JP2007185942A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Norifumi Tanaka
憲文 田中
Tadashi Yoshida
正 吉田
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Abstract

【課題】 顔料インクで印字した際に、印字濃度やインク乾燥性に優れ、さらにはオフセット印刷が可能で、筆記性にも優れたインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】 木材パルプ、填料を主成分とする基紙の片面或いは両面に、硫酸マグネシウムとアニオン性サイズ剤を含有する塗工液を塗布して、硫酸マグネシウムの片面あたりの乾燥付着量が0.01〜0.2g/mとする。
前記塗工液中には、顔料もしくはカチオン性樹脂を含まないことが好ましく、前記アニオン性サイズ剤がオレフィン−マレイン酸系サイズ剤であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特に顔料インクで印字した際に印字濃度、インク乾燥性に優れたインクジェット記録用紙に関するものであり、かつオフセット印刷が可能で、筆記性にも優れたインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録方式は、フルカラー化が容易なことや印字騒音が少ないことなどから近年急速に普及してきた。この方式はノズルから記録媒体に向けてインクの微小液滴を高速で飛翔、付着させて画像や文字などの記録を行うものであり、インク中には多量の溶媒を含む。従って、記録媒体としては速やかにインクを吸収する必要がある。また、近年ではインクジェットプリンターの普及に伴って、デジタルカメラからの画像をインクジェット記録により印字してダイレクトメール用カードや年賀葉書等を作製するといった用途も増えてきた。
インクジェットプリンターに使用されるインクとしては、水性タイプが主流であり、その中で染料タイプと顔料タイプに大別される。染料インクは、印字濃度が高く鮮やかな発色が得られるものの、光、ガス、水等に対する保存性が低い。そこで、最近、保存性の高い顔料インクを採用したインクジェットプリンターが現れてきた。しかしながら、顔料インクは、保存性は高いものの印字濃度が低く、また印字濃度を上げるためにインク量を多くすると乾燥不良が発生する点が指摘されている。インク側での改良が行われているが、まだ十分と言える状態ではなく、記録用紙側からの改良も望まれている。
インクジェット記録用紙側での改良手段として、顔料インクで印字した際の発色性やインク吸収性を改良する目的で、基紙やインクジェット記録用塗工層に水溶性多価金属塩を含有させることが開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、硫酸マグネシウムとカチオン性樹脂を併用して、画像の耐水性や印字濃度を改善した普通紙タイプのインクジェット記録用紙が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−287451号公報 特開2002−264485号公報 特開平9−290556号公報
ところで、用紙に記録を行う際の方式としては、インクジェット方式に限らず様々な方式が考えられる。可能であるならば、同じ用紙で、インクジェット方式での印字、オフセット印刷、万年筆や水性ペンでの筆記等、様々な形で記録が行えることが望ましい。
しかしながら、上記技術を用いた場合、顔料を用いた塗工層の影響や、或いはカチオン性化合物の影響で、オフセット印刷を行うことができず、また筆記性も十分なものではない。
したがって、本発明の目的は、顔料インクで印字した際に、印字濃度やインク乾燥性に優れ、さらにはオフセット印刷が可能で、筆記性にも優れたインクジェット記録用紙を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、木材パルプ、填料を主成分とする基紙の片面或いは両面に、硫酸マグネシウムとアニオン性サイズ剤を含有する塗工液を塗布し、硫酸マグネシウムの付着量を特定することで前記課題を解決できることを見いだした。
すなわち、本発明は木材パルプ及び填料を主成分とする基紙の片面或いは両面に、硫酸マグネシウムとアニオン性サイズ剤を含有する塗工液を塗布したインクジェット記録用紙であって、硫酸マグネシウムの片面あたりの乾燥付着量が0.01〜0.2g/mであることを特徴とするインクジェット記録用紙である。
さらに、前記塗工液中には、顔料及びカチオン性樹脂のいずれも含まないことが好ましく、前記アニオン性サイズ剤がオレフィン−マレイン酸系サイズ剤であることが好ましい。
また、本発明は木材パルプ、填料を主成分とする基紙の片面或いは両面に、硫酸マグネシウムとアニオン性サイズ剤とポリビニルアルコールとを含有する塗工液を塗布したインクジェット記録用紙であって、硫酸マグネシウムの片面あたりの乾燥付着量が0.01〜0.2g/m、ポリビニルアルコールの片面あたりの乾燥付着量が0.05g/m以上であり、かつ前記基紙において、硫酸マグネシウムとアニオン性サイズ剤とポリビニルアルコールを含有する塗工液を塗布した面と反対側の面に、顔料と結着剤を含有するインク受理層を設けてなるインクジェット記録用紙である。
さらに、前記塗工液中には、顔料及びカチオン性樹脂のいずれも含まないことが好ましく、前記アニオン性サイズ剤がオレフィン−マレイン酸系サイズ剤であることが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
<顔料インク>
本発明のインクジェット記録用紙は顔料インクでインクジェット記録される用途に好適に用いられる。この顔料インクとしては、例えばカルボキシル基含有ビニル系共重合体包含された顔料分散品(特開2003−211833号公報に記載)や、表面に−COONa基が結合された自己分散型の顔料分散品(特開2002−275397号公報に記載)等がある。
<基紙>
基紙の製法は、特に制限されるものではないが、LBKP、NBKP等の化学パルプを公知の技術で漂白したものが好ましい。また、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIPの古紙パルプや非木材パルプを1種以上、目的に応じた比率で混合して使用することが出来る。本発明においては、これらの木材・非木材パルプの他に、必要に応じて公知の填料やバインダー、内添サイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機にて紙匹を形成した後、乾燥させることによって基紙を得ることができる。また、サイズプレス装置にて外添サイズ剤やその他外添助剤等を塗布した紙を基紙として使用することもできる。これらの添加薬品は従来公知の薬品を使用することができ、例えば、填料ではカオリン、クレー、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、合成シリカ等を使用することができ、サイズ剤では、ロジン系(溶液タイプ、エマルションタイプ)、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ワックス系、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂等が挙げられる。
<記録面>
本発明においては、硫酸マグネシウムとアニオン性サイズ剤を含有する塗工液を基紙表面に塗布する。この塗工液を基紙に塗布した面を以後「記録面」という。前記記録面はインクジェット記録以外にもオフセット印刷することや万年筆、水性ペンで筆記することも可能である。記録面は、基紙の両面に設けても良く、また片面に設けても良い。
<塗工液>
本発明で使用する硫酸マグネシウムは、水和物であっても良い。例えば、化学式MgSO・7HOで表される硫酸マグネシウムの七水和物を好ましく用いることができる。基紙に対する硫酸マグネシウムの乾燥付着量は片面あたりで0.01〜0.2g/mの範囲であることが好ましく、0.01g/m未満であると、顔料インクで印字した際に十分な印字濃度が得られない。また、乾燥付着量が0.2g/mを超える場合は、印字濃度が高くなる一方でインク乾燥性が悪化するので好ましくない。
アニオン性サイズ剤は、記録面のサイズ性を調整するために用いられ、公知の高分子化合物を使用することができる。本発明におけるアニオン性サイズ剤は、疎水性モノマーと負電荷の親水性モノマーの共重合体である。疎水性モノマーとして、具体的にはスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレンなどのなどのスチレン系モノマー;ヘキセン、オクテン、デセンなどのオレフィン系モノマー;(メタ)アクリル酸エステルやマレイン酸エステル;などが挙げられる。
負電荷の親水性モノマーとして、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−エチルアクリル酸などの(メタ)アクリル酸系モノマー;マレイン酸、メチルマレイン酸、フェニルマレイン酸などのマレイン酸系モノマー;2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸などのスルホン酸系モノマー;などが挙げられる。上記各モノマーについては「高分子データハンドブック−基礎編−」(高分子学会編、培風館、1986年発行)に詳しく述べられている。
そして、これらの疎水性モノマーと負電荷の親水性モノマーとを共重合し、例えば、スチレン−アクリル酸樹脂系、スチレン−メタクリル酸樹脂系、スチレン−マレイン酸樹脂系、イソオクテン−マレイン酸樹脂系のアニオン性高分子化合物が得られる。
スチレン−(メタ)アクリル酸樹脂系の共重合体は、式
Figure 2007185942
で表され、式中のスチレン基が疎水性基であり、COO基が負電荷の親水性基となる(式中のl、mは任意の正数)。
イソオクテン−マレイン酸樹脂系の共重合体は、式
Figure 2007185942
で表され、式中のイソオクテン基が疎水性基であり、マレイン酸に由来する2つのCOO基が負電荷の親水性基となる(式中のl、mは任意の正数)。
スチレン−マレイン酸樹脂系の共重合体は、式
Figure 2007185942
で表され、式中のスチレン基が疎水性基であり、マレイン酸に由来する2つのCOO基が負電荷の親水性基となる(式中のl、mは任意の正数)。
特に、硫酸マグネシウムと併用した際に、高い印字濃度と高いサイズ性を得られる点から、アクリル酸−アクリルエステル共重合樹脂、メタクリル酸−メタクリルエステル共重合樹脂等の(メタ)アクリル樹脂系のアニオン性高分子化合物が好ましい。また、より少量でサイズ効果を得たい場合には、オレフィン−マレイン酸樹脂系のアニオン性高分子化合物がさらに好ましい。工業的に入手可能な(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリルエステル共重合樹脂としては、荒川化学工業社製の商品名DQ−10などが挙げられ、オレフィン−マレイン酸系樹脂としては、荒川工業社製の商品名PM−1329、PM−482Sなどが挙げられる。
基紙に対するアニオン性サイズ剤の乾燥付着量は、記録面が所望のサイズ性を有するように適宜調整される。記録面のサイズ性はJ.TAPPI No.12に準じ、ペン書きによる滲みを0〜6までの等級によって評価する(ペン書きサイズ度)。ペン書きサイズ度は5以上であることが好ましく、より好ましくは6である。サイズ性が低い(ペン書きサイズ度が小さい)と、にじみが大きくなり筆記性が低下する傾向にある。
本発明においては、硫酸マグネシウムとアニオン性サイズ剤を含有する塗工液中に親水性接着剤を含んでもよい。親水性接着剤は、上記塗工液による皮膜の強度を確保するためのものであり、皮膜を形成することができるアニオン性またはノニオン性の高分子化合物であればいずれのものでも使用することができる。また、皮膜を形成することにより、用紙のカールを矯正する働きを有する。具体的に親水性接着剤は、完全ケン化あるいは部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール樹脂、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、及びこれらの誘導体が挙げられ、これらを単独または複合使用しても良い。本発明において、カール矯正力が最も優れるという観点で、親水性樹脂としてポリビニルアルコールを使用することが好ましく、さらに重合度1000以上のポリビニルアルコールを使用することがより好ましく、ポリビニルアルコールの片面あたりの乾燥付着量が0.05g/m以上であることが好ましい。ポリビニルアルコールの付着量が0.05g/m以上であると、記録面の反対面にインク受理層を塗工した後に、蒸気により行うカールコントロールが容易になる。
また、上記塗工液には、本発明の効果を損なわない程度に保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤等を適宜添加することができる。
なお、上記塗工液には顔料又はカチオン性樹脂のいずれも含まないことが好ましい。ここでいう顔料とは、従来公知の顔料のことであり、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂など有機顔料をいう。
また、本発明においてカチオン性樹脂とは、正電荷を持つ樹脂であり、いわゆるカチオン性染料定着剤や、カチオン変性された親水性接着剤、カチオン性のサイズ剤を表す。例えば、カチオン性染料定着剤としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、カチオン変性された親水性接着剤としては、カチオン性ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉等が挙げられる。また、カチオン性のサイズ剤としては、アミド系サイズ剤やカチオンモノマーを共重合させたスチレン系及びスチレンアクリル系のサイズ剤等が挙げられる。
これらカチオン性樹脂を基紙に付着させると、オフセット印刷時にカチオン性樹脂の溶出が起こり、アニオン性である印刷湿し水と反応し、オフセット印刷適性の悪化や、耐刷性の低下が生じてしまうため好ましくない。
基紙上に上記塗布液を塗布する方法としては、一般的な塗工装置である各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、ショートドゥエルコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン又はオフマシンで使用することができる。また、上記塗布液を塗工した後に記録面をマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置で表面処理することも可能である。
<インク受理層>
本発明においては、いずれか一つの記録面とは反対側の基紙表面に、顔料、親水性接着剤を主成分とするインク受理層を設けることもできる。このインク受理層はインクジェットプリンターで印字することを目的として設けられるものであり、オフセット印刷適性は考慮しても、しなくてもよい。インク受理層に用いられる顔料としては、従来公知の白色顔料を使用することが出来る。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂など有機顔料を用いることができる。この中でも合成非晶質シリカ、アルミナが特に好ましい。
インク受理層に使用する親水性接着剤は、特に限定されるものではなく、塗膜としての特性を維持するために顔料を結着する作用と、表面強度の維持、インク吸収性の確保などの目的で使用され、例えば酸化デンプン、エーテル化デンプン、リン酸エステル化デンプンなどのデンプン誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白などのタンパク質類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂などの水溶性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化性樹脂などの水性接着剤、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラ−ル、アルキッド樹脂ラテックス等が挙げられる。
これらの接着剤の少なくとも1種を使用することができる。その配合部数は、前記した顔料100重量部に対し、20〜80部であることが好ましい。結着剤の配合部数が少ないと表面強度が不十分となり、多すぎるとインク吸収性が不十分となる。
インク受理層には、さらに金属塩やカチオン性染料定着剤を含有させることが好ましい。金属塩やカチオン性染料定着剤は単独または2種以上を組み合わせて用いても良い。
さらに添加剤として、界面活性剤、サイズ剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、保水剤などを適宜配合することもできる。
インク受理層の塗工量は、3〜30g/m2であることが好ましく、より好ましくは5〜20g/m2である。塗工量が少なすぎるとインク溶媒の吸収が不十分となるので、特に混色系での画像で滲みが顕著に認められる。またインク受理層の塗工量が多過ぎると、巻き取ったものを平版にしたり、更に小判断裁する際に、塗工層が基紙から粉状に落ちたり、印字部を擦っただけで塗工層が脱落する等、表面強度が不十分になるので好ましくない。また、インク受理層を2層以上設けてもよい。
インク受理層を基紙表面に設けるためには、記録面塗工液の場合と同様に、一般的な塗工装置である各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、ショートドゥエルコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン又はオフマシンで使用することができる。また、インク受理層を塗工した後にインク受理層をマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置で表面処理することも可能であるし、また、インク受理層をキャストコーター等を用いて塗工し、光沢性を付与することも可能である。
さらに、本発明のインクジェット記録用紙は、必要に応じて用紙表面に水分を供給したり、蒸気による加湿をしたり等の処理を、オンラインまたはオフラインで実施してカールの向き、大きさをコントロールすることができる。なお、この水分供給装置又は加湿処理装置は、特に限定されるものではなく、どのような装置を用いても良い。特にインクジェット用の郵便はがきのように、記録面の反対側にインク受理層を設けた場合、インク受理層を乾燥した後、インク受理層側へ用紙が強く引っ張られるため、カールコントロールが重要となる。
以下、実施例により本発明を更に詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。
<実施例1>
基紙
広葉樹漂白クラフトパルプ100%を叩解して濾水度を350mlに調整したパルプ100部に、カオリン10部、硫酸バンド1.0部、ロジン系サイズ剤0.1部に歩留まり剤、染料などを添加し、長網抄紙機で紙匹を形成した。乾燥した後、酸化デンプン(MS3600 日本食品化工製)5%、表面サイズ剤(コロパール 星光PMC製)0.1%の液を、サイズプレスを用いて乾燥重量が3.5g/mとなるように塗布し、乾燥後マシンカレンダー処理して坪量180/mの基紙を製造した。
上記で製造した基紙に、硫酸マグネシウム0.25部、アニオン性サイズ剤(DQ−10 荒川化学工業製)2部、ポリビニルアルコール(PVA−117 クラレ製;重合度1700)0.5部に消泡剤及び希釈水等を適宜添加した、固形分濃度が1.5%の塗工液を、バーブレードコーターを用い塗工量が0.2g/mとなるように塗工、乾燥を行った。
<実施例2>
硫酸マグネシウムを2.5部としたこと以外は、実施例1と全く同様にして実施例2のインクジェット記録用紙を得た。
<実施例3>
実施例1において、基紙の反対面に、下記に示すインク受理層を設けて、その後カールコントロールを実施したこと以外は、実施例1と全く同様にして実施例3のインクジェット記録用紙を得た。
インク受理層
合成非晶質シリカ(ニップジェルAY−603 東ソー・シリカ工業製)70部、合成非晶質シリカ(ミズカシルP−50 水澤化学工業製)30部、ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製)35部、エチレン酢酸ビニル共重合体ラテックス(リカボンド BE−7000 中央理化工業製)25部、カチオン性サイズ剤(ポリマロン360 荒川化学工業製)2部、カチオン性染料定着剤(PAS−H−10L 日東紡績製)5部に消泡剤及び希釈水等を適宜添加した、固形分濃度が18%のカラーを、エアーナイフコーターを用いて塗工量が12g/mとなるように塗工、乾燥しインク受理層とした。

カールコントロール
インク受理層を塗工した面に用紙が大きくカールしているため、その反対面(記録面)側に蒸気による加湿を行った後、乾燥してカールを矯正した。
<実施例4>
上記で製造した基紙に、硫酸マグネシウム1.7部、アニオン性サイズ剤(PM−1329 荒川化学工業製)0.8部、ポリビニルアルコール(PVA−117 クラレ製)2部に消泡剤及び希釈水等を適宜添加した、固形分濃度が1.0%の塗工液を、バーブレードコーターを用い塗工量が0.13g/mとなるように塗工、乾燥を行った。基紙の反対面には実施例3と同様のインク受理層を設けた。その後、実施例3と同様にしてカール矯正を行い、インクジェット記録用紙を得た。
<実施例5>
アニオン性サイズ剤(PM−482S 荒川化学工業製)を0.3部、ポリビニルアルコール(PVA−117 クラレ製)を2.5部としたこと以外は、実施例4と全く同様にして実施例5のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例1>
硫酸マグネシウムを添加しなかったこと以外は、実施例1と全く同様にして比較例1のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例2>
塗工液の固形分濃度を0.5%とし、塗工量を0.07g/mとしたこと以外は、実施例1と全く同様にして比較例2のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例3>
塗工液の固形分濃度を4.5%とし、塗工量を0.6g/mとしたこと以外は、実施例2と全く同様にして比較例3のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例4>
アニオン性サイズ剤をカチオン性サイズ剤(ポリマロン360 荒川化学工業製)に変更したこと以外は、実施例1と全く同様にして比較例4のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例5>
アニオン性サイズ剤をカチオン性染料定着剤(PAS−H−10L 日東紡績製)に変更したこと以外は、実施例1と全く同様にして比較例5のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例6>
カチオン性染料定着剤(PAS−H−10L 日東紡績製)1部を加えたこと以外は、実施例1と全く同様にして比較例6のインクジェット記録用紙を得た。
<比較例7>
アニオン性サイズ剤を添加せず、塗工液濃度を0.4%とし、塗工量を0.05g/mとしたこと以外は、実施例1と全く同様にして比較例6のインクジェット記録用紙を得た。
<評価方法>
上記実施例1〜5及び比較例1〜7で得られたインクジェット記録用紙の評価を、以下に示す方法により行った。
評価項目
<印字濃度>
表計算ソフト『エクセル』で黒のベタ画像を作製し、キヤノン社製の顔料インク使用インクジェットプリンターPIXUS 550iを用いて23℃×50%RH環境下にて印字し、同環境下にて24時間放置した後、マクベス濃度計(RD915、Macbeth社製)を用いて印字濃度を測定した。明瞭な印字物を得るためには、印字濃度は概ね1.2以上必要であり、より好ましくは1.3以上である。
なお、印字に際しては、プリンター添付のプリンタードライバーの設定を、用紙については「はがき」、モード設定については「標準」をそれぞれ選択してプリントアウトした。
<インク乾燥性>
表計算ソフト『エクセル』で黒のベタ画像を作製し、キヤノン社製の顔料インク使用インクジェットプリンターPIXUS 550iを用いて23℃×50%RH環境下にてはがきサイズ(100mm×148mm)の用紙を10枚連続で印字し、積み重なった印字物の反対面へのインク転写の様子を評価した。なお、印字に際しては、プリンター添付のプリンタードライバーの設定を、用紙については「はがき」、モード設定については「標準」をそれぞれ選択してプリントアウトした。
A:全く転写が見られない。
B:わずかにインクの転写が見られるが、注意して見なければ気付かない程度。
C:インクの転写が酷く、実用上支障がある。
<ペン書きサイズ>
J.TAPPI No.12に準じ、ペン書きによる滲みを0〜6までの等級で示した。数値が大きいほど滲みが少なく、通常、5以上であれば良好である。
<オフセット印刷適性>
オフセット枚葉印刷機として、LITHRONE44(小森製)を使用し、湿し水として、水道水にアクアマジック(東洋インキ製)を添加しpHを5.0に調整して使用し、赤・青の2色印刷を行い、印刷部の汚れ・欠け等から判断して、印刷の許容限界枚数を調べ、以下のように評価した。A、Bは実用上の問題はなく、C、Dは実用上支障がある。
A:印刷部に異常がなく、20万枚以上印刷可。
B:わずかに細線がかすれ気味であるが問題なく、10〜20万枚印刷可。
C:5〜10万枚で、印刷部に汚れまたは欠けが生じ、印刷停止。
D:5万枚未満で、印刷部に汚れまたは欠けが生じ、印刷停止。
<カールコントロール適性>
記録面の反対面にインク受理層を塗工した後、蒸気によりカールコントロールを行い、コントロールのしやすさを評価した。処理速度を遅くしなければならないCは、製造効率が低下する。
A:容易にカールコントロールが可能である。
B:蒸気量を装置の最大限付近まで増加することで、カールコントロールが可能になる。
C:処理速度を遅くしてようやくカールコントロールが可能になる。
Figure 2007185942
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表1、2から明らかなように、実施例1〜5のインクジェット記録用紙は、硫酸マグネシウムを乾燥付着量として0.01〜0.2g/mの範囲で付着させ、かつアニオン性サイズ剤を硫酸マグネシウムと併用しているため、顔料インクで印字した際の印字濃度が高く、インク乾燥性に優れ、またペン書きによる滲みが少なく、オフセット印刷適性が高かった。一方、硫酸マグネシウムを添加していない比較例1、及び硫酸マグネシウムの付着量が不足している比較例2では、印字濃度が低かった。逆に、硫酸マグネシウムの付着量が過剰である比較例3では、印字濃度は高いもののインク乾燥性が劣っていた。また、カチオン性サイズ剤を使用している比較例4、及びカチオン性染料定着剤を使用している比較例5、6では、いずれもオフセット印刷適性に支障をきたした。また、サイズ剤を使用していない比較例5、7はペン書きサイズが不十分であった。
これらの結果は、本発明により得られたインクジェット記録用紙が、優れたインクジェット適性とオフセット印刷適性の両方を併せ持ち、さらに筆記性にも優れることを実証するものである。したがって、実施例3〜5のように一方の面に顔料、親水性接着剤及びカチオン性染料定着剤を主成分とするインク受理層を設けた場合は、例えばインクジェット用の郵便はがきとして使用することができ、該インク受理層面を通信面としてインクジェットでフルカラー印刷を行い、反対面(宛名面)には予めオフセット印刷により料額印刷や郵便枠の印刷を行うことができ、さらには宛名を万年筆や水性ペン等で滲みの発生なく書くことができ、或いは宛名をインクジェット印字により、高速かつ高い印字濃度で印刷を行うことが可能となる。
さらに、記録面のPVA付着量を0.05g/m以上とした実施例4、5ではカールコントロール適性が増し、製造効率が高くなる。

Claims (6)

  1. 木材パルプ及び填料を主成分とする基紙の片面或いは両面に、硫酸マグネシウムとアニオン性サイズ剤を含有する塗工液を塗布してなるインクジェット記録用紙であって、前記硫酸マグネシウムの片面あたりの乾燥付着量が0.01〜0.2g/mであることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記塗工液は、顔料及びカチオン性樹脂をいずれも含まないことを特徴とする請求項1に記載されたインクジェット記録用紙。
  3. 前記アニオン性サイズ剤がオレフィン−マレイン酸系サイズ剤であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたインクジェット記録用紙。
  4. 木材パルプ及び填料を主成分とする基紙の片面或いは両面に、硫酸マグネシウムとアニオン性サイズ剤とポリビニルアルコールとを含有する塗工液を塗布してなるインクジェット記録用紙であって、前記硫酸マグネシウムの片面あたりの乾燥付着量が0.01〜0.2g/m、前記ポリビニルアルコールの片面あたりの乾燥付着量が0.05g/m以上であり、かつ前記基紙において、硫酸マグネシウムとアニオン性サイズ剤とポリビニルアルコールを含有する塗工液を塗布した面と反対側の面に、顔料と親水性接着剤を含有するインク受理層を設けてなるインクジェット記録用紙。
  5. 前記塗工液は、顔料及びカチオン性樹脂をいずれも含まないことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録用紙。
  6. 前記アニオン性サイズ剤がオレフィン−マレイン酸系サイズ剤であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載されたインクジェット記録用紙。
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