JP6919843B1 - 熱転写受像シート、印画物の製造方法及び印画物 - Google Patents

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Abstract

本開示の熱転写受像シートは、基材と、感熱凹部形成層と、受容層と、を備え、感熱凹部形成層の厚さが、40μm以上であり、受容層側から、厚さ4μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さ1μmの背面層が形成されたフィルムを介して、0.27mJ/dotの印加エネルギーを付与することにより形成される凹部の深さが、5μm以上であることを特徴とする。

Description

本開示は、熱転写受像シート、印画物の製造方法及び印画物に関する。
従来、種々の画像形成方法が知られている。その中でも昇華型熱転写方式は、濃度階調を自由に調整でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像形成が可能である。
この昇華型熱転写方式は、昇華性染料を含む昇華転写型着色層を備える熱転写シートと、受容層を備える熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、プリンタが備えるサーマルヘッドにより熱転写シートを加熱することで、昇華転写型着色層中の昇華性染料を受容層に転写させ、画像形成を行うことにより、印画物を得るものである(例えば特許文献1参照)。
また、このようにして製造される印画物が備える、画像形成された受容層上に、熱転写シートから保護層を転写し、印画物の耐久性等を向上させることが行われている。
特開2001−39043号公報
近年、上記した方法により得られる印画物には、多種多様な意匠性が要求されている。例えば、印画物の希少性等の表現を目的として、高い立体感を有する印画物が求められている。
本開示の解決しようとする一つの課題は、所望領域に凹部を形成でき、高い立体感を有する印画物の製造を可能とする、熱転写受像シートを提供することである。
本開示の解決しようとする一つの課題は、上記熱転写受像シートを用い、高い立体感を有する印画物の製造方法を提供することである。
本開示の解決しようとする一つの課題は、高い立体感を有する印画物を提供することである。
本開示の第1の実施形態に係る熱転写受像シートは、基材と、感熱凹部形成層と、受容層と、を備え、
感熱凹部形成層の厚さが、40μm以上であり、
受容層側から、厚さ4μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さ1μmの背面層が形成されたフィルムを介して、0.27mJ/dotの印加エネルギーを付与することにより形成される凹部の深さが、5μm以上であることを特徴とする。
本開示の第2の実施形態に係る熱転写受像シートは、基材と、感熱凹部形成層と、受容層と、を備え、
感熱凹部形成層の厚さが、40μm以上であり、
感熱凹部形成層が、2層以上の空隙含有層を有し、
受容層に最も近い感熱凹部形成層である、第1の感熱凹部形成層が、多孔質フィルムであることを特徴とする。
本開示の印画物の製造方法は、上記熱転写受像シートを準備する工程と、
熱転写受像シートが備える受容層上に、画像を形成する工程と、
熱転写受像シートに凹部を形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
本開示の印画物は、上記熱転写受像シートを用いて製造された印画物であって、
基材と、感熱凹部形成層と、画像が形成された受容層と、を備え、
深さが5μm以上の凹部が形成されていることを特徴とする。
本開示によれば、所望領域に凹部を形成でき、高い立体感を有する印画物の製造を可能とする、熱転写受像シートを提供できる。
また、高い立体感を有する印画物の製造方法を提供できる。
さらに、高い立体感を有する印画物を提供できる。
図1は、本開示の熱転写受像シートの一実施形態を表す断面概略図である。 図2は、本開示の熱転写受像シートの一実施形態を表す断面概略図である。 図3は、本開示の熱転写受像シートに凹部を形成する工程を表す断面概略図である。 図4は、図1に表した本開示の熱転写受像シートに形成した凹部の一実施形態を表す断面概略図である。 図5は、図1に表した本開示の熱転写受像シートに形成した凹部の一実施形態を表す断面概略図である。 図6は、本開示の印画物の一実施形態を表す断面概略図である。 図7は、本開示の印画物の一実施形態を表す断面概略図である。 図8は、本開示の印画物の一実施形態を表す断面概略図である。 図9は、本開示の印画物の一実施形態を表す断面概略図である。 図10は、本開示の印画物の一実施形態を表す断面概略図である。
以下、本開示の実施形態を、図面等を参照しながら説明する。なお、本開示は多くの異なる形態で実施でき、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、角度、形状等について模式的に表される場合がある。しかしながら、図面は、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。説明の便宜上、上又は下等という語句を用いて説明するが、上下方向が逆転してもよい。左右方向についても同様である。
[熱転写受像シート]
本開示の第1及び第2の実施形態に係る熱転写受像シートは、
基材と、感熱凹部形成層と、受容層と、を備え、
感熱凹部形成層の厚さが、40μm以上である。
第1の実施形態に係る熱転写受像シートにおいて、受容層側から、厚さ4μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さ1μmの背面層が形成されたフィルムを介して、0.27mJ/dotの印加エネルギーを付与することにより形成される凹部の深さが、5μm以上である。
第2の実施形態に係る熱転写受像シートにおいて、感熱凹部形成層が、2層以上の空隙含有層を有し、受容層に最も近い感熱凹部形成層である、第1の感熱凹部形成層が、多孔質フィルムである。
以下、本開示の第1及び第2の実施形態に係る熱転写受像シートを、それぞれ「第1の熱転写受像シート」及び「第2の熱転写受像シート」とも記載する。第1及び第2の熱転写受像シートを合わせて、単に「熱転写受像シート」とも記載する。
本開示の熱転写受像シート10は、図1に示すように、基材11と、感熱凹部形成層12と、受容層13とを備える。
一実施形態において、図2に示すように、感熱凹部形成層12は、第1の熱転写受像シートでは多層構造を有してもよく、第2の熱転写受像シートでは多層構造を有する。本開示においては、受容層側から順に、第n番目の感熱凹部形成層を「第nの感熱凹部形成層」と記載する。ここで、nは1以上の整数である。例えば図2では、感熱凹部形成層12は、受容層13側から順に、第1の感熱凹部形成層14、第2の感熱凹部形成層15を備える。
一実施形態において、本開示の熱転写受像シート10は、任意の層間、例えば、基材11と感熱凹部形成層12との間や、多層構造を有する感熱凹部形成層12を構成する各層間に、接着層等の任意の層を備える(図示せず)。
一実施形態において、本開示の熱転写受像シート10は、感熱凹部形成層12と受容層13との間に、プライマー層を備える(図示せず)。
第1の熱転写受像シートにおいて、サーマルヘッド等により、熱転写受像シートの一部領域を、その受容層側から、厚さ4μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに厚さ1μmの背面層が形成されたフィルムを介して、0.27mJ/dotの印加エネルギーを付与して加熱することにより形成される凹部の深さhが、5μm以上であることを特徴とする(図3参照)。同条件により形成される凹部深さhは、8μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、12μm以上がさらに好ましく、15μm以上が特に好ましい。厚さ1μmの背面層の詳細については、実施例欄に記載する。
上記PETフィルムとして、東レ(株)製のルミラー(登録商標)#5A−F53を好ましくは使用する。形成した凹部の深さは、形状解析レーザー顕微鏡(キーエンス(株)製、VK−X150/160、対物レンズ10倍)を使用し、得られたプロファイルから計測する。
熱転写受像シートがプライマー層を備える場合、該プライマー層は一般的に輝度が高い。このため、プライマー層と受容層との界面において、深さ測定を良好に行うことができる。
印加エネルギー(mJ/dot)とは、下式(1)により算出される印加エネルギーである。式(1)中の印加電力[W]は、下式(2)により算出できる。
印加エネルギー(mJ/dot)=W×L.S×P.D×階調値・・・(1)
式(1)中のWは印加電力を意味し、L.Sは1ライン周期(msec./line)を意味し、P.DはパルスDutyを意味する。
印加電力(W/dot)=V/R・・・(2)
式(2)中のVは印加電圧を意味し、Rは加熱手段の抵抗値を意味する。
本開示においては、熱転写受像シートにおける凹部形成領域を調整することにより、印画物に立体感を付与でき、その意匠性を向上できる。例えば、受容層上における文字、図形等の形状や模様等の画像領域以外の領域に凹部を形成することにより、これら画像に立体感を付与できる。
第1の熱転写受像シートにおいて、サーマルヘッド等により、熱転写受像シートの一部領域を、その受容層側から、厚さ4μmのPETフィルムに厚さ1μmの背面層が形成されたフィルムを介して、0.16mJ/dotの印加エネルギーを付与して加熱することにより形成される凹部の深さは、4μm未満が好ましく、2μm未満がさらに好ましい。
これにより、画像形成時や保護層転写時における意図しない凹部形成、すなわち、非高温条件における凹部形成、を抑制できる。以下、これらをまとめて単に、印画時エンボス抑制性という。
以下、本開示の熱転写受像シートが備える各層について詳細に説明する。
(基材)
基材としては、例えば、紙基材及びフィルムが挙げられる。
紙基材としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙、上質紙、アート紙、コート紙、ノンコート紙、キャストコート紙、壁紙、セルロース繊維紙、合成樹脂内添紙、裏打用紙及び含浸紙が挙げられる。含浸紙としては、例えば、合成樹脂含浸紙、エマルジョン含浸紙及び合成ゴムラテックス含浸紙が挙げられる。
フィルムとしては、例えば、樹脂から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)が挙げられる。樹脂としては、例えば、PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル樹脂;ポリアクリレート、ポリメタクリレート及びポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂;ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂;ポリカーボネート;並びにアイオノマー樹脂が挙げられる。
基材が樹脂フィルムである場合、該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよい。機械的強度という観点からは、基材として、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムを使用することが好ましい。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含する。また、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を包含する。
上記した紙基材や樹脂フィルムの積層体を基材として使用することもできる。該積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用することにより作製できる。
基材の厚さは、機械的強度の観点から、20μm以上500μm以下が好ましく、50μm以上500μm以下がより好ましく、100μm以上500μm以下がさらに好ましい。
(感熱凹部形成層)
本開示の熱転写受像シートは、厚さ40μm以上の感熱凹部形成層を備える。
一実施形態において、例えばサーマルヘッドにより、本開示の熱転写受像シートを、高温条件において受容層側から加熱することにより、感熱凹部形成層に凹部を形成する。これにより、製造される印画物に高い立体感を付与できる。
具体的には、感熱凹部形成層、したがって熱転写受像シートに凹部を形成することにより、相対的に凸部となる領域を形成する。例えば該凸部が模様や文字等を表すよう、凹部を形成することにより、印画物の意匠性を向上できる。また、後述するように、この凸部には、ホログラム画像等の画像を形成することにより、その意匠性をより向上できる。
本開示において凹部とは、図3に示す、熱転写受像シートの中央に形成されたものに限定されるものではなく、図4に示すように、熱転写受像シートの端部に形成されていてもよい。また、凹部は、一カ所に形成されていても、複数箇所に形成されていてもよい。図5に示すように、複数箇所に凹部を形成することにより、模様や文字等を表す凸部を形成できる。
感熱凹部形成層の構成の一例を以下に示す。例えば第1の熱転写受像シートにおいては、上記した熱転写受像シートのPETフィルムを介した加熱により形成される凹部の深さ条件を満たすことができるものであれば、感熱凹部形成層の構成は特に限定されない。
第1の熱転写受像シートにおける感熱凹部形成層は、単層構造を有してもよく、多層構造を有してもよい。感熱凹部形成層が、多層構造を有する場合、上述したように、受容層側から順に、第n番目の感熱凹部形成層を「第nの感熱凹部形成層」と記載する。ここで、nは1以上の整数である。第2の熱転写受像シートにおける感熱凹部形成層は、多層構造を有する。多層構造の層数は、2層以上5層以下が好ましく、2層以上4層以下がより好ましい。
感熱凹部形成層が多層構造を有する場合、熱転写受像シートは、感熱凹部形成層の各層間に接着層を備えてもよい。
感熱凹部形成層の厚さは、40μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましい。これにより、形成される凹部の深さを向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。さらに、受容層上に形成される画像濃度を向上できる。感熱凹部形成層の厚さは、プリンタ内搬送性及び加工適性という観点から、200μm以下が好ましい。
一実施形態において、第1の熱転写受像シートにおける感熱凹部形成層は、内部に微細空隙を有する多孔質フィルム及び中空粒子含有層の少なくとも一方を備える、空隙含有層を有する。第2の熱転写受像シートにおける感熱凹部形成層は、2層以上の空隙含有層を有する。
以下、感熱凹部形成層が、空隙含有層である場合について説明する。
感熱凹部形成層は、多孔質フィルム及び中空粒子含有層を共に備えてもよい。第2の熱転写受像シートにおける感熱凹部形成層は、多孔質フィルム及び中空粒子含有層を共に備えることが好ましく、この場合において、第1の感熱凹部形成層は、多孔質フィルムである。これにより、印画時エンボス抑制性をより向上できる。
感熱凹部形成層が、単層構造を有する空隙含有層である場合、その空隙率は、10%以上80%以下が好ましく、20%以上80%以上がより好ましく、30%以上60%以下がさらに好ましい。これにより、形成される凹部の深さを向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。また、受容層上に形成される画像濃度を向上できる。さらに、印画時エンボス抑制性を向上できる。
感熱凹部形成層が、多層構造を有する空隙含有層である場合、第1の感熱凹部形成層(受容層側に最も近くに配置される感熱凹部形成層)の空隙率は、その他の感熱凹部形成層の空隙率よりも小さいことが好ましい。これにより、印画時エンボス抑制性を向上できる。
感熱凹部形成層が、多層構造を有する空隙含有層である場合、第1の感熱凹部形成層の空隙率は、10%以上60%以下が好ましく、20%以上50%以下がより好ましい。これにより、凹部の深さをより向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。さらに、印画時エンボス抑制性を向上できる。
感熱凹部形成層が、多層構造を有する空隙含有層である場合、第1の感熱凹部形成層以外の感熱凹部形成層の空隙率の平均は、10%以上80%以下が好ましく、20%以上80%以下がより好ましい。これにより、第1の感熱凹部形成層での凹部形成を容易にし、かつ印画時エンボス抑制性を向上できる。
本開示において空隙率は、(1−感熱凹部形成層のかさ比重/感熱凹部形成層を構成する材料の比重)×100により算出する。
感熱凹部形成層を構成する材料の比重が未知の場合には、実施例欄に記載の方法により、空隙率を算出する。あるいは、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー(株)製、商品名:S3400N)により感熱凹部形成層の断面画像を取得し、断面画像の総面積(a)と、空隙(空孔)の占める面積(b)とから、((b)/(a))×100で算出する。
感熱凹部形成層が、多層構造を有する場合、第1の感熱凹部形成層の厚さは、20μm以上150μm以下が好ましく、30μm以上130μm以下がより好ましく、30μm以上100μm以下がさらに好ましい。これにより、形成される凹部の深さを向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。
感熱凹部形成層が、多層構造を有する場合、第1の感熱凹部形成層以外の層の厚さの和は、10μm以上180μm以下が好ましく、20μm以上150μm以下がより好ましく、20μm以上130μm以下がさらに好ましい。これにより、受容層上に形成される画像濃度を向上できる。
感熱凹部形成層は、一実施形態において、第1の感熱凹部形成層として多孔質フィルムと、第2の感熱凹部形成層として中空粒子含有層とを備える。
第1の感熱凹部形成層の厚さは、一実施形態において、25μm以上であり、25μm以上150μm以下が好ましく、30μm以上130μm以下がより好ましく、30μm以上100μm以下がさらに好ましい。これにより、凹部形成性及び画質をより向上できる。
第2の感熱凹部形成層の厚さは、一実施形態において、35μm以上であり、35μm以上175μm以下が好ましく、35μm以上150μm以下がより好ましく、35μm以上130μm以下がさらに好ましい。
一実施形態において、第1の感熱凹部形成層としての多孔質フィルムの空隙率と、第2の感熱凹部形成層としての中空粒子含有層の空隙率との比(多孔質フィルムの空隙率/中空粒子含有層の空隙率)は、0.10以上0.80以下が好ましく、0.20以上0.70以下がより好ましく、0.30以上0.60以下がよりさらに好ましく、0.30以上0.50以下が特に好ましい。これにより、凹部形成性をより向上できる。
多孔質フィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、PE及びPP等のポリオレフィン;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル樹脂;PET及びPBT等のポリエステル;スチレン樹脂;並びにポリアミドが挙げられる。上記した中でも、フィルムの平滑性、断熱性及びクッション性の観点から、ポリオレフィンが好ましく、PPが特に好ましい。多孔質フィルムは、樹脂材料を1種又は2種以上含むことができる。
多孔質フィルムは、添加材を含むことができる。添加材としては、例えば、可塑材、充填材、紫外線安定化材、着色抑制材、界面活性材、蛍光増白材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、帯電抑制材、糸摩擦低減材、スリップ材、抗酸化材、イオン交換材、分散材、紫外線吸収材、並びに顔料及び染料等の着色材が挙げられる。多孔質フィルムは、添加材を1種又は2種以上含むことができる。
多孔質フィルムは、公知の方法により作製できる。多孔質フィルムは、例えば、上記した樹脂材料に対し、非相溶な有機粒子又は無機粒子を混練した混合物をフィルム化することにより作製できる。一実施形態において、多孔質フィルムは、第1の樹脂材料と、第1の樹脂材料より高い融点を有する第2の樹脂材料とを含む混合物をフィルム化することにより作製できる。
多孔質フィルムは、上記方法により作製される多孔質フィルムに限定されるものではなく、市販されている多孔質フィルムを使用してもよい。
多孔質フィルムは、接着層を介して基材上に積層できる。また、複数の多孔質フィルムを、接着層を介して積層してもよい。
中空粒子含有層は、一実施形態において、中空粒子及びバインダー材料を含む。
中空粒子は、有機系中空粒子であっても、無機系中空粒子であっても、有機無機複合中空粒子であってもよいが、分散性の観点からは、有機系中空粒子及び有機無機複合中空粒子が好ましい。また、中空粒子は、発泡粒子であっても、非発泡粒子であってもよい。中空粒子含有層は、中空粒子を1種又は2種以上含むことができる。
有機系中空粒子は、樹脂材料により構成される。樹脂材料としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂等のスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、イミド樹脂及びポリカーボネートが挙げられる。
一実施形態において、有機系中空粒子は、樹脂粒子中にブタンガス等の発泡材を封入し、加熱発泡することにより作製できる。また、一実施形態において、有機系中空粒子は、エマルジョン重合を利用することによっても作製できる。市販されている有機系中空粒子を使用してもよい。
有機無機複合中空粒子としては、例えば、有機系中空粒子の表面が無機材料により修飾された中空粒子が挙げられる。有機系中空粒子としては、例えば、上記例示の有機系中空粒子が挙げられる。無機材料としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナが挙げられる。一実施形態において、有機無機複合中空粒子は、ポリアクリロニトリル系中空粒子の表面がタルクにより修飾された中空粒子である。市販されている有機無機複合中空粒子を使用してもよい。
中空粒子の平均粒子径は、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、凹部形成性に特に優れるという観点から、15μm以上がさらに好ましく、16μm以上がよりさらに好ましく、18μm以上が特に好ましい。中空粒子の平均粒子径は、例えば中空粒子含有層の厚さ等を考慮して、40μm以下が好ましく、35μm以下がより好ましい。
中空粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡法により測定する。具体的には、中空粒子含有層の断面について走査型電子顕微鏡法により断面画像を取得し、該断面画像の各粒子における長軸径と短軸径との平均値として粒子径を得て、粒子100個の粒子径の算術平均を平均粒子径とする。
中空粒子の真比重は、層中への均一な分散性という観点から、0.01以上0.50以下が好ましく、0.05以上0.40以下がより好ましく、0.10以上0.30以下がさらに好ましい。中空粒子の真比重は、気体置換型ピクノメーター法(定容積膨張法)により測定できる。
中空粒子含有層における中空粒子の含有量は、20質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下がより好ましく、40質量%以上70質量%以下がさらに好ましい。これにより、熱転写受像シートの凹部形成性を向上できる。
中空粒子含有層に含まれるバインダー材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ウレタン変性ポリエステル、セルロース樹脂、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、スチレン樹脂、ゼラチン及びその誘導体、スチレンアクリル酸エステル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸並びにアラビアゴムが挙げられる。中空粒子含有層は、バインダー材料を1種又は2種以上含むことができる。
中空粒子含有層におけるバインダー材料の含有量は、20質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下がより好ましく、30質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。これにより、熱転写受像シートの凹部形成性を向上できる。
中空粒子含有層は、上記添加材を含むことができる。
中空粒子含有層は、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して塗工液を調製し、該塗工液を、公知の塗工手段により、基材上等に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることにより形成できる。塗工手段としては、例えば、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法が挙げられる。
一実施形態において、感熱凹部形成層は、第1の感熱凹部形成層として、厚さが25μm以上の多孔質ポリオレフィンフィルムと、第2の感熱凹部形成層として、平均粒子径が15μm以上の中空粒子を含み、厚さが35μm以上の中空粒子含有層とを備える。上記実施形態に係る感熱凹部形成層により、凹部形成性に特に優れるとともに、特に良好な画質を有する画像を形成できる熱転写受像シートが得られる。
(受容層)
受容層は、熱転写シートが備える染料層から移行してくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持する層である。
一実施形態において、受容層は、樹脂材料を含む。樹脂材料としては、染料が染着し易い樹脂であれば限定されるものではなく、例えば、オレフィン樹脂、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、カーボネート樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂及びアイオノマー樹脂が挙げられる。受容層は、樹脂材料を1種又は2種以上含むことができる。
受容層における樹脂材料の含有量は、80質量%以上98質量%以下が好ましく、90質量%以上98質量%以下がより好ましい。
一実施形態において、受容層は、離型材を含む。これにより、熱転写受像シートと熱転写シートとの離型性を向上できる。
離型材としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系又はリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル及び硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、並びに各種シリコーン樹脂が挙げられる。
上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ−アラルキル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーンが好ましく、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ−アラルキル変性シリコーンが特に好ましい。
受容層は、離型材を1種又は2種以上含むことができる。
受容層における離型材の含有量は、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。これにより、受容層の透明性を維持しつつ、熱転写受像シートと熱転写シートとの離型性を向上できる。
受容層は、上記添加材を含むことができる。
受容層の厚さは、0.5μm以上20μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。これにより、受容層上に形成される画像濃度を向上できる。
受容層は、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して塗工液を調製し、該塗工液を、上述した公知の塗工手段により、感熱凹部形成層上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることにより形成できる。
(接着層)
一実施形態において、本開示の熱転写受像シートは、任意の層間に、接着層を備える。これにより、層間の密着性を向上できる。
一実施形態において、接着層は、樹脂材料を含む。樹脂材料としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル樹脂;PE及びPP等のポリオレフィン;ポリエステル;ポリアクリレート、ポリメタクリレート及びポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂;ポリオール樹脂;並びにポリウレタンが挙げられる。接着層は、樹脂材料を1種又は2種以上含むことができる。
接着層は、上記添加材を含むことができる。
接着層の厚さは、例えば、0.5μm以上10μm以下である。
多層構造を有する感熱凹部形成層の各層間において形成される接着層の厚さは、1μm以上8μm以下が好ましく、2μm以上5μm以下がより好ましい。これにより、感熱凹部形成層における凹部形成性を維持しつつ、層間の密着性を向上できる。
接着層は、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して塗工液を調製し、該塗工液を、上述した公知の塗工手段により、任意の層上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることにより形成できる。一実施形態において、接着層は、上記材料を含む樹脂組成物を溶融押出することにより形成できる。
(プライマー層)
一実施形態において、本開示の熱転写受像シートは、感熱凹部形成層と受容層との間に、プライマー層を備える。これにより、層間の密着性を向上できる。
一実施形態において、プライマー層は、樹脂材料を含む。樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂及びセルロース樹脂が挙げられる。プライマー層は、樹脂材料を1種又は2種以上含むことができる。
プライマー層は、上記添加材を含むことができる。
プライマー層の厚さは、例えば、0.1μm以上3μm以下である。
プライマー層は、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して塗工液を調製し、該塗工液を、上述した公知の塗工手段により、感熱凹部形成層上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることにより形成することができる。
[印画物]
本開示の印画物20は、上記熱転写受像シートを用いて作製されたものであり、図6に示すように、基材11と、感熱凹部形成層12と、画像が形成された受容層13と、を備え、深さが5μm以上の凹部(図中のA)が形成されていることを特徴とする。
本開示において凹部とは、図6に示す中央に形成されたものに限定されるものではなく、図7に示すように、端部に形成されていてもよい。また、凹部は、一カ所に形成されていても、複数箇所に形成されていてもよい。
図8に示すように、熱転写受像シートの複数箇所に凹部を形成することにより、模様や文字等を表す凸部を形成できる。
形成される画像は、昇華性染料の転写や溶融転写型着色層の転写により形成されるものであってもよく、ホログラム転写層を転写することにより形成されるものであってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
一実施形態において、凹部Aは、受容層上において、昇華性染料を転写することにより形成した背景画像形成領域に形成され、相対的に凸部となった領域にホログラム画像が形成される。このような構成とすることにより、相対的に凸部となった領域に形成されたホログラム画像に立体感を付与でき、印画物の意匠性を向上できる。また、背景画像との明度の差を設けることにより、立体感をより向上できる。
受容層上に形成された画像は、文字、模様、記号及びこれらの組合せ等、特に限定されない。画像は、例えば、従来公知の昇華型熱転写記録方式や溶融型熱転写記録方式の熱転写シートを用いることにより、受容層上に形成できる。
(保護層)
一実施形態において、本開示の印画物20は、図9及び10に示すように、受容層13上に、保護層21を備える。
一実施形態において、保護層21は、図9に示すように、受容層13の全面に設けられ、凹部Aが形成されていてもよい。
一実施形態において、保護層21は、図10に示すように、受容層13上の凹部Aが形成された領域に対応するように形成されていてもよい。この場合、凹部深さの測定において保護層の厚さは考慮しないものとする。
一実施形態において、保護層は、樹脂材料を含む。樹脂材料は、透明性を有している限り、特に限定されない。樹脂材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、イミド樹脂、セルロース樹脂、熱硬化性樹脂及び活性光線硬化性樹脂が挙げられる。保護層は、樹脂材料を1種又は2種以上含むことができる。
本開示において、「活性光線硬化樹脂」とは、活性光線硬化性樹脂に対して活性光線を照射し、硬化させた状態の樹脂を意味する。
本開示において、「活性光線」とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる放射線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
保護層における樹脂材料の含有量は、画像の耐擦過性及び保存安定性の観点からは、50質量%以上95質量%以下が好ましい。
保護層は、上記添加材を含むことができる。
保護層の厚さは、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.5μm以上5μm以下がより好ましい。これにより、画像の耐擦過性及び保存安定性等をより向上できる。
[印画物の製造方法]
本開示の印画物の製造方法は、
上記熱転写受像シートを準備する工程と、
熱転写受像シートが備える受容層上に、画像を形成する工程と、
熱転写受像シートに凹部を形成する工程と、
を含む。
一実施形態において、本開示の印画物の製造方法は、画像が形成された受容層上に保護層を形成する工程を含む。
(熱転写受像シートを準備する工程)
本開示の印画物の製造方法は、上記熱転写受像シートを準備する工程を含む。熱転写受像シートの構成や製造方法等については上記したため、ここでは記載を省略する。
(画像形成工程)
本開示の印画物の製造方法は、熱転写受像シートが備える受容層上に、画像を形成する工程を含む。
画像形成方法としては、例えば、熱転写シートが備える溶融転写型着色層を受容層上に転写する熱溶融転写方式、及び熱転写シートが備える昇華転写型着色層に含まれる昇華性染料を受容層上に転写する昇華転写方式が挙げられる。また、これらを組み合わせて画像を形成してもよい。
画像形成領域は、特に限定されるものではなく、例えば、凹部の形成領域に画像を形成し、奥行きのある画像としてもよく、凹部が形成されていない領域に画像を形成し、該画像に立体感を付与してもよい。
また、ホログラム転写等を合わせて行ってもよい。例えば、熱転写受像シートの凹部の形成されていない領域に、ホログラム転写を行うことにより、より立体感のあるホログラム画像が形成され、得られる印画物の意匠性をより向上できる。
熱転写シートを用い、サーマルヘッドを備えるプリンタを使用して画像を形成する場合、サーマルヘッドに0.25mJ/dot以下の印加エネルギーを付与することがより好ましい。これにより、画像濃度を維持しつつ、印画時エンボス抑制性をより向上できる。
(凹部形成工程)
本開示の印画物の製造方法は、熱転写受像シートに凹部を形成する工程を含む。
一実施形態において、凹部の形成は、画像形成前の熱転写受像シートに対し行う。
一実施形態において、凹部の形成は、画像形成中の熱転写受像シートに対し行う。具体的な例としては、熱転写シートから昇華性染料を転写させ、背景画像を形成した後、画像形成領域に凹部を形成し、さらに、凹部が形成されていない、相対的に凸部となった領域に熱転写シートからホログラム転写を行うことで、立体感のあるホログラム画像を形成できる。
一実施形態において、凹部の形成は、画像形成後、保護層形成前の熱転写受像シートに対し行う。
一実施形態において、凹部の形成は、保護層形成後の熱転写受像シートに対し行う。
一実施形態において、凹部の形成は、保護層の形成と同時に行うことができる。例えば、画像が形成された領域においては、上記した凹部が形成されない加熱条件において保護層の転写を行い、それ以外の領域においては、上記したような凹部が形成される高温条件において保護層の転写を行うことにより、画像形成領域以外が凹部となった印画物を得ることができる。
凹部形成方法を以下に例示するが、これに限定されるものではない。
一実施形態において、PETフィルム等の樹脂フィルムを介して、熱転写受像シートをその受容層側から加熱することにより、凹部を形成できる。
上記樹脂フィルムの、熱転写受像シートと接しない側の表面には、背面層が形成されていることが好ましい。
一実施形態において、背面層は、樹脂材料を含む。樹脂材料としては、例えば、セルロース樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、塩素化ポリオレフィン、シリコーン変性ポリウレタン、フッ素変性ポリウレタン及び(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。背面層は、樹脂材料を1種又は2種以上含むことができる。
一実施形態において、背面層は、樹脂材料として、イソシアネート化合物等の硬化剤との併用により硬化する2液硬化型の樹脂を含む。このような樹脂としては、例えば、ポリビニルアセトアセタール及びポリビニルブチラール等のポリビニルアセタールが挙げられる。
一実施形態において、背面層は、無機粒子又は有機粒子を含む。
背面層の厚さは、0.1μm以上5μm以下が好ましく、0.5μm以上2μm以下が更に好ましい。これにより、凹部形成時の熱エネルギーの伝達性を維持しつつ、スティッキングやシワの発生等を抑制できる。
背面層は、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して塗工液を調製し、該塗工液を、上述した公知の塗工手段により、樹脂フィルム上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることにより形成できる。
上記樹脂フィルムの、熱転写受像シートと接する側の表面には、離型層が形成されていることが好ましい。これにより、凹部形成工程における、樹脂フィルムと熱転写受像シートとの融着等を抑制できる。
一実施形態において、離型層は、樹脂材料を含む。樹脂材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン、アセタール樹脂、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリオール樹脂、セルロース樹脂及びシリコーン樹脂が挙げられる。離型層は、樹脂材料を1種又は2種以上含むことができる。
一実施形態において、離型層は、離型材を含む。離型材としては、例えば、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑材、フッ素系化合物、ワックス、金属石鹸、及びフィラーが挙げられる。離型層は、離型材を1種又は2種以上含むことができる。
離型層の厚さは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下である。
離型層は、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して塗工液を調製し、該塗工液を、上述した公知の塗工手段により、樹脂フィルム上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることにより形成できる。
一実施形態において、基材と、該基材上に設けられた昇華転写型着色層、ホログラム転写層及び保護層等とを備える熱転写シートを介して、熱転写受像シートをその受容層側から加熱することにより、凹部を形成できる。
具体的には、熱転写シートが備える昇華転写型着色層、ホログラム転写層及び保護層等と、熱転写受像シートが備える受容層とが向かい合うように重ね合わせ、熱転写シートを基材側から加熱することで、昇華性染料、ホログラム転写層及び保護層等の転写と同時に、凹部を形成できる。
この凹部形成のための加熱は、熱転写シートが備える昇華転写型着色層、ホログラム転写層又は保護層形成領域において行われてもよく、熱転写シートの、これらの層が設けられていない、基材が露出した領域(空白領域)において行われてもよい。
熱転写シートに上記した離型層を設け、該離型層形成領域において加熱による凹部形成を行ってもよい。また、熱転写シートの基材において、昇華転写型着色層、ホログラム転写層及び保護層等とは反対側の面に、上記した背面層を設けてもよい。
一実施形態において、熱転写シートは、イエロー、マゼンタ及びシアンの昇華転写型着色層、保護層、空白領域及びホログラム転写層を面順次に備える。
一実施形態において、熱転写シートは、イエロー、マゼンタ及びシアンの昇華転写型着色層、保護層、離型層及びホログラム転写層を面順次に備える。
一実施形態において、樹脂フィルムや熱転写シート等を介することなく、熱転写受像シートが備える受容層を発熱体等により直接加熱することにより、凹部を形成できる。
(保護層形成工程)
本開示の印画物の製造方法は、一実施形態において、画像形成された受容層上に保護層を形成する工程を含む。保護層の形成方法は、従来公知の方法により行うことができ、例えば、熱転写シートから保護層を転写することにより行うことができる。また、保護層形成用のフィルムを受容層上に接着層等を介して積層できる。
保護層の形成は、凹部形成前に行ってもよく、凹部形成後に行ってもよい。
また、保護層の形成領域についても特に限定されるものではなく、保護層は、受容層の全面に形成してもよく、その一部に形成してもよい。
例えば、画像形成領域に凹部が形成され、画像形成領域及び凹部形成領域に対応するように保護層が形成されていてもよい。この場合、凹部深さが減少し、印画物の凹凸感は損なわれる可能性はあるが、保護層の構成を調整し、透明性の高い構成とすることにより、凹部形成領域に形成された画像は奥行きを有することとなり、印画物へ高い立体感を付与できる。
本開示は、例えば以下の[1]〜[12]に関する。
[1]基材と、感熱凹部形成層と、受容層と、を備え、感熱凹部形成層の厚さが、40μm以上であり、受容層側から、厚さ4μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さ1μmの背面層が形成されたフィルムを介して、0.27mJ/dotの印加エネルギーを付与することにより形成される凹部の深さが、5μm以上である、熱転写受像シート。
[2]感熱凹部形成層が、多孔質フィルム及び中空粒子含有層の少なくとも一方を備える、上記[1]に記載の熱転写受像シート。
[3]感熱凹部形成層が、多層構造を有し、受容層に最も近い感熱凹部形成層である、第1の感熱凹部形成層の空隙率が、10%以上60%以下である、上記[1]又は[2]に記載の熱転写受像シート。
[4]感熱凹部形成層が備える、第1の感熱凹部形成層以外の感熱凹部形成層の空隙率の平均が、10%以上80%以下である、上記[3]に記載の熱転写受像シート。
[5]第1の感熱凹部形成層の厚さが、20μm以上150μm以下である、上記[3]又は[4]に記載の熱転写受像シート。
[6]第1の感熱凹部形成層が、多孔質フィルムである、上記[3]〜[5]のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
[7]基材と、感熱凹部形成層と、受容層と、を備え、感熱凹部形成層の厚さが、40μm以上であり、感熱凹部形成層が、2層以上の空隙含有層を有し、受容層に最も近い感熱凹部形成層である、第1の感熱凹部形成層が、多孔質フィルムである、熱転写受像シート。
[8]感熱凹部形成層が、第1の感熱凹部形成層として多孔質フィルムと、第2の感熱凹部形成層として中空粒子含有層とを備える、上記[7]に記載の熱転写受像シート。
[9]第1の感熱凹部形成層が、厚さが25μm以上の多孔質ポリオレフィンフィルムであり、第2の感熱凹部形成層が、平均粒子径が15μm以上の中空粒子を含み、厚さが35μm以上の層である、上記[8]に記載の熱転写受像シート。
[10]上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の熱転写受像シートを準備する工程と、熱転写受像シートが備える受容層上に、画像を形成する工程と、熱転写受像シートに凹部を形成する工程と、を含む、印画物の製造方法。
[11]上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の熱転写受像シートを用いて製造された印画物であって、基材と、感熱凹部形成層と、画像が形成された受容層と、を備え、深さが5μm以上の凹部が形成されている、印画物。
[12]凹部が、受容層上における画像形成領域に形成されている、上記[11]に記載の印画物。
次に実施例を挙げて、本開示の熱転写受像シート等をさらに詳細に説明するが、本開示の熱転写受像シート等は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1
基材として、厚さ200μmの両面コート紙を準備した。基材の一方の面に、下記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成した。該接着層上に、厚さ35μmの多孔質PPフィルムA(空隙率22%、密度0.7g/cm3)を積層した。該多孔質PPフィルムA上に、下記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成した。該接着層上に、さらに多孔質PPフィルムAを積層した。このようにして、2枚の多孔質PPフィルムAからなる感熱凹部形成層を基材上に形成した。
<接着層形成用塗工液>
・アクリル樹脂 100質量部
(荒川塗料工業(株)製、ポリスチックEM−560)
・硬化剤 10質量部
(荒川塗料工業(株)製、ポリスチック硬化剤EM−545K)
上記のようにして形成した感熱凹部形成層上に、下記組成のプライマー層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ1.5μmのプライマー層を形成した。
<プライマー層形成用塗工液>
・ポリエステル 4.2質量部
(日本合成化学工業(株)製、ポリエスター(登録商標)WR−905)
・酸化チタン 8.4質量部
(堺化学工業(株)製、TCA−888)
・イソプロピルアルコール(IPA) 10質量部
・水 30質量部
上記のようにして形成したプライマー層上に、下記組成の受容層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ4μmの受容層を形成した。このようにして、熱転写受像シートを得た。
<受容層形成用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)C)
・エポキシ変性シリコーン樹脂 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、X−22−3000T)
・メチルスチリル変性シリコーン樹脂 0.6質量部
(信越化学工業(株)製、X−24−510)
・メチルエチルケトン 2.5質量部
・トルエン 2.5質量部
実施例2
感熱凹部形成層の形成を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
まず、厚さ40μmの多孔質PPフィルムB(空隙率31%、密度0.62g/cm)の一方の面に、下記組成の中空粒子含有層形成用塗工液Aを塗布、乾燥し、厚さ20μmの中空粒子含有層A(空隙率55%)を形成した。また、基材(厚さ200μmの両面コート紙)の一方の面に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成した。そして、多孔質PPフィルムBに形成された中空粒子含有層Aと、接着層とを対向させるように貼り合わせ、中空粒子含有層A及び多孔質PPフィルムBからなる感熱凹部形成層を基材上に形成した。
<中空粒子含有層形成用塗工液A>
・中空粒子分散液(平均粒子径3.2μm) 120質量部
(松本油脂製薬(株)製、有効成分35%)
・変性スチレンアクリル酸共重合体 140質量部
(日本ゼオン(株)製、NIPOL SX1707A、有効成分45%)
・IPA 70質量部
・水 160質量部
実施例3
感熱凹部形成層の形成を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
まず、基材(厚さ200μmの両面コート紙)の一方の面に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成した。該接着層上に、厚さ35μmの多孔質PPフィルムAを積層した。該多孔質PPフィルムA上に、上記組成の中空粒子含有層形成用塗工液Aを塗布、乾燥し、厚さ20μmの中空粒子含有層A(空隙率55%)を形成した。このようにして、多孔質PPフィルムA及び中空粒子含有層Aからなる感熱凹部形成層を基材上に形成した。
実施例4
感熱凹部形成層の形成を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
まず、基材(厚さ200μmの両面コート紙)の一方の面に、上記組成の中空粒子含有層形成用塗工液Aを塗布、乾燥し、厚さ20μmの中空粒子含有層A(空隙率55%)を形成した。該中空粒子含有層A上に、上記組成の中空粒子含有層形成用塗工液Aを塗布、乾燥し、厚さ20μmの中空粒子含有層A(空隙率55%)を形成した。このようにして、2層の中空粒子含有層からなる感熱凹部形成層を基材上に形成した。
実施例5
感熱凹部形成層の形成を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
まず、基材(厚さ200μmの両面コート紙)の一方の面に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成した。該接着層上に、厚さ90μmの多孔質PPフィルムC(空隙率12%、密度0.79g/cm)を積層した。該多孔質PPフィルムC上に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成した。該接着層上に、厚さ35μmの多孔質PPフィルムAを積層した。このようにして、多孔質PPフィルムC及び多孔質PPフィルムAからなる感熱凹部形成層を基材上に形成した。
実施例6
感熱凹部形成層の形成を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
まず、基材(厚さ200μmの両面コート紙)の一方の面に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成した。該接着層上に、厚さ90μmの多孔質PPフィルムC(空隙率12%、密度0.79g/cm)を積層し、これを感熱凹部形成層とした。
実施例7
感熱凹部形成層の形成を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
まず、厚さ35μmの多孔質PPフィルムA(空隙率22%、密度0.7g/cm)の一方の面に、下記組成の中空粒子含有層形成用塗工液Bを塗布、乾燥し、厚さ50μmの中空粒子含有層B(空隙率66%)を形成した。また、基材(厚さ200μmの両面コート紙)の一方の面に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成した。そして、多孔質PPフィルムAに形成された中空粒子含有層Bと、接着層とを対向させるように貼り合わせ、中空粒子含有層B及び多孔質PPフィルムAからなる感熱凹部形成層を基材上に形成した。
<中空粒子含有層形成用塗工液B>
・ポリアクリロニトリル系中空粒子(タルク処理品) 18質量部
(松本油脂製薬(株)製、MFL−81GTA、平均粒子径20μm、真比重0.23)
・ウレタン樹脂(東ソー(株)製 ニッポラン(登録商標)5120 有効成分30%)
40質量部
・酢酸エチル 71質量部
・IPA 71質量部
実施例8
中空粒子含有層Bの厚さを35μmに変更し、厚さ35μmの多孔質PPフィルムAにかえて厚さ40μmの多孔質PPフィルムB(空隙率31%、密度0.62g/cm)を用いた以外は、実施例7と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
実施例9
感熱凹部形成層の形成を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
まず、厚さ40μmの多孔質PPフィルムB(空隙率31%、密度0.62g/cm)の一方の面に、上記組成の中空粒子含有層形成用塗工液Aを塗布、乾燥し、厚さ35μmの中空粒子含有層A(空隙率55%)を形成した。また、基材(厚さ200μmの両面コート紙)の一方の面に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成した。そして、多孔質PPフィルムBに形成された中空粒子含有層Aと、接着層とを対向させるように貼り合わせ、中空粒子含有層A及び多孔質PPフィルムBからなる感熱凹部形成層を基材上に形成した。
比較例1
基材(厚さ200μmの両面コート紙)の一方の面に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成すると共に、該接着層を介して、厚さ35μmの多孔質PPフィルムAを積層し、これを感熱凹部形成層とした以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
<<凹部形成性評価>>
厚さ4μmのPETフィルム(東レ(株)製のルミラー(登録商標)#5A−F53)の一方の面に、下記組成の背面層用塗工液を塗布、乾燥した後、60℃で100時間エージングして、厚さ1μmの背面層を形成した。
上記実施例及び比較例において得られた熱転写受像シートが備える受容層の一部領域を、受容層側から、背面層を備える上記PETフィルムを介して、下記テストプリンターを使用し、0.27mJ/dotの印加エネルギーを付与して加熱し、凹部を形成した。ここで、背面層を備える上記PETフィルムは、PETフィルムと受容層とが接するように配置した。
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 1.8質量部
(積水化学工業(株)、エスレック(登録商標)BX−1)
・ポリイソシアネート 5.5質量部
(DIC(株)、バーノック(登録商標)D750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6質量部
(第一工業製薬(株)、プライサーフ(登録商標)A208N)
・タルク 0.35質量部
(日本タルク工業(株)、ミクロエース(登録商標)P−3)
・トルエン 18.5質量部
・メチルエチルケトン 18.5質量部
(テストプリンター)
・サーマルヘッド:F3589(東芝ホクト電子(株)製)
・サーマルヘッド線圧:292N/m
・発熱体平均抵抗値:5015Ω
・印画電圧:20V
・主走査方向解像度:300dpi(dot per inch)
・副走査方向解像度:300dpi
・ライン速度:4.0msec./line
・印画開始温度:35℃
・パルスDuty比:85%
・階調値:255/255(最大階調)
形成した凹部の深さを、形状解析レーザー顕微鏡(キーエンス(株)製、VK−X150/160、対物レンズ10倍)を使用し、得られたプロファイルから計測し、下記評価基準に基づいて、評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
S:凹部深さが15μm以上であり、
非常に良好な凹部が形成されていることが確認できた。
A:凹部深さが10μm以上15μm未満であり、
良好な凹部が形成されていることが確認できた。
B:凹部深さが5μm以上10μm未満であり、
凹部が形成されていることが確認できた。
NG:凹部深さが5μm未満であった。
<<印画時エンボス抑制性評価>>
上記実施例及び比較例において得られた熱転写受像シートと、サーマルヘッドを備える昇華型熱転写プリンタ(大日本印刷(株)製、DS620)と、昇華性染料を含む染料層及び保護層を備える当該プリンタ用の純正リボンとを用意した。
20℃50%RH環境にて、熱転写受像シートが備える受容層上に、JIS X 9201(高精細カラーデジタル標準画像)で規定されるポートレートN1の画像を印画した。次いで、画像形成された受容層上に、純正リボンから保護層を転写し、印画物を得た。得られた印画物を目視により確認し、下記評価基準に基づいて、評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
A:画像形成で加えられた熱では目立つ段差が出来ておらず意匠性は保たれている。
B:画像形成で加えられた熱によって段差が目立っており意匠性に改善の余地があった。
Figure 0006919843
上記多孔質PPフィルムの空隙率は、(1−感熱凹部形成層のかさ比重/感熱凹部形成層を構成する材料の比重)×100の式から算出した。上記中空粒子含有層の空隙率は基材に形成した中空粒子含有層に、ヒートシーラーを用いて、150℃で0.49MPaの圧力を10秒間加え、加熱加圧する前の中空粒子含有層の厚さをt1、加熱加圧後の厚さをt2として、空隙率を、{1−(t2/t1)}×100の式から算出した。
当業者であれば理解するように、本開示の熱転写受像シート等は上記実施例の記載によって限定されるものではなく、上記実施例及び明細書は本開示の原理を説明するためのものにすぎず、本開示の主旨及び範囲から逸脱しない限り、様々な改変又は改善を行うことができ、これら改変又は改善はいずれも保護請求している本開示の範囲内に含まれる。さらに本開示が保護請求している範囲は、請求の範囲の記載のみならずその均等物を含む。
10:熱転写受像シート
11:基材
12:感熱凹部形成層
13:受容層
14:第1の感熱凹部形成層
15:第2の感熱凹部形成層
20:印画物
21:保護層

Claims (5)

  1. 基材と、感熱凹部形成層と、受容層と、を備え、
    前記感熱凹部形成層の厚さが、40μm以上であり、
    前記感熱凹部形成層が、2層以上の空隙含有層を有し、
    前記感熱凹部形成層が、前記受容層に最も近い感熱凹部形成層である第1の感熱凹部形成層として多孔質フィルムと、第2の感熱凹部形成層として中空粒子含有層とを備える
    熱転写受像シート。
  2. 前記第1の感熱凹部形成層が、厚さが25μm以上の多孔質ポリオレフィンフィルムであり、前記第2の感熱凹部形成層が、平均粒子径が15μm以上の中空粒子を含み、厚さが35μm以上の層である、請求項に記載の熱転写受像シート。
  3. 請求項1又は2に記載の熱転写受像シートを準備する工程と、
    前記熱転写受像シートが備える前記受容層上に、画像を形成する工程と、
    前記熱転写受像シートに凹部を形成する工程と、
    を含む、印画物の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の熱転写受像シートを用いて製造された印画物であって、
    前記基材と、前記感熱凹部形成層と、画像が形成された前記受容層と、を備え、
    深さが5μm以上の凹部が形成されている、印画物。
  5. 前記凹部が、前記受容層上における画像形成領域に形成されている、請求項に記載の印画物。
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