JP2009276634A - 電子写真用転写シート - Google Patents

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靖章 中山
Ritsuo Mando
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Abstract

【課題】 高画質、印画画像の経時による光沢低下や熱による画像オフセットが無い高画像保存性を有し、かつ印字時の走行性に優れる電子写真用転写シートを提供する。
【解決手段】 支持体と、その一面上にトナー受容層、他の一面上にバリア層(A)および保護層(B)とを有し、前記バリア層(A)は、膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分とし、前記膨潤性無機層状化合物が、粒子平均長径が0.1〜100μm、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が100〜5000であり、前記保護層(B)中には、平均粒子径0.1〜10μmの顔料を含有し、保護層(B)表面の表面電気抵抗が1×10〜5×1011Ω/□であり、かつ23℃/50%RH環境下におけるシート間の静摩擦係数が0.85以下であることを特徴とするものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真用転写シートに関するものである。更に詳しくは、高画質、および良好な画像保存性と高い走行信頼性を有し、かつ安価な電子写真用転写シートに関するものである。
電子写真法によりカラー画像を形成する方法としては、潜像担持体に、色分解光を照射して色別に潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像を、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)等の各色のトナーにより逐次現像して色別にトナー像を形成する現像工程と、形成されたトナー像を色別に形成する度に被転写体に重ね合わせて転写する転写工程と、前記被転写体に転写されたトナー像を加熱圧着する定着工程と、からなる画像形成方法がある。また別の方法としては、潜像形成工程と、色別のトナー像を潜像担持体に形成する現像工程と、形成されたトナー像を中間転写体に転写する第1の転写工程と、前記中間転写体に転写されたトナー像を被転写体に転写する第2の転写工程と、定着工程と、からなる画像形成方法もある。
これら画像形成方法で使用されるトナーは、通常、着色剤として各種の染料又は顔料をバインダー樹脂中に分散含有させることにより構成される。前記着色剤の粒子径は、数〜数十μmである。トナーの受容体としての転写シートは、普通紙や、一般の印刷用紙などのコート紙のような紙基材が使用される。カラー画像は前記紙基材の表面に複数層重ね合わされた前記トナーが加熱定着されることにより形成される。前記カラー画像は、例えば、特開昭63−92965号公報(特許文献1)によれば、10〜100μm程度の凹凸を有するトナー層が形成されてなる。したがって前記トナー層表面の凹凸により、前記カラー画像の光沢にムラが生じてしまう。すなわち、前記カラー画像に入射する照明光が、凹凸の激しい前記カラー画像の表面で乱反射するため、肉眼で前記カラー画像を観察すると、該カラー画像の光沢性が不十分になる。
前記の問題点を改善するために、特開昭63−92965号公報(特許文献1)によれば、基材表面に熱可塑性透明樹脂層(トナー受容層)を設け、トナー像を熱ロール定着器により前記熱可塑性透明樹脂層に埋め込む方法が開示されている。また、特開平5−127413号公報(特許文献2)によれば、ガラス転移温度が40〜70℃であり、テトラヒドロフランに可溶な架橋樹脂よりなる透明樹脂層(トナー受容層)を有する画像転写シート表面にトナー像をのせ、これをベルト状定着器で前記透明樹脂層に埋め込む方法が開示されている。さらに特開平5−216322号公報(特許文献3)及び特開平6−11982号公報(特許文献4)によれば、熱可塑性樹脂が塗設されている画像転写シートの表面にトナー像を転写し、ベルト状定着器により前記トナー像を前記熱可塑性樹脂層(トナー受容層)に埋め込む方法が開示されている。
また前記ベルト状の定着器を使用することなく、光沢ムラのないグロスマッチングが得られる転写シートも提唱されている。例えば、特開平10−221877号公報(特許文献5)によれば、転写シート表面の透明樹脂(熱可塑性樹脂)の平均分子量(Mwa)とカラートナーの結着樹脂の平均分子量(Mwb)との間にMwa−Mwb≧10000の関係を有し、かつ、前記透明樹脂のトナーの定着温度における前記カラートナーの結着樹脂との溶融傾斜角を40度以下に調整した電子写真用転写シートが提案されている。また、特開平11−160905号公報(特許文献6)によれば、転写シート表面の透明受像層(トナー受容層)の数平均分子量(Mn)が5000〜20000の範囲であり、かつ、前記透明樹脂層のガラス転移温度が30〜85℃の範囲である電子写真用転写シートが提唱されている。
これら各公報に記載の技術によれば、トナー像を被転写体表面に定着する際に、前記トナー像は熱ロールにより加圧されながら加熱溶融されて定着される。このように定着されて形成されたカラー画像では、前記トナー像が前記転写体表面の透明樹脂層(トナー受容層)中に埋め込まれるので、前記カラー画像の表面凹凸は小さくなる。このため、前記カラー画像表面に入射した光の乱反射が軽減され、光沢ムラのないグロスマッチング性の高い高品位のカラー画像(以下、「画像光沢の均一性」ともいう。)を得ることが可能である。一方、記録後の光沢ムラのない高品位記録物については、経時的な光沢度低下も目立ち易く、その品位が損なわれてしまうという問題がある。
本発明者らは鋭意研究の結果、この光沢度低下の原因は、支持体中の紙基材の水分が経時的に変化することによって、紙基材内部の伸縮が発生して、記録画像表面の均一性が損なわれていくことによって起こることを見出した。その対策として、紙基材の防湿処理を施すことが考えられた。紙基材の防湿処理を施す方法として紙基材の両面にポリオレフィン樹脂をラミネートしたものを支持体として使用することが考えられ、同構成は高画質画像を得る目的で、特開平8−211645号公報(特許文献7)等が提案されている。しかしながら紙基材の両面にポリオレフィン樹脂をラミネートしたものを支持体として使用した場合、熱定着時にポリオレフィン樹脂ラミネート層が軟化してしまい、記録画像表面が荒れてしまう、所謂「熱マケ」が生じるため、満足な記録画像が得られない。
また特開2006−221131号公報(特許文献8)では、トナー受容層と支持体の間に、膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分とするバリア層を設けることで、高温高湿環境や高温環境での画像光沢の低下を抑える技術が開示されている。しかし、支持体が高平滑な為に、用紙を重ね合わせた場合にトナー画像が転移する画像オフセットの発生や印字時の走行性に関しては、満足出来るものではなかった。
特開昭63−92965号公報 特開平5−127413号公報 特開平5−216322号公報 特開平6−11982号公報 特開平10−221877号公報 特開平11−160905号公報 特開平8−211645号公報 特開2006−221131号公報
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、高画質、印画画像の経時による光沢低下や熱による画像オフセットの発生が無く、良好な画像保存性を有し、かつ印字時の走行性に優れる電子写真用転写シートを提供することにある。
本発明に係る電子写真用転写シートは、支持体と、その一面上にトナー受容層、他の一面上にバリア層(A)および保護層(B)とを有し、前記バリア層(A)は、膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分とし、前記膨潤性無機層状化合物が、粒子平均長径が0.1〜100μm、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が100〜5000であり、前記保護層(B)中には、平均粒子径0.1〜10μmの顔料を含有し、保護層(B)表面の表面電気抵抗が1×10〜5×1011Ω/□であり、かつ23℃/50%RH環境下におけるシート間の静摩擦係数が0.85以下であることを特徴とするものである。
前記保護層(B)中の顔料とバインダーとの比率が、顔料100質量部に対して20〜300質量部であることが好ましい。前記支持体と、その一面上に形成されたトナー受容層との間に中間層として、熱可塑性樹脂層、顔料下塗り層およびバリア層(C)から選ばれた少なくとも1層を有することが好ましい。前記バリア層(C)が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分とし、前記膨潤性無機層状化合物は、粒子平均長径が0.1〜100μm、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が100〜5000であることが好ましい。前記バリア層(A)に用いる接着剤が、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル−スチレン樹脂、メタクリレート−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また前記バリア層(C)に用いる接着剤が、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル−スチレン樹脂、メタクリレート−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらに開封時の含有水分率が、3.0〜6.5%であることが好ましい。
本発明により、高画質画像が得られ、印画画像の経時による光沢低下や熱による画像オフセットが無く、良好な画像保存性を有し、かつ印字時の走行性に優れる電子写真用転写シートが得られる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、前記印画画像の経時による光沢低下の問題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、バリア層(A)に膨潤性無機層状化合物を含有させることにより顕著な光沢度低下の防止効果が発現されることを見出した。これは膨潤性無機層状化合物の結晶性が非常に高く、記録物の保管時にも支持体内外の水分を通過させないことによるもので、膨潤性無機層状化合物を支持体上に、平行に敷き詰め、さらに多数積層し、同時に高分子化合物で膨潤性無機層状化合物や中間層と結着させることで高い防湿効果を得ることにより、顕著な光沢度低下の防止効果が発現される。
膨潤性無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物、粘土系鉱物(例えば合成マイカ、合成スメクタイト)等を挙げることができる。
グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物は、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有する化合物ないし物質である。ここで層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス力等の弱い結合力によって略平行に積み重なった構造をいう。
ここで、カルコゲン化物とは、IV族(Ti,Zr,Hf)、V族(V,Nb,Ta)及び/又はVI族(Mo,W)元素のジカルコゲン化物であって、式MX(Mは上記元素、Xはカルコゲン(S,Se,Te)を示す。)で表わされるものをいう。
粘土系鉱物は、一般に、シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を有する2層構造を有するタイプと、シリカの四面体層が、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を両側から狭んでなる3層構造を有するタイプに分類される。前者の2層構造タイプとしては、カオリナイト族、アンチゴライト族等を挙げることができ、後者の3層構造タイプとしては、層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。粘土系鉱物として、具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、タルク、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができる。その他の例については、白水晴雄著「粘土鉱物学」(1988年、朝倉書店発行)などの文献を参照することができる。
本発明に使用する膨潤性無機層状化合物としては、粘土系鉱物の中でも、好ましくはスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等が使用される。スメクタイト族としては、例えば、モンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等がより好ましく使用される。
これら膨潤性無機層状化合物は天然品(粘土系鉱物)以外にも、合成品、加工処理品(例えばシランカップリング剤の表面処理品)のいずれであってもよく、例えば、合成スメクタイトとしては、式Na0.1〜1.0Mg2.4〜2.9Li0.0〜0.6Si3.5〜4.09.0〜10.6(OH及び/又はF)1.5〜2.5で示されるものが挙げられる。また、合成スメクタイトや合成マイカの製造方法には、水熱反応法(特開平6−345419号公報参照)、固相反応法、熔融法(特開平5−270815号公報参照)の3つの合成方法がある。
水熱反応法は、珪酸塩、マグネシウム塩、アルカリ金属イオン、アルカリ金属塩、フッ素イオンなど各種原料を含んだ水溶液あるいは水性スラリーをオートクレーブやパイプリアクターの中で100〜400℃の高温、高圧下で反応させ、合成させる方法である。水熱反応法では、結晶の成長が遅いため一般に大きな粒子のものが得られず、粒子径が10〜100nmのものがほとんどである。しかしながら、水熱反応においても、低濃度、低温、長時間の条件で合成すれば粒子径が1μm以上の大きな粒子を製造することは可能である。しかしながら、この場合、製造コストが極端に高くなるといった問題がある。
固相反応法はタルクと珪フッ化アルカリと他の原料とともに400〜1000℃の範囲で数時間反応させ、合成マイカを製造する方法である。固相反応は原料のタルクの構造を残したまま元素移動を起こしてマイカが生成される(トポタキシー)ため、得られる合成マイカの品質が原料のタルクの物性やその不純物に依存し、元素移動を完全にコントロールできないため、合成マイカの純度や結晶化度が低い場合がある。
熔融法は、無水珪酸、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、珪フッ化カリウム、炭酸カリウム、その他の原料をマイカの熔融点(例えば1500℃)以上で熔融後、徐冷結晶化し、合成マイカや合成スメクタイトを製造する方法である。また加熱方法の違いにより、外熱式熔融法と内熱式熔融法がある。外熱式熔融法は、原料を入れたルツボを熔融点以上の温度の室に入れて昇温後、熔融点以下の温度の室に移動させて製造する方法であるが、ルツボの費用等が高コストとなる。内熱式熔融法は黒鉛(炭素)電極や金属電極を備えた容器中で通電により原料を加熱熔融させた後、冷却させる方法であり、熔融合成法においては内熱式熔融法が一般的である。熔融合成法は冷却結晶化した塊を粉砕、分級することにより粒子径をコントロールした合成品を製造することができる。熔融合成法は原料として純度が高い原料を使用することができ、熔融化するため原料が均一に混合できるため、結晶化度が高く、粒子径が大きく、純度の高い合成マイカや合成スメクタイトを製造することができるといった利点がある。
合成膨潤性無機層状化合物としては、例えば、フッ素金雲母(KMgAlSi10F、熔融法又は固相反応法)、カリウム四珪素雲母(KMg2.5Si10、熔融法)、ナトリウム四珪素雲母(NaMg2.5Si10、熔融法)、ナトリウムテニオライト(NaMgLiSi10、熔融法)、リチウムテニオライト(LiMgLiSi10、熔融法)などの合成マイカ、或はナトリウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)、水熱反応法又は熔融法)、リチウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)、水熱反応法又は熔融法)、サポナイト(Na0.33Mg2.67AlSi4.010(OH)、水熱反応法)などの合成スメクタイトが挙げられる。
前記の膨潤性無機層状化合物の中でも、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライト等の合成マイカ、ナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイト等の合成スメクタイト、及びモンモリロナイト等の天然スメクタイトがより好ましく使用される。これらの中でもナトリウム四珪素雲母が特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものが得られる。
粘土鉱物の市販品としては、例えば、一般にナトリウムベンナイトと呼ばれる天然のベントナイトや、クニピア(商品名、天然モンモリロナイト、クニミネ工業社製)、スメクトン(商品名、水熱反応法合成スメクタイト、クニミネ工業社製)、ビーガム(商品名、バンダービルト社製)、ラポナイト(商品名、ラポルテ社製)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts(商品名、3種類とも熔融法合成マイカ、ナトリウム四珪素雲母、トピー工業社製)、ベンゲル(商品名、豊順洋行社製)等を挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で好ましく使用される膨潤性無機層状化合物は、水中で容易に膨潤、へき開及び分散する膨潤性無機層状化合物である。膨潤性無機層状化合物の溶媒への「膨潤・へき開」性の程度は、「膨潤・へき開」試験により評価することができる。膨潤性無機層状化合物の膨潤性は、約5ml/2g以上が好ましく、より好ましくは約20ml/2g以上である。膨潤性無機層状化合物の膨潤力の具体例は、クニピア(膨潤力:65ml/2g以上)、スメクトン(膨潤力:60ml/2g以上)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts(膨潤力:30ml/2g以上)、ME−100(商品名、コープケミカル社製、膨潤力:20ml/2g以上)及びベンゲル(膨潤力:38ml/2g以上)である。
膨潤性試験を詳述する。試験容器として100mlメスシリンダーを用い、溶媒100mlに対して、膨潤性無機層状化合物2gをゆっくり加えて静置した後、23℃、24時間後の膨潤性無機層状化合物分散層と上澄み層との界面の目盛から、膨潤性無機層状化合物分散層の体積を読む。この数値(ml/2g)が大きい程、膨潤性が高く好ましい。溶媒としては、好ましくは水が使用される。
一方、該膨潤性無機層状化合物のへき開性は、約5ml/2g以上が好ましく、より好ましくは約20ml/2g以上である。へき開測定用の溶媒としては、膨潤性無機層状化合物の密度より小さい密度を有する溶媒が使用され、好ましくは、水が用いられる。
ここで、へき開性試験を詳述する。膨潤溶媒1500mlに、膨潤性無機層状化合物30gをゆっくり加え、分散機(商品名:デスパーMH−L、浅田鉄工社製、羽根径52mm、回転数3100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28mm)にて周速8.5m/secで90分間分散した後(溶媒の温度:23℃)、分散液100mlをとり、メスシリンダーに入れて60分間静置後、膨潤性無機層状化合物分散層と上澄み層との界面から、膨潤性無機層状化合物分散層の体積を読む。
膨潤性無機層状化合物としては、そのアスペクト比が100〜5000のものが用いられ、好ましくはアスペクト比500〜5000である。アスペクト比が100未満では、光沢度低下が生じることがあり、一方、アスペクト比が5000を超えると、画像の均一性が劣ることがある。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは膨潤性無機層状化合物の水中での粒子平均長径(レーザー回折法で測定。堀場製作所製粒度分布計LA−910を使用、体積分布50%のメジアン径)であり、aは膨潤性無機層状化合物の厚みである。厚みは、バリア層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めた値である。膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径は0.1〜100μmであり、0.3〜50μmが好ましく、0.5〜20μmがより好ましい。粒子平均長径が0.1μm未満になると、アスペクト比が小さくなると共に、支持体上に平行に敷き詰めることが困難になり、光沢度低下を完全には防止できない。粒子平均長径が100μmを超えて大きくなると、バリア層から膨潤性無機層状化合物が突き出てしまい、バリア層の表面に凹凸が発生し、トナー受容層表面の平滑度が低下して画質が悪化する。
本発明において、バリア層(A)および/またはバリア層(C)に用いる接着剤としては、水溶性高分子及び水分散性樹脂などの水性高分子化合物が好ましく使用される。例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル−スチレン樹脂、メタクリレート−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等の高分子、及びスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル樹脂系ラテックス、メタアクリル酸エステル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、ポリエステル−ポリウレタンアイオノマー、ポリエーテル−ポリウレタンアイオノマー等の水分散性樹脂等が挙げられる。これらの高分子化合物は単独、又は2種以上を混合して用いてもよい。
上記高分子化合物の中でも、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル−スチレン樹脂、メタクリレート−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましく用いられ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)がより好ましく使用され、画像の光沢度低下の防止効果が顕著である。本発明において、接着剤としてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を用いる場合、そのガラス転移温度としては、−50〜50℃が好ましく、−30〜30℃がより好ましい。ガラス転移温度が50℃より高い場合は、バリア層がひび割れを起こし易くなり、水分に対する満足なバリア性が得られなくなるため好ましくない。一方、−50℃より低い場合は、バリア層が粘着性を発現して、電子写真用転写シート製造時にブロッキング等の問題を生じるおそれがあるため、やはり好ましくない。
本発明において、バリア層(A)またはバリア層(C)の構成材料である膨潤性無機層状化合物と接着剤の配合比は、接着剤100質量部に対し、膨潤性無機層状化合物1〜100質量部が好ましく、より好ましくは3〜50質量部である。またバリア層を構成する材料として、各種の無機、有機の顔料、ワックス類、金属石鹸等が使用でき、さらに必要に応じ紫外線吸収剤、蛍光染料、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤、架橋剤、硬化剤、pH調整剤等各種添加剤を所望の効果を損なわない範囲で使用が可能である。バリア層の固形分塗工量は、0.1〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは1〜20g/mである。バリア層の固形分塗工量が0.1g/m未満であると、バリア層が十分に成膜せず、所望する光沢度低下の防止効果が発揮できないことがある。また固形分塗工量が30g/mを超えると、光沢度低下の防止効果が飽和し、経済的にも好ましくない。
本発明に係る電子写真用転写シートの支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙基材が使用される。例えば、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙が挙げられる。また合成樹脂フィルム等樹脂ラミネート紙、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどを主成分とした延伸フィルムや、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を主成分とする単層延伸フィルム又は多層構造フィルム(合成紙)等、およびこれらのフィルム同士、又はこれらのフィルムと他のフィルム又は紙等とを積層貼着させた複合フィルム等も使用可能である。本発明で使用されるシート状の支持体としては、20〜300μmの厚さを有することが好ましい。
本発明においては、支持体とトナー受容層との間に中間層を設けることが可能である。本発明における中間層として、熱可塑性樹脂層、顔料下塗り層およびバリア層(C)から選ばれた少なくとも1層を有することが好ましい。
前記熱可塑性樹脂層は、支持体とトナー受容層との間にポリオレフィン樹脂を用いて設けることが出来る。このポリオレフィン樹脂による被覆層は、単層構造であってもよいし、2層以上からなる積層構造であってもよい。
前記ポリオレフィン樹脂としては、170〜345℃で溶融押出することのできるものの中から適宜選択して用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα−オレフィンの単独重合体、共重合体及びこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、溶融押出の適性及びコスト面でポリエチレンが好ましい。
本発明においては、前記ポリオリオレフィン樹脂を1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。例えば、支持体として紙基材を用いた場合、トナーを加熱定着させるプロセスにおいて、同様にポリエチレン層が軟化して、紙基材中の水分によって生じるポリエチレン層と紙基材との間に膨らみ(ブリスター)や熱マケの発生することがある。一方、高密度ポリエチレンを1種単独で使用した場合、上記問題は解消できるものの、押出ラミネート時の被覆層が不均一となり、前記トナー受容層及び前記紙基材との接着性のバラツキが大きくなるため製品として使用に堪えなくなることがある。そこで、両者を適宜ブレンドすると、上記の問題を解消し得る点で有利である。
前記ポリエチレンとしては、密度が0.940〜0.970g/cmである高密度ポリエチレン(HDPE)、0.910〜0.930g/cmである低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)等のいずれでもよいが、転写シートの剛性を重視する場合には、ポリプロピレン、前記高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)等の混合物を用いるのが好ましい。前記ポリエチレンのメルトインデックスとしては、1.0〜30g/10分程度が好ましい。
前記高密度ポリエチレン(HDPE)と前記低密度ポリエチレン(LDPE)とを併用する場合、前記低密度ポリエチレンが10質量%未満であると、押出により形成される樹脂層が不均一で正常なラミネートが不可能となることがあり、高密度ポリエチレンが10質量%未満であると、充分な耐熱性が得られないことがあり、両者のブレンド比率としては、前記低密度ポリエチレンが10〜90質量%、前記高密度ポリエチレンが90〜10質量%であることが好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂による樹脂層は、加熱溶融したポリオレフィン樹脂のペレットを前記紙基材のトナー受容層を設ける面側に、通常ラミネート法、逐次ラミネート法、又はフィートブロックタイプ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイプ等の単層若しくは多層押出ダイ、ラミネーター等による押出ラミネート法により被覆することにより好適に形成される。具体的には、前記押出ラミネート法により、加熱溶融した前記ポリオレフィン樹脂をフィルムにしてから直ちに紙基材のトナー受容層を設ける面側を圧着後、冷却することにより、前記ポリオレフィン樹脂による被覆層がラミネートされる。なお前記単層若しくは多層押出用ダイの形状としては、特に制限されるものではないが、一般に、Tダイ、コートハンガーダイ等が好適に挙げられる。
本発明においては、前記ポリオレフィン樹脂を前記紙基材のトナー受容層を設ける面側を被覆する前に、前記紙基材表面を、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、又はプラズマ処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂による被覆層の厚みとしては、該被覆層が単層で形成される場合には、通常5〜60μm程度であり、好ましくは10〜40μmである。前記厚みが、5μm未満であると、電子写真用転写シートの耐水性が不十分となり、60μmより厚いと、それ以上の性能向上効果は飽和し、コスト面で不利となる。
白色度を向上させるために、前記熱可塑性樹脂層に白色顔料を含有させることが好ましい。白色顔料の例としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、リトポン、アルミナ白、酸化亜鉛、シリカ、三酸化アンチモン、燐酸チタン等が挙げられる。これらを単独で或いは混合して用いることができる。白色顔料としては、二酸化チタンが隠蔽力が大きいので特に好ましい。二酸化チタンはルチル型であっても、アナターゼ型でも良く、それらを単独或いは混合して使用してもよい。
前記顔料下塗り層として、顔料と接着剤を主成分とする。前記顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物材料からなる顔料や、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、並びにこれらの密実型、微小中空粒子型や貫通孔型の有機材料からなる顔料等が挙げられる。本発明では前記顔料の中から1種類あるいは2種類以上を適宜組合せて用いることができる。
前記接着剤としては、水溶性及び/または水分散性の高分子化合物が用いられる。高分子化合物としては、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然高分子化合物あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン樹脂系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等から選択できる。ここで、各化合物における「(メタ)アクリル」なる表現はメタクリルおよびアクリルの双方を意味する。前記高分子化合物の中から、転写シートに要求される品質に応じて、前記接着剤として1種又は2種以上を組合せて適宜選択して使用することができる。
前記接着剤の配合割合は、前記顔料100質量部に対して5〜50質量部の範囲であることが好ましく、5〜20質量部の範囲であることがより好ましい。前記配合割合が5質量部未満の場合、前記配合割合で支持体に塗工された顔料下塗り層表面に、更にトナー受容層を塗工する際に、前記顔料下塗り層を含んだ支持体の表面が、前記トナー受容層用塗工液に含まれる溶媒等によって侵され、良好な白紙光沢度を得ることが困難になることがある。一方、前記配合割合が50質量部を超えた場合、中間層を塗工する際に、泡が発生して前記顔料下塗り層の表面にザラツキが発生し、良好な白紙光沢度を得ることが困難になることがある。
顔料下塗り層用塗布液には、前記顔料及び前記接着剤の他に、各種助剤を必要に応じて添加することも可能である。かかる各種助剤としては、例えば界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、柔軟剤、光沢付与剤、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等が挙げられる。
中間層の塗工量は、本発明の転写シートの使用目的に応じて適宜に選択される。一般的には、支持体表面の凹凸を完全に覆う程度の量が望ましいため、前記塗工量は乾燥質量で、1〜60g/mであり、8〜40g/mであることが好ましい。
中間層は、支持体の片面或いは両面に形成される。前記中間層は、1層以上の多層構造とすることも可能である。なお前記支持体の両面に中間層を形成する場合、支持体の表面と裏面で塗工される塗布液の組成と塗工量とは同一でなくてもよい。
また前記支持体表面に形成される顔料下塗り層が多層構造である場合、各層毎に塗布液の組成と塗工量は同一でなくても良い。さらに前記塗布液の組成または前記塗工量は所望の品質に応じて適宜調整される。また前記支持体の片面に前記顔料下塗り層を設けた場合、前記支持体のもう一方の面に合成樹脂層、顔料と接着剤等からなる塗布層又は帯電防止層等を設けて、カール発生を防止することや、印刷適性及び給排紙適性等を付与することも可能である。さらに前記支持体のもう一方の面に種々の後加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の加工を施すことにより、各種の用途適性を付加することも可能である。
前記顔料下塗り層を設けた支持体は、通常の乾燥工程や表面処理工程等において平滑化処理することが好ましい。
前記顔料下塗り層を設けた支持体に平滑化処理を施す際には、通常のスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ等の平滑化処理装置を用いて行われる。前記平滑化処理はオンマシンやオフマシンで適宜施されてもよく、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に応じて適宜調節される。なお、支持体表面に予め顔料と接着剤とからなる塗工層が設けられた市販の用紙を用いることも出来る。
本発明において、任意的な中間層を構成する材料として、各種の無機、有機の顔料、ワックス類、金属石鹸等が含有させることが可能であり、さらに必要に応じ紫外線吸収剤、蛍光染料、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等の各種添加剤が所望の効果を損なわない範囲で使用可能である。
本発明において、電子写真用転写シートのトナー受容層としては、公知のトナー受容層が適用できる。トナー受容層を形成する樹脂としては、電子写真感光体または中間転写体から移行するトナーの転写性が良好で、かつトナー受容性の良い樹脂が使用される。このようなトナー受容層用樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー樹脂などを用いることができる。また画像形成の際に定着ロールによる加熱によって、トナー受容層と融着することを防止するために、樹脂中に架橋剤、滑り剤及び離型剤等の1種以上が添加されていることが好ましい。また必要に応じて、前記トナー受容層中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料等の1種以上を添加してもよい。これらの添加剤はトナー受容層の形成成分と混合して塗工してもよく、トナー受容層とは別の被覆層としてトナー受容層の上及び/又は下に塗工されていてもよい。
トナー受容層の固形分塗工量は、好ましくは1〜30g/m程度であり、より好ましくは3〜25g/mである。トナー受容層の塗工量が1g/m未満では、トナー受容層が支持体表面を完全に覆うことができず、画質の低下や、定着時の加熱により定着ロールとトナー受容層が接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方、塗工量が30g/mを超えると、効果が飽和し、コスト高であるばかりで無く、トナー受容層塗膜の強度が不足し、トナー受容層の厚みが増大することより記録物の曲げひび割れの発生が著しくなり、画像品位の低下を招くため、好ましくない。
上記中間層、バリア層(A)、トナー受容層等の塗工層を形成する方法としては、エアーナイフコーター、バリバーブレードコーター、ピュアブレードコーター、ロッドブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、スプレーコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、オフセットロールコーター、リバースロールコーター、リップコーター、スライドビードコーター、リバースロールコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター等の塗工方式を適宜用いることができる。乾燥が必要な場合は、塗布を行う上記の装置に組み合わせた従来の方法で行うことができる。また放射線による硬化が必要な場合には、紫外線照射装置、電子線照射装置等の放射線照射装置を適宜使用し、硬化することができる。
本発明者らは、良好な給紙性、高温保存性を得ることについて鋭意検討した結果、バリア層(A)上に、保護層(B)を設け、ISO環境下の紙間の静摩擦係数を0.85以下、好ましくは0.35〜0.85に調整することで、良好な給紙性が得られ、かつ画像面と保護層(B)の密着性を低下出来ることから、65℃環境での画像オフセットを防止できることを見出した。即ち、保護層(B)に配合される0.1〜10μmの有機顔料または無機顔料を主配合とすることが好ましい。有機顔料または無機顔料は、平均粒子径が0.1μm未満では、紙間密着性の低下の効果が低く、重送、画像オフセットが改善出来ないことがある。一方、10μmを超える場合、白紙部の受像面側に傷が付き、画像欠陥となることがある。
また保護層(B)に、帯電防止剤を配合し、保護層(B)の表面電気抵抗を1×10〜5×1011Ω/□に調整することが好ましい。因みに、保護層(B)の表面電気抵抗が1×10Ω/□より低い場合、帯電時の電荷が急激にリークし、トナーの転写不良が発生することがある。一方、保護層(B)の表面電気抵抗が5×1011Ω/□より高い場合、プリンター搬送系内のロールとの剥離帯電による巻き付き等の走行性不良が発生することがある。保護層(B)の固形分塗工量は0.03〜10g/mの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜5g/mである。
本発明の電子写真用転写シートにおける含有水分率は、開封時に3.0〜6.5%の範囲になることにより、印画物が低湿環境や高湿環境で保管されても光沢度低下が発生しにくいため好ましく、4.0〜6.0%であることがより好ましく、4.5〜5.5%の範囲となるように調整されることが特に好ましい。
本発明における支持体として、紙基材を用いることが好ましい。この紙基材に使用するパルプは特に限定されるものではないが、例えば、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、LBSP(広葉樹晒亜硫酸パルプ)、NBSP(針葉樹晒亜硫酸パルプ)等のケミカルパルプを使用することができる。いわゆるECFパルプやTCFパルプのような塩素フリーパルプが好ましく使用できる。またリンターパルプのような非木材パルプ、古紙パルプ、GP(グランドパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)等の高収率パルプも地合の悪化程度を考慮し、かつ塗工後の白色度が低くなり過ぎない程度に、色再現性を考慮し、単独あるいは2種以上混合して使用することができる。塗工後の白色度を高くするために、紙基材に前記のパルプを適宜選択して使用するか、パルプの漂白工程を強化したパルプの使用や、パルプスラリー中への蛍光染料を添加してもよい。
本発明に使用する紙基材は、密度を上げ、表面平滑性を制御し、塗工適性を良くするため、また塗工後の不透明度、白色度の調整等のために填料を含有させることが出来る。ここで使用できる填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム類、カオリン、焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類、二酸化チタン等の無機顔料、および尿素樹脂、スチレン等の密実型、中空型または貫通孔型の有機顔料を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。
填料の配合量は、特に限定されるものではないが、3〜15質量%の範囲が好ましい。填料の配合量が、3質量%を下回ると、填料による光の屈折が低下し、不透明度が低下することがある。また填料の配合量が、15質量%を上回ると、紙の剛さが低下し、紙基材の紙層中での繊維間結合を阻害するため層間強度を低下させることがあり、好ましくない。
本発明の紙基材に使用するサイズ剤等の各種薬品は、内添または外添により使用することができる。サイズ剤の種類は、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等の公知のサイズ剤を挙げることができ、さらに硫酸バンド、カチオン化澱粉等の適当な定着剤を組み合せても使用できる。プリント後の用紙保存性の観点から、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤等の中性サイズ剤が好ましい。
さらに、本発明の電子写真用転写シートにおいては、支持体の裏面側に粘着層、剥離層、剥離シート基材を順次積層した構成にしてもよい。この構成において、粘着層と剥離層の間で剥離可能であり、いわゆるシールタイプまたは、ラベルタイプの電子写真用転写シートとすることも出来る。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、勿論本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例中の「部」及び「%」はすべて「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
(バリア層(A)、(C)用塗料の調製)
膨潤性無機層状化合物の水分散液(粒子径6.3μm、陽イオン交換容量100meq/100g、5%水分散液、商標:Na−TS、トピー工業社製)100部に、撹拌しながら酸変性SBRラテックス(固形分50%、スチレン単量体57部、ブタジエン単量体40部、メタクリル酸3部、ガラス転移温度−10℃、ゲル分率90%、粒子径290nm、pH6.8、商標:L1388、旭化成工業社製)100部を加え、撹拌した。これに、含窒素化合物(カチオン化度2.5meq/g、変性ポリアミド系樹脂、pH7.2、固形分50%、商標:SPI203(50)、住友化学工業社製)を1%アンモニア水溶液で10質量%に希釈したものを40部添加、撹拌してバリア層用塗料とした。このバリア層用塗料は、固形分24%、pH8.2、粘度60cpsであった。
(バリア層(A)、(C)塗工シートの作成)
上記バリア層用塗料を、180g/mの上質紙の裏面側にメイヤーバーを用いて塗工量が15g/m(固形分)となるように塗工後、熱風循環乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥させてバリア層(A)を形成した。さらに、記録面側にもバリア層用塗料を、バーコーターを用いて塗工量が15g/m(固形分)となるように塗工後、熱風循環乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥させ、バリア層(C)を形成した。その後、コットン/チルドの構成からなるスーパーカレンダを線圧90Kg/cm、スピード10m/minで通して、バリア層塗工シートを得た。バリア層塗工シートの断面観察により測定した厚みから算出した膨潤性無機層状化合物のアスペクト比は2700であった。
(保護層(B)用塗料の調製)
微粉ケイ酸顔料(平均粒子径1.6μm、商品名:ミズカシルP527、水沢化学社製)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名;アロンA−9、東亜合成社製)1.0部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:LX415A、日本ゼオン社製)50部と酸化デンプン(商品名:エースA 王子コーンスターチ社製)50部を添加、撹拌し、さらに、食塩を5部加え、水を加えて、固形分濃度が15%の塗被液を調製した。
(保護層(B)用塗工シートの作成)
上記保護層(B)用塗料を、バリア層(A)上に、バーコーターを用いて塗工量が1.0g/m(固形分)となるように塗工後、熱風循環乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥させ形成した。
(電子写真用転写シートの作成)
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡社製)100部をトルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)の混合溶媒200部に溶解し、混合撹拌してトナー受容層用塗液を得た。次いで、前記バリア層塗工シートのバリア層(C)上に、バーコーターを用い、乾燥後の塗工量が20g/mとなるように、トナー受容層用塗液を塗工乾燥して電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
実施例2
実施例1の保護層(B)の作成において、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:LX415A、日本ゼオン社製)25部と酸化デンプン(商品名:エースA 王子コーンスターチ社製)25部にした以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
実施例3
実施例1の保護層(B)の作成において、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:LX415A、日本ゼオン社製)15部と酸化デンプン(商品名:エースA 王子コーンスターチ社製)15部にした以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
実施例4
実施例2のバリア層塗工シートの作成において、バリア層(A)を上質紙の裏面側の面にのみ15g/m(固形分)となるように形成してバリア層塗工シートを作成した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
実施例5
実施例2の電子写真用転写シートの作成において、トナー受容層用ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡社製)100部の代わりにスチレン−アクリル樹脂(商品名:S1030、東亜合成社製)100部を用い、保護層(B)の作成において、微粉ケイ酸顔料(平均粒子径1.6μm、商品名:ミズカシルP527、水沢化学社製)100部を、球状軽炭EDIIIに変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
実施例6
実施例5の保護層(B)の作成において、食塩の配合を5部から2.5部に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
実施例7
実施例5の保護層(B)の作成において、食塩の配合を5部から10部に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
実施例8
実施例2の電子写真用転写シートの作成において、支持体として、180g/mの上質紙の代わりに、市販コート紙157g/m品(OKトップコートN、王子製紙社製)を用い、保護層(B)の作成において、微粉ケイ酸顔料(平均粒子径1.6μm、商品名:ミズカシルP527、水沢化学社製)100部を、球状軽炭TU−185−2に変更し、かつ塗工量を6g/mにした以外は、実施例2と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なお、この電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
実施例9
実施例2の電子写真用転写シートの作成において、180g/mの上質紙の裏面側にバリア層を形成しスーパーカレンダ処理を行った後、表面側にコロナ放電処理を行い、溶融押出機を用いて、密度0.900g/cmのポリプロピレンを厚みが30μmとなるように熱可塑性樹脂による中間層を形成した。更に保護層(B)の作成において、微粉ケイ酸顔料(平均粒子径1.6μm、商品名:ミズカシルP527、水沢化学社製)100部を、エポスターMA1006(球状、粒子径6μm、日本触媒社製)に変更した以外は、実施例2と同様のトナー受容層を形成して、電子写真用転写シートを得た。なお、この電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
実施例10
実施例5の電子写真用転写シートの作成において、開封時の含有水分率を2.8%となるように調整した以外は、実施例5と同様にして、電子写真用転写シートを得た。
実施例11
実施例5の電子写真用転写シートの作成において、保護層(B)の作成において、食塩に替えてボウショウに変更し、配合量を20部に変更、かつ開封時の含有水分率を6.8%となるように調整した以外は、実施例5と同様にして、電子写真用転写シートを得た。
比較例1
実施例1のバリア層用塗料の調製において、膨潤性無機層状化合物を含有しない水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
比較例2
実施例1の電子写真用転写シートの作成において、180g/mの上質紙の両面にコロナ放電処理を行った後、溶融押出機を用いて、一方の面に密度0.923g/cmの低密度ポリエチレン、もう一方の面に密度0.967g/cmの高密度ポリエチレンをそれぞれ厚みが30μmとなるように塗布を行った。次に、低密度ポリエチレン層を形成した面に、実施例1で用いたトナー受容層用塗液を乾燥後の塗工量が20g/mとなるように、バーコーターを用いて塗工乾燥して電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
比較例3
実施例2の保護層(B)の作成において、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:LX415A、日本ゼオン社製)5部と酸化デンプン(商品名:エースA 王子コーンスターチ社製)5部にし、食塩の配合量を1部から0部にした以外は、実施例2と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
比較例4
実施例2の保護層(B)の作成において、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:LX415A、日本ゼオン社製)250部と酸化デンプン(商品名:エースA 王子コーンスターチ社製)250部にし、食塩の配合量を1部から0部にた以外は、実施例2と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
比較例5
実施例1の保護層(B)の作成において、食塩配合量5部を、15部に配合した以外は、実施例2と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
比較例6
実施例1の保護層(B)の作成において、食塩配合量5部を、1部に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真用転写シートを得た。なおこの電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
比較例7
実施例2の保護層(B)の作成において、微粉ケイ酸顔料(平均粒子径1.6μm、商品名:ミズカシルP527、水沢化学社製)100部を、エポスターMA03(球状、粒子径0.04μm、日本触媒社製)に変更した以外は、実施例2と同様のトナー受容層を形成して、電子写真用転写シートを得た。なお、この電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
比較例8
実施例2の保護層(B)の作成において、微粉ケイ酸顔料(平均粒子径1.6μm、商品名:ミズカシルP527、水沢化学社製)100部を、EDXX(球状、粒子径20μm、日本触媒社製)に変更した以外は、実施例2と同様のトナー受容層を形成して、電子写真用転写シートを得た。なお、この電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
比較例9
実施例2の保護層(B)の作成において、塗工量を0.02g/mに変更した以外は、実施例2と同様のトナー受容層を形成して、電子写真用転写シートを得た。なお、この電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
比較例10
実施例2の保護層(B)の作成において、塗工量を12g/mに変更した以外は、実施例2と同様のトナー受容層を形成して、電子写真用転写シートを得た。なお、この電子写真用転写シートの開封時の含有水分率が5.0%となるように調整した。
評価
上記の各実施例及び比較例で得られた電子写真用転写シートについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、得られた結果を表1に示す。
〔画像品質の評価〕
リコー社製カラーレーザープリンターIPSiO CX9000およびIPSiO CX2500にて印画試験を行い、画像品質を評価した。なお画像としては、ISO/JIS−SCID JIS X 9201−1995 N3画像及び電子写真学会テストチャートNo.5−1:1995画像を用い、A4サイズのシートに印画し、次の基準で評価した。
<画像部の光沢ムラ評価>
◎ 光沢ムラが全く無く、均一な高光沢画像
○ 光沢ムラが若干観られるが、均一な高光沢画像
△ 光沢ムラがやや観られるが、実用レベル
× 光沢ムラが見られ、実用上問題あり
<画像部の白抜け発生評価>
◎ トナーの転写不良の発生による白抜けや中間調のムラが観られず、高品位な画像
○ トナーの転写不良の発生による白抜けや中間調のムラが若干観られるが、高品位な画像
△ トナーの転写不良の発生による白抜けや中間調のムラがやや観られるが、実用レベル
×トナーの転写不良の発生による白抜けや中間調のムラが観られ、実用上問題あり
〔光沢度低下の防止効果の評価1〕
作成した各電子写真用転写シートについて、リコー社製カラーレーザープリンターIPSiO CX9000を用い、20%グレー画像でベタ記録を行い、評価サンプルを得た。つぎに評価サンプルの画像部の表面の、20°光沢度を測定した。さらに、各サンプルを32℃/80%RHの環境下に72時間放置し、加湿処理を行った後の表面光沢度を測定して、光沢度低下の防止効果の評価を行った。
〔光沢度低下の防止効果の評価2〕
作成した各電子写真用転写シートについて、リコー社製カラーレーザープリンターIPSiO CX9000を用い、20%グレー画像でベタ記録を行い、評価サンプルを得た。つぎに評価サンプルの画像部の表面の、20°光沢度を測定した。さらに、各サンプルを55℃ドライの環境下に24時間放置し、脱湿処理を行った後の表面光沢度を測定して、光沢度低下の防止効果の評価を行った。
〔画像オフセットの評価方法〕
作成した各電子写真用転写シートについて、リコー社製カラーレーザープリンターIPSiO CX9000を用い、20%グレー画像でベタ記録を行い、評価サンプルを得た。つぎに、各サンプルの画像オフセット評価を以下の様に行った。
<画像オフセット評価>
サンプル調整:(1)5cm×5cmの紙片に切り、ISO環境24時間調湿。(2)5cm×5cmの画像サンプル10枚を,それぞれ画像面と保護層(B)面が接触するように重ね合わせる。(3)ビニル袋に入れる。
評価環境:40℃ドライの環境下に24時間放置
処理後、サンプル間の密着状態の評価を行った。
〔摩擦係数測定〕
各サンプルをISO環境(23℃/50%RH)に一昼夜放置し、JIS P 8147に準じた方法で、ISO環境で静摩擦係数を測定した。
〔保護層(B)の表面電気抵抗測定〕
(2)表面電気抵抗値
JIS K 6911に準拠し、サンプルを、ISO(23℃/50%RH)環境下に、一昼夜調湿し、同じ環境下で、アドバンテス社製R8340を使用して、印加電圧100Vの条件で通電して1分間経過した後に測定した。
なお表1中、1.0E×14は1.0×1014を表す。
〔走行性評価〕
リコー社製カラーレーザープリンターIPSiO CX9000を用いて印画試験を行い、走行性を評価した。なお画像としては、電子写真学会テストチャートNo.5−1:1995画像を用い、A4サイズのシートを250枚 走行性評価して、下記基準で評価した。
<給紙部評価>
◎ 重送、ミスフィードの発生が全く無く、優れている。
○ 重送、ミスフィードの発生が5枚以下で、良好。
△ 重送、ミスフィードの発生が10枚未満で、実用上問題ない。
× 重送、ミスフィードの発生が10枚以上で、実用上問題ある。
<プリンター内搬送系巻き付きJAM評価>
◎ 搬送系内で巻き付きによるJAMの発生が全く無く、優れている。
○ 搬送系内で巻き付きによるJAMの発生が5枚以下で、良好。
△ 搬送系内で巻き付きによるJAMの発生が10枚未満で、実用上問題ない。
× 搬送系内で巻き付きによるJAMの発生が10枚以上で、実用上問題ある。
<排紙トレイ紙間貼りつき評価>
片面印字後、両面印字して、給紙部での重送、ミスフィードを評価した。
◎ 重送、ミスフィードの発生が全く無く、優れている。
○ 重送、ミスフィードの発生が5枚以下で、良好。
△ 重送、ミスフィードの発生が10枚未満で、実用上問題ない。
× 重送、ミスフィードの発生が10枚以上で、実用上問題ある。
Figure 2009276634
本発明に係る電子写真用転写シートは、高画質画像が得られ、印画画像の経時による光沢低下の無い画像保存性を有するものであり、実用的に価値の高いものである。

Claims (7)

  1. 支持体と、その一面上にトナー受容層、他の一面上にバリア層(A)および保護層(B)とを有する電子写真用転写シートにおいて、前記バリア層(A)は、膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分とし、前記膨潤性無機層状化合物が、粒子平均長径が0.1〜100μm、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が100〜5000であり、前記保護層(B)中には、平均粒子径0.1〜10μmの顔料を含有し、保護層(B)表面の表面電気抵抗が1×10〜5×1011Ω/□であり、かつ23℃/50%RH環境下におけるシート間の静摩擦係数が0.85以下であることを特徴とする電子写真用転写シート。
  2. 前記保護層(B)中の顔料とバインダーとの比率が、顔料100質量部に対して20〜300質量部である請求項1記載の電子写真用転写シート。
  3. 前記支持体と、その一面上に形成されたトナー受容層との間に中間層として、熱可塑性樹脂層、顔料下塗り層およびバリア層(C)から選ばれた少なくとも1層を有する請求項1または2記載の電子写真用転写シート。
  4. 前記バリア層(C)が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分とし、前記膨潤性無機層状化合物は、粒子平均長径が0.1〜100μm、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が100〜5000である請求項3記載の電子写真用転写シート。
  5. 前記バリア層(A)に用いる接着剤が、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル−スチレン樹脂、メタクリレート−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用転写シート。
  6. 前記バリア層(C)に用いる接着剤が、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル−スチレン樹脂、メタクリレート−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項3または4に記載の電子写真用転写シート。
  7. 開封時の含有水分率が、3.0〜6.5%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真用転写シート。
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JP2022014610A (ja) * 2020-07-07 2022-01-20 王子ホールディングス株式会社 ガスバリア性積層体

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