JP2001302603A - アミド化合物の製造方法 - Google Patents

アミド化合物の製造方法

Info

Publication number
JP2001302603A
JP2001302603A JP2000121618A JP2000121618A JP2001302603A JP 2001302603 A JP2001302603 A JP 2001302603A JP 2000121618 A JP2000121618 A JP 2000121618A JP 2000121618 A JP2000121618 A JP 2000121618A JP 2001302603 A JP2001302603 A JP 2001302603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
amide compound
oxime
reaction
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000121618A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Kawaragi
裕二 河原木
Toru Setoyama
亨 瀬戸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2000121618A priority Critical patent/JP2001302603A/ja
Publication of JP2001302603A publication Critical patent/JP2001302603A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高価な含フッ素強酸化合物を使用することな
く、液相中、温和な反応条件下でオキシム化合物をベッ
クマン転位せしめ、高効率でアミド化合物を製造する方
法を提供する。 【解決手段】オキシム化合物を液相中でベックマン転位
反応を行うことによりアミド化合物を製造する方法にお
いて、(1)五酸化リンまたは縮合リン酸化合物、
(2)N,N-二置換アミド化合物、および(3)非含
フッ素スルホン酸無水物またはスルホカルボン酸無水物
の存在下で反応を行うことを特徴とするアミド化合物の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアミド化合物の製造
方法に関する。詳しくは、液相中で触媒の存在下にオキ
シム化合物のベックマン転位反応を行うことによりアミ
ド化合物を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、工業的に行われているアミド
化合物の製造方法としては、オキシム化合物をベックマ
ン転位反応させてアミド化合物に変換させる方法が知ら
れており、例えば、ε−カプロラクタムはシクロヘキサ
ノンオキシムのベックマン転位反応により製造されてい
る。かかるベックマン転位反応は、現在、工業的には濃
硫酸または発煙硫酸のような強酸を触媒として用いた液
相反応が採用されている。しかしながら、この公知の方
法では、生成したラクタム化合物の分離のために、通
常、硫酸をアンモニアで中和する必要があり、前記ラク
タム化合物の約2倍量の硫酸アンモニウム(硫安)が副
生すること、および大量の強酸を用いるために反応装置
の腐食などの問題があり、必ずしも経済的な方法とは言
えず、効率的な転位反応用触媒の開発が期待されてい
る。
【0003】そこで、硫酸触媒を使用しない液相でのベ
ックマン転位反応に関し、種々の検討が行なわれてき
た。例えば、均一触媒を用いた液相でのシクロヘキサノ
ンオキシムのベックマン転位反応では、N,N−ジメチ
ルホルムアミドとクロルスルホン酸の反応で得られるイ
オン対(ビスマイヤー錯体)を触媒とする方法(M.
A.Kira and Y.M.Shaker,Egy
pt.J.Chem.,16,551(1973))、
エポキシ化合物と強酸(三フッ化ホウ素・エーテラート
等)から生成するアルキル化剤とN,N-ジアルキルホ
ルムアミドから成る触媒を用いる方法(Y.Izum
i,Chemistry Letters,pp.21
71(1990))、シクロヘキサノンオキシムをヘプ
タン溶媒中でリン酸或いは縮合性リン酸系化合物を用い
て転位させる方法(特開昭62−149665号公
報)、五酸化リンおよび含フッ素強酸あるいはその誘導
体とN,N-ジアルキルホルムアミド等の化合物から成
る触媒を用いる方法(特開平5−105654号公報、
Y.Izumi,Journal of Molecul
ar Catalysis A:Cemical 149
(1999)pp.25-32)等が提案されている。
【0004】しかしながら、これらの触媒系を使用して
シクロヘキサノンオキシムを液相でベックマン転位反応
させε−カプロラクタムを製造する方法は、工業的な製
造方法としては必ずしも満足し得るものではない。具体
的には、上述したビスマイヤー錯体を触媒とするシクロ
ヘキサノンオキシムのベックマン転位反応では、生成ラ
クタムと触媒が1:1の錯体を形成するため、原料オキ
シムと等モルの触媒を必要とするために経済的な工業製
造法とは云えない。また、エポキシ化合物と強酸から生
成するアルキル化剤とN,N-ジアルキルホルムアミド
から成る触媒を用いる方法は、従来の硫酸を触媒とする
当量反応とは異なり、反応が触媒的に進行する新しい転
位方法を開示しているが、アルキル化剤を生成するため
にジメチル硫酸やエピクロルヒドリン等の毒性化合物を
用いる場合があることから、操作性の観点で工業的には
必ずしも満足し得る方法ではない。更に、特開昭62−
149665号公報で開示されているリン酸等を触媒と
する方法では、原料オキシム1モルに対して約2倍モル
もの大量のリン酸触媒を用いる必要があるために、反応
後のアンモニアによる触媒中和工程に多大な負荷がかか
るために経済的な工業製造法とは云えない。
【0005】上記した特開平5−105654号公報お
よびJournal of Molecular Cat
alysis A:Cemical 149(199
9)pp.25-32で開示されている方法では、五酸
化リン、N,N-ジアルキルホルムアミド等の化合物お
よび含フッ素強酸あるいはその誘導体から成る触媒を用
いるが、この触媒系は高い触媒活性を示すものの、触媒
構成成分として使用する含フッ素強酸化合物は高価であ
るため、その再使用技術の確立が必須で、それなくして
は経済的な工業製造法とは云えない。しかも、この方法
では触媒活性を増大させるためには、高価なフッ素系の
強酸化合物でないと活性が増大しないと認識されている
のである。このように、従来、提案されている触媒系は
触媒効率、取り扱い性、さらには経済性の面から工業的
実施のためには必ずしも満足し得るものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点のない、液相中で触媒の存在下にオキシム化合物のベ
ックマン転位反応を行うにあたり、温和な反応条件下に
含フッ素強酸あるいはその誘導体を使用せず、しかも少
量の触媒量で触媒的にオキシム化合物を転位せしめて高
効率にアミド化合物を製造する方法を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはオキシム化
合物をアミド化合物へベックマン転位するための触媒に
ついて鋭意検討した結果、非含フッ素酸類を使用した新
規な触媒系を用いて転位反応を行うことにより、高効率
でアミド化合物が得られることを見出し本発明に到達し
た。即ち、本発明の要旨は、オキシム化合物を液相中で
ベックマン転位反応を行うことによりアミド化合物を製
造する方法において、(1)五酸化リンまたは縮合リン
酸化合物、(2)N,N-二置換アミド化合物、および
(3)非含フッ素スルホン酸無水物またはスルホカルボ
ン酸無水物の存在下で反応を行うことを特徴とするアミ
ド化合物の製造方法に存する。
【0008】本発明の好適な態様としては、上記アミド
化合物の製造方法において、N,N-二置換アミド化合
物がN,N-ジメチルホルムアミドであること、非含フ
ッ素スルホン酸無水物がp-トルエンスルホン酸無水物
であること、スルホカルボン酸無水物が2-スルホ安息
香酸無水物であること、及びオキシム化合物がシクロヘ
キサノンオキシムであり、アミド化合物がε-カプロラ
クタムであることを挙げることが出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。本発明のベックマン転位反応で使用される原料の
オキシム化合物は何ら制限されることなく公知のオキシ
ム化合物が適用される。オキシム化合物として具体的に
は、シクロヘキサノンオキシム、シクロペンタノンオキ
シム、シクロドデカノンオキシム、アセトンオキシム、
2−ブタノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベン
ゾフェノンオキシム、4′−ヒドロキシアセトフェノン
オキシム等が挙げられる。なかでもシクロヘキサノンオ
キシム、シクロペンタノンオキシム、シクロドデカノン
オキシム等の環状オキシム化合物が好ましく適用され
る。
【0010】本発明で用いられる転位反応触媒は、
(1)五酸化リンまたは縮合リン酸化合物、(2)N,
N-二置換アミド化合物、および(3)非含フッ素スル
ホン酸無水物またはスルホカルボン酸無水物を構成成分
として含有する。本触媒系において、上記構成成分
(1)として用いられる五酸化リンまたは縮合リン酸化
合物は、そのどちらを用いても高い触媒活性を与える。
本発明触媒で使用する縮合リン酸化合物とは、オルトリ
ン酸の脱水縮合によって生じる直鎖状高分子リン酸で、
一般式Hn+2PnO3n+1(n=2〜15)で表される。2
個以上のPO4四面体が頂点の酸素原子を共有して、直
鎖状に連なった構造を有しており、n=2(ピロリン
酸)、n=3(トリリン酸)、n=4(テトラリン酸)
等が知られている。代表的な縮合リン酸化合物の構造を
以下に示す。
【0011】
【化1】
【0012】これら縮合リン酸化合物は、一般的には正
リン酸(O=P(OH)3)を300℃以上の高温度で長
時間加熱脱水する方法や、五酸化リンと正リン酸の任意
量を混合加熱して製造する方法等により容易に得ること
ができ、この場合、上記したような種々の直鎖状縮合リ
ン酸化合物の混合物として得られるのが一般的である。
本発明で使用される縮合リン酸化合物は上記した種々の
直鎖状縮合リン酸化合物の単品またはそれらの混合物い
ずれでも用いることができ、その組成は特に制限される
ものではないが、製造面の観点から混合物のほうが好ま
しく用いられる。 また、本発明で使用される縮合リン
酸化合物としては、通常、縮合リン酸化合物の縮合度が
高いほうが高い活性を得る上で好ましいが、一方、縮合
度が高すぎると粘性が増大してプロセス上での取り扱い
が困難になる場合があるので、適度な縮合度を有する縮
合リン酸化合物を用いることが好ましい。
【0013】具体的には、上記した一般式Hn+2PnO3n
+1(n=2〜15)で表される縮合リン酸化合物でnが
2〜15、好ましくは2〜10、更に好ましくは2から
4、特には3又は4の縮合リン酸化合物またはこれらの
混合物が用いられる。また、縮合反応物中にはオルトリ
ン酸等が混入していてもよい。これら縮合リン酸化合物
の組成は例えば、anion-exchange chr
omatography法やmolybdenum-b
lue colorimetry法(Ohashi,Bu
ll.Chem.Soc.Japan,30.864
(1957))を用いて容易に測定することができる。
【0014】本発明の縮合リン酸化合物の縮合度(n)
は、縮合リン酸化合物が一単品である場合には、縮合リ
ン酸(Hn+2PnO3n+1)とP25の間に以下の関係式が成
立し、その式より算出される。 nP25+(n+2)H2O → Hn+2n3n+1
【数1】{n×(141.94)/[n×(141.94)+(n+2)×(1
8)]}×100=P25(wt%) [P25 MW=141.94 H2O MW=18 ] 例えば、P25含量が82.55wt%であるポリリン酸の場
合、上記式よりn=3(縮合度)と算出される。又、縮
合リン酸化合物が混合物である場合には、その混合物中
のP25含量から、上記式により(但し,一単品と仮定
する)平均縮合度として求める。例えば、P25含量が
83.9wt%であるポリリン酸混合物の場合、上記式よりn
=4(平均縮合度)と算出される。
【0015】本発明触媒の構成成分(1)として用いら
れるこれらリン化合物の使用量(P 25換算)は、特に
制限されるものではないが、一般には、原料オキシム化
合物に対して約0.05〜20モル%、好ましくは0.
1〜10モル%、更に好ましくは0.5〜5モル%の範
囲で用いられる。この範囲を超えて少な過ぎると十分な
触媒活性が得られず、他方、過多にすぎると転位反応後
の触媒処理に要するアルカリが多くなりいずれも好まし
くない。
【0016】本発明触媒の構成成分(2)として使用す
るN,N-二置換アミド化合物としては、通常、炭素数
1〜18、好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくは炭
素数1〜4の同一または異なるアルキル置換基を窒素原
子上に有するカルボン酸アミド、特に、ホルムアミドで
ある。窒素原子上の置換基としては、アルキル基、アル
コキシ基、アリール基等が挙げられ、中でもアルキル基
が好ましく、窒素原子を含む環状構造を有しないアミド
化合物が好ましい。具体的な化合物としては、N,N-
ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミ
ド、N,N-ジ-i-プロピルホルムアミド、N,N-ジブ
チルホルムアミド、N,N-ジペンチルホルムアミド、
N,N-ジオクチルホルムアミド、N-メチル,N-ステ
アリルホルムアミド等を挙げることができ、中でも2つ
のアルキル基が同一のものが好ましく、特にN,N-ジ
メチルホルムアミドが好ましい。
【0017】上記したN,N-二置換アミド化合物の使
用量は特に制限されず、原料オキシム化合物の使用量範
囲ならびに上記リン化合物の使用量範囲によっても異な
り画一的に規定さるものではないが、通常、オキシム化
合物に対して1重量倍から1000重量倍、好ましくは
10重量倍から100重量倍の量を用いることが出来
る。本発明で使用するN,N-二置換アミド化合物は、
触媒の構成成分であると同時に溶媒としての作用をも奏
するので、転位反応を円滑に進行させるために適当な溶
媒を使用する場合には該溶媒と混合して使用する事が出
来る。溶媒は、N,N-二置換アミド化合物に対し、4
0容量倍まで混合することができ、好ましくは20容量
倍まで、更に好ましくは10容量倍迄混合することがで
きる。本発明の転位反応に使用することが出来る溶媒と
しては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オ
クタン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素化合物、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロロベ
ンゼン、メトキシベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、
アセトニトリル、プロパンニトリル、カプロニトリル、
アジポニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニ
トリル化合物、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、
マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル等のエステル化合
物等を挙げることが出来、これらは単独でも混合しても
使用することが出来る。
【0018】本発明触媒系では、第3成分として(3)
非含フッ素スルホン酸無水物またはスルホカルボン酸無
水物を用いる。該酸無水物化合物としては特に限定され
るものではなく、置換基を有していても良い炭素数2〜
8の脂肪族又は炭素数6〜20の芳香族の非含フッ素ス
ルホン酸無水物またはスルホカルボン酸無水物を使用す
ることでる。これらの中でも芳香族の非含フッ素スルホ
ン酸無水物またはスルホカルボン酸無水物を用いるのが
好ましい(ここで、置換基とは炭素数1〜8のアルキル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシ
ル基、Cl、Br等のハロゲン原子を表す)。
【0019】芳香族の非含フッ素スルホン酸無水物また
はスルホカルボン酸無水物の中でもフェニル型スルホン
酸無水物またはスルホカルボン酸無水物が好ましく、特
にp-トルエンスルホン酸無水物、2-スルホ安息香酸無
水物等が好ましい。本発明触媒における非含フッ素スル
ホン酸無水物またはスルホカルボン酸無水物の使用量
は、特に制限されるものではないが、一般には、使用す
る触媒成分(1)のリン化合物(P25換算)に対する
モル比で約0.1〜20モル比、好ましくは0.2〜1
0モル比、更に好ましくは0.5〜5モル比の範囲で用
いられる。以下に代表的な該酸無水物化合物を示す。
【0020】
【化2】
【0021】本発明方法を実施する条件としては特に規
定されないが、反応温度は通常30℃から200℃、好
ましくは60℃から150℃、更に好ましくは80℃か
ら130℃の範囲で実施される。反応圧力も特に制限さ
れるものでなく、常圧〜加圧条件下で実施される。本発
明では(1)五酸化リンまたは縮合リン酸化合物、
(2)N,N-二置換アミド化合物、および(3)非含
フッ素スルホン酸無水物またはスルホカルボン酸無水物
の触媒成分と原料オキシム化合物を如何なる順序で混合
しても転位反応は進行するが、上記触媒成分(1)とオ
キシム化合物、あるいはを上記触媒成分(3)とオキシ
ム化合物を長時間加熱した後に他の触媒成分を混合して
反応するのは好ましくなく、上記した触媒の3成分を混
合して触媒活性種を生成させた後に、原料オキシム化合
物を供給して反応を開始することが好ましい。その場
合、原料オキシム化合物は、N,N-二置換アミド化合
物の一部に溶解して反応に供することが出来る。
【0022】本発明の反応を実施する反応形式は特に規
定されるものではなく、回分反応、連続流通反応のいず
れでも実施することができるが、工業的には連続流通反
応形式を用いるのが好ましい。反応で使用される原料オ
キシム化合物、触媒成分、反応溶媒は予め充分な水分除
去を施した後に反応に供するほうが高い触媒活性ならび
にアミド化合物への高い選択性を得るうえで好ましい。
生成したアミド化合物は反応終了後、少量のアンモニウ
ム水溶液等のアルカリ性化合物により触媒を失活させた
後、抽出操作や蒸留操作等の通常の方法で反応液から分
離、精製取得することができる。
【0023】
【実施例】本発明を実施例を挙げて更に具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例
に限定されるものではない。なお、以下の例においてラ
クタム収率は仕込みオキシム化合物に対するモル%で表
し、TON値(Turn Over Number)は仕込みリン化合物
(P25換算:mol)に対する生成ラクタムのモル数
で表した。又、使用した縮合リン酸化合物(P25含有
率83.9wt%)は、モノリン酸、ピロリン酸、トリリン
酸、テトラリン酸の混合物であり、平均縮合度は約4で
ある。
【0024】[実施例1]100℃の乾燥機で乾燥した
50mlの丸底フラスコをモレキュラシーブ-4Aで処
理した乾燥窒素で置換後、予めモレキュラシーブ-4A
で乾燥処理したN,N-ジメチルホルムアミド10m
l、縮合リン酸化合物43.3mg(P25換算で約
0.26mmol)を添加し110℃で10分間加熱攪
拌した。次いで2-スルホ安息香酸無水物113.0m
g(0.6mmol)を添加し再び110℃で5分間加
熱攪拌した。次にシクロヘキサノンオキシム1.00g
(8.8mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド1
0mlに溶解した液を添加させて、110℃で15分間
反応を実施した。反応終了後、反応液を市販の28%-
NH3水溶液で処理して触媒を失活させた後、その反応
液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、ε
−カプロラクタムの収率は84.4%、TON値は2
8.7であった。
【0025】[比較例1]実施例1において、縮合リン
酸化合物を添加せずに操作したこと以外は同様の方法で
シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応を実施
した。その結果、ε−カプロラクタムの収率は17.3
%であり、2-スルホ安息香酸無水物のみでも転位反応
は進行したものの、2-スルホ安息香酸無水物(mo
l)に対するラクタムの生成モル数(TON値)は2.
5であった。
【0026】[比較例2]実施例1において、N,N-
ジメチルホルムアミドの変わりにクロロベンゼンを用た
こと以外は同様の方法でシクロヘキサノンオキシムのベ
ックマン転位反応を実施した。その結果、ε−カプロラ
クタムの収率は3.7%、TON値は1.3であった。
【0027】[実施例2]実施例1において、前処理
(触媒種の形成)および反応温度を110℃から80℃
に変えて操作した以外は同様の方法でシクロヘキサノン
オキシムのベックマン転位反応を実施した。その結果、
ε−カプロラクタムの収率は82.5%、TON値は2
7.9であった。
【0028】[実施例3]実施例1において、縮合リン
酸化合物の変わりに五酸化リン18.4mg(0.13
mmol)を用いたこと以外は同様の方法でシクロヘキ
サノンオキシムのベックマン転位反応を実施した。その
結果、ε−カプロラクタムの収率は78.1%、TON
値は52.9であった。
【0029】[実施例4]実施例1において、2-スル
ホ安息香酸無水物の変わりにp-トルエンスルホン酸無
水物98.0mg(0.3mmol)を用いたこと以外
は同様の方法でシクロヘキサノンオキシムのベックマン
転位反応を実施した。その結果、ε−カプロラクタムの
収率は74.2%、TON値は25.3であった。
【0030】
【発明の効果】本発明方法によれば、高価な含フッ素強
酸化合物を使用することなくオキシム化合物から温和な
反応条件下、高収率でアミド化合物を製造することが出
来るため、工業的に有利な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4C034 DE03 4H006 AA02 AC53 BA30 BA35 BA51 BA52 BC14 4H039 CA71 CH90 CJ90

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキシム化合物を液相中でベックマン転
    位反応を行うことによりアミド化合物を製造する方法に
    おいて、(1)五酸化リンまたは縮合リン酸化合物、
    (2)N,N-二置換アミド化合物、および(3)非含
    フッ素スルホン酸無水物またはスルホカルボン酸無水物
    の存在下で反応を行うことを特徴とするアミド化合物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 N,N-二置換アミド化合物がN,N-ジ
    メチルホルムアミドであることを特徴とする請求項1記
    載のアミド化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 非含フッソ素スルホン酸無水物がp-ト
    ルエンスルホン酸無水物であることを特徴とする請求項
    1記載のアミド化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 スルホカルボン酸無水物が2-スルホ安
    息香酸無水物であることを特徴とする請求項1記載のア
    ミド化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 オキシム化合物がシクロヘキサノンオキ
    シムであり、アミド化合物がε-カプロラクタムである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のア
    ミド化合物の製造方法。
JP2000121618A 2000-04-21 2000-04-21 アミド化合物の製造方法 Pending JP2001302603A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000121618A JP2001302603A (ja) 2000-04-21 2000-04-21 アミド化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000121618A JP2001302603A (ja) 2000-04-21 2000-04-21 アミド化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001302603A true JP2001302603A (ja) 2001-10-31

Family

ID=18632243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000121618A Pending JP2001302603A (ja) 2000-04-21 2000-04-21 アミド化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001302603A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004011428A1 (ja) * 2002-07-31 2004-02-05 Mitsubishi Chemical Corporation アミド化合物の製造方法
WO2008096873A1 (ja) 2007-02-09 2008-08-14 National University Corporation Nagoya University ラウロラクタムの製造方法
WO2009069522A1 (ja) 2007-11-29 2009-06-04 Ube Industries, Ltd. ラウロラクタムの製造方法
WO2010101229A1 (ja) 2009-03-04 2010-09-10 宇部興産株式会社 アミド化合物の製造方法
WO2011037208A1 (ja) 2009-09-24 2011-03-31 宇部興産株式会社 新規化合物およびそれを用いたアミド化合物の製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004011428A1 (ja) * 2002-07-31 2004-02-05 Mitsubishi Chemical Corporation アミド化合物の製造方法
WO2008096873A1 (ja) 2007-02-09 2008-08-14 National University Corporation Nagoya University ラウロラクタムの製造方法
US8163899B2 (en) 2007-02-09 2012-04-24 National University Corporation Nagoya University Process for producing laurolactam
WO2009069522A1 (ja) 2007-11-29 2009-06-04 Ube Industries, Ltd. ラウロラクタムの製造方法
US8309714B2 (en) 2007-11-29 2012-11-13 Ube Industries, Ltd. Process for producing laurolactam
WO2010101229A1 (ja) 2009-03-04 2010-09-10 宇部興産株式会社 アミド化合物の製造方法
US8530645B2 (en) 2009-03-04 2013-09-10 Ube Industries, Ltd. Method for producing amide compound
WO2011037208A1 (ja) 2009-09-24 2011-03-31 宇部興産株式会社 新規化合物およびそれを用いたアミド化合物の製造方法
US8624021B2 (en) 2009-09-24 2014-01-07 Ube Industries, Ltd. Compound and process for producing amide compound therewith

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yadav et al. Three-component coupling reactions in ionic liquids: a facile synthesis of α-aminonitriles
Liu et al. Novel acidic ionic liquids mediated zinc chloride: Highly effective catalysts for the Beckmann rearrangement
JPWO2009069522A1 (ja) ラウロラクタムの製造方法
EP0080700B2 (en) A process for producing nitrile compounds
Sharghi et al. Titanium oxide (TiO2) catalysed one-Step Beckmann rearrangement of aldehydes and ketones in solvent free conditions
US4338260A (en) Preparation of percarboxylic acids
JP2001302603A (ja) アミド化合物の製造方法
JP2001302602A (ja) アミド化合物の製造方法
JP4013334B2 (ja) エポキシシクロドデカジエンの製造方法
RU2101278C1 (ru) Способ превращения кетоксима или альдоксима в соответствующий амид
US5099078A (en) Process for preparing dinitrotoluene
US6489474B1 (en) Process for producing amide compound
JP4218277B2 (ja) アミド化合物の製造方法
JP4250887B2 (ja) アミド化合物の製造方法
JP2608823B2 (ja) オキシムの接触的液相ベックマン転位によるアミドの製造方法
JP2004059553A (ja) アミド化合物の製造方法
JP3139066B2 (ja) オキシムの液相転位によるアミドの製造方法
US3404148A (en) Preparation of omega-laurinolactam
JPH07165705A (ja) ラクタムの製造方法
JP2640583B2 (ja) オキシムの転位によるアミドの製造方法及びその反応促進剤
RU2157387C2 (ru) Способ получения полимера 1,2-дигидро-2,2,4-триметилхинолина
JP2003128648A (ja) アミド化合物の製造方法
JP2549027B2 (ja) オキシムの接触的液相転位によるアミドの製造方法
JP2002234870A (ja) アミド化合物の製造方法
JPS6249262B2 (ja)