ラッテクスは、カチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョン、または、カチオン性ポリウレタン系エマルジョンであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のインクジェット印刷用コート紙」、
(7)「前記インク定着剤層は、さらに平均粒子径3μm以上15μm以下の有機微粒子を含有するものであり、該有機微粒子の含有量が、コロイダルシリカに対して1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載のインクジェット印刷用コート紙」、
(8)「前記有機微粒子が、ポリエチレン微粒子であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット印刷用コート紙」。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、インクジェット印刷適性を持たないコート紙に長期間の保存後も安定したインクジェット印刷適性を付与し、既存の有版印刷用紙と同等の外観、風合いをもった、安価なインクジェット印刷用コート紙が得られる。
本発明のインクジェット印刷用コート紙について詳細に説明する。
本発明のインクジェット印刷用コート紙は、基紙上にコート層及びインク定着剤層を有す
<インク定着剤層>
前記インク定着剤層について説明する。本発明に係るインク定着剤層は、インクジェット印刷適性を持たない印刷用紙の外観を損なわずに、該印刷用紙にインクジェット受容性を付加するものである。
前記インク定着剤層は、水溶性カチオンポリマーおよびコロイダルシリカを含有し、水溶性カチオンポリマーに対してコロイダルシリカの含有量が30質量%以上300質量%以下であり、水溶性カチオンポリマーの塗布量が0.2g/m以上2.0g/m以下である。
(水溶性カチオンポリマー)
本発明に係るインク定着剤層に含有する水溶性カチオンポリマーは、1級から3級アミン、1級から3級アミン塩、または4級アンモニウム塩のポリマーを使用することができる。
具体的には、アリルアミン重合体、アリルアミン・ジアリルアミン塩共重合体、アリルアミン・ジメチルアリルアミン共重合体、部分メトキシカルボニル化アリルアミン重合体、部分尿素化ポリアリルアミン重合体、ジアリルアミン重合体、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、メチルジアリルアミン重合体、ジアリルアミン・二酸化硫黄共重合体、メチルジアリルアミン・二酸化硫黄共重合体、およびこれらの塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリビニルアミン共重合物などが挙げられ、エピクロロヒドリン由来の部位を含む重合体、または、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド由来の部位を含む重合体であることが好ましい。
本発明に係る定着層中に含有する水溶性カチオンポリマーの分子量は、1500以上20000以下であることが好ましく、にじみおよびムラの防止効果と経時安定性の観点から、3000以上15000以下がより好ましく、さらに5000以上15000であることが好ましい。
水溶性カチオンポリマーの分子量の分子量が、20000を超えると、インクジェットインクとして顔料インクを用いて印字した場合に、にじみおよびムラの防止効果が不十分になる場合がある。
また、分子量が、1500未満の場合には、経時における印字画像の劣化が発生し易くなる場合がある。
(コロイダルシリカ)
コロイダルシリカは、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなシリカ分散液であり、液相中で合成し、乾燥させずにそのまま生産される。コロイダルシリカは、1925年にJ.G.Vail により合成されて以来、各種の製造法が開発され、例えば、日産化学工業(株)からスノーテックス、日本化学工業(株)からシリカドール、旭電化工業(株)からアデライト、扶桑化学工業(株)からクォートロン、グレース社からLudoxとして市販されている。
コロイダルシリカは、一般に二次凝集していない一次粒子が単分散した球状粒子であることが好ましく、コロイダルシリカの一次粒子径は、4〜70nmであることが好ましい。
コロイダルシリカの一次粒子径が4nm未満であると、擦れなどにより印字画像が剥がれ易くなる場合がある。また、一次粒子径が70nmを超えると、コロイダルシリカの表面積が小さくなり、印字ムラの抑制効果が不十分になると共に、経時における印字画像の劣化が発生し易くなる。コロイダルシリカの一次粒子径は、10〜50nmであると、印字画像の耐擦過性と、印字ムラの抑制防止効果のバランスが良好で特に好ましい。
一般的なコロイダルシリカが球状または球状に近い一次粒子が連結せずに独立して存在しているのに対して、一次粒子が細長く連結した鎖状粒子、またそれらが三次元網目構造を有しているもの、球状の一次粒子が複数個連結し、真珠のネックレスに似た形状を示すパールネックレス状の粒子等の形状で存在する非球状コロイダルシリカを使用することもできる。 これらの非球状コロイダルシリカを使用すると、印字ムラの抑制効果が向上し好適である。
コロイダルシリカは、水溶性カチオンポリマーとの混合が良好である点で、pHが7未満のコロイダルシリカを好ましく用いることができる。pHが7以上のコロイダルシリカを用いると、水溶性カチオンポリマーと混合時に凝集が発生し、インク定着剤層表面の平滑性や光沢性が損なわれ、印刷用コート紙とは異なった外観になる場合がある。pHが7未満のコロイダルシリカとしては、ナトリウムイオンを含むpHが7以上のコロイダルシリカから、イオン交換法などによりナトリウムイオンを取り除いた、酸性コロイダルシリカなどが挙げられる。
また、水溶性カチオンポリマーとの混合が良好である点で、カチオン性コロイダルシリカを好ましく用いることができる。カチオン性コロイダルシリカは、一般的なアニオン性コロイダルシリカの表面に、塩基性塩化アルミニウムや、有機カチオンポリマーを作用させて表面をカチオン化したコロイダルシリカである。
コロイダルシリカの含有量は、水溶性カチオンポリマーに対して30質量%以上300質量%以下である。
水溶性カチオンポリマーに対するコロイダルシリカの添加量を前記範囲にすることにより、インクジェット印字のにじみやムラを抑える機能が高いレベルで発現し、さらに経時による印字画像の劣化を防止することができる。
コロイダルシリカの含有量が水溶性カチオンポリマーに対して、30質量%未満であると、にじみおよびムラの抑制効果が不十分になると共に、経時における印字画像の劣化が発生し易くなる。
また、コロイダルシリカの含有量が水溶性カチオンポリマーに対して、300質量%を超えると、にじみおよびムラの抑制効果が不十分になるとともに、擦れなどにより印字画像が剥がれ易くなる場合がある。
本発明に係るインク定着剤層には、その機能を損なわない範囲で、コロイダルシリカ以外の無機粒子を含有させることができ、該コロイダルシリカ以外の無機粒子としては、インクの乾燥性を向上させる効果が高い点で、気相法シリカであることが好ましい。
前記気相法シリカは、乾式法シリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。 具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。
気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからレオロシールとして市販されている。
これら合成非晶質シリカは、必要に応じて粉砕して用いることもできる。粉砕は公知の機械的な粉砕装置、例えばボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等より行うことができる。
気相法シリカの含有量は、コロイダルシリカに対して10質量%以上70質量%以下であることが好ましい。気相法シリカの含有量が、10質量%未満であると十分な効果が得られない場合がある。また、70質量%を超えると、インク定着剤層のコート層への接着性が低下し、インク定着剤層および印字画像が剥がれ易くなる場合がある。
<その他の成分>
本発明に係るインク定着剤層は、必要に応じて、ポリビニルアルコール、合成樹脂エマルジョン、有機微粒子等を含有させることができる。
(ポリビニルアルコール)
印刷用紙は、直接触られたり、擦られたりする他、粘着テープを貼られたりする可能性があり、印字画像は、これら物理的ストレスに対して十分な耐久性を持っていることが望ましく、本発明に係るインク定着剤層には、ポリビニルアルコールポリビニルアルコールを含有させることができる。
ポリビニルアルコールを含有させることにより、インク定着剤層のコート層への接着力が向上し、印字画像の物理的耐久性が向上する。
インク定着剤層中のポリビニルアルコールの含有量は、水溶性カチオンポリマーに対して2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。ポリビニルアルコールの含有量が水溶性カチオンポリマーに対して2質量%未満であると、印字画像の物理的耐久性向上効果が十分に得られない場合がある。
また、水溶性カチオンポリマーに対して20質量%を超えると、インクジェットインクの吸収性が悪化し、にじみやムラが発生したり、インクの乾燥性が悪化する場合がある。
(合成樹脂エマルジョン)
本発明に係るインク定着剤層には、印字画像の物理的耐久性を向上する目的で、合成樹脂エマルジョンを添加することができる。
合成樹脂エマルジョンとしては、カチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョン、カチオン性ポリウレタン系エマルジョンが好ましく、これらより選択される1種以上を含有させることができる。
インク定着剤層中に含有させるカチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョンおよび/またはカチオン性ポリウレタン系エマルジョンの総量は、水溶性カチオンポリマーに対して5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
前記エマルジョンの含有量が、5質量%未満であると、印字画像の物理的耐久性向上効果が十分に得られない場合がある。また、含有量が30質量%を超えると、インクジェットインクの吸収性が悪化し、にじみやムラが発生したり、インクの乾燥性が悪化する場合がある。
また、前記ポリビニルアルコールと、前記カチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョン、および、カチオン性ポリウレタン系エマルジョンから選択される少なくとも1種以上のエマルジョンの両方を添加することで、どちらか一方のみを添加した場合に比べて、インク吸収性の低下が少なく、かつ、より高い印字画像の物理的耐久性の向上効果が得られより好ましい。
(有機微粒子)
本発明に係るインク定着剤層には、平均粒子径3μm以上15μm以下の有機微粒子を含有させることができる。インク定着剤層に有機微粒子を含有させることで、印字画像の耐擦過性を向上させることができる。
また、前記有機微粒子の含有量は、コロイダルシリカに対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
有機微粒子の平均粒子径が3μm未満であると、印字画像の耐擦過性向上効果が十分に得られない場合がある。また、平均粒子径が15μmを超えると、コート紙表面の光沢が低下したり、手で触れたときにザラツキ感を感じるようになり、有版印刷用コート紙とは異なった風合いになってしまう場合がある。
ここで、本発明における平均粒子径とは、コールターカウンター法用いて測定される平均粒子径である。
前記有機微粒子の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリウレタン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、ポリカーボネート、ナイロン樹脂、ポリフェニレンサルファイドなどの微粒子が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの有機微粒子のうち、ポリエチレン微粒子は、印字画像の耐擦過性向上効果が高く、触感が有版印刷用コート紙と比較して違和感が少なく、表面の光沢を低下させ難いなどの点で特に好ましい。
本発明に係るインク定着剤層中に含まれる水溶性カチオンポリマーの塗付量(固形分)が、0.2g/m以上2.0g/mである。水溶性カチオンポリマーの塗布量が前記の範囲であることにより、にじみやムラを抑制する効果と、印字画像の濃度のバランスが良好となる。
水溶性カチオンポリマーの塗布量が0.2g/m未満であると、にじみやムラを抑制する効果が不十分となり、特にインクの付着量が多い部分でにじみやムラが発生し易くなる。また、水溶性カチオンポリマーの塗布量が2.0g/mを超えると、十分なにじみおよびムラの抑制効果は得られるものの、印字部の濃度が低くなり、画像の鮮明さが低下したり、擦れなどにより印字画像が剥がれ易くなる場合がある。
本発明に係るインク定着剤層の塗布量は特に限定されないが、8.0g/m2以下であることが好ましい。
8.0g/m2以下であると、後述するコート層表面のJIS Z 8741による表面の光入射角75度の白紙光沢度(%)の範囲にすることが容易に行えて好ましい。また、インク定着層の塗布量を8.0g/m2以下の範囲で適宜調節することにより、インク定着剤層形成前とインク定着剤層形成後の白紙光沢度(%)との差を、好ましくは±10(%)未満に、より好ましくは±5(%)未満にすることができ、有版印刷用コート紙のもつ風合いを保つことができる。
インク定着剤層の塗布量が、8.0g/m2中を超えると、インク定着剤層を塗布する前のコート紙の外観とは異なった外観になる場合がある。インク定着剤層塗布前のコート紙の外観との違いが少なく、印字画像のにじみやムラを抑制する効果および印字画像の濃度の特性が良好で、折り曲げたときにもインク定着剤層が破壊され難い点で、インク定着剤層の塗布量は、0.3g/m2以上4.0g/m2以下であることがより好ましく、0.5g/m2以上3.0g/m2以下であることが特に好ましい。
コート層上にインク定着剤層を設ける方法としては、一般的な塗工装置である、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレス等の各種装置を、オンマシンまたはオフマシンで使用することができる。また、インク定着剤層を設けた後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、シューカレンダー等のカレンダー装置を用い、カレンダー処理することもできる。
<コート層>
本発明のインクジェット印刷用コート紙は、基紙上にカオリン、炭酸カルシウムなどの顔料や澱粉、各種共重合体ラテックスなどのバインダー主成分としたコート層を有する。
本発明におけるインクジェット印刷適性を持たないコート紙とは、ブリストー法(J.TAPPI紙パルプ試験法No.51(2000))による接触時間0.8秒時の水の転移量が3ml/m以上12ml/m未満のコート紙をいう。
前記コート紙としては、市販されている有版印刷用コート紙をそのまま利用することができ、あるいは、本発明のインクジェット印刷用コート紙のために新たに製造することもできる。
基紙上に設けられるコート層は、一般の有版印刷用コート紙と同様に、カオリン、炭酸カルシウムなどの顔料や澱粉、各種共重合体ラテックスなどのバインダー主成分としたコート層である。コート層に用いられる顔料としては、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、活性白土、シリカ、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメントがあげられ、これらに限定されるものではないが、有版印刷用コート紙と同様のオフセット印刷適性や質感を得るために、炭酸カルシウム、カオリン、クレーから選ばれる少なくとも一種の顔料を主体に含有することが好ましい。
炭酸カルシウム、カオリン、クレーから選ばれる少なくとも一種の顔料を主体に含有するコート層は、インクジェット記録用に多用されているシリカなどの顔料を主体としたコート層に比べて生産性が高い利点がある。即ち、コート紙は、基紙にコート層の構成成分を含有する塗工液を基紙に塗工し、引き続いて乾燥させて製造するが、炭酸カルシウム、カオリン、クレーから選ばれる少なくとも一種の顔料を主体に含有するコート層の塗工液は、シリカ等を主体に含有する塗工液に比べて固形分濃度を高くして、高速で塗工できることから、生産性良く製造することができる。
また、炭酸カルシウムは、インクの吸収性が高いコート層が得られ易くより好ましい。炭酸カルシウムの含有量は、コート層に含まれる全顔料に対して30質量%以上であることが特に好ましい。
本発明に係るインクジェット印刷適性を持たないコート紙のコート層には、顔料のほかにバインダーを含有し、一般的な有版印刷用コート紙に使用される公知のバインダーであればいかなるものも用いて良い。バインダーとしては、例えば酸化澱粉やエーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリル系、酢酸ビニル−ブチルアクリレート系などの各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール及びその変性物、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリウレタン等のバインダーの中から1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。コート層用塗工液の流動性や塗工適性の観点から、ラテックス類、澱粉類、またはそれらの混合物をバインダーに用いることが好ましい。
本発明に係るインクジェット印刷適性を持たないコート紙のコート層のバインダーは、コート層に含まれる全ての顔料の合計100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下含有していることが好ましい。バインダーの含有量が5質量部未満の場合、コート層の強度が不足する傾向にある。一方、バインダーの含有量が30質量部を超えると、コート層中に存在する空隙がバインダーによって満たされ、インクの吸収容量が少なくなるため、良好な印字品質を得ることが困難となる傾向にある。
本発明に係るインクジェット印刷適性を持たないコート紙のコート層は、基紙の片面のみ、または、両面に設けることができる。コート層の塗工量は、片面につき3g/m以上40g/m以下が好ましい。塗工量が3g/m未満であると、基紙を充分に被覆することができないため、コート紙表面にガサつきが残り、非コート紙に似た風合いを帯び、印刷用コート紙としての印刷品位などの諸特性が不十分になる。一方、40g/mを超える塗工量では、コート層の機能が飽和してしまい、メリットが得られない。
基紙上にコート層を設ける方法としては、一般的な塗工装置である、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレス等の各種装置を、オンマシンまたはオフマシンで使用することができる。また、コート層は、基紙の片面又は両面に設けて良く、1層又は2層以上設けても良い。また、コート紙の平滑性を向上させるために、コート層と基紙の間に、プレコート層を設けても良い。
JIS Z 8741による、コート層表面の光入射角75度の白紙光沢度は特に制限されず、インクジェット印刷用コート紙の用途に応じて適宜設定することができる。例えば、有版印刷用のグロス調コート紙の風合いを付与するためには、75度白紙光沢度が55%以上85%以下であることが好ましい。有版印刷用のマット調コート紙の風合いを付与するためには、75度白紙光沢度が20%以上55%未満であることが好ましい。白紙光沢度の調整は、コート層を設けた後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、シューカレンダー等のカレンダー装置を用い、カレンダーの処理温度、処理速度、処理線圧、処理段数、ロールの径、および材質等の条件を適宜調整して処理することにより行うことができる。また、オフセット印刷用のマット調コート紙の風合いを付与する場合、カレンダー処理を行わなくてもよい。
<基紙>
前記基紙としては、木材パルプを主成分とするものを使用できる。原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グラウンドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミカルサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等のパルプを単独または任意の割合で混合して使用することができる。
基紙の抄紙pHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。また、基紙中の填料量が増えると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、基紙中に填料を含有させることは好ましい。前記填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。
さらに、基紙には必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤、pH調整剤等の助剤を含有しても良い。なお基紙の坪量は特に制限されない。
基紙にコート層を設ける前に、紙力増強やサイズ性付与などを目的とし、澱粉、ポリビニルアルコール、サイズ剤などから調成されたサイズプレス液を含浸または塗布してもよい。
含浸または塗布の方法については特に制限されないが、ポンド式サイズプレスに代表される含浸法、又は、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、若しくはブレードコーターに代表される塗布法で行われることが好ましい。
また、該サイズプレス液を含浸、又は塗布する際に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて蛍光染料、導電剤、保水剤、耐水化剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等の助剤を任意の割合で混合することができる。
また上記基紙には、必要に応じて、スーパーカレンダー、ブラシ掛け、キャスト仕上げ等の平滑化処理を施しておくことも可能である。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り、質量部および質量%を示す。
まず、インクジェット印刷用コート紙評価方法を説明する。
<評価方法>
(1)インクジェット印字品質
作製直後のコート紙、および、作製直後のコート紙を40℃相対湿度90%の条件下で500時間保管し、さらに20℃相対湿度65%の条件下に12時間保管し調湿した経時処理後のコート紙について、市販の顔料インクジェットプリンター(製品名:GX e3300、(株)リコー製)を用いて、用紙種類:ハイグレード普通紙、印刷設定:「はやい」の設定条件で、黄色、シアン、マゼンタ、緑、赤、青、および、黒のベタ画像の印字を行った。
印字したコート紙を20℃、相対湿度65%の条件下に12時間保管した後、以下の評価方法に準じて印字評価した。
(1−1)印字濃度
反射濃度計(マクベス社製、商品名:RD−918、(ビジュアルフィルター))を用いて、黒ベタ印字部の印字濃度を測定した。
(1−2)印字ムラ
作製直後のコート紙、および、経時処理後のコート紙への緑ベタ印字部分について、ビーディングと呼ばれる隣り合ったドットが引き合ってくっつき発生する粒状の印字ムラの状態を観察し下記1〜5の5段階の数値で評価した。

数値が大きいほど良好な特性を示す。
5:全く印字ムラがなく、良好なレベルである。
4:非常に細かい粒状のムラがあるが、実用上問題の無いレベルである。
3:細かい粒状のムラがあり、実用に耐えないレベルである。
2:直径1mm以上の大きな粒状のムラがあり、実用に耐えないレベルである。
1:インクが流れて、画像の輪郭が崩れている実用に耐えないレベルである。
(1−3)インク乾燥性
作製直後のコート紙への黒ベタ印字部分について、印字終了直後から印字部に100℃の熱風をあてて熱風乾燥を行い、熱風をあてた印字部分に坪量65g/mの上質紙を重ね、上質紙の上から98kPaの圧力で5秒間押さえつけたときに、上質紙へのインクが転写しなくなるのに必要な熱風乾燥時間を5秒間隔で測定した。
数値の単位は、秒である。
(2)画像の物理的耐久性
作製直後に印字を行ったコート紙に、以下の評価方法に準じて印字評価した。
(2−1)耐擦過性
黒ベタ印字部分を、クロックメーター(ATLAS ELECTRIC DEVICES社製、商品名:CM−1)を用いて、ろ紙で5往復擦過し、黒ベタ印字部分の耐擦過性を観察し下記1〜5の5段階の数値で評価した。

数値が大きいほど良好な特性を示す。
5:全くインクが剥がれず、且つ、ろ紙にもインクが付着せず良好なレベルである。
4:画像の濃度低下はなく、ろ紙に薄くインクが付着する程度の実用上問題の無いレベルである。
3:画像の濃度が低下するが、コート紙の表面は露出しない耐久性がやや不十分なレベルである。
2:インクが部分的に剥がれてコート紙の表面が露出し、耐久性が不十分なレベルである。
1:インクが完全に剥がれて、コート紙表面が露出し、実用に耐えないレベルである。
(2−2)耐テープ剥離性
黄色、シアン、マゼンタ、緑、赤、青、および、黒のベタ画像に、粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名:セロテープ(登録商標))を貼り、良く圧着した後、ゆっくり剥がし、画像の剥離状態を観察し、下記1〜5の5段階の数値で評価した。

数値が大きいほど良好な特性を示す。
5:全くインクが剥がれず、粘着テープにもインクが付着せず良好なレベルである。
4:画像の濃度低下はなく、ろ紙に薄くインクが付着する程度の実用上問題の無いレベルである。
3:画像の濃度がやや低下するが、判読するのに十分な程度に鮮明に残存しているレベルである。
2:画像の濃度が低下し、画像が完全には剥がれないが、濃度が大幅に低下したレベルである。
1:インクが完全に剥がれて、コート紙表面が露出し、実用に耐えないレベルである。
[実施例1]
ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体(平均分子量10000)
固形分配合部数20部
酸性コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックス−O)
固形分配合部数20部
上記塗工液組成物の濃度が1.0%になるようにイオン交換水を加えよく攪拌して得た塗工液1を、固形分塗布量が0.4g/mになるように、有版印刷用コート紙A(日本製紙(株)製、商品名:オーロラコート、坪量127.9g/m)に塗布し、引き続いて熱風をあてて乾燥させ、コート紙1を得た。なお、上記有版印刷用コート紙Aのブリストー法(J.TAPPI紙パルプ試験法No.51(2000))による接触時間0.8秒時の水の転移量を測定したところ、5.0ml/mであった。
[実施例2〜実施例15]
ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体の平均分子量および固形分配合部、コロイダルシリカ種および固形分配合部数、塗工液濃度、固形分塗付量を表1に示すように代える他は実施例1と同様にして、コート紙2〜15を得た。
Figure 2013240892
M :スノーテックス-O(日産化学工業(株)製、酸性コロイダルシリカ、粒子径:10〜20nm 2次凝集していない単分散粒子タイプ)
N :スノーテックス-PS-SO(日産化学工業(株)製、パールネックレス状酸性コロイダルシリカ、一次粒子径:10〜18nm、単分散コロイダルシリカを数珠状に凝集させタイプ)
O :Ludox CL-P(グレース社製、カチオン性コロイダルシリカ、粒子径13nm、表面をカチオン化し、2次凝集していないタイプ)

評価結果を表2に示す。
Figure 2013240892
ポリマーの平均分子量が1500〜20000である実施例2、6および7は、ポリマーの平均分子量が1000である実施例5に比べ、作製直後および経時後の印字における印字濃度が高く、経時後の印字における印字ムラの悪化が全くなく優れていた。
また、ポリマーの平均分子量が25000である実施例8に比べ、作製直後および経時後の印字における印字ムラがより少なく優れていた。
また、実施例1〜14は、有版印刷用コート紙Aと同等の風合いを有していたが、実施例15は、若干、風合いが変わっていた。
[実施例16〜実施例22]
ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体をポリアミドエピクロロヒドリン樹脂に代え、平均分子量および固形分配合部数、コロイダルシリカ種および固形分配合部数、塗工液濃度、固形分塗付量を表3に示すように代える他は実施例1と同様にして、コート紙16〜22を得た。 評価結果を表4に示す。
Figure 2013240892
M :スノーテックス-O(日産化学工業(株)製、酸性コロイダルシリカ)
Figure 2013240892
水溶性カチオンポリマーとしてポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を用いた実施例の比較でも、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体を用いた実施例の比較と同様に、ポリマーの平均分子量が1500〜20000である実施例17、19および20が優れており、平均分子量が1500〜20000である水溶性カチオンポリマーを用いることにより、作製直後および経時後の印字における印字濃度が高く、印字ムラ抑制に優れたインクジェット印刷用コート紙が得られることが明らかである。
[実施例23、実施例24]
実施例23は、水溶性カチオンポリマーとしてジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体を用い、実施例24は、水溶性カチオンポリマーとして、アリルアミン塩酸塩重合体を用いた。
また、塗工液濃度、固形分塗付量を表5に示すように代える他は実施例1と同様にして、コート紙23、24を得た。評価結果を表6に示す。
Figure 2013240892

K :ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体(平均分子量10000)
L :アリルアミン塩酸塩重合体(平均分子量10000)
M :スノーテックス-O(日産化学工業(株)製、酸性コロイダルシリカ)
Figure 2013240892
水溶性カチオンポリマーの平均分子量を同一にした場合に、種類が異なる水溶性カチオンポリマーを用いた実施例の比較では、水溶性カチオンポリマーとしてジアリルジメチルアンモニウムクロリド由来の部位を有する重合体を用いた実施例2および23、エピクロロヒドリン由来の部位を有する重合体を用いた実施例17は、アリルアミン塩酸塩重合体を用いた実施例24に比べて、印字濃度が高く、印字ムラ抑制効果も優れていることが明らかである。
[比較例1〜15]
水溶性カチオンポリマー及びその平均分子量および固形分配合部数、コロイダルシリカ種および固形分配合部数、塗工液濃度、固形分塗付量を表7に示すように代える他は実施例1と同様にして、比較コート紙1〜15を得た。
評価結果を表8に示す。
Figure 2013240892
A :ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体(平均分子量10000)
F :ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(平均分子量10000)
K :ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体(平均分子量10000)
V :塩基性塩化アルミニウム(多木化学(株)製、商品名:タキバイン#1500)
W :酢酸ジルコニウム(日本軽金属(株)製)
X :塩化マグネシウム
AA:ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄共重合体(平均分子量10000)
AB:ジメチルアミンエピクロロヒドリン共重合体(平均分子量10000)
M :スノーテックス-O(日産化学工業(株)製、酸性コロイダルシリカ)
Figure 2013240892
表2、4、6から明らかなように、各実施例の場合、作製直後の印字における印字ムラが少なく、かつ経時後の印字においても印字ムラが少なく、経時的に安定なインクジェット印刷適性を有していた。
これに対して、各比較例において、インク定着剤層中に水溶性カチオンポリマーのみを含有する比較例1、4、7、10、11においては、作製直後の印字における印字ムラが多く、かつ経時後の印字における印字ムラも多かった。
また、インク定着剤層中のコロイダルシリカの含有量が、水溶性カチオンポリマーに対して30質量%未満の比較例2、5および8においては、作製直後の印字における印字ムラは比較的少ないものの、経時後の印字における印字ムラが悪化し、インクジェット印刷適性が損なわれた。
一方、インク定着剤層中のコロイダルシリカの含有量が、水溶性カチオンポリマーに対して300質量%を超える比較例3、6、9においては、作製直後の印字における印字ムラが多く、十分なインクジェット印刷適性がなかった。
水溶性カチオンポリマーの代わりに水溶性金属塩を用いた比較例12〜14においては、作製直後の印字における印字ムラはないものの、経時後の印字における印字ムラが悪化し、インクジェット印刷適性が損なわれた。インク定着剤層中にコロイダルシリカのみを含有する比較例15は、作製直後および経時後の印字における印字ムラが非常に悪く、インクジェット印刷適性がなかった。
[実施例25〜実施例28]
ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体の平均分子量および固形分配合部数、コロイダルシリカ種および固形分配合部数、塗工液濃度、固形分塗付量を表9に示すように代え、更に下記に示した気相法シリカ分散液を、表9中に示した固形分配合量になるように添加する他は実施例1と同様にして、コート紙25〜28を得た。 評価結果を10に示す。
<気相法シリカ分散液の調製>
水39.25部に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(商品名:シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製、51質量%水溶液)0.75部を溶解し、この溶液に、気相法シリカ微粒子(商品名:アエロジル200 、日本アエロジル(株)製)10部を分散した。この分散液を液・液対向衝突型分散機(アルティマイザー、(株)スギノマシン製)を用いて処理し、気相法シリカ分散液を作製した。
Figure 2013240892
A :ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体(平均分子量10000)
M :スノーテックス-O(日産化学工業(株)製、酸性コロイダルシリカ)
Figure 2013240892
インク定着剤層への気相法シリカの添加の有無の比較では、インク定着剤層中のコロイダルシリカに対して、10質量%〜70質量%の気相法シリカを含有する実施例25〜27は、気相法シリカを含有しない実施例2に比べてインク乾燥時間が短く、インク乾燥性が良好なことが明らかである。
インク定着剤層中のコロイダルシリカに対して、80質量%の気相法シリカを含有する実施例28は、作製直後および経時後の印字における印字濃度がやや低くなった。
[実施例29〜実施例32]
水溶性カチオンポリマー及びその平均分子量および固形分配合部数、コロイダルシリカ種および固形分配合部数、塗工液濃度、固形分塗付量を表11に示すように代える他は実施例1と同様にして、コート紙29〜32を得た。
評価結果を表12に示す。
Figure 2013240892
A :ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体(平均分子量10000)
M :スノーテックス-O(日産化学工業(株)製、酸性コロイダルシリカ)
Figure 2013240892
インク定着剤層中の水溶性カチオンポリマーに対して、2質量%〜20質量%のポリビニルアルコールを含有する実施例29〜31は、ポリビニルアルコールを含有しない実施例2と比較して、作製直後および経時後の印字における印字ムラ抑制効果を損なわずに、耐擦過性および耐セロテープ(登録商標)剥離性が向上することが明らかである。
30質量%のポリビニルアルコールを含有する実施例32においては、実施例2と比較して、耐擦過性および耐セロテープ(登録商標)剥離性が向上したが、インク乾燥時間が大幅に増加し、印字ムラ抑制効果がやや低下した。
[実施例33〜実施例36]
水溶性カチオンポリマー及びその平均分子量および固形分配合部数、コロイダルシリカ種および固形分配合部数、塗工液濃度、固形分塗付量を表13に示すように代える他は実施例1と同様にして、コート紙33〜36を得た。
評価結果を表14に示す。
Figure 2013240892
A :ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体(平均分子量10000)
M :スノーテックス-O(日産化学工業(株)製、酸性コロイダルシリカ)
Figure 2013240892
インク定着剤層中の水溶性カチオンポリマーに対して、5質量%〜30質量%のカチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョンを含有する実施例33〜35は、カチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョンを含有しない実施例2と比較して、作製直後および経時後の印字における印字ムラ抑制効果を損なわずに、耐擦過性および耐セロテープ(登録商標)剥離性が向上することが明らかである。
40質量%のカチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョンを含有する実施例36においては、実施例2と比較して、耐擦過性および耐セロテープ(登録商標)剥離性が向上したが、印字ムラ抑制効果がやや低下した。
[実施例37〜実施例40]
水溶性カチオンポリマー及びその平均分子量および固形分配合部数、コロイダルシリカ種および固形分配合部数、塗工液濃度、固形分塗付量を表15に示すように代える他は実施例1と同様にして、コート紙37〜40を得た。
評価結果を表16に示す。
Figure 2013240892
A :ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体(平均分子量10000)
M :スノーテックス-O(日産化学工業(株)製、酸性コロイダルシリカ)
Figure 2013240892
インク定着剤層中の水溶性カチオンポリマーに対して、5質量%〜30質量%のカチオン性ポリウレタン系エマルジョンを含有する実施例37〜39は、カチオン性ポリウレタン系エマルジョンを含有しない実施例2と比較して、作製直後および経時後の印字における印字ムラ抑制効果を損なわずに、耐擦過性および耐(登録商標)剥離性が向上することが明らかである。
40質量%のカチオン性ポリウレタン系エマルジョンを含有する実施例40においては、実施例2と比較して、耐擦過性および耐セロテープ(登録商標)剥離性が向上したが、インク乾燥時間がやや増加し、印字ムラ抑制効果がやや低下した。
[実施例41〜実施例49]
水溶性カチオンポリマー及びその平均分子量および固形分配合部数、コロイダルシリカ種および固形分配合部数、塗工液濃度、固形分塗付量を表7に示すように代える他は実施例1と同様にして、コート紙41〜49を得た。
評価結果を表18に示す。
Figure 2013240892
A :ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体(平均分子量10000)
M :スノーテックス-O(日産化学工業(株)製、酸性コロイダルシリカ)
P :ケミパールW500(三井化学(株)製、ポリエチレン粒子、平均粒子径2.5μm)
Q :ケミパールW400(三井化学(株)製、ポリエチレン粒子、平均粒子径4μm)
R :ケミパールW410(三井化学(株)製、ポリエチレン粒子、平均粒子径9.5μm)
S :SBX−6(積水化成品工業(株)製、架橋ポリスチレン粒子、平均粒子径6μm)
T :ARX−15(積水化成品工業(株)製、架橋ポリアクリル酸エステル粒子、平均粒子径15μm)
U :MBX−30(積水化成品工業(株)製、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、平均粒子径30μm)
Figure 2013240892
インク定着剤層中のコロイダルシリカに対して、1質量%〜10質量%の平均粒子径3μm以上15μm以下の有機微粒子を含有する実施例41〜45、47および48は、平均粒子径3μm以上15μm以下の有機微粒子を含有しない実施例2と比較して、作製直後および経時後の印字における印字濃度および印字ムラ抑制効果を損なわずに、耐擦過性が大幅に向上することが明らかである。
特に。ポリエチレン微粒子を含有する実施例41〜45は、特に高い耐擦過性を示した。
15質量%の平均粒子径7μmの有機微粒子を含有する実施例46は、平均粒子径7μmの有機微粒子を10質量%以下含有する実施例43〜45に比べて、印字濃度がやや低かった。
平均粒子径30μmの有機微粒子を5質量%含有する実施例49は、手触りが非常にざらついており、有版印刷用コート紙として好ましくない感触であった。
[実施例50〜実施例53]
水溶性カチオンポリマー及びその平均分子量および固形分配合部数、コロイダルシリカ種および固形分配合部数、塗工液濃度、固形分塗付量を表19に示すように代える他は実施例1と同様にして、コート紙50〜53を得た。
評価結果を表20に示す。
Figure 2013240892
A :ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体(平均分子量10000)
M :スノーテックス-O(日産化学工業(株)製、酸性コロイダルシリカ)
Figure 2013240892
インク定着剤層中にポリビニルアルコールとカチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョンを含有する実施例50は、ポリビニルアルコールおよびカチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョンを含有しない実施例2と比較して、作製直後および経時後の印字における印字ムラ抑制効果を損なわずに、耐擦過性および耐セロテープ(登録商標)剥離性が向上し、インク定着剤層中にポリビニルアルコール、または、カチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョンのどちらか一方のみ含有する実施例30および34と比較して、作製直後および経時後の印字における印字ムラ抑制効果を損なわずに耐セロテープ(登録商標)剥離性がさらに向上した。
インク定着剤層中にポリビニルアルコールとカチオン性ウレタン系エマルジョンを含有する実施例51は、ポリビニルアルコールおよびカチオン性ポリウレタン系エマルジョンを含有しない実施例2と比較して、作製直後および経時後の印字における印字ムラ抑制効果を損なわずに、耐擦過性および耐セロテープ(登録商標)剥離性が向上し、インク定着剤層中にポリビニルアルコール、または、カチオン性ポリウレタン系エマルジョンのどちらか一方のみ含有する実施例30および38と比較して、作製直後および経時後の印字における印字ムラ抑制効果を損なわずに耐セロテープ(登録商標)剥離性がさらに向上した。インク定着剤層中に、ポリビニルアルコールおよびカチオン性ポリウレタン系エマルジョンを共に含有させることにより、印字部の物理的耐久性が特に向上することが明らかである。
インク定着剤層にポリビニルアルコール、カチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョン、気相法シリカおよび有機微粒子を含有する実施例52は、インク定着剤層にポリビニルアルコールおよびカチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョンを含有し、気相法シリカおよび有機微粒子を含有しない実施例50と比較して、インク乾燥時間が短縮し、耐擦過性が向上しており、特に優れた特性を示した。気相法シリカの添加がインク乾燥時間を短縮し、有機微粒子が耐擦過性を向上させる効果を発現させたものと考えられる。
インク定着剤層にポリビニルアルコール、カチオン性ポリウレタン系エマルジョン、気相法シリカおよび有機微粒子を含有する実施例53は、インク定着剤層にポリビニルアルコールおよびカチオン性ポリウレタン系エマルジョンを含有し、気相法シリカおよび有機微粒子を含有しない実施例51と比較して、インク乾燥時間が短縮し、耐擦過性が向上しており、特に優れた特性を示した。気相法シリカの添加がインク乾燥時間を短縮し、有機微粒子が耐擦過性を向上させる効果を発現させたものと考えられる。
インク定着剤層中に、ポリビニルアルコールおよびカチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョンを共に含有させることにより、印字部の物理的耐久性が特に向上することが明らかである。
[実施例54〜67、比較例16〜22]
塗工液2、17、26、30、34、38、43、54、56を、有版印刷用コート紙B(Stora Enso社製、商品名:LumiArt、坪量90g/m)に塗布し、引き続いて熱風をあてて乾燥させ、実施例54〜60、および、比較例16および17のコート紙を作製した。なお、上記有版印刷用コート紙Bのブリストー法(J.TAPPI紙パルプ試験法No.51(2000))による接触時間0.8秒時の水の転移量を測定したところ、10.5ml/mであった。
塗工液2、17、26、30、34、38、43、54、56を、有版印刷用コート紙C(三菱製紙(株)製、商品名:パールコートN、坪量127.9g/m)に塗布し、引き続いて熱風をあてて乾燥させ、実施例61〜67、および、比較例18および19のコート紙を作製した。なお、上記有版印刷用コート紙Cのブリストー法(J.TAPPI紙パルプ試験法No.51(2000))による接触時間0.8秒時の水の転移量を測定したところ、7.8ml/mであった。
さらに、塗工液を塗工していない有版印刷用コート紙A(日本製紙(株)製、商品名:オーロラコート、坪量127.9g/m)を比較例20、塗工液を塗工していない有版印刷用コート紙B(Stora Enso社製、商品名:LumiArt、坪量90g/m)を比較例21、塗工液を塗工していない有版印刷用コート紙(三菱製紙(株)製、商品名:パールコートN、坪量127.9g/m)を比較例22とした。
Figure 2013240892

コート紙Bを用いた実施例54〜60およびコート紙Cを用いた実施例61〜67は、前記実施例54〜60および実施例61〜67と同一の塗工液をコート紙Aに塗工した実施例2、17、26、30、34、38、43と同様の特性を示しており、インクジェット印刷適性を持たない有版印刷用コート紙に本発明に係るインク定着剤層を設けることにより、有版印刷用コート紙の種類にかかわらず、良好なインクジェット印刷適性を有するインクジェット印刷用コート紙が得られることが明らかである。
インク定着剤層中に水溶性カチオンポリマーのみを含有する比較例16および18おいては、作製直後の印字における印字ムラが多く、かつ経時後の印字における印字ムラも多かった。
一方、インク定着剤層中のコロイダルシリカの含有量が、水溶性カチオンポリマーに対して300質量%を超える比較例17および19においては、作製直後の印字における印字ムラが多く、十分なインクジェット印刷適性がなかった。
インク定着剤層を設けていない有版印刷用コート紙に印字した比較例20〜22おいては、作製直後の印字における印字ムラおよび経時後の印字における印字ムラが非常に多く、インクジェット印刷適性を有していなかった。
特開平8−72393号公報 特開平9−202042号公報 特開平10−120956号公報 特開2001−64893号公報 特開2004−243624号公報 特開2002−79739号公報

Claims (8)

  1. 基紙上にコート層及びインク定着剤層を有するインクジェット印刷用コート紙であって、前記コート層は、顔料及びバインダーを主成分とし、インクジェット印刷適性を持たないものであり、前記インク定着剤層は、水溶性カチオンポリマーおよびコロイダルシリカを含み、該コロイダルシリカの含有量が水溶性カチオンポリマーに対して30質量%以上300質量%以下であり、前記水溶性カチオンポリマーの塗布量が0.2g/m以上2.0g/m以下であることを特徴とするインクジェット印刷用コート紙。
  2. 前記水溶性カチオンポリマーの分子量が、1500以上20000以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷用コート紙。
  3. 前記水溶性カチオンポリマーが、エピクロロヒドリン由来の部位を含む重合体、または、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド由来の部位を含む重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット印刷用コート紙。
  4. 前記インク定着剤層は、さらに気相法シリカを含有するものであり、該気相法シリカの含有量がコロイダルシリカに対して10質量%以上70質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット印刷用コート紙。
  5. 前記インク定着剤層は、さらにポリビニルアルコールを含有するものであり、該ポリビニルアルコールの含有量が、水溶性カチオンポリマーに対して2質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット印刷用コート紙。
  6. 前記インク定着剤層は、さらに合成樹脂ラッテクスを、水溶性カチオンポリマーに対して5質量%以上30質量%以下含有するものであり、前記合成樹脂ラッテクスは、カチオン性ポリ(メタ)アクリル系エマルジョン、または、カチオン性ポリウレタン系エマルジョンであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット印刷用コート紙。
  7. 前記インク定着剤層は、さらに平均粒子径3μm以上15μm以下の有機微粒子を含有するものであり、該有機微粒子の含有量が、コロイダルシリカに対して1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット印刷用コート紙。
  8. 前記有機微粒子が、ポリエチレン微粒子であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット印刷用コート紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015193230A (ja) * 2014-03-17 2015-11-05 株式会社リコー 処理液、インクセット、及びインクジェット記録方法
JP2017128701A (ja) * 2016-01-22 2017-07-27 サカタインクス株式会社 紙器用水性グラビア印刷インキ組成物および紙器用印刷物の製造方法

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