JP5119474B2 - 熱転写受容シート - Google Patents

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Description

本発明は熱転写受容シート(以下、単に受容シートと称する。)に関するものである。さらに詳しく述べるならば、本発明は、受容シートの裏面塗工層(以下、単に裏面層と称する。)が、画像受容層との接触において充分なブロッキング防止性、および裏面層の摩擦や擦れによる粉落ち防止性を兼ね備え、かつ印画ムラのない、高画質の受容シートを提供しようとするものである。
染料熱転写方式による高画質のカラーハードコピープリントシステムは、プリンターと、熱転写シート(以下、単にインクリボンと称する。)と、受容シートとから構成される。受容シートにカラー画像を形成する一般的な方法としては、イエロー、マゼンタ、シアン、更に必要に応じてブラックの3色または4色からなる色材層が面順次に設けられたインクリボンと、画像受容層(以下、単に受容層と称する。)が設けられた受容シートを密着させて、一定の圧力で押圧された加熱デバイスとプラテンローラーとの間を通過させる。その時、画像情報に応じて加熱デバイスの発熱部分を選択的に発熱させ、インクリボンの色材層に含まれる染料を受容シートの受容層に移行させて画像を形成する。インクリボンには3色または4色の色材層が面順次に設けられており、受容シートの同一位置に1色ずつ3回または4回に分けて異なる色が順次転写され、各色が重ねられてカラー画像が形成される。
一般に受容シートは、シート状支持体と、シート状支持体の一面に形成され、インクリボンから移行する染料の染着性に優れた受容層と、シート状支持体の他の面に形成され、受容層とのブロッキング防止性を備えた裏面層とから形成される。
受容シートは製造工程において、受容層塗料、裏面層塗料を塗工・乾燥してロール状に巻き取って保管するなど、受容層面と裏面層面が接触して、高温のまま重ねられ荷重を受けることが通常である。受容層はインクリボンの色材層が転写しやすいことが必要であり、熱可塑性樹脂を主成分としている。このため裏面層には、受容層との貼りつき(いわゆるブロッキング)を防止する機能が求められる。ブロッキングが発生すると、受容層表面の光沢度が低下するため受容シートとしての外観を損ない商品価値が低下する。のみならず、受容層表面の平滑性が低下するためカラー画像を形成する際に画質が著しく悪化する。
これまでに熱転写受容紙の受容層面と裏面層面とのブロッキングを防止する目的でいくつかの提案がなされている。受容層の表面に「表面層」としてアクリル系樹脂層を設ける方法(例えば、特許文献1参照。)、マイクロシリカ及び酢酸セルロースを含む裏面層(例えば、特許文献2参照。)、研磨剤を含む裏面層(例えば、特許文献3参照。)などが開示されている。
しかし、受容層の表面に「表面層」を設ける場合、インクリボンの色材層から受容シートへの染料の移行が充分でなくなり鮮明な画像が得られない問題がある。裏面層にマイクロシリカや研磨剤を含有する場合、受容層と裏面層との接触面積が減ることによりある程度のブロッキング防止効果が期待できるが、マイクロシリカや研磨剤が裏面層から脱落(いわゆる粉落ち)が発生して受容層面に移り、その部分では染料の移行が妨げられるためカラー画像に白ヌケ現象を発生させる問題がある。また、裏面層のマイクロシリカや研磨剤が、受容層面に形状転写して受容層表面に凹部を形成し、その部分ではやはり染料が移行し難く、カラー画像に白ヌケ現象を発生させる問題がある。
更に、ナイロンフィラーと固着剤とを有する裏面層(例えば、特許文献4参照)では、受容シートの走行性及び裏移り性の改善について、ナイロンフィラーとアクリルポリオール系バインダーを有する裏面層(例えば、特許文献5参照)では、受容シートを重ね合わせた時の傷付き性改善について、またナイロン粒子と硫酸バリウムと高級脂肪酸とを併用した裏面層(例えば、特許文献6参照)では、裏面層の筆記性、インクジェット適性改善について、また、特定粒子径のナイロンフィラーと特定のガラス転移温度を有するアクリル系樹脂を有する裏面層(例えば、特許文献7参照)では、各種環境条件でのカール防止や裏プリント性改善についてそれぞれ述べられているが、裏面層と受容層とのブロッキング防止性や、裏面層の粉落ち防止性については、何らの言及が無く、印字品質(例えば、印画欠陥の有無)等に関しては不十分であるのが実状であり、また本願のような、特定のスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂の使用に関しては何ら示されていない。
特開2003−94843号公報(第2頁) 特開平8−230337号公報(第2頁) 特開平5−116472号公報(第2頁) 特開平7−101163号公報(第2頁) 特開平8−118822号公報(第2頁) 特開2000−335120号公報(第2頁) 特開2006−21431号公報(第2頁)
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、受容シートの裏面層が、受容層面とのブロッキング防止性、および裏面層の摩擦や擦れによる粉落ち防止性を兼ね備え、かつ印画ムラのない、高画質の受容シートを提供しようとするものである。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)シート状支持体と、前記シート状支持体の一面上に形成された染料染着性樹脂を主成分とする画像受容層と、前記シート状支持体の他の面上に形成された裏面塗工層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記裏面塗工層が、接着剤樹脂としてスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂を主成分とし、更に平均粒径が25μm以下かつ平均粒径の変動係数が5%以下であるナイロン樹脂微粒子を含有することを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記裏面塗工層が、更に水溶性樹脂を含有する(1)項に記載の熱転写受容シート。
(3)前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール系樹脂及び/またはスチレンーマレイン酸系共重合体アルカリ塩である(2)項に記載の熱転写受容シート。
(4)前記スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂の、裏面層全固形分質量に対する固形分比率が30質量%以上である(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(5)前記スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂の、JIS K 7121に規定されるガラス転移温度(Tg)が−15〜40℃である(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(6)前記シート状支持体は、JAPAN TAPPI No5−2に基いて測定された透気度が100秒以上かつ1000秒以下の紙基材であり、さらに前記紙基材と画像受容層の間に、少なくとも中空粒子を含有する中間層が設けられた(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
本発明の受容シートは、受容シートの裏面層が、受容層とのブロッキング防止性および裏面層の摩擦や擦れによる粉落ちを防止する機能を備えており、受容層にカラー画像を形成した際に、良好な画質と充分な印画濃度を有する優れた受容シートである。
本発明の受容シートは、少なくともシート状支持体と、前記シート状支持体の片面に染料を受容する受容層が積層され、更に前記シート状支持体の受容層が設けられていない側の面に裏面層が積層された構成を有する受容シートである。以下に受容シートを構成する各層について詳しく述べる。
(裏面層)
本発明は、裏面層にスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂を接着剤主成分として用い、更に裏面層にブロッキングを防止する目的でナイロン樹脂微粒子を添加することを特徴としている。スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂の使用は、シート状支持体とナイロン樹脂微粒子の間の接着強度を向上させ、裏面層の摩擦や擦れによる粉落ちの低減効果が大きい。
また、スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂は疎水性が強く、該共重合体樹脂を裏面層に配合することによって、受容シートが高湿度環境下に放置された時に、裏面層からの吸湿を抑制することが可能となり、受容シートの吸湿によるカールを低減することができる。
本発明で使用するスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂ラテックスは、従来公知の乳化重合法で合成される。スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂中のスチレンの含有割合は、3〜65質量%であることが好ましく、10〜65質量%であることが更に好ましい。スチレンの含有割合が3質量%未満であると、これを用いた塗工液の安定性が低下する傾向にある。一方、65質量%を超えると、得られる共重合体が硬くなりすぎ、密着性が低下することがある。
また、スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂中のブタジエン含有割合は、25〜85質量%であることが好ましく、25〜70質量%であることが更に好ましく、30〜60質量%であることが特に好ましい。ブタジエン含有割合が25質量%未満であると、シート状支持体との密着性や柔軟性が不足することがある。一方、85質量%を超えると、シート状支持体との密着性が不足することがある。
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂中のメタクリル酸アルキルエステルの含有割合は0.1〜50質量%含有することが好ましい。メタクリル酸アルキルエステルの含有割合が0.1質量%未満であると、これを用いた塗工液の安定性が低下することがある。一方、50質量%を超えると、得られるポリマーが硬くなりすぎ、密着性に劣ることがある。
またメタクリル酸アルキルエステル単量体としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート等を挙げることができる。これらの中でも、メチルメタクリレートが好ましい。これらのメタクリル酸アルキルエステル単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂は、必要に応じて脂肪族共役ジエン系単量体、芳香族ビニル化合物単量体、及びメタクリル酸アルキルエステル単量体と共重合可能なその他の単量体からなる構成単位を含有することも可能である。
使用可能なその他の単量体としては、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩等のスルホン酸基含有単量体、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、イソプロピレングリコールジアクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート等の二官能単量体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有単量体、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコシシラン基含有単量体を挙げることができる。
これらの単量体の中でも、重合安定性等の面からは、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。また塗工液の安定性等の面からは、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドが好ましい。
これら上記の単量体は任意の1種又は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
本発明のスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂は、例えば、紙塗工用の接着剤樹脂として用いられるスチレン・ブタジエン系共重合体(SBR)ラテックス等と同様に、安定性及び反応性を付与させるためにカルボン酸変性しているものが好ましく、さらに、アミド変性することにより、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を含有する裏面層用塗料の保存安定性を更に向上させることが可能であり、より好ましく使用される。
本発明においてスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂は、裏面層の全固形分質量に対して30質量%以上含有することが好ましい。更に好ましくは35質量%以上含有することが好ましく、最も好ましくは45〜95質量%である。因みにスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂の含有量が30質量%未満では吸湿カール防止の効果が不足することがある。
またスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−15〜40℃であることが好ましく、−5〜+30℃であることがより好ましい。ガラス転移温度(Tg)が40℃を超えると、紙等のシート状支持体との接着性や、裏面層に含有されるナイロン樹脂微粒子との密着性が低下し、裏面層がシート状支持体から脱落したり、ナイロン樹脂微粒子が粉落ちしたりすることがある。またガラス転移温度(Tg)が−15℃未満では裏面層と受容層とを重ねた場合にブロッキングが発生することがある。
なお本発明におけるガラス転移温度(Tg)(℃)の値はJIS K 7121に規定される方法に従い、示差走査熱量計(商品名:SSC5200、セイコー電子工業製)を用いて測定される値である。
本発明の裏面層に使用される接着剤樹脂としては、スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、一般に使用されている各種公知の接着剤樹脂を併用して使用することが可能である。
併用可能な樹脂の具体例としては、例えば、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)のようなビニルアルコール系共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリエチレングリコール樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、デンプン、スチレン−マレイン酸系共重合体アルカリ塩等のような水溶性樹脂、またアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、セルロース誘導体樹脂のような有機溶剤溶性樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂のような水と有機溶剤から成る混合溶剤溶性の樹脂が挙げられ、これらの樹脂を単独あるいは2種以上を併用してもよい。またこれらの樹脂の反応硬化物も用いることができる。
また、各種のゴム系樹脂の水分散体樹脂(ラテックス)を併用してもよい。ゴム系樹脂の水分散体樹脂としては、天然ゴム(NR)ラテックス、スチレン・ブタジエン系共重合体(SBR)ラテックス、ポリブタジエン系(BR)ラテックス、メチルメタクリレート・ブタジエン系共重合体(MBR)ラテックス、2−ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系共重合体(VP)ラテックス、アクリロニトリル・ブタジエン系共重合体(NBR)ラテックス、ポリクロロプレン系(CR)ラテックス等が挙げられる。本発明の裏面層には、これらのラテックスの中でも、SBRラテックスが好ましく使用される。SBRラテックスは機械安定性、接着力、耐水性などが良好であり、特に紙に対する塗工用塗料の接着剤樹脂として好ましく使用される。
さらに、本発明のスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体以外の、芳香族ビニル化合物単量体からなる構成単位と、脂肪族共役ジエン系単量体からなる構成単位と、メタクリル酸アルキルエステルからなる構成単位よりなる共重合体樹脂を併用してもよい。芳香族ビニル化合物単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等を挙げることができる。また、脂肪族共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン等を挙げることができる。これらの単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の裏面層においては、上記の併用可能な樹脂の中でも、水溶性樹脂を含有することが好ましい。水溶性樹脂は適度の粘度を有するので、裏面層用塗料の粘度を適正範囲に制御することが可能であり、裏面層用塗料の塗工性を更に向上させることができる。
前記の水溶性樹脂の中でも、本発明のスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキル系共重合体樹脂ラテックスとの相溶性が良好であり、支持体との接着性にも優れ、安価で、入手容易であるポリビニルアルコール系樹脂及び/又はスチレン−マレイン酸系共重合体アルカリ塩を併用するのが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂は酢酸ビニルモノマーを重合し、得られたポリ酢酸ビニル樹脂をケン化することにより製造される。或いは酢酸ビニルモノマー及び酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体をケン化することにより製造される。
本発明で使用可能なポリビニルアルコール系樹脂としては、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、メルカプト変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)のようなビニルアルコール系共重合体等が挙げられる。またこれらのポリビニルアルコール系樹脂は、市販のものを好適に使用することも可能であり、例えばクラレ社、日本合成化学社などから市販されている。
ポリビニルアルコール系樹脂の様々な銘柄は、主に重合度およびケン化度を制御することにより製造される。本発明の裏面層において使用されるポリビニルアルコール系樹脂の重合度としては300〜3000のものが、好ましく使用される。重合度が300未満では、形成する皮膜の強度が弱く裏面層の粉落ち防止性が不足する場合がある。一方重合度が3000を超えると、水溶液としたときの粘度が高くなりハンドリングしにくい場合がある。ポリビニルアルコール系樹脂としては、接着強度、耐水性の点から完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコールが好ましい。
本発明の裏面層において、ポリビニルアルコール系樹脂の裏面層全固形分質量に対する配合量としては、3〜25質量%であることが好ましく、更に好ましくは4〜20質量%である。
ポリビニルアルコール系樹脂の配合量が3質量%未満では十分な接着強度が得られないことがあり、また25質量%を超えると、裏面層用塗料の粘度が増大し、塗工性が悪化することがある。

また本発明で好ましく使用されるスチレン−マレイン酸系共重合体アルカリ塩は、例えば、スチレンとマレイン酸または無水マレイン酸とを常法に従って乳化重合法によって共重合し、得られた共重合体を更に、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリで中和して塩を含有させた共重合体としたものである。また共重合体中の全てのカルボキシル基を中和する必要はなくフリーのカルボキシル基が残存していても良い。これらのスチレン−マレイン酸系共重合体アルカリ塩のうちで、特にスチレン−マレイン酸系共重合体のナトリウム塩を使用することが好ましい。
またこれらのスチレン−マレイン酸系共重合体アルカリ塩としては、市販品を使用することも可能であり、その具体例としては、荒川化学製の、KS1570S、ポリマロン1318等を挙げることができる。
本発明の裏面層において、スチレン−マレイン酸系共重合体アルカリ塩の裏面層全固形分質量に対する配合量としては、3〜65質量%であることが好ましく、更に好ましくは5〜60質量%である。スチレン−マレイン酸系共重合体アルカリ塩の配合量が3質量%未満では十分な接着強度が得られないことがあり、また65質量%を超えると、裏面層用塗料の粘度が増大し、塗工性が悪化することがある。
本発明の裏面層には、裏面層と受容層とのブロッキングを防止する目的で公知の各種微粒子を含有することが好ましい。使用可能な微粒子としては、無機系微粒子及び/又は有機系微粒子が挙げられる。無機系微粒子としては、アルミニウム、鉄、銅等の金属、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等の金属酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の無機塩、カオリン、焼成カオリン、クレー、タルク、珪藻土等の鉱物が挙げられる。また有機系微粒子としては、ナイロン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の有機系微粒子が挙げられる。
本発明の裏面層においては、これらの微粒子のうちで、硬度が適当に低いことおよび裏面層の接着剤樹脂との接着性に優れること等からナイロン樹脂微粒子が好ましく使用され、例えばナイロン12、ナイロン6、ナイロン6・6から成る樹脂微粒子が挙げられる。ナイロン樹脂微粒子の種類としてはナイロン12樹脂粒子がナイロン6,ナイロン6・6樹脂微粒子に比べて耐水性に優れ、吸水による特性変化も少ないのでより好ましく使用される。
ナイロン樹脂微粒子としては、平均粒径が25μm以下で、かつ平均粒径の変動係数が5%以下のナイロン樹脂微粒子を含有することが好ましい。本発明において変動係数CVは、CV=σ/μ×100(%)(σ:ナイロン樹脂微粒子の粒径の標準偏差、μ:ナイロン樹脂微粒子の平均粒径)で表すことができる。変動係数は、平均粒径に対する標準偏差の割合であり、本発明においてはナイロン樹脂微粒子の粒径のばらつき度合いをあらわす値である。なお変動係数は、平均値が異なる群の標準偏差を直接比較できるように、平均値で割って平均値と無関係になるように補正したものである。
本発明においてナイロン樹脂微粒子の平均粒径は25μm以下が好ましく、より好ましくは3〜22μmであり、最も好ましくは4〜15μmである。
ナイロン樹脂微粒子の平均粒径が25μmを超えると、ナイロン樹脂微粒子が裏面層表面から突出し、裏面層と受容層が強く接触した時に受容層に型が付くことや、印画画像に白抜けが発生することがある。また受容シートが擦られた際にナイロン樹脂微粒子が裏面層から脱落しやすくなる。
またナイロン樹脂微粒子の平均粒径の変動係数は5%以下が好ましく、より好ましくは4%以下であり、最も好ましくは3%以下である。なお変動係数の下限は0%である。平均粒径の変動係数が5%を超えると、ナイロン樹脂微粒子の粒径のばらつき度合いが大きいこととなり、ナイロン樹脂微粒子の粗大粒子が裏面層表面から突出し、裏面層と受容層が強く接触した時に受容層に型が付くことや、印画画像に白抜けが発生することがある。また受容シートが擦られた際にナイロン樹脂微粒子が脱落しやすくなる。あるいはナイロン微粒子の極微細な粒子が増えることとなり、裏面層に添加してもブロッキングを防止する作用が不充分となることがある。
なお、本発明におけるナイロン樹脂微粒子の平均粒子径、及び粒子径の標準偏差は、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名:SALD2000、島津製作所製)等を用いて測定される値である。
ナイロン樹脂微粒子の配合量は、裏面層の全固形分質量に対して1〜25質量%が好ましく、より好ましくは2〜20質量%であり、最も好ましくは3〜17質量%である。配合量が1質量%未満ではブロッキング防止効果が得られ難く、裏面層と受容層が貼りつき、ブロッキングを起こすおそれがある。一方配合量が25質量%を超えると、裏面層塗料をコーターで塗工する際に、ナイロン樹脂微粒子の沈降に起因する筋などが発生し易く、塗工面が悪化する等の問題が生じることがある。
本発明において、裏面層の固形分塗工量は0.5〜10g/mの範囲が好ましく、更に好ましくは1〜7g/mである。因みに、固形分塗工量が0.5g/m未満では、裏面層がシート状支持体表面を完全に覆うことができず、塗膜欠陥が発生することがある。一方、固形分塗工量が10g/mを超えると効果が飽和し、またコストを上昇させ経済的にも不利となる。
さらに、裏面層を形成する塗工液には、必要に応じて各種の添加剤、例えば、帯電防止剤、滑剤、離型剤、消泡剤、分散剤、樹脂の架橋剤、有色染料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等の1種以上を適宜選択して使用してもよい。
本発明の裏面層には、静電気の帯電による給排紙トラブル、走行性トラブルの防止のために帯電防止剤が含有されていてもよい。帯電防止剤としては、アニオン型、カチオン型、ノニオン型、両性型の界面活性剤、また高分子樹脂タイプの導電剤として、アニオン型、カチオン型、ノニオン型導電性樹脂、また電子伝導性の無機微粉末、炭素微粉末等が挙げられるが、帯電防止効果を長期に保持可能であること及び帯電防止剤の色相等の面から高分子樹脂タイプの導電剤が好ましく使用される。
高分子樹脂タイプの導電剤としては、カチオン型導電性樹脂が良く知られているが、価格の高価なこと及び熱分解時にアミン臭発生のあることからアニオン型導電性樹脂が好ましく使用される。アニオン型導電性樹脂としてはカルボキシル基、スルホン酸基等を含有する高分子、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、塩化ビニル−マレイン酸モノ(2−エチルヘキシル)共重合体、ポリスチレンスルホン酸、及びそれらの変性体等が挙げられ、それぞれに対応する官能基の一部分あるいは全てがアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩などになったものが挙げられる。これらの中でポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が好ましく、特にポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩が帯電防止機能、溶解性、裏面層で併用する他の接着剤樹脂との相溶性に優れるので特に好ましい。
本発明の裏面層には、離型剤として高級脂肪酸塩等の滑剤が添加されていてもよい。使用可能な高級脂肪酸塩としては、通常炭素数12〜24、好ましくは16〜20の飽和、もしくは不飽和脂肪酸であり、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リノール酸、オレイン酸等が挙げられ、かかる高級脂肪酸の塩として、好ましくはカルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、バリウム塩等の金属塩が挙げられる。特に好ましくはステアリン酸金属塩であり、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム等が例示される。
(シート状支持体)
本発明に用いられるシート状支持体としては、コート紙、アート紙、上質紙等の紙基材、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を紙基材に塗工した樹脂被覆紙、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を紙基材に押出しラミネートしたラミネート紙、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合物)等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂とボイド形成剤(無機顔料或いは有機微粒子)とを主成分とする溶融樹脂組成物を1軸及び/又は2軸延伸して空隙を形成した多孔質の単層もしくは多層構造のフィルム等が例示される。更に前記の材料を単体で使用するだけでなく、ドライラミネート法、ウエットラミネート法、溶融ラミネート法等の公知の方法により、前記材料の2種以上を貼り合わせて多層構造にしたものも使用でき、その組み合わせは限定されない。
上記の各種シート状支持体のうちセルロースパルプを主成分とする紙基材は熱収縮性が低く、断熱性が良好であり、受容紙としての風合いが良好であり、更に価格も安価であることから好ましく使用される。紙基材の具体例としては例えば、上質紙、微塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙、熱膨張性粒子を含有する発泡紙、板紙等が挙げられる。また、これらの紙基材に対して平滑性向上、透気度調整の為にカレンダー処理を行うことも可能である。
本発明の受容シートの支持体として好ましく使用される紙基材は、JAPAN TAPPI No5−2に基いて測定された透気度が100秒以上かつ1000秒以下の範囲にあるものが好ましく使用され、更に好ましくは100〜900秒の範囲であり、最も好ましくは150〜900秒の範囲である。
上記の紙基材において、透気度が100秒未満であると、紙基材上に水系中間層用塗料を塗工・乾燥する際に塗料の紙基材への浸透が過大となり、紙基材に凹凸が発生し、中間層塗工面の表面平坦性が低下し、得られる印画画像の均一性が悪化し好ましくない。また透気度が1000秒を超えると、中間層上に、例えば、バリア層、受容層等の塗工層を積層する際に、これら塗工層の溶媒成分が紙基材側に抜けにくくなるため、バリア層、受容層等の塗工層面にブリスターが発生しやすく、塗工面の平坦性が低下し、印画画像の均一性が低下するため好ましくない。
紙基材の透気度を所定の範囲に制御する方法としては特に限定されないが、例えば紙基材作成に使用するパルプを適度の叩解条件で叩解したり、またサイズプレス装置などで紙基材の表面に塗工する塗液の種類や塗工量を適宜選択したり、また紙基材を平滑化するカレンダー処理の条件を選択すること等によって、透気度を制御することができる。また塗工紙においては、使用する填料や顔料の種類、形状、粒子径、塗工量等を適宜選択することで透気度を変えることも可能である。
本発明のシート状支持体としては、受容層が形成される第1の基材層、粘着剤層、離型剤層、第2の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるステッカー、シールタイプの構造を有するシート状支持体も勿論使用可能である。
本発明で使用されるシート状支持体は50〜300μmの厚さを有することが好ましい。因みに、厚さが50μm未満であると、その機械的強度が不十分となり、且つそれから得られる受容シートの剛度が小さく、変形に対する反発力が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できない場合がある。また厚さが300μmを超えると、得られる受容シートの厚さが過大となるため、プリンターにおける受容シートの収容枚数の低下を招いたり、或いは所定の収容枚数を収容しようとすると、プリンターの容積増大を招き、プリンターのコンパクト化を困難にする等の問題を生ずることがある。
(中間層)
本発明において、シート状支持体として紙基材を使用する場合には、紙基材上に中空粒子を含有する中間層を設けることが好ましい。中間層で使用される中空粒子の材質、製造方法は特に限定されるものではないが、具体的には、中空粒子の壁を形成する材料としてアクリルニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、スチレンおよび(メタ)アクリル酸エステル等の単独重合体、それらの共重合体、それらの単独重合体混合物が挙げられる。それら中空粒子の製造方法としては、樹脂粒子中にブタンガス等を封入し、加熱発泡させる方法や、エマルジョン重合方式などが挙げられる。
本発明で使用される、中空粒子の平均粒径は、0.3〜20μmが好ましい。中空粒子の平均粒径が0.3μm未満では、中空粒子の壁が薄くなって耐熱性が不足し、塗工乾燥工程で壊れやすいことがある。一方、20μmを超えると、得られた受容シートの表面凹凸が大きくなり、画像均一性が劣ることがある。中空粒子の体積中空率は、50〜95%が好ましい。中空粒子の体積中空率が50%未満では、断熱性とクッション性を付与する効果が不十分な場合がある。一方、95%を超えると、中空粒子の壁が薄くなり、耐久性が低下することがある。
なお中空粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名:SALD2000、島津製作所製)等を用いて測定される値である。また中空粒子の体積中空率は、中空粒子を含有する中間層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めた値である
中間層で使用される接着剤樹脂としては特に限定されず、例えばポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂及びその誘導体、カゼイン、デンプン誘導体等の親水性高分子樹脂が成膜性、耐熱性、塗膜の柔軟性などの観点から好ましく使用される。また(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などの各種樹脂のエマルジョンが低粘度、高固形分の水系樹脂として使用される。なお中間層の塗膜強度、接着性、塗工性の面から中間層に使用される接着剤樹脂は、上記の親水性高分子樹脂と各種樹脂のエマルジョンとを併用することがより好ましい。
中間層の塗工量は、1〜30g/mが好ましい。中間層の塗工量が1g/m未満では、断熱性やクッション性が不足することがあり、30g/mを超えると、コストが増大する割に得られる効果が不十分なことがある。
(バリア層)
本発明において、中空粒子を含有する中間層と受容層との間には、バリア層を設けることが好ましい。一般に、受容層用塗工液の溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が使用されるため、バリア層は、有機溶剤浸透による中間層の中空粒子の膨潤、溶解による、中空粒子の変形、破壊を防ぐための障壁として有効である。
バリア層に使用される樹脂としては、フィルム形成能に優れ、有機溶剤の浸透を防止し、弾力性、柔軟性のある樹脂が使用される。具体的には、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等の水溶性樹脂が使用される。
またスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル樹脂系ラテックス、メタクリル酸エステル系共重合樹脂ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、ポリエステルポリウレタンアイオノマー、ポリエーテルポリウレタンアイオノマーなどの水分散性樹脂も使用することができる。上記の樹脂の中でも、水溶性樹脂が好ましく使用される。また上記の樹脂は単独で使用しても、あるいは2種以上を併用して使用してもよい。
さらに、バリア層には各種の顔料が含有されてもよく、好ましくは膨潤性無機層状化合物が使用され、塗工用溶剤の浸透防止ばかりでなく、熱転写染着画像のニジミ防止等においても優れた効果が得られる。膨潤性無機層状化合物としては、例えば、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどの合成マイカ、或はナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイトなどの合成スメクタイトがより好ましく使用される。これらの中でもナトリウム四珪素雲母が特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものが得られる。
バリア層の固形分塗工量は、0.3〜5.0g/mが好ましい。バリア層の固形分塗工量が0.3g/m未満では染料の移動を防止する効果が乏しく経時で画像の滲みが発生することがある。一方固形分塗工量が、5.0g/mを超えると、塗工層の可とう性が低下して折り曲げたときにヒビが入りやすくなり、染料がヒビを通過して支持体へ拡散し、ニジミ等を生じるおそれがある。
(アンカー中間層)
本発明の受容シートには、シート状支持体が主にフィルム積層型の場合、シート状支持体と受容層との接着性向上、受容シートの帯電防止性改善のために、シート状支持体と受容層との間にアンカー中間層(以下、単にアンカー層とも称する。)を設けてもよい。このアンカー層形成のために使用される樹脂としては各種の親水性樹脂、疎水性樹脂が使用可能であり、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー及びその誘導体、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸又はその塩、ポリアクリル酸エステル等のアクリル基を含有するポリマー、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル等のメタクリル基を含有するポリマー、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、澱粉、変性澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の樹脂を使用することができる。また公知の帯電防止剤、架橋剤を単独もしくは上記の樹脂と併用して使用することもできる。
前記アンカー層の固形分塗工量は0.2〜5g/mの範囲が好ましく、更に好ましくは0.5〜3g/mの範囲である。因みに固形分塗工量が0.2g/m未満では、アンカー層としての接着性改善効果が少なく、一方5g/mを超えるとブロッキングや操業性が低下することがある。
(受容層)
本発明の受容シートにおいて、シート状支持体の一表面上に設けられる受容層は、インクリボンから移行する染料を染着可能な染料染着性樹脂を主成分として形成される。このような染料染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース誘導体樹脂等が挙げられる。
受容層の固形分塗工量は、1〜12g/m、好ましくは2g〜10g/mの範囲で調節される。因みに、固形分塗工量が1g/m未満では、受容層が支持体表面を完全に覆うことができず、画質の低下を招くことや、サーマルヘッドの加熱により受容層とインクリボンが接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方、固形分塗工量が12g/mを超えると、効果が飽和して不経済であるばかりでなく、受容層の強度が不足することや、受容層の厚さが増してシート状支持体の断熱効果が十分に発揮されず、画像濃度が低下することがある。
受容層には、サーマルヘッドでの加熱印画時における受容層とインクリボンとの融着を防ぐために、染料染着性樹脂の架橋剤、滑剤、剥離剤等を添加することが好ましい。また必要に応じて他の添加剤、例えば有色顔料、有色染料、蛍光顔料、蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、白色顔料、紫外線吸収剤、光安定剤等も添加してもよい。これらの添加剤は、受容層の主成分と混合して塗工されてもよいし、別の塗工層として受容層の上及び/又は下に塗工されてもよい。
本発明の受容シートの中間層、バリア層、アンカー層、受容層、裏面層、及びその他の塗工層は、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、及びスライドビードコーター等の公知のコーターで塗工、乾燥して形成することができる。
本発明において、特に紙支持体を使用し、中空粒子を含有する中間層を設けた受容シートの場合には、受容シートにカレンダー処理を施してもよい。カレンダー処理は得られた受容シート表面の凹凸を減少させ、均一な画像を得るために有効である。カレンダー処理は、中間層、バリア層、受容層塗工後のいずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置は、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダー等の一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
下記実施例、比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお実施例、比較例において、特に断らない限り、「%」及び「部」は溶剤に関するものを除き、固形分の「質量%」及び「質量部」を示す。
実施例1
「シート状支持体の製造」
水温20℃でカナディアン・スタンダード・フリーネス300CCに叩解した晒広葉樹クラフトパルプ100部に対して、0.4部のポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン117、荒川化学社製)、1.0部の重曹、1.2部のカチオン化デンプン(商品名:Cato−2、日本エヌエスシー社製)、1.0部のアルキルケテンダイマー系サイズ剤(商品名:SPK903 荒川化学社製)、および0.3部のポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(商品名:WS−525、日本PMC社製)を添加し、得られたパルプスラリーから、坪量180g/mの原紙を製造した。
更にこの原紙にサイズプレスとして、カルボキシル基変性PVAと塩化ナトリウムとを重量比2:1で水に溶解して調製された5%サイズ液を塗布量が1.5g/m(乾燥後)になるように塗布した後、乾燥し、更にカレンダー処理してシート状支持体を得た。シート状支持体のJAPAN TAPPI No5−2に基いて測定された透気度は170秒であった。
「中間層の形成」
前記シート状支持体の片面に下記組成の中間層用塗工液−1を、乾燥後の塗工量が15g/mになるように塗工乾燥して中間層を形成した。
中間層用塗工液−1
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる
既発泡中空粒子(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%) 45部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 45部
水 250部
「バリア層及び受容層の形成」
更に上記中間層上に下記組成のバリア層用塗工液−1を、固形分塗工量が2g/mになるように塗工乾燥してバリア層を形成し、更に上記バリア層上に下記組成の受容層用塗工液−1を、固形分塗工量が5g/mになるように塗工乾燥し、受容層を形成した。
バリア層用塗工液−1
膨潤性無機層状化合物(ナトリウム4珪素雲母、
粒子平均長径6.3μm、アスペクト比2700) 30部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA105、クラレ製) 50部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:L−1537、旭化成製) 20部
水 1100部
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商品名:タケネートD−140N、
三井化学ポリウレタン製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
「裏面層の形成」
次にシート状支持体の受容層を設けた側とは反対側の面上に下記組成の裏面層用塗工液−1を、乾燥後の固形分塗工量が4g/mになるように塗工乾燥して裏面層を形成し、その後50℃で48時間エージングして、受容層の硬化を行った。
裏面層用塗工液−1
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃、アミド変性。
成分割合:スチレン56.5質量%、ブタジエン33質量%、
メタクリル酸アルキルエステル5質量%) 76部
完全鹸化ポリビニルアルコール樹脂(商品名:PVA117、
クラレ製、鹸化度98〜99%、重合度:1700) 20部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%) 4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
「受容シートの形成」
更に受容層表面の平滑化のためにカレンダー処理(ロール表面温度78℃、ニップ圧2.5MPa)を行い、受容シートを得た。
実施例2
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−2を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−2
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃、) 76部
部分鹸化ポリビニルアルコール樹脂(商品名:PVA217、クラレ製、
鹸化度88%、重合度:1700) 20部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 UD、
エルフアトケム製、平均粒径:5μm、変動係数:4.0%) 4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例3
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−3を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−3
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃) 76部
部分鹸化ポリビニルアルコール樹脂(商品名:PVA217、クラレ製、
鹸化度88%、重合度:1700) 20部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2002D、
エルフアトケム製、平均粒径:20μm、変動係数:4.8%) 4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例4
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−4を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−4
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃) 76部
ポリビニルピロリドン樹脂(商品名:PVP K90、ISPジャパン製) 20部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%) 4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例5
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−5を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−5
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃ ) 64部
完全鹸化ポリビニルアルコール樹脂(商品名:PVA117、クラレ製、
鹸化度98〜99%、重合度:1700) 20部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%、) 4部
アニオン性導電性樹脂(商品名:ケミスタットSA−9、三洋化成製) 12部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例6
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−6を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−6
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃) 88部
完全鹸化ポリビニルアルコール樹脂(商品名:PVA117、クラレ製、
鹸化度98〜99%、重合度:1700、) 8部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%、) 4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例7
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−7を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−7
カルボキシル基変性スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系
共重合体ラテックス(商品名:SR−140、日本エイアンドエル製、
Tg:−12℃、低TgのXSBR) 76部
完全鹸化ポリビニルアルコール樹脂(商品名:PVA117、クラレ製、
鹸化度98〜99%、重合度:1700) 20部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%) 4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例8
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−8を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−8
カルボキシル基変性スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系
共重合体ラテックス(商品名:JSR−143、日本エイアンドエル製、
Tg:35℃、高TgのXSBR) 76部
完全鹸化ポリビニルアルコール樹脂(商品名:PVA117、クラレ製、
鹸化度98〜99%、重合度:1700、) 20部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%) 4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例9
「シート状支持体の形成」
ポリプロピレンを主成分とし、無機顔料として炭酸カルシウムを含有する1軸及び2軸延伸された厚み110μmの多孔質多層構造ポリオレフィンフィルム(商品名:ユポFPG110、ユポ・コーポレーション製)を芯材とし、その両面にポリエチレンテレフタレートを主成分とし、2軸延伸された厚み50μmの多孔質多層構造ポリエステルフィルム(商品名:E63S、東レ製)を、ウレタン系接着剤を使用して、ドライラミネート方式で貼合し、シート状支持体を得た。
「アンカー層の形成」及び「受容層の形成」
上記で得られたシート状支持体の受容層側となる多孔質多層構造ポリエステルフィルム面上に下記組成のアンカー層用塗工液−1を、固形分塗工量が1g/mになるように塗工、乾燥してアンカー層を形成した。次に上記アンカー層上に前記の受容層用塗工液−1(実施例1で調整)を、固形分塗工量が5g/mになるように塗工、乾燥して受容層を形成した。
アンカー層用塗工液−1
アクリル酸エステル樹脂(商品名:SAR615A、中央理化工業製) 50部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 50部
水/イソプロピルアルコール=4/6(質量比)混合液 400部
「裏面層の形成」
次にシート状支持体の受容層を設けた側とは反対側の面上に前記の裏面層用塗工液−1(実施例1で調整)を、乾燥後の固形分塗工量が4g/mになるように塗工乾燥して裏面層を形成し、その後50℃で48時間エージングして、受容層の硬化を行い、受容シートを得た。
実施例10
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−9を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−9
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃、) 76部
スチレン−マレイン酸系共重合体ナトリウム塩(商品名:KS1570S、荒川化学製) 20部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%) 4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例11
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−10を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−10
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃、) 56部
スチレン−マレイン酸系共重合体ナトリウム塩(商品名:KS1570S、荒川化学製) 40部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%)
4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例12
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−11を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−11
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃、) 56部
スチレン−マレイン酸系共重合体ナトリウム塩(商品名:KS1570S、荒川化学製) 40部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 UD、
エルフアトケム製、平均粒径:5μm、変動係数:4.0%)
4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例13
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−12を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−12
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃、) 56部
スチレン−マレイン酸系共重合体ナトリウム塩(商品名:KS1570S、荒川化学製) 40部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2002D、
エルフアトケム製、平均粒径:20μm、変動係数:4.8%) 4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例14
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−13を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−13
カルボキシル基変性スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系
共重合体ラテックス(商品名:SR−140、日本エイアンドエル製、
Tg:−12℃、低TgのXSBR)
56部
スチレン−マレイン酸系共重合体ナトリウム塩(商品名:KS1570S、荒川化学製) 40部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%)
4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例15
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−14を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−14
カルボキシル基変性スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系
共重合体ラテックス(商品名:JSR−143、日本エイアンドエル製、
Tg:35℃、高TgのXSBR)
56部
スチレン−マレイン酸系共重合体ナトリウム塩(商品名:KS1570S、荒川化学製) 40部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%)
4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例16
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−15を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−15
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃、) 49部
スチレン−マレイン酸系共重合体ナトリウム塩(商品名:KS1570S、荒川化学製) 43部
完全鹸化ポリビニルアルコール樹脂(商品名:PVA117、クラレ製、
鹸化度98〜99%、重合度:1700、) 4部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%)
4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
実施例17
実施例1において、裏面層用塗工液−1の代わりに下記の裏面層用塗工液−16を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
裏面層用塗工液−16
スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックス
(商品名:JSR0850Z、JSR製、Tg:7℃、) 49部
スチレン−マレイン酸系共重合体アンモニウム塩(商品名:ポリマロン1318、荒川化学製) 43部
完全鹸化ポリビニルアルコール樹脂(商品名:PVA117、クラレ製、
鹸化度98〜99%、重合度:1700、) 4部
ナイロン樹脂微粒子(商品名:オルガゾール2001 EXD NAT1、
エルフアトケム製、平均粒径:10μm、変動係数:4.5%)
4部
イソプロピルアルコール/水=4/1(質量比) 600部
比較例1
実施例1の裏面層用塗工液−1において、スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックスの代わりにスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:T2588C、JSR製、Tg−50℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
比較例2
実施例1の裏面層用塗工液−1において、ナイロン樹脂微粒子を除いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
比較例3
実施例1の裏面層用塗工液−1において、スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体ラテックスの代わりにスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:T2577A、JSR製、Tg75℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
品質評価
上記の実施例1〜17及び比較例1〜3で得られた受容シートについて、下記項目の品質評価を行い、評価結果を表1に示した。
〔受容シート裏面層接着性評価〕
受容シートにおける支持体と裏面層との間の接着性評価用サンプルとして、巾18mm×長さ170mmの大きさの短冊状受容シートを切断して作成し、両面粘着テープを用いて、受容シートサンプルの受容層面側をガラス板上に固定した。次に、固定された短冊状受容シートサンプルの裏面層上に市販の粘着テープ(商品名:セロテープ(登録商標)、ニチバン社製、テープ巾18mm)を接着させ、粘着テープを180度剥離して、支持体と裏面層との間の接着性を目視にて評価した。
接着性が優秀なものを◎、接着性が良好なものを○、接着性が劣り支持体と裏面層の間で剥離、あるいは裏面層に含有されるフィラー成分等の粉落ちが発生して実用不可のものを×として表示した。
〔表裏面ブロッキング性試験〕
受容シートを、受容層上に裏面層が接するように重ね、荷重800g/cmとなるように重石を載せて50℃乾燥機中で3日間処理する。受容層と裏面層をゆっくり剥がし、重ね合わせた面の外観や剥がすときの抵抗で、ブロッキング性を評価した。
受容層面と裏面層面を剥がしたときの抵抗が全く感じられず、剥がした面に外観異常が全く無いものをブロッキング性◎、剥がすときの抵抗がごくわずかにあるが、剥がした面の外観に痕跡がほとんど無く実用上問題ないものを○、剥がしたときに抵抗を感じ、剥がした面に痕跡が残る。或いは受容層面に光沢ムラが発生して実用不可のものを×として表示した。
〔印画品質〕(印画濃度、画像均一性)
市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンの各色インク層を順次に、受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施すことにより、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像をプリントした。
(印画濃度)
得られた記録画像について、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、Kollmorgen社製)を使用して、その反射濃度を測定した。印加エネルギーの低い方から15ステップ目に相当する高階調部の濃度を印画濃度として表1に表示した。印画濃度が1.7以上であれば、十分に商品価値があると判断される。
(画像均一性)
更に記録画像の均一性の評価として、光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分における、白抜けなどの印画欠陥有無等について目視観察した。
白ぬけなど無く画像均一性に優れたものを◎、白抜けがわずかにあるが実用上問題ないものを○、白抜け等印画欠陥が実用不可のレベルのものを×と表示した。
〔受容シートの吸湿カール評価〕
受容シートを、吸湿カール評価用サンプルとして、幅126mm×長さ177mmの大きさのシートに切断し、平らなテーブルに、受容層面が上面、および受容層面が下面になるようにそれぞれ平置きして、20℃90%RHの高湿環境中で12時間処理した。処理後の受容シートの四隅の、テーブルからの高さを測定し、4点の高さの平均を吸湿カールとした。
受容層面を上面、下面に置いたいずれの場合にも、吸湿カールが5mm未満で外観も極めて良好な場合を◎、吸湿カールが5mm以上20mm未満で実用上問題ない場合を○、吸湿カールが20mm以上で実用不可の場合を×と表示した。
Figure 0005119474

本発明の受容シートは、受容シートの裏面層が画像受容層との接触において充分なブロッキング防止性を有し、印画品質に優れた、実用的に価値の高い受容シートとして利用可能である。

Claims (6)

  1. シート状支持体と、前記シート状支持体の一面上に形成された染料染着性樹脂を主成分とする画像受容層と、前記シート状支持体の他の面上に形成された裏面塗工層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記裏面塗工層が、接着剤樹脂としてスチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂を主成分とし、更に平均粒径が25μm以下かつ平均粒径の変動係数が5%以下であるナイロン樹脂微粒子を含有することを特徴とする熱転写受容シート。
  2. 前記裏面塗工層が、更に水溶性樹脂を含有する請求項1に記載の熱転写受容シート。
  3. 前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール系樹脂及び/またはスチレンーマレイン酸系共重合体アルカリ塩である請求項2に記載の熱転写受容シート。
  4. 前記スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂の、裏面層全固形分質量に対する固形分比率が30質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  5. 前記スチレン・ブタジエン・メタクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂の、JIS K 7121に規定されるガラス転移温度(Tg)が−15〜40℃である請求項1〜4のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  6. 前記シート状支持体は、JAPAN TAPPI No5−2に基いて測定された透気度が100秒〜1000秒の紙基材であり、さらに前記紙基材と画像受容層の間に、少なくとも中空粒子を含有する中間層が設けられた請求項1〜5のいずれかに記載の熱転写受容シート。
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