JP6284504B2 - オンデマンドインクジェット印刷用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、オンデマンドインクジェット印刷機を用いた高速印字においても高い印字品位を有するオンデマンドインクジェット印刷用紙に関するものである。
インクジェット記録方式は、染料インク又は顔料インクの液滴を吐出し、記録紙上に付着させることによってドットを形成し、記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンター、インク及び記録媒体の技術的進歩によって、印字品質の高い記録が可能になってきている。また、商業印刷などの分野においては、可変情報をデジタル化して高速に印刷する、いわゆるオンデマンド印刷方式が導入されつつあり、オンデマンド印刷方式を採用しているインクジェット印刷機も登場しつつある。本オンデマンド印刷方式においては、情報を製版することなく紙などのメディアに直接印刷することが可能であるために少部数の印刷にも適している。最近では、装置の高速化又は高精細化に著しい進歩が見られることによる用途の拡大に伴い、一般印刷用塗工紙(例えば一般オフセット印刷用紙)の風合いを有する塗工紙にもインクジェット適性を付与する要望が発生してきている(以下、一般印刷用紙の風合いを有し、かつ、インクジェット印刷適性を有する用紙全般をオンデマンドインクジェット印刷用紙と呼称する。)。
従来のインクジェット用紙の技術としては、例えば特定の容積の液滴が紙面に吸収される時間を限定したインクジェット用紙が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。また、ブリストー法でのインク転移量を限定した印刷用紙が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特許第5455280号公報 特開2002−138391号公報
オンデマンドインクジェット印刷機の装置の高速化及び高精細化に加え、乾燥性に劣る一般印刷用塗工紙に対応するため、インク滴を微小化させ、かつ、表面張力を低下させたインクを使用する傾向にある。インク滴の微小化及び表面張力の低下によって、インク受容層へインクが浸透しやすい状態になる。このため、着弾したインク滴が平面方向に広がらずに深さ方向に吸収され、インクドットの拡散不良が発生するという問題が生じていた。さらに、オンデマンインクジェット印刷機は一般的に吐出口を印刷方向に対して横方向に直線状に並べた、所謂ラインヘッド方式であるため、インクドット間の隙間が筋状につながり、画像の白筋となるという問題があった。
従来のインクジェット用紙のような吸収性の高い紙においても、画像の白筋が発生する場合がある。この理由として、インクの表面張力が低い一方で、インク受容層の吸収性が高すぎるためにインクドット径が拡散する前に吸収されてしまうことが挙げられる。
一般印刷用塗工紙は従来のインクジェット用紙に比べて吸収性が劣るため、インクが塗工面に着弾してから、吸収されるまでの時間が長く、インクドット径が拡散しやすい状況にはあるものの、インク受容層とインクとの親和性が低いなどの原因でインクドットが拡散せず、画像の白筋が発生する問題がある。また、表面張力の低いインクを用いても、一般印刷用塗工紙は従来のインクジェット用紙に比べて吸収性が劣るため、画像境界部の滲みによる印字鮮明性の低下又はインク乾燥不良による印刷機の汚れが発生しやすい。この理由として、インク受容層に使用する顔料の細孔容積が著しく低いことが挙げられる。
このように高精細化及び高速化を達成するために、インクドット径の拡散性及びインクの吸収性を適度に有する紙が求められている。
しかしながら、特許文献1又は2のような従来の技術では、インクドット径の拡散性とインクの吸収性とを両立できないため、印字画像の白抜け、インク乾燥不良に汚れを防止できず、良好な印字画像を得ることができない。
オンデマンド印刷機での高速印刷に対応するために、ブリストー法又は特定容積の液滴の吸収時間などの指標を用いて、吸収性だけを高くした場合、インクドットが広がる前に紙面に吸収されてしまい、インクドットの拡散不良による画像の白筋が発生してしまう場合がある。オンデマンド印刷機での高速印刷に対応し、高速印字における画像の白筋を抑制し、かつ高い印字品位を得るためには、インク吸収性とインクドットの拡散性を同時にコントロールする必要がある。
本発明の目的は、インクドットの拡散不良による画像の白筋を抑制し、オンデマンドインクジェット印刷機を用いた高速印字においても高い印字品位を有するオンデマンドインクジェット印刷用紙を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、次の構成によって、高速印字においても画像の白筋を抑制した高い印字品位を得られることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明に係るオンデマンドインクジェット印刷用紙は、支持体上の少なくとも片面に、顔料と、バインダーと、界面活性剤と、カチオン性高分子とを含有するインク受容層を設けたインクジェット印刷用紙において、前記インク受容層に含まれる顔料が、少なくとも軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及びカオリンの中から選ばれた1種以上含み、かつ、前記インク受容層中の軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及びカオリンの合計含有量が、インク受容層の全顔料100質量部に対して、50質量部以上であり、前記カチオン性高分子は、カチオン化度が0meq/gを超え3.00meq/g以下の微カチオン性高分子であり、前記カチオン性高分子の前記インク受容層中の含有量は、前記インク受容層中の顔料100質量部に対して0.01〜0.2質量部であり、前記インク受容層へウィルヘルミ・プレート法による表面張力25mN/mの液体を滴下したとき、滴下0.1秒後の液滴とインク受容層との接触角が10〜40°の範囲であることを特徴とする。より画像の白筋を抑制した高い印字品位を得ることができる。
本発明に係るオンデマンドインクジェット印刷用紙では、前記インク受容層に含まれる顔料のBET比表面積が、30m /g以下であることが好ましい。
本発明に係るオンデマンドインクジェット印刷用紙では、前記インク受容層に含まれる界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤であり、かつ、HLB値が8.0以上であることが好ましい。より画像の白筋を抑制した高い印字品質を得ることができる。また、よりオンデマンド印刷機上での乾燥不良による汚れを抑制することができる。
本発明は、インクドットの拡散不良による画像の白筋を抑制し、オンデマンドインクジェット印刷機を用いた高速印字においても高い印字品位を有するオンデマンドインクジェット印刷用紙を提供することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るオンデマンドインクジェット印刷用紙は、支持体上の少なくとも片面に、顔料と、バインダーと、界面活性剤と、微カチオン性高分子とを含有するインク受容層を設けたインクジェット印刷用紙において、微カチオン性高分子のカチオン化度が、0meq/gを超え3.00meq/g以下であり、インク受容層へウィルヘルミ・プレート法による表面張力25mN/mの液体を滴下したとき、滴下0.1秒後の液滴とインク受容層との接触角が10〜40°の範囲である。
(1)接触角
本発明においては前記インク受容層へウィルヘルミ・プレート法による表面張力25mN/mの液体を滴下したとき、液滴とインク受容層との滴下0.1秒後の接触角が10〜40°の範囲であることが必須である。接触角は12〜30°の範囲であることがより好ましい。オンデマンドインクジェット印刷機の装置の高速化及び高精細化に加え、乾燥性に劣る一般印刷用塗工紙に対応するため、表面張力の低いインクを使用する傾向にある。このような状況において、純水などの表面張力の高い液体に対する接触角を規定しても、インク吸収性及びインクドットの拡散性を正確に評価することができず、印字白筋及びインク乾燥性を改善することができない。そこで、表面張力が25mN/mの液体を用いることで、実際の印刷機に即した評価を行うことができる。
また、滴下0.1秒後の接触角を測定することで、実際の印刷機でのインク吸収性及びドット拡散性に相関した評価を行うことができる。一般的に液滴とインク受容層表面との接触角は、時間経過とともに低下する傾向にある。これはインク受容層表面に滞留するインクが横方向に濡れ広がり続けるためである。インクの滞留量はインク受容層の吸収性に依存し、濡れ広がる速度は主にインク受容層の親水性に依存していると考えられる。そのため、一定時間経過後(滴下0.1秒後)の接触角を測定することで、インク受容層の吸収性及び親水性を同時に評価することができる。一方で、滴下直後(滴下0.1秒未満)の接触角はインク受容層表面の親水性を主に表しており、インク受容層の吸収性については評価できていないため、実際の印刷機でのインク吸収性とドット拡散性とは必ずしも相関しない。
接触角測定に用いる液体は、ウィルヘルミ・プレート法による表面張力が25mN/mであればよく、例えば純水に、ポリエチレングリコール、エタノール若しくはエチレングリコールなどのアルコール類、又はペルフルオロアルキルスルホン酸などの界面活性剤を適量添加することで作製することができる。
(2)支持体
本実施形態では、支持体の材質は特に限定されないが、紙支持体であることが好ましい。紙支持体に使用するパルプ繊維は、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)若しくはNBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)若しくはCGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ、又はケナフ、バガス、竹若しくはコットンなどの非木材パルプである。これらは、単独で使用するか、又は任意の割合で混合して使用することが可能である。また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲において、合成繊維を更に配合することができる。環境保全の観点から、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプ、TCF(Total Chlorine Free)パルプ、古紙パルプ又は植林木から得られるパルプが好ましい。
紙支持体には、填料を配合することが好ましい。紙支持体に使用する填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、焼成クレー、二酸化チタン又は水酸化アルミニウムである。これらは、単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。紙支持体中の填料含有量は、パルプの乾燥質量100質量部に対して、2〜30質量部であることが好ましい。より好ましくは3〜17質量部である。さらに好ましくは、4〜15質量部である。2質量部以下では白色度向上、不透明度向上等の効果が得られない。30質量部を超えると紙自体の強度が不足し印刷・加工に耐えられず実質使用することができない。
紙支持体は、パルプ及び填料以外に、内添サイズ剤、湿潤紙力増強剤などの内添紙力増強剤、嵩高剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光消色剤又はピッチコントロール剤などの各種助剤を、各製品に合わせて好適に配合することができる。内添サイズ剤は、各種公知のものが使用でき、特に限定されず、例えば、強化ロジンサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、AKD(アルキルケテンダイマー)又はASA(アルケニル無水コハク酸)である。内添紙力増強剤としては、従来公知の紙力増強剤を使用することが可能であり、例えば、澱粉系紙力増強剤、ポリアクリルアミド系紙力増強剤又はポリビニルアルコール系紙力増強剤である。
支持体を抄紙する方法は、特に限定されるものではなく、長網抄紙機、長網多層抄紙機、円網抄紙機、円網多層抄紙機、長網円網コンビ多層抄紙機又はツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造できる。
紙支持体には、表面サイズ液を塗布してもよい。表面サイズ液の例として澱粉、ポリビニルアルコール又はポリアクリルアミドなどの公知の水溶性高分子が挙げられるが特に限定されるものではない。紙支持体の坪量は、特に限定されないが、通常30〜300g/mである。
(3)インク受容層
顔料としては、一般に印刷用塗工紙又はインクジェット用紙に使用されている公知の白色顔料が例示できる。顔料は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン(クレーを含む)、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、非晶質シリカ、アルミナ、コロイダルシリカなどの球状シリカ、又はプラスチックピグメントなどの有機高分子微粒子である。これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。インク受容層の絶乾塗工量は、3〜30g/mであることが好ましく、5〜20g/mであることがより好ましい。絶乾塗工量が3g/m未満では吸収性が低下し、印刷機で乾燥不良による汚れが発生する場合がある。30g/mを超えるとコスト的に不利となる場合がある。
滴下0.1秒後の接触角は顔料粒子の親水性、顔料粒子径、顔料粒子の形状又は比表面積によって調整することが可能である。先述のように滴下0.1秒後の接触角は、吸収性及び親水性の両面に影響を受けるため、比表面積が小さく、親水性の高い顔料ほど0.1秒後の接触角が低くなる傾向にある。例えば、非晶質シリカ又はアルミナなどの比較的に比表面積が大きい顔料を用いる場合、吸収性に優れる反面、インクドット径が拡散する前にインク受容層に吸収されるため、接触角が高くなり過ぎて、印字の白筋が発生する場合がある。また、コスト的にも不利である。一方、比較的に比表面積が小さい顔料を用いる場合は、インク滴の吸収速度が比較的遅くなり、接触角をコントロールし易い。本実施形態に係るオンデマンドインクジェット印刷用紙では、インク受容層に含まれる顔料が、少なくとも軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及びカオリンの中から選ばれた1種以上含むことが好ましい。これらの顔料は、比表面積が比較的小さいため、接触角をコントロールしやすく、より画像の白筋を抑制した高い印字品位を得ることができる。またこれらの顔料を用いることは、コスト面でも有利である。
本実施形態では、インク受容層中の軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及びカオリンの合計含有量が、インク受容層の全顔料100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましく、80質量部以上であることがより好ましく、100質量部であることが特に好ましい。
インク受容層に用いる顔料の比表面積は、30m/g以下であることが好ましく、15m/g以下であることがより好ましい。比表面積の下限は、特に限定されないが、例えば0.01m/g以上であることが好ましい。ここで、比表面積は、BET比表面積であり、BET法によって求められた単位質量あたりの表面積である。BET法とは、気相吸着法による粉体の比表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料のもつ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常、吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、又は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。他分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer,Emmett,Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
本実施形態では、バインダーとして酸化澱粉、酵素変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン性澱粉若しくは両性澱粉などの澱粉類、ゼラチン、カゼイン、大豆タンパク若しくはポリビニルアルコールなどの水溶性高分子、又はスチレンブタジエンラテックス、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂若しくはポリアミド系樹脂などの合成樹脂類が例示できる。これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。このうち、澱粉とスチレンブタジエンラテックスとの組合せが、インク受容層の塗工層強度向上及びコスト抑制の観点から好ましい。
バインダーの配合量は特に限定されないが、インク受容層中の顔料100質量部に対し3〜50質量部とすることが好ましく、5〜40質量部とすることがより好ましい。配合量が3質量部未満であるとインク受容層が脱落する場合がある。50質量部を超えると、インク吸収性が悪化するために印刷機での汚れが発生する場合がある。
本実施形態においては、インク受容層に界面活性剤と微カチオン性高分子とを含有させる必要がある。界面活性剤によってインク受容層の親水性を調整し、かつ、微カチオン性高分子によってインク受容層内の細孔容積を適度に調整することで、接触角を適正範囲に調整することができ、インクドット径の拡散性及びインク吸収性を両立することができる。特に、比表面積が比較的小さい軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム又はカオリンなどの顔料を用いると、接触角をより調整しやすく、インクドット径の拡散性及びインク吸収性を両立させ易い。
界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤又はカチオン系界面活性剤などが挙げられる。なかでもノニオン系の界面活性剤が好ましく、接触角をより適度に調整することができる。ノニオン系界面活性剤のHLB値(Hydrophile−Lipophile Balance)は8.0以上であることが好ましく、10.0以上であることがより好ましく、11.0以上であることが特に好ましい。インク受容層の親水性が高くなり接触角を最適に調整することが可能である。HLB値の上限は20.0であり、15.0以下であることがより好ましい。ノニオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンデシルエーテルなどのポリオキシアルキレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシアルキレンラウリルエーテルが例示できる。また、ノニオン系の界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリコール又はポリオキシエチレンソルビタンモノオレートであってもよい。界面活性剤は1種で使用するか、または2種以上で併用してもよい。また、界面活性剤中のアルキル基は、直鎖型であるか、又は分岐型であってもよい。
界面活性剤の含有量は、インク受容層中の顔料100質量部に対して0.01〜3.00質量部であることが好ましく、0.1〜3.0質量部であることがより好ましい。含有量が3.00質量部を超えると、インク滴とインク受容層との界面張力が過度に低下し、結果として接触角が下がりすぎるため、印字滲みが発生する場合がある。含有量が0.01質量部未満では、接触角が高くなり、印字の白筋が発生する恐れがある。
微カチオン性高分子は、インク受容層の細孔容積を適度に増加することで、インク吸収性を向上させる効果がある。本明細書において、微カチオン性とは、カチオン化度が0meq/gを超え3.00meq/g以下であることをいう。微カチオン性高分子のカチオン化度は、0.05〜2.50meq/gであることがより好ましい。インク吸収性を向上させ接触角を適度に調整することができる。3.00meq/gを超えるとインク受容層の強度に劣る。また、塗料の増粘又は安定性の低下によって凝集物が発生し、良好な印字画像を得られない。なお、いわゆるインクジェットインク用定着剤であるカチオン性高分子は、カチオン化度が高いため(例えば3.00meq/gを超える場合が多い)、本発明で使用される微カチオン性高分子とは区別される。前記カチオン化度はコロイド滴定法にて測定可能である。
微カチオン性高分子のインク受容層中の含有量としては、インク受容層中の顔料100質量部に対して0.01〜5.00質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜3.00質量部である。0.01質量部未満の場合はインク吸収性に劣る場合がある。5.00質量部を超えるとインク受容層の強度に劣る場合がある。また、塗料の増粘又は安定性の低下によって凝集物が発生し、良好な印字画像を得られない場合がある。
微カチオン性高分子としては、例えば、ポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリアミン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジウムハライド、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリスチレン共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド二酸化硫黄共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドアミド共重合物、ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂酸コロイド、尿素系樹脂、カチオン変性ポリビニルアルコール、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型化合物、ポリアミジン化合物、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、その他第4級アンモニウム塩類又はカチオン変性ポリウレタン樹脂のうち、微カチオン性のものである。これらは1種を単独で使用するか、又は2種以上を併用してもよい。
また、インク受容層には、必要に応じて、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、耐水化剤、分散剤、流動変性剤、紫外線吸収剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、pH調節剤、消泡剤、印刷適性向上剤、可塑剤又は防腐剤などの各種助剤を必要に応じて適宜配合してもよい。
(4)塗工方式
インク受容層を塗工する方式としては、特に限定することはなく、一般に使用されている塗工装置が使用される。例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、チャンプレックスコーター、メータリングブレード式のサイズプレスコーター、ショートドウェルコーター、スプレーコーター又はゲートロールコーターリップコーターなどの公知の各種塗工装置を用いることができる。インク受容層は、支持体の片面だけに設けるか、又は両面に設けてもよい。
(5)キャレンダー処理
支持体上にインク受容層を塗工、乾燥した後にキャレンダー処理を行うことが好ましい。キャレンダー処理装置としては、通常のスーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、シューニップキャレンダー又はソフトキャレンダーなどが用いられる。その際の加圧装置形態、加圧ニップ数及び温度条件などの処理条件を適宜調節して処理することができる。カレンダー処理によってインク受容層の平滑性を変化させることでも接触角の調整が可能である。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。この実施例は本発明の範囲を限定するものではない。なお、特に指定が無い場合、実施例及び比較例中の部、%は特に明示しない限りそれぞれ固形質量部、固形質量%を示す。
(実施例1)
(紙支持体の作製)
カナディアンスタンダードフリーネス470mlcsfの広葉樹さらしクラフトパルプ100部、軽質炭酸カルシウム(TP−121S:奥多摩工業社製)10.5部、カチオン澱粉0.5部及び中性ロジンサイズ(サイズパインNT−87:荒川化学工業社製)0.2部に水を加えて紙料を調製し、これを用いて、長網多筒式抄紙機を用いて坪量43g/mの原紙を作製した。この原紙にゲートロールコーターによって、リン酸エステル化澱粉(エースP260:王子コーンスターチ社製)を両面で乾燥塗布量2.5g/mとなるように塗布した。
(インク受容層塗工液の調製)
顔料として、カオリン(Astra−Sheen、イメリス・ミネラルズ・ジャパン社製、比表面積27m/g)50部及び軽質炭酸カルシウム(タマパールTP123、奥多摩工業社製、比表面積9m/g)50部の計100部に、分散剤(シャロールAN−103P、第一工業製薬社製)0.3部を加え、加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作製した。この顔料スラリーに、苛性ソーダ0.2部と、バインダーとして澱粉(MS4600、日本食品加工社製)3.5部及びスチレンブタジエンラテックス(PA0372、日本エイアンドエル社製)8部と、離型剤(SNコート243、サンノプコ社製)0.2部と、微カチオン性高分子としてポリアクリルアミド樹脂(製品名:フロックスターESC51、カチオン化度1.20meq/g、三晶社製)0.20部と、ノニオン系界面活性剤(ノイゲンXL−60、成分:ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB値:12.5、第一工業製薬社製)0.30部とを配合し、水を加えて固形分濃度40%のインク受容層塗工液を調製した。
(オンデマンドインクジェット印刷用紙の作製)
上記で得られた紙支持体の両面にインク受容層塗工液を、ブレードコーターを用いて、片面当たり乾燥塗工質量が10g/mになるように塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が63g/mのオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例2)
実施例1において、インク受容層塗工液の顔料を、カオリン50部と、軽質炭酸カルシウム30部と、非晶質シリカ(ニップジェルBY200、東ソーシリカ社製、比表面積450m/g)20部とに変更した以外は、実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例3)
実施例1において、インク受容層塗工液の顔料を軽質炭酸カルシウム60部と非晶質シリカ(ニップジェルBY200、東ソーシリカ社製)40部とに変更し、インク受容層塗工液の固形分濃度30%に変更した以外は、実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例4)
実施例1において、インク受容層塗工液の顔料を軽質炭酸カルシウム50部と非晶質シリカ(ニップジェルBY200、東ソーシリカ社製)50部とに変更し、インク受容層塗工液の固形分濃度30%に変更した以外は、実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例5)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合するノニオン系界面活性剤(ノイゲンXL−60、成分:ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB値:12.5、第一工業製薬社製)の配合量を0.10部に変更した以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例6)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合するノニオン系界面活性剤(ノイゲンXL−60、成分:ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB値:12.5、第一工業製薬社製)の配合量を0.01部に変更した以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例7)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合するノニオン系界面活性剤(ノイゲンXL−60、成分:ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB値:12.5、第一工業製薬社製)の配合量を1.00部に変更した以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例8)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合するノニオン系界面活性剤(ノイゲンXL−60、成分:ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB値:12.5、第一工業製薬社製)の配合量を3.00部に変更した以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例9)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合するノニオン系界面活性剤を、ノニオン系界面活性剤(ノイゲンTDS−30、成分:ポリオキシエチレントリデシルエーテル、HLB値:8.0、第一工業製薬社製)に変更し、その配合量を0.30部とした以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例10)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合するノニオン系界面活性剤を、ノニオン系界面活性剤(ノイゲンEA‐87、成分:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、HLB値:10.6、第一工業製薬社製)に変更し、その配合量を0.30部とした以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例11)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合するノニオン系界面活性剤を、ノニオン系界面活性剤(ノイゲンES‐149D、成分:ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、HLB値:11.5、第一工業製薬社製)に変更し、その配合量を0.30部とした以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例12)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合するノニオン系界面活性剤を、ノニオン系界面活性剤(ノイゲンGIS‐108、成分:イソステアリン酸ポリオキシエチレングリコール、HLB値:12.1、第一工業製薬社製)に変更し、その配合量を0.30部とした以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例13)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合するノニオン系界面活性剤を、ノニオン系界面活性剤(ノイゲンXL‐100、成分:ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB値:14.7、第一工業製薬社製)に変更し、その配合量を0.30部とした以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例14)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合するノニオン系界面活性剤を、ノニオン系界面活性剤(ノイゲンTW‐80V、成分:ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、HLB値:15.0、第一工業製薬社製)に変更し、その配合量を0.30部とした以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例15)
実施例1において、インク受容層塗工液に微カチオン性高分子として配合するポリアクリルアミド樹脂(製品名:フロックスターESC51、カチオン化度1.20meq/g、三晶社製)の配合量を0.05部に変更した以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例16)
実施例1において、インク受容層塗工液に微カチオン性高分子として配合するポリアクリルアミド樹脂(製品名:フロックスターESC51、カチオン化度1.20meq/g、三晶社製)の配合量を2.00部に変更した以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例17)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合する微カチオン性高分子を変性ポリアミン系樹脂(製品名:PA629、カチオン化度0.05meq/g、星光PMC社製)に変更し、その配合量を5.00部とした以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例18)
実施例1において、インク受容層塗工液に配合する微カチオン性高分子を変性ポリアミド系樹脂(製品名:Sumirez Resin SPI−203(50)H、カチオン化度3.00meq/g、田岡化学社製)に変更し、その配合量を2.00部とした以外は実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(実施例19)
実施例1において、インク受容層塗工液の顔料を、カオリン50部と重質炭酸カルシウム(ソフトン3200、備北粉化工業社製、比表面積10m/g)50部とに変更した以外は、実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(比較例1)
実施例1において、インク受容層塗工液にノニオン系界面活性剤を無添加とした以外は、実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(比較例2)
非晶質シリカ(ニップジェルBY200、東ソーシリカ社製)100部に加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作製した。この顔料スラリーに、バインダーとしてPVA(ゴーセノールNM11、日本合成化学社製)20部及び離型剤(SNコート243、サンノプコ社製)0.2部に水を加えて固形分濃度20%のインク受容層塗工液を調製した。実施例1と同様の紙支持体の両面にインク受容層塗工液を、エアナイフコーターを用いて、片面当たり乾燥塗工質量が10g/mになるように塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が63g/mのオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(比較例3)
比較例2において、インク受容層塗工液にノニオン系界面活性剤(ノイゲンXL−60、成分:ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB値:12.5、第一工業製薬社製)を1.00部添加とした以外は、比較例2と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(比較例4)
実施例1において、インク受容層塗工液にノニオン系界面活性剤(ノイゲンXL−60、成分:ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB値:12.5、第一工業製薬社製)を5.00部添加とした以外は、実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(比較例5)
実施例1において、インク受容層塗工液に微カチオン性樹脂を無添加とした以外は、実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
(比較例6)
実施例1において、微カチオン性高分子の代わりに、インクジェットインク用定着剤であるカチオン性ポリアミジン系樹脂(商品名:ハイマックス700M、カチオン化度5.37meq/g、ハイモ社製)を5.00部を添加したこと以外は、実施例1と同様にしてオンデマンドインクジェット印刷用紙を作製した。
得られたオンデマンドインクジェット印刷用紙について、以下に示す方法によって評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(1)0.1秒後の接触角
エタノールの濃度が52質量%、PEG−6000(ポリエチレングリコール、東邦化学社製)の濃度が6質量%及びサーフロンS−211(フッ素系界面活性剤、AGCセイミケミカル社製)の有効成分濃度が0.025質量%となる水溶液を調成し接触角測定用液体とした。接触角測定液体のウィルヘルミ・プレート法による表面張力は25mN/mであった。動的接触角試験機(1100DAT、Fibro社製)を用いて、前記接触角測定用液体を5μl滴下し、滴下0.1秒後の接触角を測定した。
(2)画像の白筋
デジタルインクジェット印刷機(大日本スクリーン社製、TruepressJET520)を用いて速度128m/minで印刷を実施し、画像の白筋を評価した。
◎:白筋が全くなく、実用上問題ない。
○:白筋が僅かに発生しているが、実用上問題ない。
△:白筋が発生しており、実用不可レベル。
×:著しく白筋が発生しており、実用不可。
(3)乾燥性
デジタルインクジェット印刷機(大日本スクリーン社製、TruepressJET520)を用いて速度128m/minで印刷を実施し、乾燥性を評価した。
◎:乾燥不良による汚れが全くなく、実用上問題ない。
○:乾燥不良による汚れが僅かにあるが、実用上問題ない。
△:乾燥不良による汚れが発生し、実用不可レベル。
×:著しく乾燥不良による汚れが発生し、実用不可。
(4)画像の滲み
デジタルインクジェット印刷機(大日本スクリーン社製、TruepressJET520)を用いて速度128m/minで印刷を実施し、画像の滲みを評価した。
◎:画像の滲みが全くなく、実用上問題ない。
○:僅かに画像の滲みがあるが、実用上問題ない。
△:画像の滲みが発生し、実用不可レベル。
×:著しく画像の滲みが発生し、実用不可。
Figure 0006284504
表1から明らかなように、実施例1〜19は、インク受容層が界面活性剤と微カチオン性高分子とを含有し、かつ、0.1秒後の接触角が10〜40°の範囲内であるため、比較例1〜6に比べて画像の白筋、滲みを抑制でき、且つ乾燥性が良好であり、高い印字品位を得ることができる。また、インク受容層の顔料として比表面積が比較的小さい顔料を用いることで、0.1秒後の接触角をより適正な範囲に調整しやすいことが確認できた。
比較例1、2は、インク受容層が界面活性剤を含有しておらず、接触角が10〜40°の範囲に入っていないため、画像の白筋が発生し、良好な印字品位を得ることができなかった。比較例3、4は接触角が10〜40°の範囲に入っていないため、画像の白筋、または滲みが発生して良好な印字品位を得ることができなかった。比較例5は微カチオン性高分子を含有していないため、乾燥性に劣り、良好な印字品位を得ることができなかった。比較例6は、微カチオン性高分子ではなく、カチオン化度の高いインクジェットインク用定着剤を用いたため、カラーの増粘および凝集物の発生によって正常な塗工面が得られず、滲みが発生して良好な印字品位を得ることができなかった。

Claims (3)

  1. 支持体上の少なくとも片面に、顔料と、バインダーと、界面活性剤と、カチオン性高分子とを含有するインク受容層を設けたインクジェット印刷用紙において、
    前記インク受容層に含まれる顔料が、少なくとも軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及びカオリンの中から選ばれた1種以上含み、かつ、前記インク受容層中の軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及びカオリンの合計含有量が、インク受容層の全顔料100質量部に対して、50質量部以上であり、
    前記カチオン性高分子は、カチオン化度が0meq/gを超え3.00meq/g以下の微カチオン性高分子であり、
    前記カチオン性高分子の前記インク受容層中の含有量は、前記インク受容層中の顔料100質量部に対して0.01〜0.2質量部であり、
    前記インク受容層へウィルヘルミ・プレート法による表面張力25mN/mの液体を滴下したとき、滴下0.1秒後の液滴とインク受容層との接触角が10〜40°の範囲であることを特徴とするオンデマンドインクジェット印刷用紙。
  2. 前記インク受容層に含まれる顔料のBET比表面積が、30m /g以下であることを特徴とする請求項1に記載のオンデマンドインクジェット印刷用紙。
  3. 前記インク受容層に含まれる界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤であり、かつ、HLB値が8.0以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオンデマンドインクジェット印刷用紙。
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