JP4345602B2 - 熱転写受容シート、その製造方法及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
この様な問題を解決するために、支持体として発泡フィルムを紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体(例えば、特開昭61−197282号公報(特許文献1)参照。)、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とし、ボイド(空隙)構造を含む2軸延伸フィルム(合成紙)を紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体等が提案されている(例えば、特開昭62−198497号公報(特許文献)2参照。)。これらの支持体を使用した受容シートは断熱性、平滑性に優れるが、紙のような質感が無いことやコスト高になる等の欠点がある。
(1)シート状支持体の少なくとも一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層を順次形成した熱転写受容シートの製造方法において、前記シート状支持体の少なくとも一面に、平均粒子径が0.5〜10μmで、かつ体積中空率が75〜95%である中空粒子を含有する中間層用塗工液を塗工、乾燥して前記中間層を設けた後、および/またはこの中間層上に前記画像受容層を設けた後に、加熱ロールとプレスロールからなる一対のロールのニップ部を通して平滑化処理工程を施し、当該熱転写受容シート表面の、マイクロトポグラフを用いて、印加圧力0.1MPa、加圧開始10m秒後に測定された印刷平滑度(Rp値)を、1.5μm以下とし、前記平滑化処理工程の後に、さらに引き続いて、加圧開放の状態で、熱転写受容シート表面を加熱ロールに接触させて加熱する、厚さ復元処理工程を有することを特徴とする熱転写受容シートの製造方法。
高感度、高画質の画像を得るために、受容シートとしては、印画時、十分にインクリボンと密着し、更にサーマルヘッドの形状に追従して変形し、サーマルヘッドからの熱を効率良く画像形成に利用する必要がある。従って、受容シートとしては、印画時の印加圧力下において受容シート表面の平滑性が高いことが要求される。
(シート状支持体)
本発明のシート状支持体としては、例えば(1)上質紙(酸性紙、中性紙等)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、キャスト塗被紙、少なくとも一方にポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙、合成樹脂含浸紙、エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、熱膨張性粒子を含有する発泡紙、板紙等のセルロースパルプを主成分とする紙類、あるいは(2)ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂を主成分としたプラスチックフィルム類、更にこれらの樹脂に非相溶性の樹脂や無機顔料を配合した溶融混合物を押出し機から押出し、更に延伸して空隙を発生させた単層構造または多層構造を有する多孔質延伸フィルム(例えば合成紙、多孔質ポリエステルフィルム)等、あるいはこれらのフィルム同士、又はこれらのフィルムと他のフィルム又は紙等とを積層貼着させた複合フィルム、等が適宜用いられる。
本発明のシート状支持体としては、受容層が形成される第1の基材層、粘着剤層、離型剤層、第2の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるステッカー、シールタイプの構造を有するシート状支持体も勿論使用可能である。
本発明においては、シート状支持体の少なくとも片面に中間層を形成する。中間層は、バインダー樹脂と中空粒子とを主成分として多孔質構造を有し、クッション性が高いため、シート状支持体として紙を使用した場合にも高感度の受容シートが得られる。中間層に中空粒子を含有させることにより、受容シートに適度の変形自由度を与え、プリンターヘッド形状及びインクリボン形状に対する受容シートの追従性及び密着性が向上するので、低エネルギー状態でも受容層に対するプリンターヘッドの熱効率が向上し、印画濃度を高め、画質を改善することができる。また高速プリンターの高エネルギー印加操作において、インクリボンに発生するリボンしわに起因する印画不良も同時に防止することができる。
(イ)熱膨張性物質を含む熱可塑性重合体材料を熱膨張させて製造された発泡中空粒子(以下「既発泡中空粒子」とも称する場合がある。)。
(ロ)重合体形成性材料をシェル形成性用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、前記気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子。
なお、本明細書記載の中空粒子の粒子径は、一般的な粒径測定装置を使用して測定可能であり、レーザー回折式粒度分布測定器(商品名:SALD2000、島津製作所製)を用いて測定した値である。
(1)メスフラスコを精秤する(W1)。
(2)メスフラスコにサンプル約0.5g入れ、精秤する(W2:メスフラスコ+サンプル)。
(3)IPAを標線まで加え、精秤する(W3:メスフラスコ+サンプル+IPA)。
(4)ブランクとしてメスフラスコにIPAを標線まで加え精秤する(W4)。
真比重、及び中空率は下記式により算出する。
真比重=A/B
但し A=(W2−W1)×{(W4−W1)/100}
B={(W4−W1)−(W3−W2)}
中空率(%)={1−1/(膜材の比重/真比重)}×100
本発明においては、必要により中間層上にバリア層を設けてもよく、このバリア層上に受容層が設けられる。このバリア層は、受容層用塗料の溶媒が概してトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤であり、有機溶剤浸透による中間層の中空粒子の膨潤、溶解による破壊を防ぐための障壁として有効である。また、中間層表面は中間層の中空粒子に起因する凹凸がある為、その上に設ける受容層も表面に凹凸を有することがあり、得られる画像はこの凹凸により、白抜けや濃淡ムラが多く、画像均一性や解像力に問題の生ずることがある。この不具合を改善する為に、柔軟性、弾力性のあるバインダー樹脂を含有するバリア層を設けることは画像品質向上に有効である。
本発明の受容シートにおいて、中間層上にあるいはバリア層を介して受容層が設けられる。受容層それ自体は既知の染料熱転写受容層であってもよい。受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料に対する親和性が高く、従って染料染着性の良い樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
本発明の受容シートは、シート状支持体の裏面(受容層が設けられる側とは反対側の面)に裏面層が設けられていてもよい。裏面層は接着剤として有効な樹脂を主成分とし、架橋剤、導電剤、融着防止剤、無機及び/又は有機顔料等を含んでいてもよい。
本発明の受容シートにおいては、支持体と中間層との間に、高分子樹脂を主成分とする下塗層を設けてもよい。この下塗層により、中間層用塗工液を支持体上に塗工しても、塗工液が支持体中に浸透することがなく、中間層を所望の厚さに形成することができる。この下塗層に使用される高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びその変性樹脂等が挙げられる。
シート状支持体の少なくとも一面に、(a)平均粒子径が0.5〜10μmで、かつ体積中空率が75〜95%である中空粒子を含有する中間層用塗工液を塗工、乾燥して中間層を設け後、および/または(b)この中間層上に画像受容層を設けた後に、(c)加熱ロールとプレスロールからなる一対のロールのニップ部を通して平滑化処理工程を施すことを特徴とし、受容シート表面の、マイクロトポグラフを用いて、印加圧力0.1MPa、加圧開始10m秒後に測定される印刷平滑度(Rp値)を、1.5μm以下に調整する。
さらに、前記中間層を設ける工程(a)の後に、中間層上に、さらにバリア層を設けるのが好ましく、バリア層上に受容層を設ける。シート状支持体の受容層が設けられていない側に、裏面層を設ける工程を有していてもよい。
現在市販されている昇華熱転写プリンターにおいて、インクリボンから受容シートの受容層に昇華染料が熱転写され、画像形成される際に、プリンターのサーマルヘッドとプラテンロール間の押し圧力により、受容シートに印加される圧力は0.1〜0.5MPa程度である。
本発明の受容シートは、印画物表面の強度を向上させるために、印画時及び/又は印画後に、受容シート表面に対して、1.0MPa以上の加圧処理を行うことが好ましく、1.5〜5MPaの加圧処理を行うのがより好ましい。
(1)通常条件での印画の後、ニップロール圧を調整して、受容シートに対して所定の加圧処理を行う。
(2)通常条件での印画の後、プラテンロールの押え圧を調整して、受容シートに対して所定の加圧、通紙処理を行う。
(3)印画方法が、イエロー、マゼンタ、シアンの3回転写処理である場合、最後のシアン転写時にプラテンロールの押え圧を調整して、受容シートに対して所定の加圧、転写処理を行う。
(4)印画方法が、イエロー、マゼンタ、シアン、透明保護層の4回転写処理である場合、最後の透明保護層転写時にプラテンロールの押え圧を調整して、受容シートに対して所定の加圧、転写処理を行う。
上記方式の選択は、装置のコスト、処理速度、制御の容易さなどを考慮して適宜行われる。
「裏面層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m2、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の裏面層用塗工液−1を乾燥後の固形分塗工量が3g/m2になるように塗工、乾燥して裏面層を形成した。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂
(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製) 40部
ポリアクリル酸エステル樹脂
(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製) 20部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、シントーファイン製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 20部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
次にシート状支持体の裏面層を設けた側と反対側の面上に、下記組成の中間層用塗工液−1を、乾燥後の膜厚が43μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成し、さらに表面の平滑化のためにカレンダー処理(ロール表面温度80℃、ニップ圧2.5MPa)を行った。
中間層用塗工液−1
ポリ塩化ビニリデン系既発泡中空粒子
(体積中空率93%、平均粒子径4μm、最大粒子径20μm) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 50部
水 200部
更に上記中間層上に、下記組成のバリア層用塗工液−1を固形分塗工量が2g/m2になるように塗工、乾燥してバリア層を形成し、このバリア層上に、下記組成の受容層用塗工液−1を固形分塗工量が5g/m2になるように塗工、乾燥し、その後50℃で48時間キュアーして受容層を形成し、受容シートを作成した。
バリア層用塗工液−1
ポリビニルアルコール(商品名:PVA420、クラレ製) 100部
水 1000部
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393,信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商品名:タケネートD−140N、武田薬品工業製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
「画像形成処理」
市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアンの3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンの各インク層を順次に受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施すことにより、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像をプリントした。得られた画像シートを1.5MPaに加圧した金属ロール(印画面に接触、直径30mm)とゴムロール(裏面に接触、直径30mm)の間を通過させた。
中間層の形成において、下記組成の中間層用塗工液−2を用い、乾燥後の膜厚が25μmになるように塗工、乾燥して、中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成し、印画後の受容シートに加圧処理を行った。
中間層用塗工液−2
アクリロニトリル及びアクリル酸エステルを主成分とする共重合体系既発泡中空粒子
(体積中空率79%、平均粒子径3.6μm、最大粒子径19μm) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 50部
水 200部
中間層の形成において、下記組成の中間層用塗工液−3を用い、乾燥後の膜厚が40μmになるように塗工、乾燥して、中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成し、印画後の受容シートに加圧処理を行った。
中間層用塗工液−3
アクリロニトリル及びアクリル酸エステルを主成分とする共重合体系既発泡中空粒子
(体積中空率79%、平均粒子径3.6μm、最大粒子径19μm) 55部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 30部
水 200部
中間層の形成において、下記組成の中間層用塗工液−4を用いて、乾燥後の膜厚が50μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成し、印画後の受容シートに加圧処理を行った。
中間層用塗工液−4
アクリロニトリル及びアクリル酸エステルを主成分とする共重合体系既発泡中空粒子
(体積中空率80%、平均粒子径8.0μm、最大粒子径25μm) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 50部
水 200部
中間層の形成において、下記組成の中間層用塗工液−5を用い、乾燥後の膜厚が65μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成し、印画後の受容シートに加圧処理を行った。
中間層用塗工液−5
アクリロニトリル及びアクリル酸エステルを主成分とする共重合体系既発泡中空粒子
(体積中空率88%、平均粒子径4.4μm、最大粒子径20μm) 55部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 30部
水 200部
中間層の形成において、下記組成の中間層用塗工液−6を用い、乾燥後の膜厚が33μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成し、印画後の受容シートに加圧処理を行った。
中間層用塗工液−6
アクリロニトリル及びアクリル酸エステルを主成分とする共重合体系既発泡中空粒子
(体積中空率77%、平均粒子径5.2μm、最大粒子径24μm) 45部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 40部
水 200部
実施例1と同様にして作成した受容シートを用いて、以下の方法で印画後、保護層の形成の際に加圧処理を行った。
「画像形成処理」
市販の熱転写ビデオプリンター(サーマルヘッド/プラテンロール圧0.8MPa)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアンの3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンの各インク層を順次に受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施すことにより、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像をプリントした。
得られた画像シートを、サーマルヘッドとプラテンロール間の圧力を4.5MPaに調整した後、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上に透明樹脂層を設けたシートを、受容シートに接触させ、サーマルヘッドで加熱を施すことにより、保護層を受容シートに熱転写させた。
実施例1と同様にして作成した受容シートを用いて、印画後、保護層の形成の際に、サーマルヘッドとプラテンロール間の圧力を元のまま(0.8MPa)で、保護層を受容シートに熱転写させた以外は、実施例7と同様に画像形成処理を行った。
「裏面層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m2、王子製紙製)を使用し、その片面に裏面層用塗工液−1(実施例1で調製)を
固形分塗工量が3g/m2になるように塗工、乾燥して裏面層を形成した。
「中間層の形成」
次にシート状支持体の裏面層を設けた側と反対側の面上に、中間層用塗工液−2(実施例2で調製)を、乾燥後の膜厚が53μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した。
「受容シートの作成」
更に上記中間層上に、バリア層用塗工液−1(実施例1で調製)を固形分塗工量が2g/m2になるように塗工、乾燥してバリア層を形成し、このバリア層上に、受容層用塗工液−1(実施例1で調製)を固形分塗工量が5g/m2になるように塗工、乾燥し、その後50℃で48時間キュアーして受容層を形成した。さらに表面の平滑化のためにカレンダー処理(ロール表面温度78℃、ニップ圧2.5MPa)を行い、受容シートを作成した。
「画像形成処理」
得られた受容シートを用いて、実施例7と同様に印画後、保護層の形成の際に加圧して画像形成処理を行った。
実施例9において「受容シートの作成」を以下のように変更して受容シートを形成した以外は実施例9と同様にして画像形成処理を行った。
「受容シートの作成」
実施例9の「裏面層の形成」及び「中間層の形成」で得られた、前記中間層上に、バリア層用塗工液−1(実施例1で調製)を固形分塗工量が2g/m2になるように塗工、乾燥してバリア層を形成し、このバリア層上に、受容層用塗工液−1(実施例1で調製)を固形分塗工量が5g/m2になるように塗工、乾燥し、その後50℃で48時間キュアーして受容層を形成した。さらに、受容層表面の平滑化のためにカレンダー処理(ロール表面温度78℃、ニップ圧2.5MPa)を行い、直ちに圧力開放下で、受容層面を表面温度78℃のロールに2秒間接触させて厚さ復元処理を行い、受容シートを得た。
「画像形成処理」
得られた受容シートを用いて、実施例7と同様に印画後、保護層の形成の際に加圧して画像形成処理を行った。
「裏面層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m2、王子製紙製)を使用し、その片面に裏面層用塗工液−1(実施例1で調製)を乾燥後の固形分塗工量が3g/m2になるように塗工、乾燥して裏面層を形成した。
「中間層の形成」
次にシート状支持体の裏面層を設けた側と反対側の面上に、中間層用塗工液−5(実施例5で調製)を、乾燥後の膜厚が65μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した。
「受容シートの作成」
更に上記中間層上に、バリア層用塗工液−1(実施例1で調製)を固形分塗工量が2g/m2になるように塗工、乾燥してバリア層を形成し、このバリア層上に、受容層用塗工液−1(実施例1で調製)を固形分塗工量が5g/m2になるように塗工、乾燥し、その後50℃で48時間キュアーして受容層を形成した。さらに、受容層表面の平滑化のためにカレンダー処理(ロール表面温度78℃、ニップ圧2.5MPa)を行い、直ちに圧力開放下で、受容層面を表面温度78℃のロールに2秒間接触させて厚さ復元処理を行い、受容シートを得た。
「画像形成処理」
得られた受容シートを用いて、実施例7と同様に印画後、保護層の形成の際に加圧して画像形成処理を行った。
中間層の形成において、下記組成の中間層用塗工液−7を用いて、乾燥後の膜厚が35μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成し、印画後の受容シートに加圧処理を行った。
中間層用塗工液−7
アクリロニトリル及びアクリル酸エステルを主成分とする共重合体系既発泡中空粒子
(体積中空率97%、平均粒子径4.4μm、最大粒子径20μm) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 50部
水 200部
中間層の形成において、下記組成の中間層用塗工液−8を用いて、乾燥後の膜厚が20μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成し、印画後の受容シートに加圧処理を行った。
中間層用塗工液−8
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 85部
水 200部
中間層の形成において、下記組成の中間層用塗工液−9を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成し、印画後の受容シートに加圧処理を行った。
中間層用塗工液−9
アクリロニトリル及びアクリル酸エステルを主成分とする共重合体系既発泡中空粒子
(体積中空率77%、平均粒子径15.0μm、最大粒子径35μm) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 50部
水 200部
中間層の形成において、下記組成の中間層用塗工液−10を用いて、乾燥後の膜厚が60μmになるように塗工、乾燥して中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成し、印画後の受容シートに加圧処理を行った。
中間層用塗工液−10
アクリロニトリル及びアクリル酸エステルを主成分とする共重合体系既発泡中空粒子
(体積中空率65%、平均粒子径5.2μm、最大粒子径24μm) 30部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 55部
水 200部
実施例4と同様にして受容シートを作成し、印画後の受容シートに加圧処理を行った。
但し、中間層の形成において、表面平滑化のためのカレンダー処理を行わなかった。
上記の各実施例及び比較例で得られた受容シートについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、得られた結果を表1に示す。
印刷平滑度試験機(マイクロトポグラフ、東洋精機製作所製)を使用して、印加圧力0.1MPaにおける加圧開始後10m秒後の印刷平滑度(Rp値)を測定した。
JIS K 7220(硬質発泡プラスチックの圧縮試験方法)に準じて、受容シートの圧縮弾性率を測定した。但し、試験片の高さ(厚さ)は供試受容シートの厚さ(約200μm)であった。また圧縮速度は20μm/minであった。
上記の各実施例及び比較例で得られた印画物を用い、受容シート上に転写された印加エネルギー別の記録画像について、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、Kollmorgen社製)を使用して、その反射濃度を測定した。印加エネルギーの低い方から15ステップ目に相当する高階調部の濃度を印画濃度として表1に表示した。
更に記録画像の均一性の評価として、光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分における、濃淡むら及び白抜けの有無等について目視観察した。
評価結果の優れたものを◎、良好なものを○、濃淡むら及び白抜けが若干認められるものを△、濃淡むら及び白抜けの欠陥の著しいものを×と表示した。
上記の各実施例及び比較例で得られた印画物の表面を、爪による引掻き傷跡のつき易さを目視評価した。評価結果の優れたものを◎、良好なものを○、傷跡が若干あるものを△、傷跡の著しいものを×と表示した。
Claims (2)
- シート状支持体の少なくとも一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層を順次形成した熱転写受容シートの製造方法において、前記シート状支持体の少なくとも一面に、平均粒子径が0.5〜10μmで、かつ体積中空率が75〜95%である中空粒子を含有する中間層用塗工液を塗工、乾燥して前記中間層を設けた後、および/またはこの中間層上に前記画像受容層を設けた後に、加熱ロールとプレスロールからなる一対のロールのニップ部を通して平滑化処理工程を施し、当該熱転写受容シート表面の、マイクロトポグラフを用いて、印加圧力0.1MPa、加圧開始10m秒後に測定された印刷平滑度(Rp値)を、1.5μm以下とし、前記平滑化処理工程の後に、さらに引き続いて、加圧開放の状態で、熱転写受容シート表面を加熱ロールに接触させて加熱する、厚さ復元処理工程を有することを特徴とする熱転写受容シートの製造方法。
- シート状支持体の少なくとも一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層を順次形成した熱転写受容シートにおいて、前記中空粒子の平均粒子径が0.5〜10μmで、かつ体積中空率が75〜95%であり、さらに前記熱転写受容シート表面の、マイクロトポグラフを用いて、印加圧力0.1MPa、加圧開始10m秒後に測定された印刷平滑度(Rp値)が、1.5μm以下であることを特徴とする熱転写受容シートを用いて、染料熱転写プリンターにより印画時および/または印画後に、熱転写受容シート表面に対して、1.0MPa以上の加圧処理を行う画像形成方法。
Priority Applications (1)
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