JP2005271522A - インクジェット用記録シート - Google Patents

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Abstract

【課題】木材パルプ、填料を主成分とする単層基紙の片面にインクジェット記録用塗工層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、染料インク、顔料インクに対する優れたインクジェット記録適性を有するとともに、裏面には優れたオフセット印刷適性を有し、インクジェット記録や水性ペン等による滲みの少ないインクジェット用記録シートを提供する。
【解決手段】基紙を水溶性高分子樹脂、カチオン性樹脂及び水溶性多価金属塩を主成分とするサイズプレス液で表面処理し、片面にはインクジェット記録用塗工層を設け、反対面には、水溶性高分子樹脂を主成分とするオフセット印刷層を設ける。カチオン性樹脂としては、ジメチルアミン、エピクロルヒドリンを主成分とし、アンモニア、1級アミン及びジメチルアミン以外の2級アミンから選ばれる1種以上を第3成分とする重縮合物であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、単層基紙の片面にインクジェット記録用塗工層を設け、その反対面にオフセット印刷層を設けたインクジェット用記録シートに関する。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙、フィルム等の記録用シートに付着させ、画像、文字などの記録を行なうものであり、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装置として種々の用途に急速に普及している。その上、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷や多色カラー写真方式による印画と比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。また、作成部数が少なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
このように手軽にフルカラー画像を印刷することが可能になり、近年、年賀葉書や暑中見舞の葉書としてインクジェット用記録シートが用いられることが多くなっている。このような葉書のほとんどの場合、片面には予めオフセット印刷が行われ、葉書の購入者がインクジェット記録層に好みの絵柄を印刷し、場合によってはオフセット印刷側にもインクジェット印刷を行うという使い方で広範に利用されている。このように、表裏で異なる使い方をされるため、自ずと表裏の要求品質も異なっており、また、その要求も年々高度化されてきているのが現状である。
インクジェットプリンターに使用されるインクとしては、水性タイプが主流であり、その中で染料タイプと顔料タイプに大別されるが、染料インクは、高い印字濃度が得られるが、水、光、ガス等に対する保存性が低く、特に葉書の場合には水に濡れたり、湿気の高いところに放置された場合に画像や文字が滲むという欠点を有している。また、顔料インクには、保存性は良いが、印字濃度が得られにくいとか、印字濃度を上げるためにインク量を多くすると重色部の滲み、乾燥不良、擦れによる汚れといった問題が生じることが指摘されている。インク側での改良が行われているが、まだ十分と言える状態ではなく、記録シート側からの改良も望まれている。
インクジェット用記録シート側での改良手段として、基紙及びインクジェット記録用塗工層にカチオン性化合物を含有させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、顔料インクで印字した際の発色性・インク吸収性及び重色間のブリーディングを改良する目的で、基紙やインクジェット記録用塗工層に水溶性多価金属塩を含有させることが開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
さらには、基紙表面に2価以上のイオン価数を有する水溶性金属塩とカチオン性有機物質とを合わせ持つことによるインクジェット記録の耐水性の改良についても開示されている(例えば、特許文献4参照)。
また、インクジェット記録用塗工層の反対面にオフセット印刷を行うため様々な改良方法が開示されており、例えば基紙の表面層を高填料含有層とし、裏面層を低填料含有層とする複数層からなる基紙とし、この高填料含有層の上にインクジェット記録用塗工層を設ける方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
また、基紙をサイズ度の順次異なる3層以上の抄き合わせとし、インクジェット記録用塗工層と接する基紙の表面のサイズ度を低く、オフセット印刷側のサイズ度を高くする方法が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
このようにインクジェット記録適性、オフセット印刷適性の両方を考慮して種々改良が成されてきたが、未だ以下のような問題点があった。
1)複数層の基紙を製造するのに用いられる多筒円網抄紙機は抄速が遅く生産効率が悪いため、抄速の早い長網抄紙機での単層基紙を用いる方が好ましいが、単層基紙の場合、インクジェット記録でのインク吸収性を良くするために基紙のサイズ度を低くすると、裏面のオフセット印刷の際に湿し水が過剰に吸収され、耐刷性が低下する。また、裏面に万年筆や水性ペンで筆記すると滲みが生じる。
2)染料インクの耐水性、顔料インクの印字濃度向上等を目的として、基紙の表面にカチオン性化合物を含有させると、裏面のオフセット印刷時にカチオン性化合物の溶出が起こり、オフセット印刷適性の悪化や耐刷性の低下が起こる。
3)オフセット印刷適性を考慮して、カチオン性化合物や水溶性多価金属塩を基紙ではなく、インクジェット記録用塗工液への添加を試みたが、塗工液中に軟凝集物が発生した。また、顔料インク中の顔料粒子が塗工層表面近くに残るため、高い印字濃度が得られるが、表面を擦った際に汚れが生じやすくなった。
4)基紙抄造時のパルプスラリー中へ、カチオン性化合物や水溶性多価金属塩の添加を試みたが、添加量を多くしないとインクジェット記録適性の改良効果が得られにくく、添加量を多くすると抄紙系内の汚れが発生しやすくなった。
特許第3329579号公報 特開2002−264485号公報 特開2001−287451号公報 特開昭60−67190号公報 特開2003−291515号公報 特開2003−293298号公報
従って、本発明の目的は、単層基紙の片面にインクジェット記録用塗工層を有し、反対面にオフセット印刷を行うインクジェット用記録シートの、染料インク、顔料インクに対する優れたインクジェット記録適性と裏面の優れたオフセット印刷適性を提供することである。
本発明者は広範な研究と実験を鋭意進めた結果、木材パルプ、填料を主成分とする基紙の片面に、少なくとも1層以上のインクジェット記録用塗工層を設け、さらに該塗工層の反対面に水溶性高分子樹脂を主成分とするオフセット印刷層を設けたインクジェット用記録シートであって、該基紙が単層であり、水溶性高分子樹脂、カチオン性樹脂及び水溶性多価金属塩を主成分とするサイズプレス液で表面処理されたインクジェット用記録シートにより前述の課題が解消されることを見出し本発明に至った。
また、カチオン性樹脂としては、ジメチルアミン、エピクロルヒドリンを主成分とし、アンモニア、1級アミン及びジメチルアミン以外の2級アミンから選ばれる1種以上を第3成分とする重縮合物が好ましい。
本発明により、インクジェット記録適性、オフセット印刷適性に優れたインクジェット用記録シートを得ることができた。
本発明の単層基紙に用いられるパルプは、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)などの化学パルプ、メカニカルパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミカルサーモメカニカルパルプ(CTMP)などの機械パルプ、竹、アバカ、ケナフ、エスパルト、バガスなどの非木材パルプ、古紙再生パルプなどが用いられる。
本発明の基紙に用いられる添加剤には、通常抄紙で用いられる添加剤、例えば、填料としては炭酸カルシウム、タルク、カオリン、焼成カオリン、酸化チタン等、内添サイズ剤としてはロジン、強化ロジン、変成ロジン、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、中性ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)等、乾燥紙力増強剤としてはアクリルアマイド樹脂、変性ポリアクリルアマイド樹脂、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド澱粉誘導体、ポリビニルアルコール誘導体等が用いられ、その他に消泡剤、染料、着色顔料、蛍光剤、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤、歩留向上剤等を適宜用いることができる。
本発明のサイズプレス液に用いられる水溶性高分子樹脂としては、インクジェット記録用塗工層の形成に用いられる水溶性接着剤を用いることができるが、あまり造膜性の強い接着剤を用いるとインク吸収性が悪くなり、インクの溢れが発生するため、比較的造膜性の弱い、例えば酸化澱粉、エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体が好ましく用いられる。また、通常抄紙で用いられる表面サイズ剤を併用することができ、必要に応じて消泡剤、染料、着色顔料、蛍光剤等を併用することも可能である。
サイズプレス液に用いられるカチオン性樹脂は、アニオン性のインクジェットインクを定着させ、水性インクの耐水性を向上させる効果があり、例えば、ポリアミン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ポリアミド・エポキシ系樹脂、ポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・二酸化イオウ共重合物等を挙げることができる。特に好ましい化合物として、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン系樹脂を挙げることができ、ジメチルアミン、エピクロルヒドリンを主成分とし、アンモニア、1級アミン及びジメチルアミン以外の2級アミンから選ばれる1種以上を第3成分とする重縮合物が最も好ましい。
1級アミン、2級アミンの例としては、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピペリジン、ピロール、カルバゾール等を挙げることができる。オフセット印刷時の湿し水への溶出を抑えるためには比較的疎水性の大きな基を有する第3成分の使用が好ましい。
本発明で用いられる水溶性多価金属塩としては、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛等の多価金属の、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等を用いることができ、好ましい例として、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩を挙げることができる。
本発明に使用する基紙の吸水度試験方法コッブ法(JIS P8140)によるコッブサイズ度は12〜30g/m2が好ましい。12g/m2未満の場合には、インクジェット記録用塗工層やオフセット印刷層にインクジェット印刷や水性ペンでの筆記の際にインクが浸透しにくく、インクの乾燥が悪く、汚れの発生の原因となりやすい。また、30g/m2を超える場合には、インクの滲みが大きくなる恐れがある。
この時のサイズプレス液中の水溶性高分子の付着量としては、凡そ0.5〜3.0g/m2であるが、前記の好ましいコッブサイズ度の範囲となるように付着量を決定すれば良い。
本発明におけるカチオン性樹脂の付着量は、固形で0.1〜2.0g/m2が好ましい。0.1g/m2未満では、水性の染料インク耐水性、顔料インクの印字濃度向上の効果が得られにくく、2.0g/m2を超えると、オフセット印刷層を設けて被覆層を形成したとしてもオフセット印刷の際に湿し水への溶出の恐れがある。
水溶性多価金属塩の付着量としては、固形で0.1〜2.0g/m2が好ましい。0.1g/m2未満では、顔料インクの印字濃度向上の効果が得られにくく、2.0g/m2を超えるとサイズプレス液中での凝集物の発生やオフセット印刷時の湿し水への溶出が起こる恐れがある。
インクジェット記録用塗工層の反対面に設けるオフセット印刷層としては、良好なインキ着肉性、耐刷性を有することが必要であり、基紙に用いるカチオン性樹脂や水溶性多価金属塩の湿し水への溶出を防止する役割を果たすものである。その成分としては、水溶性高分子樹脂を主成分とし、消泡剤、抑泡剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤などを必要により適宜用いることができる。オフセット印刷での耐刷性を考慮すると、顔料成分を含まない方が好ましい。
オフセット印刷層に用いられる水溶性高分子樹脂としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、カルボキシセルロース、ポリアクリルアミド等を用いることができる。
オフセット印刷層は、0.1〜1.0g/m2が好ましい。0.1g/m2未満では、カチオン性樹脂や水溶性多価金属塩の溶出を防止する効果が得られにくく、1.0g/m2を超えると、インクジェット印刷や水性ペンでの筆記の際にインクが浸透しにくく、インクの乾燥が悪く、汚れの発生の原因となる。
本発明のインクジェット記録用塗工層形成に用いられる塗工液としては、顔料、接着剤、カチオン性樹脂等のインク定着剤を主成分とし、これらに添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜用いることができる。
インクジェット記録用塗工層形成用塗工液に用いられる顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、気相法シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、中空顔料、尿素樹脂、メラミン樹脂、などの有機顔料などを用いることができる。特に、多孔質無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性アルミナ、多孔性炭酸マグネシウムなどが挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。また、無機超微粒子を使用することも可能である。無機超微粒子とは、一次粒子径が100nm以下の無機微粒子であり、例えば、擬ベーマイトゾル、シリカ/アルミナハイブリットゾル、シリカゾル等が挙げられる。
インクジェット記録用塗工層形成用塗工液に用いられる接着剤としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、各種変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、無水マレイン酸樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル強重合体、ポリウレタン樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル系の重合体および共重合体などのビニル系共重合体ラテックス;これらの各種共重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂の水性接着剤が挙げられる。
本発明のインクジェット記録用塗工層形成用塗工液やオフセット印刷層を基紙に設ける塗工方式としては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ゲートロールコーター、トランスファロールコーター等が挙げられるが、インクジェット印刷時のインク吸収ムラを考慮すると、インクジェット記録用塗工層の形成には、特にカーテン塗工方式を用いることが好ましい。
インクジェット記録用塗工層の基紙への塗工量は、2〜10g/m2(乾燥質量固形分)が好ましい。また、更に一段の印字特性向上、外観上の向上を図るために、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の平滑化装置で処理することも可能である。
本発明に用いられる単層基紙の坪量は、特に限定されることはないが、50〜350g/m2が好ましく、プリンターでの搬送性、通紙性を考慮すると、70〜250g/m2が特に好ましい。
以下、最も代表的な実施例により、本発明の好適態様とその優れた効果を具体的に説明する。尚、以下において部はすべて質量部であり、%はすべて質量%である。
〔インクジェット記録用塗工層塗工液の作製〕
合成非晶質シリカ100部、ポリビニルアルコール23部、カチオン定着剤25部を混合して、固形分が20%のインクジェット記録用塗工層塗工液を得た。
〔カチオン性樹脂の作製〕
ジメチルアミン、アンモニア、エチレンジアミン及びエピクロルヒドリンを、1.0:0.3:0.2:1.5のモル比で重合させ、重量平均分子量3.0万のカチオン性樹脂Aを得た。また、ジメチルアミン、アンモニア及びエピクロルヒドリンを、1.0:0.5:1.5のモル比で重合させ、重量平均分子量2.5万のカチオン性樹脂Bを得た。
なお、吸水度試験方法コッブ法の測定は、JIS P8140を基に、接触時間を10秒に変更して行った。この場合、水を捨てるまでの時間を5±0.5秒とし、吸い取りを開始するまでの時間を10±1秒とした。
LBKP90部とNBKP10部の混合パルプをフリーネス500mlcsfになるまで叩解したパルプスラリーに、タルク10部、ロジン系エマルジョンサイズ剤0.5部、硫酸バンド1.8部を添加混合し、1%に希釈して長網抄紙機で坪量150g/m2の原紙を抄造し、サイズプレス液として酸化澱粉5%、カチオン製樹脂A3%、硫酸マグネシウム3%の混合水溶液をサイズプレス液として、インクラインドサイズプレス方式で処理して単層基紙を作製した。この時のコッブサイズ度は18g/m2で、サイズプレス液付着量は、固形で2g/m2であった。更に、インクジェット記録用塗工層塗工液を10g/m2(乾燥固形)と、その裏面に酸化澱粉の2%水溶液を0.5g/m2を塗工・乾燥して実施例1のインクジェット用記録シートを得た。
サイズプレス液のカチオン性樹脂A3%をカチオン性樹脂B3%に換える以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット用記録シートを得た。
(比較例1)
サイズプレス液を酸化澱粉5%水溶液とする以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット用記録シートを得た。
(比較例2)
サイズプレス液を酸化澱粉5%、カチオン性樹脂B3%の混合水溶液とする以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット用記録シートを得た。
(比較例3)
サイズプレス液を酸化澱粉5%、硫酸マグネシウム3%の混合水溶液とする以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット用記録シートを得た。
(比較例4)
裏面にオフセット印刷層を設けない以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット用記録シートを得た。
実施例1、2及び比較例1〜4で得たインクジェット用記録シートを下記方法により評価し、結果を表1に示した。
評価方法
《ペン書きサイズ》
J.TAPPI No.12に基づき、オフセット印刷層のペン書きによる滲みを0〜6までの等級で示した。数値が大きくなるほど滲みが小さい。インキは、THE PARKER PEN CANPANY:Quink:PERMANENT RED INKを使用した。
《インクジェット印字適性評価:顔料インク印字濃度》
セイコーエプソン社製PX−V700(顔料インク使用)を用いて、オフセット印刷層面に印字し、ブラック印字濃度を色差計(PF−10:日本電色製)で測定した。
《インクジェット印字適性評価:染料インク耐水性》
キャノン社製PIXUS F−900(染料インク使用)を用いて、インクジェット記録用塗工面に印字し、2時間後に印字上に水を1滴垂らして滲みの程度から耐水性を以下の基準で判定した。
A:全く滲みが生じない。
B:印字部がわずかに滲んでいるが、注意して見なければ気付かない程度。
C:はっきりと滲みが見られるが、文字の識別はでき、実用可能な限界レベル。
D:印字部の滲みが酷く、実用上支障がある。
《オフセット印刷適性評価》
枚葉印刷機(ダイヤ3H−4:三菱重工業社製)で印刷を行い、インキ着肉、印刷部の汚れ、欠け等から判断して、印刷の許容限界枚数を調べ、枚数によって、以下の通りランク付けを行った。A、Bは実用上の問題なく、Cは実用可能な限界レベルであり、Dは実用不可である。なお、刷版は、ポジタイプPS版、インキはオフセット用油性インキ金赤、給湿液は市販品(IF−211:富士フィルム社製)の1.5%液を使用した。
A:印刷部に異常なく、20万枚以上印刷可。
B:わずかに細線に細りが見えるが問題なく、10〜20万枚印刷可。
C:5〜10万枚で、印刷部に汚れまたは欠けの兆候が現れ、印刷を停止。
D:5万枚に至るまでに印刷部に汚れが発生し、印刷を停止。
Figure 2005271522
以上の結果から、本発明の実施例であるサイズプレス液にカチオン性樹脂と硫酸マグネシウムを併用することにより、インクジェット記録用塗工面の染料インクの耐水性やオフセット印刷層に顔料インクを印字した場合の印字濃度が著しく向上するが、本発明外の比較例であるカチオン性樹脂や硫酸マグネシウムを使用しない場合はこれらの特性が著しく悪く、一方しか併用しない場合にも十分な改良効果が得られないことが分かる。また、インクジェット記録用塗工層の裏面にオフセット印刷層を設けることにより、ペン書きサイズ性は良化し、オフセット印刷適性も向上することが分かる。特に、サイズプレス液にカチオン性樹脂を併用した場合、オフセット印刷層を設けないとオフセット印刷適性が著しく低下するが、オフセット印刷層を設けることにより、これを改善することができる。
以上の実施例から明かなように、本発明によれば基紙の片面にインクジェット記録用塗工層を有し、反対面にオフセット印刷を行うインクジェット用記録シートにおいて、優れたインクジェット適性とオフセット印刷適性の両方を併せ持つことが可能となり、例えば、インクジェット用の郵便はがきのように、通信面(インクジェット記録用塗層側)にはフルカラー印刷を行い、反対面には予めオフセット印刷により料額印刷や郵便枠の印刷を行い、更には万年筆、水性ペン等での印字滲みの発生が少なく、インクジェット印字による宛名の印刷等でも滲みがなく、高い印字濃度の印刷が可能となる。

Claims (2)

  1. 木材パルプ、填料を主成分とする基紙の片面に、少なくとも1層以上のインクジェット記録用塗工層を設け、さらに該塗工層の反対面に水溶性高分子樹脂を主成分とするオフセット印刷層を設けたインクジェット用記録シートであって、該基紙が単層であり、水溶性高分子樹脂、カチオン性樹脂及び水溶性多価金属塩を主成分とするサイズプレス液で表面処理されたことを特徴とするインクジェット用記録シート。
  2. 該カチオン性樹脂が、ジメチルアミン、エピクロルヒドリンを主成分とし、アンモニア、1級アミン及びジメチルアミン以外の2級アミンから選ばれる1種以上を第3成分とする重縮合物である請求項1記載のインクジェット用記録シート。
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