JPH10866A - 溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法 - Google Patents

溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法

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JPH10866A
JPH10866A JP8155498A JP15549896A JPH10866A JP H10866 A JPH10866 A JP H10866A JP 8155498 A JP8155498 A JP 8155498A JP 15549896 A JP15549896 A JP 15549896A JP H10866 A JPH10866 A JP H10866A
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pores
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sheet
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JP8155498A
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Yoshio Mizuhara
由郎 水原
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受容層表面の気孔径が均一に制御され、ドッ
ト再現性、階調再現性およびカラー鮮明性が優れ、記録
濃度が高く、かつインク剥離のないインク画像記録が得
られる溶融転写型インク受像シートを提供する。 【解決手段】 シート状支持体と、この支持体の一面上
に、樹脂を主成分とし、さらに陰イオン界面活性剤、ま
たは陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤を含
有する樹脂含有液に機械的攪拌を施して塗布・乾燥する
ことにより形成された多数の微細気孔を有している多孔
性インク受容層とを有し、前記多孔性インク受容層の全
表面積に対する、気孔によって占められる開孔部分の総
面積の割合(開孔面積率)が10〜60%の範囲にあ
り、かつ、前記開孔部分において、直径が0.5〜20
μmの気孔の占める面積の割合が70〜100%である
溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融転写型インク
受像シートに関するものである。更に詳しく述べるなら
ば、本発明は熱ヘッドを用いる溶融転写型熱転写用プリ
ンターに使用されたとき、記録濃度とともに階調再現性
およびドット再現性が優れたプリントインク画像が得ら
れる溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱転写インクシートとサーマルヘッドと
を利用する熱溶融転写記録方式は、機構が簡単で保守が
容易なため、ワードプロセッサーやファクシミリ等のプ
リンターに広く用いられており、この記録方式用受像シ
ートとしては上質紙が使用されてきた。しかし近年、熱
転写記録のフルカラー化に伴い従来より高い階調再現性
を得るため、プリンターにおいてはひとつのドットの大
きさを変えずに階調を得る従来の方法から、各ドットの
大きさを変更するドット可変方式に移行している。また
受像シートにおいては、低い印加エネルギーから高い印
加エネルギーにわたるフルカラー記録において、溶融転
写されたインクのドット形状が忠実に再現されるドット
再現性に優れ、かつ充分な量のインクが転写され、記録
濃度が高いことが記録画像の重要な品質になっている。
【0003】上記のような熱転写画像のフルカラー化に
対して、受像シートの特性も適切に対応する必要が生じ
ている。すなわち、フルカラー熱溶融転写方式において
通常の印刷用の非塗工紙を用いると、断熱性の低さに起
因すると考えられる記録濃度の低下や、クッション性の
不足によるドット再現性不良が発生することがある。ま
た、その表面が粗すぎる場合には、インクが転写されな
い部分、すなわちヌケが発生したり、逆に表面が平滑す
ぎる場合には、インクの投錨効果が働かず、転写された
インクがインクリボンに逆転写してしまうということに
よるヌケが発生しやすくなる。これらはいずれもドット
再現性不良の原因となる。上記のようなドット再現性の
不良に起因する記録濃度の低下の他に、溶融インク受容
層のインク吸収性の低さに起因する記録濃度の低下も発
生することがある。
【0004】これらの問題を解決する試みとして、受像
シートのクッション性の向上のために、支持体上に中空
粒子を含有するアンダーコート層を設けることが提案さ
れている(特開平2−89690号公報、特開昭64−
27996号公報)。しかし、この方法でも得られる受
像シートのクッション性や断熱性が未だ不十分である。
また、中空粒子が受容層の有機溶媒などに溶解する場合
には、耐有機溶剤性の高分子を中空粒子の接着剤として
使用するか、あるいは中空粒子をふくむ層上に耐有機溶
剤性の高分子層を設けることが必要であり、この必要性
は、受像シートの製造工程を複雑にし、かつ高コスト化
になるという問題がある。
【0005】上記問題を解決するための他の試みとして
は、プラスチックを主成分とするシート状支持体上に、
水中で溶出する成分を含んだ樹脂層を形成し、この樹脂
層から水溶性成分を溶出除去し、それによって受像シー
トのインク受容能力を向上させた例もあるが(特開平2
−41287号公報)、この場合十分な最高濃度が得ら
れないか、あるいは印画像に光沢がないなどの欠点があ
り、受像シートに対して高まりつつある要求品質を満足
するには至っていない。また、この受像シートはプラス
チックを主成分としているため資源のリサイクルが困難
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解消し、熱転写カラープリンターに使用し
たときに、ドット再現性、階調再現性およびカラー鮮明
性が良好で、記録濃度の高いインク画像記録が得られる
溶融転写型インク受像シートを提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の溶融転写型イン
ク受像シートは、シート状支持体と、この支持体の一面
上に、樹脂を主成分とし、さらに陰イオン界面活性剤、
または陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤を
含有する樹脂含有液に機械的攪拌を施して塗布・乾燥す
ることにより形成された多数の微細気孔を有している多
孔性インク受容層とを有し、前記多孔性インク受容層の
全表面積に対する、気孔によって占められる開孔部分の
総面積の割合(開孔面積率)が10〜60%の範囲にあ
り、かつ、前記開孔部分において、直径が0.5〜20
μmの気孔の占める面積の割合が70〜100%である
ことを特徴とするものである。本発明の溶融転写型イン
ク受像シートの製造方法は、樹脂含有液に、樹脂固形分
100重量部に対して、陰イオン界面活性剤、または陰
イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤を1〜30
重量部を含有せしめ、機械的撹拌を施して多数の微細気
泡を含有させた塗料の発泡倍率(一定重量の塗料で比較
した、発泡後の体積と発泡前の体積の比)が1倍を越え
10倍以下である気泡含有樹脂液をシート状支持体の一
面上に塗工、乾燥して多孔性インク受容層を形成し、前
記多孔性インク受容層の全表面積に対する、気孔によっ
て占められる開孔部分の総面積の割合(開孔面積率)を
10〜60%の範囲とし、かつ、前記開孔部分におい
て、直径が0.5〜20μmの気孔の占める面積の割合
を70〜100%の範囲にコントロールすることを特徴
とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、上記の目的を達成す
べく鋭意検討した結果、溶融熱転写プリンターによる記
録において、界面活性剤として、陰イオン界面活性剤単
独で、または陰イオン界面活性剤および非イオン界面活
性剤を併用して含有せしめた樹脂含有液に機械的撹拌を
施し、多数の微細気泡を含有させた塗料を塗工、乾燥し
て多孔性インク受容層を形成し、この多孔性インク受容
層の全表面積に対する、気孔によって占められる開孔部
分の総面積の割合(開孔面積率)を10〜60%の範囲
とし、かつ、受容層表面の開孔部分において、直径が
0.5〜20μmの気孔の占める面積の割合を70〜1
00%の範囲となるように気孔直径の分布状態をより狭
くシャープにコントロールして微細気孔が形成されてい
る多孔性インク受容層を有する受像シートを用いること
により、ドット再現性、階調再現性およびカラー画像の
鮮明性が極めて優れた高濃度記録が実現できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明における、優れた溶融インク転写性
能の発現メカニズムは、多孔性インク受容層および受像
シートの構造的特性、断熱性、圧縮特性等の物理的特性
が関与しているものと考えられる。構造特性の面におい
ては、支持体上に形成された本多孔性インク受容層の表
面には微細な孔が多数存在するために、毛細管力による
溶融インクの吸収性があること、さらには多孔性インク
受容層内に含有されている多数の気孔が相互に連通して
いる(連続気泡を構成している)ので、多孔性インク受
容層内への溶融インクの浸透性が良好となって、高いイ
ンク受容能力を発現すると考えられる。この点におい
て、受像シート上に形成された、多孔性インク受容層表
面の開孔面積率を適正な範囲にコントロールすることは
重要である。ここで開孔面積率とは、多孔性インク受容
層表面の全面積に対する、気孔によって占められる開孔
部分の総面積の割合(%)を意味する。
【0010】つまり本発明においては、溶融インクを転
写したとき、所望する画像を本発明の受像シート上に形
成するには、多孔性インク受容層表面の開孔面積率が1
0〜60%の範囲であることが必要であり、好ましくは
30〜60%である。開孔面積率が10%未満では、イ
ンクを受理する空隙が不十分であるため、記録濃度が低
下する。一方、60%を越えると熱転写記録時に多孔性
インク受容層の膜強度が不十分となり、インク剥離など
が生じ易く、記録画像の画質が低下する傾向がある。
【0011】また、気孔直径は、そのサイズ(大きさ)
に起因する毛細管現象により溶融インクを捕獲する能力
と関係しており、気孔が小さいほどその能力は大きい。
気孔のサイズが過大になると、気孔内に転写インクが埋
没したり、インクリボンと多孔性インク受容層表面との
良好な接触を阻害するために、転写不良あるいは転写む
らの原因となり、またドット再現不良を起こして良好な
画像が形成できなくなる。直径20μm以下の微小な気
孔は、溶融インクを捕獲する能力が優れるため、良好な
画像を形成する上で、直径20μm以下の気孔の割合を
増加させることは重要である。一方、気孔のサイズが過
小な場合には、インクを受理する空隙が不十分であるた
め、十分な濃度が得られない。
【0012】従って本発明においては、多孔性インク受
容層表面の開孔面積率が10〜60%の範囲であり、か
つ、開孔部分において、直径0.5〜20μmの気孔の
占める面積の割合が70〜100%の範囲にあることが
重要であり、好ましくは80〜100%である。直径
0.5〜20μmの気孔の面積の割合とは、多孔性イン
ク受容層表面に存在する全気孔の総面積に対する、直径
0.5〜20μmの気孔の総面積の割合(%)を意味す
る。なお、多孔性インク受容層表面の開孔面積率、気孔
直径とその面積割合は、光学顕微鏡もしくは走査型電子
顕微鏡写真と画像解析装置を用いて、計測することが可
能である。
【0013】従来、樹脂含有液に、機械的撹拌を施して
多数の微細気泡を含有させた気泡含有樹脂液をシート状
支持体の一面上に塗工、乾燥して多孔性インク受容層を
形成することにより、平均気孔直径が5〜30μm程度
の多孔性インク受容層は得られているが、これらの値
は、一般には数平均による平均気孔直径である。従っ
て、多孔性インク受容層の表面において、開孔部面積中
の直径20μm以下の気孔の占める面積の割合と、上記
の平均気孔直径の関係は次のように考えることができ
る。つまり、平均気孔直径が同一であっても、単位面積
当たりの気孔の数あるいは平均気孔直径の分布に差が生
じれば、開孔面積率と開孔部面積中の直径20μm以下
の気孔の占める面積の割合は異なる。例えば、平均気孔
直径が10μmであっても、単位面積当たりの気孔の数
が少ない場合には、開孔面積率は10%未満となること
もあれば、単位面積当たりの気孔の数が多い場合には、
開孔面積率は60%以上となることもある。また、数平
均気孔直径が10μmであっても、気孔直径に広い分布
があり、直径20μm以下の気孔の数が少ない場合に
は、開孔部面積中の直径20μm以下の気孔の占める面
積の割合は50%未満となることもある。
【0014】また、受容層表面の開孔面積率、および気
孔直径とその面積分布は、気泡形成・分散処理前の樹脂
含有混合液の組成、すなわち材料の種類、配合比率、気
泡、塗工、乾燥後に多孔性インク受容層中の膜厚さに直
接関係する成分として残存する量、あるいは前記の発泡
倍率、塗工方式など、種々の要因によって影響されるこ
とが多いので適正な条件の設定が必要である。さらに本
発明における多孔性インク受容層の表面の気孔の大きさ
は、機械的撹拌によって得た、気泡含有樹脂液中の気泡
の大きさと、安定性に関係しており、概ね樹脂含有液中
の気泡が小さく、安定であるほど、塗工、乾燥後のイン
ク受容層表面の気孔も小さくなる傾向にある。所期の気
泡含有状態を創出し、気泡の安定性を向上するために
は、界面活性剤として、陰イオン界面活性剤を用いるこ
とが有効であり、好ましくは陰イオン界面活性剤および
非イオン界面活性剤が併用される。
【0015】界面活性剤分子は気泡表面に気泡の内側
(気相)に親油基を向け、気泡の外側(液相)に親水基
を向け吸着し、表面張力を下げることにより気泡を安定
化する。陰イオン界面活性剤分子は親水基に陰イオンを
有するため、気泡の外側がマイナスに荷電し、静電気的
反発により隣接した他の気泡との合体を抑制し、気泡の
安定化に効果がある。また、陰イオン界面活性剤分子の
静電気的反発は、同一気泡表面に配列する陰イオン界面
活性剤分子同志にも働くため、陰イオン界面活性剤分子
は気泡表面に間隔をおいて配列する。そこで、陰イオン
界面活性剤と非イオン界面活性剤を併用すると、これら
の間には静電気的反発がないため、陰イオン界面活性剤
の間に非イオン界面活性剤が入り込むことにより、気泡
表面の界面活性剤の配列密度を高めることにより、さら
に安定な気泡を形成することが可能となり、より優れた
効果が得られる。一方、非イオン界面活性剤の単独使用
では、陰イオン界面活性剤のもつ、泡同志の合体を抑制
する静電気的反発がないため、気泡の安定化には不十分
である。
【0016】本発明で使用可能な陰イオン界面活性剤と
しては、例えば脂肪酸のアンモニウム塩やナトリウム塩
などの脂肪酸石鹸類、N−アシルアミノ酸塩、アルキル
エーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホル
マリン重縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルマリン重縮
合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキル
スルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩,N−アシ
ルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エス
テル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェー
ト、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩、ア
ルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エス
テル塩等の陰イオン界面活性剤等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。これらの陰イオン界面活
性剤は必要に応じて、単独あるいは2種類以上混合して
使用することができる。具体例としては、サンノプコ製
の脂肪酸アンモニウム塩系陰イオン性界面活性剤(商
標:DC−100A)や高級アルコール硫酸エステル系
陰イオン性界面活性剤(商標:SN−EX0099)な
どが示される。
【0017】また本発明で使用可能な非イオン界面活性
剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチ
レンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮
合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ひまし油および硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪
酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリプロピ
レングリコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂
肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アル
キルアミンオキサイド等の非イオン界面活性剤等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
非イオン界面活性剤は必要に応じて、単独あるいは2種
類以上混合して使用することができる。具体例として
は、三洋化成製の脂肪酸アルカノールアミド系非イオン
界面活性剤(商標:プロファンEX−24)、日本油脂
製のポリオキシエチレンアルキルエステル系非イオン界
面活性剤(商標:S−15)などが示される。
【0018】上記の陰イオン界面活性剤および非イオン
界面活性剤などの界面活性剤の総使用量は、樹脂含有液
中の全固形分100重量部に対して、1〜30重量部が
好ましく、1〜20重量部がより好ましい。界面活性剤
の添加量が1重量部未満では、気泡の安定性が悪く、塗
工、乾燥工程で気泡が合体および破壊し、インク受容層
の気孔の開孔面積率が10%未満となり、良好な記録画
像が得ることができない。界面活性剤の添加量が30重
量部を越える場合には、その効果は飽和し、かえって経
済的に不利になり、また多孔性インク受容層の膜強度が
不十分となり、良好な記録画像が得ることができない場
合がある。また陰イオン界面活性剤1重量部に対して、
非イオン界面活性剤を0〜19重量部程度用いるのが好
ましく、0.2〜10重量部がより好ましい。
【0019】本発明において、樹脂含有液に気泡を形成
含有分散させる方法(以下これを発泡方法と記す)は、
例えば遊星運動をしつつ回転する撹拌翼を有するいわゆ
る製菓用の発泡機、一般に乳化分散等に利用されている
ホモミキサー、カウレスディゾルバー等の撹拌機あるい
は密閉系内に空気と樹脂含有液の混合物とを連続的に送
入しながら機械的に撹拌を施し、空気を微細な気泡に分
散、混合できる装置、例えば米国ガストンカウンティー
社、オランダのストーク社等の連続発泡機を用いること
ができるが、特に厳格な制限はない。
【0020】樹脂含有混合液の気泡含有状態には特に制
限はないものの、平均直径が0.5から20μmの微小
気泡が分散、混合されていることが好ましく、より好ま
しくは、平均直径が0.5から10μmの範囲にあるの
が良い。樹脂含有混合液の気泡平均直径が0.5から2
0μmの範囲にあると、概ね、インク受像シートの開孔
面積率は10〜60%、かつ、開孔部面積中の直径0.
5から20μmの気孔の占める面積の割合が70〜10
0%の範囲となる。含有された気泡の大きさは、その一
部を光学顕微鏡で写真撮影し、画像解析装置で計測する
ことが可能である。また、本発明において、シート状支
持体上に形成される多孔性インク受容層は、樹脂および
必要により顔料を主成分として含むものである。このよ
うな多孔性インク受容層は、樹脂、あるいは樹脂と顔料
との混合物を含む液状物に、機械的撹拌を施してこれに
微細な多数の気泡を形成分散させ、この気泡含有樹脂液
を支持体に塗工、乾燥して形成することができる。
【0021】また、本発明で使用可能な樹脂としては、
例えば、種々の分子量およびケン化度のポリビニルアル
コールおよびその誘導体、デンプン、デンプンの誘導体
(例えば酸化デンプン、カチオン化デンプンのような各
種化工デンプン)、メトキシセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース
等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビ
ニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステ
ル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−
メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミドおよび
その誘導体、ポリエチレングリコール等の水溶性樹脂、
並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブ
タジエン共重合体(SBRラテックス)、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体(NBRラテックス)、ポリ
アクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合
体、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂、さらにはニカワ、カ
ゼイン、大豆タンパク、ゼラチン、アルギン酸ナトリウ
ム等を用いることができるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの樹脂は必要に応じて、単独あるいは
2種類以上混合して使用することができる。
【0022】本発明において、多孔性インク受容層に含
ませることができる顔料としては、例えば酸化亜鉛、酸
化チタン、炭酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、クレー、タ
ルク、マイカ、焼成クレー、水酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、リトポン、コロイダルシリカ等の無機顔料、
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキ
シ樹脂、スチレン−アクリル共重合体等の真球、中空あ
るいは、さまざまな形状に加工されたタイプのプラスチ
ックピグメントと称される有機顔料やデンプン粉末、セ
ルロース粉末等を用いることができるが、これらに限定
されるものではない。また、これらの顔料は必要に応じ
て単独にあるいは2種以上混合して使用することができ
る。
【0023】また、本発明における多孔性樹脂塗膜は、
その構造から推察されるように、本質的に塗膜強度が強
いとは言い難いので、各種顔料を配合すると塗膜強度が
さらに低下して、前記のように画像剥離を生じるなどの
トラブルの原因となることもある。したがって、水分散
型樹脂含有液に各種の顔料を含ませて、多孔性インク受
容層を形成する場合には、受像シートとしての総合的な
品質を考慮して、適正な配合率で使用することは当然で
ある。気泡形成前の樹脂あるいは樹脂および顔料の混合
物を含む液状物中には、必要に応じて公知の粘度調節
剤、分散剤、染色剤、耐水化剤、潤滑剤、架橋剤、可塑
剤などを添加することができる。
【0024】シート状支持体上の多孔性インク受容層の
塗設量は、即ち塗工量は、得られる支持体の一面上の1
2 当たりの乾燥重量が2から40g(2〜40g/m
2 )の範囲にあるようにするのが好ましい。塗工量が2
g/m2 より少ない場合には、支持体の表面の粗さを充
分に被覆するのが困難になることが多く、適正な平滑性
を持った表面の受像シートが得られなかったり、充分な
断熱性や圧縮変形性が得られないことがある。一方それ
が40g/m2 を越えるような場合は、多孔性インク受
容層の厚さが過大となり、多孔性インク受容層内の結合
強度が低下して、画像を形成した際にこのインク受容層
が剥離するなどのトラブルを発生し、良好な画像が形成
できないこともある。従って、多孔性インク受容層の塗
工量の適正化は、樹脂含有液組成の適正化と同様に充分
な注意を払うのは当然である。
【0025】本発明において多孔性インク受容層は、前
記の水分散型樹脂液、あるいは水分散型樹脂および顔料
を主成分として含む混合物液に多数の微細気泡を含有さ
せ、これをシート状支持体上に塗工し、乾燥することに
よって得ることができるが、気泡を形成、含有させる方
法や設備、および塗工方法には特に厳格な制限はない。
また気泡を含有する水分散型樹脂含有液の気泡含有状態
にも特に制限はないが、好ましくは気泡含有液の原液に
対する体積比(以下発泡倍率と記す)が1倍を越え10
倍以下であることが好ましく、より好ましくは1倍を越
え5倍以下である。すなわち発泡倍率は気泡含有水分散
型樹脂含有液中の気泡含有率を示す尺度であり、発泡倍
率が大きくなると気泡を構成する樹脂膜(壁)の厚さが
薄くなることを意味している。また、同じ発泡倍率であ
る場合には、発泡前の水分散型樹脂含有混合液の固形分
濃度が低いほど、樹脂膜が薄くなることを意味してい
る。このように、樹脂膜が薄くなると、得られる多孔性
インク受容層の強度を十分なレベルに維持することが困
難になることがあり、この点において、発泡倍率と水分
散型樹脂含有混合液組成とのバランスには十分な注意を
払うべきである。
【0026】多孔性インク受容層を支持体上に形成する
ための塗工方式としては、メイヤーバー方式、グラビア
ロール方式、ロール方式、リバースロール方式、ブレー
ド方式、ナイフ方式、エアーナイフ方式、押し出し方
式、キャスト方式等の既知の方法から任意に選定するこ
とができる。
【0027】本発明の多孔性インク受容層を有するシー
トは、気泡含有樹脂液をシート状支持体上に塗工、乾燥
したままの状態でも良好な溶融熱転写画像を示すことが
できるが、さらに金属製ロール2段以上で構成されるマ
シンカレンダー、あるいは金属製ロールおよび樹脂製ロ
ールあるいは金属製ロールとコットン製ロールなどを適
宜組み合わせて構成されるスーパーカレンダーを使用し
て、この多孔性インク受容層に仕上げ処理を施し、その
表面の平滑性をさらに向上させることができる。また塗
工後、半乾燥状態もしくは乾燥状態にあるシートの多孔
性インク受容層の表面を鏡面仕上げを施した加温あるい
は非加温状態のキャストドラム等に接触させて、その表
面平滑性を向上させてもよい。しかし過度の加圧力下で
上記平滑仕上げ処理を施すと、多孔性インク受容層中の
気泡を取り囲む樹脂壁が破壊され、インク受容層の緻密
化が生じて、断熱性やクッション性が低下するあるいは
インク受容層表面の気孔の変形や破壊が起こるため、多
孔性インク受容層が有するすぐれた溶融インク転写性能
が得られなくなることもある。従って、前記の平滑仕上
げ処理に際しては処理条件を十分に検討することが必要
である。
【0028】また本発明に用いられるシート状支持体と
しては、セルロースを主成分とする紙、塗工紙、ラミネ
ート紙等の紙類をはじめとして、織布、不織布等の布類
が使用可能である。またポリオレフィン、メタクリレー
ト、酢酸セルロース等のプラスチックフィルム類、ポリ
オレフィンと顔料からなる合成紙や発泡ポリエチレンテ
レフタレートフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム等
の多孔質合成樹脂フィルム等を使用することができる。
これらの支持体は、断熱性の良好なものほど同一印加エ
ネルギーでドット再現性や階調再現性が良好であり、記
録濃度の増加を達成することができ、また、同一濃度、
および記録品質を得るために必要なエネルギー量が少な
くてすむため、省エネルギーにも有効である。またパル
プを主成分として含む紙や塗工紙を支持体として用いた
場合には、特にリサイクルが可能であるという利点もあ
る。
【0029】さらに前記のシート状支持体上に気泡含有
水分散型樹脂液を塗工して、本発明の受像シートを製造
する際、塗工、乾燥および巻き取りなどの工程におい
て、シート自体がその塗工面を内側あるいは外側にして
カールすることがある。この場合、当該シートを断裁に
より所定寸法の画像形成用シートに加工したのち使用す
ると、熱転写プリンターへの給紙が正常に行われないこ
とがあり、あるいは該プリンター内部における走行性が
悪化するなどのトラブルを発生することがある。また溶
融転写記録方式は熱源をインクリボンと接触せしめ、リ
ボン中の染料成分を記録用シート上に転写する方式であ
るため、画像形成面である多孔性インク受容層と、支持
体層の加熱に伴う収縮の差、もしくは膨張特性の差に起
因して、受像シートが装置内部でカールを発生し、前記
のようなトラブルが発生する。このようなカール発生の
ために画像が正常な紙面方向に対して斜めに形成された
り、装置内部でシートにしわが発生しやすくなり、この
ためインクリボンと受像シートとの接触が正常に行われ
ず、インク転写不良を起こし、その結果、画像品質が悪
化することがある。
【0030】このようなカールが原因で生じる各種のト
ラブルを防止するためには、多孔性インク受容層と支持
体層との加熱による収縮特性の差、もしくは膨張特性の
差をできる限り小さくすることが望ましい。そのために
該シートの裏面、すなわち多孔性インク受容層に対し反
対側の面にカール防止層を塗工あるいはラミネートして
もよい。このカール防止層の材料、形成方法、塗工量、
ラミネート量等にはまったく制限はなく、支持体の種
類、厚さ、あるいは多孔性インク受容層の性状、すなわ
ち材料組成、発泡倍率、塗工量など種々の要因を勘案し
て最適化をはかることができる。
【0031】また支持体の材料選定によっては、得られ
る受像シートがプリンター内で走行する際に装置の機構
上、種々の摩擦力を受けたり、加熱による装置内部の湿
度低下等の影響が単独に、あるいは複合してこの受像シ
ートに静電気を帯電させることがある。このような状態
において連続的の多数枚の画像形成を行うと、この受像
シートの画像形成面と、次の受像シートの裏面とが静電
気的に密着して剥しにくくなる。とくに各種プラスチッ
クシート類あるいは合成紙等は本質的に帯電しやすい性
質があるために、これらを支持体として利用する際は、
断裁によるシート化工程において、あるいは加工後の保
管中に、静電気発生のためシートの表裏が剥しにくくな
る。当然のことながら紙類を支持体とした場合でも前記
のようなトラブルは起こり得る。このような帯電に伴う
トラブル防止のために、いわゆる帯電防止層を受像シー
トの裏面に形成することはきわめて有効である。また帯
電は帯電防止材料を使用すること、あるいは該シート裏
面と多孔性インク受容層とのシート間の摩擦係数を低減
することにより達成することができる。従って帯電防止
層をカール防止層形成と同様に広範な材料および方法の
中から適宜選定して形成することができる。
【0032】前記のカール防止層、および帯電防止層
は、支持体の裏面に個別に形成して所期性能を得ること
は可能であるが、製造工程の簡略化、製造コストの低減
あるいは所期の機能水準等、必要に応じて材料、形成方
法を適宜選定することにより、単一層に形成して目的を
達成するすることができる。すなわち単一層でカール防
止、および帯電防止などのトラブル防止性能を付与する
ことも可能である。従ってシート状支持体の裏面に形成
される層の数においてはなんら制限はない。
【0033】
【実施例】下記の実施例によって、本発明をさらに具体
的に説明する。但し本発明の範囲はこれらによって制限
されるものではない。なお、下記の実施例および比較例
中の「部」および「%」は、特に断りのない限り「固形
分重量部」および「重量%」を表す。 実施例1 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)
を、撹拌機(商標:ケンミックスアイコーPRO、愛工
舎製作所製)を使用して、撹拌速度490rpmで6分
間撹拌してこれに発泡処理を施した。発泡倍率は5.0
倍であった。 樹脂混合液組成 水性ポリウレタン樹脂(商標: アデカボンタイターHUX−410、旭電化工業製) 100部 脂肪酸アンモニウム塩系陰イオン性界面活性剤 (商標:DC−100A、サンノプコ製) 10部 増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬製) 5部 上記の組成の樹脂混合液を、発泡処理後ただちに、米坪
75g/m2 の上質紙の表面上にアプリケーターバーを
用いて塗工量(乾物量)が15g/m2 となるように塗
工し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し、受像シ
ートを作製した。
【0034】実施例2 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)を
用い、樹脂混合液の発泡処理において、5分間攪拌し、
発泡倍率5.0倍の気泡含有樹脂混合液を調製した以外
は、実施例1と同様にして、受像シートを作製した。 樹脂混合液組成 水性ポリウレタン樹脂(商標: アデカボンタイターHUX−410、旭電化工業製) 100部 脂肪酸アンモニウム塩系陰イオン性界面活性剤 (商標:DC−100A、サンノプコ製) 30部 増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬製) 5部
【0035】実施例3 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)を
用いた以外は、実施例1と同様にして、受像シートを作
製した。 樹脂混合液組成 水性ポリウレタン樹脂(商標: アデカボンタイターHUX−410、旭電化工業製) 100部 脂肪酸アンモニウム塩系陰イオン性界面活性剤 (商標:DC−100A、サンノプコ製) 8部 脂肪酸アルカノールアミド非イオン界面活性剤 (商標:プロファンEX−24、三洋化成製) 2部 増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬製) 5部
【0036】実施例4 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)を
用いた以外は、実施例1と同様にして、受像シートを作
製した。 樹脂混合液組成 水性ポリウレタン樹脂(商標: アデカボンタイターHUX−410、旭電化工業製) 100部 脂肪酸アンモニウム塩系陰イオン性界面活性剤 (商標:DC−100A、サンノプコ製) 1部 脂肪酸アルカノールアミド非イオン界面活性剤 (商標:プロファンEX−24、三洋化成製) 9部 増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬製) 5部
【0037】実施例5 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)を
用いた以外は、実施例1と同様にして、受像シートを作
製した。 樹脂混合液組成 スチレン−ブタジエンラテックス (商標:JSR0619、日本合成ゴム製) 100部 高級アルコール硫酸エステル陰イオン性界面活性剤 (商標:SN−EX0099、サンノプコ製) 8部 ポリオキシエチレンアルキルエステル非イオン界面活性剤 (商標:S−15、日本油脂製) 2部 増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬製) 5部
【0038】実施例6 樹脂混合液の発泡処理において、2分間攪拌し、発泡倍
率1.5倍の気泡含有樹脂混合液を調製した以外は実施
例3と同様にして受像シートを作製した。
【0039】実施例7 樹脂混合液の発泡処理において、8分間攪拌し、発泡倍
率9.0倍の気泡含有樹脂混合液を調製した以外は実施
例3と同様にして受像シートを作製した。
【0040】比較例1 樹脂混合液の発泡処理を行わないで、支持体上に塗工し
た以外は、実施例1と同様にして受像シートを作製し
た。
【0041】比較例2 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)を
用いた以外は、実施例1と同様にして、受像シートを作
製した。 樹脂混合液組成 水性ポリウレタン樹脂(商標: アデカボンタイターHUX−410、旭電化工業製) 100部 脂肪酸アンモニウム塩系陰イオン性界面活性剤 (商標:DC−100A、サンノプコ製) 40部 増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬製) 5部
【0042】比較例3 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)を
用いた以外は、実施例1と同様にして、受像シートを作
製した。 樹脂混合液組成 水性ポリウレタン樹脂(商標: アデカボンタイターHUX−410、旭電化工業製) 100部 脂肪酸アルカノールアミド非イオン界面活性剤 (商標:プロファンEX−24、三洋化成製) 10部 増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬製) 5部
【0043】比較例4 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)を
用い、8分間攪拌して発泡処理を行い発泡倍率9.0倍
の気泡含有樹脂混合液を調製した以外は、実施例1と同
様にして、受像シートを作製した。 樹脂混合液組成 スチレン−ブタジエンラテックス (商標:JSR0619、日本合成ゴム製) 100部 ポリオキシエチレンアルキルエステル非イオン界面活性剤 (商標:S−15、日本油脂製) 30部 増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬製) 5部
【0044】比較例5樹脂混合液組成 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)を
用い、10分間攪拌して発泡処理を行い発泡倍率12.
0倍の気泡含有樹脂混合液を調製した以外は、実施例1
と同様にして、受像シートを作製した。 水性ポリウレタン樹脂(商標: アデカボンタイターHUX−410、旭電化工業製) 100部 脂肪酸アンモニウム塩系陰イオン性界面活性剤 (商標:DC−100A、サンノプコ製) 8部 脂肪酸アルカノールアミド非イオン界面活性剤 (商標:プロファンEX−24、三洋化成製) 2部 増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬製) 5部
【0045】テスト 各実施例、および比較例において、多孔性インク受容層
の気孔サイズの測定、耐ブロッキング性、および転写イ
ンク画像の評価については、下記の方法で行った。これ
らの測定および評価結果を表1に示す。 〔発泡倍率の測定〕発泡処理前の樹脂含有液(原液)1
00mlの重量を、発泡処理後の気泡を含有する樹脂含
有液100mlの重量で除して発泡倍率を求めた。
【0046】〔開孔面積率、気孔の直径とその面積割
合〕多孔性インク受容層の表面の開孔面積率、および特
定の直径を有する気孔の占める面積の割合は、走査型電
子顕微鏡もしくは光学顕微鏡を使用して、受容層の表面
を写真撮影した後、表面の気孔の輪郭を正確に透明フィ
ルム上に黒色のペン等で描き写し、さらに、ドラムスキ
ャナー(商標:2605型ドラムスキャンデンシトメー
ター、(株)阿部設計製)により、光学的に気孔の輪郭
の情報を読み取り、これを画像解析装置(商標:ルーゼ
ックスIII 、(株)ニレコ製)を用いて測定した。開孔
面積率は、多孔性インク受容層の全表面積に対する、気
孔によって占められる開孔部分の全面積の割合のこと
で、次式によって算出した。 開孔面積率(%)=(気孔によって占められる開孔部分
の全面積)/(多孔性インク受容層の全表面積) ×1
00 また、開孔部面積中の直径0.5〜20μmの範囲の気
孔の占める面積の割合は次式によって算出した。 直径0.5〜20μmの気孔の占める面積の割合(%)
=(直径0.5〜20μmの気孔の占有する全面積)/
(気孔によって占められる開孔部分の全面積) ×10
0 なお、本多孔性インク受容層表面上に形成された気孔の
形状は、必ずしも真円ではないので、気孔直径は画像解
析で得られる気孔の輪郭内の面積をもとに、円相当直径
に換算して気孔直径を表示した。
【0047】〔記録性能〕上記実施例1〜7および比較
例1〜5で得られた多孔性インク受容層を有する受像シ
ートについて20℃、相対湿度65%の環境下で一昼夜
調湿した後、熱転写カラープリンター(商標:True
print2200、日本ビクター(株)製:本来は昇
華型転写の画像形成装置だが、溶融転写方式の画像形成
もできるように改造した)に供給して、その表面にイン
ク画像を溶融転写記録した。得られたインク転写画像に
ついて下記のように、その反射濃度をマクベス反射型濃
度計により測定するとともに目視評価した。 (1)17階調で形成されるインク画像(黒単色画像)
について、マクベス反射型濃度計RD−914(商標)
を用いて印加エネルギー別に、その反射濃度を測定し、
最高反射濃度と階調再現性とを評価した。階調再現性は
良好に再現されているものから順に◎、○、△、×の4
段階で評価した。 (2)ドット再現性は、インクリボンから受容層に転写
されたインクのドットを観察し、階調再現性と同様に良
好に再現されているものから順に◎、○、△、×の4段
階で評価した。 (3)カラー画像の鮮明性を観察し、良好なものから順
に◎、○、△、×の4段階で評価した。 (4)剥離状態は、受容層上に形成された画像を観察
し、インク剥離のない良好なものから順に○、△、×の
3段階で評価した。これらの評価結果を表1に示す。な
お上記評価基準において、○レベル以上は実用に適する
が、△レベル以下では実用に適さない。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明により、受容層表面の気孔径が均
一に制御され、溶融転写インク画像のドット再現性およ
び階調再現性およびカラー鮮明性が優れ、高い記録濃度
が得られ、かつインク剥離のない溶融転写インク受像シ
ートを実用することが可能となり、産業界に寄与すると
ころが大である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、この支持体の一面上
    に、樹脂を主成分とし、さらに陰イオン界面活性剤、ま
    たは陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤を含
    有する樹脂含有液に機械的攪拌を施して塗布・乾燥する
    ことにより形成された多数の微細気孔を有している多孔
    性インク受容層とを有し、前記多孔性インク受容層の全
    表面積に対する、気孔によって占められる開孔部分の総
    面積の割合(開孔面積率)が10〜60%の範囲にあ
    り、かつ、前記開孔部分において、直径が0.5〜20
    μmの気孔の占める面積の割合が70〜100%である
    ことを特徴とする溶融転写型インク受像シート。
  2. 【請求項2】 樹脂含有液に、樹脂固形分100重量部
    に対して、陰イオン界面活性剤、または陰イオン界面活
    性剤および非イオン界面活性剤を1〜30重量部を含有
    せしめ、機械的撹拌を施して多数の微細気泡を含有させ
    た塗料の発泡倍率(一定重量の塗料で比較した、発泡後
    の体積と発泡前の体積の比)が1倍を越え10倍以下で
    ある気泡含有樹脂液をシート状支持体の一面上に塗工、
    乾燥して多孔性インク受容層を形成し、前記多孔性イン
    ク受容層の全表面積に対する、気孔によって占められる
    開孔部分の総面積の割合(開孔面積率)を10〜60%
    の範囲とし、かつ、前記開孔部分において、直径が0.
    5〜20μmの気孔の占める面積の割合を70〜100
    %の範囲にコントロールすることを特徴とする溶融転写
    型インク受像シートの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2047886A1 (en) * 1969-06-30 1971-03-19 Merieux Inst Non-toxic anti-whooping cough vaccine
WO2007064017A1 (en) * 2005-11-30 2007-06-07 Fujifilm Corporation Heat-sensitive transfer image-receiving sheet
DE112017002570T5 (de) 2016-05-19 2019-02-14 Denso Corporation Strömungsdurchgangsumschaltventil

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