JP6815341B2 - インクジェット記録用紙及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、顔料インクと染料インクのどちらを用いても、良好なインクジェット印字適性を示すインクジェット記録用紙に関するものである。
インクジェット記録方式は、染料インクや顔料インクの液滴をノズルから吐出し、記録用紙上に付着させることによってドットを形成し、記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンタ、インクジェットプリンタ用インク、記録媒体の技術的進歩によって、インクジェット印字品質の高い記録が可能になってきている。
このようなインクジェットプリンタは一般家庭にも普及しており、一般家庭においてインクジェットプリンタを用いて、葉書、写真などを印字することが増えてきており、よりインクジェット印字品位の高いインクジェット記録用紙が求められている。インクジェットプリンタには、顔料インクを用いるもの、染料インクを用いるもの、顔料インクと染料インクを共に用いるものがあり、いずれのインクを用いた場合でも良好な印字が可能となるインクジェット記録用紙が求められている。
顔料インクを用いた場合のインクジェット記録用紙のインクジェット適性を改善するためには、顔料インク粒子を紙表面の近傍に均一に定着させると良く、それにより、印字濃度が高く、画像ムラのない良好なインクジェット適性を得ることができる。近年、画像の高精細化、発色性改善を目的に顔料インク粒子径の微細化が進んでいる。顔料インク粒子径を微細化することで高精細かつ発色性に優れた画像が得られるが、顔料インク粒子がインク受容層や紙中に入り込みやすくなり、印字濃度が低下しやすく画像ムラが発生しやすいという問題があった。インク受理性を改善させるために添加されるカチオン系のインク定着剤は、一般的に染料インクに用いられ、顔料インクに対してはその定着効果が低く、印字濃度の工場や画像ムラ抑制に十分な効果が得られない場合がある。そのため、顔料インクを凝集させる効果のある金属塩をインク受容層や紙中に含有させることで、顔料インク粒子をインク受容層や紙中に定着させる必要がある。しかし金属塩をインク受容層や紙中に含有させた場合でも、凝集させる効果が強すぎる場合は画像の発色性が低下する恐れがあり、凝集させる効果が弱すぎると画像ムラが発生する恐れがある。したがって、インクジェット印字適性をより改善するために顔料インクの凝集を適切にコントロールする必要があった。
一方で染料インクは、一般的に染料インクに用いられるカチオン系のインク定着剤がインク吸収層に存在している場合は、速やかにインク定着剤と反応してインク吸収層に定着する。しかし金属塩がインク受容層に含有されている場合は画像ムラが発生しやすいという問題があった。
顔料インクに対して高いインクジェット印字適性を得るために、特許文献1には、インク受理層にマグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩などの金属塩を含有させるインクジェット用記録用紙が記載されている。
しかしながら、特許文献1のインクジェット記録用紙は、染料インクに対しては高いインクジェット印字適性を得ることができないという問題があった。
染料インクは金属塩が存在すると不溶化してインク受容層、紙中に定着するが、金属塩と染料インクの種類の組み合わせによっては、印字部に画像ムラが発生するなどして、高いインクジェット適性を得られないという問題があった。顔料インクは金属塩が存在すると速やかに凝集してインク受容層、紙中に定着するが、顔料インクを凝集させる効果が強すぎると印字濃度が低下する恐れがあり、高いインクジェット適性を得られないという問題があった。
特開2010−228304号公報
本発明は上述の技術的な問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、染料インクと顔料インクのどちらを用いた場合でも、良好なインクジェット印字耐水性とインクジェット印字適性を有するインクジェット記録用紙を提供することにある。
本発明の他の目的および作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
本発明者等は、鋭意検討した結果、次の構成によってこれらの課題を解決できることを見出し本発明に至った。すなわち本発明に係るインクジェット記録用紙は、少なくとも片面に顔料とバインダとを含むインク受容層を有する、インクジェット記録用紙であって、該インク受容層に2種類以上の水溶性亜鉛塩を含むことを特徴とする。
そして、このような構成によれば、染料インクと顔料インクのどちらを用いた場合でも、良好なインクジェット印字適性を有するインクジェット記録用紙を提供することができる。
本発明の好ましい実施形態においては、前記水溶性亜鉛塩のうち1種が炭素数3以上のカルボン酸との亜鉛塩である。
このような構成によれば、染料インクと顔料インクのどちらを用いた場合でも、より良好なインクジェット印字適性を得ることができる。
本発明の好ましい実施形態においては、前記水溶性亜鉛塩のうち1種が炭素数3以上6以下のカルボン酸との亜鉛塩であり、少なくとももう1種が炭素数2以下のカルボン酸との亜鉛塩である。さらに、特定の実施形態においては、インク受容層がカチオン性インク定着剤をさらに含むインクジェット記録用紙を提供する。
このような構成によれば、染料インクと顔料インクのどちらを用いた場合でも、より良好なインクジェット印字適性を得ることができる。
本発明の好ましい実施形態においては、少なくとも顔料とバインダと2種類以上の水溶性亜鉛塩とを混合してインク受容層用塗工液を調製する塗工液調製工程と、該インク受容層用塗工液を支持体へ塗工する塗工工程と、塗工されたインク受容層用塗工液を乾燥する乾燥工程とを有することを特徴とする。
このような構成によれば、染料インクと顔料インクのどちらを用いた場合でも、良好なインクジェット印字適性を有するインクジェット用記録用紙を製造することができる。
本発明のインクジェット記録用紙であれば、染料インクと顔料インクのどちらを用いた場合でも、良好なインクジェット印字適性を有するインクジェット記録用紙を提供することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本発明に係るインクジェット記録用紙は、紙支持体などの支持体上の少なくとも片面に顔料とバインダとを含むインク受容層を有する、インクジェット記録用紙であって、該インク受容層に水溶性亜鉛塩を含み、かつ水溶性亜鉛塩を2種類以上の水溶性亜鉛塩を含むことを特徴とする。
(水溶性亜鉛塩)
先にも述べたように、本発明に係るインクジェット記録用紙は、インク受容層に2種類以上の水溶性亜鉛塩を含むことを特徴とする。ここで用いる水溶性亜鉛塩とは亜鉛と有機酸、無機酸との化合物であり、水溶性であるものを言う。
顔料インクは金属塩が存在すると速やかに凝集してインク受容層、紙中に定着する。一般的に価数が高く、解離定数が大きく、分子構造が小さい金属塩ほど凝集させる効果が強いと考えられる。凝集させる効果が強すぎると、インク受容層に不均一に定着し、画像ムラが発生する場合がある。凝集させる効果が小さすぎると、インク受容層に定着しにくくなり、画像ムラが発生する場合がある。
本発明者らは鋭意研究の結果、2種類以上の水溶性亜鉛塩を含むことで顔料インクの画像ムラが良好となることを見出した。本発明においては、2種類以上の異なる水溶性亜鉛塩を含むことで、顔料インクの凝集が好適にコントロールされ、顔料インクの画像ムラを防止することができる。
例えば、顔料インクを凝集させる効果が異なる2種類以上の水溶性亜鉛塩を含むことが好ましい。具体的には、該水溶性亜鉛塩のうち1種が炭素数3以上、例えば炭素数が3〜8のカルボン酸塩であることが好ましい。
顔料インクが紙面に接触すると、インクと紙面の界面で水溶性亜鉛化合物が解離して、顔料インクを速やかに凝集させ、画像ムラの原因となる。炭素数3以上のカルボン酸塩は比較的溶解度が低く、分子構造も大きいため、顔料インクを凝集させる効果が比較的弱いと考えられる。ここで、該水溶性亜鉛塩のうち1種が炭素数3以上のカルボン酸塩であることで、顔料インクの凝集が好適にコントロールされ、顔料インクの画像ムラの発生を一定以上の割合で防止することができる。もう一方の水溶性亜鉛化合物が炭素数2以下のカルボン酸塩もしくは無機酸塩であることが好ましい。炭素数2以下のカルボン酸塩もしくは無機酸塩は比較的溶解度が高く、分子構造も小さいため、顔料インクを凝集させる効果が比較的強く、密な凝集体が形成されると考えられる。これを炭素数3以上のカルボン酸塩と組み合わせることで、顔料インクの凝集がより好適にコントロールされ、顔料インクの画像ムラの発生を適切に防止することができる。さらに好ましくは、炭素数3以上6以下のカルボン酸との亜鉛塩と、炭素数2以下のカルボン酸との亜鉛塩を含むことである。顔料インクの凝集が最適にコントロールされ、顔料インクの画像ムラの発生をさらに防止できるからである。
染料インクは金属塩が存在すると不溶化してインク受容層、紙中に定着するが、金属塩と染料インクの種類の組み合わせによっては、印字部にムラが発生するなどして、高いインクジェット適性を得られないことがある。特にマグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩は、染料インクの種類によっては印字部にムラが発生する場合がある。本発明者らは鋭意研究の結果、2種類以上の水溶性亜鉛塩を含むことで、染料インクの印字部にムラが発生しないことを見出した。水溶性亜鉛塩であれば、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩などの他の金属に比べて、染料インクとの反応が緩やかであるためと思われる。
2種類以上の水溶性亜鉛塩を含み、かつ該水溶性亜鉛塩のうち1種が炭素数3以上のカルボン酸塩であることで、染料インクと顔料インクのどちらを用いた場合でも、良好なインクジェット印字耐水性とインクジェット印字適性を有するインクジェット記録用紙を提供することができる。
2種類以上の水溶性亜鉛塩の総含有量は、亜鉛換算で支持体1m当り3mg〜100mgであることが好ましい。より好ましくは10mg〜70mgであり、さらに好ましくは20mg〜55mgである。3mg未満では効果が充分でない場合があり、良好なインクジェット印字耐水性とインクジェット印字適性が得られない恐れがある。100mgを超えると効果が強くなり過ぎる場合があり、良好なインクジェット印字耐水性とインクジェット印字適性が得られない恐れがある。
2種類以上の水溶性亜鉛塩の比率は特に限定しないが、例えば、炭素数3以上のカルボン酸塩を使用する場合、当該塩が水溶性亜鉛塩の全含有量に対して、亜鉛換算で30%以上80%以下であることが好ましい。30%未満、もしくは80%より大きい場合は顔料インクの凝集が好適にコントロールされない恐れがあり、顔料インクの定着性が悪化する恐れがある。さらに、例えば、炭素数3以上6以下のカルボン酸との亜鉛塩を水溶性亜鉛塩の全含有量に対して亜鉛換算で10%以上90%以下、例えば、30%〜85%、好ましくは30%〜80%とし、一方、炭素数2以下のカルボン酸との亜鉛塩を水溶性亜鉛塩の全含有量に対して亜鉛換算で10%〜90%、好ましくは15〜70%、好ましくは20%〜70%とすることができる。
水溶性亜鉛塩の水への溶解度は特に限定しないが、水温20℃の水100gに対して溶解度が1(g/100g−水)以上である水溶性亜鉛塩を使用することが好ましい。1(g/100g−水)より小さい場合はでは画像ムラの発生防止効果が充分でない場合があり、良好なインクジェット印字耐水性とインクジェット印字適性が得られない恐れがある。
水溶性亜鉛塩としては、例えば、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛などが公知の水溶性亜鉛塩を2種以上を適宜選択して用いる。これらの中でも、より高いインクジェット適性を得ることができることから、酢酸亜鉛、ギ酸亜鉛、乳酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、クエン酸亜鉛を用いることが好ましい。
インク受容層中の水溶性亜鉛塩の含有量、種類、含有比率の分析方法としては、例えばJISP8133−1「紙、板紙およびパルプ−水抽出液pHの試験方法−第1部:冷水抽出」に記載の方法で抽出を行い、イオンクロマトグラフィ−により水溶性亜鉛塩の含有量、種類、含有比率を分析することができる。
(支持体)
本発明において、支持体の材質は特に限定されないが、パルプを主成分とする紙支持体であることが好ましい。紙支持体に使用するパルプは、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)若しくはNBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)若しくはCGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプを使用することができる。必要に応じて、木材パルプ以外に、非木材パルプ、合成パルプ、合成繊維などを適宜用いてもよいが、褪色性、インクジェット適性及びコストの観点から、その量は20質量%以下が好ましく、10質量%以下であればより好ましい。パルプのカナディアンスタンダードフリーネスは特に限定するものではないが、400mlcsf〜600mlcsf、450mlcsf〜550mlcsfとすることが特に好ましい。
本発明において、紙支持体には填料を配合することが好ましい。紙支持体に使用する填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、焼成クレー、二酸化チタン又は水酸化アルミニウムなどの公知の填料を併用することができる。
また、本発明において紙支持体には、パルプ及び填料以外に、内添サイズ剤、湿潤紙力増強剤などの内添紙力増強剤、嵩高剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光消色剤又はピッチコントロール剤などの各種助剤を、各製品に合わせて好適に配合することができる。内添サイズ剤は、各種公知のものが使用でき、特に限定されず、例えば、強化ロジンサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、AKD(アルキルケテンダイマー)又はASA(アルケニル無水コハク酸)である。内添紙力増強剤としては、従来公知の紙力増強剤を使用することが可能であり、例えば、澱粉系紙力増強剤、ポリアクリルアミド系紙力増強剤又はポリビニルアルコール系紙力増強剤である。
紙支持体を抄紙する方法としては特に限定されるものではなく、長網抄紙機、長網多層抄紙機、円網抄紙機、円網多層抄紙機、長網円網コンビ多層抄紙機又はツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造できる。
また、紙支持体には、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤を塗布する場合には他の塗工層やインク受容層等の下に設ける。ここで用いることができる表面サイズ剤としては特に限定しないが、例えばアルキルケテンダイマーサイズ剤、アルケニル無水コハク酸サイズ剤、ロジン系サイズ剤、ワックス系サイズ剤等が挙げられる。また、紙支持体の坪量は、特に限定されないが、通常150〜250g/mであることが好ましい。
本発明においては、少なくとも片面に顔料とバインダとを含むインク受容層を設ける。インク受容層に含まれる顔料としては、例えば合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、タルクなど公知の顔料1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。これらの中でも、より高いインクジェット適性を得ることができることから、非晶質シリカを用いることが好ましい。
また、インク受容層に用いるバインダとしては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルビロリドン、ポリエチレン酢酸ビニル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリルアマイドなど公知のバインダ1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。本発明においては、インク受容層に用いるバインダは、顔料100質量部に対して30〜70質量部、好ましくは40〜60質量部含まれると良い。例えば、より高いインクジェット適性を得るために、顔料100質量部に対してポリビニルアルコールを10〜20質量部とポリエチレン酢酸ビニルを30〜40質量部を組み合わせて使用することが好ましい。
本発明においてインク受容層には、必要に応じてインク定着剤、分散剤、消泡剤、pH調整剤、湿潤剤、架橋剤、増粘剤、離型剤、防腐剤、柔軟剤、蛍光増白剤、着色顔料、着色染料などの各種助剤を必要に応じて適宜配合してもよい。本発明においては、インク受理性を改善するためにインク定着剤を配合することができる。インク定着剤としては、特に染料インクの画像ムラを制御できるカチオン性のインク定着剤を使用すればよく、例えば、ポリジアリルアミン系、ポリアルキルアミン系、ポリビニルアミジン系のカチオン性インク定着剤を使用することができる。本発明においては、インク受容層に用いるインク定着剤は、顔料100質量部に対して5〜25質量部、好ましくは、10〜20質量部使用すればよい。
インク受容層を塗工する方式としては、特に限定することはなく、一般に使用されている塗工装置が使用される。例えばエアナイフコータ、ブレードコータ、グラビアコータ、ロッドブレードコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、チャンプレックスコータ、メータリングブレード式のサイズプレスコータ、ショートドウェルコータ、スプレーコータ又はゲートロールコータ、リップコータなどの公知の各種塗工装置を用いることができる。
本発明においてインク受容層の乾燥塗工量は、5〜15g/mであることが好ましい。乾燥塗工量が5g/mに満たないと、インク受容層が支持体表面を完全に覆うことが難しく、被覆不良により良好なインクジェット印字適性が得られないおそれがある。一方、乾燥塗工量が15g/mを超えると、インク受容層と支持体間の界面強度が実用に耐えられないレベルとなるおそれがある。
また、インク受容層の塗工後の乾燥方式としては、公知の乾燥機、例えば熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥などを使用することができる。
本発明においては、支持体上にインク受容層を塗工、乾燥した後にキャレンダー処理を行うことが好ましい。キャレンダー処理装置としては、通常のスーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、シューニップキャレンダー又はソフトキャレンダーなどが用いられる。その際の加圧装置形態、加圧ニップ数及び温度条件などの処理条件を適宜調節して処理することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特に断らないかぎり、部および%はそれぞれ質量部、質量%を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
(実施例1)
(紙支持体の作製)
カナディアンスタンダードフリーネス500mlcsfの広葉樹さらしクラフトパルプ100部、タルク5部、カチオン澱粉1部及び酸性ロジンサイズ(商品名:AL1212、星光PMC社製)0.5部に水を加えて紙料を調製し、これを用いて、長網多筒式抄紙機を用いて紙支持体(坪量190g/m)を作製した。この紙支持体に、ポリアクリルアミド系紙力剤(商品名:ST5017、星光PMC社製)を乾燥塗工量が片面当り1g/mとなるようにサイズプレスで塗布し、シリンダードライヤーで乾燥し、その後にスチールカレンダーを用いて線圧40kg/cm、25℃、2ニップ1パスの条件で表面処理を行った。
(インク受容層塗工液の調製)
顔料として、合成非晶質シリカ(商品名:ニップジェルBY400、東ソーシリカ社製)100部と水を混合して、カウレス分散機にて分散して固形分濃度22%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、ポリビニルアルコール15部(商品名:PVA−117、クラレ社製)、ポリエチレン酢酸ビニルバインダ35部(商品名:スミカフレックス400HQ、住友化学社製)、及びインク定着剤15部(商品名:ハイマックスSC−700L、ハイモ社製)、炭素数4のカルボン酸の水溶性亜鉛塩としてリンゴ酸亜鉛1.01部、水溶性亜鉛塩として酢酸亜鉛0.94部を混合し、更に水を添加して撹拌して固形分濃度が20%のインク受容層用塗工液を得た。
(インク受容層の形成)
得られたインク受容層用塗工液を紙支持体の一方の面(通信面となるべき面)に乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコータで塗工し、エアドライヤーで熱風乾燥した後に、ソフトカレンダーを用いて線圧30kg/cm、25℃、2ニップ1パスの条件で表面処理を行いインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、酢酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例2)
インク受容層塗工液の調製において、酢酸亜鉛0.94部をギ酸亜鉛0.8部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例3)
インク受容層塗工液の調製において、酢酸亜鉛0.94部を硫酸亜鉛0.83部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、硫酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例4)
インク受容層塗工液の調製において、酢酸亜鉛0.94部を硝酸亜鉛0.97部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、硝酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例5)
インク受容層塗工液の調製において、酢酸亜鉛0.94部を塩化亜鉛0.69部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、塩化亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例6)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を0.61部に変更し、ギ酸亜鉛0.80部を1.11部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で12mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で28mg/mであった。
(実施例7)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を1.62部に変更し、ギ酸亜鉛0.80部を0.32部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で32mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で8mg/mであった。
(実施例8)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を0.20部に変更し、ギ酸亜鉛0.80部を1.43部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で4mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で36mg/mであった。
(実施例9)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を1.82部に変更し、ギ酸亜鉛0.80部を0.16部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で36mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で4mg/mであった。
(実施例10)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を0.08部に変更し、ギ酸亜鉛0.80部を0.06部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で1.5mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で1.5mg/mであった。
(実施例11)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を0.25部に変更し、ギ酸亜鉛0.80部を0.20部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で5mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で5mg/mであった。
(実施例12)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を0.38部に変更し、ギ酸亜鉛0.80部を0.30部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で7.5mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で7.5mg/mであった。
(実施例13)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を2.57部に変更し、ギ酸亜鉛0.80部を2.02部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で50mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で50mg/mであった。
(実施例14)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を1.78部に変更し、ギ酸亜鉛0.80部を1.40部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で35mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で35mg/mであった。
(実施例15)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を1.40部に変更し、ギ酸亜鉛0.80部を1.10部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で27.5mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で27.5mg/mであった。
(実施例16)
インク受容層塗工液の調製において、酢酸亜鉛1.01部をクエン酸亜鉛2.98部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、クエン亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例17)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部をクエン酸亜鉛2.98部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、クエン酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、酢酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例18)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部をクエン酸亜鉛2.98部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、クエン酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例19)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部をクエン酸亜鉛2.98部に変更した以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、クエン酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、硫酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例20)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部をクエン酸亜鉛2.98部に変更した以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、クエン酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、硝酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例21)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部をクエン酸亜鉛2.98部に変更した以外は、実施例5と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、クエン酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、塩化亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例22)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部をクエン酸亜鉛1.78部に変更した以外は、実施例6と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、クエン酸亜鉛が亜鉛換算で12mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で28mg/mであった。
(実施例23)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部をクエン酸亜鉛4.80部に変更した以外は、実施例7と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、クエン酸亜鉛が亜鉛換算で32mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で8mg/mであった。
(実施例24)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を乳酸亜鉛1.25部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、乳酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、酢酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例25)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を乳酸亜鉛1.25部に変更した以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、乳酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例26)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を乳酸亜鉛1.25部に変更した以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、乳酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、硫酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例27)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を乳酸亜鉛1.25部に変更した以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、乳酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、硝酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例28)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を乳酸亜鉛1.25部に変更した以外は、実施例5と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、乳酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、塩化亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(実施例29)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を乳酸亜鉛0.75部に変更した以外は、実施例6と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、乳酸亜鉛が亜鉛換算で12mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で28mg/mであった。
(実施例30)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を乳酸亜鉛2.00部に変更した以外は、実施例7と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、乳酸亜鉛が亜鉛換算で32mg/m、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で8mg/mであった。
参考例31)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部をギ酸亜鉛0.80部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、ギ酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、酢酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
参考例32)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01を硫酸亜鉛0.82部に変更し、酢酸亜鉛0.94部を塩化亜鉛0.69部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、硫酸亜鉛が亜鉛換算で20mg/m、塩化亜鉛が亜鉛換算で20mg/mであった。
(比較例1)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛と酢酸亜鉛を添加しないとした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
(比較例2)
インク受容層塗工液の調製において、リンゴ酸亜鉛1.01部を2.01部に変更し、酢酸亜鉛を添加しないと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの水溶性亜鉛化合物含有量を調査したところ、リンゴ酸亜鉛が亜鉛換算で40mg/mであった。
(比較例3)
インク受容層塗工液の調製において、塩化カルシウム2.0部を添加するとした以外は、比較例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工後のインク受容層1m当りの塩化カルシウム含有量を調査したところ、120mg/mであった。
各実施例及び比較例で得られたインクジェット記録用紙について、その組成および物性を表1にそれぞれ示す。なお、各物性の評価については、以下に示す方法で行った。
(1)染料インクのインクジェットプリンター印字画像ムラ
家庭用インクジェットプリンタ(EP−805A、EPSON社製)を用い、CMYKの各インクを用いて、CMYKの各インクのベタ(100%濃度)及び文字並びにRGB(Red−Green−Blue)のベタ(100%濃度)及び文字を得られたインクジェット記録用紙に印字した。ベタ部の各色の画像ムラ程度を目視によって評価した。
6点:画像ムラがなく、実用上問題ない。
5点:画像ムラが発生しているが、実用上問題ない。
4点:画像ムラが発生しているが、実用上問題ない。
3点:画像ムラが発生しているが、実用上問題ない。
2点:画像ムラが発生し、実用不可レベル。
1点:画像ムラが著しく発生し、実用不可レベル。
(2)顔料インクのインクジェットプリンター印字画像ムラ
家庭用インクジェットプリンタ(PX−G930、EPSON社製)を用いて宛名面となるべき面に、フォントサイズ7ポイント(JISZ8305)の住所、郵便番号のテストパターンを印字して、文字の滲みを目視で評価した。を用い、CMYKの各インクを用いて、CMYKの各インクのベタ(100%濃度)及び文字並びにRGB(Red−Green−Blue)のベタ(100%濃度)及び文字を得られたインクジェット記録用紙に印字した。ベタ部の各色の画像ムラ程度を目視によって評価した。
6点:画像ムラがなく、実用上問題ない。
5点:画像ムラが発生しているが、実用上問題ない。
4点:画像ムラが発生しているが、実用上問題ない。
3点:画像ムラが発生しているが、実用上問題ない。
2点:画像ムラが発生し、実用不可レベル。
1点:画像ムラが著しく発生し、実用不可レベル。
表1から明らかなように、実施例1〜30、参考例31、32で得られたインクジェット記録用紙はいずれも染料インクのインクジェットプリンター印字画像ムラ、顔料インクのインクジェットプリンター印字画像ムラの評価に優れるものであった。
これに対して比較例1〜3で得られたインクジェット記録用紙は、いずれも染料インクのインクジェットプリンター印字画像ムラ、もしくは顔料インクのインクジェットプリンター印字画像ムラの評価に劣った。これはインク受容層に2種類以上の水溶性亜鉛塩を含まなかったことが原因であると考えられる。
Figure 0006815341

Claims (4)

  1. 少なくとも片面に顔料とバインダとを含むインク受容層を有する、インクジェット記録用紙であって、
    該インク受容層に2種類以上の水溶性亜鉛塩を含み、
    前記水溶性亜鉛塩のうち1種が炭素数3以上のカルボン酸との亜鉛塩であることを特徴とする、インクジェット記録用紙。
  2. 前記水溶性亜鉛塩のうち1種が炭素数3以上6以下のカルボン酸との亜鉛塩であり、少なくとももう1種が炭素数2以下のカルボン酸との亜鉛塩であることを特徴する、請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 該インク受容層にカチオン性インク定着剤をさらに含むことを特徴する、請求項1〜のいずれか一つに記載のインクジェット記録用紙。
  4. 少なくとも顔料とバインダと2種類以上の水溶性亜鉛塩とを混合してインク受容層用塗工液を調製する塗工液調製工程と、
    該インク受容層用塗工液を支持体へ塗工する塗工工程と、
    塗工されたインク受容層用塗工液を乾燥する乾燥工程を有し、
    前記水溶性亜鉛塩のうち1種が炭素数3以上のカルボン酸との亜鉛塩であることを特徴とするインクジェット用記録用紙の製造方法。
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