JP2007284415A - アミド又はラクタムの製造法 - Google Patents

アミド又はラクタムの製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】オキシム化合物の転位反応により対応するアミド又はラクタムを製造する方法であって、多量の副生成物を生じることなく、高い収率で簡易にアミド又はラクタムを製造する方法を提供する。
【解決手段】下記式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物及びフッ素系アルコールの存在下、オキシム化合物を転位させ、対応するアミド又はラクタムを生成させるアミド又はラクタムの製造方法。
【0101】
【化1】
Figure 2007284415

(式(1)中Zはハロゲン原子又は−OR基を示し、Rは有機基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬、農薬、染料、ポリアミドなどの原料、溶剤等として有用なラクタム又はアミドの製造法、より詳細には、前記アミド又はラクタムをオキシム化合物の転位反応により製造する方法に関する。
オキシム化合物を原料とし、いわゆるベックマン転位により対応するアミド又はラクタムを製造する技術は、工業的に非常に重要である。従来、このような製造には化学量論以上の発煙硫酸を作用する方法が用いられており、多量に副生する硫酸アンモニウムの処理が問題となっている。
このような問題に鑑み、環境に対する負荷の低いベックマン転位触媒として、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンなどの、脱離基として働くハロ基と複数の電子吸引性基とを持つ芳香族化合物を使用することが提案されている(非特許文献1)。しかし、該技術は、反応を円滑に進行させ、高い収率でアミド又はラクタムを得るために、多量の触媒を添加するか、または塩化亜鉛などの無機塩を助触媒として添加する必要があり、生成物の分離精製が容易ではない。
J. AM. CHEM. SOC. 2005, 127, 11240-11241
本発明の目的は、硫酸アンモニウム等の多量の副生成物を生じさせることなくオキシム化合物の転位反応を進行させ、アミド又はラクタムを簡易かつ高い収率で製造する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、反応終了後は容易に除去が可能である触媒と助触媒を使用して、円滑にオキシム化合物の転位反応を進行させ、精製度の高いアミド又はラクタムを簡易に製造する方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を環の構成要素として含む環状化合物と、フッ素系アルコールとの組み合わせにより上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物及びフッ素系アルコールの存在下、オキシム化合物を転位させ、対応するアミド又はラクタムを生成させるアミド又はラクタムの製造方法を提供する。
Figure 2007284415
(式(1)中Zはハロゲン原子又は−OR基を示し、Rは有機基を示す。)
Zとしては、塩素原子が好ましい。
フッ素系アルコールとしては、下記式(3)で示すフッ素原子含有分岐鎖状脂肪族鎖式アルコールを好適に使用できる。
Figure 2007284415
(式(3)中Rf1及びRf2は同一又は異なってもよく、炭素数1〜8程度のパーフルオロアルキル基を表し、nは0〜8の整数である。)
この際、式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物において、有機基Rは下記式(3a)で表されるフッ素原子含有分岐鎖状脂肪族鎖式基であるのが好ましい。
Figure 2007284415
(式(3a)中、中Rf1及びRf2は同一又は異なってもよく、炭素数1〜8程度のパーフルオロアルキル基を表し、nは0〜8の整数である。)
オキシム化合物としては下記式(4)又は(5)で表されるオキシム化合物を使用できる。
Figure 2007284415
(式(4)中Ra,Rbはそれぞれ有機基を示す。ただし、Ra、Rbのいずれか一方は水素原子であってもよい。)
Figure 2007284415
(式(5)中mは2以上の整数を示す。)
この際、式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物において有機基Rは、オキシム化合物に対応する下記式(4a)又は(5a)で表される基であるのが好ましい。
Figure 2007284415
(式(4a)中、Ra、Rbはそれぞれ有機基を示す。ただし、Ra、Rbのいずれか一方は水素原子であってもよい。)
Figure 2007284415
(式(5a)中mは2以上の整数を示す。)
本発明によれば、硫酸アンモニウムなどの多量の副生成物を生じさせることなくオキシムの転位反応を行うことができるため、従来のアミド又はラクタムの製造方法で生じていた副生成物の除去や廃棄の問題を解消し、簡易に高い収率でアミド又はラクタムを製造することができる。
また、フッ素系アルコールを助触媒として使用することにより、反応を加速することや、触媒の使用量を低減することが可能である。フッ素系アルコールは反応終了後生成物との分離が容易であるため、生成物の精製にかかる手間を低減し、精製度の高いアミド又はラクタムを簡易に製造することができる。
本発明では、下記式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物が触媒として作用し、さらにフッ素系アルコールを併存させることにより、オキシム化合物の転位反応が迅速に効率よく進行し、対応するアミド又はラクタムを高収率で製造できる。
Figure 2007284415
(式(1)中Zはハロゲン原子又はOR基を示し、Rは有機基を示す。)
式(1)中、Zにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できるが、塩素原子を好ましく使用できる。式(1)中、Rで表される有機基としては特に制限されないが、例えば、下記式(2)で表される基や、アルキル基、又はハロアルキル基などを好ましく使用できる。
Figure 2007284415
(式中Rs、Rtは同一又は異なって、それぞれ炭化水素基を示す。Rs及びRtは互いに結合し、Rs及びRtが結合している炭素原子とともに非芳香族性の環を形成していてもよい。)
s及びRtにおける炭化水素基としては特に制限されず、例えば、炭素数1〜10程度のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基などの脂肪族鎖式基の他、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。RsとRtとが互いに結合し、Rt及びRsが結合している炭素原子とともに形成してもよい非芳香族性の環としては、例えば、シクロアルキル基などが挙げられる。この際、式(2)で表される基は、シクロアルキリデンアミノ基である。有機基Rが式(2)で表される基である場合、該基は、原料として使用するオキシム化合物に対応する基(オキシム化合物から−OH基を除した基)とすることができる。
上記Rにおけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなど炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。Rにおけるハロアルキル基としては、上述のアルキル基にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのフッ素原子が1又は2以上置換した基などを例示できる。ハロアルキル基としては、フッ素原子が置換したフッ素化アルキル基が好適であり、特に、式(3a)で表されるフッ素原子含有分岐鎖状脂肪族鎖式基であるのが好ましい。なお、Rで表される基がフッ素化アルキル基である場合は、該フッ素化アルキル基は、使用するフッ素系アルコールに対応する基である場合が多い。
Figure 2007284415
(式中Rf1及びRf2は同一又は異なっていてもよく、炭素数1〜8程度のパーフルオロアルキル基を表し、nは0〜8の整数である。)
式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物としては、該構造を分子中に1又は2以上含む芳香族性環状化合物又は非芳香族性環状化合物を使用することができ、特に制限されない。本発明において、式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物として、芳香族性環状化合物を使用するのが好ましい。例えば、下記式(1a)で表されるトリアジン誘導体、式(1b)で表されるピラジン誘導体、式(1c)で表されるピリミジン誘導体、式(1d)で表されるピリダジン誘導体、および式(1e)で表されるピリジン誘導体などを例示することができる。
Figure 2007284415
(式中Zはハロゲン原子又はOR基を示し、Rは有機基を示す。X1、X2、X3、X4は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基など)、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロアルコキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、スルホ基、シアノ基、アミノ基、オキシアミノ基又はその他の有機基を示す。X1、X2、X3、X4のうち少なくとも二つが互いに結合して、式中の環を構成する原子とともに芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。)
1、X2、X3及びX4におけるハロアルコキシ基には例えば、ヘキサフルオロイソプロピルオキシ基(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエトキシ基)などの式(3)で示すフッ素原子含有分岐鎖状脂肪族鎖式アルコールから水素原子を除した基などが含まれる。また、ハロアルコキシ基は、フッ素原子含有直鎖状脂肪族鎖式アルコール(フッ素原子含有第1級アルコール)から水素原子を除した基であってもよい。X1、X2、X3及びX4におけるその他の有機基には、上記式(2)で表される基が含まれる。式(1a)〜(1e)で表される化合物において、X1、X2、X3及びX4はZと同様の基、すなわちハロゲン原子又は−OR基から選択された基とすることができる。式(1a)で表されるトリアジン誘導体において、X1及びX2がハロゲン原子又は−OR基から選択された基であると、式(1)で示す構造を1分子中に3個含む環状化合物となる。式(1b)で表されるピラジン誘導体、式(1c)で表されるピリミジン誘導体、及び式(1d)で表されるピリダジン誘導体において、X3がハロゲン原子又は−OR基から選択された基であると、式(1)で示す構造を1分子中に2個含む環状化合物となる。
式(1a)で表されるトリアジン誘導体としては、具体的には例えば、2−クロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(塩化シアヌル酸)、2−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジニトロ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−ニトロ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジオキシメチル−1,3,5−トリアジンなどのハロゲン原子(特に塩素原子)を置換基として有するトリアジン誘導体;2−ヘキサフルオロイソプロピルオキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−1,3,5トリアジン、2,4,6−トリス(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−1,3,5トリアジンなどのハロアルコキシ基を置換基として有するトリアジン誘導体;2−シクロヘキシリデンアミノオキシ−1,3,5−トリアジン、2−シクロドデシリデンアミノオキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(シクロヘキシリデンアミノオキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(シクロドデシリデンアミノオキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(シクロヘキシリデンアミノオキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(シクロドデシリデンアミノオキシ)−1,3,5−トリアジンなどのシクロアルキリデンアミノオキシ基を置換基として有するトリアジン誘導体;2−クロロ−4,6−ビス(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−1,3,5−トリアジンなどのハロゲン原子及びハロアルコキシ基を置換基として有するトリアジン誘導体;2−クロロ−4−シクロヘキシリデンアミノオキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−シクロドデシリデンアミノオキシ1,3,5−トリアジンなどのハロゲン原子及びシクロアルキリデンアミノオキシ基を置換基として有するトリアジン誘導体;2−シクロヘキシリデンアミノオキシ−4,6−ビス(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−1,3,5−トリアジン、2−シクロドデシリデンアミノオキシ−4,6−ビス(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−1,3,5−トリアジンなどのシクロアルキリデンアミノオキシ基及びハロアルコキシ基を置換基として有するトリアジン誘導体;2−クロロ−4−(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−6−シクロヘキシリデンアミノオキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−6−シクロドデシリデンアミノオキシ−1,3,5−トリアジンなどのハロゲン原子、ハロアルコキシ基、及びシクロアルキリデンアミノ基を置換基として有するトリアジン誘導体などが挙げられる。
式(1b)で表されるピラジン誘導体としては、具体的には例えば、2−クロロピラジン、2,3−ジクロロピラジン、2−クロロ−3,5−ジニトロピラジンなどのハロゲン原子を置換基として有するピラジン誘導体;2−(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)ピラジンなどのハロアルコキシ基を置換基として有するピラジン誘導体;2−シクロドデシリデンアミノオキシピラジンなどのシクロアルキリデンアミノオキシ基を置換基として有するピラジン誘導体が挙げられる。
式(1c)で表されるピリミジン誘導体としては、具体的には例えば、2,4−ジクロロ−ピリミジン、2,4,6−トリクロロピリミジン、4,6−ジクロロ−5−ニトロピリミジン、2,4−ジクロロ−6−ニトロピリミジンなどのハロゲン原子を置換基として有するピリミジン誘導体;2,4−ビス(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)ピリミジン、などのハロアルコキシ基を置換基として有するピリミジン誘導体;2,4−ジシクロドデシリデンアミノオキシピリミジンなどのシクロアルキリデンアミノオキシ基を置換基として有するピリミジン誘導体などが挙げられる。
式(1d)で表されるピリダジン誘導体としては、具体的には例えば、3−クロロピリダジン、3,6−ジクロロピリダジンなどのハロゲン原子を置換基として有するピリダジン誘導体;3−ヘキサフルオロイソプロピルオキシピリダジンなどのハロアルコキシ基を置換基として有するピリダジン誘導体;3−シクロドデシリデンアミノオキシピリダジンなどのシクロアルキリデンアミノオキシ基を置換基として有するピリダジン誘導体などが挙げられる。
式(1e)で表されるピリジン誘導体としては具体的には例えば、2−クロロ−3,5−ジニトロピリジン、2,4,6−トリクロロピリジン、2−クロロピリジンなどのハロゲン原子を置換基として有するピリジン誘導体;2−ヘキサフルオロイソプロピルオキシピリジンなどのハロアルコキシ基を置換基として有するピリジン誘導体;2−シクロドデシリデンアミノオキシピリジンなどのシクロアルキリデンアミノオキシ基を置換基として有するピリジン誘導体が挙げられる。
これらの中で特に、式(1a)で表されるトリアジン誘導体を好適に使用でき、とりわけ、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(シクロドデシリデンアミノオキシ)−1,3,5−トリアジンを好適に使用することができる。
式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物は、例えば、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、プリン、プテリジン、フェナントリジン、フェナントロリンなどの窒素原子含有縮合複素環骨格を有する化合物であってもよい。また、環の構成要素として窒素原子以外のヘテロ原子を含む芳香族性又は非芳香族性環状化合物であって、式(1)で示す構造を環の構成要素として含む化合物などを使用してもよい。
上述の式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物が、Zとして−OR基を有する化合物である場合、該環状化合物をあらかじめ調整してから反応に使用してもよいが、相当する化合物であってZとしてハロゲン原子を有する化合物と、RO-イオンを生成する化合物とをアミド又はラクタムを製造する反応系中に共存させ、反応系中でハロゲン原子と−OR基との置換反応が進行することにより、Zとして−OR基を有する環状化合物を生成させることもできる。上記RO-イオンを生成する化合物は、特に制限されないが、本発明において助触媒として使用するフッ素系アルコールや、原料として使用するオキシム化合物である場合が多い。つまり、Zが−OR基である場合の本発明の実施の形態には、Zがハロゲン原子である式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物を使用して、反応系中においてフッ素系アルコールとの反応により置換基としてハロアルコキシ基を有する環状化合物が生成した場合や、オキシム化合物との反応により該オキシム化合物から水素原子を除した基(例えば、シクロアルキリデンアミノオキシ基など)を置換基として有する環状化合物が生成した場合なども含まれる。
式(1)で示す構造を環の構成要素として含む化合物の使用量は、オキシム化合物1モルに対して、例えば0.0001〜1モル、好ましくは0.0005〜0.5モル、さらに好ましくは0.001〜0.2モル程度である。式(1)で示す構造を環の構成要素として含む化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
フッ素系アルコールとしては、脂肪族アルコール又は芳香族アルコールであって、炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換したものを何れも使用でき、特に制限されない。フッ素系アルコールは、1価アルコールでもよく、多価アルコールでもよい。
フッ素系脂肪族アルコールには、脂肪族鎖式アルコール及び脂肪族環式アルコールが含まれる。脂肪族鎖式アルコールとしては、例えば、炭素数1〜20程度の直鎖状鎖式アルコールであって、炭化水素基の水素の一部又は全部がフッ素原子で置換したフッ素原子含有直鎖状脂肪族鎖式アルコール;炭素数3〜20程度の分岐鎖状鎖式アルコールであって、炭化水素基の水素の一部又は全部がフッ素原子で置換したフッ素原子含有分岐鎖状脂肪族鎖式アルコールなどを好適に使用できる。フッ素系脂肪族鎖式アルコールにおいて、炭化水素基(又はフッ素化炭化水素基)は、1又は2以上の不飽和結合を含んでいてもよい。炭化水素基の水素の一部がフッ素原子で置換したフッ素原子含有直鎖状脂肪族鎖式アルコールとしては、具体的には、例えば1,1−ジフルオロエタノール、1,1,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1−ジフルオロ−1−プロパノール、1,2−ジフルオロ−1−プロパノール、1,2,3−トリフルオロ−1−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−1,3−プロパンジオール、2,3,4−トリフルオロ−1−ブタノール、4,4,4−トリフルオロ−1−ブタノール、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブタノール、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−ブタノール、1,2,3,4−テトラフルオロ−1−ブタノール、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブタノール、1,2,3,4−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−ペンタノール、5,5,5−トリフルオロ−1−ペンタノール、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−1−ペンタノール、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−ヘキサノール、5,5,6,6,6−ペンタフルオロ−1−ヘキサノールなどを例示できる。フッ素原子含有脂肪族分岐鎖状鎖式アルコールとしては、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール、へプタフルオロイソプロパノール、3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−1−プロパノール、2−トリフルオロメチル−1−ブタノール、2−トリフルオロメチル−1,4−ブタンジオール、2−トリフルオロメチル−3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブタノールなどを例示できる。
フッ素系脂肪族環式アルコールとしては、例えばシクロヘキサノール、シクロペンタノールなどの炭素数3〜20程度の脂環式アルコールであって分子中にフッ素原子を1又は2以上含むものを使用できる。フッ素原子を含有する形態は、環を構成する炭素原子にフッ素原子が結合した形態でもよく、又はフッ素原子を含む炭化水素基が結合した形態でもよく、特に制限されない。
フッ素系芳香族アルコールとしては、例えば、ベンジルアルコール、フェニルエタノールなどの芳香族アルコールであって分子中にフッ素原子を1又は2以上含むものを使用できる。フッ素原子を含有する形態は、例えば、芳香環にフッ素化炭化水素基が置換した形態でもよく、鎖式炭化水素部位がフッ素原子を有する形態でもよく、特に制限されない。
これらのなかで、フッ素系アルコールとしては、下記式(3)で示すフッ素原子含有分岐鎖状脂肪族鎖式アルコールを好ましく使用することができ、とりわけヘキサフルオロイソプロパノールを好適に使用することができる。
Figure 2007284415
(式(3)中、Rf1及びRf2は同一又は異なってもよく、炭素数1〜8程度のパーフルオロアルキル基を表し、nは0〜8の整数である。)
なお、本発明の好ましい形態として、フッ素系アルコールが式(3)で表される化合物であり、式(1)中Rが下記式(3a)で表される基である場合などを例示できる。
Figure 2007284415
(式(3a)中Rf1、Rf2は同一又は異なってもよく、炭素数1〜8程度のパーフルオロアルキル基を表し、んは0〜8の整数である。)
フッ素系アルコールの使用量は特に制限されず、例えば、オキシム化合物1モルに対して、0.001モル以上、好ましくは0.05モル以上、さらに好ましくは0.5モル以上の広い範囲から選択することができる。フッ素系アルコールはオキシム化合物に対して大過剰使用してもよく、又フッ素系アルコールを溶媒として使用して反応を行うのも好ましい。なお、フッ素系アルコールは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において原料として使用するオキシム化合物は特に制限されず、製造しようとするアミド又はラクタムに応じて適宜選択することができる。例えば、下記式(4)又は式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007284415
(式(4)中Ra、Rbは、それぞれ有機基を示す。ただし、Ra、Rbの何れか一方は水素原子であってもよい。)
Figure 2007284415
(式(5)中mは2以上の整数を示す。)
前記Ra、Rbにおける有機基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ペンタデシル基などのアルキル基(例えばC1-20アルキル基、好ましくはC1-12アルキル基、さらに好ましくはC2-8アルキル基);ビニル、アリル、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−オクテニル基などのアルケニル基(例えばC2-20アルケニル基、好ましくはC2-12アルケニル基、さらに好ましくはC2-8アルケニル基);エチニル、1−プロピニル基などのアルキニル基(例えばC2-20アルキニル基、好ましくはC2-12アルキニル基、さらに好ましくはC2-8アルキニル基);シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル基などのシクロアルキル基(例えば、C3-20シクロアルキル基、好ましくはC3-15シクロアルキル基);シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル基などのシクロアルケニル基(例えばC3-20シクロアルケニル基、好ましくはC3-15シクロアルケニル基);フェニル、ナフチル基などのアリール基;ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル基などのアラルキル基;2−ピリジル、2−キノリル、2−フリル、2−チエニル、4−ピペリジニル基などの芳香族性又は非芳香族性の複素環基などが挙げられる。これらの有機基は、反応を阻害しない範囲で種々の置換基、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基など)、置換チオ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基など)、アラルキル基、複素環基などを有していてもよい。
式(4)で表されるオキシム化合物として、具体的には例えば、アセトアルデヒドオキシム、アセトンオキシム、2−ブタノンオキシム、2−ペンタノンオキシム、3−ペンタノンオキシム、1−シクロヘキシル−1−プロパノンオキシム、ベンズアルデヒドオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、4′−ヒドロキシアセトフェノンオキシムなどが挙げられる。
式(5)において、環には置換基が結合していてもよく、他の環が縮合していてもよい。mは、例えば2〜30程度、好ましくは4〜20程度、さらに好ましくは5〜14程度である。式(5)で表される環状オキシム化合物としては、例えば、シクロプロパノンオキシム、シクロブタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、シクロへプタノンオキシム、シクロオクタノンオキシム、シクロノナノンオキシム、シクロデカノンオキシム、シクロドデカノンオキシム、シクロトリデカノンオキシム、シクロテトラデカノンオキシム、シクロペンタデカノンオキシム、シクロヘキサデカノンオキシム、シクロオクタデカノンオキシム、シクロノナデカノンオキシムなどが挙げられる。前記環に結合していてもよい置換基としては、前記有機基が有していてもよい置換基として例示したものと同様の置換基が挙げられる。
なお、本発明の好ましい形態として、オキシム化合物が式(4)で表されるオキシム化合物であり、式(1)中Rが式(4a)で表される基である場合や、オキシム化合物が式(5)で表されるオキシム化合物であり、式(1)中Rが下記式(5a)で表される基である場合などを例示できる。
Figure 2007284415
(式(4a)中Ra,Rbはそれぞれ有機基を示す。ただし、Ra、Rbのいずれか一方は水素原子であってもよい。)
Figure 2007284415
(式(5a)中mは2以上の整数を示す。)
オキシム化合物は、1種又は2種以上を選択して使用することができる。
オキシム化合物の転位反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。溶媒としては、上述のフッ素系アルコールを使用してもよく、その他の溶媒を使用してもよい。その他の溶媒としては、反応条件下で不活性なものであればよく、例えば、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸、;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロベンゼン、ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化合物;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;これらの混合溶媒などが挙げられる。
反応温度は、使用するオキシム化合物の種類や、触媒、溶媒等の種類により適宜選択でき、特に制限されない。例えば、0〜250℃程度、好ましくは25〜150℃程度、さらに好ましくは40〜120℃程度である。反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、空気雰囲気下又は酸素雰囲気下で行うことも可能である。本発明において、特に、空気雰囲気下、還流条件で好ましく反応を行うことができる。
本発明の方法で、例えば、式(4)で表されるオキシム化合物を処理した場合には下記式(6)で表されるアミド化合物が生成し、式(5)で表される環状オキシム化合物を処理した場合には、式(7)で表されるラクタムが生成する。より具体的には、アセトフェノンオキシムからはアセトアニリドなどが生成し、シクロアルカノンオキシムからは員数の1つ多いラクタム(例えば、シクロヘキサノンオキシムからはε−カプロラクタム、シクロヘプタノンオキシムからは、7−ヘプタンラクタム、シクロオクタノンオキシムからは、8−オクタンラクタム)が生成する。
Figure 2007284415
Figure 2007284415
(式中、mは前記に同じ。)
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段やこれらを組み合わせることにより分離精製できる。
オキシム化合物は、例えば以下に示す製造方法により製造すれば、温和な条件下で簡易かつ効率よく製造することができる上に、オキシム化合物を合成する反応と、オキシム化合物の転位によりアミド又はラクタムを生成させる反応とを、途中オキシム化合物を分離精製する工程を特に必要とせず、一段階で行うことも可能であるため、極めて有利である。
すなわち、オキシム化合物は、下記式(8)で表される骨格を環の構成要素として含む窒素原子含有環状化合物の存在下、メチル基又はメチレン基を有する化合物と、亜硝酸エステル又は亜硝酸塩とを反応させることにより好ましく製造することができる。
Figure 2007284415
(式中、Yは酸素原子又は−OR′基(R′は水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す。を示す。)
上記式(8)で表される骨格を環の構成要素として含む窒素原子含有環状化合物として具体的には、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミド、N−ヒドロキシグルタルイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ−1,8,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドなどの脂肪族多価カルボン酸無水物(環状無水物)又は芳香族多価カルボン酸無水物(環状無水物)から誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物及び該N−ヒドロキシイミド化合物のヒドロキシル基に保護基を導入することにより得られる化合物などを使用することができる。
上記メチル基又はメチレン基を有する化合物には、下記式(9)で表される化合物が含まれる。
Figure 2007284415
(式中、Ra、Rbは前記に同じ。)
具体的には例えば、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、n−プロピルシクロヘキサン、トルエン、p−キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジフェニルメタン、1,2−ジフェニルエタンなどが挙げられる。
メチレン基を有する化合物には、下記式(10)で表される化合物も含まれる。
Figure 2007284415
(式中、mは前記に同じ。)
式(10)において、環には置換基が結合していてもよく、他の環が縮合していてもよい。式(10)で表される化合物としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロヘキサデカン、シクロオクタデカン、シクロノナデカンなどが挙げられる。前記環に結合してもよい置換基としては、前記有機基が有していてもよい置換基として例示したものと同様の置換基が挙げられる。
上記亜硝酸エステルとしては、例えば、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸プロピル、亜硝酸イソプロピル、亜硝酸ブチル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸アミル、亜硝酸イソアミル、亜硝酸t−アミル、亜硝酸ヘキシルなどの亜硝酸アルキル;亜硝酸フェニルなどの亜硝酸アリール;亜硝酸ベンジルなどの亜硝酸アラルキルなどが挙げられる。好ましい亜硝酸エステルには亜硝酸C1-6アルキル等の亜硝酸アルキルが含まれる。亜硝酸塩としては、亜硝酸アンモニウム;亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸バリウムなどの亜硝酸アルカリ土類金属塩;亜硝酸亜鉛などのその他の金属塩などが挙げられる。
メチル基又はメチレン基を有する化合物と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩との使用割合は両化合物の種類や組み合わせなどにより適宜選択できる。例えば、メチル基又はメチレン基を有する化合物を亜硝酸エステル又は亜硝酸塩に対して当量程度又は過剰量(例えば、1.1〜50当量倍又はそれ以上、好ましくは3〜30当量倍程度)用いてもよく、逆に亜硝酸エステル又は亜硝酸塩をメチル基又はメチレン基を有する化合物に対して過剰量用いてもよい。
メチル基又はメチレン基を有する化合物と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩との反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。溶媒は特に制限されず、例えば、上述のオキシム化合物の転位反応で使用できる溶媒と同様のものを使用できる。反応温度等も特に制限されず、例えば、上述のオキシム化合物の転位反応と同様の反応条件で反応を行うことができる。例えば、反応温度は0〜250℃程度、好ましくは25〜150℃程度、さらに好ましくは40〜120℃程度である。反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、目的生成物の種類等により、空気雰囲気下又は酸素雰囲気下で行うことも可能である。反応は、減圧下、常圧又は加圧下、回分式、半回分式、連続式(多段連続流通式等)などの慣用の方法により行うことができる。反応を減圧下、特に反応で副生する窒素酸化物ガス(とりわけNO2)を系内から除去できる程度の減圧下[例えば、30〜700mmHg(3.99〜93.1kPa)程度]で実施すると、収率が大幅に向上する。窒素酸化物ガス(NO2等)が反応を阻害するものと推測される。
メチル基又はメチレン基を有する化合物と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩とを反応させると、まずニトロソ化合物が生成し、これが転位してオキシム化合物が生成するものと考えられる。例えば、シクロヘキサンと亜硝酸エステル又は亜硝酸塩とを反応させると、まずニトロソシクロヘキサンが生成し、これが転位してシクロヘキサノンオキシムが生成すると考えられる。なお、ニトロソ化合物は、その種類によっても異なるが、対応するダイマー(ニトロソ化合物2分子が窒素原子同士で結合したジ−N−オキシド化合物)と可逆的な平衡状態にあって、その平衡がダイマー側に寄っていることがある。なお、長時間反応した場合には、ニトロソ化合物及びそのダイマーは痕跡量、多くとも1%未満の収率となりうる。
メチル基又はメチレン基を有する化合物と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩との反応の好ましい態様として、反応系内へ亜硝酸エステル又は亜硝酸塩を逐次的又は連続的に添加して反応させる方法が挙げられる。この方法によれば、亜硝酸エステル又は亜硝酸塩を一括添加した場合と比較して、特にニトロソ化段階において副反応が抑制され、ニトロソ化合物(又はそのダイマー)が高い選択率で生成する。そのため、続く転位反応等によりオキシム化合物などを高い収率で得ることができる。
また、オキシム化合物を収率よく生成させるため、メチル基又はメチレン基を有する化合物と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩との反応によりニトロソ化合物又はそのダイマーを生成させる工程と、生成したニトロソ化合物又はそのダイマーをオキシム化合物に変換させる工程とを設け、反応を段階的に進行させてもよい。このような方法を採用すると、後段の変換工程(ニトロソ化合物の転位工程)において、添加剤を反応系に加えたり、加熱することにより、トータルの反応時間を大幅に短縮できる。なお、前段のニトロソ化工程と後段の転位工程とで溶媒を変えてもよい。また、この場合、前段のニトロソ化工程を減圧下で行うと、前記と同様の理由により収率が大幅に向上する。
上記の添加剤としては、ニトロソ体からオキシム体への転位を誘起しうるものであれば特に限定されないが、例えば酸、塩基などが好ましく用いられる。このような酸としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸;硫酸、硝酸、塩化水素、リン酸、ホウ酸、発煙硫酸等の鉱酸;塩化アルミニウム、塩化亜鉛、スカンジウムトリフラート等のルイス酸;シリカ、アルミナ、ゼオライト等の固体酸;リンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸などのポリ酸等の複合酸;強酸性陽イオン交換樹脂などが挙げられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミンなどの第3級アミン、ピリジン等の含窒素複素環化合物、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド等の有機塩基;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基;酸化マグネシウムやハイドロタルサイト、ヒドロキシアパタイト等の固体塩基などが挙げられる。これらの添加剤は、一度に加えてもよく、複数回に分けて加えてもよい。添加剤の添加量は、メチル基又はメチレン基を有する化合物100重量部に対して、例えば0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは、0.3〜30重量部程度である。添加剤を用いた転位反応は、例えば40〜120℃、好ましくは50〜100℃程度の温度で、例えば5〜180分、好ましくは10〜120分程度行われる。加熱による転位反応は、加熱温度が、例えば120〜250℃、好ましくは150〜200℃程度であり、反応時間が、例えば0.5〜120分、好ましくは2〜90分程度である。
なお、オキシム化合物の製造に際して、メチル基又はメチレン基を有する化合物、亜硝酸エステル又は亜硝酸塩及び式(8)で表される骨格を環の構成要素として含む窒素原子含有環状化合物に加えて、上述の式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物及びフッ素系アルコールを同時に添加して反応を行うことにより、メチル基又はメチレン基を有する化合物から対応するアミド又はラクタムを1段階で製造することも可能である。あるいは、メチル基又はメチレン基を有する化合物と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩との反応を、式(8)で表される骨格を環の構成要素として含む窒素原子含有環状化合物及び式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物の存在下で行い、オキシム化合物生成後にフッ素系アルコールを添加して該オキシム化合物の転位反応を行ってもよく、メチル基又はメチレン基を有する化合物と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩との反応を、式(8)で表される骨格を環の構成要素として含む窒素原子含有環状化合物及びフッ素系アルコールの存在下で行い、オキシム化合物生成後に、式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物を添加してオキシム化合物の転位反応を行ってもよい。また、メチル基又はメチレン基を有する化合物と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩との反応を式(8)で表される骨格を環の構成要素として含む窒素原子含有環状化合物の存在下で行い、オキシム化合物が生成したところへ、式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物及びフッ素系アルコールを添加して、オキシム化合物の転位反応を行ってもよい。これらの方法において適宜な時に、溶媒の留去、濃縮、溶媒交換等の操作を行ってもよい。また、オキシム化合物の生成は、前記のように段階的に行ってもよい。
本発明の方法によれば、多量の副生成物を生じることなく、高収率かつ簡易にアミド又はラクタムを製造することができる。又、本発明において使用する触媒等は、生成したアミド又はラクタムとの分離が容易であるため精製度の高いアミド又はラクタムを簡易に製造することができる。さらに、脂肪族又は芳香族炭化水素類などの原料からオキシムを製造する工程と、該オキシム化合物からアミド又はラクタムを製造する工程とを1段階で或いはワンポットで行うことも可能であるため、簡易に効率よくアミド又はラクタムを製造することができる。例えば、シクロヘキサンからε−カプロラクタム、シクロドデカンからω−ラウロラクタムを効率よく製造できる。
このようにして得られたアミド又はラクタムは、医薬、農薬、染料、溶剤、爆薬などの原料、ポリアミド(ナイロン)の原料などとして利用でき、工業的に極めて重要である。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)
反応器に、シクロドデカノンオキシム(10mmol)、塩化シアヌル酸(シクロドデカノンオキシムに対して0.5mol%)、ヘキサフルオロイソプロパノール(5ml)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、ラウロラクタムが99%の収率で生成していた。
(実施例2)
反応器に、シクロヘキサノンオキシム(10mmol)、塩化シアヌル酸(シクロヘキサノンオキシムに対して10mol%)、ヘキサフルオロイソプロパノール(5ml)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、カプロラクタム及び下記式(11)で表される化合物が生成していた。カプロラクタムの収率は58%、式(11)で表される化合物の収率は27%であった。
Figure 2007284415
(実施例3)
シクロヘキサン(4mL)、亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、及び酢酸(0.5ml)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下(1atm=0.101MPa)、75℃で2時間撹拌した。反応後、シクロヘキサンと酢酸を留去し、トリエチルアミン(0.5g)と酢酸エチル(1mL)を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、酢酸エチルおよびトリエチルアミンを留去し、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)、塩化シアヌル酸(0.2ミリモル)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、カプロラクタムが1.3ミリモル生成していた。
(実施例4)
シクロヘキサン(4mL)、亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、及び酢酸(0.5ml)を反応器に入れ、溶液を凍結させる。反応器を減圧にし、Arガスで50mmHg(6.65kPa)に調整し、反応容器を密閉後、75℃で2時間撹拌した。反応後、常圧に戻し、シクロヘキサンと酢酸を留去した後、トリエチルアミン(0.5g)と酢酸エチル(1mL)を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、酢酸エチルおよびトリエチルアミンを留去し、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)、塩化シアヌル酸(0.2ミリモル)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、カプロラクタムが2.1ミリモル生成していた。
(実施例5)
シクロヘキサン(4mL)、亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、及び酢酸(0.5ml)をフラスコに入れ、減圧条件下[600mmHg(79.8kPa)]、75℃で2時間撹拌した。反応後、シクロヘキサンと酢酸を留去し、トリエチルアミン(0.5g)と酢酸エチル(1mL)を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、酢酸エチルおよびトリエチルアミンを留去し、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)、塩化シアヌル酸(0.2ミリモル)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、カプロラクタムが2.0ミリモル生成していた。
(実施例6)
シクロヘキサン(4mL)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、及び酢酸(0.5ml)をフラスコに入れ、減圧条件下[600mmHg(79.8kPa)]、亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)を75℃で2時間かけて滴下し反応させた。反応後、シクロヘキサンと酢酸を留去し、トリエチルアミン(0.5g)と酢酸エチル(1mL)を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、酢酸エチルおよびトリエチルアミンを留去し、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)、塩化シアヌル酸(0.2ミリモル)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、カプロラクタムが2.1ミリモル生成していた。
(実施例7)
シクロヘキサン(4mL)、亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、及び酢酸(0.5ml)を反応器に入れ、溶液を凍結させる。反応器を減圧にし、Arガスで50mmHg(6.65kPa)に調整し、反応容器を密閉後、75℃で2時間撹拌した。反応後、常圧に戻し、シクロヘキサンと酢酸を留去した後、トリエチルアミン(0.5g)を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、トリエチルアミンを留去し、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)、塩化シアヌル酸(0.2ミリモル)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、カプロラクタムが1.9ミリモル生成していた。
(実施例8)
シクロヘキサン(4mL)、亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、及び酢酸(0.5ml)を反応器に入れ、溶液を凍結させる。反応器を減圧にし、Arガスで50mmHg(6.65kPa)に調整し、反応容器を密閉後、75℃で2時間撹拌した。反応後、常圧に戻し、硫酸(0.05g)を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、シクロヘキサンと酢酸を留去し、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)、塩化シアヌル酸(0.2ミリモル)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、カプロラクタムが1.8ミリモル生成していた。
(実施例9)
シクロヘキサン(4mL)、亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、及び酢酸(0.5ml)を反応器に入れ、溶液を凍結させる。反応器を減圧にし、Arガスで50mmHg(6.65kPa)に調整し、反応容器を密閉後、75℃で2時間撹拌した。反応後、常圧に戻し、酸型のイオン交換樹脂(アンバーリスト15DRY 0.05g)を加え、70℃で1時間撹拌した。ろ過後、シクロヘキサンと酢酸を留去し、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)、塩化シアヌル酸(0.2ミリモル)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、カプロラクタムが1.9ミリモル生成していた。
(実施例10)
耐圧製のガラス容器に、シクロヘキサン(4mL)、亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、及び酢酸(0.5ml)を反応器に入れ、溶液を凍結させる。反応器を減圧にし、Arガスで50mmHg(6.65kPa)に調整し、反応容器を密閉後、75℃で2時間撹拌した。反応後、常圧に戻し、180℃まで昇温、1時間加熱した。その後、シクロヘキサンと酢酸を留去し、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)、塩化シアヌル酸(0.2ミリモル)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、カプロラクタムが1.5ミリモル生成していた。
(実施例11)
シクロヘキサン(4mL)、亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、及び酢酸(0.5ml)を反応器に入れ、溶液を凍結させる。反応器を減圧にし、Arガスで50mmHg(6.65kPa)に調整し、反応容器を密閉後、75℃で2時間撹拌した。その後、常圧に戻し、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)、塩化シアヌル酸(0.2ミリモル)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、カプロラクタムが1.8ミリモル生成していた。
(実施例12)
シクロドデカン(3g)、亜硝酸t−ブチル(4ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド(0.2ミリモル)、及び酢酸(0.5ml)を反応器に入れ、溶液を凍結させる。反応器を減圧にし、Arガスで50mmHg(6.65kPa)に調整し、反応容器を密閉後、75℃で2時間撹拌した。反応後、常圧に戻し、シクロヘキサンと酢酸を留去し、トリエチルアミン(0.5g)と酢酸エチル(1mL)を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、酢酸エチルおよびトリエチルアミンを留去し、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)、塩化シアヌル酸(0.02ミリモル)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、ラウロラクタムが2.9ミリモル生成していた。
(参考例1)
[2,4,6−トリス(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−1,3,5−トリアジン(2,4,6−トリス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエトキシ)−1,3,5−トリアジン)の合成]
塩化シアヌル酸に対して、5倍当量のヘキサフルオロイソプロパノールと、3.5倍当量のトリエチルアミンとを加え、THF中、室温で5時間撹拌した。反応後溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、2,4,6−トリス(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−1,3,5−トリアジンを得た。
(実施例13)
反応器に、シクロドデカノンオキシム(10mmol)、2,4,6−トリス(ヘキサフルオロイソプロピルオキシ)−1,3,5−トリアジン(2,4,6−トリス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエトキシ)1,3,5−トリアジン)(0.5モル%)、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところラウロラクタムが99%の収率で生成していた。
(実施例14)
反応器に、シクロドデカノンオキシム(10mmol)、2,4,6−トリス(シクロドデシリデンアミノオキシ)−1,3,5−トリアジン(O−4,6−ビス(シクロドデシリデンアミノオキシ)−1,3,5−トリアジン−2−イルシクロドデカノンオキシム)(0.5モル%)、ヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)を加え、還流条件で2時間撹拌した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、ラウロラクタムが99%の収率で生成していた。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で示す構造を環の構成要素として含む環状化合物及びフッ素系アルコールの存在下、オキシム化合物を転位させ、対応するアミド又はラクタムを生成させるアミド又はラクタムの製造方法。
    Figure 2007284415
    (式(1)中Zはハロゲン原子又は−OR基を示し、Rは有機基を示す。)
  2. Zが塩素原子である請求項1記載のアミド又はラクタムの製造方法
  3. フッ素系アルコールが下記式(3)で示すフッ素原子含有分岐鎖状脂肪族鎖式アルコールである請求項1記載のアミド又はラクタムの製造方法。
    Figure 2007284415
    (式(3)中Rf1及びRf2は同一又は異なってもよく、炭素数1〜8程度のパーフルオロアルキル基を表し、nは0〜8の整数である。)
  4. 式(1)中Rが下記式(3a)で表されるフッ素原子含有分岐鎖状脂肪族鎖式基である請求項3記載のアミド又はラクタムの製造方法。
    Figure 2007284415
    (式(3a)中、Rf1及びRf2は同一又は異なってもよく、炭素数1〜8程度のパーフルオロアルキル基を表し、nは0〜8の整数である。)
  5. オキシム化合物が下記式(4)又は(5)で表されるオキシム化合物である請求項1記載のアミド又はラクタムの製造方法。
    Figure 2007284415
    (式(4)中Ra、Rbはそれぞれ有機基を示す。ただし、Ra、Rbのいずれか一方は水素原子であってもよい。)
    Figure 2007284415
    (式(5)中mは2以上の整数を示す。)
  6. 式(1)中Rが、オキシム化合物に対応する下記式(4a)又は(5a)で表される基である請求項5記載のアミド又はラクタムの製造方法。
    Figure 2007284415
    (式(4a)中Ra、Rbはそれぞれ有機基を示す。ただし、Ra、Rbのいずれか一方は水素原子であってもよい。)
    Figure 2007284415
    (式(5a)中mは2以上の整数を示す。)
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