JP2007152697A - 熱転写受容シート - Google Patents

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Abstract

【課題】特に染料熱転写プリンターに適し、高い印画濃度、良好な画像均一性等の受容シートとしての総合品質に優れた低コストの熱転写受容シートを提供する。
【解決手段】シート状支持体の少なくとも一面に、中間層、バリア層、および画像受容層が順次に形成された熱転写受容シートにおいて、前記中間層が、化学発泡剤を含有するポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いて溶融押出しラミネート法により形成され、かつバリア層が、樹脂含有塗工液を塗布、乾燥して設けられた熱転写受容シート。
【選択図】無し

Description

本発明は、熱転写シートと重ね合わせ、サーマルヘッドをデバイスとして、熱転写シートの色剤を熱転写することにより画像を形成するプリンターに使用する熱転写受容シート(以下、単に受容シートと称する)に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、サーマルプリンター、特に染料熱転写プリンターに適し、銀塩写真類似の高濃度で、画像均一性の優れた画像が得られる低コストの受容シートに関するものである。
近年サーマルプリンターの中でも特に、鮮明なフルカラー画像のプリントが可能な染料熱転写プリンターが注目されている。染料熱転写プリンターは、熱転写シート(以下、単にインクリボンと称する。)の染料を含む染料層と、受容シートの染料染着性樹脂を含む画像受容層(以下、単に受容層と称する。)と、を重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ、受容層上に転写して画像を形成するものである。インクリボンは、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、あるいはこれにブラックを加えた4色の染料層を有する。フルカラー画像は、インクリボンの各色の染料を受容シートに順に繰り返し転写することによって得られる。
コンピューターによるデジタル画像処理技術の発達により、記録画像の画質等は格段に向上し、熱転写方式はその市場を拡大している。またサーマルヘッドの温度制御技術の向上にともない、プリントシステムの高速、高感度化への要求が高まっている。そのためサーマルヘッド等の加熱デバイスの発熱量を、如何に効率よく画像形成に利用するかが重要な技術課題となっている。
受容シートは一般に、支持体とその表面に形成された受容層とから構成されている。受容シートの支持体としては、平滑性とクッション性を兼ね備えた表層基材として、熱可塑性樹脂に各種の顔料や非相溶性成分を混合した溶融樹脂組成物をシート状に成形し、延伸して空隙を形成して多孔質化した基材を用い、更に前記の基材と紙類等の芯材層とを貼り合わせた積層支持体等が提案させている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしこれらの多孔質基材は延伸時の残留応力が内在しており、画像記録時に表層基材が加熱されるため、残留応力が開放されて収縮変形が生じる。その結果受容シートにカールが生じ易く、商品品位を著しく低下させる場合があった。また、延伸多孔質化した基材は一般に高価であり、コスト高になる問題もある。
また、画像記録時の熱により収縮変形が発生しないように、紙を芯材層とし、表層基材としてポリオレフィン樹脂を無延伸状態で形成した樹脂シートとを積層した支持体も提案されている。(例えば、特許文献3、4参照。)この支持体はカールの発生は少ないが、表層材料中に空隙がないため、断熱性が不十分で熱効率が低く、画像濃度や画像均一性が劣ることや、また印画面にリボンシワが発生し易いこと等から、改善が求められていた。
また空隙を有する層として、紙支持体と受容層の間に有機系中空粒子を含有する中間層を設けた受容シートが開示されている(例えば、特許文献5−7参照。)。この受容シートは有機系中空粒子に起因する中間層の断熱性及びクッション性向上効果により、感度は改善される。しかし、一般に用いられている有機系中空粒子隔壁の重合体樹脂はガラス転移温度が低いため、耐熱性が劣り、受容シート製造時の熱や印画時のサーマルヘッドからの熱により、中空粒子が熱変形して潰れるため、印画時の濃度制御が難しく、また印画部が熱により凹み、印画物の外観を損なう場合等があった。そのため、現在の高速プリンターに用いると、十分な画像品質が得られ難いという問題があった。
さらに無機系中空粒子を含有する気泡シート構造体を溶融押出しラミネート方式で形成し、熱転写受容シートの支持体とすることも提案されている(例えば、特許文献8参照。)。しかしこの方法では無機系中空粒子の熱伝導率が高いため、得られる受容シートの断熱性が不足し、十分な記録濃度が得られないという問題や、また無機系中空粒子は概して大粒径であり、受容シートの平滑性が低いために良好な画質が得られ難い場合がある。
また紙を芯材層とし、発泡ポリオレフィン樹脂層を積層した写真印画紙用支持体が提案されている(例えば、特許文献9参照。)。しかしこの支持体を用いた熱転写受容紙は印画画像の染料移行による画像ニジミが大きく、保存性が劣る欠点がある。更に紙を芯材層とし、発泡樹脂層と無発泡樹脂層とを溶融押出し法によって順次に積層した支持体も開示されている(例えば、特許文献10参照。)。しかしこの支持体は、無発泡樹脂層を発泡樹脂層上に形成する際に発泡樹脂層が熱によって潰れるために、受容シートの感度が不十分であり、また無発泡樹脂層の染料移行防止効果が乏しく、画像ニジミが大きい欠点がある。
このように受容シートとしては各種構成のものが提案されているが、受容シートとしての総合品質を十分に満足する物がなく、改善が要求されていた。
特開昭61−197282号公報(第1頁) 特開昭62−198497号公報(第1頁) 特開平2−106397号公報(第1頁) 特開平3−184893号公報(第1頁) 特開昭63−87286号公報(第1−2頁) 特開平1−27996号公報(第1−3頁) 特開2002−200851号公報(第2−5頁) 特開2003−253036号公報(第2−4頁) 特開平3−62028号公報(第1頁) 特開平11−227343号公報(第2−3頁)
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、従来の受容シートが有する前述の問題点を解消し、特に染料熱転写プリンターに適し、高い印画濃度、良好な画像均一性等、受容シートとしての総合品質に優れた低コストの熱転写受容シートを提供しようとするものである。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)シート状支持体の少なくとも一面に、中間層、バリア層、および画像受容層が順次に形成された熱転写受容シートにおいて、前記中間層が、化学発泡剤を含有するポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いて溶融押出しラミネート法により形成され、かつバリア層が、樹脂含有塗工液を塗布、乾燥して設けられたことを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記化学発泡剤が、熱分解型化学発泡剤である(1)項に記載の熱転写受容シート。
(3)前記中間層の、密度が0.2〜0.8g/cmであり、かつ厚さが10〜90μmである(1)項または(2)項に記載の熱転写受容シート。
(4)前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂である(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(5)前記樹脂含有塗工液が、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂を主成分として含有する(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(6)前記バリア層が、さらに、粒子平均長径が0.1〜100μmであり、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が5〜5,000である膨潤性無機層状化合物を含有する(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
さらに、本発明は、以下の各発明を包含する。
(7)前記シート状支持体が、裏面側(画像受容層形成面の反対側)に熱可塑性樹脂を主成分とする裏面樹脂層を有する(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(8)前記シート状支持体の裏面上(画像受容層形成面の反対側)に、少なくとも高分子樹脂と、有機フィラー及び/又は無機フィラーとを含有する裏面層を設けた(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
本発明の受容シートは、熱転写プリンターにより、高濃度で、均一性の優れた画像が得られ、印画面にリボンしわの発生がなく、かつ受容シート内部の接着強度の良好な受容シートである。
本発明の受容シートは、シート状支持体上に少なくとも、化学発泡剤を含有するポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いて溶融押出しラミネート法により形成された中間層、樹脂含有塗工液を塗布、乾燥して形成されたバリア層、及び受容層が順次に積層された構成を有する。本発明の受容シートは、更に他の層を設けて必要性能を具備させることも勿論可能である。以下これらの層について詳細に説明する。
(シート状支持体)
本発明の受容シートに使用するシート状支持体としては、例えば、セルロースパルプを主成分とする紙類が使用される。紙類は熱収縮性が低く、断熱性が良好であり、受容紙としての風合いが良好であり、更に価格も安価であること等から好ましく使用される。中でも高平滑化のためにカレンダー等にて圧力を印加し、圧縮するなどして表面平滑性を改善した紙がより好ましい。また必要に応じて顔料を塗工した塗工層を有してもよい。具体的な紙類の例としては、上質紙、中質紙等の非塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙等の塗工紙、合成樹脂含浸紙、板紙等が挙げられる。
またポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどを主成分とした延伸フィルムや、ポリオレフィンやポリエステル樹脂を主成分とする各種の合成樹脂フィルム類、更にこれらの樹脂に非相溶性の樹脂や無機顔料を配合した溶融混合物を押出し機から押出し、更に延伸して空隙を発生させた単層構造または多層構造を有する多孔質延伸フィルム(例えば合成紙、多孔質ポリエステルフィルム)等、及びこれらの積層体等が挙げられる。更にこれらの合成樹脂フィルムと前記紙類とを公知の接着剤を使用して、積層貼着させた複合シート等も使用可能であり、このような複合シートでは、紙類側の面に後述の中間層を設けることが好ましい。
これらのシート状支持体の中でも、受容層が形成される側(表層側)に紙基材を含む構成が断熱性、あるいは受容紙としての風合い、価格等の面から特に好ましく用いられる。
本発明のシート状支持体は、裏面側(受容層形成面の反対側)に、熱可塑性樹脂を主成分とする裏面樹脂層を有してもよい。裏面樹脂層を設けることによって、得られる受容シートのカール発生を防止することが可能である。また、シート状支持体が主に紙基材の場合には、受容シートの耐水性向上に効果的である。
裏面樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ系樹脂、酢ビ系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の各種公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。また裏面樹脂層には、受容シートの白色度向上のために、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料を添加することも可能である。
シート状支持体の裏面樹脂層の形成には、公知の方法が使用可能であり、例えば、熱可塑性樹脂の押出ラミネートにより樹脂層を形成する方法、あるいは公知の接着剤を用いて、各種合成樹脂フィルムを積層する方法等が挙げられる。例えば、ポリオレフィン系樹脂等を主成分とする樹脂組成物を用いて溶融押出しラミネート法により裏面樹脂層を形成して、中間層等とのバランスを調整することにより、受容シート全体として表裏対称構造となり、カール防止に効果的である。
また本発明のシート状支持体としては、受容層が形成される第1の基材層、粘着剤層、離型剤層、第2の基材層を順次積層した複合積層体の構成でもよく、ラベルタイプ(いわゆる、ステッカー、シールタイプとも称される。)の構造を有する支持体も勿論使用可能である。
本発明で使用されるシート状支持体は50〜250μmの厚さを有することが好ましい。因みに、厚さが50μm未満であると、その機械的強度が不十分となり、且つそれから得られる受容シートの剛度が小さく、変形に対する反発力が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できない場合がある。また厚さが250μmを超えると、得られる受容シートの厚さが過大となるため、プリンターにおける受容シートの収容枚数の低下を招くことや、或いは所定の収容枚数を収容しようとすると、プリンターの容積増大を招きプリンターのコンパクト化を困難にする等の問題を生じることがある。
(中間層)
本発明においては、シート状支持体の少なくとも片面上に、直接あるいは下塗層を介して中間層を設ける。中間層は化学発泡剤を含有するポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いて溶融押出しラミネート法で形成される。この中間層は化学発泡剤の反応あるいは分解によって発生した気体に起因して形成された空隙を有するため、層として多孔質構造となり、受容シートの断熱性が向上し、印画エネルギーの熱効率が上昇するので、印画濃度が上昇し画質も改善される。また中間層の形成により、受容シートのクッション性が向上するので、プリンターヘッドやインクリボンの形状に対する受容シートの形状追従性及び密着性が向上し、低エネルギー状態でも受容層に対するプリンターヘッドからの熱効率が向上し、かつ印画画像の印画濃度を高め、画質を改善することができる。また高速プリンターの高エネルギー印加操作において、インクリボンに発生するリボンしわに起因する印画不良も同時に防止することができる。
中間層で使用されるポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(密度:約0.91〜約0.925g/cm)、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(密度:約0.925〜0.965g/cm)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸の共重合体を金属イオンで中和したいわゆるアイオノマー樹脂等のα−オレフィンの2種以上からなる共重合体及びこれらの混合物が挙げられ、各種の密度、メルトフローレート、分子量、分子量分布のものを単独あるいは2種以上を併用して使用できる。ポリオレフィン系樹脂のうちでもポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が好ましく使用され、よリ好ましくは断熱性、作業性、樹脂価格の安価な点から低密度ポリエチレンが特に好ましく使用される。
本発明に使用される化学発泡剤としては、反応型化学発泡剤及び熱分解型化学発泡剤が挙げられる。反応型化学発泡剤としては、反応により、炭酸ガス、水素等のガスを発生させるものであり、クエン酸、酒石酸、安息香酸などの有機酸と炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩とを組合せたもの、あるいはアルミニウム、マグネシウムなどの軽金属類と酸とを組合せたものなどが挙げられる。
本発明の中間層に使用される熱分解型化学発泡剤としては、加熱によって分解して窒素、酸素、炭酸ガス等のガスを発生するものであり、具体的には、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジアゾアミノベンゼン、アゾジイソブチロニトリル、ヒドラゾジカルボンアミド、ヒドラゾジカルボン酸イソプロピル、5−フェニルテトラゾール、トリヒドラジノトリアジン、アゾジカルボン酸バリウム、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。
これらの化学発泡剤のうちで、性能面、安定性、安全性、価格等の面から、熱分解型化学発泡剤が好ましく使用され、特にアゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウム等が一般的に用いられている。
また熱分解型化学発泡剤をポリオレフィン系樹脂中に含有させる方法としては、熱分解型化学発泡剤をポリオレフィン系樹脂中に最初から所望の組成比だけ含有させた所謂コンパウンドを作成するか、あるいは予めキャリアーレジンとしての樹脂に上記の熱分解型化学発泡剤を一定濃度に練り込んだ樹脂ペレット状の未発泡状態の発泡剤マスターバッチを作成し、それらを希釈樹脂で所定の割合に希釈混合した樹脂組成物を使用するのが通常である。
なお溶融押出しラミネート加工で使用する化学発泡剤が粉体の場合、樹脂ペレットと化学発泡剤が分離して発泡剤濃度を均一に保つことが困難になる場合が多いため、発泡剤マスターバッチを使用することで発泡剤の濃度を均一に保ち易くなる。これら発泡剤マスターバッチ中の熱分解型化学発泡剤の含有量は通常5〜50質量%である。例えば、ポリエチレン樹脂をキャリアーレジンとし、熱分解型化学発泡剤(例えばアゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等)を練り込んだ発泡剤マスターバッチが、例えば永和化成工業(株)からポリスレンEE−115,158,205,206,207等の商品名で市販されている。
本発明の中間層において、中間層形成用樹脂組成物中に含有される熱分解型化学発泡剤の含有量は、熱分解型化学発泡剤の発生ガス量にも影響されるが、中間層形成用樹脂組成物に対して0.05〜10質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜8質量%の範囲である。熱分解型化学発泡剤の含有量が0.05質量%未満の場合には、中間層の発泡倍率が低いため、中間層の密度が高くなり、断熱性、クッション性が十分に得られず、印画濃度、画像均一性が劣ることがある。また熱分解型化学発泡剤の含有量が10質量%を超えると、得られる中間層の強度が不足することがある。
中間層には本発明の効果を損なわない限り、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、無機微粒子、有機微粒子、着色顔料、蛍光剤、発泡助剤、気泡調整剤等各種の添加剤の1種あるいは2種以上が含有されていてもよい。例えば無機微粒子として、ルチル型またはアナターゼ型の二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、酸化防止剤として各種のヒンダードフェノール化合物、着色顔料としてコバルトブルー、群青、蛍光剤としてナフタレン系、スチルベン系化合物等が挙げられる。
本発明における中間層全体の密度は、0.2〜0.8g/cmであることが好ましく、よリ好ましくは0.25〜0.65g/cmである。中間層の密度が0.2g/cm未満の場合には中間層の強度が不十分となることがあり、一方中間層の密度が0.8g/cmを超えると空隙が少ないため、クッション性が不十分となることがある。中間層の密度は、使用する化学発泡剤の種類、単位質量当たりの発生ガス量、加熱温度、配合比率等を調節することで制御することが可能である。例えば、化学発泡剤の配合比率を増大させたり、発生ガス量の多い化学発泡剤を使用することにより、中間層の密度を小さくすることができる。
また中間層中における平均気泡径は、1〜100μmが好ましく、3〜80μmがより好ましく、さらに好ましくは5〜50μmである。平均気泡径が1μm未満では、中間層のクッション性が不十分であり、画質及びリボンしわ防止性が低下するおそれがある。また平均気泡径が100μmを超えると中間層の凹凸が大となり、受容シートの印画画質が低下することがある。
なお中間層における平均気泡径は未発泡状態の化学発泡剤粒子の平均粒子径、密度、単位質量当たりの発生ガス量、配合比率、発泡剤の加熱温度等の影響が大きい。これらの要素の中で化学発泡剤粒子の平均粒子径の影響が大であるので、分級した化学発泡剤粒子を使用することが好ましく、平均粒子径が0.1〜10μm、より好ましくは1〜6μmの化学発泡剤粒子を使用することが好ましい。
なお中間層における平均気泡径は中間層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めることができる。即ち断面写真の気泡部分をマーキングし、その気泡の像を画像解析処理装置PIAS−IV((株)ピアス製)を用いて画像処理を行い、気泡の形状を真円に換算した時の平均径を算出し、これを平均気泡径とした。
中間層が、断熱性やクッション性等の所望の性能を発揮するためには、中間層の厚さは10〜90μmが好ましく、よリ好ましくは20〜85μmである。中間層の厚さが10μm未満では断熱性、クッション性が不足し、感度及び画質向上効果が不十分となるおそれがある。また厚さが90μmを超えると、断熱性やクッション性の効果が飽和して、それ以上の性能が得られないことや、経済的にも不利となる。
本発明において中間層は単層でもよいし、2層以上を積層してもよい。2層以上を積層する場合には、受容層に最も近い中間層の密度が0.2〜0.8g/cmの範囲であることが好ましい。また2層以上の中間層を積層する場合には同種の樹脂を用いることが、各層間の接着性を向上させる点で好ましい。中間層の全ての樹脂がポリエチレン系樹脂であるのが特に好ましく、シート状支持体との密着性も良好で、比較的安価である。
本発明の中間層の形成工程において、押出しラミネーター中でポリオレフィン系樹脂が溶融状態にあり、ポリオレフィン系樹脂と共に使用される化学発泡剤の熱分解及び反応により発生した気体によって、該ポリオレフィン系樹脂はスポンジ状の形状となる。押出しラミネーターから吐出された上記の気泡を含有する溶融樹脂を、シート状支持体上に所定の厚さにラミネートして、シート状支持体上に中間層が形成される。また、中間層を形成する際の溶融押出し温度は220〜340℃の範囲であり、好ましくは280〜320℃である。なお上記溶融押出し温度は、ダイリップ下1mmの地点で熱電対を用いて測定した温度である。
(バリア層)
本発明のバリア層は、接着剤樹脂を主成分とする樹脂含有塗工液を、中間層上に塗布、乾燥して設けられ、バリア層上に受容層が形成される。一般に、受容層用塗工液の溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が使用されるため、バリア層は、受容層を所定の厚さで形成するための障壁、また画像のニジミ防止の障壁として有効である。
本発明のバリア層は、例えば溶融樹脂の押出しラミネートによりバリア層を形成する方法に比較して、より薄く均一に形成することが可能であり、また中間層に及ぼす熱量が少なく、発泡構造を含む中間層の変形や損傷を防止することができ、断熱性向上効果をより効率的に発揮することが可能となる。
バリア層に使用される樹脂としては、フィルム形成能に優れ、有機溶剤の浸透を防止し、弾力性、柔軟性のある樹脂が使用され、水溶性樹脂や水分散性樹脂等の水系樹脂が好ましく用いられる。例えば、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、エチレン−ビニルアルコール共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等の水溶性樹脂(水溶性高分子樹脂)が水溶液として使用される。
またスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル樹脂系ラテックス、メタアクリル酸エステル系共重合樹脂ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、ポリエステルポリウレタンアイオノマー、ポリエーテルポリウレタンアイオノマーなどの水分散性樹脂も使用することができる。
上記の樹脂の中でも、水溶性樹脂が好ましく使用される。また上記の樹脂は単独で使用しても、あるいは2種以上を併用して使用してもよい。
さらに、バリア層には各種の顔料が含有されてもよく、好ましくは膨潤性無機層状化合物が使用され、塗工用溶剤の浸透防止ばかりでなく、熱転写染着画像のニジミ防止等においても優れた効果が得られる。膨潤性無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物、粘土系鉱物(例えば合成マイカ、合成スメクタイト、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等)等を挙げることができる。
これら膨潤性無機層状化合物は天然品(粘土系鉱物)以外にも、合成品、加工処理品(例えばシランカップリング剤の表面処理品)のいずれであってもよく、合成膨潤性無機層状化合物として、例えば、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどの合成マイカ、或はナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイトなどの合成スメクタイトがより好ましく使用される。これらの中でもナトリウム四珪素雲母が特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものが得られる。
膨潤性無機層状化合物としては、そのアスペクト比が5〜5,000のものが好ましく用いられ、より好ましくは、アスペクト比が100〜5,000の範囲である。アスペクト比が5未満では、画像のニジミが生じることがあり、一方アスペクト比が5,000を超えると、画像の均一性が劣ることがある。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは膨潤性無機層状化合物の水中での粒子平均長径(例えばレーザー回折式粒度分布測定機、商品名:SALD2000、島津製作所製で測定。体積分布50%のメジアン径)であり、aは膨潤性無機層状化合物の厚みである。
膨潤性無機層状化合物の厚みaは、バリア層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めた値である。膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径は0.1〜100μmが好ましく、よリ好ましくは0.3〜50μmの範囲である。粒子平均長径が0.1μm未満になると、アスペクト比が小さくなると共に、中間層上に平行に敷き詰めることが困難になり、画像のニジミを完全には防止できない。粒子平均長径が100μmを超えて大きくなると、バリア層から膨潤性無機層状化合物が突出てしまい、バリア層の表面に凹凸が発生し、受容層表面の平滑度が低下して画質が悪化する。
またバリア層中には隠蔽性や白色性の付与、受容シートの質感を改良するために、無機顔料として、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、珪藻土、サチンホワイト等の白色無機顔料や蛍光染料等を含有させてもよい。
バリア層の固形分塗工量は0.5〜8g/mの範囲が好ましく、より好ましくは1〜7g/mである。因みにバリア層固形分塗工量が0.5g/m未満では、バリア層が中間層表面を完全に覆えないことがあり、受容層用塗工液の媒体である有機溶剤の浸透防止効果が不十分となることがある。一方バリア層固形分塗工量が8g/mを超えると、塗工効果が飽和して不経済であるばかりでなく、バリア層の厚さが過大となることによって中間層の断熱効果やクッション性が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがある。
(受容層)
本発明の受容シートにおいて、前記バリア層上に受容層が設けられる。受容層それ自体は既知の染料熱転写受容層であってもよい。受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料に対する親和性が高く、従って染料染着性の良好な樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
またプリントの際にサーマルヘッドでの加熱によって、受容層とインクリボンとが融着することを防止するために、受容層中に、架橋剤、離型剤、滑り剤等の1種以上が添加剤として配合されていることが好ましい。さらに必要に応じて、上記の受容層中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等の1種以上を添加してもよい。これらの添加剤は塗工前に受容層の形成成分と混合されてもよいし、また受容層とは別の塗被層として受容層の上及び/又は下に塗工されていてもよい。
受容層の形成は、染料染着性樹脂及び架橋剤、離型剤等の必要な添加剤等を、適宜、有機溶剤に溶解あるいは分散して受容層用塗工液を調製し、公知のコーターを使用して、バリア層上に、塗工、乾燥し、更に必要に応じて加熱キュアーして形成することができる。
受容層の固形分塗工量は1〜12g/m、より好ましくは2〜10g/mの範囲である。因みに受容層の固形分塗工量が1g/m未満では、受容層がバリア層表面を完全に覆うことができないことがあり、画質の低下を招くことや、サーマルヘッドでの加熱により、受容層とインクリボンとが接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方、固形分塗工量が12g/mを超えると、塗工効果が飽和して不経済であるばかりでなく、受容層の塗膜強度が不足したり、塗膜厚さが過大になることにより中間層の断熱効果が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがある。
(裏面層)
本発明の受容シートは、シート状支持体の裏面上(受容層形成面の反対側)に、高分子樹脂と、有機フィラー及び/又は無機フィラーとを主成分とする裏面層を設けてもよい。裏面層の形成により、裏面層とシート状支持体との接着強度向上、受容シートのプリント搬送性、受容層面への傷付き防止、受容層面と接触する裏面層への染料の移行防止性を向上させることが可能となる。裏面層に使用される高分子樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等、及びこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。また裏面層には、シート状支持体の裏面と裏面層との接着性を向上させるため、適宜ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤を含有してもよい。
裏面層は、有機または無機フィラーを摩擦係数調整剤として配合することが好ましい。有機フィラーとしては、ナイロンフィラー、セルロースフィラー、尿素樹脂フィラー、スチレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラー等を使用することができる。無機フィラーとしては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を使用することができる。
裏面層には、プリント搬送性の向上、静電気防止のために導電性高分子や導電性無機顔料等の導電剤が添加されていてもよい。導電性高分子としては、アニオン型、ノニオン型、カチオン型等の導電性高分子が用いられるが、その中でもカチオン型導電性高分子化合物(例えばポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等)が好ましく用いられる。
裏面層には必要に応じて離型剤、滑剤等の融着防止剤を含有してもよい。例えば離型剤としては、非変性及び変性シリコーンオイル、シリコーンブロック共重合体及びシリコーンゴム等のシリコーン系化合物、滑剤としてはリン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、フッ素化合物等が挙げられる。また従来公知の消泡剤、分散剤、有色顔料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等を適宜選択して使用してもよい。
裏面層の固形分塗工量は0.3〜10g/mの範囲内が好ましい。よリ好ましくは1〜8g/mである。裏面層固形分塗工量が0.3g/m未満であると受容シートが擦れた時の傷付き防止性が十分に発揮されず、また受容シートの走行性不良が発生するおそれがある。一方固形分塗工量が10g/mを超えると効果が飽和して不経済である。
(下塗層)
本発明の受容シートにおいては、シート状支持体と中間層との間に、シート状支持体と中間層との密着性を向上させるために、高分子樹脂を主成分とする下塗層を設けてもよい。下塗層に使用される高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂及びその変性樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を単独または混合して、更に必要に応じてポリイソシアネート等の反応性硬化剤、チタネート及び/又はシランカップリング剤等のカップリング剤を添加して1層または複層塗布して形成することができる。
下塗層の固形分塗工量は0.5〜20g/mの範囲が好ましい。固形分塗工量が0.5g/m未満では、下塗層の効果が得られないことがあり、固形分塗工量が20g/mを超えると効果が飽和して不経済となる。
また下塗層を設ける代わりにシート状支持体表面をコロナ処理、プラズマ処理等のイオン照射処理、紫外線、電子線等の放射線処理、溶剤処理、火炎処理等の表面処理を行うことで、シート状支持体と中間層との接着性を向上させることも可能である。
本発明においてバリア層、受容層、裏面層、及びその他の塗工層は、常法に従って形成され、各々、所要成分を含む塗工液を調製し、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リップコータ−、及びスライドビードコーターなど公知のコーターを使用して、シート状支持体上あるいは所定の塗工層上に塗工し、乾燥して形成することができる。
本発明において、各塗工層形成後のいずれかにおいてカレンダー処理を施してもよく、受容シート表面の凹凸を更に減少させ、平滑化する事が可能である。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置やニップ圧、ニップ数、金属ロールの表面温度等については特に限定されるものではないが、カレンダー処理を施す際の圧力条件は、0.5〜150MPaであることが好ましく、よリ好ましくは1〜100MPaである。温度条件としては、20〜150℃が好ましく、よリ好ましくは30〜120℃である。カレンダー装置としては、例えばスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等の一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り「%」及び「部」は、溶剤に関するものを除き、固形分の「質量%」及び「質量部」を示す。
実施例1
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中間層用樹脂組成物−1を中間層の厚さが40μmになるように押出しラミネートして中間層を形成した。
中間層用樹脂組成物−1
低密度ポリエチレン(商品名:ミラソンM10P、三井ポリオレフィン製、
密度0.917g/cm) 95部
熱分解型化学発泡剤含有マスターバッチ
(商品名:ポリスレンEE206、永和化成工業製) 5部
「バリア層及び受容層の形成」
次に上記中間層上に、下記組成のバリア層用塗工液−1を固形分塗工量が2g/mになるように塗工、乾燥してバリア層を形成し、更に上記バリア層上に、下記組成の受容層用塗工液−1を固形分塗工量が4g/mになるように塗工、乾燥して受容層を形成した。
バリア層用塗工液−1
膨潤性無機層状化合物(ナトリウム4珪素雲母、
粒子平均長径6.3μm、アスペクト比2700) 30部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA105、クラレ製) 50部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:L−1537、旭化成製) 20部
水 1100部
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商品名:タケネートD−140N、三井武田ケミカル製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
「裏面樹脂層の形成」
次に上記シート状支持体の中間層が設けられている側とは反対側の面に、下記組成の裏面樹脂層用樹脂組成物−1を裏面樹脂層の厚さが15μmになるように押出しラミネートして裏面樹脂層を形成した。
裏面樹脂層用樹脂組成物−1
低密度ポリエチレン(商品名:ミラソンM10P、三井ポリオレフィン製、
密度0.917g/cm) 100部
「裏面層の形成及び受容シートの形成」
更に上記裏面樹脂層上に、下記組成の裏面層用塗工液−1を固形分塗工量が3g/mになるように塗工、乾燥して裏面層を形成し、その後50℃で48時間エージングして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製) 40部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製) 20部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、神東塗料製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 20部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
実施例2
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用樹脂組成物−2を中間層の厚さが40μmになるように押出しラミネートして中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用樹脂組成物−2
低密度ポリエチレン(商品名:ミラソンM10P、三井ポリオレフィン製、
密度0.917g/cm) 92部
熱分解型化学発泡剤含有マスターバッチ
(商品名:ポリスレンEE206、永和化成工業製) 8部
実施例3
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用樹脂組成物−3を中間層の厚さが40μmになるように押出しラミネートして中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用樹脂組成物−3
低密度ポリエチレン(商品名:ミラソンM10P、三井ポリオレフィン製、
密度0.917g/cm) 99部
熱分解型化学発泡剤含有マスターバッチ
(商品名:ポリスレンEE206、永和化成工業製) 1部
実施例4
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用樹脂組成物−4を中間層の厚さが40μmになるように押出しラミネートして中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用樹脂組成物−4
低密度ポリエチレン(商品名:ミラソンM10P、三井ポリオレフィン製、
密度0.917g/cm) 90部
熱分解型化学発泡剤含有マスターバッチ
(商品名:ポリスレンEE205、永和化成工業製) 10部
実施例5
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用樹脂組成物−5を中間層の厚さが40μmになるように押出しラミネートして中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用樹脂組成物−5
低密度ポリエチレン
(商品名:LK50、三菱化学製、密度0.924g/cm) 95部
熱分解型化学発泡剤含有マスターバッチ
(商品名:ポリスレンEE206、永和化成工業製) 5部
実施例6
実施例1において、「中間層の形成」及び「裏面樹脂層の形成」を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ160μmのアート紙(商品名:OK金藤N、186g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に中間層用樹脂組成物−1(実施例1で調整)を中間層の厚さが20μmになるように押出しラミネートして中間層を形成した。
「裏面樹脂層の形成」
上記シート状支持体の中間層が設けられている側とは反対側の面に、裏面樹脂層用樹脂組成物−1(実施例1で調整)を裏面樹脂層の厚さが10μmになるように押出しラミネートして裏面樹脂層を形成した。
実施例7
実施例1において、「中間層の形成」及び「裏面樹脂層の形成」を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ131μmのアート紙(商品名:OK金藤N、157g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に中間層用樹脂組成物−1(実施例1で調整)を中間層の厚さが65μmになるように押出しラミネートして中間層を形成した。
「裏面樹脂層の形成」
上記シート状支持体の中間層が設けられている側とは反対側の面に、裏面樹脂層用樹脂組成物−1(実施例1で調整)を裏面樹脂層の厚さが20μmになるように押出しラミネートして裏面樹脂層を形成した。
比較例1
実施例1の「中間層の形成」において、下記組成の中間層用樹脂組成物−6を中間層の厚さが40μmになるように押出しラミネートして中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
中間層用樹脂組成物−6
低密度ポリエチレン(商品名:ミラソンM10P、三井ポリオレフィン製、
密度0.917g/cm ) 100部
比較例2
実施例1の「バリア層及び受容層の形成」を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
「バリア層及び受容層の形成」
実施例1で得られた中間層上に、下記組成のバリア層用樹脂組成物−2を、バリア層の厚さが10μmになるように押出しラミネートしてバリア層を形成した。更に上記バリア層上に前記の受容層用塗工液−1(実施例1で調整)を固形分塗工量が4g/mになるように塗工、乾燥し受容層を形成した。
バリア層用樹脂組成物−2
低密度ポリエチレン(商品名:ミラソンM10P、三井ポリオレフィン製、
密度0.917g/cm) 100部
評価
上記の各実施例及び比較例で得られた受容シートについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、得られた結果を表1に示す。
(1)印画品質(印画濃度、画像均一性)
市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクシートを用いて、各色のインク層面を順次に供試受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施す事により、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像をプリントした。
受容シートに転写された印加エネルギー別の記録画像について、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、Kollmorgen社製)を用いて、その反射濃度を測定した。印加エネルギーの低い方から15ステップ目に相当する高階調部の反射濃度を印画濃度として表1に表示した。印画濃度が2.0以上であれば実用に十分適する。
更に光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分の記録画像の均一性を、濃淡むら及び白抜けの有無について目視評価した。
評価結果の優秀なものを◎、良好なものを○、濃淡むら及び白抜けが若干ある物を△、濃淡むら及び白抜けの欠陥の著しいものを×と表示した。
(2)リボンしわ発生の有無
リボンしわ転写防止性の評価として、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上に、イエロー、マゼンタ、シアンの3色それぞれの昇華性染料をバインダーとともに含むインク層を設けたインクリボンを用いて、各色のインク層面を順次に受容シートに接触させ、市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を使用して、3色の色重ねによる黒べた画像を10枚連続的に印画し、印画面におけるリボンしわの発生状況を目視により観察して、下記基準により判断した。
印画面にリボンしわの発生が全くないものを◎、リボンしわの発生が殆ど無く実用上問題のないものを○、リボンしわの発生が多いものを△、リボンしわの発生が甚だしいものを×とした。
(3)受容シートの内部接着強度
受容シートの受容層面上に市販の粘着テープ(セロテープ(登録商標)、ニチバン社製、テープ巾18mm)を粘着させ、温度5℃、相対湿度10%の環境下で、粘着テープを180度剥離して目視により観察し、下記基準により受容シートの内部接着強度を評価した。
受容シート内部からの剥離がないものを○、受容シートの内部から剥離するものを×とした。
Figure 2007152697
本発明の受容シートは、特に染料熱転写プリンターに適し、高い印画濃度と良好な画像均一性を具備する画像が得られ、低コストで品質の優れた受容シートであり、実用的に極めて価値の高いものである。



Claims (6)

  1. シート状支持体の少なくとも一面に、中間層、バリア層、および画像受容層が順次に形成された熱転写受容シートにおいて、前記中間層が、化学発泡剤を含有するポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いて溶融押出しラミネート法により形成され、かつバリア層が、樹脂含有塗工液を塗布、乾燥して設けられたことを特徴とする熱転写受容シート。
  2. 前記化学発泡剤が、熱分解型化学発泡剤である請求項1に記載の熱転写受容シート。
  3. 前記中間層の、密度が0.2〜0.8g/cmであり、かつ厚さが10〜90μmである請求項1または2に記載の熱転写受容シート。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  5. 前記樹脂含有塗工液が、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂を主成分として含有する請求項1〜4のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  6. 前記バリア層が、さらに膨潤性無機層状化合物を含有し、前記膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径が0.1〜100μmであり、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が5〜5,000である膨潤性無機層状化合物を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の熱転写受容シート。



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* Cited by examiner, † Cited by third party
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