JPWO2009069522A1 - ラウロラクタムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

シクロドデカノンおよびヒドロキシルアミンから、簡単な工程により効率よくラウロラクタムを製造する方法を提供する。この製造方法は、(a)シクロドデカノンと水溶液中のヒドロキシルアミンとを、オキシム化溶媒の存在下で反応させ、シクロドデカノンオキシムを生成する工程、(b)前記オキシム化工程後の反応液を油相と水相に分離し、シクロドデカノンオキシムの溶液を油相として取得する工程、(c)前記油/水分離工程により油相として取得した前記シクロドデカノンオキシムの溶液からオキシム化溶媒の一部又は全部と、溶解水分を除去し、下記転位反応に用いる転位溶媒と前記シクロドデカノンオキシムを含有する溶液を調製する工程、(d)芳香環含有化合物を転位触媒として用いて、転位反応により、シクロドデカノンオキシムからラウロラクタムを生成する工程、および(e)前記転位工程後の反応液から、転位溶媒および転位触媒を分離除去し、ラウロラクタムを精製する工程を有する。

Description

本発明は、シクロドデカノンとヒドロキシルアミンから、工業的に有利で簡便なプロセスによりラウロラクタムを製造する方法に関する。
工業的にアミド化合物を製造する方法としては、対応するオキシム化合物をベックマン転位する方法が一般的である。例えば、工業的に有用であるε−カプロラクタムはシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位によって製造される。転位触媒には濃硫酸および発煙硫酸が用いられるが、これら強酸は化学量論量以上に必要であり、中和の際に大量の硫酸アンモニウムが副生する。ナイロン12の原料であるラウロラクタムも同様の方法で製造されるが、中間生成物であるシクロドデカノンオキシムが高融点であるため、製造プロセスはさらに複雑である。ε−カプロラクタムの製造では、シクロヘキサノンオキシム、ε−カプロラクタムとも比較的低融点であるため、無溶媒でオキシム化、転位を行うことができるが、ラウロラクタムの製造では反応溶媒が必要となる。この反応溶媒はシクロドデカノンオキシムの溶解度が高いこと、濃硫酸、発煙硫酸と反応しないことが必須であり、その選択は非常に制約される。
シクロドデカノンとヒドロキシルアミン水溶液から、ラウロラクタムを工業的に製造する方法としては2例のみ知られている。一つはデグッサ社により実用化されたものである。この方法は以下の通りである。イソプロピルシクロヘキサンを溶媒に用いてシクロドデカノンをオキシム化した後、分液して得られたシクロドデカノンオキシムのイソプロピルシクロヘキサン溶液を低温下で濃硫酸中に徐々に加えてシクロドデカノンオキシム硫酸付加体の硫酸溶液をつくり、イソプロピルシクロヘキサンを分離回収後、残存するシクロドデカノンオキシム硫酸付加体の硫酸溶液を昇温して、オキシムのベックマン転位を行う。転位反応後、水を加えて硫酸を希釈した後、生成したラウロラクタムを有機溶媒で抽出する。ここで、抽出溶媒としては、イソプロピルシクロヘキサンまたはシクロドデカノンが用いられる。得られた抽出溶液から抽出溶媒を蒸留・回収し、残渣中のラウロラクタムを蒸留精製する(特許文献1参照)。
この方法では、転位反応工程での硫酸アンモニウムの副生はないが、大量の廃希硫酸の処理に膨大な設備とエネルギーが必要である。また、シクロドデカノンは濃硫酸と反応し、副生物が生成するため、シクロドデカノンが残存しないようにオキシム化反応を完結させる必要があるが、イソプロピルシクロヘキサンが疎水性のため、油/水界面での物質移動速度が遅く、オキシム化に長時間を要する。なお、プロセス全体をみても、溶媒の分離、回収、リサイクル工程が多く、多大な設備費とエネルギーが必要なプロセスである。
もう一つの工業化プロセスは、宇部興産−EMS社で実用化されたものである。この方法は、シクヘキサノンオキシム、カプロラクタムがそれぞれシクロドデカノンオキシム、ラウロラクタムの良溶媒であることを利用したプロセスである(例えば、特許文献2参照)。すなわち、シクロドデカノンとシクロヘキサノンの混合液とヒドキシルアミン水溶液を混合し、オキシム化を行う。生成するシクロヘキサノンオキシムは融点が低く、シクロドデカノンオキシムの良溶媒であるため、反応は100℃以下、常圧で行うことができる。また、シクロヘキサノンオキシムは適度な親水性を有するため、オキシム化反応は速やかに進行し、シクロヘキサノン、シクロドデカノンは残存することなく、転位工程に送られる。転位触媒としては濃硫酸および発煙硫酸が用いられる。生成するラウロラクタムは高融点であるが、低融点のカプロラクタムへの溶解性が高いため、100℃以下の温度でも反応を行うことができる。得られた転位反応液はアンモニア水で中和し、有機溶媒で抽出する。カプロラクタムはある程度の水溶性を示すが硫酸アンモニウムの塩析効果によって、有機溶媒側に抽出される。次に、抽出されたラウロラクタムおよびカプロラクタムを含む溶液に大量の水を加え、カプロラクタムを水相側に抽出する。分離された有機相からは有機溶媒を回収し、ラウロラクタムを蒸留・精製する。水相を濃縮後、不純物を除去し、カプロラクタムを精製する。
この方法はラウロラクタムとカプロラクタムを併産できる優れた方法であるが、ラウロラクタム製造プロセスとしては、次のような問題がある。(1)カプロラクタムの分離、精製に多大な設備費が必要であり、投資効率が悪い。また、カプロラクタム水溶液の濃縮等エネルギー効率も悪い。(2)ラウロラクタム/カプロラクタムの生産比率に制約がある。(3)カプロラクタムはラウロラクタムより低付加価値であり、ヒドロキシルアミンの利用効率が低い。
一方、近年、大量の硫酸、発煙硫酸を用いない転位触媒の研究も盛んに行われている。強酸を含むものとしては、過酸化レニウムのアンモニウム塩とトリフルオロメタンスルホン酸の混合系(非特許文献1)、インジウムトリフラート(非特許文献2)、イッテルビウムトリフラート(非特許文献3)が報告されている。酸と脱水剤を含むものとしては、N,N−二置換アミド化合物溶媒中で五酸化リンまたは縮合リン酸化合物と、非含フッ素スルホン酸無水物またはスルホカルボン酸無水物を用いて転位反応を行う方法(特許文献3、特許文献4)、予め酸を含む水溶液で処理したゼオライト触媒(特許文献5)を用いる方法が知られている。酸を用いない方法としては、レニウム化合物と含窒素複素環化合物の共存下で転位反応を行う方法(特許文献6,特許文献7)、酸化亜鉛を含有させる方法(特許文献8)が提案されている。特許文献9には、カルボン酸溶媒中で塩化シアヌル(トリクロロトリアジン)を脱水剤に用い、オキシムとカルボン酸のエステルを生成させ、転位させる方法が開示されている。特許文献10には、オキシムの塩酸塩を塩化シアヌル(トリクロロトリアジン)等を開始剤にし転位させる方法が開示されている。
これらの触媒、製造方法の中には高い転位収率を示すものもあるが、触媒、溶媒が特殊であり、その回収・リサイクル方法等も明確ではなく、工業的プロセスとして完成されてはいない。
また、特許文献11には、(1)芳香環を構成する原子として、脱離基を有する炭素原子を少なくとも1つ含み、(2)芳香環を構成する原子として、ヘテロ原子または電子吸引基を有する炭素原子のいずれかの一方または両方を少なくとも3つ含み、(3)前記のヘテロ原子または電子吸引基を有する炭素原子のうち2つが、前記脱離基を有する炭素原子のオルトあるいはパラ位に位置する芳香環含有化合物を転位触媒として、極性溶媒中でオキシム化合物のベックマン転位を行う方法が開示されている。同様の内容は非特許文献4にも開示されている。また、非特許文献5には、特許文献11に類似した複素環構造を持つ燐酸塩がベックマン転位活性を持つことも示されている。
特許文献11で開示された触媒は、シクロドデカノンオキシムの転位反応の活性が高く、ラウロラクタムが高収率で得られることから、ラウロラクタム製造時の転位反応触媒として好適である。しかし、転位反応の溶媒は極性溶媒であり、特に溶媒として推奨されるニトリルは、ヒドロキシルアミンと反応しアミドキシムを生成するため、オキシム化反応工程には使用できない。また、加水分解を受けやすく、触媒除去等の工程での損失が避けられない。水との親和性が高く、転位原料の脱水プロセスが複雑になる等の問題がある。従って、実用可能な工業的プロセスを構築するには、オキシム化工程を含め、原料から最終製品に至るまでの各工程を考慮した溶媒及びプロセスの選定が必要である。
特公昭52−033118 特開平5−4964 特開2001−302602号公報 特開2001−302603号公報 特開2001−072658号公報 特開平09−301951号公報 特開平09−301952号公報 特開2001−019670号公報 特公昭46−23740号公報 特公昭47−18114号公報 特開2006−219470号公報 K.Narasaka,et.al.,Chemistry Letter,pp.489−492(1993) J.S.Sandhu,et.al.,Indian Journal of Chemistry,pp154−156(2002) J.S. Yadav,et.al.,Journal of Chemical Research(S),pp.236−238(2002) K.Ishihara,et.al.,Journal of American Chemical Sociaty,pp.11240−11241(2005) M.Zhu,et.al.,Tetrahedron Letters,pp4861−4863(2006)
本発明は、シクロドデカノンおよびヒドロキシルアミンから、簡単な工程により効率よくラウロラクタムを製造する方法を提供することを目的とする。また、安価な設備の組み合わせでラウロラクタムを製造するプロセスを提供することを目的とする。
本発明は以下の事項に関する。
1. (a)シクロドデカノンと水溶液中のヒドロキシルアミンとを、有機溶媒(以下、オキシム化溶媒という)の存在下で反応させ、シクロドデカノンオキシムを生成する工程(以下、オキシム化工程という)と、
(b)前記オキシム化工程後の反応液を油相と水相に分離し、シクロドデカノンオキシムの溶液を油相として取得する工程(以下、油/水分離工程という)と、
(c)前記油/水分離工程により油相として取得した前記シクロドデカノンオキシムの溶液からオキシム化溶媒の一部又は全部と、溶解水分を除去し、下記転位反応に用いる溶媒(以下、転位溶媒という)と前記シクロドデカノンオキシムを含有する溶液を調製する工程(以下、脱水・溶媒調製工程という)と、
(d)芳香環含有化合物を転位触媒として用いて、転位反応により、シクロドデカノンオキシムからラウロラクタムを生成する工程(以下、転位工程という)と、
(e)前記転位工程後の反応液から、転位溶媒および転位触媒を分離除去し、ラウロラクタムを精製する工程(以下、分離・精製工程という)と
を有することを特徴とするラウロラクタムの製造方法。
2. 転位触媒として用いられる有機化合物が、芳香環含有化合物であって該芳香環が(1)芳香環を構成する原子として脱離基を有する炭素原子を少なくとも1つ含み、(2)芳香環を構成する原子として、電子吸引基を有する炭素原子を少なくとも2つ含み、(3)芳香環を構成する窒素原子または電子吸引基を有する炭素原子のうち3つが(1)記載の脱離基を有する炭素原子のオルトあるいはパラ位に位置する構造を有することを特徴とする上記1記載のラウロラクタムの製造方法。
3. 芳香環がベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環であって、脱離基としてハロゲン原子を含むことを特徴とする上記2記載のラウロタクタムの製造方法。
4. 転位触媒として用いられる有機化合物が、4−クロロ−3,5−ジニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、2−クロロ−3,5―ジニトロピリジンおよびトリクロロトリアジンからなる群より選ばれることを特徴とする上記2記載のラウロラウタムの製造方法。
5. 脱水・溶媒調製工程において、前記転位工程に送るシクロドデカノンオキシム溶液中に残存する水分量を、1000ppm以下まで低減することを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のラウロラクタムの製造方法。
6. 脱水・溶媒調製工程において、前記転位工程に送るシクロドデカノンオキシム溶液中に残存する水分量を、100ppm以下まで低減することを特徴とする上記5に記載のラウロラクタムの製造方法。
7. 前記転位溶媒が非極性溶媒であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載のラウロラクタムの製造方法。
8. 前記転位溶媒が、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素および縮合芳香環水添物からなる群より選ばれる1種類以上の溶媒であることを特徴とする上記7に記載のラウロラクタムの製造方法。
9. 前記油/水分離工程の前に、前記転位溶媒を添加し、前記脱水・溶媒調製工程において、前記オキシム化溶媒を蒸留により除去することを特徴とする上記7または8に記載のラウロラクタムの製造方法。
10. 前記オキシム化溶媒と前記転位溶媒が同一の有機溶媒であり、前記脱水・溶媒調製工程において、その一部を蒸留により除去することを特徴とする上記7または8に記載のラウロラクタムの製造方法。
本発明では、濃硫酸や発煙硫酸を用いないため、硫安等の副生物が生成せず、従来に比べ、中和、抽出分離、蒸留回収工程等の工程が大幅に削減され、簡単なプロセスでラウロラクタムを製造することができる。
また、オキシム化溶媒、転位溶媒として、それぞれの反応に適した溶媒を選択するため、オキシム化、転位反応を短時間に完結させ、高収率でラウロラクタムを得ることができる。
さらに、本発明の好ましい態様においては、転位溶媒に熱的、化学的に安定な非極性有機溶媒を用いるため、高収率で容易に溶媒を回収、リサイクルすることができる。
実施例1〜4のプロセスフローを示すフローチャートである。 実施例5のプロセスフローを示すフローチャートである。
以下、本発明について詳細に説明する。ラウロラクタムの製造方法において、転位触媒と転位溶媒の選定が非常に重要であり、本発明においては、効率のよい反応系が選択されると共に、さらに工業的プロセスとして全体の最適化が考慮されている。以下、工程ごとに説明する。
オキシム化工程は、シクロドデカノンとヒドロキシルアミン水溶液を、等モルずつ反応させ、シクロドデカノンオキシムを生成する工程である。
原料として用いられるシクロドデカノンは、工業薬品として容易に入手することができる。例えば、インビスタ社はシクロドデカノン、シクロドデカノール混合物を販売しているので、混合物中のシクロドデカノールを脱水素しシクロドデカノンに転換して使用することができる。
もう一つの出発原料であるヒドロキシルアミンは不安定なため、ヒドロキシルアミン硫酸塩又はヒドロキシルアミン炭酸塩等のヒドロキシルアミンの酸塩の水溶液として製造、販売されている。反応時に、アンモニア水等の塩基を加えて、ヒドロキシルアミンを遊離させて使用する。オキシム化工程中には、予めヒドロキシルアミンを遊離させたヒドロキシルアミン水溶液を供給してもよいが、通常は、オキシム化反応装置中に、ヒドロキシルアミンの酸塩(好ましくは硫酸塩)の水溶液と、塩基(好ましくはアンモニア水)を供給して、反応装置中でヒドロキシルアミンを遊離させる。
生成するシクロドデカノンオキシムは高融点であるため、オキシム化反応には溶媒が必要である。反応溶媒に求められる要件は、まずシクロドデカノンオキシムの溶解性が高いことである。下式で定義される溶解度パラメーターを指標にすると7.5から13.0、特に8.0から12.5の溶媒がシクロドデカノンオキシムの溶解性が優れている。
ここで、溶解度パラメーターは、水素結合等、分子間の結合力の強さを示し、大きいほど極性が高い。溶解度パラメーターが近いものは相溶性が高くなる。同パラメーターは、Δ(デルタ)H、標準沸点、密度のデータから計算でき、ΔHについては分子構造から推算できる。本発明においては、いくつかの溶媒について、シクロドデカンオキシムの溶解度を実測し、計算で求めた溶解度パラメーターとの対応を比較し、指標を定めた。
δ=((ΔH−RT)/V)1/2
ここでδ:溶解度パラメータ、ΔH:蒸発のエンタルピー変化、R:気体定数、T:絶対温度、V:モル容積)
シクロドデカノンオキシムの溶解性に優れる溶媒であってもシクロドデカノン及び/又はヒドロキシルアミンと反応する溶媒は除外される。例えば、ケトン、アルデヒドはヒドロキシルアミンと反応し、ケトキシム、アルドキシムを生成するため、使用できない。ニトリルはヒドロキシルアミンと反応しアミドキシムを生成する。アミドもヒドロキシルアミンと付加体を生成する。一方、アミンはシクロドデカノンと反応し、シッフベースを形成する。これらの溶媒はシクロドデカノンオキシムの溶解性が良好であっても、除外される。
オキシム化溶媒としては、シクロドデカノンオキシムの溶解性に優れ、シクロドデカノン及び/又はヒドロキシルアミンと反応しない溶媒が使用できる。しかし、疎水性の高い溶媒はオキシム化速度が遅く、反応に長時間を要する。一方、親水性の高いものは水相に溶解するため、油、水両相から溶媒を回収しなければならず、設備面、エネルギー面で不利である。例えば、n−ヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、n−ドデカン等の鎖式炭化水素や、メタノール、エタノール、エチレングリコール等の水溶性の炭素数1〜2のアルコールは上記理由で不利である。
従って、オキシム化溶媒としては、好ましくは、例えば脂環式炭化水素、縮合芳香環水添物、芳香族炭化水素、中高級アルコール、エーテル類、グライム類、エステル類等が挙げられる。これらは、必要により、界面活性剤等を添加してオキシム化速度を向上させることもできる。
中高級アルコール、エーテル類、グライム類(エチレングリコールを縮合して得られるポリエーテル)、エステル類等は適度の親水性を有するものを選択すれば、界面活性剤等を添加することなく使用が可能である。
中高級アルコールとしては、炭素数3〜12のモノアルコールが好ましく、これらは親水性、疎水性のバランスがよく好適である。例えば、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、ターシャリーブチルアルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキサノール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール等が挙げられる。
エーテル類としては、溶解度パラメーターが7.5以上のものが好ましく、例えば、アニソール、アネトール、アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル、クレゾールメチルエーテル、メトキシナフタレン、エトキシナフタレン、ベンゾフランを挙げることができる。
グライム類(グリコールジエーテル)としては、水溶性の極端に高いものを除いて好適に用いられ、例えば、モノグライム、t−ブチルグライム、ブチルジグライム、トリグライム、テトラグライムを挙げることができる。
エステル類としては、カルボン酸エステルが好ましく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ酪酸メチル、オクタン酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチルを挙げることができる。
脂環式炭化水素、縮合芳香環水添物、芳香族炭化水素は、非極性溶媒であるが、使用可能であり、必要により界面活性剤を添加してもよい。また、芳香族炭化水素、縮合芳香環水添物、側鎖を有する脂環式炭化水素等は、後述する転位溶媒としても使用できるので、工程の簡略化の点で好ましい。
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼンが好ましく、特に、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが好ましい。縮合芳香環水添物としては、テトラリン、デカリン、ジヒドロナフタレンが好ましく、特に、テトラリンおよびデカリンが好ましい。また、脂環式炭化水素としては、特に側鎖を有する脂環式炭化水素が好ましく、イソプロピルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンが好ましく、特に、イソプロピルシクロヘキサンが好ましい。
オキシム化溶媒中には、また、シクロドデカノン及び/又はヒドロキシルアミンと反応しなければ、後述する転位溶媒がオキシム化溶媒中に混入しても差し支えない。
オキシム化反応は高温で行っても何ら差し支えないが、ヒドロキシルアミンが水溶液であるため、100℃以上で反応を行うには加圧容器が必要になる。従って、100℃以下、常圧で反応を行うのが好ましい。一方、低温での反応は反応速度が遅くなるだけである。従って、好ましくは60℃以上、より好ましくは75℃以上である。
オキシム化反応時間はオキシム化溶媒及び温度によって異なるが、溶媒として上記炭素数3から12のモノアルコールを用い、75℃で反応を行った場合、0.5時間から10時間、好ましくは1時間から6時間である。反応時間が短い場合、未反応のヒドロキシルアミン及びシクロドデカノンが残る。未反応原料は原料製造工程等に循環することも可能であるが、循環設備が必要になり好ましくない。反応時間が長い場合、オキシム化装置が長大になり好ましくない。
オキシム化反応装置は回分式反応装置、半回分式反応装置、管型連続反応装置、攪拌槽型連続反応装置等の一般に用いられる反応装置を使用することができるが、攪拌槽型連続多段反応装置が適している。攪拌槽型連続多段反応装置を用いる場合、第1槽にヒドロキシルアミン水溶液をフィードし、最終槽にシクロドデカノン溶液をフィードし、水相は後段の槽に向け、油相は前段の槽に向けて逐次送液して、未反応原料を残すことなく反応させることが望ましい。
次の油/水分離工程では、オキシム化工程後の反応液を、油相と水相に分離し、シクロドデカノンオキシムが溶解している油相を取得する。このとき、詳細は、脱水・溶媒調製工程で説明するが、転位溶媒(油相になることを前提として)を添加してから油/水分離を行うことも好ましい。油相と水相の分離方法としては、静置分離、遠心分離、サイクロンを用いた分離等の一般的な分離方法が利用できるが、工業的な連続工程では、オキシム化反応装置から反応液が分液装置に送られ、そこで油相と水相が分離されて抜き出される。オキシム化反応装置の形式によっては、反応装置から油相と水相を抜き出してもよい。ヒドロキシルアミン硫酸塩{Rashig法(亜硫安法:硝酸アンモニウム水溶液を硫酸水素イオンの存在下、二酸化イオウで還元してヒドロキシアミド−N,N−ジスルフェートとし、これを加水分解してヒドロキシルアミン硫酸塩を得る方法)で製造されたヒドロキシルアミン}水溶液とアンモニア水を用いてオキシム化を行った場合、分離された水相からは、硫安が副生成物として得られる。この硫安はオキシム硫安と呼ばれ、背景技術で述べた転位工程で副生する硫安(転位硫安と呼ばれる)に比べ容易に精製され、商品として出荷できる。なお、HPO法(リン酸ヒドロキシルアミンを製造する方法)で製造されたヒドロキシルアミンを用いる場合はオキシム化工程においても硫安は生成しない。また、水相に溶解したオキシム化溶媒を回収する目的で疎水性溶媒を用いて水相からオキシム化溶媒、シクロドデカノンオキシムを抽出してもよい。
次の脱水・溶媒調製工程は、油/水分離工程で油相として取得したシクロドデカノンオキシム溶液のオキシム化溶媒の一部又は全部と、溶解水分を除去し、シクロドデカノンオキシム溶液中の溶媒を、次の転位反応工程に適した溶媒系に変換する工程である。オキシム化溶媒の除去は、蒸留により行うことが好ましく、溶解水分もこの蒸留により同時に留去させて除去することが好ましい。留出したオキシム化溶媒は回収されて、オキシム化工程にリサイクルされ、オキシム化反応に供給するシクロドデカノン溶液の溶媒として使用される。また、転位工程に送るシクロドデカノンオキシム溶液の含有水分濃度が、1000ppm以下、好ましくは100ppm以下となるように水分を除去する。
オキシム化溶媒と転位溶媒が異なる場合、転位溶媒は、オキシム化溶媒を除去した後(例えば、上記のように蒸留により)または除去する前のどちらに添加してもよい。転位溶媒を、オキシム化溶媒を除去する前に添加する場合、転位溶媒はオキシム化溶媒より高沸点が好ましく、さらに疎水性、好ましくは非極性溶媒であれば、油/水分離の前にオキシム化反応液に添加することができる。油/水分離後、蒸留により低沸点のオキシム化溶媒を蒸留して除去し、同時に溶解水分も蒸留により除去する。このとき、転位溶媒の一部も留出させることもできる。この残渣としてのシクロドデカノンオキシム溶液中の溶媒は実質的に転位溶媒となっており、前述のとおりその溶液中の水分濃度は、1000ppm以下、好ましくは100ppm以下に調整される。そして、そのまま転位工程に送られる。
このように、転位溶媒を油/水分離の前に添加する場合、油/水分離工程と脱水・溶媒調製工程は、オーバーラップしている。
また、オキシム化溶媒と転位溶媒が同一である場合、オキシム化溶媒(=転位溶媒)の一部を蒸留により除去しながら、溶解水分を同時に留去させて除去することが好ましい。これにより、溶液の水分濃度を、1000ppm以下、好ましくは100ppm以下とする。留去された含水溶媒はオキシム化工程にリサイクルされる。この場合、溶媒自体を交換しているわけではないが、溶解水を除去し含水溶媒から、転位反応に適した実質的な無水溶媒(含有水分濃度は好ましくは100ppm以下)を調製している。
オキシム化溶媒と転位溶媒が同一である場合、その溶媒は、芳香族炭化水素、縮合芳香環水添物、側鎖を有する脂環式炭化水素が好ましい。
以上のように、蒸留により溶解水を除去する場合、蒸留塔を必要により2塔以上使用することも好ましい。特に、オキシム化溶媒と転位溶媒が異なる場合には、第1の蒸留塔でオキシム化溶媒と水の大部分を留去させた後、残液部を第2の蒸留塔に送り、転位溶媒の一部も留去させながら、オキシム化溶媒と水を、特に水を充分に除くことができる。
脱水したシクロドデカノンオキシム溶液は、転位工程に送られる。転位工程では、芳香環含有化合物を転位触媒として用いて、転位反応により、シクロドデカノンオキシムからラウロラクタムを生成させる。
転位触媒として使用される芳香環含有化合物は、(1)芳香環を構成する原子として脱離基を有する炭素原子を少なくとも1つ含み、(2)芳香環を構成する原子として、電子吸引基を有する炭素原子を少なくとも2つ含み、(3)芳香環を構成する窒素原子または電子吸引基を有する炭素原子のうち3つが(1)記載の脱離基を有する炭素原子のオルトあるいはパラ位に位置する有機化合物が好ましい。
芳香環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、テルフェニル環、トリフェニル環等の単環または多環式芳香環ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環、アズレン環、ピレン環等の縮合多環式芳香環や。ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、フラザンピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環等芳香族複素環が好ましく特にベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環が好ましい。
脱離基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、スルホニルオキシ基(ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基(トシル基)OTs等のアリールスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基OMs、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基(トリフラート基)OTf、トリクロロメタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基等のアルカンスルホニルオキシ基など)、スルホニルハライド基(スルホニルクロリド、スルホニルブロミド基等)、ジアゾニウム基、カルボニルハライド基(カルボニルクロリド基など)などを例示することができる。特に、ハロゲン原子が好ましく、中でも塩素原子が好ましい。
電子吸引基としては、公知の電子吸引基であれば特に制限されないが、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ニトロ基、ハライド基、カルボニル基、スルホニル基等などを例示することができ、中でもシアノ基、ニトロ基が好ましい。
転位触媒として具体的には、4−クロロ−3,5−ジニトロベンゾニトリル、4−フルオロ−3,5−ジニトロベンゾニトリル、4−ブロモ−3,5−ジニトロベンゾニトリル、4−クロロ−1,3,5−トリニトロベンゼン、4−トリフルオロメチル−3,5−ジニトロベンゾニトリル、4−p−トルエンスルホニルオキシ−3,5−ジニトロベンゾニトリル、ピクリルクロリド、ピクリルブロミド、ピクリルフルオリド等のベンゼン環式化合物、および2−クロロ−3,5−ジニトロピリジン、2−ブロモ−3,5−ジニトロピリジン、2−フルオロ−3,5−ジニトロピリジン、トリクロロトリアジン、トリブロモトリアジン、トリフルオロトリアジン等の複素環式化合物を挙げることができる。
特に好ましくは、4−クロロ−3,5−ジニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、2−クロロ−3,5―ジニトロピリジン、トリクロロトリアジン等が挙げられるが、トリクロロトリアジンは高活性で安価であり、特に好適である。
なお、塩化水素等の酸類を助触媒として添加することによって、転位反応速度を向上させることができる。特にルイス酸はシクロドデカノンオキシムの加水分解を加速することなく、転位反応速度を向上させることができるので好ましい。ルイス酸としては、特に制約はなく塩化亜鉛、塩化アルミニウム、五塩化アンチモン、四塩化スズ等が一般的であるが、塩化亜鉛、四塩化スズが好適であり、塩化亜鉛は反応速度向上効果が顕著であり、特に好ましい。
転位反応は、溶媒の存在下で行われる。上記および下記において、転位反応に使用される溶媒を転位溶媒という。より詳細には、シクロドデカノンオキシム溶液が転位工程に送られるときにシクロドデカノンオキシムを溶解している溶媒である。転位溶媒に必要な要件は(1)シクロドデカノンオキシム及びラウロラクタムの溶解性に優れていること、(2)前記転位触媒を溶解し、転位触媒と反応しないこと、(3)回収、リサイクルが容易で熱的、化学的安定性が高いことである。
シクロドデカノンオキシムの溶解度の面から上記溶解度パラメーターを指標にすると7.5から13.0、特に8.0から12.5の溶媒が用いられるが、脱離基と反応する物質は除外される。例えば、脱離基がハロゲン原子の場合、水、アルコール類、アミン類、メルカプタン類、アミド類等は使用できない。
上記除外溶媒以外であれば、転位反応には支障がない。一般的には転位触媒または転位触媒と助触媒を溶解し、溶解後の酸性度を上げ転位反応速度を向上させるため、極性溶媒が用いられる。例えば、前述の「特許文献11」ではニトリル類が溶媒として用いられている。しかし、ニトリル類は後述する触媒除去の際に加水分解され、対応するアミドが生成するため好ましくない。
極性溶媒は同炭素数の非極性溶媒に比べ、沸点が高く反応性も高いため、触媒の除去、溶媒の回収の際に反応し、回収率が低下すると共にラウロラクタムの品質も低下させる場合があり好ましくない。
従って、転位溶媒は、非極性溶媒が好ましい。非極性溶媒は触媒の分離・除去が容易でラウロラクタムの品質へ悪影響を及ぼさない。また、蒸留回収が容易で回収ロスが小さく好適である。非極性溶媒のなかでも、芳香族炭化水素、縮合芳香環水添物および脂環式炭化水素(特に、側鎖を有する脂環式炭化水素)が好ましい。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼンが好ましく、特に、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが好ましい。縮合芳香環水添物としては、テトラリン、デカリン、ジヒドロナフタレンが好ましく、特に、テトラリンおよびデカリンが好ましい。また、側鎖を有する脂環式炭化水素としては、イソプロピルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンが好ましく、特に、イソプロピルシクロヘキサンが好ましい。
転位触媒の添加量はシクロドデカノンオキシム中の水分量の影響によって異なるが、シクロドデカノンオキシムに対し、0.01モル%から20モル%、好ましくは0.1モル%から5モル%である。触媒の添加量が過少である場合には、転位速度が遅く、シクロドデカノンオキシムが残存する場合があり好ましくない。一方、触媒の添加量が過多の場合には、触媒コストが上がり、触媒の後処理またはリサイクルのためのコストが増大し好ましくない。助触媒の添加量は触媒に対し0.1倍モル量から10倍モル量、好ましくは0.5倍モル量から5倍モル量である。助触媒添加量が過少な場合、転位速度向上効果が乏しく、一方、必要以上に添加してもさらに転位速度が向上することはない。
転位工程の反応温度は50℃から160℃、好ましくは80から110℃である。反応温度が低すぎる場合、反応速度が遅く、反応時間が長くなるため好ましくない。また、低温ではシクロドデカノンオキシムの転位溶媒への溶解度が低くなり、溶媒の回収・リサイクル量が増大し好ましくない。一方、反応温度が高すぎる場合、転位発熱によって温度が急上昇し、反応が制御できなくなるため好ましくない。更に、反応温度が高すぎる場合、縮合反応等のため転位収率が低下すると共に、着色等製品品質が低下するため好ましくない。
転位工程の反応時間は5分から10時間、好ましくは20分から4時間である。反応時間は触媒の種類、触媒濃度、反応温度によって異なるが、反応の制御が容易で、反応器容積が過大にならないように前記反応条件を調整する。
反応は減圧、常圧、加圧のいずれで行っても差し支えない。積極的に加圧下で反応を行う必要はないが、密閉して反応を行うことによって、触媒から一旦脱離した成分(例えば脱離基がハロゲン原子である場合、ハロゲン化水素)の反応系外への飛散を防ぐことができる。クローズドプロセスの採用は脱離基の吸着・除害設備を軽減すると共に脱離基自身が酸であり、助触媒として転位反応を促進するため、好ましいプロセスである。
転位反応装置は回分式反応装置、管型連続反応装置、攪拌槽型連続反応装置等の一般に用いられる反応装置を使用することができるが、反応温度の制御が容易で運転操作も簡単である槽型連続多段反応装置が適している。
次の分離・精製工程では、転位工程後の反応液から、転位溶媒および転位触媒を分離除去し、精製されたラウロラクタムを得る工程である。
まず、反応液からの触媒や助触媒の分離・除去方法は、蒸留法と水やアルカリを添加しクエンチする方法がある。遊離した触媒や助触媒がラウロラクタムより低沸点の場合、減圧蒸留で回収し、転位工程にリサイクルすることができるが、触媒がラウロラクタムに微量でも混入すると品質を悪化させるため、転位終了後クエンチ除去することが好ましい。水を添加しクエンチした場合、触媒の脱離基はヒドロキシル基に変換され、水相側に移行する。例えば、トリクロロトリアジンはシアヌル酸となって水相に溶解する。助触媒に用いる酸類も水溶性であるため、水洗により除去することができる。触媒の除去を容易にするため、アンモニア水や水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を用いても差し支えない。
ラウロラクタムをさらに精製するには、典型的には、蒸留操作(留出液として抜き出すこと、缶出液として抜き出すこと、および精留等を含む)を、好ましくは多段で組み合わせて行う。一般的に転位溶媒はラウロラクタムより低沸点であるため、蒸留によって転位溶媒を回収した釜残(缶出液)を抜き出し、蒸留操作を一回以上行うことで精製することができる。
分離・精製工程における蒸留条件および蒸留装置は特に制約を受けないが、ラウロラクタムの開環および重合を防止するため、ボトム温度が250℃以下、好ましくは220℃以下となるよう10torr以下の真空度で減圧蒸留することが望ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明の製造方法の各工程は、2つ以上のサブ工程の組み合わせであってもよく、また可能であるならば、2つ以上の工程を同一の装置で行ったり、同時に進行させてもよい。また、本発明は、例えば工業的に利用されるような連続した製造プロセスの中で利用されることが好ましいが、一部またはすべての工程を独立して実施することも可能である。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本実施例は本発明の実施態様の一例を示すものであり、本発明は本実施例に限定されるものではない。また、実施例1〜4、即ち、オキシム化溶媒と転位溶媒が異なる場合のプロセスフローを図1に示し、実施例5、即ち、オキシム化溶媒と転位溶媒が同一の場合のプロセスフローを図2に示す。
[実施例1]
(オキシム化・油/水分離工程)
内部が4室に分割され、各室毎に攪拌翼が設けられた液相部容積30Lの枕型オキシム化第1反応器に、ヒドロキシルアミン硫酸塩(和光純薬工業社製)の15重量%水溶液を3kg/h及びオキシム化第2反応器から送液される油相をフィードした。反応温度を80℃に設定し、各室に25重量%アンモニア水を63g/hでフィードしオキシム化反応を行った。反応液には1kg/hでトルエンを加えた後分液し、シクロドデカノン、2−プロパノール、トルエンからなる油相は脱水・溶媒調製工程へ送り、水相はオキシム化第2反応器へフィードした。オキシム化第2反応器は15Lで内部が4室に分割された枕型反応器で、前記オキシム化反応液水相と25重量%のシクロドデカノンの2−プロパノール溶液4kg/h(第1反応器へのヒドロキシルアミン硫酸塩と等モル量)を同反応器にフィードし、反応温度を80℃に設定し、各室に25重量%アンモニア水を31g/hでフィードしオキシム化反応を行った。得られた反応液は分液し、油相はオキシム化第1反応器にフィードした。水相には650g/hでトルエンを加え、向流抽出で水中に溶解している2−プロパノール、シクロドデカノンオキシムを回収し、脱水・溶媒調製工程へ送った。
2−プロパノール、シクロドデカノンオキシムを回収した水相は濃縮し、析出する硫酸アンモニウムを取得後、廃水として処理した。
(脱水・溶媒調製工程)
本工程は2つの蒸留装置から構成される。前記油/水分離工程で得られたシクロドデカノンオキシムを第1蒸留装置に送り、2−プロパノール及び溶解している水を留去した。留出液はシクロドデカノンの溶媒としてオキシム化工程にリサイクルした。第1蒸留装置残液は第2蒸留装置に送り、塔頂より微量の水及び2−プロパノールを含むトルエンを留出させ、第1蒸留装置にリサイクルした。残液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、2−プロパノールは検出されなかった。また、カールフィシャー法で水分濃度測定した結果50ppmであった。残液は転位工程にフィードした。
(転位工程)
内部が3室に分割され、各室毎に攪拌翼が設けられた液相部容積10Lの枕型反応容器に、前工程で取得したシクロドデカノンオキシムのトルエン溶液および3重量%のトリクロロトリアジンのトルエン溶液をそれぞれ2700g/h、1000g/hでフィードし、90℃で転位反応を行った(平均滞留時間1.9時間)。流出液の一部を採取しガスクロマトグラフィーで分析した結果、ラウロラクタムの生成量は1039g/hであり、シクロドデカノンを基準にしたラウロラクタムの収率は96.2%であった。
(触媒除去工程)
転位工程で得られた反応液を攪拌槽型洗浄槽に導き、転位液の0.2倍量(重量比)の水を加え水洗、分液後、さらに10重量%の水酸化ナトリウム水溶液を0.5倍量(重量比)加えて洗浄し、油/水分離を行った。
(シクロドデカノン回収・ラウロラクタム精製工程)
分離された油相を連続式減圧蒸留装置に導き、まず水、軽質副生物および溶媒のトルエンを除去した。釜残は第2の蒸留装置に導き、ラウロラクタムを留出させた。釜残は第3蒸留装置に導き、ラウロラクタムからなる留出は第2の蒸留装置にリサイクルし、釜残は一部を切捨て、大部分は触媒除去工程にリサイクルした。8時間の連続運転を行い、純度99.5%のラウロラクタムを取得した。消費したシクロドデカノンに対する収率は94.5モル%であった。
[実施例2]
転位工程における3重量%トリクロロトリアジンのトルエン溶液フィード量を330g/hに変え、新たに10重量%塩化亜鉛のトルエン、ラウロラクタム溶液(トルエンとラウロラクタムの比率は1/1(重量/重量))を75g/hフィードした以外は実施例1と同様に反応を行った。転位工程までのラウロラクタム収率は97.5%、蒸留後のラウロラクタム収率は96.0%、純度は99.98%であった。
[実施例3]
オキシム化工程のシクロドデカノン/(2-プロパノール,トルエン)溶液、ヒドロキシルアミン水溶液及びアンモニア水のフィード量を2倍にし、反応温度を95℃とした以外は実施例1と同様にオキシム化反応を行った後、脱水、溶媒交換を行った。溶媒交換後の残液中には未反応シクロドデカノンは検出されなかったが、90ppmppmの水分と50ppmの2-プロパノールが検出された。
溶媒交換工程で得られたシクロドデカノンオキシム溶液とトリクロルトリアジン溶液、塩化亜鉛溶液のフィード量を2倍にし、反応温度を100℃とした以外は実施例2と同様に反応を行った。実施例2の2倍量の水及び水酸化ナトリム水溶液を用いて洗浄後、蒸留精製を行った。転位工程までのラウロラクタム収率は97.0%、蒸留後のラウロラクタム収率は95.8%、純度は99.85%であった。
[実施例4]
実施例2のトルエンをイソプロピルシクロヘキサンに替え、2−プロパノールを2−メチル2−プロパノールに替えた以外は実施例2と同様に反応を行った。溶媒交換後の残液中には未反応シクロドデカノンは検出されなかったが、90ppmの水分と40ppmの2-メチル2−プロパノールが検出された。転位反応後のラウロラクタム収率は96.5%、蒸留後のラウロラクタム収率は95.0%、純度は99.8%であった。
[実施例5]
オキシム化溶媒としてアルコールを用いず、トルエンを溶媒としてオキシム化を行った。シクロドデカノンのトルエン溶液、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液及びアンモニア水のフィード量は全て実施例2の1/2とし、反応温度を95℃とした。反応終了後約650g/hの留出速度でトルエンを抜き出すことで溶液中の溶解水分を除いた。脱水後の水分濃度は50ppmであり、シクロドデカノンの残存率は1.0モル%だった。転位反応槽へのシクロドデカノンオキシム溶液、トリクロルトリアジン溶液及び塩化亜鉛溶液のフィード量を全て実施例2の1/2とし、転位反応を行い、水洗、水酸化ナトリム水溶液洗浄を行った。転位反応後のラウロラクタム収率は95.1%、蒸留後のラウロラクタム収率は94.0%、純度は99.3%であった。
[比較例1]
転位溶媒をベンゾニトリルに変えた以外は実施例1と同様に反応を行った。運転時間が経過すると共に、オキシム化工程へのリサイクル液中に含まれるベンゾニトリルがヒドロキシルアミンと反応して生成するベンズアミドキシムが検出され、それに伴いオキシム化反応に使われるヒドロキシルアミンが不足するため、シクロドデカノンが増加した。転位工程までのラウロラクタム収率は当初96.0%だったが、8時間運転を行った結果、収率は82%に低下した。また、水酸化ナトリウム処理の際ベンゾニトリルが加水分解し、ベンズアミド等が生成し、蒸留取得したラウロラクタムの純度も85%であった。
[比較例2]
転位溶媒及びトリクロルトリアジン、塩化亜鉛の溶解溶媒を1−メチル−2−ピロリドンとした以外は実施例2と同様に反応を行った。転位反応液を採取し、ガスクロマトグラフィー分析を行った結果、ラウロラクタムの収率は27.2%で、シクロドデカノンオキシムが70%残存していた。シクロドデカノンオキシム溶液及びトリクロルトリアジン、塩化亜鉛溶液のフィード速度を1/2に下げ、滞留時間を2倍に延ばしたが、シクロドデカノンオキシムの転化率は向上しなかった。
[比較例3]
脱水・溶媒調製工程の蒸留塔を1塔にした以外は実施例1と同様に反応を行った。転位工程に送られるシクロドデカノン溶液中に1500ppmの水が存在し、転位工程でシクロドデカノンオキシムの加水分解がおき、シクロドデカノンが生成した。転位工程までの収率はラウロラクタム90%、シクロドデカノン6%であった。
工業的に有利で簡便なラウロラクタムのプロセスが提供される。

Claims (10)

  1. (a)シクロドデカノンと水溶液中のヒドロキシルアミンとを、有機溶媒(以下、オキシム化溶媒という)の存在下で反応させ、シクロドデカノンオキシムを生成する工程(以下、オキシム化工程という)と、
    (b)前記オキシム化工程後の反応液を油相と水相に分離し、シクロドデカノンオキシムの溶液を油相として取得する工程(以下、油/水分離工程という)と、
    (c)前記油/水分離工程により油相として取得した前記シクロドデカノンオキシムの溶液からオキシム化溶媒の一部又は全部と、溶解水分を除去し、下記転位反応に用いる溶媒(以下、転位溶媒という)と前記シクロドデカノンオキシムを含有する溶液を調製する工程(以下、脱水・溶媒調製工程という)と、
    (d)芳香環含有化合物を転位触媒として用いて、転位反応により、シクロドデカノンオキシムからラウロラクタムを生成する工程(以下、転位工程という)と、
    (e)前記転位工程後の反応液から、転位溶媒および転位触媒を分離除去し、ラウロラクタムを精製する工程(以下、分離・精製工程という)と
    を有することを特徴とするラウロラクタムの製造方法。
  2. 転位触媒として用いられる有機化合物が、芳香環含有化合物であって該芳香環が(1)芳香環を構成する原子として脱離基を有する炭素原子を少なくとも1つ含み、(2)芳香環を構成する原子として、電子吸引基を有する炭素原子を少なくとも2つ含み、(3)芳香環を構成する窒素原子または電子吸引基を有する炭素原子のうち3つが(1)記載の脱離基を有する炭素原子のオルトあるいはパラ位に位置する構造を有することを特徴とする請求項1記載のラウロラクタムの製造方法。
  3. 芳香環がベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環であって、脱離基としてハロゲン原子を含むことを特徴とする請求項2記載のラウロタクタムの製造方法。
  4. 転位触媒として用いられる有機化合物が、4−クロロ−3,5−ジニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、2−クロロ−3,5―ジニトロピリジンおよびトリクロロトリアジンからなる群より選ばれることを特徴とする請求項2記載のラウロラウタムの製造方法。
  5. 脱水・溶媒調製工程において、前記転位工程に送るシクロドデカノンオキシム溶液中に残存する水分量を、1000ppm以下まで低減することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラウロラクタムの製造方法。
  6. 脱水・溶媒調製工程において、前記転位工程に送るシクロドデカノンオキシム溶液中に残存する水分量を、100ppm以下まで低減することを特徴とする請求項5に記載のラウロラクタムの製造方法。
  7. 前記転位溶媒が非極性溶媒であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のラウロラクタムの製造方法。
  8. 前記転位溶媒が、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素および縮合芳香環水添物からなる群より選ばれる1種類以上の溶媒であることを特徴とする請求項7に記載のラウロラクタムの製造方法。
  9. 前記油/水分離工程の前に、前記転位溶媒を添加し、前記脱水・溶媒調製工程において、前記オキシム化溶媒を蒸留により除去することを特徴とする請求項7または8に記載のラウロラクタムの製造方法。
  10. 前記オキシム化溶媒と前記転位溶媒が同一の有機溶媒であり、前記脱水・溶媒調製工程において、その一部を蒸留により除去することを特徴とする請求項7または8に記載のラウロラクタムの製造方法。
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