JP3427549B2 - 溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法 - Google Patents

溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法

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JP3427549B2 JP03717095A JP3717095A JP3427549B2 JP 3427549 B2 JP3427549 B2 JP 3427549B2 JP 03717095 A JP03717095 A JP 03717095A JP 3717095 A JP3717095 A JP 3717095A JP 3427549 B2 JP3427549 B2 JP 3427549B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融転写型インク受像
シートおよびその製造方法に関するものである。更に詳
しく述べるならば、本発明は熱ヘッドを用いる溶融転写
型熱転写用プリンターに使用されたとき、記録濃度とと
もに階調再現性およびドット再現性が優れたプリントイ
ンク画像が得られる溶融転写型インク受像シートおよび
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱転写インクシートとサーマルヘッドと
を利用する熱溶融転写記録方式は、機構が簡単で保守が
容易なため、ワードプロセッサーやファクシミリ等のプ
リンターに広く用いられており、この記録方式用受像シ
ートとしては上質紙が使用されてきた。しかし近年、熱
転写記録のフルカラー化に伴い従来より高い階調再現性
を得るため、プリンターにおいてはひとつのドットの大
きさを変えずに階調を得る従来の方法から、各ドットの
大きさを変更するドット可変方式に移行している。また
受像シートにおいては、低い印加エネルギーから高い印
加エネルギーにわたるフルカラー記録において、溶融転
写されたインクのドット形状が忠実に再現されるドット
再現性に優れ、かつ充分な量のインクが転写され、記録
濃度が高いことが記録画像の重要な品質になっている。
【0003】上記のような熱転写画像のフルカラー化に
対して、受像シートの特性も適切に対応する必要が生じ
ている。すなわち、フルカラー熱溶融転写方式において
通常の印刷用の非塗工紙を用いると、断熱性の低さに起
因すると考えられる記録濃度の低下や、クッション性の
不足によるドット再現性不良が発生することがある。ま
た、その表面が粗すぎる場合には、インクが転写されな
い部分、すなわちヌケが発生したり、逆に表面が平滑す
ぎる場合には、インクの投錨効果が働かず、転写された
インクがインクリボンに逆転写してしまうということに
よるヌケが発生しやすくなる。これらはいずれもドット
再現性不良の原因となる。上記のようなドット再現性の
不良に起因する記録濃度の低下の他に、溶融インク受像
層のインク吸収性の低さに起因する記録濃度の低下も発
生することがある。
【0004】これらの問題を解決する試みとして、受像
シートのクッション性の向上のために、支持体上に中空
粒子を含有するアンダーコート層を設けることが提案さ
れている(特開平2−89690号、特開昭64−27
996号)。しかし、この方法でも得られる受像シート
のクッション性や断熱性が未だ不十分である。また、中
空粒子が受像層の有機溶媒などに溶解する場合には、耐
有機溶剤性の高分子を中空粒子の接着剤として使用する
か、あるいは中空粒子をふくむ層上に耐有機溶剤性の高
分子層を設けることが必要であり、この必要性は、受像
シートの製造工程を複雑にし、かつ高コスト化になると
いう問題がある。
【0005】上記問題を解決するための他の試みとして
は、プラスチックを主成分とするシート状支持体上に、
水中で溶出する成分を含んだ樹脂層を形成し、この樹脂
層から水溶性成分を溶出除去し、それによって受像シー
トのインク受容能力を向上させた例もあるが(特開平2
−41287号)、この場合十分な最高濃度が得られな
いか、あるいは印画像に光沢がないなどの欠点があり、
受像シートに対して高まりつつある要求品質を満足する
には至っていない。また、この受像シートはプラスチッ
クを主成分としているため資源のリサイクルが困難であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
欠点を解消し、熱転写カラープリンターに使用した場合
でもドット再現性、階調再現性およびカラー鮮明性が良
好で、記録濃度の高いインク画像記録が得られる溶融転
写型インク受像シートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、シート状の支持体上
に、機械的撹拌により形成された気泡を含有する樹脂含
有液を塗工し、乾燥して多数の微小気泡含有する多孔性
インク受容層を形成することにより、また、この多孔性
インク受容層の表面の平均気孔直径および密度を適正化
し、さらに、この多孔性インク受容層を有する受像シー
トの熱伝導率を一定値以下にコントロールすることによ
りまた、好ましくは、この多孔性インク受容層を有する
受像シートの厚さ方向に加圧して、圧縮変形させたとき
に生じる応力(以下、圧縮応力と記す)を一定値以下に
なるように適正化することにより、上記の問題を解決で
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明の溶融転写型インク受像シ
ートは、シート状支持体と、この支持体上の一面に形成
され、かつ多孔性樹脂含有皮膜からなる多孔性インク受
容層とを有し、前記多孔性インク受容層が、気泡含有樹
脂液を前記支持体上に塗工し、乾燥して形成されたもの
であり、かつその表面の平均気孔直径が0.5〜30μ
mの範囲にあり、かつ、前記シート状支持体と前記多孔
性インク受容層からなる積層体のレーザーフラッシュ法
により測定された熱拡散率から算出された熱伝導率〔但
し、前記熱伝導率は、前記積層体の試料の表面にルビー
レーザー光を照射し、前記積層体試料の裏面の温度上昇
を赤外線センサーにより追跡し、その温度が、照射直後
から最高値の2分の1に上昇するまでの時間t1/2
(秒)を測定し、下記式によって熱拡散率α(cm2
sec)を求め、 α=0.1388×L2/t1/2 (但し、上記式中Lは試料の厚さ(cm)を表す)この
熱拡散率αより、前記積層体試料の熱伝導率λを下記
式: λ=1.0×102 ×α×Cp ×ρ (但し、上記式において、Cp は前記積層体試料の比熱
(J/g・K)を表し、ρは前記積層体試料の密度(g
/cm3 )を表す)により算出する〕が0.25W/m
・K以下であり、かつ、前記多孔性インク受容層の見掛
けの密度が0.05〜0.5g/cm3 の範囲にあるこ
とを特徴とするものである。
【0009】また、前記多孔性インク受容層を、その厚
さ方向に対して加圧し、10%圧縮変形させたときに生
じる応力が10Kg/cm2以下であることが好まし
い。
【0010】さらに、本発明の溶融転写型インク受像シ
ートの製造方法は、樹脂含有液に機械的攪拌を施して、
多数の微細気泡を、発泡倍率(一定重量の塗料で比較し
た、発泡後の体積と発泡前の体積の比)が1倍を超え1
0倍以下になるように含有している気泡含有塗液を調製
し、この塗液をシート状支持体の一面上に塗工し、乾燥
して多孔性インク受容層を形成し、かつ前記多孔性イン
ク受容層の表面の平均気孔直径を0.5〜30μmの範
囲内にコントロールし、前記シート状支持体と前記多孔
性インク受容層からなる積層体の、レーザーフラッシュ
法により測定された熱拡散率から算出される熱伝導率を
0.25W/m・K以下にコントロールし、〔但し、前
記熱伝導率は、前記積層体の試料の表面にルビーレーザ
ー光を照射し、前記積層体試料の裏面の温度上昇を赤外
線センサーにより追跡し、その温度が、照射直後から最
高値の2分の1に上昇するまでの時間t1/2 (秒)を測
定し、下記式によって熱拡散率α(cm2/sec)を
求め、 α=0.1388×L2/t1/2 (但し、上記式中Lは試料の厚さ(cm)を表す)この
熱拡散率αより、前記積層体試料の熱伝導率λを下記
式: λ=1.0×102 ×α×Cp ×ρ (但し、上記式において、Cp は前記積層体試料の比熱
(J/g・K)を表し、ρは前記積層体試料の密度(g
/cm3 )を表す)により算出する〕さらに前記多孔性
インク受容層の見掛けの密度を0.05〜0.5g/c
3 の範囲内にコントロールすることを特徴とするもの
である。
【0011】
【作用】溶融熱転写プリンターによる記録において、樹
脂含有液を発泡倍率が1倍を超え、10倍以下となるよ
うに機械的攪拌を施すことによって、多数の微細気泡を
含有させた樹脂含有液を支持体上に、塗工し、乾燥して
得た、多孔性インク受容層の表面の平均気孔直径が0.
5〜30μmの範囲にあり、かつ、見掛けの密度が0.
05から0.5g/cm3 の範囲であり、前記シート状
支持体と多孔性インク受容層からなる積層体のレーザー
フラッシュ法により測定された熱拡散率から算出される
熱伝導率が0.25W/m・K以下であって、好ましく
は、その厚さを10%圧縮変形させたときに生じる応力
が10Kg/cm2以下である受像シートを用いると、
従来の熱転写型インク受像シートよりもドット再現性、
階調再現性およびカラー鮮明性が良好で高濃度記録が実
現できる。
【0012】本発明のシート状支持体上に形成される多
孔性インク受容層は、樹脂または樹脂および顔料を主成
分として含むものである。このような多孔性インク受容
層は、樹脂、または樹脂と顔料との混合物を含む液状物
に、機械的攪拌を施してこれに微小な多数の気泡を分散
含有させ、この気泡含有樹脂含有液を支持体上に塗工し
て形成することができる。
【0013】本発明において多孔性インク受容層の形成
に用いられる樹脂としては、例えば、種々の分子量およ
びケン化度のポリビニルアルコールおよびその誘導体、
デンプン、デンプンの誘導体(例えば酸化デンプン、カ
チオン化デンプンのような各種化工デンプン)、メトキ
シセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセ
ルロース、およびエチルセルロース等のセルロース誘導
体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ア
クリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリ
ル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアル
カリ塩、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリエ
チレングリコール等の水溶性樹脂、並びに、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリル
酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブ
チルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ニトリル
ーブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテッ
クス等の水分散型樹脂さらには、ニカワ、カゼイン、大
豆タンパク、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム等を用い
ることができるが、これらに限定されるものではない。
これらの樹脂は必要に応じて、単独または2種類以上混
合して使用することができる。
【0014】本発明において、多孔性インク受容層に含
ませることができる顔料としては、例えば酸化亜鉛、酸
化チタン、炭酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、クレー、タ
ルク、マイカ、焼成クレー、水酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、リトポン、コロイダルシリカ等の無機顔料、
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキ
シ樹脂、スチレン−アクリル共重合体等の真球、中空あ
るいは、さまざまな形状に加工されたタイプのプラスチ
ックピグメントと称される有機顔料やデンプン粉末、セ
ルロース粉末等を用いることができるが、これらに限定
されるものではない。また、これらの顔料は必要に応じ
て単独にまたは2種以上混合して使用することができ
る。
【0015】なお、良好な溶融熱転写画像を得るための
前記の樹脂と顔料との配合比としては、樹脂の固形分1
00重量部に対して、顔料が0から900重量部の範囲
にあることが好ましい。顔料配合部数がこの範囲を超え
ると、必要な多孔性塗膜強度が得られず、画像形成に際
して塗膜が剥離するなどのトラブルを発生し、良好な画
像が得られないことが多い。
【0016】気泡形成前の樹脂あるいは樹脂および顔料
の混合物を含む液状物中には、必要に応じて公知の粘度
調節剤、分散剤、染色剤、耐水化剤、潤滑剤、架橋剤、
可塑剤などを添加することができる。
【0017】シート状支持体上の多孔性インク受容層の
塗工量は、支持体の一面上の1m2当たりの乾燥重量が
2から40g(2〜40g/m2) の範囲にあるように
するのが好ましい。塗工量が2g/m2より少ない場合
には、支持体の表面の粗さを充分に被覆するのが困難に
なることが多く、適正な平滑性を持った表面の受像シー
トが得られなかったり、充分な断熱性や圧縮変形性が得
られないことがある。一方それが40g/m2 を越える
ような場合は、多孔性インク受容層の厚さが過大とな
り、多孔性インク受容層内の結合強度が低下して、画像
を形成した際にこのインク受容層が剥離するなどのトラ
ブルを発生し、良好な画像が形成できないこともある。
従って、多孔性インク受容層の塗工量の適正化は、樹脂
含有液組成の適正化と同様に充分な注意を払うのは当然
である。
【0018】本発明において多孔性インク受容層は、前
記の樹脂液、あるいは樹脂および顔料を主成分として含
む混合物液に多数の微細気泡を含有させ、これをシート
状支持体上に塗工し、乾燥することによって得ることが
できるが、気泡を形成、含有させる方法や設備、および
塗工方法には特に厳格な制限はない。また気泡含有樹脂
含有液の気泡含有状態にも特に制限はないが、好ましく
は気泡含有液の原液に対する体積比(以下発泡倍率と記
す)が1倍を超え10倍以下であることが好ましく、よ
り好ましくは1倍を超え5倍以下である。すなわち発泡
倍率は気泡含有樹脂含有液中の気泡含有率を示す尺度で
あり、発泡倍率が大きくなることは気泡を構成する樹脂
膜(壁)の厚さが薄くなることを意味している。また、
同じ発泡倍率である場合には、発泡前の樹脂含有混合液
の固形分濃度が低いほど、樹脂膜が薄くなることを意味
している。このように、樹脂膜が薄くなると、得られる
多孔性インク受容層の強度を十分なレベルに維持するこ
とが困難になることがあり、この点において、発泡倍率
と樹脂含有混合液の固形分濃度や組成とのバランスには
十分な注意を払うべきである。
【0019】また、本発明における、すぐれた溶融イン
ク転写性能の発現メカニズムは、多孔性インク受容層お
よび受像シートの構造的特性、断熱性、圧縮特性等の物
理的特性が関与しているものと考えられる。構造特性の
面においては、支持体上に形成された本多孔性インク受
容層の表面には微細な孔が多数存在するために、毛細管
力による溶融インクの吸収性があること、さらには多孔
性インク受容層内に含有されている多数の気孔が相互に
連通している(連続気泡を構成している)ので、多孔性
インク受容層内への溶融インクの浸透性が良好となっ
て、高いインク受容能力を発現すると考えられる。
【0020】この点において、受像シート上に形成され
た多孔性インク受容層の表面の気孔の大きさは重要であ
る。すなわち、溶融インクを転写したとき、良好な画像
を本発明の受像シート上に形成するには、多孔性インク
受容層の表面の平均気孔直径が0.5から30μmの範
囲にあることが好ましく、0.5から20μmの範囲に
あればさらに好ましい結果を与える。気孔直径は、その
サイズ(大きさ)に起因する毛細管現象により溶融イン
クを捕獲する能力と関係しており、気孔が小さいほどそ
の能力は大きい。しかし気孔のサイズが過大になると、
気孔内に転写インクが埋没したり、インクリボンと多孔
性インク受容層表面との良好な接触を阻害するために転
写不良あるいは転写むらの原因となり、またドット再現
不良を起こして良好な画像が形成できなくなる。なお、
多孔性インク受容層表面の気孔直径は、光学顕微鏡もし
くは走査型電子顕微鏡写真と画像解析装置を用いて、計
測することが可能である。
【0021】また、気孔の大きさは、気泡形成・分散処
理前の樹脂含有混合液の組成、すなわち材料の種類、配
合比率、固形分濃度すなわち、気泡、塗工、乾燥後に多
孔性インク受容層中の膜厚さに直接関係する成分として
残存する量、あるいは前記の発泡倍率、塗工方式など、
種々の要因によって影響されることが多いので適正な条
件の設定が必要である。さらに本発明における多孔性イ
ンク受容層の表面の気孔の大きさは、機械的攪拌によっ
て得た、気泡含有樹脂液中の気泡の大きさとも関係して
おり、おおむね樹脂含有液中の気泡が小さいほど、塗
工、乾燥後のインク受容層表面の気孔も小さくなるの
で、樹脂含有混合液の気泡含有状態には特に制限はない
ものの、前記の多孔性インク受容層の表面と同じ大き
さ、すなわち平均直径が0.5から30μmの微小気泡
が分散、混合されていることが好ましく、より好ましく
は、平均直径が0.5から20μmの範囲にあるのが良
い。含有された気泡の大きさは、その一部を光学顕微鏡
で写真撮影し、画像解析装置で計測することが可能であ
る。
【0022】また、受像シートの断熱性も重要な物理的
特性のひとつである。すなわち、溶融転写による記録
は、サーマルヘッドからインクリボンに熱が加えられ、
インクが熱で溶融されて受容層に転写される方式である
ため、受像シートの断熱性が悪い(熱伝導率が大きい)
と、インク受容層とインクリボンとが接触する界面の温
度が上がりにくくなって、溶融インクが固化しやすくな
り、転写性が低下して、良好な記録性が得られにくい。
そのために受像シートには適正な熱伝導率を有すること
が必要となり、レーザーフラッシュ法により測定される
熱拡散率から算出される熱伝導率を0.25W/m・K
以下にコントロールすることが好ましい。
【0023】レーザーフラッシュ法により測定される熱
拡散率は、例えば、理学電機(株)より市販されている
LF/TCM(FA8510B型)等で測定されるもの
である。すなわち、本法は試料表面にルビーレーザー光
を照射し、試料裏面の温度上昇を赤外線センサーで追跡
し、その温度が、照射直後から最高値の2分の1に上昇
するまでの時間t1/2 (秒)を測定して、下式によって
熱拡散率α(cm2/sec)を求める。
【0024】α=0.1388×L2/t1/2 ここでLは試料の厚さ(cm)を表す。
【0025】また前記のレーザーフラッシュ法によって
測定した比熱Cp (J/g・K)、さらには別途測定し
た積層体の米坪量および厚さから求めた密度ρ(g/c
3)と前記の熱拡散率α(cm2/sec)とから下式
により熱伝導率λ(W/m・K)を算出することができ
る。
【0026】λ=1.0×102 ×α×Cp ×ρ
【0027】なお比熱については支持体および気泡含有
インク受容層の主成分の個別の比熱をもとに加重平均法
によって計算した受像シートの平均比熱(J/g・K)
を用いても差し支えない。
【0028】さらに、多孔性インク受容層自体の断熱性
も受像シート全体の断熱性とともに重要な物理的特性で
あり、受像シートの場合と同様に、レーザーフラッシュ
法によって断熱性を評価することが望ましいが、シート
状支持体から単離することが極めて困難なため測定する
ことができない。一般に多孔性構造物の断熱性は、その
密度と密接に関係しており、密度が低いほど断熱性が良
好になる。したがって、受像シート全体のレーザーフラ
ッシュ法により測定される熱拡散率から算出される熱伝
導率を0.25W/m・K以下にコントロールするとと
もに、多孔性インク受容層の見掛けの密度を0.05か
ら0.5g/cm3 の範囲にコントロールすることによ
り、好ましい溶融転写記録性能を得られる。
【0029】インク受容層の見かけの密度は、おおむね
前記の発泡倍率と関係しており、発泡倍率が大きいほ
ど、すなわち樹脂含有混合液中に含有される気泡の量が
多いほど小さくなり、断熱性も良くなる。しかしいっぽ
うでは、この見かけの密度は、機械的攪拌処理前の樹脂
含有液の固形分濃度とも関係している。すなわち、固形
分濃度は異なるが、発泡倍率が同一の気泡含有樹脂含有
混合液を、同一塗工量(乾物量)になるように塗工した
場合は、乾燥工程において水分の蒸発にともなう湿潤多
孔性インク受容層の収縮状態に差が生じる。固形分濃度
が低い気泡含有樹脂含有混合液のほうが、固形分濃度が
高い場合と比べて収縮が大きいために、同一塗工量(乾
物量)であっても、得られた多孔性インク受容層は薄く
なる傾向にある。したがって、多孔性インク受容層の見
かけの密度は、発泡倍率のみならず、樹脂含有液の固形
分濃度も勘案してコントロールすることが重要である。
【0030】溶融インク転写による記録時には、受像シ
ートのインク受容層と転写用インクリボンは圧縮力を受
けつつ密着されて、インクリボンからインクが受容層に
転写されるので、多孔性インク受容層の圧縮変形性もイ
ンクリボンとの接触状態を良好にさせていると推定され
る。したがって、前記の見掛けの密度と同様に、支持体
上に形成された多孔性インク受容層の圧縮特性も重要で
ある。圧縮特性は、本発明の受像シートの多孔性インク
受容層を厚さ方向に圧縮して、一定の歪みを加えたとき
に生じる応力の大きさを尺度にすることができる。すな
わち圧縮応力が小さいほど、多孔性インク受容層は軟ら
かいので、溶融転写記録時にインクリボンとの密着性が
良好となる。そのためには、受像シートを厚さ方向に1
0%歪ませた時の応力が10Kg/cm2以下にコント
ロールすることが好ましい。
【0031】本発明において、樹脂含有液に気泡を含有
分散させる方法(以下これを発泡方法と記す)は、例え
ば遊星運動をしつつ回転する攪拌翼を有するいわゆる製
菓用の発泡機、一般に乳化分散等に利用されているホモ
ミキサー、カウレスディゾルバー等の攪拌機あるいは密
閉系内に空気と樹脂含有液の混合物とを連続的に送入し
ながら機械的に攪拌を施し、空気を微細な気泡に分散、
混合できる装置、例えば米国ガストンカウンティー社、
オランダのストーク社等の連続発泡機を用いることがで
きるが、特に厳格な制限はない。また機械的攪拌を施す
ための設備の能力が不足であるために、所期の気泡含有
状態が得られなかったり、あるいは気泡含有樹脂液中の
気泡の安定性を向上する目的で、整泡剤、発泡剤と称さ
れている、界面活性作用のある広範な材料の中から適宜
選定された添加剤を配合してもよい。
【0032】このような界面活性作用のある材料として
は、高級脂肪酸、高級脂肪酸変性物、高級脂肪酸のアル
カリ塩および高級脂肪酸のアミン塩等は、特に樹脂含有
液の発泡性を高める効果や、分散、含有させた気泡の安
定性向上効果が高いので使用することができる。これら
の選定には特に厳格な制限はないが、樹脂含有混合液の
流動性を著しく阻害したり、塗工作業性を損なうおそれ
のある材料の使用は避けるのが至当である。また、上記
の整泡剤や発泡剤の前記の樹脂液、あるいは前記の樹脂
液と顔料との混合液に対する配合比率は、樹脂液、ある
いは樹脂液と顔料との混合液の固形分100重量部に対
して、固形分で0〜30重量部、好ましくは1〜20重
量部であり、30重量部を越えて配合しても所期の効果
を大幅に向上できないことが多い。
【0033】多孔性インク受容層を支持体上に形成する
ための塗工方式としては、メイヤーバー方式、グラビア
ロール方式、ロール方式、リバースロール方式、ブレー
ド方式、ナイフ方式、エアーナイフ方式、押し出し方
式、キャスト方式等の既知の方法から任意に選定するこ
とができる。
【0034】本発明の多孔性インク受容層を有するシー
トは、気泡含有樹脂液をシート状支持体上に塗工、乾燥
したままの状態でも良好な溶融熱転写画像を示すことが
できるが、さらに金属製ロール2段以上で構成されるマ
シンカレンダー、あるいは金属製ロールおよび樹脂製ロ
ールあるいは金属製ロールとコットン製ロールなどを適
宜組み合わせて構成されるスーパーカレンダーを使用し
て、この多孔性インク受容層に仕上げ処理を施し、その
表面の平滑性をさらに向上させることができる。また塗
工後、半乾燥状態もしくは乾燥状態にあるシートの多孔
性インク受容層の表面を鏡面仕上げを施した加温あるい
は非加温状態キャストドラム等に接触させて、その表面
平滑性を向上させてもよい。しかし過度の加圧力下で上
記平滑仕上げ処理を施すと、多孔性インク受容層中の気
泡を取り囲む樹脂壁が破壊され、インク受容層の緻密化
が生じて、断熱性やクッション性が低下するあるいはイ
ンク受容層表面の気孔の変形や破壊が起こるため、多孔
性インク受容層が有するすぐれた溶融インク転写性能が
得られなくなることもある。従って、前記の平滑仕上げ
処理に際しては処理条件を十分に検討することが必要で
ある。
【0035】また本発明に用いられるシート状支持体と
しては、セルロースを主成分とする紙、塗工紙、ラミネ
ート紙等の紙類をはじめとして、織布、不織布等の布類
が使用可能である。またポリオレフィン、メタクリレー
ト、酢酸セルロース等のプラスチックフィルム類、ポリ
オレフィンと顔料からなる合成紙や発泡ポリエチレンテ
レフタレートフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム等
の多孔質合成樹脂フィルム等を使用することができる。
これらの支持体は、断熱性の良好なものほど同一印加エ
ネルギーでドット再現性、階調再現性さらにカラー鮮明
性が良好であり、記録濃度の増加を達成することがで
き、また、同一濃度、および記録品質を得るために必要
なエネルギー量が少なくてすむため、省エネルギーにも
有効である。またパルプを主成分として含む紙や塗工紙
を支持体として用いた場合には、特にリサイクルが可能
であるという利点もある。
【0036】さらに前記のシート状支持体上に気泡含有
樹脂液を塗工して、本発明の受像シートを製造する際、
塗工、乾燥そして巻き取りなどの工程において、シート
自体がその塗工面を内側あるいは外側にしてカールする
ことがある。この場合、当該シートを断裁により所定寸
法の画像形成用シートに加工したのち使用すると、画像
形成装置への給紙が正常に行われない、あるいは該装置
内部における走行性が悪化するなどのトラブルを発生す
ることがある。また溶融転写記録方式は熱源をインクリ
ボンと接触せしめ、リボン中の染料成分を記録用シート
上に転写する方式であるため、画像形成面である多孔性
インク受容層と、支持体層の加熱に伴う収縮の差、もし
くは膨張特性の差に起因して、受像シートが装置内部で
カールを発生し、前記のようなトラブルが発生する。こ
のようなカール発生のために画像が正常な紙面方向に対
して斜めに形成されたり、装置内部でシートにしわが発
生しやすくなり、このためインクリボンと受像シートと
の接触が正常に行われず、インク転写不良を起こし、そ
の結果、画像品質が悪化することがある。
【0037】このようなカールが原因で生じる各種のト
ラブルを防止するためには、多孔性インク受容層と支持
体層との加熱による収縮特性の差、もしくは膨張特性の
差をできる限り小さくすることが望ましい。そのために
該シートの裏面、すなわち多孔性インク受容層に対し反
対側の面にカール防止層を塗工あるいはラミネートして
もよい。このカール防止層の材料、形成方法、塗工量、
ラミネート量等にはまったく制限はなく、支持体の種
類、厚さ、あるいは多孔性インク受容層の性状、すなわ
ち材料組成、発泡倍率、塗工量など種々の要因を勘案し
て最適化をはかることができる。
【0038】また支持体の材料選定によっては、得られ
る受像シートが画像形成装置内で走行する際に装置の機
構上、種々の摩擦力を受けたり、加熱による装置内部の
湿度低下等の影響が単独に、あるいは複合してこの受像
シートに静電気を帯電させることがある。このような状
態において連続的に多数枚の画像形成を行うと、この受
像シートの画像形成面と、次の受像シートの裏面とが静
電気的に密着して剥しにくくなる。とくに各種プラスチ
ックシート類あるいは合成紙等は本質的に帯電しやすい
性質があるために、これらを支持体として利用する際
は、断裁によるシート化工程において、または加工後の
保管中に、静電気発生のためシートの表裏が剥しにくく
なる。当然のことながら紙類を支持体とした場合でも前
記のようなトラブルは起こり得る。このような帯電に伴
うトラブル防止のために、いわゆる帯電防止層を受像シ
ートの裏面に形成することはきわめて有効である。また
帯電は帯電防止材料を使用すること、あるいは該シート
裏面と多孔性インク受容層とのシート間の摩擦係数を低
減することにより達成することができる。従って帯電防
止層をカール防止層形成と同様に広範な材料および方法
の中から適宜選定して形成することができる。
【0039】前記のカール防止層、および帯電防止層
は、支持体の裏面に個別に形成して所期性能を得ること
が可能であるが、製造工程の簡略化、製造コストの低減
あるいは所期の機能水準等、必要に応じて材料、形成方
法を適宜選定することにより、単一層に形成して目的を
達成するすることができる。すなわち単一層でカール防
止、および帯電防止などのトラブル防止性能を付与する
ことも可能である。従ってシート状支持体の裏面に形成
される層の数においてはなんら制限はない。
【0040】
【実施例】下記実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。但し本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。なお、実施例および比較例中の「部」は全て
樹脂の固形分に対する重量部数を表す。
【0041】実施例1 下記に示す組成を有する樹脂混合物(固形分濃度30
%)を、攪拌機(商標:ケンミックスアイコーPRO、
愛工舎製作所製)に投入し、攪拌速度490rpmで15
分間攪拌し発泡処理を行った。発泡倍率は、4.5倍で
あった。 樹脂混合液組成 スチレン−ブタジエンラテックス (商標:JSR0692、日本合成ゴム製) 100部 ステアリン酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ製) 5部 上記の気泡含有樹脂混合物を発泡後直ちに、米坪75g
/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用いて
塗工量(乾物量)が10g/m2となるように塗工し、
乾燥して、多孔性インク受容層を形成し、受像シート作
製した。
【0042】実施例2 実施例1の気泡含有樹脂混合物をアプリケーターバーを
用いて、米坪75g/m2の上質紙の表面上に、塗工量
(乾物量)が20g/m2となるように塗工し、乾燥し
て、多孔性インク受容層を形成し、受像シート作製し
た。
【0043】実施例3 実施例1と同一組成の樹脂混合液を、実施例1と同一の
攪拌機で20分間攪拌し、発泡倍率9.0倍の気泡含有
樹脂混合物を調製した。発泡処理後、直ちに米坪75g
/m2の上質紙の表面上に、アプリケーターバーを用い
て、塗工量(乾物量)が5g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し、受像シー
トを作製した。
【0044】実施例4 実施例1と同一の気泡含有樹脂混合物を、コロナ放電に
よって親水化処理した厚さ100μmのポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルムの表面上に、アプリケ
ーターバーを用いて、塗工量(乾物量)が10g/m2
になるように塗工し、乾燥して、多孔性インク受容層を
形成し、受像シートを作製した。
【0045】実施例5 下記に示す組成を有する樹脂混合物(固形分濃度40
%)を実施例1と同様の方法で発泡処理した。発泡倍率
は、3.0倍であった。 樹脂混合液組成 スチレン−ブタジエンラテックス (商標:JSR0692、日本合成ゴム製) 100部 カオリナイトクレー (商標:HTクレー、エンゲルハード製) 100部 ステアリン酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ製) 10部 上記気泡含有樹脂混合液を発泡後直ちに、米坪75g/
2の上質紙の表面上に、アプリケーターバーを用い
て、塗工量(乾物量)が10g/m2になるように塗工
し、乾燥して、顔料配合多孔性インク受容層を形成し、
受像シートを作製した。
【0046】実施例6 実施例5の受像シートを、20℃、相対湿度65%の環
境下で一昼夜調湿したのち、スーパーカレンダーによ
り、多孔性インク受容層の表面を平滑化し、王研式平滑
度が150秒になるように仕上げた。なお実施例5のス
ーパーカレンダー未処理シートの平滑度は30秒であっ
た。
【0047】実施例7 下記に示す組成を有する混合物(固形分濃度40%)を
実施例1と同様の方法で発泡処理した。発泡倍率は、
3.0倍であった。 樹脂混合液組成 スチレン−ブタジエンラテックス (商標:JSR0692、日本合成ゴム製) 100部 カオリナイトクレー (商標:HTクレー、エンゲルハード製) 900部 ステアリン酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ製) 30部 上記気泡含有樹脂混合液を、発泡後直ちに、米坪75g
/m2の上質紙の表面上に、アプリケーターバーを用い
て、塗工量(乾物量)が40g/m2となるように塗工
し、乾燥して、顔料配合多孔性インク受容層を形成し、
受像シートを作製した。
【0048】実施例8 下記に示す組成を有する樹脂混合物(固形分濃度20
%)を、実施例1と同様の方法で発泡処理した。発泡倍
率は、7.0倍であった。 樹脂混合液組成 酸化変性デンプン (商標:王子エースA、王子コーンスターチ製) 50部 ポリビニルアルコール (商標:PVA117、日本合成化学工業製) 50部 ステアリン酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ製) 5部 上記気泡含有樹脂混合液を、発泡後直ちに、米坪75g
/m2の上質紙の表面上に、アプリケーターバーを用い
て、塗工量(乾物量)が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し、受像シー
トを作製した。
【0049】比較例1 実施例1と同一組成の樹脂混合液に発泡処理を施すこと
なしに、米坪75g/m2の上質紙の表面上に、アプリ
ケーターバーを用いて、塗工量(乾物量)が10g/m
2となるように塗工し、乾燥して、インク受容層を形成
し、受像シートを作製した。
【0050】比較例2 実施例1の気泡含有樹脂混合液を、米坪75g/m2
上質紙の表面上に、アプリケーターバーを用いた塗工量
(乾物量)が1.5g/m2となるように塗工し、乾燥
して、多孔性インク受容層を形成し、受像シートを作製
した。
【0051】比較例3 実施例1と同一組成の樹脂混合液を、実施例1と同一の
攪拌機で25分間攪拌し、発泡倍率12倍の気泡含有樹
脂混合液を調製した。発泡処理後、直ちに米坪75g/
2の上質紙の表面上に、アプリケーターバーを用い
て、塗工量(乾物量)が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し、受像シー
トを作製した。
【0052】比較例4 下記の組成の樹脂混合物を、実施例1と同一の攪拌機で
25分間発泡処理して、発泡倍率3.0倍の気泡含有樹
脂混合液を調製した。 樹脂混合液組成 スチレン−ブタジエンラテックス (商標:JSR0692、日本合成ゴム製) 100部 カオリナイトクレー (商標:HTクレー、エンゲルハード製) 1000部 ステアリン酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ製) 35部 上記気泡含有樹脂混合液を、発泡後直ちに、米坪75g
/m2の上質紙の表面上に、アプリケーターバーを用い
て、塗工量(乾物量)が30g/m2となるように塗工
し、乾燥して、顔料配合多孔性インク受容層を形成し、
受像シートを作製した。
【0053】比較例5 比較例4の気泡含有樹脂混合液を、米坪75g/m2
上質紙の表面上にアプリケーターバーを用いた塗工量
(乾物量)が45g/m2となるように塗工し、乾燥し
て、顔料配合多孔性インク受容層を形成し、受像シート
を作製した。
【0054】性能テスト 上記の実施例1〜実施例8、および比較例1〜比較例5
の、多孔性インク受容層を有するシートについて、20
℃、相対湿度65%の環境下で一昼夜調湿後、レーザー
フラッシュ法によって熱拡散率を測定し、その値から熱
伝導率を算出した。またこれらの受像シートを、熱転写
カラープリンター(商標:Trueprint220
0、日本ビクター製:本プリンターは昇華転写用だが、
溶融転写記録が可能なように改造した)により、インク
画像を溶融転写記録した。得られたインク転写画像につ
いて下記のように、その反射濃度をマクベス反射型濃度
計により測定するとともに目視評価した。
【0055】(1)17階調で形成されるインク画像
(黒単色画像)について、マクベス反射型濃度計RD−
914(商標)を用いて印加エネルギー別に、その反射
濃度を測定し、最高反射濃度と階調再現性を評価した。
階調再現性は良好に再現されているものから順に◎、
○、△、×の4段階で評価した。 (2)ドット再現性は、インクリボンから受像層に転写
されたインクのドットを観察し、階調再現性と同様に良
好に再現されているものから順に◎、○、△、×の4段
階で評価した。 (3)カラー画像は鮮明性を観察し、良好なものから順
に◎、○、△、×の4段階で評価した。
【0056】気孔直径の測定方法 多孔性インク受容層の表面の気孔直径は、走査型電子顕
微鏡もしくは光学顕微鏡を使用して、受容層の表面を写
真撮影した後、表面の気孔の輪郭を正確に透明フィルム
上に黒色のペン等で描き写し、さらに、ドラムスキャナ
ー(商標:2605型ドラムスキャンデンシトメータ
ー、(株)阿部設計製)により、光学的に気孔の輪郭の
情報を読み取り、これを画像解析装置(商標:ルーゼッ
クスIII、(株)ニレコ製)を用いて測定した。な
お、本多孔性インク受容層表面上に形成された気孔の形
状は、必ずしも真円ではないので、気孔直径は画像解析
装置で得られる気孔の輪郭内の面積をもとに、円相当直
径に換算して表示した。
【0057】多孔性インク受容層の見掛け密度の測定方
多孔性インク受容層の密度は、その厚さと塗工量(乾物
量)から知ることができる。しかし、受容層だけを支持
体から分離することができないため、厚さを知ることが
困難なので、本受像シートの厚さから支持体の厚さを差
し引いて算出した多孔性インク受容層の厚さを用いて算
出した。
【0058】多孔性インク受容層の圧縮応力の測定方法 ストログラフ−M2型試験機((株)東洋精機製作所
製)を用いて、圧縮速度0.5mm/min.で、シー
ト状支持体上に形成された多孔性インク受容層を厚さ方
向に圧縮して応力−歪み曲線を描き、受像シート全体の
厚さの10%相当を圧縮した(歪ませた)ときに生じる
応力を測定した。
【0059】これらの評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明により、溶融転写インク画像のド
ット再現性、階調再現性およびカラー鮮明性が良好で、
かつ高い記録濃度が得られる溶融転写インク受像シート
を実用することが可能となり、産業界に寄与するところ
が大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水原 由郎 東京都江東区東雲1丁目10番6号 新王 子製紙株式会社 中央研究所内 (72)発明者 中居 達 東京都江東区東雲1丁目10番6号 新王 子製紙株式会社 中央研究所内 (72)発明者 朝枝 宏輔 東京都江東区東雲1丁目10番6号 新王 子製紙株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平8−90944(JP,A) 特開 平8−187960(JP,A) 特開 平6−171250(JP,A) 特開 平7−125468(JP,A) 特開 昭63−11392(JP,A) 特開 平7−228065(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、この支持体の一面上
    に形成され、かつ多孔性樹脂含有皮膜からなる多孔性イ
    ンク受容層とを有し、前記多孔性インク受容層が、機械
    的撹拌により形成された気泡を含有する樹脂含有液を前
    記支持体上に塗工し、乾燥して形成されたものであり、
    かつその表面の平均気孔直径が0.5〜30μmの範囲
    にあり、前記シート状支持体と多孔性インク受容層から
    なる積層体の、レーザーフラッシュ法により測定された
    熱拡散率から算出された熱伝導率が0.25W/m・K
    以下であり、〔但し、前記熱伝導率は、前記積層体の試
    料の表面にルビーレーザー光を照射し、前記積層体試料
    の裏面の温度上昇を赤外線センサーにより追跡し、その
    温度が、照射直後から最高値の2分の1に上昇するまで
    の時間t1/2 (秒)を測定し、下記式によって熱拡散率
    α(cm2/sec)を求め、 α=0.1388×L2/t1/2 (但し、上記式中Lは試料の厚さ(cm)を表す) この熱拡散率αより、前記積層体試料の熱伝導率λを下
    記式: λ=1.0×102 ×α×Cp ×ρ (但し、上記式において、Cp は前記積層体試料の比熱
    (J/g・K)を表し、ρは前記積層体試料の密度(g
    /cm3 )を表す)により算出する〕かつ、前記多孔性
    インク受容層の見掛けの密度が0.05〜0.5g/c
    3 の範囲にあることを特徴とする溶融転写型インク受
    像シート。
  2. 【請求項2】 前記多孔性インク受容層を、その厚さ方
    向に対して加圧し、10%圧縮変形させたときに生じる
    応力が、10Kg/cm2以下であることを特徴とする
    請求項1記載の溶融転写型インク受像シート。
  3. 【請求項3】 樹脂含有液に機械的攪拌を施して、多数
    の微細気泡を発泡倍率(一定重量の塗料で比較した、発
    泡後の体積と発泡前の体積の比)が1倍を超え10倍以
    下になるように気泡含有塗液を調製し、この塗液をシー
    ト状支持体の一面上に塗工し、乾燥して、多孔性インク
    受容層を形成し、かつ前記多孔性インク受容層の表面の
    平均気孔直径を0.5〜30μmの範囲内にコントロー
    ルし、前記シート状支持体と多孔性インク受容層からな
    る積層体のレーザーフラッシュ法により測定された熱拡
    散率から算出される熱伝導率を0.25W/m・K以下
    にコントロールし、〔但し、前記熱伝導率は、前記積層
    体の試料の表面にルビーレーザー光を照射し、前記積層
    体試料の裏面の温度上昇を赤外線センサーにより追跡
    し、その温度が、照射直後から最高値の2分の1に上昇
    するまでの時間t1/2 (秒)を測定し、下記式によって
    熱拡散率α(cm2/sec)を求め、 α=0.1388×L2/t1/2 (但し、上記式中Lは試料の厚さ(cm)を表す)この
    熱拡散率αより、前記積層体試料の熱伝導率λを下記
    式: λ=1.0×102 ×α×Cp ×ρ (但し、上記式において、Cp は前記積層体試料の比熱
    (J/g・K)を表し、ρは前記積層体試料の密度(g
    /cm3 )を表す)により算出する〕かつ、前記多孔性
    インク受容層の見掛けの密度を0.05〜0.5g/c
    3 の範囲内にコントロールすることを特徴とする、溶
    融転写型インク受像シートの製造方法。
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