JPH1086538A - 溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法 - Google Patents

溶融転写型インク受像シートおよびその製造方法

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JPH1086538A
JPH1086538A JP8243392A JP24339296A JPH1086538A JP H1086538 A JPH1086538 A JP H1086538A JP 8243392 A JP8243392 A JP 8243392A JP 24339296 A JP24339296 A JP 24339296A JP H1086538 A JPH1086538 A JP H1086538A
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Tatsu Nakai
達 中居
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受容層表面の気孔径が安定して均一に制御さ
れ、記録濃度が高く、階調再現性、ドット再現性および
カラー鮮明性が極めて優れ、かつインク剥離のないイン
ク画像記録が得られる溶融転写型インク受像シートを提
供する。 【解決手段】 シート状支持体と、このシート状支持体
の一面上に、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂を
主成分とし、さらに重量平均分子量が60,000〜5
50,000の範囲のメチルセルロースを含有する樹脂
含有液に機械的攪拌を施して塗布、乾燥することにより
形成された多数の微細気孔を有している多孔性インク受
容層とを有し、前記多孔性インク受容層表面の全表面積
に対する、気孔によって占められる開孔部分の総面積の
割合(開孔面積率)が10〜60%の範囲にあり、か
つ、前記開孔部分において、直径が0.5〜20μmの
気孔の占める面積の割合が70〜100%の範囲にある
ことを特徴とする溶融転写型インク受像シートおよびそ
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融転写型インク
受像シートおよびその製造方法に関するものである。更
に詳しく述べるならば、本発明は熱ヘッドを用いる溶融
転写型熱転写用プリンターに使用されたとき、記録濃度
とともに階調再現性およびドット再現性が優れたプリン
トインク画像が得られる溶融転写型インク受像シートお
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱転写インクシートとサーマルヘッドと
を利用する熱溶融転写記録方式は、機構が簡単で保守が
容易なため、ワードプロセッサーやファクシミリ等のプ
リンターに広く用いられており、この記録方式用受像シ
ートとしては上質紙が使用されてきた。しかし近年、熱
転写記録のフルカラー化に伴い従来より高い階調再現性
を得るため、プリンターにおいてはひとつのドットの大
きさを変えずに階調を得る従来の方法から、各ドットの
大きさを変更するドット可変方式に移行している。また
受像シートにおいては、低い印加エネルギーから高い印
加エネルギーにわたるフルカラー記録において、溶融転
写されたインクのドット形状が忠実に再現されるドット
再現性に優れ、かつ充分な量のインクが転写され、記録
濃度が高いことが記録画像の重要な品質になっている。
【0003】上記のような熱転写画像のフルカラー化に
対して、受像シートの特性も適切に対応する必要が生じ
ている。すなわち、フルカラー熱溶融転写方式において
通常の印刷用の非塗工紙を用いると、断熱性の低さに起
因すると考えられる記録濃度の低下や、クッション性の
不足によるドット再現性不良が発生することがある。ま
た、その表面が粗すぎる場合には、インクが転写されな
い部分、すなわちヌケが発生したり、逆に表面が平滑す
ぎる場合には、インクの投錨効果が働かず、転写された
インクがインクリボンに逆転写してしまうということに
よるヌケが発生しやすくなる。これらはいずれもドット
再現性不良の原因となる。上記のようなドット再現性の
不良に起因する記録濃度の低下の他に、溶融インク受像
層のインク吸収性の低さに起因する記録濃度の低下も発
生することがある。
【0004】これらの問題を解決する試みとして、受像
シートのクッション性の向上のために、支持体上に中空
粒子を含有するアンダーコート層を設けることが提案さ
れている(特開平2−89690号公報、特開昭64−
27996号公報)。しかし、この方法でも得られる受
像シートのクッション性や断熱性が未だ不十分である。
また、中空粒子が受容層の有機溶媒などに溶解する場合
には、耐有機溶剤性の高分子を中空粒子の接着剤として
使用するか、あるいは中空粒子を含む層上に耐有機溶剤
性の高分子層を設けることが必要であり、この必要性
は、受像シートの製造工程を複雑にし、かつ高コスト化
になるという問題がある。
【0005】上記問題を解決するための他の試みとして
は、プラスチックを主成分とするシート状支持体上に、
水中で溶出する成分を含んだ樹脂層を形成し、この樹脂
層から水溶性成分を溶出除去し、それによって受像シー
トのインク受容能力を向上させた例もあるが(特開平2
−41287号公報)、この場合十分な最高濃度が得ら
れないか、あるいは印画像に光沢がないなどの欠点があ
り、受像シートに対して高まりつつある要求品質を満足
するには至っていない。また、この受像シートはプラス
チックを主成分としているため資源のリサイクルが困難
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解消し、熱転写カラープリンターに使用し
たときに、受容層表面の気孔径が安定して均一に制御さ
れ、記録濃度とともに階調再現性およびドット再現性が
優れたプリントインク画像が得られる溶融転写型インク
受像シートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の溶融転写型イン
ク受像シートは、シート状支持体と、このシート状支持
体の一面上に、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂
を主成分とし、さらに重量平均分子量が60,000〜
550,000の範囲のメチルセルロースを含有する樹
脂含有液に機械的攪拌を施して塗工、乾燥することによ
り形成された多数の微細気孔を有している多孔性インク
受容層とを有し、前記多孔性インク受容層表面の全表面
積に対する、気孔によって閉められる開孔部分の総面積
の割合(開孔面積率)が10〜60%の範囲にあり、か
つ、前記開孔部分において、直径が0.5〜20μmの
気孔の占める面積の割合が70〜100%の範囲にある
ことを特徴とするものである。本発明の溶融転写型イン
ク受像シートの製造方法は、水溶性樹脂および/または
水分散性樹脂含有液に、前記樹脂含有液中の全固形分1
00重量部に対して、重量平均分子量が60,000〜
550,000の範囲のメチルセルロースを1〜30重
量部含有せしめ、機械的撹拌を施して多数の微細気泡を
含有させた塗料の発泡倍率(一定重量の塗料で比較し
た、発泡後の体積と発泡前の体積の比)が1倍を越え1
0倍以下である樹脂含有液を、シート状支持体の一面上
に塗工、乾燥して多孔性インク受容層を形成し、前記多
孔性インク受容層表面の全面積に対する、気孔によって
占められる開孔部分の総面積の割合(開孔面積率)を1
0〜60%の範囲とし、かつ、前記開孔部分において、
直径が0.5〜20μmの気孔の占める面積の割合を7
0〜100%の範囲にコントロールすることを特徴とす
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、上記の目的を達成す
べく鋭意検討した結果、特定の分子量を有するメチルセ
ルロースを選択し、樹脂含有液に添加して機械的撹拌を
施し、微細気泡を含有させた塗料を塗布、乾燥して多数
の微細気孔を有する多孔性インク受容層を形成すること
により、気孔直径の分布状態を安定して均一にコントロ
ールすることが可能となり、多孔性インク受容層の全表
面積に対する、気孔によって占められる開孔部分の総面
積の割合(開孔面積率)が10〜60の範囲にあり、か
つ、受容層表面の開孔部分において、直径0.5〜20
μmの気孔の占める面積の割合が70〜100%の範囲
にある受像シートが得られることが判明し、係る受容シ
ートを用いることにより、溶融熱転写プリンターによる
記録において、ドット再現性、階調再現性およびカラー
画像の鮮明性が極めて優れた高濃度記録が実現できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明における、優れた溶融インク転写性
能の発現メカニズムは、多孔性インク受容層および受像
シートの構造的特性、断熱性、圧縮特性等の物理的特性
等が関与しているものと考えられる。特に構造特性の面
においては、支持体上に形成された本多孔性インク受容
層の表面には微細な孔が多数存在するために、毛細管力
による溶融インクの吸収性があること、さらには多孔性
インク受容層内に含有されている多数の気孔が相互に連
通している(連続気泡を構成している)ので、多孔性イ
ンク受容層内への溶融インクの浸透性が良好となって、
高いインク受容能力を発現すると考えられる。この点に
おいて、受像シート上に形成された、多孔性インク受容
層表面の開孔面積率(%)を適正な範囲にコントロール
することは重要である。
【0010】本発明においては、多孔性インク受容層表
面の開孔面積率が10〜60%の範囲にあることが重要
であり、好ましくは30〜60%である。開孔面積率が
10%未満では、インクを受理する空隙が不十分である
ため十分な最高濃度が得られない。一方60%を越える
と熱転写記録時に多孔性インク受容層の膜強度が不十分
となり、インク剥離などが生じ易く、記録画像の画質が
低下する傾向がある。ここで開孔面積率とは、多孔性イ
ンク受容層表面の全面積に対する、気孔による開孔部分
の占有する面積の割合(%)を意味する。
【0011】さらに、気孔直径は、そのサイズ(大き
さ)に起因する毛細管現象により溶融インクを捕獲する
能力と関係しており、一般には気孔が小さいほどその能
力は大きく、記録画像の階調再現性、ドット再現性、カ
ラー鮮明性は良好となる。但し、気孔のサイズが過小な
場合には、インクを受理する空隙が不十分であるため、
却って画像濃度など低下する。気孔のサイズが過大にな
ると、気孔内に転写インクが埋没したり、インクリボン
と多孔性インク受容層表面との良好な接触を阻害するた
めに、転写不良あるいは転写むらの原因となり、またド
ット再現不良を起こして良好な画像が形成できなくな
る。直径20μm以下の微小な気孔は、溶融インクを捕
獲する能力が優れるため、良好な画像を形成する上で、
直径20μm以下の気孔の割合を増加させることは重要
である。
【0012】本発明においては、多孔性インク受容層表
面の開孔部分において、直径0.5〜20μmの気孔の
占める面積の割合が70〜100%の範囲にあることが
重要であり、好ましくは80〜100%である。開孔部
分において、直径0.5〜20μmの気孔の占める面積
の割合が70%以下の場合には、階調再現性、ドット再
現性、カラー鮮明性が低下する傾向がある。ここで、直
径0.5〜20μmの気孔の占める面積の割合とは、多
孔性インク受容層表面に存在する全気孔の総面積に対す
る、直径0.5〜20μmの気孔の総面積の割合(%)
を意味する。なお、多孔性インク受容層表面の開孔面積
率、気孔直径とその面積割合は、光学顕微鏡もしくは走
査型電子顕微鏡写真と画像解析装置により計測して求め
ることができる。
【0013】従来、樹脂含有液に機械的攪拌を施し多数
の微細気泡を含有させた気泡含有樹脂液をシート状支持
体の一面上に塗工、乾燥して多孔性インク受容層を形成
することにより、平均気孔直径が5〜30μm程度の多
孔性インク受容層は得られているが、これらの値は一般
には数平均による平均気孔直径である。そこで、多孔性
インク受容層の表面において、開孔部面積中の直径20
μm以下の気孔の占める面積の割合と、上記の数平均気
孔直径の関係は次のように考えることができる。つま
り、平均気孔直径が同一であっても、単位面積当たりの
気孔の数あるいは平均気孔直径の分布に差が生じれば、
開孔面積率と開孔部面積中の直径20μm以下の気孔の
占める面積の割合は異なる。例えば、平均気孔直径が1
0μmであっても、単位面積当たりの気孔の数が少ない
場合には、開孔面積率は10%未満となることもあれ
ば、単位面積当たりの気孔の数が多い場合には、開孔面
積率は60%以上となることもある。また、数平均気孔
直径が10μmであっても、気孔直径に広い分布があ
り、直径20μm以下の気孔の占める面積の割合が少な
い場合には、開孔部面積中の直径20μm以下の気孔の
占める面積の割合は50%未満となることもある。
【0014】また、受容層表面の開孔面積率、および気
孔直径とその面積分布は、気泡形成・分散処理前の樹脂
含有液の組成、すなわち材料の種類、配合比率、起泡、
塗工、乾燥後に多孔性インク受容層中の膜厚さに直接関
係する成分として残存する量、あるいは前記の発泡倍
率、塗工方式など、種々の要因によって影響されること
が多いので適正な条件の設定が必要である。さらに本発
明における多孔性インク受容層の表面の気孔の大きさ
は、機械的撹拌によって得た、気泡含有樹脂液中の気泡
の大きさと、安定性に関係しており、おおむね樹脂含有
液中の気泡が小さく、安定であるほど、塗工、乾燥後の
インク受容層表面の気孔も小さくなる傾向にある。
【0015】本発明においては、機械的攪拌を施して生
成した樹脂含有液中の気泡を安定化させ、この樹脂液を
塗工、乾燥後に所望の開孔面積率、および均一な気孔径
分布を有する多孔性インク受容層を得るために、重量平
均分子量が60,000〜550,000の範囲のメチ
ルセルロースが使用され、好ましくは重量平均分子量1
00,000〜300,000の範囲のものが使用され
る。重量平均分子量が60,000未満の場合には、熱
ゲル化効果が小さいため、所期の開孔面積率、および均
一な気孔直径を有する多孔性インク受容層が得られ難
い。一方、重量平均分子量が550,000を越える場
合には、メチルセルロースの製造過程において、ゲル化
する傾向があり、工業的には製造が困難である。
【0016】一般にメチルセルロースは、セルロースの
水酸基をメチルエーテル化して得られ、セルロースを構
成するグルコース単位の水酸基3個が全部メチル化され
ればメトキシル基の含量は45.6%であるが、本発明
で用いられるメチルセルロース中のメトキシル基の含量
には、特に厳格な制限はないが、好ましくは25.0〜
33.0%であり、より好ましくは27.5〜31.5
%である。また、本発明のメチルセルロースの使用量
は、樹脂含有液中の全固形分100重量部に対して1〜
30重量部であることが好ましく、より好ましくは3〜
20重量部である。メチルセルロースの添加量が1重量
部未満では、塗料中の絶対量が少な過ぎて、その効果が
十分に発揮されず、またメチルセルロースの添加量が3
0重量部を越える時には、塗料の粘度が上昇し過ぎて発
泡、塗工が正常に行えない場合や、熱ゲル化効果が飽和
し、却って経済的に不利になる場合がある。
【0017】一般に、樹脂含有液に機械的撹拌を施して
微細気泡を形成させる際には、整泡剤、発泡剤などを添
加して、気泡の安定性を向上させることは行われていた
が、このような方法では、さらに、乾燥工程で起こる樹
脂液の粘度低下や水分の移動等により、気泡の合体や破
壊が起こるためか、安定して所期の開孔面積率を有する
多孔性インク受容層が得ることは困難であった。
【0018】本発明のメチルセルロースを使用すること
により、所望の効果が得られる理由については一概には
言えないが、次のように考えられる。つまり、本発明特
定のメチルセルロースはメトキシル基が導入されてお
り、常温では水和しているが、加熱して温度が曇点以上
になるとメトキシル基は疎水性を有し、水分子が引き離
され粘度が上昇し始め、最終的にはゲル化を起こす。こ
れはメチルセルロースの熱ゲル化現象といわれており、
本発明では、気泡含有樹脂液の塗工後の乾燥工程中に、
気泡含有樹脂液の温度が上昇し、メチルセルロースの熱
ゲル化現象が起こるので、樹脂液の粘度が上昇し気泡は
早期に不動化される。その結果、樹脂含有液中の気泡の
安定性を向上させるのみでなく、乾燥中における気泡の
合体や破壊を抑制する効果が得られ、そのために塗工ス
ピードや乾燥温度などの塗工条件に影響されにくく、所
期の開孔面積率、および均一な気孔直径の分布を有する
多孔性インク受容層が容易に得られるものと考えられ
る。
【0019】本発明特定のメチルセルロースの熱ゲル化
温度は約55℃程度であるが、必要に応じて、他の物質
を添加することにより、熱ゲル化温度をコントロールす
ることも可能である。例えば、塩化ナトリウム、水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、塩化
鉄、塩化マグネシウム、グルコース、グリセリン、エタ
ノール、ポリエチレングリコール等を用いることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0020】本発明の樹脂含有液に含有させる気泡の安
定性を向上するには、整泡剤、または発泡剤と称されて
いる、広範な界面活性作用のある材料の中から適宜選定
して配合することも可能である。例えば、高級脂肪酸、
高級脂肪酸変性物、高級脂肪族のアルカリ塩、高級脂肪
酸のアミン塩等の陰イオン性の界面活性剤は、特に樹脂
含有液の発泡性を高める効果や、分散、含有させた気泡
の安定性向上効果が高いので使用することはよく知られ
ており、本発明の多孔性インク受容層の形成に使用する
ことができる。これらの選定には特に厳格な制限はない
が、樹脂含有液の流動性を著しく阻害したり、塗工作業
性を損なうおそれのある材料の使用は避けるのが至当で
ある。整泡剤や発泡剤の配合比率は、樹脂含有液中の全
固形分100重量部に対して、固形分で0〜30重量
部、好ましくは1〜20重量部であり、30重量部を越
えて配合してもその効果は飽和する傾向がある。
【0021】本発明において、樹脂含有液に気泡を形成
含有分散させる方法(以下これを発泡方法と記す)は、
例えば遊星運動をしつつ回転する撹拌翼を有するいわゆ
る製菓用の発泡機、一般に乳化分散等に利用されている
ホモミキサー、カウレスディゾルバー等の撹拌機あるい
は密閉系内に空気と樹脂含有液の混合物とを連続的に送
入しながら機械的に撹拌を施し、空気を微細な気泡に分
散、混合できる装置、例えば米国ガストンカウンティー
社、オランダのストーク社等の連続発泡機を用いること
ができるが、特に厳格な制限はない。
【0022】樹脂含有混合液の気泡含有状態には特に制
限はないものの、平均直径が0.5から20μmの微小
気泡が分散、混合されていることが好ましく、より好ま
しくは、平均直径が0.5から10μmの範囲にあるの
がよい。樹脂含有混合液の気泡平均直径が0.5から2
0μmの範囲にあると、概ね、インク受像シートの開孔
面積率は10〜60%、かつ、開孔部面積中の直径0.
5〜20μmの気孔の占める面積の割合が70〜100
%の範囲となる。含有された気泡の大きさは、その一部
を光学顕微鏡で写真撮影し、画像解析装置で計測するこ
とが可能である。また、本発明において、シート状支持
体上に形成される多孔性インク受容層は、樹脂を主成分
として含有し、必要により顔料を含んでもよい。このよ
うな多孔性インク受容層は、樹脂、あるいは樹脂と顔料
との混合物を含む液状物に、機械的撹拌を施してこれに
微細な多数の気泡を形成分散させ、この気泡含有樹脂液
を支持体に塗工、乾燥して形成することができる。
【0023】本発明の多孔性インク受容層を形成する樹
脂としては、水溶性樹脂または水分散(乳化)性樹脂が
使用され、例えば、種々の分子量およびケン化度のポリ
ビニルアルコールおよびその誘導体、デンプン、デンプ
ンの誘導体(例えば酸化デンプン、カチオン化デンプン
のような各種化工デンプン)、メトキシセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、エチルセルロース等のセル
ロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロ
リドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重
合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミドおよびその誘導
体、ポリエチレングリコール等の水溶性樹脂、並びに、
ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン
共重合体(SBRラテックス)、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体(NBRラテックス)、ポリアクリル
酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブ
チルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリ塩化
ビニリデン等の水分散性樹脂、さらにはニカワ、カゼイ
ン、大豆タンパク、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム等
を用いることができが、これらに限定されるものではな
い。これらの樹脂は必要に応じて、単独あるいは2種類
以上混合して使用することができる。上記樹脂の中で
も、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体(S
BRラテックス)等の水分散性樹脂が好ましく用いら
れ、本発明のメチルセルロースを使用することにより、
顕著な効果が得られる。
【0024】本発明において、多孔性インク受容層に含
ませることができる顔料としては、例えば酸化亜鉛、酸
化チタン、炭酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、クレー、タ
ルク、マイカ、焼成クレー、水酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、リトポン、コロイダルシリカ等の無機顔料、
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキ
シ樹脂、スチレン−アクリル共重合体等の真球、中空あ
るいは、さまざまな形状に加工されたタイプのプラスチ
ックピグメントと称される有機顔料やデンプン粉末、セ
ルロース粉末等を用いることができるが、これらに限定
されるものではない。また、これらの顔料は必要に応じ
て単独にあるいは2種以上混合して使用することができ
る。
【0025】また、本発明における多孔性樹脂塗膜は、
その構造から推察されるように、本質的に塗膜強度が強
いとは言いがたいので、各種顔料を配合すると塗膜強度
がさらに低下して、前記のように画像剥離を生じるなど
のトラブルの原因となることもある。従って、樹脂含有
液に各種の顔料を含ませて、多孔性インク受容層を形成
する場合には、受像シートとしての総合的な品質を考慮
して、適正な配合率で使用することは当然である。気泡
形成前の樹脂あるいは樹脂および顔料の混合物を含む液
状物中には、必要に応じて公知の粘度調節剤、分散剤、
染色剤、耐水化剤、潤滑剤、架橋剤、可塑剤などを添加
することができる。
【0026】シート状支持体上の多孔性インク受容層の
塗設量は、即ち塗工量は、得られる支持体の一面上の1
2 当たりの乾燥重量が2から40g(2〜40g/m
2 )の範囲にあるようにするのが好ましい。塗工量が2
g/m2 より少ない場合には、支持体の表面の粗さを充
分に被覆するのが困難になることが多く、適正な平滑性
を持った表面の受像シートが得られなかったり、充分な
断熱性や圧縮変形性が得られないことがある。一方それ
が40g/m2 を越えるような場合は、多孔性インク受
容層の厚さが過大となり、多孔性インク受容層内の結合
強度が低下して、画像を形成した際にこのインク受容層
が剥離するなどのトラブルを発生し、良好な画像が形成
できないこともある。従って、多孔性インク受容層の塗
工量の適正化は、樹脂含有液組成の適正化と同様に充分
な注意を払うのは当然である。
【0027】本発明において多孔性インク受容層は、樹
脂を主成分として含む樹脂含有液に多数の微細気泡を含
有させ、これをシート状支持体上に塗工し、乾燥するこ
とによって得ることができるが、気泡を形成、含有させ
る方法や設備、および塗工方法には特に厳格な制限はな
い。また気泡を含有する樹脂含有液の気泡含有状態にも
特に制限はないが、好ましくは気泡含有液の原液に対す
る体積比(以下発泡倍率と記す)が1倍を越え10倍以
下であることが好ましく、より好ましくは1倍を越え5
倍以下である。すなわち発泡倍率は気泡含有樹脂含有液
中の気泡含有率を示す尺度であり、発泡倍率が大きくな
ると気泡を構成する樹脂膜(壁)の厚さが薄くなること
を意味している。また、同じ発泡倍率である場合には、
発泡前の樹脂含有液の固形分濃度が低いほど、樹脂膜が
薄くなることを意味している。このように、樹脂膜が薄
くなると、得られる多孔性インク受容層の強度を十分な
レベルに維持することが困難になることがあり、この点
において、発泡倍率と樹脂含有液組成とのバランスには
十分な注意を払うべきである。
【0028】多孔性インク受容層を支持体上に形成する
ための塗工方式としては、メイヤーバー方式、グラビア
ロール方式、ロール方式、リバースロール方式、ブレー
ド方式、ナイフ方式、エアーナイフ方式、押し出し方
式、キャスト方式等の既知の方法から任意に選定するこ
とができる。
【0029】本発明の多孔性インク受容層を有するシー
トは、気泡含有樹脂液をシート状支持体上に塗工、乾燥
したままの状態でも良好な溶融熱転写画像を示すことが
できるが、さらに金属製ロール2段以上で構成されるマ
シンカレンダー、あるいは金属製ロールおよび樹脂製ロ
ールあるいは金属製ロールとコットン製ロールなどを適
宜組み合わせて構成されるスーパーカレンダーを使用し
て、この多孔性インク受容層に仕上げ処理を施し、その
表面の平滑性をさらに向上させることができる。また塗
工後、半乾燥状態もしくは乾燥状態にあるシートの多孔
性インク受容層の表面を鏡面仕上げを施した加温あるい
は非加温状態のキャストドラム等に接触させて、その表
面平滑性を向上させてもよい。しかし過度の加圧力下で
上記平滑仕上げ処理を施すと、多孔性インク受容層中の
気泡を取り囲む樹脂壁が破壊され、インク受容層の緻密
化が生じて、断熱性やクッション性が低下するあるいは
インク受容層表面の気孔の変形や破壊が起こるため、多
孔性インク受容層が有するすぐれた溶融インク転写性能
が得られなくなることもある。従って、前記の平滑仕上
げ処理に際しては処理条件を十分に検討することが必要
である。
【0030】また本発明に用いられるシート状支持体と
しては、セルロースを主成分とする紙、塗工紙、ラミネ
ート紙等の紙類をはじめとして、織布、不織布等の布類
が使用可能である。またポリオレフィン、メタクリレー
ト、酢酸セルロース等のプラスチックフィルム類、ポリ
オレフィンと顔料からなる合成紙や発泡ポリエチレンテ
レフタレートフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム等
の多孔質合成樹脂フィルム等を使用することができる。
これらの支持体は、断熱性の良好なものほど同一印加エ
ネルギーでドット再現性や階調再現性が良好であり、記
録濃度の増加を達成することができ、また、同一濃度、
および記録品質を得るために必要なエネルギー量が少な
くてすむため、省エネルギーにも有効である。またパル
プを主成分として含む紙や塗工紙を支持体として用いた
場合には、特にリサイクルが可能であるという利点もあ
る。
【0031】さらに前記のシート状支持体上に、例えば
気泡含有樹脂含有液を塗工して、本発明の受像シートを
製造する際、塗工、乾燥および巻き取りなどの工程にお
いて、シート自体がその塗工面を内側あるいは外側にし
てカールすることがある。この場合、当該シートを断裁
により所定寸法の画像形成用シートに加工したのち使用
すると、熱転写プリンターへの給紙が正常に行われない
ことがあり、あるいは該プリンター内部における走行性
が悪化するなどのトラブルを発生することがある。また
溶融転写記録方式は熱源をインクリボンと接触せしめ、
リボン中の染料成分を記録用シート上に転写する方式で
あるため、画像形成面である多孔性インク受容層と、支
持体層の加熱に伴う収縮の差、もしくは膨張特性の差に
起因して、受像シートが装置内部でカールを発生し、前
記のようなトラブルが発生する。このようなカール発生
のために画像が正常な紙面方向に対して斜めに形成され
たり、装置内部でシートにしわが発生しやすくなり、こ
のためインクリボンと受像シートとの接触が正常に行わ
れず、インク転写不良を起こし、その結果、画像品質が
悪化することがある。
【0032】このようなカールが原因で生じる各種のト
ラブルを防止するためには、多孔性インク受容層と支持
体層との加熱による収縮特性の差、もしくは膨張特性の
差をできる限り小さくすることが望ましい。そのために
該シートの裏面、すなわち多孔性インク受容層に対し反
対側の面にカール防止層を塗工あるいはラミネートして
もよい。このカール防止層の材料、形成方法、塗工量、
ラミネート量等にはまったく制限はなく、支持体の種
類、厚さ、あるいは多孔性インク受容層の性状、すなわ
ち材料組成、発泡倍率、塗工量など種々の要因を勘案し
て最適化をはかることができる。
【0033】また支持体の材料選定によっては、得られ
る受像シートがプリンター内で走行する際に装置の機構
上、種々の摩擦力を受けたり、加熱による装置内部の湿
度低下等の影響が単独に、あるいは複合してこの受像シ
ートに静電気を帯電させることがある。このような状態
において連続的の多数枚の画像形成を行うと、この受像
シートの画像形成面と、次の受像シートの裏面とが静電
気的に密着して剥しにくくなる。とくに各種プラスチッ
クシート類あるいは合成紙等は本質的に帯電しやすい性
質があるために、これらを支持体として利用する際は、
断裁によるシート化工程において、あるいは加工後の保
管中に、静電気発生のためシートの表裏が剥しにくくな
る。当然のことながら紙類を支持体とした場合でも前記
のようなトラブルは起こり得る。このような帯電に伴う
トラブル防止のために、いわゆる帯電防止層を受像シー
トの裏面に形成することはきわめて有効である。また帯
電は帯電防止材料を使用すること、あるいは該シート裏
面と多孔性インク受容層とのシート間の摩擦係数を低減
することにより達成することができる。従って帯電防止
層をカール防止層形成と同様に広範な材料および方法の
中から適宜選定して形成することができる。
【0034】前記のカール防止層、および帯電防止層
は、支持体の裏面に個別に形成して所期性能を得ること
は可能であるが、製造工程の簡略化、製造コストの低減
あるいは所期の機能水準等、必要に応じて材料、形成方
法を適宜選定することにより、単一層に形成して目的を
達成するすることができる。すなわち単一層でカール防
止、および帯電防止などのトラブル防止性能を付与する
ことも可能である。従ってシート状支持体の裏面に形成
される層の数においてはなんら制限はない。
【0035】
【実施例】下記の実施例によって、本発明をさらに具体
的に説明する。但し本発明の範囲はこれらによって制限
されるものではない。なお、下記の実施例および比較例
中の「部」および「%」は、特に断りのない限り「固形
分重量部」および「重量%」を表す。 実施例1 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)
を、撹拌機(商標:ケンミックスアイコーPRO、愛工
舎製作所製)を使用して、撹拌速度490rpmで6分
間撹拌してこれに発泡処理を施した。発泡倍率は4.5
倍であった。 樹脂混合液組成 水性ポリウレタン樹脂(商標:アデカボンタイター HUX−401、旭電化工業(株)製) 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ(株)製) 10部 メチルセルロース:分子量100,000 (商標:メトローズSM−100、信越化学工業(株)製) 5部 上記の組成の樹脂混合液を、発泡処理後ただちに、米坪
75g/m2 の上質紙の表面上にアプリケーターバーを
用いて塗工量(乾物量)が15g/m2 となるように塗
工し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し、受像シ
ートを作製した。
【0036】実施例2 樹脂混合液組成において、メチルセルロース(商標:メ
トローズSM−100、信越化学工業(株)製、分子量
100,000)5部の代わりに、メチルセルロース
(商標:メトローズSM−25、信越化学工業(株)
製、分子量80,000)7部を用いた以外は、実施例
1と同様にして受像シートを作製した。
【0037】実施例3 樹脂混合液組成において、メチルセルロース(商標:メ
トローズSM−100、信越化学工業(株)製、分子量
100,000)の代わりに、メチルセルロース(商
標:メトローズSM−8000、信越化学工業(株)
製、分子量500,000)を用いた以外は、実施例1
と同様にして受像シートを作製した。
【0038】実施例4 樹脂混合液組成において、メチルセルロース(商標:メ
トローズSM−100、信越化学工業(株)製、分子量
100,000)の添加量を27部とし、樹脂混合液の
固形分濃度を30%に変えた以外は、実施例1と同様に
して受像シートを作製した。
【0039】実施例5 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度35%)を
用いた以外は、実施例1と同様にして受像シートを作製
した。 樹脂混合液組成 スチレン−ブタジエンラテックス (商標:L−1612、旭化成工業(株)製) 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ(株)製) 10部 メチルセルロース:分子量100,000 (商標:メトローズSM−100、信越化学工業(株)製) 3部
【0040】実施例6 樹脂混合液の発泡処理において、攪拌時間を2分間に変
えて処理し、発泡倍率1.5倍の気泡含有樹脂混合液を
調製した以外は、実施例1と同様にして受像シートを作
製した。
【0041】実施例7 樹脂混合液の発泡処理において、攪拌時間を10分間に
変えて処理し、発泡倍率9.0倍の気泡含有樹脂混合液
を調製した以外は、実施例1と同様にして受像シートを
作製した。
【0042】比較例1 樹脂混合液の発泡処理を省略して、上質紙の表面上に塗
工、乾燥した以外は、実施例1と同様にして受像シート
を作製した。
【0043】比較例2 樹脂混合液組成において、メチルセルロース(商標:メ
トローズSM−100、信越化学工業(株)製、分子量
100,000)の代わりに、メチルセルロース(商
標:メトローズSM−06、信越化学工業(株)製、分
子量30,000)を用いた以外は、実施例1と同様に
して受像シートを作製した。
【0044】比較例3 樹脂混合液組成において、メチルセルロース(商標:メ
トローズSM−100、信越化学工業(株)製、分子量
100,000)の添加量を40部とし、樹脂混合液の
固形分濃度を30%に変えた以外は、実施例1と同様に
して受像シートを作製した。
【0045】比較例4 樹脂混合液の発泡処理において、攪拌時間を12分間に
変えて処理し、発泡倍率12.0倍の気泡含有樹脂混合
液を調製した以外は、実施例1と同様にして受像シート
を作製した。
【0046】比較例5 樹脂混合液組成において、メチルセルロース(商標:メ
トローズSM−100、信越化学工業(株)製、分子量
100,000)の添加量を0.5部とした以外は、実
施例1と同様にして受像シートを作製した。
【0047】テスト 上記各実施例、および比較例において、発泡倍率、多孔
性インク受容層の開孔面積率、気孔サイズの測定、およ
び転写インク画像の評価などについては、下記の方法で
行った。これらの測定および評価結果を表1に示す。 〔発泡倍率の測定〕発泡処理前の樹脂含有液(原液)1
00mlの重量を、発泡処理後の気泡を含有する樹脂含
有液100mlの重量で除して発泡倍率を求めた。
【0048】〔開孔面積率、気孔の直径とその割合の測
定方法〕多孔性インク受容層の表面の開孔面積率、およ
び特定の直径を有する気孔の占める面積の割合は、走査
型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡を使用して、受容層の
表面を写真撮影した後、表面の気孔の輪郭を正確に透明
フィルム上に黒色のペン等で描き写し、さらに、ドラム
スキャナー(商標:2605型ドラムスキャンデンシト
メーター、(株)阿部設計製)により、光学的に気孔の
輪郭の情報を読み取り、これを画像解析装置(商標:ル
ーゼックスIII 、(株)ニレコ製)を用いて測定した。
開孔面積率は、多孔性インク受容層表面の全表面積に対
する、気孔によって占められる開孔部分の全面積の割合
のことで、次式によって算出した。 開孔面積率(%)=(気孔によって占められる開孔部分
の全面積)/(多孔性インク受容層表面の全表面積)
×100 また、開孔部面積中の直径0.5〜20μmの範囲の気
孔の占める面積の割合は次式によって算出した。 直径0.5〜20μmの気孔の占める面積の割合(%)
=(直径0.5〜20μmの気孔の占有する全面積)/
(気孔によって占められる開孔部分の全面積) ×10
0 なお、本多孔性インク受容層表面上に形成された気孔の
形状は、必ずしも真円ではないので、気孔直径は画像解
析で得られる気孔の輪郭内の面積をもとに、円相当直径
に換算して気孔直径を表示した。
【0049】〔記録性能〕上記実施例1〜7および比較
例1〜5で得られた多孔性インク受容層を有する受像シ
ートについて20℃、相対湿度65%の環境下で一昼夜
調湿した後、熱転写カラープリンター(商標:True
print2200、日本ビクター(株)製:本来は昇
華型転写の画像形成装置だが、溶融転写方式の画像形成
もできるように改造した)に供給して、その表面にイン
ク画像を溶融転写記録した。得られたインク転写画像に
ついて下記のように、その反射濃度をマクベス反射型濃
度計により測定するとともに目視評価した。 (1)17階調で形成されるインク画像(黒単色画像)
について、マクベス反射型濃度計RD−914(商標)
を用いて印加エネルギー別に、その反射濃度を測定し、
最高反射濃度と階調再現性とを評価した。階調再現性は
良好に再現されているものから順に◎、○、△、×の4
段階で評価した。 (2)ドット再現性は、インクリボンから受容層に転写
されたインクのドットを観察し、階調再現性と同様に良
好に再現されているものから順に◎、○、△、×の4段
階で評価した。 (3)カラー画像の鮮明性を観察し、良好なものから順
に◎、○、△、×の4段階で評価した。 (4)剥離状態は、インク受容層上に形成された画像を
観察し、インク剥離のない良好なものから順に○、△、
×の3段階で評価した。これらの評価結果を表1に示
す。 なお上記評価基準において、○レベル以上は実用に適す
るが、△レベル以下では実用に適さない。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明により、受容層表面の気孔径を安
定して均一に制御することが可能となり、溶融転写イン
ク画像のドット再現性、階調再現性およびカラー鮮明性
が極めて優れ、高い記録濃度が得られ、しかもインク剥
離のない溶融転写インク受像シートを実用することが可
能となり、産業界に寄与するところが大である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、このシート状支持体
    の一面上に、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂を
    主成分とし、さらに重量平均分子量が60,000〜5
    50,000の範囲のメチルセルロースを含有する樹脂
    含有液に機械的攪拌を施して塗工、乾燥することにより
    形成された多数の微細気孔を有している多孔性インク受
    容層とを有し、前記多孔性インク受容層表面の全表面積
    に対する、気孔によって占められる開孔部分の総面積の
    割合(開孔面積率)が10〜60%の範囲にあり、か
    つ、前記開孔部分において、直径が0.5〜20μmの
    気孔の占める面積の割合が70〜100%の範囲にある
    ことを特徴とする溶融転写型インク受像シート。
  2. 【請求項2】 水溶性樹脂および/または水分散性樹脂
    含有液に、前記樹脂含有液中の全固形分100重量部に
    対して、重量平均分子量が60,000〜550,00
    0の範囲のメチルセルロースを1〜30重量部含有せし
    め、機械的撹拌を施して多数の微細気泡を含有させた塗
    料の発泡倍率(一定重量の塗料で比較した、発泡後の体
    積と発泡前の体積の比)が1倍を越え10倍以下である
    樹脂含有液を、シート状支持体の一面上に塗工、乾燥し
    て多孔性インク受容層を形成し、前記多孔性インク受容
    層表面の全面積に対する、気孔によって占められる開孔
    部分の総面積の割合(開孔面積率)を10〜60%の範
    囲とし、かつ、前記開孔部分において、直径が0.5〜
    20μmの気孔の占める面積の割合を70〜100%の
    範囲にコントロールすることを特徴とする溶融転写型イ
    ンク受像シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100402386B1 (ko) * 1999-12-27 2003-10-22 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 교류발전기 및 그의 제조방법
KR100437194B1 (ko) * 2000-02-14 2004-06-23 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 교류발전기의 고정자

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100402386B1 (ko) * 1999-12-27 2003-10-22 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 교류발전기 및 그의 제조방법
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