JPWO2004029725A1 - 電子写真用転写紙 - Google Patents

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Abstract

本発明は、電子写真方式のプリンター、ファックス、複写機、オンデマンド印刷機により印刷することができ、優れたトナー定着性を有するとともに、印刷後の画像光沢感に優れ、また白紙光沢と印刷後の画像部の光沢感を印画紙写真に近づけた電子写真用転写紙を提供する。本発明は、基紙上に少なくとも1層以上の塗工層を設けた電子写真用転写紙において、該塗工層の最表層における顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合することを特徴とする電子写真用転写紙に関する。

Description

本発明は、電子写真用転写紙に関するものである。さらに詳しくは、電子写真方式のプリンター、ファックス、複写機、オンデマンド印刷機により印刷することができ、優れたトナー定着性を有するとともに、印刷後の画像光沢感に優れ、また白紙光沢と印刷後の画像部の光沢感を印画紙写真に近づけた電子写真用転写紙を提供する。
電子写真方式による出力は、パーソナルコンピューターからの印刷やオンデマンド印刷の広がりにより、急速に拡大している。
これまで、高級なアウトプットメディアとしては、昇華型熱転写方式が先行しており、医療における画像処理分野などで使用されてきたが、価格が高いことと印刷処理時間が長いことが普及の大きな問題点であった。
最近になって、解像度の飛躍的な向上とインク滴の微細化技術が相まって、インクジェットプリント方式が写真画質に近づきつつあり、そのランニングコストの安さから幾つかのフォトシステムが市販されるに至っている。しかし、インクジェット方式は安価ではあるが、印刷処理に時間が掛かるという問題は解決されていない。
比較的安価で印刷処理時間の短い電子写真方式は、テキスト中心のアウトプットだけでなく、ビジュアルを重視したフルカラーのアウトプット方式として注目されている。電子写真方式は、半導体材料の上に、オリジナルの潜像を形成し、これをトナーによって目に見えるようにして、受像材上に転写する。トナーは、一般に熱によって受像材上に定着される。
これまで受像材として白紙光沢の高い用紙を使用する場合があったが、これではトナーが乗った画像部分がマット調になってしまう欠点があった。また、高速の印刷や印画紙写真に質感を似せるため厚紙を使用した場合においては、トナーの定着性が悪く、こすると画像が落ちてしまったりするため、速度を落として加熱時間を充分取らなければならないと言った問題もあった。そこで、画像部分の光沢感を向上させ、トナーの定着性にも優れた転写用紙が求められていた。
また、受容層が水溶性のポリエステル樹脂および/または水分散性のポリエステル樹脂を含有し、該受容層がキャストコーティングされたものである電子写真法用の像受容材料が開示されているが、ここでのポリエステル樹脂は、白紙光沢性を向上させることで、濃いトナー付与領域と薄いトナー付与領域との間の光沢差をごく小さくすることや、ポリエステル樹脂用の原料をリサイクルを目的としたものであり、特にべた印刷した画像部の光沢感やトナー定着性の向上を狙ったものではない(例えば、特開2000−305305号公報参照。)。
また、従来では、記録層の最表層に特定の比表面積を持つ合成シリカを含有した塗液をキャストコーティング法により塗工した電子写真転写用塗工紙の開示があるが、該塗工紙は通気性向上によるブリスターの抑制と、50%以上という比較的高い白紙光沢によるハーフトーン部の画像光沢度の向上を意図したものであり、べた印刷部分も含めたすべての画像部分の光沢感を向上させ、トナー定着性にも優れた転写用紙としては不十分である(例えば、特許第2736943号公報参照。)。
また、転写層の空隙構造を水銀圧入式ポロシメーターによる測定で規定し、転写層の最表層をキャスト方式によって設けることを特徴とした電子写真用または熱転写用などの転写紙の開示があるが、該転写紙は溶融したトナーやインクの吸収速度を向上する意図のものであり、高速での印刷や厚紙の印刷で求められる効率の良いトナーの溶融には直接寄与できるものではない(例えば、特開平7−98510号公報参照。)。
また、空隙を含む断熱層を設ける感熱記録材料兼電子写真用転写シートおよび複写方法が開示されているが、ここでは電子写真記録方法の定着機構からの熱によって発色しない感熱記録層の設計が主たる技術であり、該断熱層はあくまでサーマルプリンターのサーマルヘッドによる印字適性を向上させる目的で設けたものであり、キャスト仕上げによる白紙光沢の向上や、トナー定着や画像部光沢などの電子写真適性の向上を意図したものではない(例えば、特開2001−63215号公報参照。)。
また、用紙の坪量と密度の関係をある式で定め、さらに用紙の定常熱伝導率法における熱伝導率を一定以下にする電子写真用転写紙が開示されているが、これは特定の印刷機においてトナー定着不良を生じずに使用可能な用紙の物性を経験的に示しただけにとどまっており、従来の電子写真用転写紙の特性を超えて画像部分の光沢感とトナー定着性に関する諸問題、要求に対し積極的に解決する方法についての記述はない(例えば、特開2000−321808号公報参照。)。
本発明の目的は、電子写真方式のプリンター、ファックス、複写機、オンデマンド印刷機により印刷することができ、優れたトナー定着性を有するとともに、印刷後の画像光沢感に優れ、また白紙光沢と印刷後の画像部の光沢感を印画紙写真に近づけた電子写真用転写紙を提供するものである。
本発明者は、上記に鑑み鋭意研究した結果、本発明の電子写真用転写紙を発明するに至った。
すなわち、第1の発明における電子写真用転写紙は、基紙上に少なくとも1層以上の塗工層を設けた電子写真用転写紙において、該塗工層の最表層における顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合することを特徴とするものである。
また、第2の発明における電子写真用転写紙は、基紙の両方の面にフィルム形成能ある樹脂で被覆された支持体の印刷面に相当する側に少なくとも1層以上の塗工層を設け、該塗工層の最表層における顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合することを特徴とするものである。
また、第3の発明における電子写真用転写紙は、基紙上に少なくとも1層以上の塗工層を設けてなる電子写真用転写紙において、該塗工層の最表層における顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合し、かつ塗工層がキャスト処理によって光沢を付与された層であることを特徴とするものである。
第3の発明において、白紙光沢が、JIS P−8142に準拠した75度鏡面光沢度で80%以上であることが好ましい。
上記発明において、有機中空顔料が、中空率30%以上、粒子径300nm以上の有機中空顔料であることを特徴とする。
また、上記発明において、坪量としては、140g/m以上であることが好ましい。
以下、本発明の電子写真用転写紙について、詳細に説明する。
まず最初に、なぜ塗工層における最表層に有機中空顔料を使うことによって、本発明の目的であるトナーの定着性と画像光沢が改良されるのかは定かではないが、中空の有機顔料は通常の塗工顔料として使用されるカオリンクレー類に比べ、比重が小さく、内部に空気が充填された空間をもち、塗工顔料として使用した場合に、塗工層の断熱性が高まり、また加熱されたもとでのクッション性もよくなるためではないかと考えられる。断熱性がよくなることにより、トナー定着時の加熱が効率よくトナーに集中するため、定着性が改良されるのであろう。また、クッション性がよくなることにより、キャスト処理時の加熱効率と密着性が向上し、白紙光沢がより高くなるため、ハーフトーンも含めた全ての画像光沢が向上するものと考えられる。
トナーの転写紙への定着は、加熱によるトナーの適度な溶融または軟化により行われるが、転写紙が厚い時、加熱時間が短い時、加熱温度が低い時、印刷環境温度が低くトナー、転写紙、機材が低温である時といった場合、トナー自身の温度が充分に上昇せず、結果として溶融または軟化が不十分となり、トナーの転写部材への付着、印刷部グロスの低下、印刷濃度の低下、印刷部の剥離や擦れに対する耐性の低下といったトラブルを招く。これらの技術的な問題点は、印刷機の高速化、省エネルギー化、厚い転写紙の利用、印刷機の寒冷環境への適用といった面で改良を阻む要因となっていた。しかし、有機中空粒子、好ましくは中空率が30%以上、粒子径が300nm以上の有機中空顔料を塗工層に用いることで、この塗工層が断熱層として働き、加熱ロールや熱放射装置からの加熱効果が、転写紙上のトナーへ非常に効率よく働きかけ、トナーの溶融や軟化が促進される。その結果、先に延べたような諸問題について、本発明により解決するに至ったのである。
第1の発明における電子写真用転写紙は、基紙上に少なくとも1層以上の塗工層を設けた電子写真用転写紙において、該塗工層の最表層における顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合することを特徴とするものである。
上記発明において、基紙上に設けられた塗工層の内でも、最表層に有機中空粒子を顔料100質量部中の5質量部以上配合させることによって、上述したとおり断熱層としての効果を発揮するものである。
本発明において、塗工層の顔料として使われる有機中空顔料は、アルカリ/酸二段階処理法などの製造方法により得られる。中空率は30%以上、粒子径は300nm以上であることが好ましい。また、組成は、スチレンを主としたポリマーであり、アクリル、ブタジエンなどのモノマーを含む共重合体であっても良い。
本発明において、塗工層に配合する有機中空顔料は、全顔料100質量部に対して5質量部以上である。ここで、5質量部未満では前述した有機中空顔料に由来する本発明の効果が得られない。
上記発明において、使用される基紙としては、非塗工紙、塗工紙のいずれでも使用できる。内添填料は使用しても使用しなくてもよい。使用できる内添填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムの他にカオリン、クレー、タルク、二酸化チタン、有機顔料などが挙げられる。
本発明の電子写真用転写紙の基紙を製造する際に使用する内添サイズ剤としては、例えば、酸性抄紙の場合には、ロジンサイズ剤、中性抄紙の場合には、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、中性ロジンサイズ剤、カチオン性スチレンアクリルなどが挙げられる。
本発明の電子写真用転写紙の基紙を製造する際に使用する紙料中には、この他に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、従来から使用されている歩留まり向上剤、各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の濾水向上剤、紙力向上剤などの抄紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。例えば、各種澱粉、およびポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリアミド・ポリアミン、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、ポリアミド樹脂の内の1種あるいは2種以上が適宜組み合わされて使用される。
本発明の電子写真用転写紙の基紙の表面には、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、カチオン澱粉、燐酸澱粉、燐酸エステル化澱粉などの加工澱粉、変性澱粉、カゼイン、ポリビニルルアルコールなどのバインダー、スチレン/アクリル酸系共重合体、スチレン/メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル/ビニルホルマール/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体などの表面サイズ剤、エチレン−尿素樹脂などの寸法安定化剤、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機導電剤、有機導電剤、界面活性剤、顔料、染料を塗工することは勿論可能である。
上記のバインダーおよび表面サイズ剤などを塗工する装置としては、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、あるいはメタードフィルムトランスファー方式のサイズプレス、ロッドコーター、ビルブレード、ショートドウェルコーター、ブレードコーター、エアナイフコーターなどを好適に用いることができる。これら塗工装置の中では紙層内部へも上記のサイズプレス液を含浸させるような方式のものが望ましい。
本発明の電子写真用転写紙の基紙を製造する際に、使用できるパルプとしては、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、TMPなどの他に、ケナフやバガスなどの非木材パルプや古紙パルプが挙げられ、必要に応じて単独あるいは併用して用いられる。
なお、本発明で言う古紙パルプの原料としては、(財)古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。さらに具体例としては、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙などのプリンター用紙、およびPPC用紙などのOA古紙、アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙などの塗工紙、あるいは上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートンなどの非塗工紙などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが使用されるが、印字、複写、印刷、非印刷を問わず特に限定されるものではない。
その他の添加剤としては、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、および防錆剤などが挙げられる。
本発明で使用する基紙の抄紙方法において、抄紙機は、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機など製紙業界で公知の抄紙機を適宜使用できる。
基紙の厚さに特に制限はないが、通常坪量で50〜350g/m程度の紙が使用される。厚い物ほど従来品と比較してトナー定着性と印刷部のグロスにおいて優位性がある。好ましくは坪量で70〜250g/mである。
塗工層に用いる顔料として、有機中空顔料と併用できるものは、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、デラミネーティッドカオリン、焼成カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、カチオン修飾したコロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などが挙げられる。
塗工層に用いる接着剤としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、燐酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールまたはその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;あるいはこれら各種重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;あるいはこれら各種重合体にカチオン性基を用いてカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤にて重合体表面をカチオン化したもの、カチオン性ボリビニルアルコール下で重合し重合体表面に該ポリビニルアルコールを分布させたもの、カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で重合を行い、重合体表面に該粒子が分布しているものなど;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性接着剤;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体または共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系接着剤などを挙げることができる。
上記接着剤は単独もしくは複数を用いることができ、顔料100質量部に対して、接着剤の総量で3〜70質量部、好ましくは、5〜50質量部用いることができる。ここで、3質量部未満では、塗工層の塗層強度が不足するし、70質量部を超えるとトナーの定着性を低下させることがある。また、塗工層には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、染料定着剤、無機および有機導電剤などを適宜配合することもできる。
また、第2の発明における電子写真用転写紙は、基紙の両方の面にフィルム形成能ある樹脂で被覆された支持体の印刷面に相当する側に少なくとも1層以上の塗工層を設け、該塗工層の最表層における顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合することを特徴とするものである。
すなわち、第2の発明の電子写真用転写紙は、紙または塗工紙の両面または片面をポリオレフィン樹脂で被覆することにより得られる高い光沢、平滑性、写像性を有するレジンコート紙(RC紙)を基材として使用するものである。この場合の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂・ポリカーボネート樹脂・ポリエステル樹脂・ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく、中でも融溶押し出しコーティング性の点からポリオレフィン樹脂がさらに好ましい。
上記発明においては、基紙表面を樹脂被覆することにより、高い光沢、平滑性、写像性を備えることから、さらに本発明による塗工層を設けることでより一層、優れたトナー定着性、印刷後の画像光沢感が得られる。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィン単独重合体、α−オレフィンの共重合体およびそれらの各種重合体の混合物などから選ぶことができる。特に好ましいポリオレフィン樹脂はポリエチレン樹脂であり、ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、およびこれらの混合物であり、各種の密度、メルトフローレート(以下、単にMFRと略す。)、分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度0.90〜0.97g/cmの範囲、MFR0.1〜50g/10分、好ましくは、MFR0.3〜40g/10分の範囲のものを単独にあるいは混合して有利に使用できる。また、樹脂が多層構成の場合、最外層の樹脂として、例えば、MFR5〜20g/10分のもの、下層の樹脂として、例えば、MFR2〜10g/10分のものを使用するなど別の性質、構成の樹脂を使用することもできる。
上記ポリオレフィン樹脂の被覆厚さとしては、4〜70μmの範囲が有用であるが、6〜45μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲が特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆層は、前記のような有機物質により被覆処理された二酸化チタン顔料を含有せしめることもできるが、この二酸化チタン顔料を基紙被覆用のポリエチレン樹脂中に含有せしめる方法としては、予め二酸化チタン顔料をポリエチレン樹脂中に一定濃度に含有させた、いわゆるマスターバッチを作製し、それを希釈用のポリエチレン樹脂で所望の割合に希釈混合して使用するか、あるいは二酸化チタン顔料をポリエチレン樹脂中に所望の組成比だけ含有させた、いわゆるコンパウンドを作製して使用するのが普通である。これらのマスターバッチ、コンパウンドを作製するには通常、バンバリーミキサー、ニーダー、混練用押出機、ロール練り機などを用いることができ、また、これら各種混練機を二種類以上組み合わせて使用しても良い。
これら二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるマスターバッチ、コンパウンドのポリオレフィン樹脂組成物の調製に用いるポリオレフィン樹脂としては、二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂との混練性に関わる適当な物性のものが好ましい。具体的には、密度が0.917〜0.925g/cmの範囲、MFRが3〜12g/10分の低粘度ポリエチレン樹脂、または中粘度ポリエチレン樹脂が好ましい。
二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるポリオレフィン樹脂組成物の調製に際し、適量の酸化防止剤の存在下にポリオレフィン樹脂組成物の調製を行うのが好ましい。具体的には、特開平1−105245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェノール系の酸化防止剤、特開昭55−142335号公報に記載もしくは例示のリン系酸化防止剤の他、ヒンダードアミン、硫黄系などの各種酸化防止剤などを適量存在せしめるのが好ましいが、特にヒンダードフェノール系の酸化防止剤を適量存在せしめるのが好ましい。これらポリオレフィン樹脂組成物を調製中の酸化防止剤の存在量としては、50〜3000ppmの範囲が好ましいが、50〜200ppmの範囲がさらに好ましい。
二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるポリオレフィン樹脂組成物の調製に際し、適量の適切な滑剤の存在下にポリオレフィン樹脂組成物の調製を行うのが好ましい。具体的には、滑剤として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩を用いるのが好ましく、特にステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの一方、または両方を用いるのが好ましい。またその存在量としては、二酸化チタン顔料に対して、0.1〜20質量%の範囲が有用であり、0.1〜7.5質量%の範囲が好ましい。
ポリオレフィン樹脂中には、二酸化チタン顔料、脂肪酸金属塩、酸化防止剤の他に各種の添加剤を含有せしめることができる。酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルー系の顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガンバイオレットなどのマゼンタ系の顔料や染料、特開平2−254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることができる。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチあるいはコンパウンドとして含有せしめることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂を被覆する方法としては、走行する基紙上に樹脂組成物を溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆するのが好ましい。その際、溶融フィルムの温度は270〜330℃であることが好ましい。
スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィッシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径は0.1〜2mmであることが望ましい。また、樹脂組成物を基紙にコーティングする前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。また、特公昭61−42254号公報に記載の如く、基紙に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する基紙に樹脂層を被覆することもできる。また、表、裏の樹脂層は、二層以上を同時に押し出す、いわゆる共押し出しコーティング方式、そして逐次、または連続的に、押し出しコーティングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング方式で基紙に被覆することにより、横段ムラや梨地を発生することなく、より高速加工を行うことができる。
また、ポリオレフィン樹脂層面には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができる。さらに、活性化処理後、特開平1−102551号公報、特開平1−166035号公報に記載もしくは例示のような下引き層処理を施すことができる。下引き層は、ゼラチンを主成分とするもので、その他に、必要に応じて、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、白色顔料、マット化剤、消泡剤、耐電防止剤、カブリ防止剤などの添加剤を含んでもよい。また、下引き層に、使用可能な白色顔料としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミナ白、酸化亜鉛、シリカ白、三酸化アンチモン、リン酸チタニウムなどがある。
下引層をポリオレフィン樹脂面上に設ける方法としては、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ブレードコーター、スライドホッパーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーターおよびそれらの組み合わせなどが挙げられる。塗工に際しては、塗工に先立ち、樹脂面をコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施しておくことが望ましい。塗工された塗液の乾燥装置としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機など各種乾燥装置を挙げることができる。また、乾燥条件は任意であるが、一般には60〜150℃で数秒〜10分で行われる。
第3の発明における電子写真用転写紙は、基紙上に少なくとも1層以上の塗工層を設けてなる電子写真用転写紙において、該塗工層の最表層における顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合し、かつ塗工層がキャスト処理によって光沢を付与された層であることを特徴とするものである。
すなわち、第3の発明においては、塗工層の最表層に顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合して基紙上に設け、その後キャスト処理することによって、印刷後の画像光沢感に優れ、また白紙光沢と印刷後の画像部の光沢感を印画紙写真に近づけた電子写真用転写紙が得られる。
上記発明においては、塗工層にキャスト処理を行ない、光沢仕上げを行って作製するが、塗工量としては、基紙の性質、製造法などによって異なり、通常2〜50g/m程度を必要とし、片面もしくは両面塗工するものである。
キャスト処理の方法としては、直接法、ゲル化法およびリウエット法がある。このうち、直接法は、支持体上に塗工した塗工層が未だ湿潤状態にあるうちに該塗工層を加熱された鏡面ドラム面に圧着して強光沢仕上げを行なうものである。また、ゲル化法は、支持体上に塗工した塗工層が未だ湿潤状態にあるうちに該塗工層をゲル化剤浴に接触、または加熱により湿潤したゲル状態とし、この塗工層を加熱された鏡面ドラム面に圧着して強光沢仕上げを行なうものである。さらに、リウエット法は、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥してからこの塗工層を再湿潤液に接触させた後、この湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面ドラムに圧着させて強光沢仕上げを行なうものである。
塗工層のキャスト処理の方法は上記のいずれの方法でも良いが、光沢層の白紙光沢が、JIS P−8142に準拠した75度鏡面光沢度で80%以上であると、より本発明の目的を達成することができる。
キャストコートを行なう場合は、助剤として離型剤と耐水化剤が重要である。離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸、オレイン酸カルシウム、オレイン酸アンモニウム、レシチン、ポリエチレン、ワックス、またはこれらの誘導体が好適に使用される。また、親水性の接着剤であるカゼイン、大豆蛋白、でんぷんの耐水化剤として、通常ホルマリン、グリオキザール、酸化亜鉛、エポキシ化合物、炭酸ジルコニウム、アルキルケテンダイマーなどが挙げられる。また、キャストドラムから離型した後、紫外線照射、電子線照射、コロナ放電などにより表面を耐水化させる方法もある。
塗工層を設ける方法は特に限定される物ではなく、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、あるいはメタードフィルムトランスファー方式のサイズプレス、ロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、ビルブレード、ショートドウェルコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キャストコーター、スプレーコーターなどを適宜使用し、断熱層の塗工量は2〜50g/mが好ましい。断熱層を意図した塗工層は最上層が好ましいが、中間層、下塗り層としても適用できる。また、塗工層の表面処理の方法も特に限定される物でなく、スーパーカレンダー、ソフトニップカレンダー、多段ソフトニップカレンダー、マシンカレンダー、リウェットキャストなどを適宜使用する。
本発明における電子写真用転写紙は、コピー、プリンター、オンデマンド印刷機、ファックスなどの出力機用の電子写真用転写紙としての使用に留まらず、湿式電子写真印刷用紙、オフセット印刷用紙、熱転写受像紙として使用することが可能である。また、印刷用途と反対面に、粘着剤層を塗工して、ラベル用途に適用することも可能である。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
[第1および第2の発明について]
<基紙の作製>
LBKP(濾水度440mlcsf) 70部
NBKP(濾水度490mlcsf) 30部
軽質炭酸カルシウム(*原紙中灰分で表示) *9部
市販カチオン化澱粉 0.7部
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.03部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調製し、坪量100g/mの基紙Aと坪量220g/mの基紙Bを抄造した。
<塗工液配合>
顔料(下記表1に記載) 100部
市販ポリアクリル酸系分散剤 0.1部
市販接着剤(SBR系ラテックス) 18部
市販りん酸エステル化澱粉 4部
市販カルボキシメチルセルロース系増粘剤(CMC) 0.1部
市販潤滑剤(ステアリン酸カルシウム) 2部
水酸化ナトリウムにてpH9.6に調整
Figure 2004029725
基紙Aに塗工液配合Aをブレードコータにて片面当り塗工量15g/mになるように両面塗工乾燥した。次いで、スーパーカレンダー処理をして実施例1の電子写真用転写紙とした。
上記実施例1で、塗工液を配合Bとした以外は実施例1と同様にして、実施例2の電子写真用転写紙とした。
上記実施例1で、塗工液を配合Cとした以外は実施例1と同様にして、実施例3の電子写真用転写紙とした。
上記実施例1で、塗工液を配合Dとした以外は実施例1と同様にして、実施例4の電子写真用転写紙とした。
上記実施例1で、塗工液を配合Eとした以外は実施例1と同様にして、実施例5の電子写真用転写紙とした。
上記実施例1で、塗工液を配合Fとした以外は実施例1と同様にして、実施例6の電子写真用転写紙とした。
上記実施例1で、塗工液を配合Gとした以外は実施例1と同様にして、実施例7の電子写真用転写紙とした。
比較例1
上記実施例1で、塗工液を配合Hとした以外は実施例1と同様にして、比較例1の電子写真用転写紙とした。
比較例2
上記実施例1で、塗工液を配合Iとした以外は実施例1と同様にして、比較例2の電子写真用転写紙とした。
比較例3
上記実施例1で、塗工液を配合Jとした以外は実施例1と同様にして、実施例5の電子写真用転写紙とした。
比較例4
上記実施例1で、塗工液を配合Kとした以外は実施例1と同様にして、実施例5の電子写真用転写紙とした。
比較例5
上記実施例1で、塗工液を配合Lとした以外は実施例1と同様にして、比較例5の電子写真用転写紙とした。
比較例6
上記比較例1で、塗工液を配合Mとした以外は実施例1と同様にして、比較例6の電子写真用転写紙とした。
上記実施例2で、基紙を基紙Bとした以外は実施例2と同様にして、実施例8の電子写真用転写紙とした。
比較例7
上記比較例2で、基紙を基紙Bとした以外は比較例2と同様にして、比較例7の電子写真用転写紙とした。
上記実施例2で、仕上げ処理をソフトニップカレンダーとした以外は実施例2と同様にして、実施例9の電子写真用転写紙とした。
基紙Aに対して、次に示す塗工液をキャストコーターにて直接法によって、塗工量15g/mになるように片面塗工して、実施例10の電子写真用転写紙とした。
<塗工液配合>
有機中空顔料(HP91 日本ゼオン社製) 50部
カオリン(DBプライム DRY BRANCH KAOLIN社製) 50部
市販ポリアクリル酸系分散剤 0.1部
接着剤(SBR系ラテックス) 25部
カゼイン 10部
市販離型剤(オレイン酸誘導体系) 8部
広葉樹漂白クラフトパルプ50%、広葉樹漂白サルファイトパルプ35%および針葉樹漂白サルファイトパルプ15%からなる混合パルプをフリーネス(CSF)が350mlになるように叩解後、パルプ100部に対して、カチオン化澱粉3部、アニオン化ポリアクリルアミド0.2部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマー分として)0.4部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0.4部および適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。
その後、紙料スラリーを200m/分で走行している長網抄紙機にのせ適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで15〜100Kg/cmの範囲で線圧が調節された3段のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パートで30〜70Kg/cmの範囲で線圧が調節された2段のマシンカレンダー処理を行った後、乾燥した。
その後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール4部、蛍光増白剤0.05部、青色染料0.002部、塩化ナトリウム4部および水92部からなるサイズプレス液を25g/mサイズプレスし、最終的に得られる基紙水分が絶乾水分で8%になるように乾燥し、線圧50Kg/cmの条件でマシンカレンダー処理し、坪量170g/mの写真用支持体の基紙を製造した。
次に、写真構成層を塗設する側とは反対側の基紙面(裏面)をコロナ放電処理した後、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm、MFR=2g/10分)35部と高密度ポリエチレン樹脂(密度0.96g/cm、MFR=20g/10分)65部からなるコンパウンド樹脂組成物を樹脂温310℃で25μmの厚さで溶融押し出しコーティングした。
引き続き、基紙の表面をコロナ放電処理した後、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm;MFR=8.5g/10分)47.5%、含水酸化アルミニウム(対二酸化チタンに対してAl分として0.75%)で表面処理したアナターゼ型二酸化チタン含量50%とステアリン酸亜鉛2.5%からなる二酸化チタン顔料のマスターバッチ20部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm;MFR=4.5g/10分)65部と高密度ポリエチレン樹脂(密度0.97g/cm;MFR=7.0g/10分)15部からなる樹脂組成物を30μmの厚さになるように、下記記載の方法で作製したクーリングロールを用いて、加工速度250m/分、310℃の条件で溶融押し出して被覆し、最後にゼラチンを主成分とする下引き層を塗工して支持体を得た。
作製した支持体に塗工液配合Bをロッドコータにて片面辺りの塗工量が12g/mになるように片面塗工して乾燥した。次いで、ソフトニップカレンダー処理をして実施例11の電子写真用転写紙とした。
上記により作製した実施例1〜11および比較例1〜7の電子写真用転写紙について、以下の方法で白紙光沢、トナー定着性(こすれ、テープ剥離)、ならびに画像部光沢感を測定し、その結果を下記表2に示す。
1)白紙光沢
測定試料は、20℃、65%RHの環境下に24時間調湿後、JIS P−8142に従って75度鏡面光沢度を白紙光沢として測定した。
2)トナー定着性(テープ剥離)
トナー定着性(テープ剥離)については、EPSON製:LP−8300C機の普通紙モードで印刷学会のTEST CHART TYPE1をA4縦目の白紙試料を横通しすることにより印刷した試料に、幅18mmのニチバン社製セロハン粘着テープ「セロテープ(R) No.405」を各色の画像部に貼りむらが無いように貼りつけ、180度剥離で約5mm/秒の速さでゆっくりとテープを剥がした。剥離後のトナーの紙への定着度合いを目視により判定し、以下の基準で6段階評価を行った。実用上問題ないレベルとしては、「4」以上である。
「6」:各色共にトナーが紙の上に大部分残っている。
「5」:各色共にトナーが残っているが、テープ剥離後の画像部の印刷濃度が下がるのがわかる。
「4」:一部の色でトナーが紙から剥がれ、画像部に白く抜けた部分がある。
「3」:各色共にトナーが紙から剥がれ、画像部に白く抜けた部分がある。
「2」:各色共にトナーが紙から剥がれ、わずかながらトナーが紙に残る。
「1」:各色共にトナーが紙から剥がれ、画像部が残らない。
3)トナー定着性(こすれ)
こすれ評価は、JIS P8147「紙および板紙の摩擦係数試験方法」の水平法を応用した。各実施例および比較例について、水平板には、白紙の電子写真用転写紙を取り付け、おもりには、上記の印刷機で印刷された印刷部がある該電子写真用転写紙を取り付けた。そして、印刷部がある電子写真用転写紙をおもりに貼りつける場合、印刷部の印刷された面が、水平板に取り付けられた白紙の該転写紙と擦りあうようにした。以上のように、試験片を水平板、おもりに貼りつけた後は、JIS P8147に記載されている条件でおもりを水平板の上で滑らせる。「摩擦試験」においては、一つの試験片の組み合わせで一度だけ、水平板上でおもりを滑らせるが、本評価においては、一つの試験片の組み合わせで50回、おもりを水平板の上で滑らせた。その後、おもりに取り付けられた印刷部を観察し、紙同士の擦れによるトナーの脱落度合いを観察した。印刷部のトナーの残り具合いを目視により判定し、以下の基準で4段階評価を行った。「○」以上を発明の対称とした。
「◎」:各色共に印刷部の濃度低下がほとんど認められない。
「○」:各色共にわずかながら印刷濃度が下がるのがわかる。
「△」:各色共に印刷濃度が下がるのがわかる。
「×」:各色共に印刷濃度が下がるのがわかり、部分的に白く抜けた部分がある。
4)画像部光沢
画像部光沢感については、EPSON製:LP−8300C機の普通紙モードで印刷学会のTEST CHART TYPE1をA4縦目の白紙試料を横通しすることにより印刷した試料に斜光を当て、目視で光沢感を印画紙写真に近いかどうかで4段階(◎:全く問題なし、○:実用上使用可能、△:実用上問題がある、×:使用不可)で評価した。
Figure 2004029725
上記表2に示したごとく、塗工層に規定の中空率と粒子径の有機中空顔料が含有されている実施例1〜7においては、有機中空顔料の中空率と粒子径が適切でない比較例1、有機中空顔料を含有しない比較例2〜4、含有量が少ない比較例5と6に比べて、トナー定着性と画像部光沢が優れていることがわかる。実施例8と比較例7はより条件の厳しい厚紙の設計での比較であるが、実施例8は断熱層の効果によりトナー定着性と画像部光沢が損なわれていない。また、ソフトニップカレンダーおよびキャスト塗工より作製した実施例9と10は、仕上げ方法による白紙光沢の違いはあるものの、各比較例と比べてトナー定着性と画像部光沢の優位性は明らかである。また、RC紙に断熱層を設けた実施例11においても良好なトナー定着性と、特に優れた画像部光沢が得られている。
[第3の発明について]
<基紙の作製>
LBKP(濾水度440mlcsf) 70部
NBKP(濾水度490mlcsf) 30部
軽質炭酸カルシウム(*原紙中灰分で表示) *8部
市販カチオン化澱粉 0.8部
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.03部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調製し、坪量190g/mの基紙を抄造した。
<塗工液配合>
顔料(下記表3参照) 100部
市販ポリアクリル酸系分散剤 0.1部
接着剤(SBR系ラテックス) 25部
燐酸エステル化澱粉 10部
離型剤(ステアリン酸カルシウム) 2部
顔料の配合について、下記表3に示す。なお、使用した各顔料については、次のとおりである。
・有機中空顔料;HP91 日本ゼオン社製
・カオリン ;DBプライム DRY BRANCH KAOLIN社製
・重質炭酸カルシウム;カービタル90 ECCインターナショナル社製
・軽質炭酸カルシウム;ブリリアント15 白石カルシウム社製
Figure 2004029725
基紙に塗工液配合Nをロールアプリケーターにて塗工した後、キャストドラムに圧着して乾燥して(直接キャスト法)、片面の塗工量が15g/mである実施例12の電子写真用転写紙とした。
上記実施例12で、塗工液を配合Oとした以外は実施例12と同様にして、実施例13の電子写真用転写紙とした。
上記実施例12で、塗工液を配合Pとした以外は実施例12と同様にして、実施例14の電子写真用転写紙とした。
比較例8
上記実施例12で、塗工液を配合Qとした以外は実施例12と同様にして、比較例8の電子写真用転写紙とした。
比較例9
上記実施例12で、塗工液を配合Rとした以外は実施例12と同様にして、比較例9の電子写真用転写紙とした。
比較例10
上記実施例12で、塗工液を配合Sとした以外は実施例12と同様にして、比較例10の電子写真用転写紙とした。
比較例11
上記実施例12で、塗工液を配合Tとした以外は実施例12と同様にして、比較例11の電子写真用転写紙とした。
上記実施例12で、塗工液を配合Uとした以外は実施例12と同様にして、実施例15の電子写真用転写紙とした。
上記実施例12で、塗工液を配合Vとした以外は実施例12と同様にして、実施例16の電子写真用転写紙とした。
基紙に塗工液配合Oの燐酸エステル化澱粉をカゼイン(+ジシアンジアミド1.2部、硝酸アンモニウム1.2部、苛性ソーダ0.1部)10部に変更した塗工液配合Vをロールコーターにて固形分の塗工量が15g/mになるように塗工し、塩化カルシウム凝固液を通して塩ゲル化法により凝固し、キャストドラムに圧着乾燥して、塩凝固法キャスト処理をして実施例17の電子写真用転写紙とした。
基紙に塗工液配合Vに塩化カルシウムを顔料100質量部に対して0.007質量部加えた液を固形分の塗工量が15g/mになるようにロールコーターにて塗工し、赤外線乾燥機により凝固し、キャストドラムに圧着乾燥して、熱凝固法キャスト処理をして実施例18の電子写真用転写紙とした。
上記により作製した実施例12〜18および比較例8〜11の電子写真用転写紙について、上述した方法により、白紙光沢、トナー定着性(テープ剥離、こすれ)、ならびに画像部光沢を測定し、その結果を表4に示す。
Figure 2004029725
上記表4に示したごとく、塗工層に有機中空顔料が含有されている実施例12〜14においては、有機中空顔料を含有しない比較例9〜11、含有量が少ない比較例8に比べて、トナー定着性と光沢(白紙光沢、画像部光沢)が優れていることが分かる。実施例15、16においても比較例9〜11に比べて同様の優位性があることが分かる。また、キャスト処理方法による違いは実施例13と実施例17、18を比較して大差ない。また、実施例12、13、14との比較から、白紙光沢が80%以上である実施例13、14が画像部光沢に特に優れていることが分かる。
発明の効果
以上より、本発明の電子写真用転写紙は、電子写真方式のプリンター、ファックス、複写機、オンデマンド印刷機により印刷することができ、優れたトナー定着性を有するとともに、印刷後の画像光沢感に優れ、また白紙光沢と印刷後の画像部の光沢感を印画紙写真に近づけた電子写真用転写紙を得ることができる。
本発明は、電子写真方式のプリンター、ファックス、複写機、オンデマンド印刷機により印刷することができ、優れたトナー定着性を有するとともに、印刷後の画像光沢感に優れ、また白紙光沢と印刷後の画像部の光沢感を印画紙写真に近づけた電子写真用転写紙を提供するものであるから、大きな産業上の利用可能性を有する。

Claims (6)

  1. 基紙上に少なくとも1層以上の塗工層を設けた電子写真用転写紙において、該塗工層の最表層における顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合することを特徴とする電子写真用転写紙。
  2. 基紙の両方の面にフィルム形成能ある樹脂で被覆された支持体の印刷面に相当する側に少なくとも1層以上の塗工層を設け、該塗工層の最表層における顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合することを特徴とする電子写真用転写紙。
  3. 基紙上に少なくとも1層以上の塗工層を設けてなる電子写真用転写紙において、該塗工層の最表層における顔料100質量部中に有機中空顔料を5質量部以上配合し、かつ塗工層がキャスト処理によって光沢を付与された層であることを特徴とする電子写真用転写紙。
  4. 白紙光沢が、JIS P−8142に準拠した75度鏡面光沢度で80%以上であることを特徴とする請求項3記載の電子写真用転写紙。
  5. 有機中空顔料が、中空率30%以上、粒子径300nm以上の有機中空顔料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電子写真用転写紙。
  6. 坪量が、140g/m以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の電子写真用転写紙。
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