JP2000256261A - エステルの製造法 - Google Patents

エステルの製造法

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JP2000256261A
JP2000256261A JP11064726A JP6472699A JP2000256261A JP 2000256261 A JP2000256261 A JP 2000256261A JP 11064726 A JP11064726 A JP 11064726A JP 6472699 A JP6472699 A JP 6472699A JP 2000256261 A JP2000256261 A JP 2000256261A
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JP11064726A
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English (en)
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Yasutaka Ishii
康敬 石井
Tatsuya Nakano
達也 中野
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中性又は中性に近い条件下で、ケトンなどの
カルボニル化合物から該カルボニル化合物に対応するア
ルコールのアシル体を簡易に収率よく得る。 【解決手段】 周期表3族元素のアルコキシドの存在
下、下記式(1) 【化1】 (式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子又は
隣接するカルボニル炭素原子との結合部位に炭素原子を
有する有機基を示し、R1及びR2は互いに結合して、隣
接するカルボニル炭素原子と共に環を形成していてもよ
い)で表されるカルボニル化合物と、下記式(2) 【化2】 (式中、R3、R4、R5は、同一又は異なって、非反応
性原子又は非反応性有機基を示す。R4及びR5は、互い
に結合して、隣接する炭素原子と共に環を形成していて
もよい)で表されるオキシムエステル化合物とを反応さ
せて、下記式(4) 【化4】 (式中、R1、R2、R3は前記に同じ)で表されるエス
テルを生成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エステルの製造
法、より詳細には、カルボニル化合物から、該カルボニ
ル化合物に対応するアルコールのアシル体を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】エステルは、種々の工業薬品、医薬、香
料、染料、有機合成中間体などとして重要な化合物であ
る。エステルを得る方法として、アルコールに酸無水物
や酸ハライドなどのアシル化剤を作用させたり、アルコ
ールとカルボン酸とを脱水縮合させることにより製造さ
れている。しかし、これらの方法では、副生する酸を捕
捉するため塩基を用いたり、触媒として酸を用いるた
め、反応は、通常酸性又は塩基性下で行われる。このた
め、反応成分や目的化合物が酸又は塩基に弱い化合物で
ある場合には、有効な方法とは言えない。
【0003】一方、ケトンなどのカルボニル化合物から
対応するアルコールを得る方法については、例えば、ア
ルミニウムアルコキシドを用いる還元法(Meerwein-Pon
ndorf-Verley還元)など多くの方法が知られているが、
カルボニル化合物から、該カルボニル化合物に対応する
アルコールのアシル体(エステル)をワンステップで収
率よく得る方法は少ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、中性又は中性に近い条件下で、ケトンなどのカルボ
ニル化合物から該カルボニル化合物に対応するアルコー
ルのアシル体をワンステップで収率よく得るエステルの
製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定の金属アルコキ
シド化合物の存在下、カルボニル化合物とオキシムエス
テル化合物又はエノールエステル化合物とを反応させる
と、前記カルボニル化合物に対応するアルコールのアシ
ル体が高い収率で得られることを見出し本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明は、周期表3族元素のア
ルコキシドの存在下、下記式(1)
【化5】 (式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子又は
隣接するカルボニル炭素原子との結合部位に炭素原子を
有する有機基を示し、R1及びR2は互いに結合して、隣
接するカルボニル炭素原子と共に環を形成していてもよ
い)で表されるカルボニル化合物と、下記式(2)
【化6】 (式中、R3、R4、R5は、同一又は異なって、非反応
性原子又は非反応性有機基を示す。R4及びR5は、互い
に結合して、隣接する炭素原子と共に環を形成していて
もよい)で表されるオキシムエステル化合物、又は下記
式(3)
【化7】 (式中、R3は非反応性原子又は非反応性有機基を示
す。R6、R7、R8は、同一又は異なって、水素原子又
はC1-5アルキル基を示す。R6、R7及びR8は、互いに
結合して、隣接する炭素原子又は炭素−炭素二重結合と
共に環を形成していてもよい)で表されるエノールエス
テル化合物とを反応させて、下記式(4)
【化8】 (式中、R1、R2、R3は前記に同じ)で表されるエス
テルを生成させるエステルの製造法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】[周期表3族元素のアルコキシ
ド]周期表3族元素のアルコキシドには、下記式(6) M(OR9n (6) (式中、Mは周期表3族元素、R9はアルキル基又はシ
クロアルキル基、nは正の整数を示す)で表される化合
物が含まれる。
【0008】周期表3族元素には、希土類元素[例え
ば、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド系列元
素(ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プ
ロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウ
ム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビ
ウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム)]、ア
クチノイド系列元素(例えば、アクチニウムなど)が含
まれる。好ましい周期表3族元素には希土類元素が含ま
れる。希土類元素の中でも、特にサマリウムなどのラン
タノイド系列元素などが好ましい。
【0009】前記R9におけるアルキル基としては、例
えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピ
ル、ヘキシル基等のC1-6脂肪族アルコキシ基などが挙
げられる。また、シクロアルキル基としては、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル基等のC3-12シクロアルキル基
などが挙げられる。これらのアルキル基及びシクロアル
キル基は、例えば、ハロゲン原子、フェニル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基などの置換基を有していても
よい。好ましいアルキル基には、イソプロピル基、s−
ブチル基などの第2級アルキル基が含まれる。前記nは
周期表3族元素Mの価数によって定まり、通常2〜4の
整数(特に3)である。
【0010】周期表3族元素のアルコキシドの代表的な
例として、例えば、スカンジウムイソプロポキシド、ラ
ンタンイソプロポキシド、セリウムイソプロポキシド、
プラセオジムイソプロポキシド、ネオジムイソプロポキ
シド、サマリウムイソプロポキシド、サマリウムメトキ
シド、サマリウムエトキシド、サマリウムs−ブトキシ
ド、イッテルビウムイソプロポキシド、ハフニウムイソ
プロポキシドなどが挙げられる。
【0011】[カルボニル化合物]前記式(1)で表さ
れるカルボニル化合物において、R1、R2で示される
「隣接するカルボニル炭素原子との結合部位に炭素原子
を有する有機基」には、炭化水素基及び複素環基が含ま
れる。炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブ
チル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシ
ル、オクチル、デシル、ドデシル、ペンタデシル、ビニ
ル、アリル、1−へキセニル、エチニル、1−ブチニル
基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜15、
さらに好ましくは炭素数1〜10)程度の脂肪族炭化水
素基(アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基);
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロペンテニル、シクロヘキシル、シクロへキセニル、シ
クロオクチル、シクロドデシル基などの3〜20員(好
ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜8員)程度
の脂環式炭化水素基(シクロアルキル基又はシクロアル
ケニル基);フェニル、ナフチル基などの炭素数6〜1
8程度の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
【0012】前記複素環基に対応する複素環として、例
えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例え
ば、テトラヒドロフラン、クロマン、イソクロマン、フ
ラン、オキサゾール、イソオキサゾール、4−オキソ−
4H−ピラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、4−
オキソ−4H−クロメンなど)、ヘテロ原子としてイオ
ウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾー
ル、イソチアゾール、チアジアゾール、4−オキソ−4
H−チオピラン、ベンゾチオフェンなど)、ヘテロ原子
として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロリジン、ピ
ペリジン、ピペラジン、モルホリン、インドリン、ピロ
ール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピリ
ジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インドー
ル、キノリン、アクリジン、ナフチリジン、キナゾリ
ン、プリンなど)などが挙げられる。
【0013】R1及びR2が互いに結合して、隣接するカ
ルボニル炭素原子と共に形成してもよい環には、シクロ
プロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペン
テン、シクロヘキサン、シクロへキセン、シクロオクタ
ン、シクロドデカン環などの3〜20員(好ましくは3
〜15員、さらに好ましくは3〜12員)程度の脂環式
炭化水素環(シクロアルカン環又はシクロアルケン
環);ノルボルナン環、ノルボルネン環、アダマンタン
環などの2〜4環程度の橋かけ環式炭化水素環又は橋か
け環式複素環;テトラヒドロフラン、クロマン、イソク
ロマン、ピロリジン、ピペリジンなどの5〜8員程度の
非芳香族性複素環などが含まれる。
【0014】前記有機基、並びにR1及びR1が互いに結
合して、隣接する炭素原子と共に形成してもよい環は、
置換基を有していてもよい。このような置換基として
は、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプ
ト基、オキソ基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルオキシ基など)、置換チ
オ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換
又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換
又は無置換アミノ基、スルホ基、アルキル基(例えば、
メチル、エチル、t−ブチル基などのC1-4アルキル基
など)、アルケニル基(例えばC2-4アルケニル基な
ど)、アルキニル基(例えばC2-4アルキニル基な
ど)、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基
などが挙げられる。また、前記環には芳香族性又は非芳
香族性の環(炭化水素環又は複素環)が縮合していても
よい。
【0015】好ましいR1、R2には、水素原子、C1-15
脂肪族炭化水素基、3〜15員の脂環式炭化水素基、C
6-18芳香族炭化水素基、5〜6員の複素環基などが含ま
れる。また、R1及びR2が互いに結合して、隣接するカ
ルボニル炭素原子と共に、3〜15員程度の脂環式炭化
水素環、2〜4環程度の橋かけ環式炭化水素環又は橋か
け環式複素環、5〜8員程度の非芳香族性複素環を形成
するのも好ましい。
【0016】式(1)で表されるカルボニル化合物の代
表的な例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブ
チルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、デカナ
ール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒドなどの脂
肪族アルデヒド;シクロペンタンカルバルデヒド、シク
ロヘキサンカルバルデヒド、1−アダマンタンカルバル
デヒドなどの脂環式アルデヒド;ベンズアルデヒド、フ
タルアルデヒドなどの芳香族アルデヒド;フルフラー
ル、2−ピリジンカルバルデヒドなどの複素環アルデヒ
ド;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルs−ブチル
ケトン、メチルt−ブチルケトン、メチルデシルケト
ン、ジエチルケトン、エチルイソプロピルケトン、イソ
プロピルブチルケトン、メチルビニルケトン、メチルイ
ソプロペニルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、メ
チルフェニルケトン、メチル(2−メチルフェニル)ケ
トン、メチル(2−ピリジル)ケトン、シクロヘキシル
フェニルケトンなどの鎖状ケトン;シクロプロパノン、
シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノ
ン、2−シクロヘキセン−1−オン、2−メチルシクロ
ヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチル
シクロヘキサノン、4−t−ブチルシクロヘキサノン、
4−クロロシクロヘキサノン、イソホロン、シクロヘプ
タノン、シクロオクタノン、シクロデカノン、シクロド
デカノン、シクロペンタデカノン、1,3−シクロヘキ
サンジオン、1,4−シクロヘキサンジオン、2−アダ
マンタノンなどの環状ケトンなどが例示できる。
【0017】[オキシムエステル化合物]式(2)で表
されるオキシムエステル化合物において、R3、R4、R
5は非反応性原子又は非反応性有機基を示す。非反応性
原子又は非反応性有機基には、例えば、水素原子、ハロ
ゲン原子、炭化水素基、複素環基などが含まれる。
【0018】前記ハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩
素及びフッ素原子が含まれる。前記炭化水素基、複素環
基としては、前記R1、R2における炭化水素基及び複素
環基と同様の基が挙げられる。また、R4及びR5が、互
いに結合して、隣接する炭素原子と共に形成する環とし
ては、前記R1及びR2が互いに結合して隣接するカルボ
ニル炭素原子と共に形成してもよい環と同様の基が挙げ
られる。これらの炭化水素基、複素環基、R4及びR5
互いに結合して隣接する炭素原子と共に形成する環は、
前記と同様の置換基を有していてもよい。
【0019】好ましいR3には、水素原子、C1-10アル
キル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル基などのC1-6アルキル基、特にC1-4アルキル基な
ど)、C2-6アルケニル基(例えば、ビニル、2−プロ
ペニル基など)、C6-10アリール基(例えば、フェニル
基、ナフチル基など)、C3-10シクロアルキル基(例え
ば、シクロペンチル、シクロヘキシル基などのC5-8
クロアルキル基など)などが含まれる。なかでも、R3
として、水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、2
−プロペニル基、フェニル基などが好ましい。
【0020】好ましいR4、R5には、C1-10アルキル基
(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基
などのC1-6アルキル基、特にC1-4アルキル基など)、
2- 6アルケニル基(例えば、ビニル、2−プロペニル
基など)、C6-10アリール基(例えば、フェニル基、ナ
フチル基など)、C3-10シクロアルキル基(例えば、シ
クロペンチル、シクロヘキシル基などのC5-8シクロア
ルキル基など)などが含まれる。また、R4とR5が互い
に結合して隣接する炭素原子と共に環(例えば、シクロ
プロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シク
ロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環な
どの3〜20員環、好ましくは3〜15員環、さらに好
ましくは5〜10員環、特に5〜6員環)を形成するの
も好ましい。
【0021】前記オキシムエステル化合物は、後述する
式(3)で表されるエノールエステル化合物と、下記式
(5)
【化9】 (式中、R4、R5は前記に同じ)で表されるオキシム化
合物とを金属触媒の存在下で反応させることにより得る
ことができる。
【0022】前記金属触媒としては、例えば、サマリウ
ム、ランタンなどの周期表3族元素の酸化物、ハロゲン
化物(ヨウ化物、臭化物、塩化物、フッ化物)、無機酸
塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩など)、有機酸
塩(例えば、酢酸塩などのカルボン酸塩、トリフルオロ
メタンスルホン酸塩などのスルホン酸塩など)、錯体
(例えば、アセチルアセトナト錯体、シクロペンタジエ
ニル錯体、ジペンタメチルシクロペンタジエニル錯体な
ど)などを使用できる。
【0023】前記オキシム化合物としては、前記式
(2)で表されるオキシムエステル化合物に対応する化
合物を使用する。例えば、式(5)で表されるオキシム
化合物として、アセトンオキシム、2−ヘキサノンオキ
シムなどの脂肪族オキシム;シクロペンタノンオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシムなどの脂環式オキシム;
アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシムなど
の芳香族オキシムなどが例示できる。
【0024】式(3)で表されるエノールエステル化合
物と式(5)で表されるオキシム化合物との反応は、例
えば、トルエンなどの適当な溶媒中、0〜100℃、好
ましくは10〜60℃程度の温度で行われる。式(3)
で表されるエノールエステル化合物と式(5)で表され
るオキシム化合物との割合は、例えば、前者/後者(モ
ル比)=1/5〜5/1、好ましくは1/2〜2/1程
度である。また、前記金属触媒の使用量は、式(5)で
表されるオキシム化合物1モルに対して、例えば0.0
01〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モル程度で
ある。
【0025】この反応により、例えば、酢酸ビニルや酢
酸イソプロペニルなどの酢酸エステルとシクロヘキサノ
ンオキシムとからシクロヘキサノンオキシムアセテート
が、また、前記酢酸エステルとアセトンオキシムとから
アセトンオキシムアセテートが得られる。反応終了後、
慣用の分離精製手段により、式(2)で表されるオキシ
ムエステル化合物を分離精製することができる。
【0026】[エノールエステル化合物]式(3)で表
されるエノールエステル化合物におけるR3は、前記式
(3)におけるR3と同様である。式(3)中、R6、R
7、R8におけるC1-5アルキル基としては、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
ペンチル基などが挙げられる。R6、R7、R8のうち少
なくとも2つの基は、互いに結合して、隣接する炭素原
子又は炭素−炭素二重結合と共に環を形成していてもよ
い。このような環には、シクロプロパン環、シクロブタ
ン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘ
キセン環、シクロヘプタン環などのシクロアルカン環、
シクロアルケン環などが挙げられる。前記環の員数は、
例えば3〜10程度である。
【0027】R6として、好ましくは、水素原子又はメ
チル基であり、R7、R8として、好ましくは水素原子で
ある。好ましいエノールエステル化合物には、例えば、
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸イ
ソプロペニル、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソ
プロペニルなどが含まれる。
【0028】[反応]反応は、溶媒の存在下又は非存在
下で行われる。前記溶媒としては、例えば、ヘキサン、
オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエンな
どの芳香族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサンなどの脂環式炭化水素;クロロホルム、ジクロロ
メタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼ
ン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
メトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、
ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;及
びこれらの混合溶媒などが挙げられる。
【0029】前記オキシムエステル化合物又はエノール
エステル化合物の使用量は、式(1)で表されるカルボ
ニル化合物1モルに対して、例えば、0.8モル以上
(例えば0.8〜10モル程度)、好ましくは0.8〜
5モル程度である。なお、オキシムエステル化合物とエ
ノールエステル化合物とを併用することもできる。ま
た、エノールエステル化合物を用いる場合、系内に、前
記式(5)で表されるオキシム化合物、及び必要に応じ
て前記金属触媒を存在させてもよい。この場合のオキシ
ム化合物の使用量は、例えば、エノールエステル化合物
1モルに対して、0.001〜2モル程度、好ましくは
0.01〜1.5モル程度であり、前記金属触媒の使用
量は、エノールエステル化合物1モルに対して、0〜1
モル(例えば0.001〜1モル)程度、好ましくは0
〜0.5モル(例えば0.01〜0.5モル)程度であ
る。
【0030】周期表3族元素のアルコキシド(金属アル
コキシド)の使用量は、金属アルコキシドのアルコキシ
基(又はシクロアルキルオキシ基)基準で、式(1)で
表されるカルボニル化合物に対して、例えば、1倍当量
以上(例えば1〜5倍当量程度)、好ましくは1.5〜
3倍当量程度である。反応温度は、例えば、−20〜1
50℃、好ましくは0〜100℃、さらに好ましくは1
0〜60℃程度である。反応時間は、例えば、10分〜
48時間程度の範囲から適当に選択できる。反応は、回
分式、半回分式、連続式の何れの方法で行ってもよい。
【0031】本発明の方法では、反応により、原料カル
ボニル化合物としてアルデヒドを用いた場合には、該ア
ルデヒドに対応するアルコール(すなわち第1級アルコ
ール)のアシル体が生成し、原料カルボニル化合物とし
てケトンを用いた場合には、該ケトンに対応するアルコ
ール(すなわち第2級アルコール)のアシル体が生成す
る。反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、例えば、
濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマ
トグラフィーなどの分離精製手段により、又はこれらを
組み合わせることにより、容易に分離精製できる。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、中性又は中性に
近い条件下で、カルボニル化合物(アルデヒド又はケト
ン)を、該カルボニル化合物に対応するアルコールのア
シル体(エステル)に変換できる。そのため、反応成分
や目的化合物が酸や塩基に弱く、変質、分解しやすい化
合物であっても、高い収率でエステルを製造できる。ま
た、カルボニル化合物から、該カルボニル化合物に対応
するアルコールのアシル体を、ワンステップで効率よく
製造できる。このため、カルボニル化合物からアシル基
で保護されたアルコールを得る方法として極めて有用で
ある。
【0033】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。なお、反応生成物の分析はガスク
ロマトグラフィーにより行った。「OiPr」はイソプ
ロポキシ基を示す。
【0034】実施例1 シクロヘキサノン0.3ミリモル、シクロヘキサノンオ
キシムアセテート1.2ミリモル、サマリウムイソプロ
ポキシド[Sm(OiPr)3]0.2ミリモル及びテ
トラヒドロフラン2mlの混合液を25℃で3時間攪拌
した。その結果、酢酸シクロヘキシルが収率82%で得
られた。
【0035】実施例2 サマリウムイソプロポキシドに代えてランタンイソプロ
ポキシド[La(OiPr)3]を0.2ミリモル用い
た以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、酢酸シ
クロヘキシルが収率27%で得られた。
【0036】実施例3 サマリウムイソプロポキシドに代えてイッテルビウムイ
ソプロポキシド[Yb(OiPr)3]を0.2ミリモ
ル用いた以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、
酢酸シクロヘキシルが収率34%で得られた。
【0037】比較例1 サマリウムイソプロポキシドに代えてアルミニウムイソ
プロポキシド[Al(OiPr)3]を0.2ミリモル
用いた以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、反
応は全く進行しなかった。
【0038】実施例4 シクロヘキサノンオキシムアセテートに代えてアセトン
オキシムアセテートを1.2ミリモル用いた以外は実施
例1と同様の操作を行ったところ、酢酸シクロヘキシル
が収率64%で得られた。
【0039】実施例5 シクロヘキサノンオキシムアセテートに代えて酢酸イソ
プロペニルを1.2ミリモル用いた以外は実施例1と同
様の操作を行ったところ、酢酸シクロヘキシルが収率7
4%で得られた。
【0040】実施例6 シクロヘキサノンに代えて4−メチルシクロヘキサノン
を0.3ミリモル用いた以外は実施例1と同様の操作を
行ったところ、酢酸4−メチルシクロヘキシルが収率8
1%で得られた。
【0041】実施例7 シクロヘキサノンに代えて4−t−ブチルシクロヘキサ
ノンを0.3ミリモル用いた以外は実施例1と同様の操
作を行ったところ、酢酸4−t−ブチルシクロヘキシル
が収率76%で得られた。
【0042】実施例8 シクロヘキサノンに代えて3−メチルシクロヘキサノン
を0.3ミリモル用いた以外は実施例1と同様の操作を
行ったところ、酢酸3−メチルシクロヘキシルが収率6
9%で得られた。
【0043】実施例9 シクロヘキサノンに代えて2−メチルシクロヘキサノン
を0.3ミリモル用いた以外は実施例1と同様の操作を
行ったところ、酢酸2−メチルシクロヘキシルが収率3
5%で得られた。
【0044】実施例10 シクロヘキサノンに代えてシクロヘプタノンを0.3ミ
リモル用いた以外は実施例1と同様の操作を行ったとこ
ろ、酢酸シクロヘプチルが収率26%で得られた。
【0045】実施例11 シクロヘキサノンに代えて2−シクロヘキセン−1−オ
ンを0.3ミリモル用いた以外は実施例1と同様の操作
を行ったところ、酢酸2−シクロヘキセニルが収率7%
で得られた。
【0046】実施例12 シクロヘキサノンに代えてジエチルケトンを0.3ミリ
モル用いた以外は実施例1と同様の操作を行ったとこ
ろ、酢酸1−エチルプロピルが収率8%で得られた。
【0047】実施例13 シクロヘキサノンに代えてベンズアルデヒドを0.3ミ
リモル用いた以外は実施例1と同様の操作を行ったとこ
ろ、酢酸ベンジルが収率70%で得られた。
【0048】実施例14 シクロヘキサノンに代えてブチルアルデヒドを0.3ミ
リモル用いた以外は実施例1と同様の操作を行ったとこ
ろ、酢酸ブチルが収率24%で得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期表3族元素のアルコキシドの存在
    下、下記式(1) 【化1】 (式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子又は
    隣接するカルボニル炭素原子との結合部位に炭素原子を
    有する有機基を示し、R1及びR2は互いに結合して、隣
    接するカルボニル炭素原子と共に環を形成していてもよ
    い)で表されるカルボニル化合物と、下記式(2) 【化2】 (式中、R3、R4、R5は、同一又は異なって、非反応
    性原子又は非反応性有機基を示す。R4及びR5は、互い
    に結合して、隣接する炭素原子と共に環を形成していて
    もよい)で表されるオキシムエステル化合物、又は下記
    式(3) 【化3】 (式中、R3は非反応性原子又は非反応性有機基を示
    す。R6、R7、R8は、同一又は異なって、水素原子又
    はC1-5アルキル基を示す。R6、R7及びR8は、互いに
    結合して、隣接する炭素原子又は炭素−炭素二重結合と
    共に環を形成していてもよい)で表されるエノールエス
    テル化合物とを反応させて、下記式(4) 【化4】 (式中、R1、R2、R3は前記に同じ)で表されるエス
    テルを生成させるエステルの製造法。
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