JP6639356B2 - インクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態に係るインクジェット記録用紙の製造方法では、基紙に使用するパルプとしては、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)若しくはNBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)若しくはCGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ、又はケナフ、バガス、竹若しくはコットンなどの非木材パルプを用いることが可能である。これらは、単独で使用するか、又は任意の割合で混合して使用することが可能である。また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲において、合成繊維を更に配合することができる。環境保全の観点から、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプ、TCF(Total Chlorine Free)パルプ、古紙パルプ又は植林木から得られるパルプを用いることがより好ましい。
本実施形態に係るインクジェット記録用紙の製造方法においては、基紙の少なくとも片面に、シリカ以外の白色顔料とバインダーとを主体とするインク受容層用塗料を塗工してインク受容層を設ける。インク受容層に含有させる白色顔料としては、一般に印刷用塗工紙に使用されている公知の顔料が例示できる。白色顔料は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、酸化亜鉛、酸化チタン若しくは水酸化アルミニウムなどの無機顔料、又はプラスチックピグメントなどの有機高分子微粒子であり、これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用できる。ただし、本実施形態においては、一般印刷用塗工紙の風合いを損ねるので白色顔料としてシリカは使用しない。シリカは、例えば、コロイダルシリカ、沈殿法シリカ、ゲル法シリカ、又は気相法シリカなどの合成シリカである。インク受容層における白色顔料が軽質炭酸カルシウム、カオリン、またはこれらの混合物であることが好ましい。例えば、白色顔料として、カオリンおよび軽質炭酸カルシウムを、質量比51:49〜95:5のようにカオリンが軽質炭酸カルシウムより多くなるように使用することが好ましい。乾燥性に優れ白筋も発生しない。更に好ましくは、55:45〜85:15である。
本実施形態に係るインクジェット記録用紙の製造方法は、例えば顔料としてシリカを除く白色顔料とバインダーとを含有し、かつ、アルカリ成分と微カチオン性高分子とを含有するインク受容層用塗料を基紙の表面に塗工・乾燥する工程を有する。本実施形態に係るインクジェット記録用紙の製造方法では、インク受容層用塗料の塗工方式としては、特に限定するものではなく、一般に使用されている塗工装置が使用できる。塗工装置は、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、チャンプレックスコーター、メータリングブレード式のサイズプレスコーター、ショートドウェルコーター、スプレーコーター、ゲートロールコーター又はリップコーターなどの公知の各種塗工装置を用いることができる。
本実施形態に係るインクジェット記録用紙は、一般の印刷用塗工紙と同様に、キャレンダー処理を施して光沢を付与することができる。基紙上にインク受容層用塗工液を塗工、乾燥した後にキャレンダー処理を行うことが好ましい。キャレンダー処理装置としては、通常のスーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、シューニップキャレンダー又はソフトキャレンダーなどが用いられる。キャレンダー処理時の、加圧装置形態、加圧ニップ数または温度条件などの処理条件は、適宜調節して処理することができる。
(基紙の作製)
カナディアンスタンダードフリーネス450mlcsfの広葉樹さらしクラフトパルプ100部、軽質炭酸カルシウム(TP−121:奥多摩工業社製)10部、カチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)0.3部、及び中性ロジンサイズ(CC167:星光PMC社製)0.2部に水を加えて紙料を調製し、これを用いて、長網多筒式抄紙機を用いて基紙を作製した。基紙にはサイズプレス処理は施さなかった。
白色顔料としてカオリン(コンツアー1500、イメリス社製)70部及び軽質炭酸カルシウム(TP−123CS、奥多摩工業社製)30部に加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作製した。この顔料スラリーに、バインダーとしてスチレンブタジエンラテックス(PA0372、日本エイアンドエル社製)7.5部及びリン酸エステル化澱粉(MS4600、日本食品加工社製)3.5部と、微カチオン性高分子として変性ポリアミン系樹脂(商品名:Sumirez Resin SPI−102A、カチオン化度1.9meq/g、田岡化学社製)1.0部と、アルカリ成分として水酸化ナトリウム(信越化学工業社製)0.05部とを加えてインク受容層用塗料を調製した。
上記で得られた基紙の両面にインク受容層用塗料をブレードコーターを用いて、片面当たり乾燥塗工量が10g/m2になるように塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、インクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、アルカリ成分の添加量を0.01部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、アルカリ成分の添加量を0.15部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、アルカリ成分を水酸化カリウム(和光純薬工業社製)とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、アルカリ成分を25%のアンモニア水(三菱ガス化学社製)とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。添加部数は、アンモニア純分の部数である。
実施例1において、アルカリ成分を水酸化カルシウム(和光純薬工業社製)とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、インク受容層用塗料のカオリンの添加量を95部、軽質炭酸カルシウムの添加量を5部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、インク受容層用塗料のカオリンの添加量を55部、軽質炭酸カルシウムの添加量を45部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、インク受容層用塗料のカオリンの添加量を85部、軽質炭酸カルシウムの添加量を15部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、インク受容層用塗料のカオリンの添加量を50部、軽質炭酸カルシウムの添加量を50部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、インク受容層用塗料のカオリンの添加量を40部、軽質炭酸カルシウムの添加量を60部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子の添加量を0.05部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子の添加量を3.0部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子を変性ポリアミン系樹脂(商品名:PA629、カチオン化度0.05meq/g、星光PMC社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子を変性ポリアミド系樹脂(商品名:Sumirez Resin SPI−203(50)H、カチオン化度3.0meq/g、田岡化学社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、アルカリ成分を非添加とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、微カチオン性高分子を非添加とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、アルカリ成分と微カチオン性高分子を非添加とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1において、アルカリ成分の添加量を0.3部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
産業用インクジェット印刷機(型式:TruepressJet520、SCREENホールディングス社製)を用い、水性顔料インクにてブラック単色のベタ印字を128m/分でインクジェット記録用紙に印字した。印字後にブラック単色のベタ印字部分を目視で確認し、4段階で評価した。インクの擦れ落ちが最も少なく乾燥性の最も良好なものを4とし、インクの擦れ落ちが最も多く乾燥性の最も悪いものを1とし、2〜4の評価のものを合格、1の評価のものを不合格とした。
4:擦れ落ちが見られず実用できる。
3:擦れ落ちが僅かに見られるが実用できる。
2:擦れ落ちがやや多いが、印刷の軽い絵柄なら実用できる。
1:擦れ落ちが多く実用不可。
産業用インクジェット印刷機(型式:TruepressJet520、SCREENホールディングス社製)を用い、水性顔料インクにてブラック単色のベタ印字を128m/分でインクジェット記録用紙に印字した。印字後にブラック単色のベタ印字部分を目視で確認し、4段階で評価した。白筋が最も見られず良好なものを4とし、白筋が最も見られ悪いものを1とし、2〜4の評価のものを合格、1の評価のものを不合格とした。
4:白筋が見られず実用できる。
3:白筋が僅かに見られるが実用できる。
2:白筋がややみられるが、印刷の軽い絵柄なら実用できる。
1:白筋が多く見られ実用不可。
Claims (4)
- 基紙の少なくとも片面に、シリカ以外の白色顔料及びスチレン−ブタジエン系樹脂を含有するインク受容層用塗料を塗工する工程を有するインクジェット記録用紙の製造方法において、
前記インク受容層用塗料に、アルカリ成分としてアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物の少なくともいずれか一方だけを前記白色顔料100質量部に対して0.01〜0.15質量部配合し、かつ、カチオン化度が0meq/gを超え3.0meq/g以下の微カチオン性高分子を前記白色顔料100質量部に対して0.01〜3.00質量部配合することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。 - 前記基紙には、サイズプレス処理を施さないことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 前記インク受容層用塗料が、前記白色顔料として、カオリン及び軽質炭酸カルシウムを含み、カオリンの含有量が、軽質炭酸カルシウムの含有量よりも多いことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 前記インク受容層用塗料において、前記カオリンと前記軽質炭酸カルシウムとの質量比が、55:45〜70:30であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
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