JP2013059991A - 熱転写受像シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高エネルギーの印画時において優れた断熱性やクッション性を発揮し、印画物に凹凸や、濃度低下を生じさせにくい熱転写受像シートを提供する。
【解決手段】熱転写シート10は、基材1上に、一次粒子径が0.5μm以上1.1μm以下、かつ空隙率が30%以上の架橋中空粒子aとバインダー樹脂を含有する第1中空粒子層2、一次粒子径が0.3μm以上0.5μm以下、かつ空隙率が30%以上35%以下の架橋中空粒子bとバインダー樹脂を含有する第2中空粒子層3、受容層4とがこの順で積層する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写受像シートに関する。
従来より、昇華型染料をプラスチックフィルム等の基材上に担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の基材上に受容層を設けた熱転写受像シートとを重ね合わせてフルカラー画像を形成する昇華転写記録方式が知られている。この方法は、昇華型染料を色材としているためドット単位で濃度、階調を自由に調節でき、原稿通りのフルカラー画像を熱転写受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
昇華転写記録方式に使用される熱転写受像シートにおいて、良好な印画特性を得るためには、熱転写受像シートに断熱性とクッション機能を付与することが好ましいことが知られている。この断熱性及びクッション機能の要求に対し、基材上にミクロボイドを有するポリプロピレンフィルム等の発泡性フィルムを張り合わせ、その上に受像層が設けた熱転写受像シートが提案されている。
ところで、この熱転写受像シートでは、受容層形成時の熱で発泡性フィルムが収縮しカールが発生してしまう等の問題が生じ得ることとなる。そこで、断熱性とクッション機能とを有する機能層を新たに考案する検討や、製造工程の熱履歴に起因するカールをなくすために、発泡性フィルム等の貼合フィルムを使用しない熱転写受像シートの検討がなされており、例えば、特許文献1には、発泡性フィルムにかえて、中空粒子とバインダー樹脂とを含有する塗工液を用いて形成された多孔質層を備える熱転写受像シートが提案されている。
特開2008−296485号公報
しかしながら、多孔質層に含有される中空粒子は一般的に耐熱性が低いことから、印画時に該中空粒子の空隙が破壊されて、断熱性やクッション性の機能が著しく低下するといった問題が生ずる。ある程度の耐熱性を有する中空粒子においても、高エネルギーの印画時には同様の問題が生ずる。また、中空粒子の空隙が破壊された場合には、これに起因して多孔質層の厚みにバラツキが生ずることとなる。そうすると、受容層の表面、換言すれば最終的に得られる印画物の表面にもこの厚みのバラツキによる凹凸が発生し、印画物の美観低下へとつながる。また、多孔質層中に含まれる中空粒子の粒子径が大きい場合には、受容層の平滑性が低下するといった問題も生じうる。
中空粒子の空隙が破壊されることに起因する多孔質層の厚みのバラツキについては、中空粒子の粒子径を小さくする、或いは中空粒子の空隙率を小さくする対策をとることによって一定の改善を図ることができる。しかしながら、中空粒子の粒子径を小さく、或いは空隙率を小さくした場合には、今度は多孔質層の断熱性やクッション性の低下を引き起こすこととなる。多孔質層の断熱性が低下した場合には、印画時において昇華性染料の拡散に必要な熱を熱転写受像シート中で保持することができず、印画部の濃度低下が生じ、クッション性が低下した場合には、印画時における濃度ムラやハイライト部の白抜けの発生が生じてしまう。
このような状況下、中空粒子の空隙の破壊を防止するために、中空粒子自体の耐熱性を向上させる試み、例えば中空粒子として架橋中空粒子を用いる試みが行われている。しかしながら、架橋中空粒子を用いた場合であっても、高エネルギーの印画時には架橋中空粒子の空隙が破壊されてしまうのが現状である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、高エネルギーの印画時において優れた断熱性やクッション性を発揮し、凹凸や、濃度低下を生じさせにくい熱転写受像シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材上に、第1中空粒子層、第2中空粒子層、受容層をこの順で積層してなる熱転写受像シートにおいて、前記第1中空粒子層は、架橋中空粒子aとバインダー樹脂を含有し、前記第2中空粒子層は、架橋中空粒子bとバインダー樹脂を含有し、前記架橋中空粒子aは、一次粒子径が0.5μm以上1.1μm以下、かつ空隙率が30%以上の中空粒子であり、前記架橋中空粒子bは、一次粒子径が0.3μm以上0.5μm以下、かつ空隙率が30%以上35%以下の中空粒子であることを特徴とする
また、前記架橋中空粒子aを構成する樹脂が、架橋スチレン−アクリル樹脂であってもよい。
本発明の熱転写受像シートによれば、高エネルギーの印画時において優れた断熱性やクッション性を発揮し、印画物に凹凸や、濃度低下を生じさせにくい熱転写受像シートを提供することができる。
本発明の熱転写受像シートの層構成の一例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の熱転写受像シートについて図面を用いて具体的に説明する。図1に示すように本発明の熱転写受像シート10は、基材1上に、第1中空粒子層2、第2中空粒子層3、受容層4をこの順で積層してなる構成をとる。以下、本発明について具体的に説明する。なお、図1では、基材1と第1中空粒子層2との間にアンカー層6が設けられているが、アンカー層6は、本発明の熱転写受像シート10における任意の構成である。
(基材)
基材1は、本発明の熱転写受像シート10における必須の構成であり、第1中空粒子層2を保持するために設けられる。基材1について特に限定はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムや、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等を挙げることができる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。
複合フィルムとしては、例えば、紙基材の両面に樹脂層を積層したレジンコート紙等を挙げることができる。基材としてレジンコート紙を用いることにより、基材1上に第1中空粒子層2を形成するに際し、第1中空粒子層を形成するための第1中空粒子層用塗工液が、基材1に浸透し地合いが悪くなることや、熱転写受像シートがカールしてしまうことを防止することができる。樹脂層を構成する樹脂としては、各種ポリオレフィン樹脂が好ましく、なかでも、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
また、レジンコート紙にかえて、後述する任意の構成であるアンカー層6を設けることによって、同様の効果を奏することもできる。
基材1の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常1〜300μm、好ましくは60μm〜200μm程度である。
(第1中空粒子層)
図1に示すように基材1上には第1中空粒子層2が設けられ、第1中空粒子層2は、架橋中空粒子aと、バインダー樹脂を含有している。この第1中空粒子層2は、熱転写受像シート10に断熱性とクッション性を付与することを主目的とし、第1中空粒子層2に含有される架橋中空粒子aは、一次粒子径が0.5μm以上1.1μm以下、かつ空隙率が30%以上の範囲内に規定されている。
本願明細書において、中空粒子の一次粒子径とは、体積平均粒子径であり以下の方法で算出される値である。中空粒子を水中に分散させてなる水分散体を調整し、この中空粒子の水分散体のものを乾燥させて乾燥体となし、その後に透過型電子顕微鏡にて乾燥体における中空粒子をなす粒子(100個)を観察して、個々の粒子についてその外面側の直径(外径)を計測し、それらの値を平均したものが一次粒子径となる。透過型電子顕微鏡としては、日立ハイテクノロジーズ社製の透過型電子顕微鏡等を使用することができる。
また、本願明細書において、中空粒子の空隙率とは以下の方法で算出される値である。中空粒子を水中に分散させてなる水分散体を調整し、この中空粒子の水分散体のものを乾燥させて乾燥体となし、その後に透過型電子顕微鏡にて乾燥体中における中空粒子をなす粒子(100個)を観察して、個々の粒子についてその内面側の直径(内径)を計測し、それらの値を平均して平均粒子内径とする。そして、平均粒子内径から中空部の体積を定めるとともに、その値を上記一次粒子径から算出される粒子の見掛けの体積で除して100を乗じた値が空隙率となる。透過型電子顕微鏡としては、日立ハイテクノロジーズ社製の透過型電子顕微鏡等を使用することができる。
「架橋中空粒子a」
本発明では、一次粒子径と空隙率が上記範囲内に規定された架橋中空粒子aを、第1中空粒子層2に含有せしめることで印画部における濃度低下の防止が図られている。具体的には、一次粒子径と空隙率が上記範囲内に規定された架橋中空粒子aを、第1中空粒子層2に含有せしめることで第1中空粒子層2に優れた断熱性が付与される。これにより、印画時に昇華性染料の拡散に必要な熱を熱転写受像シート中に保持することができ、印画部における濃度低下の防止が図られる。
さらに、本発明では架橋中空粒子aの一次粒子径と空隙率を上記範囲とすることで、熱転写受像シートにクッション性が付与されている。これにより、上記で説明した印画部の濃度低下の防止に加え、印画時における濃度ムラやハイライト部の白抜けの発生が防止される。
架橋中空粒子aは、(1)架橋された中空粒子であること、(2)一次粒子径が0.5μm以上1.1μm以下であること、(3)空隙率が30%以上であること、の3つの条件を満たすものであればよく、それ以外の条件について特に限定はない。架橋された中空粒子としては、ポリマー層が、架橋性モノマーの重合体或いは共重合体、架橋性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体等である中空粒子等を挙げることができる。なかでも、架橋スチレン−アクリル樹脂は、架橋により耐熱性を高めることができる特徴に加え、真球状で粒子型分布が狭いことから塗工適性が良好である特徴を有することから、架橋中空粒子として好適に使用可能である。上記(1)〜(3)の条件を満たす架橋中空粒子aは、市販品をそのまま使用することができ、例えば、JSR株式会社製 SX8782(A)等を挙げることができる。
架橋中空粒子aの空隙率の上限について特に限定はないが、空隙率が大きすぎる場合には、第2中空粒子層3を設けた場合であっても、架橋中空粒子aの空隙が破壊されてしまう虞が生じうる。したがって、この点を考慮すると、架橋中空粒子aの空隙率は70%以下であることが好ましい。
また、架橋中空粒子aは、その熱分解温度が300℃以上であることが好ましい。熱分解温度が300℃の架橋中空粒子aを使用することで、印画時の熱によって架橋中空粒子aの空隙が破壊されることを効果的に防止することができる。なお、本願明細書において熱分解温度とは、架橋中空粒子を20℃/minの昇温速度で加熱した時に、架橋中空粒子の質量が、加熱開始時の質量から10質量%減少した時の温度である。
第1中空粒子層2の固形分総量に対し、架橋中空粒子aは50質量%以上90質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましく、60質量%以上80質量%以下の範囲内で含有されていることがより好ましい。架橋中空粒子aの含有量が50質量%未満である場合には、十分な断熱性やクッション性が得られない場合があり、90質量%を超えると、基材1と第1中空粒子層2との接着性が不足し、基材1から第1中空粒子層2が剥離してしまう虞がある。
なお、本発明は、第1中空粒子層2に架橋中空粒子aが含有されていることを必須の条件とするものであるが、このことが第1中空粒子層2に架橋中空粒子a以外の中空粒子が含有されていることを禁止するものではなく、本発明の趣旨を妨げない範囲で、第1中空粒子層2に架橋中空粒子a以外の中空粒子が含有されていてもよい。
「バインダー樹脂」
第1中空粒子層2には、上記で説明した架橋中空粒子a同士を結着させるためのバインダー樹脂が含有されている。バインダー樹脂について特に限定はないが、通常、水系溶媒に分散あるいは溶解可能な、水系樹脂が好ましく用いられる。このような水系樹脂としては、例えば、アクリル系ウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ゼラチン、スチレンアクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、ポリアルキレノキサイド系共重合ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、カルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等を挙げることができる。また、上記樹脂の2種類以上を組み合わせて用いても良い。
本発明において、第1中空粒子層2に含まれるバインダー樹脂の量は、用いられる中空粒子の種類や、熱転写受像シート10に求められる断熱性、画像形成条件などによって適宜決定されるが、一般的には、第1中空粒子層2の固形分総量に対し、5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、10質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。バインダー樹脂の含有量が少なすぎると、第1中空粒子層2が脆くなり、層形成が不良に成る虞がある。またバインダー樹脂が多くなりすぎると、架橋中空粒子aを十分に含有させることができず、所期の目的である第1中空粒子層2の断熱性およびクッション性が確保されない虞がある。
また、架橋中空粒子aとバインダー樹脂は、その質量比が4:1〜3:2の範囲内であることが好ましい。架橋中空粒子aとバインダー樹脂の質量比をこの範囲内とすることで、架橋中空粒子aによる効果を十分に発揮しつつ、良好な層形成が可能となる。
また、第1中空粒子層2には、必要に応じて、例えば、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および、分散剤等を挙げることができる。
第1中空粒子層2は、上記で説明した架橋中空粒子aと、バインダー樹脂、必要に応じて添加される任意の成分を、水系の溶媒に分散あるいは溶解させた第1中空粒子層用塗工液を、基材1上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
第1中空粒子層2の厚みについて特に限定はないが、第1中空粒子層2に充分な断熱性を与えるという観点から、第1中空粒子層2の厚みは、10μm〜40μmの範囲内であることが好ましく、15μm〜30μmの範囲内であることがより好ましい。
第1中空粒子層2では、架橋された中空粒子を含有せしめる、すなわち架橋中空粒子aを含有せしめることで第1中空粒子層2に一定の耐熱性を付与しているが、第1中空粒子層2のみで架橋中空粒子aの空隙が破壊されない程度までの耐熱性を図ることは困難であり、高エネルギーの印画時に架橋中空粒子aの空隙が破壊されてしまう問題が生じうる。架橋中空粒子aの空隙が破壊された場合には、断熱性やクッション性の低下のみならず、第1中空粒子層2の厚みに架橋中空粒子aの一次粒子径に相当するバラツキが生じ、これに追従して受容層の平滑性も低下することとなる。また、上記で説明したように第1中空粒子層2に含有される架橋中空粒子aは、一次粒子径が0.5μm以上1.1μm以下であることから、第1中空粒子層2上に直接的に受容層4を形成した場合には、受容層4の平滑性が低下する問題が生じうる。
そこで本発明では、第1中空粒子層2上に、架橋中空粒子bを含有する第2中空粒子層3が形成されている。以下、第2中空粒子層3について具体的に説明する。
(第2中空粒子層)
図1に示すように第1中空粒子層2上には、第2中空粒子層3が設けられ、第2中空粒子層3は架橋中空粒子bとバインダー樹脂を含有している。
「架橋中空粒子b」
第1中空粒子層2が、熱転写受像シート10に断熱性とクッション性を付与することを主目的とするのに対し、第2中空粒子層3は、第1中空粒子層2の働きが阻害されることを防止し、かつ印画前後における平滑性の向上を主目的とする。具体的には、第2中空粒子層3に耐熱性を付与し、第1中空粒子層2に含有される架橋中空粒子aの空隙が破壊されることによる断熱性やクッション性の低下、及びこれに起因する受容層4の平滑性の低下を防止するとともに、印画前における受容層の平滑性の向上を主目的とする。したがって、第2中空粒子層3に含有される架橋中空粒子bは、これらの目的を達成する条件、すなわち、(I)架橋された中空粒子であること、(II)一次粒子径が0.3μm以上0.5μm以下であること、(III)空隙率が30%以上35%以下であること、の3つの条件を満たせばよく、それ以外の条件について特に限定はない。
架橋中空粒子bとしては、ポリマー層が、架橋性モノマーの重合体或いは共重合体、架橋性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体等である中空粒子等を挙げることができる。なかでも、架橋中空粒子aと同様の観点から架橋スチレン−アクリル樹脂を好適に使用可能である。
架橋中空粒子bの一次粒子径や空隙率を決定するにあたり、一次粒子径が0.5μmよりも大きい場合には、印画前の段階で第2中空粒子層3上に形成される受容層4の平滑性が低下する。また、層構成の関係から第2中空粒子層3は、第1中空粒子層2と比較して印画時の熱による影響を受けやすく、架橋中空粒子bは架橋中空粒子aよりもその空隙が破壊されやすい状況に晒されている。ここで、架橋中空粒子bの一次粒子径が0.5μmよりも大きい場合において、高エネルギーの印画時にその空隙が破壊されたときには、第2中空粒子層3の厚みに架橋中空粒子の一次粒子径に相当するバラツキが生じ、印画後の受容層4の平滑性が低下することとなる。
また、熱転写受像シート10の断熱性やクッション性を更に向上させるためには、第2中空粒子層3自体も、断熱性やクッション性を有していることが好ましいが、架橋中空粒子aの空隙率が35%より大きい場合には、架橋中空粒子bの空隙が破壊されやすくなる。一方、空隙率が30%未満である場合には、第2中空粒子層3自体にクッション性や断熱性を付与することができない。
この点を考慮した本発明では、条件(II)、(III)にあるように、第2中空粒子層3に含まれる架橋中空粒子bは、一次粒子径が0.3μm以上0.5μm以下、かつ空隙率が30%以上35%以下に規定されている。架橋中空粒子bの一次粒子径や空隙率をこの範囲内とすることで、第2中空粒子層3に所望される耐熱性の役割を果たしつつ、第1中空粒子層2との相乗効果によって熱転写受像シートの断熱性やクッション性が更に向上する。また、印画前の受容層4の平滑性を担保しつつ、印画時に架橋中空粒子bの空隙が破壊された場合であっても、第2中空粒子層3の厚み差のバラツキによる受容層の平滑性の低下を抑えることができる。
なお、本発明では、架橋中空粒子bの空隙が破壊されてしまった場合であっても、架橋中空粒子bを含有する第2中空粒子層3が有する耐熱性によって第1中空粒子層2に含有される架橋中空粒子aの空隙の破壊を防止することができ、熱転写受像シート全体としての断熱性やクッション性は維持される。
上記(I)の条件とともに、一次粒子径や空隙率が上記範囲を満たす架橋中空粒子bとしては、例えば、JSR株式会社製の架橋中空粒子;SX866(B)等を挙げることができる。
また、架橋中空粒子bは、その熱分解温度が300℃以上であることが好ましい。熱分解温度が300℃の架橋中空粒子bを使用することで、第2中空粒子層3に優れた耐熱性を付与することができ、第1中空粒子層2に含有される架橋中空粒子aの空隙の破壊を効果的に防止することができる。
第2中空粒子層3の固形分総量に対し、架橋中空粒子bは30質量%以上70質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましく、40質量%以上60質量%以下の範囲内で含有されていることがより好ましい。
第2中空粒子層3の厚みについて特に限定はないが、第2中空粒子層3に充分な耐熱性を与えるという観点から、第2中空粒子層3の厚みは、5μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜15μmの範囲内であることがより好ましい。
第2中空粒子層3に含有されるバインダー樹脂については、上記第1中空粒子層2で説明したバインダー樹脂を適宜選択して使用することができ、ここでの説明は省略する。
また、架橋中空粒子bとバインダー樹脂は、その質量比が6:4〜4:6の範囲内であることが好ましい。架橋中空粒子bとバインダー樹脂の質量比をこの範囲内とすることで、耐熱性の効果を十分に発揮しつつ、良好な層形成が可能となる。
第2中空粒子層3は、上記で説明した架橋中空粒子bと、バインダー樹脂、必要に応じて添加される任意の成分を、水系の溶媒に分散あるいは溶解させた第2中空粒子層用塗工液を、第1中空粒子層2上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(受容層)
図1に示すように、第2中空粒子層3上には受容層4が設けられている。受容層4は本発明の熱転写受像シート10における必須の構成であり、この受容層上には、色材層を有する熱転写シートから熱転写法によって画像が形成される。受容層4を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
受容層4は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で1〜10g/m2程度である。
(アンカー層)
また、基材1として、例えば、コート紙を用い、該コート紙上に、水系の塗工液を用いて第1中空粒子層2を形成した場合には、コート紙が水を吸い、その結果、熱転写受像シート10にカールが発生する虞が生じうる。したがって、基材1が吸水性の高い基材であって、水系の塗工液を用いて第1中空粒子層2を形成する場合には、図1に示すように、基材1と第1中空粒子層2との間にアンカー層6を設けることが好ましい。
アンカー層6は、防水性を有するとの機能を奏すれば、その材料等について特に限定はなく、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等からなるものや、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単独重合体系エマルション、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−スチレン共重合体系エマルション、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−酢酸ビニル共重合体系エマルション、セメントフィラーエマルション等のエマルションからなるものを挙げることができる。
アンカー層6の厚さについても特に限定はないが、0.2g/m2〜10.0g/m2程度が好ましい。
(バリア層)
また、受容層4を形成するための受容層用塗工液中に溶剤等が含まれる場合には、第2中空粒子層3と受容層4との間に、耐溶剤性を有するバリア層(図示しない)を形成することが好ましい。バリア層を形成することで、第2中空粒子層3に含まれる架橋中空粒子bが、受容層4の溶剤によって破壊されることを防止することができる。
バリア層を構成する樹脂としては、ポリビニルピロリドン樹脂が好適である。以下、ポリビニルピロリドン樹脂を中心に説明するが、例えば、ポリビニルアルコール、アクリルエマルション、ポリオレフィン等のバリア層の樹脂として従来公知なものも使用可能である。ポリビニルピロリドン樹脂としては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−ピロリドン等のビニルピロリドンの単独重合体またはこれらの共重合体、さらには、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチルピロリドン、N−ビニル−3−ベンジルピロリドン等のピロリドン環に置換基を有するような誘導体を含むポリマー等を挙げることができる。
また、ポリビニルピロリドン樹脂は、フィッケンチャーの公式におけるK値で、30以上のものを使用することが好ましく、特に、K−15〜K−120のグレードのものが特に好ましい。この点を考慮すると、ポリビニルピロリドン樹脂は、その数平均分子量(Mw)が8000〜3000000の範囲内であることが好ましい。なお、ポリビニルピロリドンの数平均分子量(Mw)は、GPC/MALLS法により測定される平均分子量をいう。
また、本発明においては、ポリビニルピロリドン樹脂が架橋されてなる架橋ポリビニルピロリドンを特に好適に使用することができる。架橋ポリビニルピロリドン樹脂は、耐溶剤性、受容層との接着性に加え、耐熱性にも優れることから、高階調領域の印画、すなわち高エネルギー下での印画を行った場合に印画物に生じうる焦げの発生を防止することができる。
架橋ポリビニルピロリドン樹脂は、1分子中の全ての部分が架橋されたものであってもよく、部分的に架橋されたものであってもよい。本発明においては、1分子中で10〜70%の部分が、特には、1分子中で40%〜50%の部分が架橋されたものを好ましく用いることができる。架橋ポリビニルピロリドン樹脂は、市販品を使用することができ、例えば、VIVIPRINT540@polymerolymer(ISP INVESTMENTS INC社製)等を好ましく用いることができる。
架橋ポリビニルピロリドン樹脂は、直鎖状重合体のポリビニルピロリドン樹脂を、水素結合、イオン結合等で、例えばカルボキシル基含有化合物等と架橋させることで得ることができる。カルボキシル基含有化合物としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸共重合物等が挙げられる。なお、架橋に使用する化合物は、カルボキシル基含有化合物に限定されず、カルボキシル基以外の官能基を有する化合物であっても良い。例えば、架橋ポリビニルピロリドン樹脂として、特開2001−524998号公報に記載の方法で製造したものを用いることもできる。なお、本発明における好ましい架橋剤としては、メチレンビス−アクリルアミド(MBAA)及びピペラジン(PA)の反応物を挙げることができる。
また、バリア層は、上記で説明したポリビニルピロリドン樹脂、又は架橋ポリビニルピロリドン樹脂を単独で用いてもよく、これらを組合せて用いることもできる。
また、バリア層には、必要に応じて他の成分を含有させることができる。例えば、蛍光増白剤等の添加剤や、酸化チタン等の白色顔料を含有させることとしてもよい。また、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体等を混合して使用することもできる。
バリア層は、上記で説明したポリビニルピロリドン樹脂、架橋ポリビニルピロリドン樹脂の少なくとも一つの樹脂、あるいはバリア層の樹脂として従来公知の樹脂と、必要に応じて、その他の樹脂、添加剤を加えたものを、水、アルコール類の水系溶媒や有機溶剤に溶解または分散させた塗工液を調製し、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の塗工手段を用いて形成することができる。
バリア層の厚さについて特に限定はないが、乾燥時の塗布量が0.2g/m2未満である場合には、耐溶剤性や接着性が低下しやすくなる。したがって、この点を考慮すると、バリア層の厚さは、0.2g/m2〜5.0g/m2程度であることが好ましい。
(裏面層)
また、基材1の受容層4が設けられている側と反対側の面に裏面層(図示しない)を設けることとしてもよい。裏面層は、本発明の熱転写受像シートの用途等に応じて所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。なかでも本発明においては、裏面層として、熱転写受像シートの搬送性向上機能や、カール防止機能を有する裏面層を用いることが好ましい。
上記搬送性向上機能およびカール防止機能を示す裏面層を構成する材料としては、所望の搬送性やカール防止性を付与できる材料であれば特に限定されないが、通常、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等からなるバインダー樹脂中に、添加剤としてフィラーを加えたものが用いられる。
以上、本発明の熱転写受像シートについて詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。
(実施例1)
基材として、ユトリロコート186、大王製紙製を用意し、この基材上に、下記組成のアンカー層用塗工液を乾燥状態で1.0g/m2の厚さとなるように塗工しアンカー層を形成した。次いで、アンカー層上に、下記組成の第1中空粒子層用塗工液(1)を乾燥状態で8.0g/m2の厚さとなるように塗工し第1中空粒子層を形成した。次いで、第1中空粒子層上に、下記組成の第2中空粒子層用塗工液(1)を乾燥状態で3.0g/m2の厚さとなるように塗工し第2中空粒子層を形成した。次いで、第2中空粒子層上に、バリア層用塗工液を乾燥状態で1.0g/m2の厚さとなるように塗工しバリア層を形成した。最後に、バリア層上に、下記組成の受容層用塗工液を乾燥状態で4.0g/m2の厚さとなるように塗工し受容層を形成することで、実施例1の熱転写受像シートを得た。
<アンカー層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン290 東洋紡(株)製)
・トルエン 40部
・エチルメチルケトン 40部
<第1中空粒子層用塗工液(1)>
・架橋中空粒子(一次粒子径:1.1μm,空隙率:55%) 100部
(JSR株式会社製 SX8782(A)、固形分24%)
・アクリル酸エステル共重合体 22部
(日本ゼオン(株)製 SX1706A、固形分48%)
・水 7部
・イソプロピルアルコール 7部
<第2中空粒子層用塗工液(1)>
・架橋中空粒子(一次粒子径:0.5μm,空隙率35%) 100部
(JSR株式会社製 SX868(B)、固形分20%)
・アクリル酸エステル共重合体 28部
(日本ゼオン(株)製 SX1706A、固形分48%)
・水 9部
・イソプロピルアルコール 9部
<バリア層用塗工液>
・ポリビニルピロリドン樹脂 100部
(VIVIPRINT540@polymerolymer(ISP INVESTMENTS INC社製、固形分12%))
・イソプロピルアルコール 300部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 12部
(日信化学工業(株)製、商品名:ソルバインC)
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T)
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(信越化学工業(株)製、商品名:X−24−510T)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 55部
(実施例2)
第1中空粒子層用塗工液(1)を下記組成の第1中空粒子層用塗工液(2)に変更し、第2中空粒子層用塗工液(1)を下記組成の第2中空粒子層用塗工液(2)に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写受像シートを得た。
<第1中空粒子層用塗工液(2)>
・架橋中空粒子(一次粒子径:0.5μm,空隙率:35%) 100部
(JSR株式会社製 SX868(B)、固形分20%)
・アクリル酸エステル共重合体 18部
(日本ゼオン(株)製 SX1706A、固形分48%)
・水 9部
・イソプロピルアルコール 9部
<第2中空粒子層用塗工液(2)>
・架橋中空粒子(一次粒子径:0.3μm,空隙率30%) 100部
(JSR株式会社製 SX866(B)、固形分20%)
・アクリル酸エステル共重合体 28部
(日本ゼオン(株)製 SX1706A、固形分48%)
・水 9部
・イソプロピルアルコール 9部
(比較例1)
第1中空粒子層用塗工液(1)、第2中空粒子層用塗工液(1)を、それぞれ下記組成の中空粒子層用塗工液Aに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写受像シートを得た。
<中空粒子層用塗工液A>
・架橋中空粒子(一次粒子径:0.3μm,空隙率30%) 100部
(JSR株式会社製 SX866(B)、固形分20%)
・アクリル酸エステル共重合体 18部
(日本ゼオン(株)製 SX1706A、固形分48%)
・水 9部
・イソプロピルアルコール 9部
(比較例2)
第2中空粒子層用塗工液(1)を、下記組成の中空粒子層用塗工液Bに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写受像シートを得た。
<中空粒子層用塗工液B>
・非架橋中空粒子(一次粒子径:1.0μm,空隙率50%) 100部
(JSR株式会社製 SX8782(D)、固形分28%)
・アクリル酸エステル共重合体 38部
(日本ゼオン(株)製 SX1706A、固形分48%)
・水 9部
・イソプロピルアルコール 9部
(比較例3)
第1中空粒子層用塗工液(1)を下記組成の中空粒子層用塗工液Cに変更し、第2中空粒子層用塗工液(1)を上記組成の中空粒子層用塗工液Bに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写受像シートを得た。
<中空粒子層用塗工液C>
・非架橋中空粒子(一次粒子径:1.0μm,空隙率55%) 100部
(日本ゼオン株式会社製 HP−1055、固形分26.5%)
・アクリル酸エステル共重合体 24部
(日本ゼオン(株)製 SX1706A、固形分48%)
・水 10部
・イソプロピルアルコール 10部
<<発色感度評価>>
昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)と、インクリボン(メガピクセルIII用、アルテックエーディーエス(株)純正品)とを使用して、実施例1、2、比較例1〜3の熱転写受像シートに、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画し(印画速度:2.0msec/line)、11階調目(n=10)の印画部分を光学濃度計(グレタグマクベス社製spectrolino)(Ansi−A、D65))にて測定し、ブラックのOD値(光学的濃度)を示した。ブラックのOD値に基づいて以下の評価基準で発色感度の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
◎・・・ブラックの11階調のOD値が0.9以上
○・・・ブラックの11階調のOD値が0.8以上0.9未満
×・・・ブラックの11階調のOD値が0.8未満
<<コゲ評価>>
昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXEL III)にて、実施例1、2、比較例1〜3の熱転写受像シートに、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画し、光学濃度計(グレタグマクベス社製spectrolino)による光学反射濃度を測定した。次いで、最大エネルギーが印加されている部分(ODmax)の濃度と、その次に大きいエネルギーが印加されている部分の濃度とを比較した。この比較において、ODmaxの濃度が低下しているということは、バリア層の耐熱性が低くコゲが生じうる可能性があることを意味する。具体的には、以下の基準にてコゲの評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。なお、本評価でいうコゲの発生とは、実施例、比較例の熱転写受像シートと、熱転写シートとが熱融着をおこし、熱転写受像シート表面の荒れや凹凸が生ずることで、画像濃度にムラができることをいう。
<評価基準>
○・・・ODmaxで濃度が低下しておらずコゲが発生することはほとんどない。
△・・・ODmaxでやや濃度が低下しているがコゲが発生することはほとんどない。
×・・・ODmaxで濃度が低下しており、コゲが発生している。
<<エンボス評価>>
昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)と、インクリボン(メガピクセルIII用、アルテックエーディーエス(株)純正品)とを使用して、実施例1、2、比較例1〜3の熱転写受像シートに、自然画を印画し、高濃度部と低濃度部の境目の凹み具合を目視で確認し、以下の評価基準に基づいてエンボスの評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
○・・・高濃度部と低濃度部の境目に凹みが無く、気にならないレベル。
△・・・高濃度部と低濃度部の境目が若干凹んでいるレベル。
×・・・高濃度部と低濃度部の境目が明らかに凹んでおり、品質上NGのレベル。
Figure 2013059991
表1からも明らかなように、本発明の発明特定事項を全て充足する実施例1、2の熱転写受像シートによれば、発色感度、コゲ評価、エンボス評価の全てに優れていることがわかる。一方、第1中空粒子層に含まれる中空粒子の一次粒子径が、0.5μm未満である比較例1の熱転写受像シートでは、十分な断熱性を有しておらず、発色感度が著しく低下した。また、第2中空粒子層に含まれる中空粒子が、非架橋であるとともに、その一次粒子径が0.5μmよりも大きい比較例2、3の熱転写受像シートでは、第1中空粒子層に含まれる中空粒子の空隙の破壊を防止することができず、エンボス評価に劣る結果となった。
1…基材
2…第1中空粒子層
3…第2中空粒子層
4…受容層
6…アンカー層
10…熱転写受像シート

Claims (2)

  1. 基材上に、第1中空粒子層、第2中空粒子層、受容層をこの順で積層してなる熱転写受像シートにおいて、
    前記第1中空粒子層は、架橋中空粒子aとバインダー樹脂を含有し、
    前記第2中空粒子層は、架橋中空粒子bとバインダー樹脂を含有し、
    前記架橋中空粒子aは、一次粒子径が0.5μm以上1.1μm以下、かつ空隙率が30%以上の中空粒子であり、
    前記架橋中空粒子bは、一次粒子径が0.3μm以上0.5μm以下、かつ空隙率が30%以上35%以下の中空粒子であることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記架橋中空粒子aを構成する樹脂が、架橋スチレン−アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
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