JP2018107405A - 熱電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機物の熱電変換材料からなる熱電変換層を有する熱電変換素子において、熱電変換材料の印刷性能を改善する。【解決手段】熱電変換素子1は、導電性高分子、多糖、およびゲル化促進剤を含有する材料からなる熱電変換層4を備える。【選択図】図2

Description

この発明は、熱電変換素子に関する。
熱電変換素子は、熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換することができる素子である。熱電変換素子をその両端に温度差が生じる環境に設置することで、可動部を必要とせずに熱電変換素子から電力を取り出すことができる。例えば、排熱から電気エネルギーを生み出すことができる。そのため、熱電変換素子を用いた発電技術は、身の周りの未利用のエネルギーを回収して利用するエネルギーハーベスティング技術として、大いに期待されている。
熱電変換素子を、例えば分散型の自立電源として利用することができれば、大規模センサネットワーク、ウェアラブルエレクトロニクスなどの電源として用いることが可能となる。
特に、有機物からなる熱電変換材料を用いた場合には、熱電変換層を印刷パターンで形成できるため、軽量化、低コスト化、大面積による高出力化が可能となる。有機物からなる熱電変換材料としては、例えば特許文献1に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とドーパントアニオンと高沸点溶媒を含む導電性組成物が記載されている。
熱電変換材料の性能は無次元性能指数ZT(=S2 σT/κ)で評価される。ここで、Sはゼーベック係数、σは導電率、κは熱伝導率、Tは絶対温度である。よって、導電率および熱起電力が高く、熱伝導率が低いほど、熱電変換性能が高いことから、熱電変換材料(カーボンナノチューブなど)にフォノン散乱を起こす物質を含有させることが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特許文献3には、芯部と鞘部とからなる芯鞘構造を有し、芯部が少なくとも一種の無機系熱電ナノ構造体を含有する熱電変換材料が記載されている。熱電ナノ構造体を担持するガスバリア性高分子として、多糖類(多糖)が例示されている。
特開2012−84821号公報 特開2014−241355号公報 特開2016−6849号公報
有機物からなる熱電変換材料を用いた熱電変換素子には、熱電変換材料の印刷性能が良好であることが要求されている。
この発明の課題は、有機物の熱電変換材料からなる熱電変換層を有する熱電変換素子において、熱電変換材料の印刷性能を改善することである。
上記課題を解決するために、この発明の第一態様は、導電性高分子、多糖、およびゲル化促進剤を含有する材料からなる熱電変換層を備える熱電変換素子を提供する。
この発明の熱電変換素子によれば、多糖およびゲル化促進剤を添加することで導電性高分子からなる熱電変換層の印刷性能が改善される。
実施形態の熱電変換素子を示す平面図である。 図1のA−A断面図である。 実施形態の熱電変換素子を用いた無線センサ送信装置の一例を説明する斜視図である。 図1の熱電変換素子を製造する方法の一例を示す工程図である。 図4に示す製造方法で形成された下部電極のパターンを示す平面図である。 図4に示す製造方法で形成するレジストパターンを示す平面図である。 図4に示す製造方法で使用するメタルマスクの開口パターンを示す平面図である。 図4に示す製造方法で、下部電極の上に熱電変換層が形成された状態を示す平面図である。 図4に示す製造方法で、上部電極および接続端子を形成するための印刷パターンを示す平面図である。
以下、この発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。
この実施形態の熱電変換素子1は、図1および2に示すように、基板2と、基板2上に形成された印刷パターンからなる複数の熱電変換単位10とを有する。熱電変換単位10は、下部電極31と熱電変換層4と上部電極32とで構成されている。熱電変換層4は、p型導電性高分子、多糖、およびゲル化促進剤を含有する材料からなる。例えば、p型導電性高分子としてポリチオフェン系化合物を用い、多糖としてカラギーナンを用いる。p型導電性高分子および多糖の添加量は、質量比で、例えば、ポリチオフェン系化合物を100とした時にカラギーナンが5である。
基板2上には、20列12行に千鳥配置で、120個の熱電変換単位10が形成され、これらが下部電極31により直列に接続されている。基板2の一方の縁部に直列接続の両端が存在し、各位置に外部との接続端子33が形成されている。
図2に示すように、隣り合う下部電極31の間に絶縁層35が形成されている。絶縁層35は熱電変換層4の上面までの高さで形成されている。絶縁層35を挟んだ熱電変換層4の隣に導電層32aが形成されている。導電層32aはn型導電性高分子の代替層である。導電層32aと熱電変換層4との間に絶縁層36が形成されている。基板2の周縁部に絶縁層37が形成されている。
下部電極31のパターンは銀ペーストの印刷工程を経て基板2上に形成され、絶縁層35〜37はレジストパターンとして形成される。熱電変換層4のパターンは、p型導電性高分子、多糖、およびゲル化促進剤を含有する材料を印刷する工程を経て形成される。導電層32aは、上部電極32のパターンを印刷工程を経て形成する際に、銀ペーストを熱電変換層4から隣の下部電極31まで至るように印刷することで形成される。
実施形態の熱電変換素子1は、p型導電性高分子と適量の多糖およびゲル化促進剤を含有する材料からなる熱電変換層4を備えることで、p型導電性高分子を含有し多糖およびゲル化促進剤を含有しない材料からなる熱電変換層を備えた熱電変換素子よりも、熱電変換性能が高くなる。また、多糖およびゲル化促進剤を含有することで、熱電変換材料の印刷性能が改善される。
[応用]
実施形態の熱電変換素子1は、無線センサ送信装置の自立電源として使用できる。
図3に示す無線センサ送信装置5は、回路基板51に形成されたアンテナ回路52およびセンサ端子53と、熱電変換素子1からなる自立電源と、信号処理・送信回路54と、電圧増幅部・バッテリー55と、で構成されている。
上述のように、実施形態の熱電変換素子1は、熱電変換層4がp型導電性高分子と適量の多糖を含有する材料からなるため、吸熱部に付与する熱エネルギーが小さい場合でも、無線センサを駆動させるに十分な電力を供給できる。よって、実施形態の熱電変換素子1を電源として用いた無線センサ送信装置5は、太陽電池が使用できない照明のない場所においても、常時稼動できる自立型無線センサ送信装置として使用できる。
[材料について]
<多糖>
多糖としては、 単糖分子の重合により生じたグルコシド結合を有する高分子化合物、およびその誘導体を用いることができる。
多糖としては、天然由来の材料、およびその材料を化学的または物理的手法で人工的に改質した材料のいずれを用いてもよい。使用する多糖について、繰り返し単位である単糖の基本構造、置換度、分枝の割合、鎖長、分子量分布は限定されないが、熱電変換層の構成材料として導電性高分子とともに含有させるため、以下の性質を有するものであることが好ましい。
その性質の一つは、導電性高分子を含む溶液または分散液に、一定期間以上、分離や凝集などを発生させない貯蔵安定性である。もう一つは、剪断応力を加えることで粘度が低下するチキソトロピー性または擬塑(pseudo-plastic)性を、導電性高分子の溶液または分散液に付与できる性質である。
これらの性質を有する多糖としては、カラギーナン、キサンタンガム、ダイユータンガム、グァーガム、ジェランガム、ウェランガム、アルギン酸ナトリウム、一部のセルロース改質材(化学改質されたセルロース)などが挙げられる。これらを単独でまたは組み合わせて使用することができる。ダイユータンガムは、特に優れた擬塑性付与剤である。
熱電変換材料における導電性高分子と多糖の割合は、質量比で、導電性高分子を100とした時に、多糖が1以上15以下であることが好ましく、3〜7以下であることがより好ましい。多糖の割合が少なすぎると、熱電変換材料の印刷性能の改善効果が得られない。多糖の割合が多すぎると、導電性高分子による導電性が大きく低下する。
また、多糖の種類に応じたゲル化促進剤を添加することで、多糖の添加量を少なくすることができる。ゲル化促進剤の添加量は、導電性高分子による導電性を大きく低下させない範囲の量とする。
例えば、カラギーナンは、Ca2+、K+ 、Na+ のような陽イオンの存在下でゲル化し易い。そのため、多糖としてカラギーナンを用いる場合には、これらの陽イオンを含むゲル化促進剤(例えば、硫酸ナトリウム)を添加して、導電性高分子に対するカラギーナンの含有割合を少なくすることが好ましい。
多糖の種類によって、改善される性能(印刷性能、熱電変換性能)の度合いが異なるため、複数種類の多糖を組み合わせて添加することも有効である。
<導電性高分子の例示>
熱電変換層の構成材料として、 多糖とともに含有させる導電性高分子としては、共役系の分子構造を有する高分子化合物(共役系高分子)を用いることができる。
共役系高分子としては、ポリチオフェン系化合物、ポリピロール系化合物、ポリアニリン系化合物、ポリアセチレン系化合物、ポリ(p−フェニレン)系化合物、ポリ(p−フェニレンビニレン)系化合物(PPV系化合物)、ポリ(p−フェニレンエチニレン)系化合物、ポリ(p−フルオレニレンビニレン)系化合物、ポリアセン系化合物、ポリフェナントレン系化合物が挙げられる。これらは、p型導電性高分子(p型半導体特性を有する導電性高分子)である。
また、上記高分子化合物のモノマーに置換基が導入された誘導体からなる繰り返し単位を有する共役系高分子も挙げられる。
n型導電性高分子(n型半導体特性を有する導電性高分子)である共役系高分子は、現時点では不安定な物質が多い。
<添加剤>
熱電変換層の構成材料としては、 導電性高分子と多糖とゲル化促進剤以外に、 添加剤が挙げられる。
つまり、使用する導電性高分子の種類によっては、熱硬化性樹脂などのバインダを添加する必要がある。また、導電性を高めるために、CNT(カーボンナノチューブ)分散体やエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、n−メチルピロリドンあるいはジメチルホルムアミド、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどの極性高沸点溶媒を添加することもできる。
熱電変換層の構成材料がこのような添加剤を含有する場合でも、導電性高分子と多糖の割合は、質量比で、導電性高分子を100とした時に多糖が1以上15以下であることが好ましく、3〜7以下であることがより好ましい。
<基板>
基板の種類は特に限定されないが、電極の形成や熱電変換層の形成時に影響を受けにくい基板を使用することが好ましい。プラスチック製基板、ガラス製基板、透明セラミックス製基板、金属製基板のいずれを使用してもよい。
コストや柔軟性の観点から、プラスチックフィルムを使用することが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6 −フタレンジカルボキシレート、ビスフェノールAとイソおよびテレフタル酸との重合で得られるポリエステルフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリシクロオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニルスルフィドフィルムなどが挙げられる。
これらのうち、入手の容易性、100℃以上の耐熱性、加工性、経済性および効果の観点から、市販のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、各種ポリイミドやポリカーボネートフィルムが好ましい。印刷工程を考えると、例えば、片面に接着しやすい加工が施されたシート使用することが好ましい。
[第一態様の作用、 効果について]
この発明の第一態様の熱電変換素子によれば、熱電変換層が、導電性高分子、多糖、およびゲル化促進剤を含有する材料からなることにより、導電性高分子を含み多糖およびゲル化促進剤を含まない材料からなるものと比較して、熱電変換層が印刷により形成され易い。
[好ましい態様について]
この発明の第一態様の熱電変換素子は、さらに下記の構成(a) (b) の少なくともいずれかを有することが好ましい。
(a) 前記導電性高分子が、ポリチオフェン系化合物、ポリピロール系化合物、ポリアニリン系化合物、ポリアセチレン系化合物、ポリ(p−フェニレン)系化合物、ポリ(p−フェニレンビニレン)系化合物、ポリ(p−フェニレンエチニレン)系化合物、ポリ(p−フルオレニレンビニレン)系化合物、ポリアセン系化合物、ポリフェナントレン系化合物、およびこれらの化合物のモノマーに置換基が導入された誘導体からなる繰り返し単位を有する共役系高分子から選択される少なくとも一つを有する。
(b) 前記熱電変換層は、導電性高分子の分散液に多糖を含む混合液をゲル化して得られた材料を印刷することで形成されている。
この発明の第二態様としては、下記の構成(c) を有する熱電変換素子が挙げられる。
(c) 基板と、前記基板上に形成された複数の熱電変換単位と、を有し、前記複数の熱電変換単位は直列接続され、前記熱電変換単位は、基板上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された熱電変換層と、前記熱電変換層上および隣接する前記下部電極上に渡って形成された上部電極と、を有し、前記熱電変換層は導電性高分子、多糖、およびゲル化促進剤を含有する材料からなり、前記直列接続の両端にそれぞれ外部との接続端子を有する。
第二態様の熱電変換素子は、さらに前記構成(a) (b) の少なくともいずれかを有することが好ましい。
この発明の第三態様として、前記第二態様の熱電変換素子を備えた無線センサ用電源が挙げられる。
この発明の第四態様として、前記第一態様または第二態様の熱電変換素子からなる自立電源と、信号処理・送信回路と、電圧増幅部・バッテリーと、アンテナ回路およびセンサ端子が形成された回路基板と、を有する無線センサが挙げられる。
[熱電変換材料の熱電性能の評価]
<熱電変換材料の調製>
導電性高分子として、ポリチオフェン系化合物を含むコーティング剤であるヘレウス株式会社の「Clevios PH1000(水分散液)」を用意した。ポリチオフェン系化合物はp型導電性高分子であり、このコーティング剤の主成分は「ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルフィド」である。
多糖としては、表1に示すものを三晶(株)から入手した。
ゲル化促進剤としては、和光純薬工業(株)製の硫酸ナトリウム(和光一級)を用意した。
サンプルNo.1用として、PH1000からなり多糖を含有しないゲル状の熱電変換材料を調製した。すなわち、PH1000に対してエチレングリコールを5体積%となるように添加した後、攪拌しながら加温して水分を蒸発させることによりゲル状の熱電変換材料を得た。
サンプルNo.2用として、質量比で、ポリチオフェン系化合物100に対してカラギーナンを5の比率で含有し、硫酸ナトリウムを質量比で5の比率で含有するゲル状の熱電変換材料を調製した。すなわち、カラギーナンおよび硫酸ナトリウムを、それぞれ質量比でPH1000の有効成分100に対して5となる量だけ添加した後、エチレングリコールをPH1000に対して5体積%となるように添加した。その後、攪拌しながら加温して水分を蒸発させることにより、ゲル状の熱電変換材料を得た。
サンプルNo.3用として、質量比で、ポリチオフェン系化合物100に対してカラギーナンを7の比率で含有し、硫酸ナトリウムを質量比で5の比率で含有するゲル状の熱電変換材料を調製した。すなわち、カラギーナンおよび硫酸ナトリウムを、それぞれ質量比でPH1000の有効成分100に対して5となる量だけ添加した後、エチレングリコールをPH1000に対して5体積%となるように添加した。その後、攪拌しながら加温して水分を蒸発させることにより、ゲル状の熱電変換材料を得た。
<試験片の作成>
上述方法で得られた各熱電変換材料を、それぞれ幅10mm×長さ30mmのPETフィルム上にメタルマスクを載せて印刷した後、室温での乾燥工程と120℃で4時間の加熱処理を行うことで、PETフィルム上に熱電変換層を形成した。使用したメタルマスクの開口は5mm×25mmの長方形であり、厚さは1mmである。これにより、5mm×25mm×約100μmの熱電変換パターンがPETフィルム上に形成されたNo.1〜No.3の各試験片が得られた。
<印刷性能>
No.1〜No.3の各試験片を複数個ずつ作製し、熱電変換パターンに滲みや掠れが生じず精度よく印刷されているか否か、熱電変換パターンが自重で流動するか否か、熱電変換パターンが滑らかに印刷されているか否か、を調べた。その結果を、以下の四段階で評価した。
◎:自重で流動することなく、滑らかに精度よく印刷されている。
○:自重で流動することなく、滑らかさや精度もほぼ問題なく印刷されている。
△:自重で流動することはないが、滑らかさや精度の点で問題が生じる割合が0.5〜10%程度ある。
×:自重で流動する場合と滑らかさや精度の点で問題が生じる場合を含む不良率が10%以上ある。
<ゼーベック係数>
No.1〜No.3の各試験片を用いてゼーベック係数を測定した。各試験片のゼーベック係数の値をNo.1の値で除算することでNo.1の値を基準とした相対値を得た。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2018107405
この結果から以下のことが分かる。
多糖であるカラギーナンとゲル化促進剤である硫酸ナトリウムの添加により、熱電変換材料の印刷性能が改善された。
カラギーナンの含有比率が、質量比で、ポリチオフェン系化合物100に対して5であるNo.2は、カラギーナンおよび硫酸ナトリウムを含有しないNo.1よりもゼーベック係数が高く、熱電変換性能が向上した。
カラギーナンの含有比率が、質量比で、ポリチオフェン系化合物100に対して7であるNo.3は、カラギーナンおよび硫酸ナトリウムを含有しないNo.1よりもゼーベック係数が若干低下したが、許容範囲であった。
[熱電変換素子の製造]
図1に示す熱電変換素子1は、以下の方法で製造することができる。図4は各工程における図1のA−A断面に対応する断面を示す図である。
先ず、厚さ100μmのPETフィルムからなる基板2に、図5に示すパターンで下部電極31を形成する。図4(a)はこの状態を示す断面である。下部電極31は、スクリーン印刷で銀ペーストパターンを厚さ0.5μmで印刷した後に、銀ペーストパターンの上にカーボンペーストパターンを同じ厚さで印刷し、両ペースト層を乾燥させることにより形成する。カーボンペーストパターンは銀ペーストパターンの表面酸化を防止するために形成する。
銀ペーストとしては、例えば、藤倉化成(株)製の「ドータイトFA−333」などが使用できる。カーボンペーストとしては、例えば、藤倉化成(株)製の「ドータイトFC−415」や「FC−413」などが使用できる。
次に、図4(b)に示すように、図5の状態の基板2上にフォトレジスト膜Rを塗布する。次に、フォトリソグラフィ工程とエッチング工程を行うことで、図6に示すレジストパターンPを形成する。図4(c)はこの状態を示す断面図である。
次に、図4(d)に示すように、レジストパターンPの上に、図7に示す開口パターンを有する厚さ1mmのメタルマスクMを置き、例えば、上述のNo.2と同じゲル状の熱電変換材料(ポリオレフィン系化合物100質量部+カラギーナン5質量部+硫酸ナトリウム5質量部)を印刷する。これにより、基板2上の全ての下部電極31の上に、No.2と同じ熱電変換材料からなる印刷パターンを形成する。
次に、この状態の基板2を120℃で2時間加熱することで、印刷パターンを乾燥させて、 ポリオレフィン系化合物100質量部とカラギーナン5質量部と硫酸ナトリウム5質量部との混合材料からなる熱電変換層4を得る。熱電変換層4の厚さは例えば100μmとする。図8はこの状態を示す平面図であり、図4(e)はこの状態を示す断面図である。
次に、銀ペーストを図9に示すパターンで印刷し、120℃で2時間加熱することで銀ペーストを乾燥させる。この印刷はスクリーン印刷により例えば厚さ0.5μmで行う。図4(f)はこの状態を示す断面図である。
基板2の一方の縁部(図9の下端)では、銀ペーストを基板2の端までの長さのパターン32bで印刷する。このパターン32bの先端部(絶縁層上に形成されている部分)を接続端子33として使用する。これにより、上部電極32と接続端子33を形成して、図1および2に示す熱電変換素子1を得る。
1 熱電変換素子
10 熱電変換単位
2 基板
31 下部電極
32 上部電極
33 接続端子
4 熱電変換層
5 無線センサ送信装置
51 回路基板
52 アンテナ回路
53 センサ端子
54 信号処理・送信回路
55 電圧増幅部・バッテリー

Claims (2)

  1. 導電性高分子、多糖、およびゲル化促進剤を含有する材料からなる熱電変換層を備える熱電変換素子。
  2. 前記多糖がカラギーナンである請求項1記載の熱電変換素子。
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