JP2006110847A - インクジェット用記録シート - Google Patents

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康峰 吉田
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信博 籠田
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Abstract

【課題】木材パルプ、填料を主成分とする基紙の片面または両面に、少なくとも1層以上のインクジェット記録用塗工層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、インクジェット記録用塗工層側に縁なし印刷を行った後、裏面にインクジェット印刷を行う際に発生するプリンタでの搬送捲れを防止したインクジェット用記録シートを提供する。
【解決手段】インクジェット記録用塗工層あるいはその下塗り層に、非水溶性有機溶剤内包のマイクロカプセルを含有させることにより、縁なし印刷でのプリンタ搬送捲れを防止することが可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基紙の片面または両面にインクジェット記録用塗工層を設けたインクジェット用記録シートに関し、特にインクジェット縁なし印刷に適したインクジェット用記録シートに関する。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙、フィルム等の記録用シートに付着させ、画像、文字などの記録を行なうものであり、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装置として種々の用途に急速に普及している。その上、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷や多色カラー写真方式による印画と比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。また、作成部数が少なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
また、デジタルカメラの普及により、簡単に高精細なフルカラーのインクジェット記録画像が得られるようになり、近年、年賀葉書や暑中見舞の葉書、グリーティングカード等としてもインクジェット用記録シートが用いられることが多くなっている。また、このような葉書やカード類に写真のような画像を記録する際に、記録画像の周囲に余白をもたない「縁なし画像」を形成する方法が開示され(例えば、特許文献1参照)、実際にインクジェット記録用の葉書等で広く行われるようになっている。
ところが、葉書やカード類で両面インクジェット印刷を行う際に、先にベタ画像に近い縁なし画像を形成(以下、縁なし印刷と称す)し、次いで反対面にもインクジェット印刷を行うと、縁なし画像の先端エッジ部分が捲れて白く欠けてしまうという現象(以下、捲れと称す)が発生することが分かった。この捲れは、葉書やカード類のように厚手のインクジェット用紙を用いた際に発生しやすい。
このような捲れの発生を防止するための方法として、坪量が140〜280g/m2であるインクジェット記録用紙において、ベタ画像印刷有無のZ軸強度比Sa/Spを0.95〜1.00とすること(Saはベタ画像印刷有り、Spは無しの時のZ軸強度)が開示されており、その具体的な方法として、1)基紙の濾水度を下げる、2)針葉樹パルプの配合、3)紙中填料の配合を下げる、4)基紙に内添する紙力増強剤の量を増す、5)サイズプレス液中に紙力増強剤を添加し、基紙表面に含浸又は塗工する等が挙げられており、5)の方法が最も効率が良く、特にサイズプレス液にポリアクリルアミドを含有させることが好ましいとの記載がある(特許文献2参照)。
特開平10−315444号公報 特開2004−175097号公報
ところが、基紙にポリアクリルアミド含有サイズプレス液を含浸あるいは塗工して十分な捲れ防止の効果を得ようとすると、基紙へのインクジェット記録用水性インクの浸透性
が低下し、インクの乾きが遅くなる。インクジェット記録層を設けた上に記録する場合は塗工層の吸収能力によって補われるが、官製年賀葉書の宛名面のように顔料塗工層が無い場合には乾燥不足による汚れが発生しやすくなる。
従って、本発明の目的は、基紙の片面または両面にインクジェット記録用塗工層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、縁なし印刷に付随する捲れの発生が無く、インク吸収性、乾燥性に優れ、インクジェット記録適性の良好なインクジェット用記録シートを提供することである。
本発明者らは鋭意研究の結果、木材パルプ、填料を主成分とする基紙の片面または両面に、少なくとも1層以上のインクジェット記録用塗工層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、該塗工層に非水溶性有機溶剤を内包するマイクロカプセルを含有させるか、マイクロカプセル含有層を設けた後にインクジェット記録用塗工層を設けることにより、前述の課題が解消されることを見い出し本発明に至った。
両面印刷時の縁なし印刷によるプリンタ搬送捲れの軽減が可能であり、例えば、インクジェット用の郵便はがきのように、通信面(インクジェット記録用塗層側)に縁無し印刷を有するフルカラー印刷を行い、反対面にインクジェットで宛名書きを行う際に、搬送捲れが少なく外観の良好なインクジェット葉書の印刷物を得ることができる。
縁なし印刷後に反対面にインクジェット記録を行った際に発生する捲れについては、プリンターに挿入する側の用紙エッジで発生し、用紙切り口のインクジェット記録用塗工層と基紙との界面近傍の基紙側で発生することが確認されている。縁なし印刷の際に、用紙エッジ付近に印刷されたインクが用紙切り口から廻り込んで、塗工層で吸収しきれずに基紙側に浸透し湿潤状態となり、基紙側の強度が低下した状態で反対面に記録する際にプリンター内部で擦られて捲れが発生すると考えられるが、本発明によるインクジェット用記録シートを断裁した切り口は、非水溶性有機溶剤を内包するマイクロカプセルが切断され、内包される有機溶剤が露出するためにインクジェット記録用の水性インクの浸透が妨げられ、捲れの発生が抑えられる。マイクロカプセルは切り口以外の記録層にも存在するが、断裁や過剰な圧力による負荷が掛からなければマイクロカプセルは破壊されず、インクジェット記録適性には影響を与えない。
本発明のインクジェット記録用塗工層形成に用いられる塗工液としては、非水溶性有機溶剤内包マイクロカプセル以外に、主成分として顔料、接着剤が、添加剤としてカチオン性樹脂等のインク定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、pH調節剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等が適宜用いられる。
非水溶性有機溶剤を内包するマイクロカプセルの膜材および製造方法としては、公知技術を適用することができるが、耐水性の被膜を形成可能なカプセル製法を選択することが好ましい。一般的には、非水溶性有機溶剤を水相に微小滴として分散し、その微小滴の周囲に不溶性の合成樹脂膜を形成してマイクロカプセルを作製することができる。メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等の初期縮合物を水相側から添加した後、樹脂化して不溶性皮膜を形成するin situ重合法や、水相と微小滴化した非水溶性有機溶剤との界面で不溶性合成樹脂皮膜を形成する界面重合法等が知られ、これらはノーカーボン感圧複写紙用のマイクロカプセルの製造に広く用いられている。
非水溶性有機溶剤としては、例えば、ノーカーボン感圧複写紙用マイクロカプセルの内相油として公知のものを用いることができ、フェニルキシリルエタン、フェニルエチルフェニルエタン、フェニルクミルエタン、フェニル第2ブチルフェニルエタン等のジアリールアルカン、第2ブチルビフェニル、イソプロピルビフェニル等のアルキル化ビフェニル、ジイソプロピルナフタレンのようなアルキル化ナフタレン、アルキル化ターフェニル、等の芳香族化合物やノルマルパラフィン、イソパラフィン、塩素化パラフィン等のパラフィン油、ナフテン油、高級脂肪酸エステル系溶剤、等を挙げることができる。
本発明で使用するマイクロカプセルの大きさ(体積平均粒子径)は、1〜6μmが好ましく、特に2〜4μmが好ましい。マイクロカプセルの膜材の厚さにもよるが、マイクロカプセルの平均粒径が大きすぎる場合には、インクジェット用記録シートの製造で、記録用塗工層形成後にカレンダー掛けを行う場合、マイクロカプセルの一部が破壊してインクジェット記録適性を阻害するおそれがある。また、マイクロカプセル平均粒径が小さすぎる場合には、インクジェット記録用紙を断裁した時にマイクロカプセルが破壊する確率が小さく、捲れ防止の効果が得られにくい。
インクジェット記録用塗工層形成用塗工液に用いられる顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、気相法シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、中空顔料、尿素樹脂、メラミン樹脂、などの有機顔料などを用いることができる。特に、多孔質無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性アルミナ、多孔性炭酸マグネシウムなどが挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。また、無機超微粒子を使用することも可能である。無機超微粒子として、一次粒子径が100nm以下の無機微粒子であり、例えば、擬ベーマイトゾル、シリカ/アルミナハイブリットゾル、シリカゾル等が挙げられる。
インクジェット記録用塗工層形成用塗工液に用いられる接着剤としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、各種変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、無水マレイン酸樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル強重合体、ポリウレタン樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル系の重合体および共重合体などのビニル系共重合体ラテックス;これらの各種共重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂の水性接着剤が挙げられる。
本発明のインクジェット記録用塗工層を基紙に設ける塗工方式としては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ゲートロールコーター、トランスファロールコーター等が挙げられるが、インクジェット印刷時のインク吸収ムラを考慮すると、インクジェット記録用塗工層の形成には、特にカーテン塗工方式を用いることが好ましい。
インクジェット記録用塗工層の基紙への塗工量は、5〜30g/m2(乾燥質量固形分)が好ましく、7〜15g/m2が最も好ましい。また、塗工層中のマイクロカプセルの含有率は、1〜20%が好ましい。
また、印字特性、外観等の一層の向上を図るために、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の平滑化装置で処理することも可能である。
インクジェット記録用塗工層は、単層に限ることはなく2層以上の複数層とすることができる。非水溶性有機溶剤内包マイクロカプセルは、1層あるいは複数層に含有させることができ、特に、インクジェット記録用インクの基紙への浸透を防止するという点では、
基紙に隣接する下塗り層としてマイクロカプセル含有層を設けた後、インク吸収層としての上塗り層を設ける場合に最も優れた捲れ防止の効果が得られる。
下塗り層に用いる顔料、接着剤としては、前述のインクジェット記録用塗工層形成用塗工液に使用されるものと同様のものが適宜用いられる。塗工量は、3〜20g/m2が好ましく、4〜12g/m2が最も好ましい。
インクジェット記録用塗工層の反対面としては、特に塗工層を設ける必要はないが、オフセット印刷を行う用途では、インキ着肉性、耐刷性等のオフセット印刷適性を向上させるため、塗工層を設けることができる。その組成としては、水溶性高分子樹脂を主成分とし、顔料、消泡剤、抑泡剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤などを必要により適宜用いることができる。
本発明の基紙に用いられるパルプは、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)などの化学パルプ、メカニカルパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミカルサーモメカニカルパルプ(CTMP)などの機械パルプ、竹、アバカ、ケナフ、エスパルト、バガスなどの非木材パルプ、古紙再生パルプなどが用いられる。
基紙に用いられる添加剤としては、通常抄紙で用いられる添加剤、例えば、填料としては炭酸カルシウム、タルク、カオリン、焼成カオリン、酸化チタン等、内添サイズ剤としてはロジン、強化ロジン、変成ロジン、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、中性ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)等、乾燥紙力増強剤としてはアクリルアマイド樹脂、変性ポリアクリルアマイド樹脂、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド澱粉誘導体、ポリビニルアルコール誘導体等が用いられ、その他に消泡剤、染料、着色顔料、蛍光増白剤、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤、歩留向上剤等を適宜用いることができる。
基紙のサイズプレス液に用いられる水溶性高分子樹脂としては、インクジェット記録用塗工層の形成に用いられる水溶性接着剤を用いることができるが、あまり造膜性の強い接着剤を用いるとインク吸収性が悪くなり、インクの溢れが発生するため、比較的造膜性の弱い、例えば酸化澱粉、エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体が好ましく用いられる。また、通常抄紙で用いられる表面サイズ剤を併用することができ、必要に応じて消泡剤、染料、着色顔料、蛍光増白剤、カチオン性定着剤、水溶性多価金属塩等を併用することも可能である。
アニオン性のインクジェットインク成分を定着させ、水性インクの耐水性を向上させるためのカチオン性樹脂としては、例えば、ポリアミン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ポリアミド・エポキシ系樹脂、ポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・二酸化イオウ共重合物等を挙げることができる。特に好ましい化合物として、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン系樹脂を挙げることができる。
水溶性多価金属塩としては、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛等の多価金属の塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等を用いることができ、好ましい例として、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩を挙げることができる。
基紙のサイズ度としては、吸水度試験方法コッブ法(JIS P8140)によるコッブサイズ度で12〜30g/m2が好ましい。12g/m2未満では、インクジェット記録用塗工層や反対面へのインクジェット印刷や水性ペン筆記によるインクが浸透しにくく、インクの乾燥が悪く、汚れの発生の原因となりやすい。また、30g/m2を超える場合には、インクの滲みが大きくなる恐れがある。
基紙の坪量は、特に限定されることはないが、捲れの発生しやすい厚手の記録用紙として、150〜250g/m2の基紙の場合に特に本発明の効果が得られやすい。
以下、最も代表的な実施例により、本発明の好適態様とその優れた効果を具体的に説明する。尚、以下において部はすべて質量部であり、%はすべて質量%である。
〔基紙の作製〕
LBKP90部とNBKP10部の混合パルプをフリーネス500mlcsfになるまで叩解したパルプスラリーに、タルク8部、強化ロジンサイズ剤0.5部、カチオン系ポリアクリルアミド0.8部、硫酸バンド2.0部を添加混合し、1%に希釈して長網抄紙機で坪量180g/m2の原紙を抄造し、酸化澱粉5%液をサイズプレス液として、インクラインドサイズプレス方式で処理して基紙Aを作製した。また、サイズプレス液を酸化澱粉3%、カチオン性ポリアクリルアミド2%の混合液に替えて同様にサイズプレス処理を行い、基紙Bを得た。
〔非水溶性有機溶剤内包マイクロカプセルの作製〕
フェニルキシリルエタン(SAS N−296、日本石油化学製)100部をスチレン−無水マレイン酸共重合体5%水溶液220部に強攪拌下で徐々に添加し、体積平均粒子径が4μmになるまで攪拌を続け乳化液を作製した。メラミン16部、37%ホルムアルデヒド水溶液30部、水40部を加熱溶解して得たメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を、予め作製した乳化液に添加し、70℃の温度下で2時間攪拌して非水溶性有機溶剤内包マイクロカプセル液を得た。
〔インクジェット記録用塗工層塗工液の作製〕
アンモニア 0.5部
合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B:(株)トクヤマ製) 50部
ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ(株)製) 30部
カチオン定着剤(スミレッツレジン1001:住友化学工業(株)製) 20部
非水溶性有機溶剤内包マイクロカプセル 10部
以上の比率で混合して、乾燥固形分が20%濃度のインクジェット記録用塗工層塗工液を得た。
〔インクジェット用記録シートの作製〕
基紙Aに、インクジェット記録用塗工層塗工液を12g/m2(乾燥固形)塗工・乾燥して実施例1のインクジェット用記録シートを得た。
フェニルキシリルエタンをn−パラフィン(n−パラフィンM、日本石油化学製)に、マイクロカプセル体積平均粒子径を3μmとする以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット用記録シートを得た。
フェニルキシリルエタンをナフテン油(サンセン60N、日本サン石油製)とする以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット用記録シートを得た。
アンモニア 0.5部
合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B) 50部
ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ(株)製) 30部
非水溶性有機溶剤内包マイクロカプセル 30部
以上の比率で混合して乾燥固形分が20%濃度の塗工液を、基紙に4g/m2(乾燥固形)塗工した後、非水溶性有機溶剤内包マイクロカプセルを不使用とした実施例1のインクジェット記録用塗工層塗工液を8g/m2(乾燥固形)塗工・乾燥して実施例4のインクジェット用記録シートを得た。
(比較例1)
非水溶性有機溶剤内包マイクロカプセルを不使用とする以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット用記録シートを得た。
(比較例2)
基紙Bを用いる以外は比較例1と同様にして比較例2のインクジェット用記録シートを得た。
実施例1〜4及び比較例1、2で得たインクジェット用記録シートを、ギロチン断裁機を用いて葉書サイズに断裁した後、下記方法により評価を行い、結果を表1に示した。
評価方法
《プリンタ搬送捲れ評価》
キヤノン社製PIXUS F−900を用いて、インクジェット用記録シート20枚の塗工面に連続して縁無し印刷を行った後、2時間後に裏面に印刷し、塗工面側の捲れ状態を目視により以下の基準で判定を行った。
A:全く捲れの発生なし。
B:記録シートの先端エッジ部分にわずかに当たり傷が見られるが、実用上の支障なし 。
C:記録シートの先端エッジ部分に0.5mm未満の微小捲れが発生または0.5mm
以上2.0mm未満の捲れが20枚中3枚以内であり、許容可能なレベル。
D:記録シートの先端エッジ部分に2.0mm以上の捲れが4枚以上発生。実用不可。
《インク乾燥性評価》
セイコーエプソン社製インクジェットプリンター(PM−970C)を用いて、インクジェット用記録シートの塗工面にブラックインクで文字印字を行い、平らな机上で印字1秒後に、市販のカラープリンター用純正紙を印字部に重ね、その上から10cm×5cm角の49Nの重りを乗せ、10秒経過後に重りを取り除き、カラーカードプリンター用純正紙への印字部の転写度合いについて目視評価を行い、以下の基準で判定した。
A:全く転写が起こっていない。
B:印字部のごく一部が転写しているが、転写部の輪郭ははっきりせず、転写度合いは
軽度である。
C:はっきりと転写が見られ、印字部の大部分が転写している。
D:転写が酷く、印字部の全面が転写している。
A、Bがインク吸収性として良好である。
《印字滲み評価》
セイコーエプソン社製インクジェットプリンター(PM−970C)を用いて、インクジェット用記録シートの塗工面にブラックインクで文字印字を行い、印字の滲みを目視評価し、以下の基準で判定した。
A:全く滲みの発生なし。
B:わずかに滲みが見られるが、実用上支障なし。
C:滲みが激しく、実用上支障あり。
Aが良好であり、Bまでが実用可能範囲である。
Figure 2006110847
以上の結果から、インクジェット記録用塗工層あるいはその下塗り層に非水溶性有機溶剤内包のマイクロカプセルを含有させることにより、断裁端部に縁無し印刷を行った後に裏面印刷を行っても、端部のプリンタ搬送捲れが無いか軽減が可能であり、基紙に紙力増強剤を処理して強度を上げた場合に比べ、インクジェット印刷での乾燥性が良く、また、印字部の滲みも少ない。

Claims (2)

  1. 木材パルプ、填料を主成分とする基紙の片面または両面に、少なくとも1層以上のインクジェット記録用塗工層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、該塗工層に非水溶性有機溶剤を内包するマイクロカプセルを含有することを特徴とするインクジェット用記録シート。
  2. 木材パルプ、填料を主成分とする基紙の片面または両面に、少なくとも1層以上のインクジェット記録用塗工層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、基紙に非水溶性有機溶剤を内包するマイクロカプセルを含有する塗工層を設け、その上にインクジェット記録用塗工層を設けたことを特徴とするインクジェット用記録シート。
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