JP2005335174A - 熱転写受容シート、及びその製造方法 - Google Patents

熱転写受容シート、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】染料熱転写プリンターに適し、高濃度、高光沢で良好な画像均一性を有する画像が印画可能であり、かつ銀塩写真類似の質感を有する低コストの熱転写受容シート、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】セルロースパルプを主成分とするシート状支持体と、前記シート状支持体の少なくとも一面上に順次に積層された、中間層と画像受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記中間層が、中空粒子と、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す感温性高分子化合物とを含有する熱転写受容シート、及びその製造方法。
【選択図】なし




Description

本発明は、熱転写染料シートの染料を熱により画像受容層に転写し、画像を形成するプリンターに使用する熱転写受容シート(以下、単に受容シートと称する。)に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、サーマルプリンター、特に染料熱転写プリンターに適し、銀塩写真類似の高濃度、高光沢で、均一性に優れた画質を有する画像が得られる受容シート、及びその製造方法に関するものである。
近年サーマルプリンターの中でも特に、鮮明なフルカラー画像のプリントが可能な染料熱転写プリンターが注目されている。染料熱転写プリンターは、熱転写染料シート(以下、単にインクリボンと称する。)の染料を含む染料層と、受容シートの染料染着性樹脂を含む画像受容層(以下、単に受容層と称する。)とを重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ、受容層上に転写して画像を形成するものである。インクリボンは、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、あるいはこれにブラックを加えた4色の染料層を有する。フルカラー画像は、インクリボンの各色の染料を受容シートに順に繰り返し転写することによって得られる。
コンピューターによるデジタル画像処理技術の発達により、記録画像の画質等は格段に向上し、熱転写方式はその市場を拡大しているが、銀塩写真と同等の画質及び光沢感が求められている。またサーマルヘッドの温度制御技術の向上にともない、プリントシステムの高速、高感度化への要求が高まっている。そのためサーマルヘッド等の加熱デバイスの発熱量を、如何に効率よく画像形成に利用するかが重要な技術課題となっている。
受容シートは、一般に支持体とその表面に形成された受容層とから構成されている。支持体基材として、通常のフィルムを使用すると、平滑性に優れるものの、サーマルヘッドからの熱が基材に逃げて記録感度の不足を生じたり、また通常のフィルムでは十分なクッション性がないことから、インクリボンと受容シートとの密着性が不足して、濃度ムラ等が発生する。
この問題を解決するために、支持体として、発泡フィルムを紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体(例えば、特許文献1参照。)、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とし、ボイド(空隙)構造を含む2軸延伸フィルム(合成紙)を紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体等が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。これらの支持体を使用した受容シートは断熱性、平滑性に優れるが、プリンターでの搬送時及び印画時の熱及び圧力により、受容シートに凹みが生じて外観を損なう問題がある。また発泡フィルムは高価であり、受容シート全体の厚さを所定の厚さに制御する為には、厚い発泡フィルムを使用する必要があり、経済的に不利であるという問題や、得られる受容シートの質感が銀塩写真の印画紙とは異なるという問題もあった。
また受容シートの支持体基材として紙類を使用すると、サーマルヘッドからの熱が基材に逃げて記録感度が不足する問題がある。紙類はフィルムよりクッション性は若干よいものの、紙の繊維の疎密ムラに起因するインクリボンと受容層の密着ムラによって印画画像に濃淡ムラが発生する。
これらの問題を改善する為に、紙支持体と受容層の間に中空粒子を含有する中間層を設けた受容シートが開示されている(例えば、特許文献3,4参照。)。この受容シートは中空粒子を含有した中間層の断熱性、クッション性向上効果により、感度は改善されるが、中空粒子が中間層表面に露出することに起因して受容シート表面の凹凸が大きく、更に中間層上にバリア層や受容層等の塗被層を設けても、その凹凸は解消されず、サーマルヘッドとの接触むらが発生する為、画像均一性や光沢感が不十分であり、現在の高速プリンターによる印画では、十分な画像品質が得られ難い。
この問題を解決する為に、受容シート表面を平滑化して、画像均一性の向上及び高光沢化を図ることも考えられるが、平滑化するためには、一般的には受容シートに加圧処理を施す必要がある。しかし加圧により中間層に含有される中空粒子の変形・破壊を生じて、記録濃度の低下を招くおそれもある。
また受容シートの高光沢化の為には、受容層の塗工量増加、あるいはバリア層表面の高光沢化の方法も考えられるが、受容層の塗工量増大は、受容層製造工程における乾燥性悪化、印画濃度の低下を起し、また経済的にも不利であり好ましくない。またバリア層表面を高光沢化する為には、中空粒子に起因する凹凸のある中間層表面を完全に覆い、平坦な表面を形成する必要がある。そのために、バリア層の塗工量を増大させると、中間層の断熱性向上効果を阻害して、印画濃度の低下を引き起こし、好ましくない。
受容シートのクッション性を改善する為に、空隙を有さないポリオレフィン層と芯材層とを接着剤層を介して接着するに際して、接着剤層中にマイクロバルーンを含有するものが提案されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしマイクロバルーンは密度が低い為、接着剤中に均一に混合するのが困難であり、耐溶剤性に乏しい為、有機溶剤を含有する接着剤が使用できず、十分な接着強度が得られない問題があった。また受容シートのクッション性や感度向上のために、十分な空隙を与える量のマイクロバルーンを接着剤層に添加すると、接着剤層の接着強度が低下して、貼合支持体の接着強度が低下する問題や、接着剤層の端面からはみ出しの欠点があり、改善が求められている。
また紙を支持体基材とし、中空粒子含有層、受容層を順次に積層し、受容シート全体のクッション変形率を10〜30%とした受容シートが提案され、さらに耐溶剤性向上の観点から、中空粒子隔壁の材質が選択され、画像濃度、画像均一性、受容層表面の光沢度等の改善が行われている(例えば、特許文献6参照。)。しかし、中空粒子の材質の選択等では、受容層表面の光沢度向上には限界があり、再現性等の改善も必要とされている。
特開昭61−197282号公報(第1頁) 特開昭62−198497号公報(第1頁) 特開昭63−87286号公報(第1−2頁) 特開平1−27996号公報(第1−3頁) 特開平6−239040号公報(第2−4頁) 特開2002−200851号公報(第2−5頁)
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、従来の受容シートが有する前述の問題点を解消し、染料熱転写プリンターに適し、高濃度、高光沢で良好な画像均一性を有する画像が印画可能であり、かつ銀塩写真類似の質感を有する低コストの熱転写受容シート、及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体と、前記シート状支持体の少なくとも一面上に順次に積層された、中間層と画像受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記中間層が、中空粒子と、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す感温性高分子化合物とを含有することを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記感温性高分子化合物の感温点が、10〜35℃である(1)項に記載の熱転写受容シート。
(3)前記中空粒子の平均粒子径が0.5〜10μm、かつ体積中空率が50〜97%である(1)項又は(2)項に記載の熱転写受容シート。
(4)前記中間層と前記画像受容層との間に、さらに水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂を主成分とするバリア層を有する(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(5)前記バリア層が、さらに膨潤性無機層状化合物を含有し、該膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径が0.1〜100μmであり、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が5〜5000である(4)項に記載の熱転写受容シート。
(6)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の少なくとも一面上に、(a)中空粒子と、結着樹脂として感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す感温性高分子化合物とを含有する中間層用塗工液を、感温点より高い温度で塗工して、塗工層を形成する工程と、(b)該塗工層を感温点以下の温度に冷却して、増粘又はゲル化させる工程と、(c)増粘又はゲル化させた塗工層を、該塗工層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面仕上げの金属面に圧接・乾燥して、光沢性の付与された中間層を形成する工程と、(d)該中間層上に画像受容層を設ける工程とを有する、ことを特徴とする熱転写受容シートの製造方法。
(7)前記中間層を形成する工程(c)の後に、該中間層上にバリア層を設ける工程と、該バリア層上に画像受容層を設ける工程とを有する、(6)項に記載の熱転写受容シートの製造方法。
(8)前記加熱された鏡面仕上げの金属面の表面温度が、前記感温性高分子化合物のガラス転移温度(Tg)の±20℃以内の温度である(6)項又は(7)項に記載の熱転写受容シートの製造方法。
(9)前記増粘又はゲル化させた塗工層を、加熱された鏡面仕上げの金属面に圧接・乾燥する前に塗工層を予備乾燥するプレ乾燥工程を有する(6)項〜(8)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シートの製造方法。
本発明は、特に染料熱転写プリンターに適し、高濃度、高光沢で良好な画像均一性を有する画像が印画可能であり、かつ銀塩写真類似の質感を有する低コストの受容シート及びその製造方法であり、受容シートとして実用的に優れたものである。
本発明の受容シートは、セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の少なくとも一面上に、中空粒子と感温性高分子化合物とを含有する中間層、受容層が順次に積層された構成を有する。また受容シートに、更に下塗層、バリア層、裏面層等の塗被層を設けて受容シートとしての性能を向上させることも勿論可能である。以下これらの層について詳細に説明する。
(シート状支持体)
本発明の受容シートに使用するシート状支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙や合成樹脂フィルム等が使用される。例えば、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等の紙類、または、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどの合成樹脂を主成分とした延伸フィルムや、ポリオレフィンあるいはポリエステル樹脂を主成分とし、更にこれらの樹脂に非相溶性の樹脂及び/又は無機顔料を配合した溶融混合物を押出し機から押出し、更に延伸して空隙を発生させた単層構造または多層構造を有する多孔質延伸フィルム(例えば合成紙、多孔質ポリエステルフィルム)等の各種の合成樹脂フィルム類と紙類等とを積層貼着させた複合シート等が適宜用いられる。
これらの支持体のうちで、セルロースパルプを主成分とする紙類は熱収縮性が小さく、断熱性が良好であり、受容シートとしての風合いが良好であり、更に価格も安価であることから好ましく使用される。例えば広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹針葉樹混合パルプ等の木材パルプ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプ等通常使用されているパルプを抄造した紙、あるいは抄造後にカレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどして表面平滑性を改善した紙が好ましい。また必要に応じて顔料を塗工した塗工層を有してもよい。
特に好適な紙類の例としては、上質紙、中質紙等の非塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙等の塗工紙、原紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙、合成樹脂含浸紙、板紙等が挙げられる。また高平滑化の為にカレンダー処理を施すことも可能である。
本発明のシート状支持体としては、受容層が形成される第1の基材層、粘着剤層、離型剤層、第2の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるステッカー、シールタイプの構造を有する支持体も勿論使用可能である。
本発明で使用されるシート状支持体は50〜250μmの厚さを有することが好ましい。因みに、厚さが50μm未満であると、その機械的強度が不十分となり、且つそれから得られる受容シートの剛度が小さく、変形に対する反発力が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できない場合がある。また厚さが250μmを超えると、得られる受容シートの厚さが過大となるため、プリンターにおける受容シートの収容枚数の低下を招いたり、或いは所定の枚数を収容しようとするとプリンターの容積増大を招き、プリンターのコンパクト化を困難にする等の問題を生ずる。
(中間層)
本発明において、シート状支持体上に設けられる中間層は、中空粒子を含有することにより、受容シートの圧縮弾性率を低下させることができ、受容シートに適度の変形自由度を与え、サーマルヘッド形状及びインクリボン形状に対する受容シートの追従性、密着性等が向上するので、低エネルギー状態でも受容層に対するサーマルヘッドの熱効率が向上し、印画される画像の印画濃度を高め、画質を改善することができる。また高速プリンターの高エネルギー印加状態において、インクリボンに発生するリボンしわに起因する印画不良も同時に防止することができる。
(中空粒子)
本発明の中間層に用いられる中空粒子としては、重合体材料により形成されたシェルと、それにより包囲されている1個以上の中空(気孔)部とからなるものであり、その製造方法は格別の制限はないが、例えば下記のようにして製造されたものから選ぶことができる。
(イ)熱膨張性物質を含む熱可塑性重合体材料を加熱発泡させて製造された発泡中空粒子(以下単に、既発泡中空粒子と記す。)。
(ロ)重合体形成性材料をシェル形成用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子(以下単に、マイクロカプセル状中空粒子と記す。)。
本発明の中間層においては、既発泡中空粒子が好ましく使用される。既発泡中空粒子は、例えば熱膨張性物質として、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ネオペンタンのような揮発性低沸点炭化水素を熱可塑性重合体材料中に内包し、熱可塑性重合体材料として塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の単独重合体或いはこれらの共重合体等を、シェル(壁)材として用いて得られた粒子に予め加熱等の処理を施すことにより、所定の粒子径に熱膨張させ得られるものである。
また上記のような既発泡中空粒子は、一般に比重が小さいため、分散性等を向上させ、取扱い作業性改善を目的として、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン等の無機粉体を、熱融着により既発泡中空粒子表面に付着させ、表面が無機粉体により被覆されている既発泡複合中空粒子等も本発明に用いることができる。
また本発明の中間層で好ましく使用されるマイクロカプセル状の中空粒子は、マイクロカプセル形成重合法により得られ、重合体形成性材料(シェル形成材料)をシェル(壁)として、芯部に揮発性液体(気孔形成用材料)を含有するマイクロカプセルを乾燥して、気孔形成用材料を揮発逃散させ、中空芯部を形成させたものである。重合体形成性材料としては、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、メラミン樹脂等の硬い樹脂が好ましく使用され、揮発性液体としては、例えば水等が使用される。
本発明で使用される中空粒子(既発泡中空粒子、マイクロカプセル状中空粒子)の平均粒子径は0.5〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜9μmであり、最も好ましくは2〜8μmである。中空粒子の平均粒子径が0.5μm未満の場合には、中空粒子の体積中空率が概して低いため、受容シートの感度向上効果が十分に発揮されないことがある。また平均粒子径が10μmを超えると、得られる中間層面の平滑性が低下し、熱転写画像の均一性が不良となり、光沢発現性が不十分になることがある。
なお中空粒子の平均粒子径は、一般的な粒径測定装置を使用して測定可能であり、例えばレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:SALD2000、島津製作所製)等を用いて測定される。
本発明で使用される中空粒子(既発泡中空粒子、マイクロカプセル状中空粒子)の体積中空率は50〜97%が好ましく、より好ましくは55〜95%である。中空粒子の体積中空率が50%未満の場合には、受容シート全体の感度向上効果が十分に発揮されない。また体積中空率が97%を超えると、中間層の塗膜強度が低下し、中間層が傷付き易くなり、外観が悪化することがある。
なお中空粒子の体積中空率とは粒子体積に対する中空部分の体積の割合を示したものであり、具体的には中空粒子と貧溶媒からなる中空粒子分散液の比重、前記分散液における中空粒子の質量分率及び中空粒子のシェル(壁)を形成する重合体樹脂の真比重、及び貧溶媒の比重から求めることができる。なお貧溶媒とは中空粒子の壁を形成する樹脂を溶解及び/又は膨潤させない溶媒であり、例えば水、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
また中空粒子の平均粒子径や体積中空率については、例えば小角X線散乱測定装置(商品名:RU−200、リガク社製)等を用いて、中間層の断面写真から求めることも可能である。
本発明の中間層において、中間層全固形分に対する、中空粒子の質量比率は20〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜70質量%である。中空粒子の質量比率が20質量%未満では、受容シートの感度向上効果が不十分となることがあり、また中空粒子の質量比率が80質量%を超えると、中間層用塗工液の塗工性が悪化して、良好な塗工面が得られないことや、また中間層の塗膜強度が低下することがある。
(感温性高分子化合物)
本発明の中間層は中空粒子の結着樹脂として感温性高分子化合物を含有する。感温性高分子化合物とは、一定の温度以下の温度領域では親水性を示し、その一定の温度より高い温度領域では疎水性を示す温度応答性の高分子化合物を意味し、その親水性−疎水性が変化する温度を「感温点」という。ここで、「温度応答性」とは、親水性−疎水性の変化を示す性質を意味し、「親水性」とは、感温性高分子化合物と水とが共存する系において、感温性高分子化合物は水と相溶した状態の方が、相分離した状態よりも安定であることを意味し、「疎水性」とは、感温性高分子化合物と水とが共存する系において、感温性高分子化合物は、水と相分離した状態の方が、相溶した状態よりも安定であることを意味する。
親水性−疎水性の変化は、例えば、感温性高分子化合物と水とが共存する系の温度変化に伴う急激な粘度変化、あるいは感温性高分子化合物と水とが共存する系の透明性の急激な変化、感温性高分子化合物の水に対する溶解性の急激な変化として現れる。すなわち、感温性高分子化合物と水とが共存する系の温度を、感温性高分子化合物が疎水性を示す温度領域(感温点より高い温度)から徐々に低下させたときの粘度を測定して得られる温度−粘度曲線が急激に変化(増粘)する転移点として、感温点を求めることができる。あるいは、感温性高分子化合物が疎水性を示す温度領域(感温点より高い温度)において得られる感温性高分子化合物の水分散液を徐々に冷却したときに、該分散液が透明化あるいはゲル化し始める温度として、感温性高分子化合物の感温点を求めることができる。
本発明で使用される感温性高分子化合物の感温点は、10〜35℃であることが好ましく、更に好ましくは15〜30℃である。感温点が10℃未満であると、中間層用塗工液を塗工後、冷却して塗工層をゲル化する際の冷却効率が低下することがある。冷却効率が低下すると、塗工液がシート状支持体に浸透して、中間層中の感温性高分子化合物の量が減少し、ゲル化が不十分となり、また光沢性が低下する原因となることがある。また感温点が35℃を超えると、中間層用塗工液が塗工の際にゲル化してしまい、安定して中間層を形成することができなくなることがある。
また感温性高分子化合物のガラス転移温度(Tg)は、キャスト加工適性などの観点から50〜150℃が好ましく、得られる受容シートへの柔軟性付与の観点から80〜120℃が更に好ましい。Tgが50℃未満の場合には、乾燥の際に塗工層の成膜が進み過ぎ、また中間層がブロッキングを発生することがある。一方、Tgが150℃を超えると、成膜性が不十分となり、受容シートとして光沢性が低下することがある。
感温性高分子化合物は、中間層を形成する際に中間層用塗工液に、感温性高分子化合物を含む高分子ラテックスの形態で使用されることが好ましい。この高分子ラテックスは、含有する感温性高分子化合物の温度変化による親水性−疎水性の変化の影響によって急激に粘度変化を生じる温度(感温点)を有する。
本発明の感温性高分子化合物としては公知の材料が使用可能であり、特開平7−331224号公報、特開2003−40916号公報、特開2004−50785号公報等に開示されている。例えば、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の共存下に重合して得られる感温性高分子化合物が好ましく用いられる。この感温性高分子化合物は、具体的には、
(1)単独重合することによって該温度応答性(親水性−疎水性の変化)を呈する高分子化合物が得られるモノマー(主モノマー(M))の1種あるいは2種以上をポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の共存下で重合して得られる高分子化合物、あるいは、
(2)該主モノマー(M)と反応して高分子化合物を作ることができかつ単独重合によっては該温度応答性を呈する高分子化合物が得られないモノマー(副モノマー(N))と、主モノマー(M)とをポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の共存下で重合して得られる高分子化合物である。
副モノマー(N)を共重合成分に使用することによって、感温点や成膜性の異なる高分子化合物を得ることが可能となる。主モノマー(M)、副モノマー(N)、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体は各々1種あるいは2種以上のものを組み合わせて用いることも可能である。
感温性高分子化合物として、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の共存下に主モノマー(M)を、あるいは主モノマー(M)及び副モノマー(N)を重合して得られる高分子化合物を使用することによって、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体を共存しない条件下で同様にして得られる高分子化合物を使用した場合と比較して、成膜性、塗膜強度に優れた中間層を有する高光沢の受容シートが得られる。
本発明に用いるポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体は、特に限定されない。ポリビニルアルコールとしては、一般に完全鹸化型ポリビニルアルコールと呼ばれる鹸化度96〜100%のポリビニルアルコール、一般に部分鹸化型ポリビニルアルコールと呼ばれる鹸化度76〜95%のポリビニルアルコール等が挙げられる。
ポリビニルアルコール誘導体としてはシラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、メルカプト基含有ポリビニルアルコール、ケト基含有ポリビニルアルコール等が挙げられる。ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体は、1種を用いてもあるいは2種以上を併用して用いてもよい。該ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の重合度は、特に限定されないが、重合度300〜4000のものが好ましく用いられる。
主モノマー(M)と副モノマー(N)、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の使用割合は、得られる感温性高分子化合物が温度応答性を呈する範囲の中で決められ、感温性高分子化合物中のポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の含有率は該条件の範囲の中においては特に制限されないが中間層塗膜の耐水性の観点から、0.1〜50質量%が好ましく、更に好ましくは0.5〜20質量%である。
主モノマー(M)としては、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド誘導体(ここで、(メタ)アクリルとは、メタクリル又はアクリルを簡便に表記したものである)、ビニルメチルエーテルなどが挙げられ、具体的には例えば、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシエチル)−N−メチルアクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。成膜性の観点から、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリンが好ましい。
副モノマー(N)としては、親油性ビニル化合物、親水性ビニル化合物、イオン性ビニル化合物などが使用可能である。具体的には、親油性ビニル化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどが挙げられる。また親水性ビニル化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−メチル−5−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アクリロイルピロリジンなどが挙げられる。
イオン性ビニル化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル等のカルボン酸基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマーなどが挙げられる。これらの副モノマー(N)のうちで、特に、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドが好ましく用いられる。
また、本発明の感温性高分子化合物を用いて得られる中間層の成膜性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル等のカルボン酸基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマーなどのアニオン基含有モノマーを用いることは好ましく、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸基含有モノマーを用いることは好ましい。
主モノマー(M)と副モノマー(N)との共重合割合は、得られる共重合高分子化合物が一定の温度を境界にして親水性と疎水性が可逆的に変化する温度応答性を呈する範囲の中で決められる。即ち、副モノマー(N)の割合が過大であると得られる共重合高分子化合物が該温度応答性を示さなくなる。即ち、主モノマー(M)と副モノマー(N)の共重合割合は、用いるモノマー種の組み合わせに依存するが、得られる感温性高分子化合物中における副モノマー(N)の割合は50質量%以下が好ましい。更に好ましくは、30質量%以下である。また、副モノマー(N)の添加効果がより良く発現されるためには0.01質量%以上であることが好ましい。
中間層における感温性高分子化合物の配合量は、中間層全固形分に対し5〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜50質量%である。感温性高分子化合物の配合量が5質量%未満では、塗工液のゲル化が不十分となり、光沢性向上効果が十分に得られないことや、また中間層の塗膜強度が不十分となることがある。一方配合量が60質量%を超えると、得られる中間層の空隙が減少するため、十分な感度向上効果が得られないことがある。
(その他の成分)
中間層には、中間層の塗膜強度を高めるために、更に他の接着剤樹脂を配合することも可能である。接着剤樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、セルロース系樹脂及びその誘導体等の水溶性樹脂が成膜性、耐熱性の点から好ましく使用される。またスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス等の水分散性樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等、その他一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤樹脂が低粘度高固形分の水系樹脂として使用される。なお上記の水溶性樹脂と水系樹脂は単独あるいは2種以上を併用することも可能である。
中間層に上記の接着剤樹脂を配合する場合、その配合量は、感温性高分子化合物の配合量以下とするのが好ましい。接着剤樹脂の配合量が感温性高分子化合物の配合量を超えると、中間層を形成する際に、塗工層の増粘又はゲル化が不十分となり、光沢性向上効果が十分に得られない。
更に、中間層には、鏡面ドラム等からの離型性を付与する為に、離型剤を配合してもよい。離型剤としては、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ポリオレフィンワックス類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸アルカリ土類金属塩、レシチン、シリコーン系化合物、フッ素系化合物が挙げられる。これらの中でも高級脂肪酸アミドを含有すると、鏡面ドラムなどからの離型性を著しく向上させる効果を示す。
離型剤の配合量は、中間層全固形分に対して0.1〜30質量%、より好ましくは0.3〜20質量%の範囲で調節される。離型剤の配合量が0.1質量%未満であると、離型性改善の効果が十分に得られないことがあり、一方30質量%を超えると光沢が低下したり、中間層とその上に形成される塗被層との接着性が低下することがある。なお、離型剤は、中間層用塗工液中に含有させずに、鏡面ドラムに塗布して製造することもできる。
中間層は必要に応じて、消泡剤、着色剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防腐剤、分散剤、増粘剤、樹脂架橋剤等の各種助剤の1種あるいは2種以上を適宜選択して添加してもよい。
中間層が断熱性、クッション性、光沢性向上等の所望の性能を発揮する為の厚さは20〜90μmが好ましく、更に好ましくは25〜85μmである。中間層の厚さが20μm未満では断熱性、クッション性が不足し感度及び画質向上効果が不十分である。また厚さが90μmを超えると断熱性やクッション性の効果が飽和し、それ以上の性能が得られないことがあり、経済的にも不利となる。
また中間層の厚さは、中間層に含有される中空粒子平均粒子径の3倍以上の厚さであることが好ましく、更に好ましくは4倍以上の厚さである。中間層の厚さが、中間層に含有される中空粒子平均粒子径の3倍未満の厚さでは、粗大中空粒子が中間層面から突出し、画像均一性及び光沢性の低下を招くことがある。
(バリア層)
本発明において、中間層と受容層との間にバリア層が設けられることが好ましい。一般に、受容層用塗工液の溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が使用されるため、バリア層は、有機溶剤浸透による中間層の中空粒子の膨潤、溶解による、中空粒子の変形、破壊を防ぐための障壁として有効である。
バリア層に使用される樹脂としては、フィルム形成能に優れ、有機溶剤の浸透を防止し、弾力性、柔軟性のある樹脂が使用される。具体的には、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等の水溶性樹脂が使用される。またスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル樹脂系ラテックス、メタアクリル酸エステル系共重合樹脂ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、ポリエステルポリウレタンアイオノマー、ポリエーテルポリウレタンアイオノマーなどの水分散性樹脂も使用することができる。上記の樹脂の中でも、水溶性樹脂が好ましく使用される。また上記の樹脂は単独で使用しても、あるいは2種以上を併用して使用してもよい。
さらに、バリア層には各種の顔料が含有されてもよく、好ましくは膨潤性無機層状化合物が使用され、塗工用溶剤の浸透防止ばかりでなく、熱転写染着画像のニジミ防止等においても優れた効果が得られる。膨潤性無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物、粘土系鉱物(例えば合成マイカ、合成スメクタイト、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等)等を挙げることができる。
これら膨潤性無機層状化合物は天然品(粘土系鉱物)以外にも、合成品、加工処理品(例えばシランカップリング剤の表面処理品)のいずれであってもよく、合成膨潤性無機層状化合物として、例えば、フッ素金雲母(KMgAlSi10F、熔融法又は固相反応法)、カリウム四珪素雲母(KMg2.5Si10、熔融法)、ナトリウム四珪素雲母(NaMg2.5Si10、熔融法)、ナトリウムテニオライト(NaMgLiSi10、熔融法)、リチウムテニオライト(LiMgLiSi10、熔融法)などの合成マイカ、或はナトリウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)、水熱反応法又は熔融法)、リチウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)、水熱反応法又は熔融法)、サポナイト(Na0.33Mg2.67AlSi4.010(OH)、水熱反応法)などの合成スメクタイトがより好ましく使用される。これらの中でもナトリウム四珪素雲母が特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものが得られる。
膨潤性無機層状化合物としては、そのアスペクト比が5〜5,000のものが好ましく用いられ、より好ましくは、アスペクト比が100〜5,000の範囲であり、特に好ましくは500〜5,000の範囲である。アスペクト比が5未満では、画像のニジミが生じることがあり、一方アスペクト比が5,000を超えると、画像の均一性が劣ることがある。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは膨潤性無機層状化合物の水中での粒子平均長径(レーザー回折法で測定。堀場製作所製粒度分布計LA−910を使用、体積分布50%のメジアン径)であり、aは膨潤性無機層状化合物の厚みである。
膨潤性無機層状化合物の厚みaは、バリア層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めた値である。膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径は0.1〜100μmであり、0.3〜50μmが好ましく、0.5〜20μmがより好ましい。粒子平均長径が0.1μm未満になると、アスペクト比が小さくなると共に、中間層上に平行に敷き詰めることが困難になり、画像のニジミを完全には防止できないことがある。粒子平均長径が100μmを超えて大きくなると、バリア層から膨潤性無機層状化合物が突出てしまい、バリア層の表面に凹凸が発生し、受容層表面の平滑度が低下して画質が低下することがある。
またバリア層中には隠蔽性や白色性の付与、受容シートの質感を改良するために、無機顔料として、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、珪藻土、サチンホワイト等の白色無機顔料や蛍光染料等を含有させてもよい。
本発明のバリア層は、好ましくは水系塗工液を用いて形成される。水系塗工液は中空粒子の膨潤及び溶解を防ぐために、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール系溶剤、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、DMF、セロソルブ等の高沸点高極性系溶剤等の有機溶剤を含有しないことが好ましい。
バリア層の固形分塗工量は0.5〜8g/mの範囲が好ましく、より好ましくは1〜7g/mであり、特に好ましくは1〜6g/mである。因みにバリア層固形分塗工量が0.5g/m未満では、バリア層が中間層表面を完全に覆えないことがあり、有機溶剤の浸透防止効果が不十分となることがある。一方バリア層固形分塗工量が8g/mを超えると、塗工効果が飽和して不経済であるばかりでなく、バリア層の厚さが過大となることによって中間層の断熱効果やクッション性が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがある。
(受容層)
本発明の受容シートにおいて、前記中間層上に、直接あるいはバリア層を介して、受容層が設けられる。受容層それ自体は既知の染料熱転写受容層であってもよい。受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料に対する親和性が高く、従って染料染着性の良好な樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
またプリントの際にサーマルヘッドでの加熱によって、受容層とインクリボンとが融着することを防止するために、受容層中に、架橋剤、離型剤、滑り剤等の1種以上が添加剤として配合されていることが好ましい。さらに必要に応じて、上記の受容層中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等の1種以上を添加してもよい。これらの添加剤は塗工前に受容層の形成成分と混合されてもよいし、また受容層とは別の塗被層として受容層の上及び/又は下に塗工されていてもよい。
受容層の形成は、染料染着性樹脂及び離型剤等の必要な添加剤等を、適宜、有機溶剤に溶解あるいは分散して受容層用塗工液を調製し、公知のコーターを使用して、バリア層を設けたシート状支持体上に、塗工、乾燥後、必要に応じて加熱キュアーして形成することができる。
受容層の固形分塗工量は1〜12g/mが好ましく、より好ましくは3〜10g/mの範囲である。因みに受容層の固形分塗工量が1g/m未満では、受容層がバリア層表面を完全に覆うことができないことがあり、画質の低下を招いたり、サーマルヘッドでの加熱により、受容層とインクリボンとが接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方、固形分塗工量が12g/mを超えると、塗工効果が飽和して不経済であるばかりでなく、受容層の塗膜強度が不足したり、塗膜厚さが過大になることにより中間層の断熱効果が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがある。
(裏面層)
本発明の受容シートはシート状支持体の裏面(受容層が設けられる側とは反対側の面)に高分子樹脂を主成分とする裏面層が設けられていてもよい。この高分子樹脂は裏面層と支持体との接着強度向上、受容シートのプリント搬送性、受容層面の傷付き防止、受容層面と接触する裏面層への染料の移行防止に有効なものである。このような樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等、及びこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。また裏面層には、シート状支持体と裏面層との接着性を向上させるため、適宜ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤を含有してもよい。
裏面層は、有機または無機フィラーを摩擦係数調整剤として配合することが好ましい。有機フィラーとしては、ナイロンフィラー、セルロースフィラー、尿素樹脂フィラー、スチレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラー等を使用することができる。無機フィラーとしては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を用いることができる。
裏面層には、プリント搬送性の向上、静電気防止のために導電性高分子や導電性無機顔料等の導電剤が添加されていてもよい。導電性高分子として、カチオン型導電性高分子化合物(例えば、ポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等)が好ましく用いられる。
裏面層には必要に応じて離型剤、滑剤等の融着防止剤を含有してもよい。例えば、離型剤としては、非変性及び変性シリコーンオイル、シリコーンブロック共重合体及びシリコーンゴム等のシリコーン系化合物、滑剤としてはリン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、フッ素化合物等が挙げられる。また従来公知の消泡剤、分散剤、有色顔料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等を適宜選択して使用してもよい。
裏面層の固形分塗工量は0.3〜10g/mの範囲内にあることが好ましい。更に好ましくは1〜8g/mである。裏面層固形分塗工量が0.3g/m未満であると受容シートが擦れた時の傷付き防止性が十分に発揮されないことがあり、また受容シートの走行性不良が発生することがある。一方固形分塗工量が10g/mを超えると効果が飽和して不経済である。
(下塗層)
本発明の受容シートにおいては、支持体と中間層との間に、高分子樹脂を主成分とする下塗層を設けてもよい。この下塗層により、中間層用塗工液を支持体上に塗工しても、中間層用塗工液が支持体中に浸透することがなく、中間層を所望の厚さに形成することができる。この下塗層に使用される高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びその変性樹脂等が挙げられる。
本発明で支持体として、例えば紙基材を使用した場合には、水系の塗工液からなる下塗層を塗工すると、紙基材表面の吸水性のムラにより、紙基材にしわやうねりが発生して、質感や印画適性に悪影響が出る事がある。従って下塗層用塗工液は水系でなく、有機溶剤に高分子樹脂を溶解或いは分散させた塗工液を使用するのが好ましい。使用可能な有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、酢酸エチル等の一般的な有機溶剤をあげることができる。また下塗層には下塗層用塗工液自体の塗工性改善、支持体と中間層との密着性向上、受容シートの白色度向上のため、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料を添加してもよい。
下塗層の固形分塗工量は1〜20g/mの範囲が好ましく、更に好ましくは2〜17g/mである。固形分塗工量が1g/m未満では、下塗層の効果が得られないことがあり、固形分塗工量が20g/mを超えると効果が飽和して不経済となり、また受容シートの紙としての質感が失われるおそれがある。
本発明において、受容シートにカレンダー処理を施してもよく、受容層表面の凹凸を減少させ、平滑化する事も可能である。カレンダー処理は、バリア層あるいは受容層塗工後のいずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置やニップ圧、ニップ数、金属ロールの表面温度等については特に限定されるものではないが、カレンダー処理を施す際の圧力条件としては、0.5〜50MPaが好ましく、より好ましくは1〜30MPaである。温度条件としては室温から中空粒子が破壊されず、かつ中間層用結着樹脂のTg以上が好ましく、20〜150℃が好ましく、更に好ましくは30〜130℃である。カレンダー装置としては、例えばスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダー等の一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
本発明において、印画前受容シートの受容層表面の光沢度(白紙光沢度)は、JIS Z 8741に準拠する、入射角、受光角20度における光沢度(20度鏡面光沢度)が、40%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上である。20度鏡面光沢度が40%未満では、受容シートの光沢度が低く、受容層面が艶消し状態となり、高光沢受容シートとしては商品価値が劣り、好ましくない。
なお光沢度の測定方法には、各種の方法があるが、通常測定される60度鏡面光沢度は、20度鏡面光沢度よりも大きい値を示す。本発明で得られる受容シートにおいては、60度鏡面光沢度の値が70%を超える為、JIS Z 8741で推奨されている20度鏡面光沢度の測定を行った。
なお、受容シート全体の厚さは、100〜300μmが好ましい。この厚さが100μm未満であるとその機械的強度が不十分となり、かつ受容シートの剛度も不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できないことがある。また、厚さが300μmを超えると、プリンター中に収容可能な受容シートの枚数低下を招いたり、あるいは所定枚数を収容しようとすると受容シート収容部の容積増大が必要となり、プリンターのコンパクト化を困難にする等の問題が生じる。
(受容シートの製造方法)
本発明の第2の発明は、セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の少なくとも一面上に、
(a)中空粒子と、結着樹脂として感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す感温性高分子化合物とを含有する中間層用塗工液を、感温点より高い温度で塗工して、塗工層を形成する工程と、
(b)該塗工層を感温点以下の温度に冷却して、増粘又はゲル化させる工程と、
(c)増粘又はゲル化させた塗工層を、該塗工層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面仕上げの金属面に圧接・乾燥して、光沢性の付与された中間層を形成する工程と、
(d)該中間層上に受容層を設ける工程とを有する、ことを特徴とする熱転写受容シートの製造方法である。
本発明は、少なくとも前記(a)〜(d)の工程を有するものであり、好ましくは、前記中間層を形成する工程(c)の後に、該中間層上にバリア層を設ける工程と、該バリア層上に受容層を設ける工程とを有する。また、必要により前記工程(a)の前に、シート状支持体の少なくとも一面上に下塗層を設けた後に、中間層を設けてもよい。さらに、シート状支持体の受容層が設けられていない側に、裏面層を設ける工程を有してもよい。
本発明においては、シート状支持体、下塗層、中間層、バリア層、受容層及び裏面層を構成する材料は、第1の発明において説明した通りである。
シート状支持体上の片面に、必要に応じて設ける下塗層の形成は、各種公知公用の塗工装置が使用でき、シート状支持体上に、高分子樹脂を主成分とする下塗層用塗工液を塗工し、乾燥することにより行うことができる。下塗層の形成後、さらに、必要に応じてスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。
本発明は、中間層の形成において、中空粒子及び感温点を有する感温性高分子化合物を含有する中間層用塗工液を感温点より高い温度で塗工した後、該塗工層を感温点以下の温度に冷却して増粘あるいはゲル化させた後、キャスト仕上げすることが特徴の1つである。感温点より高い温度で塗工することにより、塗工液が増粘することなく、製造が容易となる。また、塗工後に感温点以下の温度にまで冷却することにより、キャスト仕上げを行うのに充分なゲル化が可能となり、キャスト仕上げによって、平滑性及び光沢性が良好な中間層面が得られる。
この中間層上に、例えばバリア層、受容層を設けた受容シートは、中間層の高断熱性・クッション性及び中間層表面の高平滑性、高光沢性に起因して、高濃度、高光沢で画像均一性の優れた画像が得られる受容シートとなる。
本発明に使用される感温性高分子化合物の合成については、例えば、感温性高分子化合物の感温点より高い温度領域において、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の共存下、上述したモノマーを用いて重合反応を行う。より具体的には、水に界面活性剤を溶解し、前記ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体と主モノマー(M)、副モノマー(N)等共重合モノマー成分を加えて乳化させ、ラジカル重合開始剤を加えて一括仕込みによる反応により乳化重合を行う方法のほか、連続滴下、分割添加などの方法により反応系に上記共重合成分や、ラジカル重合開始剤を反応系に供給する方法が挙げられる。
前記調製された感温性高分子エマルジョンと、中空粒子及び必要に応じてその他の成分とを混合することにより、中間層用塗工液が得られる。中間層用塗工液は、調整時及び調製後塗工するまでの間、感温点より高い温度に加熱あるいは保温されていることが好ましい。このような中間層用塗工液を使用して、塗工された塗工層は、未乾燥の状態、あるいは若干乾燥された状態で冷却される。冷却する方法としては、冷風機、クーリングロール、低温ガスなど、塗工面が冷却できる方法であれば、特に限定するものではない。冷却することにより、塗工層が増粘又はゲル化する。冷却は、塗工層が増粘又はゲル化する温度まで冷却すればよく、例えば、塗工層を、使用した感温性高分子化合物の感温点以下となるように冷却する。冷却効率を高めるために、中間層用塗工液を塗工する前のシート状支持体を、予め冷却しておくことも可能であり、好ましい形態である。
増粘又はゲル化状態の塗工層は、加熱された鏡面仕上げの金属ロール面に圧接・乾燥される。即ち、キャストドラムによりキャスト仕上げされて、中間層が形成される。キャスト仕上げの際の鏡面仕上げ金属ロール面の表面温度は、感温性高分子化合物のガラス転移温度(Tg)の±20℃以内の温度であることが好ましい。感温性高分子化合物のTgが、金属面の表面温度より20℃を超えて低い場合には、乾燥の際に中間層の成膜が進み過ぎ、中間層表面の多孔性が低下し、印画濃度の低下を招くことがある。また感温性高分子化合物のTgが、金属面の表面温度より20℃を超えて高い場合は成膜性が不十分となり、光沢性が低下することがある。
また、金属ロール面の表面温度は、80〜120℃であることが好ましい。金属面の表面温度が80℃未満の場合、乾燥効率が悪く、生産性が低下することがあり、120℃を超えると、塗工液が金属面上で突沸し、光沢性や印字適性が低下することがある。
キャストドラムを用いて、鏡面仕上げの金属面による塗工層の乾燥を行う際に、塗工層の乾燥が不十分となるおそれがある場合は、キャストドラムに圧接する前に、塗工層を予備乾燥するプレ乾燥を行ってもよい。また、キャストドラムで乾燥を行うのと同時に近赤外線乾燥機などによる補助乾燥を行ってもよく、後工程で更に乾燥を行ってもよい。
本発明では、従来の凝固型キャスト法とは異なり、ゲル化を行うための塗工を必要としないので、温度調節だけで均一なゲル化を行うことができ、乾燥効率が高く、中間層のひび割れも抑制可能である。
本発明において、下塗層、中間層、バリア層、受容層、及び裏面層等の塗工層は、常法に従って形成され、各々、所要成分を含む塗工液を調製し、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、スプレー、ダイコーター、カーテンコーター、リップコーター、及びスライドビードコーターなど公知のコーターを使用して、シート状支持体の所定の面上に塗工し、乾燥して形成することができる。
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、「%」および「部」は、特に断らない限り、溶剤に関する物を除き、固形分の「質量%」および「質量部」を示す。
(感温性高分子化合物の合成)
合成例1
攪拌器、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水50部を投入して反応容器内を80℃にした。次に界面活性剤(商品名:アデカリアソープSE1025N、旭電化工業製)の25%水溶液0.3部と過硫酸アンモニウムの2%水溶液0.5部を添加した。その5分後に、メタクリル酸メチル2部、アクリル酸ブチル5部、界面活性剤(商品名:アデカリアソープSE1025N)の25%水溶液0.8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液1部と水15部をホモジナイザーによりプレ乳化液としたものと、N−イソプロピルアクリルアミド30部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ製、ケン化度99モル%、重合度1700)1.5部を水120部に溶解した液とを反応容器に各々添加を開始し、4時間かけて添加を終了させた。添加中および添加終了後1時間、反応容器内液温を80℃に保った後、50℃で保存することによって樹脂固形分17%、50℃における数平均粒子径が120nmのエマルジョンを形成した感温性高分子化合物(A)を得た。この感温性高分子化合物(A)の感温点は30℃であり、またガラス転移温度は90℃であった
合成例2
攪拌器、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水50部を投入し反応容器内を80℃にした。次に界面活性剤(商品名:アデカリアソープSE1025N、旭電化工業製)の25%水溶液0.3部と過硫酸アンモニウムの2%水溶液0.5部を添加した。その5分後に、メタクリル酸メチル6部、アクリル酸ブチル4部、界面活性剤(商品名:アデカリアソープSE1025N)の25%水溶液0.8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液1部と水15部をホモジナイザーによりプレ乳化液としたものと、N−イソプロピルアクリルアミド35部、ダイアセトンアクリルアミド2部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ製、ケン化度99モル%、重合度1700)1.5部を水180部に溶解した液とを反応容器に各々添加を開始し、4時間かけて添加を終了させた。添加中および添加終了後1時間、反応容器内液温を80℃に保った後、50℃で保存することによって、樹脂固形分16%、50℃における数平均粒子径が110nmのエマルジョンを形成した感温性高分子化合物(B)を得た。この感温性高分子化合物(B)の感温点は22℃であり、またガラス転移温度は100℃であった
(受容シートの作成)
実施例1
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中間層用塗工液−1を、塗工液温度40℃で、中間層形成後の厚さが51μmになるように、グラビアコーターを用いて塗工し、続いて冷風機を用いて温度が20℃になるまで冷却し、該塗工液をゲル化させた。続いて塗工層が湿潤状態にある間に、表面温度90℃の鏡面ドラムに圧接・乾燥して、中間層を形成した。
中間層用塗工液−1
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子
(平均粒子径3.5μm、体積中空率70%) 60部
感温性高分子化合物(A)(合成例1、感温点:30℃、Tg:90℃) 25部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
ステアリン酸アミド 3部
水 200部
なお各材料を混合する際の温度は40℃とした。
「受容シートの形成」
更に上記中間層上に下記組成のバリア層用塗工液−1を固形分塗工量が2g/mになるように、塗工乾燥してバリア層を形成し、更に上記バリア層上に下記組成の受容層用塗工液−1を、固形分塗工量が5g/mになるように塗工乾燥し、その後50℃で48時間キュアーして受容層を形成した。
バリア層用塗工液−1
ポリビニルアルコール(商品名:PVA105、クラレ製) 100部
水 1100部
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商品名:タケネートD−140N、武田薬品工業製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
次にシート状支持体の受容層が設けられていない側の面に、下記組成の裏面層用塗工液−1を固形分塗工量が3g/mになるように、塗工乾燥して裏面層を形成して受容シートを得た。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製) 40部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製) 20部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、シントーファイン製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 20部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
実施例2
実施例1の中間層の形成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中間層用塗工液−2を、塗工液温度40℃で、中間層形成後の厚さが51μmになるように、グラビアコーターを用いて塗工し、続いて冷風機を用いて温度が10℃になるまで冷却し、該塗工液をゲル化させた。続いて塗工層が湿潤状態にある間に、表面温度100℃の鏡面ドラムに圧接・乾燥して、中間層を形成した。
中間層用塗工液−2
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子
(平均粒子径3.5μm、体積中空率70%) 60部
感温性高分子化合物(B)(合成例2、感温点:22℃、Tg:100℃) 25部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
ステアリン酸アミド 3部
水 200部
なお各材料を混合する際の温度は40℃とした。
実施例3
実施例1の中間層の形成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中間層用塗工液−3を、塗工液温度40℃で、中間層形成後の厚さが46μmになるように、グラビアコーターを用いて塗工し、続いて冷風機を用いて温度が10℃になるまで冷却し、該塗工液をゲル化させた。続いて塗工層が湿潤状態にある間に、表面温度100℃の鏡面ドラムに圧接・乾燥して、中間層を形成した。
中間層用塗工液−3
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子
(平均粒子径8.0μm、体積中空率70%) 75部
感温性高分子化合物(B)(合成例2、感温点:22℃、Tg:100℃) 15部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
ステアリン酸アミド 3部
水 200部
なお各材料を混合する際の温度は40℃とした。
実施例4
実施例1の中間層の形成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中間層用塗工液−4を、塗工液温度35℃で、中間層形成後の厚さが51μmになるように、グラビアコーターを用いて塗工し、続いて冷風機を用いて温度が15℃になるまで冷却し、該塗工液をゲル化させた。続いて塗工層が湿潤状態にある間に、表面温度100℃の鏡面ドラムに圧接・乾燥して、中間層を形成した。
中間層用塗工液−4
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子
(平均粒子径3.2μm、体積中空率85%) 50部
感温性高分子化合物(B)(合成例2、感温点:22℃、Tg:100℃) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
ステアリン酸アミド 3部
水 200部
なお各材料を混合する際の温度は40℃とした。
実施例5
実施例1の中間層の形成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の下塗層用塗工液−1を固形分塗工量が10g/mとなるように、グラビアコーターで塗工・乾燥して下塗層を形成した。
次いで上記下塗層面上に前記の中間層用塗工液−2を、塗工液温度40℃で、中間層形成後の厚さが51μmになるように、グラビアコーターを用いて塗工し、続いて冷風機を用いて温度が10℃になるまで冷却し、該塗工液をゲル化させた。続いて塗工層が湿潤状態にある間に、表面温度100℃の鏡面ドラムに圧接・乾燥して、中間層を形成した。
下塗層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン270、東洋紡製) 75部
沈降性硫酸バリウム(商品名:#100、堺化学製) 25部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比) 300部
比較例1
実施例2の中間層の形成において、中間層用塗工液−2の代わりに下記組成の中間層用塗工液−5を使用した以外は、実施例2と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−5
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子
(平均粒子径3.5μm、体積中空率70%) 60部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 40部
ステアリン酸アミド 3部
水 200部
なお各材料を混合する際の温度は40℃とした。
比較例2
実施例2の中間層の形成において、中間層用塗工液−2の代わりに下記組成の中間層用塗工液−6を使用し、中間層形成後の厚さが17μmとなるようにした以外は、実施例2と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−6
感温性高分子化合物(B)(合成例2、感温点:22℃、Tg:100℃) 25部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
ステアリン酸アミド 2部
水 100部
なお各材料を混合する際の温度は40℃とした。
評価
上記の各実施例及び比較例で得られた受容シートについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、得られた結果を表1に示す。
「印画品質」
市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンを順次に受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施す事により、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像をプリントした。
(印画濃度)
受容シートに転写された印加エネルギー別の記録画像について、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、Kollmorgen社製)を用いて、その反射濃度を測定した。印加エネルギーの低い方から15ステップ目に相当する高階調部の反射濃度を、印画濃度として表1に表示した。印画濃度が2.0以上であれば実用に十分適する。
(画像均一性)
前記記録画像の光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分の記録画像について、画像均一性として、濃淡むら及び白抜けの有無について目視評価した。
評価結果について、濃淡むら及び白抜けがなく画像の均一性が優れているものを○、濃淡むら及び白抜けが僅かにあるものを△、濃淡むら及び白抜けの欠陥の著しいものを×と表示した。
「白紙光沢度」
印画前受容シートの受容層表面の鏡面光沢度(白紙光沢度)は、JIS Z 8741に準拠して、入射角、受光角20度における光沢度を測定した。測定機器としては、村上色彩研究所製の光沢計GM−3Dを使用した。
なお光沢度の測定方法には、各種の条件があるが、各実施例で得られた受容シートの鏡面光沢度としては、通常測定される60度鏡面光沢度は70%を超えるため、20度鏡面光沢度を測定した。
Figure 2005335174
本発明の受容シートは、中空粒子と感温性高分子化合物とを含有する中間層を具備するので、特に染料熱転写プリンターに適し、高濃度、高光沢で良好な画像均一性を有する画像が印画可能であって、かつ銀塩写真類似の質感を有する低コストの受容シートであり、実用的に極めて価値の高いものである。

Claims (9)

  1. セルロースパルプを主成分とするシート状支持体と、前記シート状支持体の少なくとも一面上に順次に積層された、中間層と画像受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記中間層が、中空粒子と、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す感温性高分子化合物とを含有することを特徴とする熱転写受容シート。
  2. 前記感温性高分子化合物の感温点が、10〜35℃である請求項1に記載の熱転写受容シート。
  3. 前記中空粒子の平均粒子径が0.5〜10μm、かつ体積中空率が50〜97%である請求項1又は2に記載の熱転写受容シート。
  4. 前記中間層と前記画像受容層との間に、さらに水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂を主成分とするバリア層を有する請求項1〜3項のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  5. 前記バリア層が、さらに膨潤性無機層状化合物を含有し、該膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径が0.1〜100μmであり、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が5〜5000である請求項4に記載の熱転写受容シート。
  6. セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の少なくとも一面上に、(a)中空粒子と、結着樹脂として感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す感温性高分子化合物とを含有する中間層用塗工液を、感温点より高い温度で塗工して、塗工層を形成する工程と、(b)該塗工層を感温点以下の温度に冷却して、増粘又はゲル化させる工程と、(c)増粘又はゲル化させた塗工層を、該塗工層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面仕上げの金属面に圧接・乾燥して、光沢性の付与された中間層を形成する工程と、(d)該中間層上に画像受容層を設ける工程とを有する、ことを特徴とする熱転写受容シートの製造方法。
  7. 前記中間層を形成する工程(c)の後に、該中間層上にバリア層を設ける工程と、該バリア層上に画像受容層を設ける工程とを有する、請求項6に記載の熱転写受容シートの製造方法。
  8. 前記加熱された鏡面仕上げの金属面の表面温度が、前記感温性高分子化合物のガラス転移温度(Tg)の±20℃以内の温度である請求項6又は7に記載の熱転写受容シートの製造方法。
  9. 前記増粘又はゲル化させた塗工層を、加熱された鏡面仕上げの金属面に圧接・乾燥する前に、塗工層を予備乾燥するプレ乾燥工程を有する請求項6〜8のいずれかに記載の熱転写受容シートの製造方法。

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JP2011079328A (ja) * 2010-12-13 2011-04-21 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写受像シート及びその製造方法

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