JP2006159812A - 熱転写受容シート - Google Patents

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Abstract

【課題】染料熱転写プリンターに適し、特に耐熱性に優れ、高い印画濃度と良好な画像均一性を有する画像が得られる、低コストの熱転写受容シートを提供する。
【解決手段】シート状支持体の少なくとも一面に、中間層、画像受容層を順次形成した熱転写受容シートにおいて、前記中間層が、無機中空粒子及び接着剤樹脂を含有する熱転写受容シート。さらに前記記無機中空粒子の平均粒子径が1〜50μmであり、かつ体積中空率が45〜97%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱転写シートと重ね合わせ、サーマルヘッドをデバイスとして、熱転写シートの色剤を熱転写することにより画像を形成するプリンターに使用する熱転写受容シート(以下、単に受容シートと称する)に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、サーマルプリンター、特に染料熱転写プリンターに適し、銀塩写真類似の高濃度で、均一性の優れた画像が得られる低コストの受容シートに関するものである。
近年サーマルプリンターの中でも特に、鮮明なフルカラー画像のプリントが可能な染料熱転写プリンターが注目されている。染料熱転写プリンターは、熱転写染料シート(以下、単にインクリボンと称する。)の染料を含む染料層と、受容シートの染料染着性樹脂を含む画像受容層(以下、単に受容層と称する。)とを重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ、受容層上に転写して画像を形成するものである。インクリボンは、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、あるいはこれにブラックを加えた4色の染料層を有する。フルカラー画像は、インクリボンの各色の染料を受容シートに順に繰り返し転写することによって得られる。
コンピューターによるデジタル画像処理技術の発達により、記録画像の画質等は格段に向上し、熱転写方式はその市場を拡大している。またサーマルヘッドの温度制御技術の向上にともない、プリントシステムの高速、高感度化への要求が高まっている。そのためサーマルヘッド等の加熱デバイスの発熱量を、如何に効率よく画像形成に利用するかが重要な技術課題となっている。
また印画の高速化に伴う精彩な画質、色ずれ防止の改善が新たな技術課題となってきた。プリンターは色ずれを防止するために、スパイクを装着した金属ロールとゴムロールの間に受容シートを挟んで搬送しているが、印画高速化に伴い、ロール間ニップ圧を上げたり、スパイクを大きくすることが必要になってきている。しかし、ニップ圧を上げたり、スパイクを大きくすると、受容シートの印画面に凹みを生じ、商品価値が低下する。このため、搬送ロールによる圧縮力を受けても、受容シートに凹みが生じないことが求められる。
一般に受容シートは、支持体とその表面に形成された受容層とから構成されている。支持体として通常のフィルムを使用すると、平滑性は優れるが、サーマルヘッドからの熱が支持体に逃げて記録感度の不足を生じたり、またフィルムでは十分なクッション性がないことから、インクリボンと受容シートとの密着性が不足して、濃度ムラ等が発生する。
この様な問題を解決するために支持体として、発泡フィルムを紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体(例えば、特許文献1参照。)、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とし、ボイド(空隙)構造を含む2軸延伸フィルム(合成紙)を紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体等が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。これらの支持体を使用した受容シートは断熱性、平滑性に優れるが、紙の質感が無いことやコスト高になる等の欠点がある。
また受容シートの支持体として紙類を使用すると、フィルム同様に記録感度が不足し、フィルムよりクッション性は若干よいものの、紙の繊維の疎密ムラに起因するインクリボンと受容層の密着ムラによって印画の濃淡ムラが発生する傾向がある。そこで、記録感度の改善のために、紙支持体と受容層の間に有機系中空粒子を含有する中間層を設けた受容シートが開示されている(例えば、特許文献3、4、5参照。)。この受容シートは有機系中空粒子を含有した中間層を有するため、中間層の断熱性、クッション性効果により、感度は改善される。
しかし、上記で用いられている有機系中空粒子隔壁の重合体樹脂はガラス転移温度が低いため、中空粒子は耐熱性が乏しく、受容シート製造時の熱及び印画時のサーマルヘッドからの熱により、中空粒子が熱変形して潰れるため、印画の濃度制御が難しく、また印画部が熱により凹み、印画物の外観を損なう問題があった。そのため現在の高速プリンターによる印画では、十分な画像品質が得られ難い。また、有機系中空粒子として、一般に塩素を含むモノマーを重合成分とする隔壁を有するものが使用され、受容シートの焼却処分等を行う際には、塩素を含有する有害ガスが発生し、環境に対する悪影響もあった。
この問題を解決するために、無機質中空粒子を含有する気泡シート構造体を押出しラミネート方式で形成し、受容シートの支持体とすることも提案されている(例えば、特許文献6参照。)。しかし、この方法では断熱性を向上させるために粒子径を大きくすると、シート表面が不均一となり、この表面に受容層を設けても画像の均一性が不十分となる傾向があった。
特開昭61−197282号公報(第1頁) 特開昭62−198497号公報(第1頁) 特開昭63−87286号公報(第1−2頁) 特開平1−27996号公報(第1−3頁) 特開2002−200851号公報(第2−5頁) 特開2003−253036号公報(第2−4頁)
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、従来の受容シートが有する前述の問題点を解消するために、特に染料熱転写プリンターに適しており、十分な耐熱性を有し、高い印画濃度と良好な画像均一性を具備する画像が得られる、低コストの受容シートを提供しようとするものである。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)シート状支持体の少なくとも一面に、中間層、画像受容層を順次形成した熱転写受容シートにおいて、前記中間層が、無機中空粒子及び接着剤樹脂を含有することを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記無機中空粒子の平均粒子径が1〜50μmであり、かつ体積中空率が45〜97%である(1)項に記載の熱転写受容シート。
(3)前記無機中空粒子を形成する壁材が、二酸化珪素及び/又は酸化アルミニウムを主成分とする(1)項または(2)項に記載の熱転写受容シート。
(4)前記中間層の厚さが、10〜90μmであり、かつ無機中空粒子の平均粒子径の2倍以上である(1)項に記載の熱転写受容シート。
(5)前記中間層の全固形分質量に対する、前記無機中空粒子の質量比率が10〜85質量%である(1)項または(4)項に記載の熱転写受容シート。
(6)前記接着剤樹脂が、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂である(1)項に記載の熱転写受容シート。
本発明の受容シートは、特に染料熱転写プリンターに適し、十分な耐熱性を有し、高い印画濃度と良好な画像均一性を備えた画像が得られる受容シートである。
本発明の受容シートは、シート状支持体上に、無機中空粒子と接着剤樹脂とを主成分とする中間層、及び受容層が順次に積層された構成を有する。さらに、この受容シートに他の層を適宜設けて、受容シートの性能を向上させることも勿論可能である。例えば、中間層と受容層の間にバリア層を設けてもよい。以下これらの層について詳細に説明する。
(シート状支持体)
本発明の受容シートに使用するシート状支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙や合成樹脂フィルム等が使用される。例えば、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等の紙類、または、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどを主成分とした延伸フィルムや、ポリオレフィンやポリエステル樹脂を主成分とし、更にこれらの樹脂に非相溶性の樹脂や無機顔料を配合した溶融混合物を押出し機から押出し、更に延伸して空隙を発生させた単層構造または多層構造を有する多孔質延伸フィルム(例えば合成紙、多孔質ポリエステルフィルム)等の各種の合成樹脂フィルム、または前記合成樹脂フィルムと紙類等とを積層貼着させた複合シート等が適宜用いられる。
これらの支持体のうちで、セルロースパルプを主成分とする紙類は熱収縮性が低く、断熱性が良好であり、受容紙としての風合いが良好であり、更に価格も安価であることから好ましく使用される。例えば広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹針葉樹混合パルプ等の木材パルプ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプ等通常使用されているパルプを抄造した紙、あるいは抄造後にカレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどして表面平滑性を改善した紙が好ましい。また必要に応じて顔料類を塗工した塗工層を有してもよい。
具体的な紙類の例としては、上質紙、中質紙等の非塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙等の塗工紙、原紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙、合成樹脂含浸紙、および板紙等が挙げられる。また高平滑化のためこれらの紙類にカレンダー処理を施してもよい。
本発明のシート状支持体としては、受容層が形成される第1の基材層、粘着剤層、離型剤層、第2の基材層を順次積層した複合積層体の構成でもよく、いわゆるシールタイプ(ステッカー、ラベルタイプとも称される)の構造を有する支持体も勿論使用可能である。
本発明で使用されるシート状支持体は50〜250μmの厚さを有することが好ましい。因みに、厚さが50μm未満であると、その機械的強度が不十分となり、且つそれから得られる受容シートの剛度が小さく、変形に対する反発力が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できない場合がある。また厚さが250μmを超えると、得られる受容シートの厚さが過大となるため、プリンターにおける受容シートの収容枚数の低下を招いたり、或いは所定の収容枚数を収容しようとするとプリンターの容積増大を招きプリンターのコンパクト化を困難にする等の問題を生ずることがある。
(中間層)
本発明においては、シート状支持体の少なくとも片面上に、直接あるいは下塗層を介して、無機中空粒子と接着剤樹脂とを主成分として含有する中間層を形成する。この中間層は無機中空粒子の中空部分、及び無機中空粒子の積層による隙間形成等により、多孔質構造となるため、受容シートの断熱性が向上するので、印画濃度が上昇し、画質も改善される。中間層の形成により、受容シートに適度の変形自由度を与え、プリンターヘッドやインクリボンの形状に対する受容シートの形状追従性及び密着性が向上するので、低エネルギー状態でも受容層に対するプリンターヘッドの熱効率が向上し、かつ印画画像の印画濃度を高め、画質を改善することができる。また高速プリンターの高エネルギー印加操作において、インクリボンに発生するリボンしわに起因する印画不良も同時に防止することができる。
本発明で使用される無機中空粒子は、通気性あるいは非通気性の無機化合物を主成分とする壁材と、内部に空気が満たされている中空部分から構成される。無機中空粒子の壁材に使用される無機化合物としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属塩、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム等のアルカリ土類金属珪酸塩、酸化鉄、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物、炭酸コバルト、炭酸ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが適宜使用される。
一般に使用されている有機系中空粒子は、塩素を含むモノマーの重合成分を壁材として使用しているため、受容シートの焼却処分等を行う際に、塩素を含有する有害ガスが発生する可能性があるが、当然のことながら、本願の無機中空粒子を使用した場合には、有毒ガス発生のおそれはない。
これらの無機化合物のうちで、安価な材料であり、耐熱性も優れた、二酸化珪素、酸化アルミニウムが好ましく使用され、これらの無機化合物の1種及び/又は2種以上を壁材の主成分とする無機中空粒子が好ましく使用される。これらの無機中空粒子は一般的に、シリカバルーン、アルミナバルーン、ガラスバルーン、シラスバルーンと称されている。なおシリカバルーンは二酸化珪素を壁材の主成分とする無機中空粒子、アルミナバルーンは酸化アルミニウムを壁材の主成分とする無機中空粒子、ガラスバルーン、シラスバルーンは二酸化珪素及び酸化アルミニウムを壁材の主成分とする無機中空粒子である。
無機中空粒子は、その原料となる無機化合物を所定の粒度まで粉砕・分級し、これを高温気流中に分散投入して高温で熱処理して発泡させ、中空粒子としたものである。これらの無機中空粒子は市販されており、例えば、鈴木油脂工業株式会社製の商品名「ゴッドボール」、太平洋セメント株式会社製の商品名「イースフィアーズ」、株式会社シラックスウ製の商品名「シラスバルーン」等が例示される。
本発明に使用される無機中空粒子の平均粒子径は1〜50μmであり、より好ましくは2〜40μmであり、最も好ましくは2〜30μmである。無機中空粒子の平均粒子径が1μm未満の場合には平均粒子径が小さいため、中空粒子の中空部分の体積が小さく、断熱性が概して乏しく、十分な感度及び画質向上効果が得られないことがあり、またコストも高くなり、経済的にも不利である。また平均粒子径が50μmを超えると、得られる中間層面の凹凸が過大となり、印画画像の均一性が不十分で、画質が劣ることがある。
なお無機中空粒子の平均粒子径は、一般的な粒径測定装置を使用して測定可能であり、例えばレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:SALD2000、島津製作所製)等を用いて測定することができる。
無機中空粒子の体積中空率は45〜97%が好ましく、さらに好ましくは50〜93%である。体積中空率が45%未満では、得られる受容シートの感度および画質が劣ることがある。また体積中空率が97%を超えると壁材の強度が不足し、無機中空粒子の中空構造が破壊されるおそれがあり、得られる中間層の塗膜強度が劣ることがある。
なお中空粒子の体積中空率とは粒子体積に対する中空部分の体積の割合を示したものであり、具体的には中空粒子と貧溶媒からなる中空粒子分散液の比重、前記分散液における中空粒子の質量分率及び中空粒子の壁材を形成する無機化合物の真比重、及び貧溶媒の比重から求めることができる。なお貧溶媒とは中空粒子の壁材を形成する無機化合物を溶解及び/又は膨潤させない溶媒であり、例えば水、イソプロピルアルコール等が挙げられる。また中空粒子の体積中空率については、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて、中間層の断面写真から求めることも可能である。
中間層における無機中空粒子の配合量は、中間層全固形分質量に対する中空粒子の質量比率で10〜85質量%の範囲であることが好ましく、20〜75質量%の範囲内であることがより好ましい。中間層全固形分質量に対する無機中空粒子の質量比率が10質量%未満では、中間層の断熱性、クッション性が不十分で、感度及び画質向上効果が十分に得られないことがある。また中空粒子全体の質量比率が85質量%を超えると、得られる中間層の表面強度や層間強度が悪化することがある。
中間層においては、無機中空粒子は1種を単独で用いても、また無機中空粒子の壁材の材質や、平均粒子径、体積中空率等の物性の異なる2種以上の無機中空粒子を併用して使用することも可能である。例えば平均粒子径の異なる2種の無機中空粒子を併用することにより、平均粒子径の大きい方の中空粒子の隙間に平均粒子径の小さい方の中空粒子が入るような構成とすると、圧力に対する中間層の耐潰れ性が向上する。
中間層が断熱性、クッション性、耐熱性向上等の所望の性能を発揮するための厚さは10〜90μmが好ましく、更に好ましくは20〜85μmである。中間層の厚さが10μm未満では断熱性、クッション性が不足し、感度及び画質向上効果が十分に得られないことがある。また厚さが90μmを超えると、断熱性やクッション性の効果が飽和して、それ以上の性能が得られず、経済的にも不利になることがあり、好ましくない。
また、中間層の厚さが無機中空粒子の平均粒子径の2倍以上であることが好ましく、より好ましくは3倍以上である。中間層の厚さが無機中空粒子の平均粒子径の2倍未満では、無機中空粒子が中間層の表面から突出して、中間層の表面性が劣ることがある。
本発明において無機中空粒子を含有する中間層は単層でもよいし、2層以上を積層してもよい。2層以上を積層する場合には、受容層に近い中間層に含有される中空粒子の平均粒子径が、支持体に近い中間層に含有される中空粒子の平均粒子径よりも小さい方が中間層表面の平滑性を得易く、好ましい形態である。
本発明の中間層は、無機中空粒子と接着剤樹脂とを主成分として含有する。中間層用塗工液には、一般に使用されている水及び/又は有機溶剤を溶媒として用いることができ、塗工の安全性や経済性の面から、水を溶媒とすることが好ましい。
使用される接着剤樹脂としては、特に限定されず、各種の水溶性樹脂、水分散性樹脂、有機溶剤可溶性樹脂、あるいは水及び有機溶剤等の混合溶剤可溶性樹脂が使用可能である。これらの各種樹脂の中でも、例えばポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂及びその誘導体、カゼイン、およびデンプン誘導体等の水溶性樹脂が好ましく使用され、これらの樹脂は成膜性、耐熱性、可撓性等が優れる。
また水分散性樹脂として、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の各種樹脂のエマルジョンが好ましく使用され、低粘度でかつ高固形分の塗工液が得られる。さらに塗膜強度、接着性、塗工性等の点から、上記の水溶性樹脂と水分散性樹脂を併用することも勿論可能である。
中間層は必要に応じて、各種の添加剤、例えば帯電防止剤、無機顔料、有機顔料、樹脂の架橋剤、消泡剤、分散剤、有色染料、離型剤、滑剤等の1種或いは2種以上を適宜選択して使用してもよい。
本発明の中間層は、少なくとも中空粒子及び接着剤樹脂の所要成分を含む中間層用塗工液を、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リップコーター及びスライドビードコーターなど公知のコーターを使用して、常法に従ってシート状支持体上に塗工し、乾燥して形成することができる。
(バリア層)
本発明において、中間層と受容層の間に、バリア層が設けられることが好ましい。一般に、受容層用塗工液の溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が使用されるため、バリア層は、受容層を所定の厚さで形成するための障壁、また画像のニジミ防止の障壁として有効である。
バリア層に使用される樹脂としては、フィルム形成能に優れ、有機溶剤の浸透を防止し、弾力性、柔軟性のある樹脂が使用される。具体的には、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等の水溶性高分子樹脂が水溶液として使用される。
またスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル樹脂系ラテックス、メタアクリル酸エステル系共重合樹脂ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、ポリエステルポリウレタンアイオノマー、ポリエーテルポリウレタンアイオノマーなどの水分散性樹脂も使用することができる。上記の樹脂の中でも、水溶性高分子樹脂が好ましく使用される。また上記の樹脂は単独で使用しても、あるいは2種以上を併用して使用してもよい。
さらに、バリア層には各種の顔料が含有されてもよく、好ましくは膨潤性無機層状化合物が使用され、塗工用溶剤の浸透防止ばかりでなく、熱転写染着画像のニジミ防止等においても優れた効果が得られる。膨潤性無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物、粘土系鉱物(例えば合成マイカ、合成スメクタイト、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等)等を挙げることができる。
これら膨潤性無機層状化合物は天然品(粘土系鉱物)以外にも、合成品、加工処理品(例えばシランカップリング剤の表面処理品)のいずれであってもよく、合成膨潤性無機層状化合物として、例えば、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどの合成マイカ、或はナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイトなどの合成スメクタイトがより好ましく使用される。これらの中でもナトリウム四珪素雲母が特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものが得られる。
膨潤性無機層状化合物としては、そのアスペクト比が5〜5,000のものが好ましく用いられ、より好ましくは、アスペクト比が100〜5,000の範囲である。アスペクト比が5未満では、画像のニジミが生じることがあり、一方アスペクト比が5,000を超えると、画像の均一性が劣ることがある。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは膨潤性無機層状化合物の水中での粒子平均長径(例えばレーザー回折式粒度分布測定機、商品名:SALD2000、島津製作所製で測定。体積分布50%のメジアン径)であり、aは膨潤性無機層状化合物の厚みである。
膨潤性無機層状化合物の厚みaは、バリア層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めた値である。膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径は0.1〜100μmが好ましく、更に好ましくは0.3〜50μmの範囲である。粒子平均長径が0.1μm未満になると、アスペクト比が小さくなると共に、中間層上に平行に敷き詰めることが困難になり、画像のニジミを完全には防止できないことがある。粒子平均長径が100μmを超えて大きくなると、バリア層から膨潤性無機層状化合物が突出てしまい、バリア層の表面に凹凸が発生し、受容層表面の平滑度が低下して画質が悪化することがある。
また前記の中間層、バリア層中には隠蔽性や白色性の付与、受容シートの質感を改良するために、無機顔料として、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、珪藻土、サチンホワイト等の白色無機顔料や蛍光染料等を含有させてもよい。
バリア層の固形分塗工量は0.5〜8g/mの範囲が好ましく、より好ましくは1〜7g/mである。因みにバリア層固形分塗工量が0.5g/m未満では、バリア層が中間層表面を完全に覆えないことがあり、受容層用塗工液の媒体である有機溶剤の浸透防止効果が不十分となることがある。一方バリア層固形分塗工量が8g/mを超えると、バリア層の厚さが過大となることによって、中間層の断熱効果やクッション性が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがあり、また塗工効果が飽和して不経済である。
(受容層)
本発明の受容シートにおいて、前記中間層上に直接にあるいはバリア層を介して受容層が設けられる。受容層それ自体は既知の染料熱転写受容層であってもよい。受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料に対する親和性が高く、従って染料染着性の良好な樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
またプリントの際にサーマルヘッドでの加熱によって、受容層とインクリボンとが融着することを防止するために、受容層中に、架橋剤、離型剤、滑り剤等の1種以上が添加剤として配合されていることが好ましい。さらに必要に応じて、上記の受容層中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等の1種以上を添加してもよい。これらの添加剤は塗工前に受容層の形成成分と混合されてもよいし、また受容層とは別の塗被層として受容層の上及び/又は下に塗工されていてもよい。
受容層の形成は、染料染着性樹脂及び架橋剤、離型剤等の必要な添加剤等を、適宜、有機溶剤に溶解あるいは分散して受容層用塗工液を調製し、公知のコーターを使用して、バリア層上に、塗工、乾燥し更に必要に応じて加熱キュアーして形成することができる。
受容層の固形分塗工量は1〜12g/m、より好ましくは3〜10g/mの範囲である。因みに受容層の固形分塗工量が1g/m未満では、受容層が被塗工層表面を完全に覆うことができないことがあり、画質の低下を招いたり、サーマルヘッドでの加熱により、受容層とインクリボンとが接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方、固形分塗工量が12g/mを超えると、受容層の塗膜強度が不足したり、塗膜厚さが過大になることにより中間層の断熱効果が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがあり、また塗工効果が飽和して不経済である。
(裏面層)
本発明の受容シートはシート状支持体の裏面(受容層が設けられる側とは反対側の面)に高分子樹脂と有機及び/又は無機フィラーとを主成分とする裏面層が設けられていてもよい。使用される高分子樹脂は裏面層とシート状支持体との接着強度向上、受容シートのプリント搬送性、受容層面への傷付き防止、受容層面と接触する裏面層への染料の移行防止に有効なものである。このような樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等、及びこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。また裏面層には、シート状支持体と裏面層との接着性を向上させるため、適宜ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤を含有してもよい。
裏面層は、有機または無機フィラーを摩擦係数調整剤として配合することが好ましい。有機フィラーとしては、ナイロンフィラー、セルロースフィラー、尿素樹脂フィラー、スチレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラー等を使用することができる。無機フィラーとしては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を用いることができる。
裏面層には、プリント搬送性の向上、静電気防止のために導電性高分子や導電性無機顔料等の導電剤が添加されていてもよい。導電性高分子として、カチオン型導電性高分子化合物(例えばポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等)が好ましく用いられる。
裏面層には必要に応じて離型剤、滑剤等の融着防止剤を含有してもよい。例えば、離型剤としては、非変性及び変性シリコーンオイル、シリコーンブロック共重合体及びシリコーンゴム等のシリコーン系化合物、滑剤としてはリン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、フッ素化合物等が挙げられる。また従来公知の消泡剤、分散剤、有色顔料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等を適宜選択して使用してもよい。
裏面層の固形分塗工量は、0.3〜10g/mの範囲内にあることが好ましく、更に好ましくは1〜8g/mである。裏面層固形分塗工量が0.3g/m未満では、受容シートが擦れた時の傷付き防止性が十分に発揮されず、また受容シートの走行性不良が発生するおそれがある。一方固形分塗工量が10g/mを超えると、効果が飽和して不経済である。
(下塗層)
本発明の受容シートにおいては、シート状支持体と中間層との間に、高分子樹脂を主成分とする下塗層を設けてもよい。この下塗層により、中間層用塗工液を支持体上に塗工しても、中間層用塗工液が支持体中に浸透することがなく、中間層を所望の厚さに形成することができる。この下塗層に使用される高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びその変性樹脂等が挙げられる。
本発明でシート状支持体として、例えば紙基材を使用した場合には、水系の塗工液からなる下塗層を塗工すると、紙基材表面の吸水性のムラにより、紙基材にしわやうねりが発生して、質感や印画適性に悪影響が出る事がある。従って下塗層用塗工液は水系でなく、有機溶剤に高分子樹脂を溶解或いは分散させた塗工液を使用するのが好ましい。使用可能な有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、酢酸エチル等の一般的な有機溶剤を挙げることができる。また下塗層には下塗層用塗工液自体の塗工性改善、支持体と中間層との密着性向上、受容シートの白色度向上のため、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料を添加してもよい。
下塗層の固形分塗工量は1〜20g/mの範囲が好ましい。固形分塗工量が1g/m未満では、下塗層の効果が得られないことがあり、一方固形分塗工量が20g/mを超えると、効果が飽和して不経済となり、また受容シートの紙としての質感が失われることがあり、好ましくない。
本発明において、受容層及びその他の塗工層は、常法に従って形成され、各々、所要成分を含む塗工液を調製し、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リップコータ−、及びスライドビードコーターなど公知のコーターを使用して、シート状支持体上、あるいは所定の塗工層上に塗工し、乾燥して形成することができる。
本発明において、必要により中間層や受容層の他に、下塗層、バリア層、裏面層等、各層の塗工後にカレンダー処理を施してもよく、受容シート表面の凹凸を更に減少させ、平滑化する事が可能である。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置やニップ圧、ニップ数、金属ロールの表面温度等については特に限定されるものではないが、カレンダー処理を施す際の圧力条件は、0.5〜150MPaであることが好ましく、更に好ましくは1〜100MPaである。温度条件としては、20〜150℃が好ましく、更に好ましくは30〜120℃である。カレンダー装置としては、例えばスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等の一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り「%」及び「部」は、溶剤に関するものを除き、固形分の「質量%」及び「質量部」を示す。
実施例1
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中間層用塗工液−1を乾燥後の膜厚が53μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した。
中間層用塗工液−1
無機中空粒子(商品名:ゴッドボールB−6C、壁材主成分:二酸化珪素、
平均粒子径2.3μm、体積中空率91%、鈴木油脂工業製) 50部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 40部
水 250部
「受容シートの形成」
次に上記中間層上に下記組成のバリア層用塗工液−1を固形分塗工量が2g/mになるように塗工、乾燥してバリア層を形成し、更に上記バリア層上に下記組成の受容層用塗工液−1を固形分塗工量が5g/mになるように塗工、乾燥し、その後50℃で48時間キュアーして受容層を形成した。
更に上記シート状支持体の受容層塗工面の反対側に下記組成の裏面層用塗工液−1を固形分塗工量が3g/mになるように塗工、乾燥して裏面層を形成して、受容シートを得た。
バリア層用塗工液−1
膨潤性無機層状化合物(ナトリウム4珪素雲母、粒子平均長径6.3μm、アスペクト比2700) 30部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA105、クラレ製) 50部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:L−1537、旭化成製) 20部
水 1100部
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393,信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商品名:タケネートD−140N、武田薬品工業製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製) 40部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製) 20部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、シントーファイン製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 20部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
実施例2
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用塗工液−2を乾燥後の膜厚が30μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−2
無機中空粒子(商品名:シラスバルーンSFB−101、壁材主成分:二酸化珪素及び酸化アルミニウム、平均粒子径10μm、体積中空率70%、シラックスウ製) 60部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 30部
水 250部
実施例3
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用塗工液−3を乾燥後の膜厚が50μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−3
無機中空粒子(商品名:ゴッドボールB−25C、壁材主成分:二酸化珪素、平均粒子径13μm、体積中空率85%、鈴木油脂工業製) 60部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 30部
水 250部
実施例4
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用塗工液−4を乾燥後の膜厚が77μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−4
無機中空粒子(商品名:シラスバルーンSFB−302、壁材主成分:二酸化珪素及び酸化アルミニウム、平均粒子径37μm、体積中空率70%、シラックスウ製) 80部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 5部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 15部
水 200部
実施例5
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用塗工液−5を乾燥後の膜厚が33μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−5
無機中空粒子(商品名:HSC110、壁材主成分:二酸化珪素及び酸化アルミニウム、平均粒子径10μm、体積中空率55%、東芝バロティーニ製) 70部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 20部
水 250部
実施例6
実施例1の「中間層の形成」において、前記の中間層用塗工液−1を乾燥後の膜厚が79μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
実施例7
実施例1の「中間層の形成」において、前記の中間層用塗工液−1を乾燥後の膜厚が26μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
実施例8
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用塗工液−6を乾燥後の膜厚が26μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−6
無機中空粒子(商品名:ゴッドボールB−6C、壁材主成分:二酸化珪素、平均粒子径2.3μm、体積中空率91%、鈴木油脂工業製) 25部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 65部
水 250部
実施例9
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用塗工液−7を乾燥後の膜厚が79μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−7
無機中空粒子(商品名:ゴッドボールB−6C、壁材主成分:二酸化珪素、平均粒子径2.3μm、体積中空率91%、鈴木油脂工業製) 75部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 5部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 20部
水 200部
参考例1
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用塗工液−8を乾燥後の膜厚が69μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−8
塩化ビニリデン及びアクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる有機系発泡済み中空粒子(商品名:エクスパンセル551DE20、平均粒子径20μm、体積中空率94%、日本フィライト社製) 40部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 50部
水 250部
比較例1
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用塗工液−9を乾燥後の膜厚が12μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−9
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 85部
水 250部
評価
上記の各実施例及び比較例で得られた受容シートについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、得られた結果を表1に示す。
「印画品質」(印画濃度、画像均一性、耐熱性)
市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクシートを用いて、各色のインク層面を順次に供試受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施す事により、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像をプリントした。
(印画濃度)
受容シートに転写された印加エネルギー別の記録画像について、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、Kollmorgen社製)を用いて、その反射濃度を測定した。印加エネルギーの低い方から15ステップ目に相当する高階調部の反射濃度を印画濃度として表1に表示した。印画濃度が2.0以上であれば、実用に十分適する。
(画像均一性)
また光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分の記録画像の均一性を、濃淡むら及び白抜けの有無について目視評価した。評価結果の優秀なものを◎、良好なものを○、濃淡むら及び白抜けがかなりある物を△、濃淡むら及び白抜けの欠陥の著しいものを×と表示した。評価が○以上であれば、実用に十分適する。
(耐熱性)
更に受容紙の耐熱性の評価として、最高濃度2.1付近のサーマルヘッドによる記録画像部の凹みを目視評価した。評価結果の優秀なものを◎、良好なものを○、記録画像部の凹みが若干あるものを△、記録画像部の凹みが目立つものを×と表示した。評価が△以上であれば、実用可能である。
Figure 2006159812
本発明の受容シートは、無機中空粒子及び接着剤樹脂を主成分とする中間層を具備し、染料熱転写プリンターに適し、特に耐熱性に優れ、高い印画濃度と良好な画像均一性を有する画像が得られる、品質の優れた低コストの受容シートであり、実用的に極めて価値の高いものである。

Claims (6)

  1. シート状支持体の少なくとも一面に、中間層、画像受容層を順次形成した熱転写受容シートにおいて、前記中間層が、無機中空粒子及び接着剤樹脂を含有することを特徴とする熱転写受容シート。
  2. 前記無機中空粒子の平均粒子径が1〜50μmであり、かつ体積中空率が45〜97%である請求項1に記載の熱転写受容シート。
  3. 前記無機中空粒子を形成する壁材が、二酸化珪素及び/又は酸化アルミニウムを主成分とする請求項1または2に記載の熱転写受容シート。
  4. 前記中間層の厚さが、10〜90μmであり、かつ無機中空粒子の平均粒子径の2倍以上である請求項1に記載の熱転写受容シート。
  5. 前記中間層の全固形分質量に対する、前記無機中空粒子の質量比率が10〜85質量%である請求項1または4に記載の熱転写受容シート。
  6. 前記接着剤樹脂が、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂である請求項1に記載の熱転写受容シート。

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