JP2002348269A - アミド化合物の製造方法 - Google Patents

アミド化合物の製造方法

Info

Publication number
JP2002348269A
JP2002348269A JP2001155267A JP2001155267A JP2002348269A JP 2002348269 A JP2002348269 A JP 2002348269A JP 2001155267 A JP2001155267 A JP 2001155267A JP 2001155267 A JP2001155267 A JP 2001155267A JP 2002348269 A JP2002348269 A JP 2002348269A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anhydride
acid
amide compound
reaction
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001155267A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Kawaragi
裕二 河原木
Toru Setoyama
亨 瀬戸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001155267A priority Critical patent/JP2002348269A/ja
Publication of JP2002348269A publication Critical patent/JP2002348269A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】液相中、温和な反応条件下、オキシム化合物を
ベックマン転位せしめ高効率でアミド化合物を製造する
方法を提供する。 【解決手段】スルホン酸及びその酸無水物から選ばれた
化合物を含む酸成分とN,N−二置換アミド化合物を含
む触媒の存在下、液相中でオキシム化合物を転位させて
アミド化合物を得る方法において、液相中の水分量を2
000ppm以下とし、且つスルホン酸及びその酸無水
物を含む酸成分の合計に対する水のモル比を1以下に維
持しつつ反応を行うことを特徴とするアミド化合物の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアミド化合物の製造
方法に関する。詳しくは、液相中で触媒の存在下にオキ
シムのベックマン転位反応を行うことによりアミド化合
物を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、工業的に行われているアミド
化合物の製造方法としては、オキシム化合物をベックマ
ン転位反応させてアミド化合物に変換させる方法が知ら
れており、例えば、ε−カプロラクタムはシクロヘキサ
ノンオキシムのベックマン転位反応により製造されてい
る。かかるベックマン転位反応は、現在、工業的には濃
硫酸または発煙硫酸のような強酸を触媒として用いた液
相反応が採用されている。しかしながら、この公知の方
法では、生成したラクタム化合物の分離のために、通
常、硫酸をアンモニアで中和する必要があり、前記ラク
タム化合物の約2倍量の硫酸アンモニウム(硫安)が副
生すること、および大量の強酸を用いるために反応装置
の腐食などの問題があり、必ずしも経済的な方法とは言
えず、効率的な転位反応用触媒の開発が期待されてい
る。
【0003】そこで、硫酸触媒を使用しない液相でのベ
ックマン転位反応に関し、種々の検討が行なわれてき
た。例えば、均一触媒を用いた液相でのシクロヘキサノ
ンオキシムのベックマン転位反応では、N,N−ジメチ
ルホルムアミドとクロルスルホン酸の反応で得られるイ
オン対(ビスマイヤー錯体)を触媒とする方法(M.A.Ki
ra and Y.M.Shaker ,Egypt. J.Chem.,16,551(1973))、
エポキシ化合物と強酸(三フッ化ホウ素・エーテラート
等)から生成するアルキル化剤とN,N−ジアルキルホ
ルムアミドから成る触媒を用いる方法(Y.Izumi,Chemis
try Letters,pp.2171(1990))、シクロヘキサノンオキシ
ムをヘプタン溶媒中でリン酸或いは縮合性リン酸化合物
を用いて転位させる方法(特開昭62−149665号
公報)、五酸化リンおよびN,N−ジアルキルホルムア
ミド等の化合物から成る触媒を用いる方法(特許-26
52280号)、五酸化リンおよび含フッ素強酸あるい
はその誘導体とN,N−ジアルキルホルムアミド等の化
合物から成る触媒を用いる方法(特開平5−10565
4号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法はそれぞ
れ、一長一短があり、工業的製法として必ずしも満足出
来るものではない。例えば、特開平5−105654号
公報では、触媒成分として五酸化リンが使用され、高い
触媒活性を示してはいるが、触媒活性が水分により失活
するので、反応原料化合物は乾燥して使用することが必
要であり、しかも五酸化リンはその高い吸湿性の点から
操作上の難点がある。そこで、本発明者らは、五酸化リ
ンを使用しない触媒を探索し、先に高い触媒活性を示す
スルホン酸又はスルホン酸無水物とN,N−二置換アミ
ドを含む触媒を提案したが、このような触媒を用いた反
応系中での水の影響についてはこれまで何ら検討されて
いなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題に
鑑み、五酸化リンを使用しない触媒系での反応条件につ
いて鋭意検討した結果、反応液相の水分量を特定値以下
とすることにより高効率でアミド化合物を製造する方法
を見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発明の要
旨は、スルホン酸及びその酸無水物から選ばれた化合物
を含む酸成分とN,N−二置換アミド化合物を含む触媒
の存在下、液相中でオキシム化合物を転位させてアミド
化合物を得る方法において、液相中の水分量を2000
ppm以下とし、且つスルホン酸及びその酸無水物を含
む酸成分の合計に対する水のモル比を1以下に維持しつ
つ反応を行うことを特徴とするアミド化合物の製造方法
に存する。
【0006】本発明の好適な態様としては、上記アミド
化合物の製造方法において、液相中のスルホン酸及びそ
の酸無水物を含む酸成分の合計に対する水のモル比を
0.6以下とすることが挙げられる。又、上記アミド化
合物の製造方法において触媒が、酸成分としてスルホン
酸またはその酸無水物から選ばれた化合物及びカルボン
酸無水物を含むこと、或いは非含フッ素スルホン酸無水
物であることが挙げられ、スルホン酸またはその酸無水
物、或いは非含フッ素スルホン酸無水物が芳香族スルホ
ン酸又は脂肪族スルホン酸及びその無水物から選ばれ、
例えばp−トルエンスルホン酸無水物、メタンスルホン
酸無水物、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸一水和塩又はメタンスルホン酸であることが挙げ
られる。更に、酸成分としてのカルボン酸無水物が炭素
数1〜4のアルキルカルボン酸無水物、特に無水酢酸で
あること、N,N-二置換アミド化合物がN,N-ジメチ
ルホルムアミド化合物であること及びオキシム化合物が
シクロヘキサノンオキシムで、アミド化合物がε−カプ
ロラクタムであることを挙げることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。 <オキシム化合物>本発明のベックマン転位反応で使用
される原料のオキシム化合物は何ら制限されることなく
公知のオキシム化合物が適用される。オキシム化合物と
して具体的には、シクロヘキサノンオキシム、シクロペ
ンタノンオキシム、シクロドデカノンオキシム、アセト
ンオキシム、2−ブタノンオキシム、アセトフェノンオ
キシム、ベンゾフェノンオキシム、4’−ヒドロキシア
セトフェノンオキシム等の炭素数2〜20、好ましくは
3〜13のオキシムが挙げられる。なかでもシクロヘキ
サノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロド
デカノンオキシム等の炭素数4〜20、好ましくは5〜
13の環状オキシム化合物が好ましく適用される。
【0008】<触媒成分>本発明で用いられる転位反応
触媒成分は、スルホン酸又はその酸無水物を含む酸成分
とN,N−二置換アミド化合物を含むものであり、好ま
しい触媒成分系は(I)スルホン酸およびその酸無水物か
らなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物、カルボ
ン酸無水物およびN,N−二置換アミド化合物、又は(I
I) 非含フッ素スルホン酸無水物およびN,N−二置換
アミド化合物である。これら触媒成分からどのような形
態の触媒活性種が生成しているかに関しては、現在のと
ころ明らかではなく、原料のオキシム化合物が作用して
反応が進行することから、原料オキシム化合物も触媒構
成成分の一成分と見なすことが出来る。
【0009】<スルホン酸及びその酸無水物:触媒成分
系(I)>本発明の触媒成分系(I)の一成分として用いられ
るスルホン酸およびその酸無水物からなる群より選ばれ
た少なくとも一種の化合物は特に限定されるものではな
く、置換基を有していても良い炭素数6〜20、好まし
くは6〜10の芳香族スルホン酸、置換基を有していて
も良い炭素数1〜20、好ましくは1〜10の脂肪族ス
ルホン酸およびこれらの酸無水物を使用することができ
る(ここで、置換基とは炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル
基、Cl、Br、F等のハロゲン原子を表す)。これら
の中、より好ましくは非含フッ素スルホン酸及びその無
水物である。
【0010】具体的な化合物としてはベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
・一水和物、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4
−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベン
ゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、4−
フルオロベンゼンスルホン酸、α−ナフチルスルホン
酸、β−ナフチルスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、
メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸、プロパンスルホン酸、1−ヘキサンスル
ホン酸、1−オクタンスルホン酸およびこれらの無水物
等が挙げられ、中でもメタンスルホン酸、トリフロロメ
タンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p
−ドデシルベンゼンスルホン酸およびこれらの無水物が
好ましく、特にメタンスルホン酸、p-トルエンスルホ
ン酸およびこれらの無水物が好ましい。なお、トリフロ
ロメタンスルホン酸およびその酸無水物等の含フッ素強
酸化合物も転位反応を良好に進行させる化合物ではある
が、含フッ素強酸化合物は極めて高価であるため、経済
的な工業製造法を確立するためには高度な該含フッ素強
酸化合物の回収技術ならびに再使用技術の確立が求めら
れる。
【0011】本発明におけるスルホン酸およびその無水
物からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物の使
用量は、特に制限されるものではないが、一般には、原
料オキシムに対して約0.2〜20モル%、好ましくは
1.0〜15モル%、更に好ましくは2.0〜12モル
%の範囲で用いられる。この範囲を越えて少なすぎると
十分な触媒活性が得られず、他方、過多にすぎると転位
反応後の触媒処理に要する負荷が多くなりいずれも好ま
しくない。
【0012】<カルボン酸無水物>本発明の触媒成分系
(I)の一成分として用いられるカルボン酸無水物として
は、特に限定されるものではなく、置換基を有していて
も良い炭素数1〜20、好ましくは1〜8の脂肪族カル
ボン酸無水物、置換基を有していてもよい炭素数6〜1
2の芳香族カルボン酸無水物を使用することができる
(ここで、置換基とは炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、
Cl、Br、F等のハロゲン原子を表す)。カルボン酸
の価数は特に限定されないが、好ましくは一価である。
具体的な化合物としては、無水酢酸、プロピオン酸無水
物、n−酪酸無水物、n−吉草酸無水物、n−カプロン
酸無水物、n−ヘプタン酸無水物、2−エチルヘキサン
酸無水物、安息香酸無水物、フタル酸無水物、マレイン
酸無水物、コハク酸無水物等が挙げられるが、中でも低
沸点化合物の無水酢酸、プロピオン酸無水物が本発明で
は好ましい。
【0013】本発明におけるカルボン無水物の使用量
は、特に制限されるものではないが、一般には、上述し
たスルホン酸およびこれらの酸無水物からなる群より選
ばれた少なくとも一種の化合物に対して約0.5〜20
0モル倍、好ましくは1.0〜100モル倍、更に好ま
しくは2.0〜50モル倍の範囲で用いられる。この範
囲を越えて少なすぎると十分な触媒活性が得られず、他
方、過多にしすぎると転位反応後の触媒分離に要する負
荷が多くなりいずれも好ましくない。
【0014】<スルホン酸及びその酸無水物:触媒成分
系(II)>本発明の触媒成分(II)として用いられる非含フ
ッ素スルホン酸無水物も特に限定されるものではなく、
芳香族或いは直鎖又は環状の脂肪族スルホン酸無水物が
挙げられ、芳香環に1以上の置換基を有していても良い
炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜10の芳香族ス
ルホン酸無水物または置換基を有していても良い炭素数
1〜20、好ましくは炭素数1〜10の脂肪族スルホン
酸無水物を使用することができる(ここで、置換基とは
炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、炭素数2〜4のアシル基、Cl、Br等のハロゲン
原子を表す)。
【0015】具体的な化合物としてはベンゼンスルホン
酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、m−キシレ
ン−4−スルホン酸無水物、p−ドデシルベンゼンスル
ホン酸無水物、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸無
水物、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸無水物、4
−クロロベンゼンスルホン酸無水物、α−ナフチルスル
ホン酸無水物、β−ナフチルスルホン酸無水物、ビフェ
ニルスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、エタ
ンスルホン酸無水物、プロパンスルホン酸無水物、1−
ヘキサンスルホン酸無水物、1−オクタンスルホン酸無
水物等が挙げられ、中でもp−トルエンスルホン酸無水
物、メタンスルホン酸無水物が好ましい。
【0016】本発明の触媒成分系(II)における非含フッ
素スルホン酸無水物の使用量は、特に制限されるもので
はないが、一般には、原料オキシムに対して約0.2〜
20モル%、好ましくは1.0〜15モル%、更に好ま
しくは2.0〜12モル%の範囲で用いられる。この範
囲を超えて少な過ぎると十分な触媒活性が得られず、他
方、過多にすぎると転位反応後の触媒処理に要する負荷
が多くなりいずれも好ましくない。
【0017】<N,N−二置換アミド化合物>本発明の
触媒系(I)及び(II)で使用するN,N−二置換アミド化合
物としては、通常、炭素数1〜18、好ましくは炭素数
1〜8、更に好ましくは炭素数1〜4の同一または異な
るアルキル置換基を窒素原子上に有するカルボン酸アミ
ドであり、特にホルムアミドである。窒素原子上の置換
基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基等
が挙げられ、中でもアルキル基が好ましく、窒素原子を
含む環状構造を有しないアミド化合物が好ましい。具体
的な化合物としては、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジ−i−プロピ
ルホルムアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N,N
-ジペンチルホルムアミド、N,N-ジオクチルホルムア
ミド、N−メチル,N−ステアリルホルムアミド等を挙
げることができ、中でも2つのアルキル基が同一のもの
が好ましく、特にN,N−ジメチルホルムアミドが好ま
しい。
【0018】上記したN,N−二置換アミド化合物の使
用量は特に制限されず、原料オキシム化合物の使用量範
囲ならびにスルホン酸およびこれらの酸無水物からなる
群より選ばれた少なくとも一種の化合物の使用範囲、更
にはカルボン酸無水物の使用量範囲によっても異なり画
一的に規定さるものではないが、通常、オキシム化合物
に対して1重量倍から1000重量倍、好ましくは10
重量倍から100重量倍の量を用いることが出来る。ま
た、スルホン酸とスルホン酸無水物の合計量に対して
は、通常10〜2000モル比、好ましくは25〜10
00モル比、更に好ましくは50〜500モル比を用い
る。本発明で使用するN,N−二置換アミド化合物は、
触媒の構成成分であると同時に溶媒としての作用をも奏
するので、転位反応を円滑に進行させるために適当な溶
媒を使用する場合には該溶媒と混合して使用する事が出
来る。
【0019】本発明の転位反応に使用することが出来る
N,N−二置換アミド化合物以外の溶媒としては、例え
ば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−
ドデカン等の脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、メト
キシベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、アセトニトリ
ル、プロパンニトリル、カプロニトリル、アジポニトリ
ル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニトリル化合
物、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、マロン酸ジ
メチル、コハク酸ジメチル等のエステル化合物等を挙げ
ることができ、これらは単独でも混合しても使用するこ
とが出来る。N,N−二置換アミド化合物以外の溶媒を
用いる場合は、N,N−二置換アミド化合物に対し、
0.01〜20容量倍で混合することができ、好ましく
は0.1〜10容量倍で、更に好ましくは0.5〜1の
容量倍で混合することができる。このような範囲で混合
することにより、反応後にN,N−二置換アミド化合物
を蒸留分離する際の負荷を低減することができる。
【0020】本発明方法では、転位反応液相中のスルホ
ン酸及びその酸無水物を含む酸成分に対する水分量を特
定値以下に低減させ、且つ液相中の水分量を2000p
pm以下とすることが、オキシム化合物の転位によって
アミド化合物を製造する方法において、目的のアミド化
合物の選択性を向上し、かつ反応速度を向上させるため
に必要である。このための具体的方法としては、反応に
使用するオキシム化合物、N,N−二置換アミド化合物
および/又は反応溶媒、更には転位反応器および反応器
に付随する受器や配管類等を予め乾燥させて使用するこ
とが挙げられる。また、反応系中の水分濃度を一定に保
つためにも、反応は乾燥処理したガスの雰囲気下で実施
することが好ましく、水分を含有する大気の混入は避け
ることが好ましい。通常は窒素、アルゴン、ヘリウムな
どの不活性なガス雰囲気で行われる。乾燥した空気も使
用できる。反応液中の水分を除去するために、反応液中
に吸水剤を存在させてもよい。
【0021】上記したオキシム化合物、N,N−二置換
アミド化合物、反応溶媒および反応雰囲気ガスの乾燥
は、それぞれ以下に示されるような工程で行うのが好ま
しい。オキシムの一般的な工業的な製造方法は、ケトン
類にヒドロキシルアミン硫酸塩とアンモニアを作用させ
る。この様な製造方法を経て得られたオキシム化合物
は、5から10重量%程度の水を含有するのが一般的で
ある。これを後述する乾燥したN,N−二置換アミド化
合物および/又は反応溶媒と組み合わせて、反応液相中
の含水量を所定値を満足させるような程度にするまで低
減させて使用する。具体的なオキシム化合物の乾燥方法
としては、一般的な蒸留、薄膜蒸発器を用いた蒸留、晶
析、固体オキシムの減圧乾燥等の方法が挙げられ、これ
らを適宜組み合わせても良い。本発明方法の原料オキシ
ム化合物としては、通常、1重量%以下、好ましくは
0.1重量%以下、更に好ましくは0.01重量%以下
に含水量を低減したものを使用するのが好ましい。
【0022】さらに本発明では、N,N−ジアルキルア
ミド化合物、反応溶媒および反応雰囲気のガスを乾燥す
ることが必要である。具体的な例としては、一般的な蒸
留、薄膜蒸発器を用いた蒸留、モレキュラーシブス等を
用いた乾燥、金属ナトリウム等を用いる方法、硫酸ナト
リウムや硫酸マグネシウム等の塩類を用いた乾燥等の手
法を用いることができる。またこれらを組合わせること
もできる。該N,N-ジアルキルアミド化合物および反
応溶媒の乾燥が十分に行われているものを入手出来る場
合は、本工程を必ずしも含まなくてもよい。
【0023】本発明方法では、反応液相中のスルホン酸
及びスルホン酸無水物を含む酸成分の合計に対する水分
モル比が1以下となるよう制御させて反応を行うことが
必要である。その為には本発明の転位反応を行うに際
し、上記の乾燥工程を経て得られたオキシム化合物、
N,N−二置換アミド化合物および/又は反応溶媒の乾
燥の程度を適宜組み合わせ、液相中の水分量を所定の状
態に制御することが好ましい。本発明では反応液相中の
スルホン酸及びスルホン酸無水物を含む酸成分の合計に
対する水分モル比が1以下、好ましくは0.6モル比以
下、更に0.2モル比以下が最も好ましい。水分量の測
定は公知の方法によって行えばよく、例えばカールフィ
ッシャー法が例示される。
【0024】本発明では、上記の通り反応液相中のスル
ホン酸等の酸成分に対する水分量を低減させ、且つ液相
中の水分量を2000ppm以下とすることにより、目
的とするアミド化合物の選択性が著しく向上する他、反
応速度も向上する。選択性が向上することは工業的な観
点からは特に有用である。水分濃度を管理することで選
択性が向上する理由は明らかではないが、触媒活性種の
水による失活抑制およびオキシム化合物の水による加水
分解抑制によるものと推定される。
【0025】<反応条件>本発明方法を実施する条件と
しては特に規定されないが、反応温度は通常0℃から2
00℃、好ましくは40℃から150℃、更に好ましく
は60℃から130℃の範囲で実施される。反応圧力も
特に制限されるものでなく、常圧〜加圧条件下で実施さ
れる。また、反応時間或いは滞留時間は、通常10秒〜
10時間であり、好ましくは1分〜7時間である。本発
明ではスルホン酸またはその酸無水物、N,N−二置換
アミド化合物、カルボン酸無水物の触媒成分と原料オキ
シム化合物を如何なる順序で混合しても転位反応は進行
するが、触媒成分系(I)の場合はスルホン酸または酸無
水物とカルボン酸無水物を、触媒成分系(II)の場合は非
含フッ素スルホン酸酸無水物をそれぞれN,N−二置換
アミド化合物に混合した混合物、あるいはこれらの混合
物に更に少量の原料オキシム化合物を加えた混合物を所
定の温度に加熱し、次いで原料オキシム化合物の溶解し
た原料液を逐次的に供給して反応を開始することが好ま
しい。その場合、原料オキシム化合物は、N,N−二置
換アミド化合物の一部に溶解して反応に供することが出
来る。原料オキシム化合物を一括して供給して、上記触
媒成分液中に高濃度のオキシム化合物が存在させた状態
から反応を開始させると、触媒の早期失活や副生成物の
増大に起因するため好ましくない。
【0026】<反応形式>本発明の反応を実施する反応
形式は特に規定されるものではなく、回分反応、連続流
通反応のいずれでも実施することができるが、工業的に
は連続流通反応形式を用いるのが好ましい。反応器の形
式については特に制約はなく、1槽あるいは2槽以上の
連続した攪拌槽からなる反応器や、チューブラー型反応
器等、一般的な反応器を使用することができる。また、
本発明では酸触媒を用いるため、反応器材質は耐腐食性
材質のものを用いるのが好ましく、例えばステンレス
鋼、ハステロイ、モネル、インコネル、チタン、チタン
合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニッケル、ニ
ッケル合金、タンタル、又はフッ素樹脂、各種ガラスを
内側にコーテイングした材料などが例示できる。
【0027】生成したアミド化合物は反応終了後、少量
のアンモニウム水溶液等のアルカリ性化合物により触媒
を中和処理し失活させた後、抽出操作や蒸留操作等の通
常の方法で反応液から分離、精製取得することができる
が、場合により中和処理を行わずに、公知の蒸留、晶
析、抽出などの方法で分離操作を行うことにより取得す
ることも可能である。
【0028】本発明の反応形式につき、以下に本発明の
連続流通反応の例を挙げて具体的に述べる。十分に乾燥
処理した反応器に本発明の触媒液、すなわち触媒の一成
分であるスルホン酸またはその無水物、及びカルボン酸
無水物(触媒系(I)の場合)を溶解させたN,N−二置換
アミド化合物液を供給し所定温度に維持する。これに原
料オキシム化合物を溶解させたN,N−二置換アミド液
を必要に応じ不活性溶媒とともに連続的に供給して所望
の滞留時間の間に反応させ、同時に生成したアミド化合
物、未反応オキシム化合物および触媒、更には溶媒を含
む反応混合物を連続的に取り出す。
【0029】<反応後の処理>取り出した反応混合物
は、軽沸副生物、溶媒、カルボン酸(触媒系(I)でカル
ボン酸無水物を使用した場合)、N,N−二置換アミ
ド、目的アミド化合物、未反応オキシム、残りの触媒成
分を含む。この反応混合物は、次に蒸留塔に導かれ、蒸
留により順次軽沸副生物、トルエン等の溶媒、カルボン
酸(カルボン酸無水物を使用した場合)、触媒成分の一
つであるN,N−二置換アミドを留去し、目的生成物で
あるアミド化合物と未反応オキシム化合物と残りの触媒
成分を含む混合物を得る。回収した溶媒および触媒構成
成分であるN,N−二置換アミドは反応器へ再循環し得
るが、この場合、不要な副生成物類は別途、蒸留等の分
離手段で分離除去する。
【0030】蒸留で分離した目的生成物であるアミド化
合物、未反応オキシム化合物、残りの触媒を含む混合物
は、例えば、NH3、NaOH等のアルカリ化合物の水
溶液を加えて中和し触媒を失活させた後、トルエン等の
溶媒を貧溶媒として添加して失活触媒を固体析出化させ
て、目的生成物であるアミド化合物及びオキシム化合物
と触媒とを分離することができる。次に、溶媒と目的ア
ミド化合物及びオキシム化合物の混合物は、蒸留分離、
抽出分離あるいは晶析分離等の各種分離操作により溶媒
と目的アミド化合物及びオキシム化合物とに分離する。
回収した溶媒は触媒失活工程へと再循環し、その場合、
不要な副生成物類は別途、蒸留等の分離手段で分離す
る。目的アミド化合物は更に蒸留塔に導いて精製するこ
とにより、更に高純度品を得ることができる。
【0031】NH3、NaOH等のアルカリ化合物を加
えて失活・分離した触媒塩は、例えば、硫酸、塩酸、硝
酸等の強酸、あるいは固体酸、酸型のイオン交換樹脂等
を用いて容易にスルホン酸に戻すことができる。再生し
たスルホン酸化合物は不活性溶媒に溶解させた状態でそ
のまま反応系に再循環することが可能であるが、酸無水
物に変換する必要がある場合は、温和な操作条件で例え
ば、発煙硫酸、五酸化二燐、縮合リン酸等の脱水剤との
接触で容易に脱水してスルホン酸無水物に変換させるこ
とが可能であり、再生されたスルホン酸無水物は不活性
溶媒とともに反応器へと再循環することが可能である。
【0032】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの
実施例に限定されるものではない。なお、以下の例にお
いて、オキシム転化率およびラクタム収率は仕込みオキ
シム化合物に対するモル%で表し、TON値(Turn Over
Number)は仕込みスルホン酸またはスルホン酸無水物に
対する生成ラクタムのモル数で表した。
【0033】参考例1 ヒドロキシルアミン硫酸塩とアンモニアとシクロヘキサ
ノンの反応で得られ、水を約3.5重量%含んだ溶融シ
クロヘキサノンオキシムを室温で結晶化させた。得られ
た結晶を細かく砕いた後、50℃、0.5torrの条
件で8時間減圧乾燥した。この様にして得た乾燥シクロ
ヘキサノンオキシムの固体を、カールフィッシャー法で
水分量を測定したところ、35ppmであった。得られ
たシクロヘキサノンオキシムを反応原料として使用し
た。
【0034】参考例2 減圧下270℃で7時間焼成したモレキュラーシーブス
50gを、市販のN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)500gに加え、乾燥窒素雰囲気にて数日間保持し
た。処理後のN,N−ジメチルホルムアミドの水分濃度
をカールフィッシャー法で測定したところ、1.7pp
mであった(以下、DMF−Aと略す)。このDMF−
Aに脱塩水を添加して水分量の異なるN,N-ジメチルホ
ルムアミドを調製し、それぞれの水分濃度をカールフィ
ッシャー法で測定した。各N,N−ジメチルホルムアミ
ドの含水量は、56.8ppm(以下、DMF−Bと略
す)、1367ppm(以下、DMF−Cと略す)およ
び2681ppm(以下、DMF−Dと略す)であっ
た。
【0035】実施例1 100℃の乾燥機で乾燥した30mlの丸底フラスコ
を、減圧下270℃で7時間焼成したモレキュラーシー
ブス−4Aで処理した乾燥窒素で置換後、同乾燥窒素雰
囲気下で乾燥処理を施したシクロヘキサノンオキシム
(参考例1で取得)2.008g(17.744mmo
l)およびDMF−B液7.6gを仕込んだ。反応開始
前の原料供給液中の水分濃度をカールフィッシャー法で
測定したところ、52ppmであった。この原料液にp
−トルエンスルホン酸無水物(PTSA)0.312g(0.
956mmol)を添加して、80℃に加熱したオイル
バスにフラスコを設置し、攪拌させながらベックマン転
位反応を行った。10分間反応させた後、反応液を市販
の28%−NH3水溶液で処理して触媒を失活させ、その後
反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結
果、シクロヘキサノンオキシムの転換率は66.8%、
ε−カプロラクタムの収率は62.2%、TON値は1
1.5であった。反応液相中(反応開始前)のp−トル
エンスルホン酸無水物に対する水の割合(H2O/PTS
A)は、0.03であった。尚、反応系中でも水がごく
微量生成するが、反応に影響を与えることはないため無
視することができる。以下の実施例及び比較例において
も同様にした。
【0036】実施例2 実施例1において、DMF−B液の代わりにDMF−C
液を用いて実施した以外は同様の方法でシクロヘキサノ
ンオキシムのベックマン転位反応を実施した。反応開始
前の原料供給液中の水分濃度をカールフィッシャー法で
測定したところ、1093ppmであった。反応液をガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、シクロヘキサノ
ンオキシムの転換率は45.0%、ε−カプロラクタム
の収率は37.6%、TON値は7.0であった。反応
液相中(反応開始前)のp−トルエンスルホン酸無水物
に対する水の割合(H2O/PTSA)は、0.61であっ
た。
【0037】比較例1 実施例1において、DMF−B液の代わりにDMF−D
液を用いて実施した以外は同様の方法でシクロヘキサノ
ンオキシムのベックマン転位反応を実施した。反応開始
前の原料供給液中の水分濃度をカールフィッシャー法で
測定したところ、2130ppmであった。反応液をガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、ε−カプロラク
タムは殆ど生成していなかった。反応液相中(反応開始
前)のp−トルエンスルホン酸無水物に対する水の割合
(H2O/PTSA)は、1.19であった。
【0038】実施例3 100℃の乾燥機で乾燥した30mlの丸底フラスコ
を、減圧下270℃で7時間焼成したモレキュラーシー
ブス−4Aで処理した乾燥窒素で置換後、同乾燥窒素雰
囲気下でp−トルエンスルホン酸無水物0.302g
(0.924mmol)、無水酢酸(Ac2O)0.209
g(2.047mmol)およびDMF−B液8.0g
を仕込んだ。次にフラスコを80℃に加熱したオイルバ
スに設置して74℃まで昇温させ、これに上記乾燥窒素
雰囲気下で乾燥処理を施したシクロヘキサノンオキシム
(参考例1で取得)3.840g(33.934mmo
l)をDMF−B液7.2gに溶解させた液を10分間
かけて添加してベックマン転位反応を行った。反応開始
前の反応液(原料オキシムおよびDMF全量)中の水分
濃度をカールフィッシャー法で測定したところ、52p
pmであった。反応終了後、反応液を市販の28%−NH3
水溶液で処理して触媒を失活させ、その後の反応液をガ
スクロマトグラフィーで分析した。その結果、シクロヘ
キサノンオキシムの転換率は71.2%、ε−カプロラ
クタムの収率は68.7%、TON値は25.2であっ
た。反応液相中(反応開始前)のp−トルエンスルホン
酸無水物と無水酢酸の合計量に対する水の割合(H2
/PTSA+Ac2O)は、0.02であった。
【0039】実施例4 実施例3において、DMF−B液の代わりにDMF−C
液を用いて実施した以外は同様の方法でシクロヘキサノ
ンオキシムのベックマン転位反応を実施した。反応開始
前の原料オキシムおよびDMF全量中の水分濃度をカー
ルフィッシャー法で測定したところ、1102ppmで
あった。反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、シクロヘキサノンオキシムの転換率は57.2%、
ε−カプロラクタムの収率は56.1%、TON値は2
0.6であった。反応液相中(反応開始前)のp−トル
エンスルホン酸無水物と無水酢酸の合計量に対する水の
割合(H2O/PTSA+Ac2O)は、0.39であった。
【0040】実施例5 100℃の乾燥機で乾燥した50mlの丸底フラスコ
を、減圧下270℃で7時間焼成したモレキュラーシー
ブス−4Aで処理した乾燥窒素で置換後、同乾燥窒素雰
囲気下でp-トルエンスルホン酸(PTS)0.300
g(1.744mmol)、無水酢酸0.397g
(3.886mmol)およびDMF−A液8.0gを
仕込んだ。次にフラスコを80℃に加熱したオイルバス
に設置して74℃まで昇温させ、これに上記乾燥窒素雰
囲気下乾燥処理を施したシクロヘキサノンオキシム3.
840g(33.934mmol)をDMF−A液7.
2gに溶解させた液を10分間かけて添加してベックマ
ン転位反応を行った。反応開始前の原料オキシムおよび
DMF合量中の水分濃度をカールフィッシャー法で測定
したところ、8.2ppmであった。反応終了後、反応
液を市販の28%-NH3水溶液で処理して触媒を失活させ
た後の液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結
果、シクロヘキサノンオキシムの転換率は73.9%、
ε−カプロラクタムの収率は73.6%、TON値は1
4.3であった。反応液相中(反応開始前)のp−トル
エンスルホン酸と無水酢酸の合計量に対する水の割合
(H2O/PTSA+Ac2O)は、0.002であった。
【0041】実施例6 実施例5において、DMF−A液の代わりにDMF−C
液を用いて実施した以外は同様の方法でシクロヘキサノ
ンオキシムのベックマン転位反応を実施した。反応開始
前の原料オキシムおよびDMF全量中の水分濃度をカー
ルフィッシャー法で測定したところ、1098ppmで
あった。反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、シクロヘキサノンオキシムの転換率は49.9%、
ε−カプロラクタムの収率は44.8%、TON値は
8.7であった。反応液相中(反応開始前)のp−トル
エンスルホン酸と無水酢酸の合計量に対する水の割合
(H2O/PTSA+Ac2O)は、0.21であった。
【0042】比較例2 実施例5において、DMF−A液の代わりにDMF−D
液を用いて実施した以外は同様の方法でシクロヘキサノ
ンオキシムのベックマン転位反応を実施した。反応開始
前の原料オキシムおよびDMF全量中の水分濃度をカー
ルフィッシャー法で測定したところ、2148ppmで
あった。反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、シクロヘキサノンオキシムの転換率は23.0%、
ε−カプロラクタムの収率は18.3%、TON値は
3.6であった。反応液相中(反応開始前)のp−トル
エンスルホン酸と無水酢酸の合計量に対する水の割合
(H2O/PTSA+Ac2O)は、0.48であった。
【0043】
【発明の効果】本発明方法によれば、温和な反応条件下
高い選択率で工業的に有利にアミド類を製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C034 DE03 4H006 AA02 AC53 BA50 BA51 BA52 BB71 BC14 BC37 BD10 BV22 4H039 CA71 CJ10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルホン酸及びその酸無水物から選ばれた
    化合物を含む酸成分とN,N−二置換アミド化合物を含
    む触媒の存在下、液相中でオキシム化合物を転位させて
    アミド化合物を得る方法において、液相中の水分量を2
    000ppm以下とし、且つスルホン酸及びその酸無水
    物を含む酸成分の合計に対する水のモル比を1以下に維
    持しつつ反応を行うことを特徴とするアミド化合物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】触媒が、酸成分としてスルホン酸およびそ
    の酸無水物から選ばれた化合物及びカルボン酸無水物を
    含むものであることを特徴とする請求項1記載のアミド
    化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】触媒が、酸成分として非含フッ素スルホン
    酸無水物を含むものであることを特徴とする請求項1記
    載のアミド化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】液相中のスルホン酸及びその酸無水物を含
    む酸成分の合計に対する水のモル比を0.6以下とする
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    アミド化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】N,N−二置換アミド化合物がN,N−ジ
    アルキルホルムアミドであることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか一項に記載のアミド化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】スルホン酸およびその酸無水物から選ばれ
    た化合物が芳香族スルホン酸又は脂肪族スルホン酸及び
    その無水物であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか一項に記載のアミド化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】スルホン酸およびその酸無水物から選ばれ
    た化合物がp−トルエンスルホン酸無水物、メタンスル
    ホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸、p−トルエン
    スルホン酸一水和塩又はメタンスルホン酸であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のアミド
    化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】カルボン酸無水物が炭素数1〜4のアルキ
    ルカルボン酸無水物であることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか一項に記載のアミド化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】カルボン酸無水物が無水酢酸であることを
    特徴とする請求項8に記載のアミド化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】非含フッ素スルホン酸無水物が、芳香族
    スルホン酸無水物又は脂肪族スルホン酸無水物であるこ
    とを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のア
    ミド化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】非含フッ素スルホン酸無水物が、p−ト
    ルエンスルホン酸無水物及びメタンスルホン酸無水物か
    ら選ばれることを特徴とする請求項3〜6及び10のい
    ずれか一項に記載のアミド化合物の製造方法。
  12. 【請求項12】オキシム化合物がシクロヘキサノンオキ
    シムであり、アミド化合物がε-カプロラクタムである
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載
    のアミド化合物の製造方法。
JP2001155267A 2001-05-24 2001-05-24 アミド化合物の製造方法 Pending JP2002348269A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001155267A JP2002348269A (ja) 2001-05-24 2001-05-24 アミド化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001155267A JP2002348269A (ja) 2001-05-24 2001-05-24 アミド化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002348269A true JP2002348269A (ja) 2002-12-04

Family

ID=18999495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001155267A Pending JP2002348269A (ja) 2001-05-24 2001-05-24 アミド化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002348269A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007039345A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Sumitomo Chemical Co Ltd 混合酸無水物の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007039345A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Sumitomo Chemical Co Ltd 混合酸無水物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5462488B2 (ja) ラウロラクタムの製造方法
Yan et al. Gallium (III) triflate catalyzed Beckmann rearrangement
US4041049A (en) Process for the manufacture of cyclohexane-1,3-diones and 6-alkyl-3,4-dihydro-2-pyranones
UA79640C2 (en) A method for making adipinic acid
JP3579428B2 (ja) ラクタムの処理法
JP2002348269A (ja) アミド化合物の製造方法
JP3160011B2 (ja) ケトオキシム又はアルドオキシム含有アミド混合物の処理法
JP4218277B2 (ja) アミド化合物の製造方法
US6489474B1 (en) Process for producing amide compound
JPS5844670B2 (ja) 無水フタル酸の製造方法
JP4250887B2 (ja) アミド化合物の製造方法
US5393921A (en) Process for synthesizing O-substituted oxime compounds and conversion to the corresponding O-substituted hydroxylamine
JP2004059553A (ja) アミド化合物の製造方法
US3404148A (en) Preparation of omega-laurinolactam
JP2003128648A (ja) アミド化合物の製造方法
JP2002234879A (ja) アミド化合物の製造方法
JP2003321453A (ja) アミド化合物の製造方法
JP2003128647A (ja) アミド化合物の製造方法
JP2003238520A (ja) スルホン酸の製造方法及びそれを利用したアミド化合物の製造方法
WO2004011428A1 (ja) アミド化合物の製造方法
JP2002234870A (ja) アミド化合物の製造方法
JP5574327B2 (ja) アミド化合物の製造方法
US5670661A (en) Process for producing lactones and lactones obtained with this process
JP2001206883A (ja) 3,4−メチレンジオキシマンデル酸の製造法
JP2003104968A (ja) アミド化合物の製造方法