JPWO2008050636A1 - 小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの定量方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 下記工程(i)、(ii)及び(iii)を含む、検体中の小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下sdLDL−Cと略記する)の定量方法。
(i)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、HDL−Cと略記する)、超低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、VLDL−Cと略記する)、カイロミクロン中のコレステロール(以下、CM−Cと略記する)及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、LgLDL−Cと略記する)の反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素によるsdLDL−Cの反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)を含有する反応液中で、検体に該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素、又は、該コレステロールエステル加水分解酵素、該コレステロール脱水素酵素及び酸化型補酵素を作用させ、該検体中のHDL−C、VLDL−C、CM−C及びLgLDL−Cを除去する工程
(ii)前記工程(i)の界面活性剤Aを含有する反応液に残存するsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を引き起こす試薬を添加し、過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定する工程
(iii)既知濃度のsdLDL−Cを含有する標準検体を用いて、前記(i)及び(ii)の工程を行い過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定し、sdLDL−C濃度と過酸化水素又は還元型補酵素に係る測定値とを関連づけ、該検体中のsdLDL−C濃度を決定する工程
[2] 工程(i)の界面活性剤Aを含有する反応液に残存するsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を引き起こす試薬が、sdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応の抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)である[1]記載の方法。
[3] 界面活性剤Aが、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体、一般式(I)
[4] 界面活性剤Bが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、一般式(II)
[5] 工程(i)をアルブミン存在下で行う[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6] (a)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール、超低密度リポ蛋白中のコレステロール、カイロミクロン中のコレステロール及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素による小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素及び過酸化水素除去試薬を含有する第一試薬と、(b)界面活性剤A共存下でsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を引き起こす試薬、及び、過酸化水素測定試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、検体中のsdLDL−C定量用キット。
[7] (a)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール、超低密度リポ蛋白中のコレステロール、カイロミクロン中のコレステロール及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素による小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素を含有する第一試薬と、(b)界面活性剤A共存下でsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を引き起こす試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、検体中のsdLDL−C定量用キット。
[8] 界面活性剤A共存下でsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を引き起こす試薬が、sdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素による反応の抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)である[6]又は[7]記載のキット。
[9] 界面活性剤Aが、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体、一般式(I)
[10] 界面活性剤Bが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、一般式(II)
本発明の測定方法において用いられる検体としては、例えば全血、血漿、血清、髄液、唾液、羊水、尿、汗、膵液等が挙げられるが、血漿及び血清が好ましい。
本発明におけるコレステロールエステル加水分解酵素としては、コレステロールエステルを加水分解する能力を有する酵素であれば特に限定はなく、例えば動物、植物又は微生物由来のコレステロールエステラーゼ、リポプロテインリパーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールエステラーゼ、リポプロテインリパーゼ等も用いることができる。
市販されているコレステロールエステル加水分解酵素としては、コレステロールエステラーゼ“Amano”2(CHE2;天野エンザイム社製)、コレステロールエステラーゼ“Amano”3(CHE3;天野エンザイム社製)、リポプロテインリパーゼ“Amano”3(LPL3;天野エンザイム社製)、リポプロテインリパーゼ(LPL−311;東洋紡績社製)、リポプロテインリパーゼ(LPL−312;東洋紡績社製)、コレテロールエステラーゼ(COE−301;東洋紡績社製)、リポプロテインリパーゼ(LPBP;旭化成社製)、コレステロールエステラーゼ(CEBP−M;旭化成社製)、コレステロールエステラーゼ(CEN;旭化成社製)、リパーゼ(LP;旭化成社製)、リパーゼ(LPM;旭化成社製)、リパーゼ(LPAP;旭化成社製)、リパーゼ(LIPS;旭化成社製)、コレステロールエステラーゼ(CHE−BE;キッコーマン社製)等が挙げられる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロールエステル加水分解酵素を組み合わせて用いることもできる。
本発明におけるコレステロール酸化酵素としては、コレステロールを酸化して過酸化水素を生成する能力を有する酵素であれば特に制限はなく、例えば動物、植物又は微生物由来のコレステロールオキシダーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールオキシダーゼ等も用いることができ、コレステロールオキシダーゼ“Amano”1(CHOD1;天野エンザイム社製)、コレステロールオキシダーゼ(CHO−PEL;キッコーマン社製)、コレステロールオキシダーゼ(CHO−PEWL;キッコーマン社製)、コレステロールオキシダーゼ(CHO−CE;キッコーマン社製)コレステロールオキシダーゼ(COO321;東洋紡績社製)、コレステロールオキシダーゼ(COO−322;東洋紡績社製)等の市販品を用いることもできる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロール酸化酵素を組み合わせて用いることもできる。
本反応の方法に用いられるコレステロール酸化酵素の濃度としては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.001〜2000U/mLの濃度であることが好ましく、0.005〜1000U/mLの濃度であることがより好ましい。
本反応の方法に用いられるコレステロール脱水素酵素の濃度としては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.001〜2000U/mLの濃度であることが好ましく、0.005〜1000U/mLの濃度であることがより好ましい。
本発明の方法に用いられる酸化型補酵素の濃度としては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.01〜400mmol/Lの濃度であることが好ましく、0.1〜100mmol/Lの濃度であることがより好ましい。
本発明において使用されるアルブミンとしては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とするアルブミンであれば特に限定はなく、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヒト由来のアルブミン等が挙げられるが、ウシ血清アルブミン(BSA)が好ましい。また、遺伝子工学的な手法により製造されたアルブミンも用いることができる。本発明においては、2種類以上のアルブミンを組み合わせて使用することもできる。本発明のsdLDL−Cの定量におけるアルブミンの濃度としては、本発明のsdLDL−Cの定量を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中の濃度が0.001〜10%であることが好ましく、0.01〜5%がより好ましい。
アミンオキシド類としては、例えばアルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミンオキシド(以下、POEアルキルアミンオキシドと略記する)等が挙げられる。アルキルアミンオキシド、POEアルキルアミンオキシドにおけるアルキルとしては、例えば置換若しくは非置換の炭素数1〜30のアルキル等が挙げられる。該アルキルとしては前記のアルキル等が挙げられる。該置換基としては、例えば水酸基等が挙げられる。アミンオキシド類の市販品としては、ユニセーフA−LE、ユニセーフA−LM、ユニセーフA−LY(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。
アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩の市販品としては、ZWITTERGENT3−10、ZWITTERGENT3−12(以上、CALBIOCHEM社製)等が挙げられる。
POEベンジル−アルキル4級アンモニウム塩の市販品としては、ビスノールSK(一方社社製)等が挙げられる。
POE脂肪酸アミドの市販品としては、ナイミッドMT−215(日本油脂社製)、ニッコールTAMDS15(日光ケミカルズ社製)等が挙げられる。
POE脂肪酸アミド硫酸エステル塩の市販品としては、サンアミドCF−3、サンアミドCF−10(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。
N−アシルタウリン塩の市販品としては、ニッコールCMT−30、ニッコールPMT(以上、日光ケミカルズ社製)、ダイヤポンTペースト、ダイヤポンTパウダー、ダイヤポンK、ダイヤポンLM、ダイヤポンK−MG(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。
エチレンジアミン−POE・POP縮合物の市販品としては、アデカプルロニックTR−701、アデカプルロニックTR−702、アデカプルロニックTR−704、アデカプルロニックTR−913R(以上、旭電化社製)、ユニルーブ32TY−65BI(日本油脂社製)等が挙げられる。
本発明においては、界面活性剤Aは1種のみならず、2種以上を組み合わせて用いても良い。
1)リポ蛋白分画の分離
血清中のHDL、VLDL、CM、LgLDL、sdLDLの各分画を比重により分離精製する。具体的には、「新生化学実験講座4」(東京化学同人)に記載の超遠心法に従い、ヒト血清よりHDL(比重1.063以上)、sdLDL(比重1.044〜1.063)、LgLDL(比重1.006〜1.044)、VLDL及びCM(比重1.006以下)の4つのリポ蛋白分画を分取する。
2)界面活性剤Aの判定用試薬
例1
緩衝液、例えばMOPS(pH7.0)
コレステロールエステル加水分解酵素、例えばLPL3
コレステロール酸化酵素、例えばCHO−PEL
過酸化水素測定試薬、例えばパーオキシダーゼ、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン(EMSE)及び4−アミノアンチピリン(4−AA)
検討すべき界面活性剤
例2
緩衝液、例えばMOPS(pH7.0)
コレステロールエステル加水分解酵素、例えばLPL3
コレステロール脱水素酵素、例えばCHDH5
酸化型補酵素、例えばNAD
[必要に応じて、還元型補酵素測定試薬、例えば2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(WST−3)]
検討すべき界面活性剤
例3
緩衝液、例えばMOPS(pH7.0)
コレステロールエステル加水分解酵素、例えばLPL3
コレステロール脱水素酵素、例えばCHDH5
酸化型補酵素、例えばNAD
還元型補酵素酸化酵素、例えばNADH oxidase
過酸化水素測定試薬、例えばパーオキシダーゼ、EMSE及び4−AA
検討すべき界面活性剤
なお、上記各試薬には、必要に応じて、後述の水性媒体、安定化剤、防腐剤、影響物質消去剤、反応促進剤等を含有させることもできる。
3)界面活性剤A判定方法
各リポ蛋白分画を検体とし反応セルへ(2μL)添加し、次いで上記2)に記載した試薬(0.15mL)を添加し反応を開始させ、37℃で5分間加温し、反応液の吸光度が直線的に増加する時間、例えば反応5分後の反応液の吸光度変化(ΔEリポ蛋白分画)を測定する。
各リポ蛋白分画について、日立7170S形自動分析装置を用いて、総コレステロール定量用キットであるデタミナーC TC(協和メデックス社製)を用いて、同様にして、「反応吸光度2」を算出する。
ついで、各リポ蛋白分画の反応率を下記(式2)より算出する。
sdLDL分画における反応率が低く、LgLDL分画における反応率が高い界面活性剤を選択し、好ましくは、sdLDL分画における反応率が低く、HDL、VLDL、CM及びLgLDL分画における反応率が高い界面活性剤を、界面活性剤Aとして選択する。
本発明のsdLDL−Cの定量方法における界面活性剤Aの濃度は、好ましくはsdLDL以外のリポ蛋白、即ち、HDL、VLDL、CM及びLgLDL中のコレステロールを優先的に除去し得る濃度であり、反応液中での濃度が0.0001〜1%であることが好ましく、0.0005〜0.5%であることがより好ましい。
なお、当業者は、本発明の実施例2に示した方法等により、sdLDL分画の反応率を高める界面活性剤を、界面活性剤Bとして適宜把握・選択することができる。使用する酵素の種類及び濃度等の反応条件が異なると界面活性剤の反応性が異なる場合もあるが、設定した条件で検討対象の界面活性剤が本発明に界面活性剤Bとして使用できるか否か判断することができる。
界面活性剤Aの存在下にsdLDL−Cとの反応を可能とする酵素としては、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素又はコレステロール脱水素酵素等が挙げられるが、コレステロールエステル加水分解酵素が好ましい。コレステロールエステル加水分解酵素を界面活性剤Bの代わりに用いる場合、該コレステロールエステル加水分解酵素としては、工程(i)で使用されるコレステロールエステル加水分解酵素と同種のコレステロールエステル加水分解酵素であっても異種のコレステロールエステル加水分解酵素であってもよい。同種のコレステロールエステル加水分解酵素を用いる場合には、工程(ii)において、残存するsdLDL−Cの定量を可能とする量のコレステロールエステル加水分解酵素を添加すればよい。また、異種のコレステロールエステル加水分解酵素を用いる場合には、残存するsdLDL−Cの定量を可能とするコレステロールエステル加水分解酵素であれば特に制限はない。
(sdLDL−C定量方法)
本発明のsdLDL−C定量方法は、下記工程(i)〜(iii)を含む方法である。
(i)界面活性剤Aを含有する反応液中で、検体にコレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素、或いは、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素及び酸化型補酵素を作用させ、該検体中のsdLDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを除去する工程
(ii)前記工程(i)後の反応液に残存するsdLDL−Cの反応を引き起こす試薬を添加し、過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定する工程
(iii)既知濃度のsdLDL−Cを含有する標準検体を用いて、前記(i)及び(ii)の工程を行い過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定し、sdLDL−C濃度と過酸化水素又は還元型補酵素濃度に係る測定値とを関連づけ、該検体中のsdLDL−C濃度を決定する工程
また、工程(iii)を行うことなく、工程(i)及び工程(ii)を行うことにより、検体中のsdLDL−Cの検出方法とすることもできる。
還元型補酵素の除去は、例えば還元型補酵素に還元型補酵素酸化酵素を作用させ、生成する過酸化水素を過酸化水素除去試薬を用いることにより除去することにより行うことができる。
還元型補酵素の測定は、例えば還元型補酵素の吸収極大付近の波長での吸光度測定や、後述の還元型補酵素測定試薬を用いた測定により行うことができる。
ロイコ型色原体は、過酸化水素及び過酸化活性物質の存在下、単独で色素へ変換される物質である。具体的には、10−N−カルボキシメチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(CCAP)、10−N−メチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(MCDP)、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン ナトリウム塩(DA−64)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、ビス〔3−ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノフェニル〕アミン(BCMA)等が挙げられる。
2つの化合物の組み合わせとしては、カプラーとアニリン類との組み合わせ、カプラーとフェノール類との組み合わせ等が挙げられる。
カプラーとしては、例えば4−アミノアンチピリン(4−AA)、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラジン等が挙げられる。
還元型補酵素測定試薬は、生成した還元型補酵素を検出可能な物質へ変換するための試薬である。検出可能な物質としては、例えば色素等が挙げられる。検出可能な物質が色素の場合には、還元型補酵素測定試薬は、還元発色型色原体を含有する。還元発色型色原体としては、例えば3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム ブロミド(MTT)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(WST−1)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(WST−3)等が挙げられる。
グッドの緩衝剤としては、例えば2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、3−〔N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕プロパンスルホン酸〔(H)EPPS〕、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン(Tricine)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CAPSO)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)等が挙げられる。緩衝液の濃度は測定に適した濃度であれば特に制限はされないが、0.001〜2.0mol/Lが好ましく、0.005〜1.0mol/Lがより好ましい。
本発明の工程(i)及び工程(ii)は、例えば、10〜50℃で、好ましくは、20〜40℃で、1〜30分間、好ましくは2〜15分間行う。
(sdLDL−C定量用キット)
本発明のsdLDL−C定量用キットは、本発明のsdLDL−Cの定量方法に使用され得る。sdLDL−C定量用キットの形態としては、本発明のsdLDL−C定量方法を可能とする形態であれば特に制限はなく、2試薬系、3試薬系等のいずれの形態であってもよいが、2試薬系が好ましい。
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素及び過酸化水素除去試薬を含有する第一試薬と、sdLDL−Cの反応を引き起こす試薬及び過酸化水素測定試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、検体中のsdLDL−C定量用キット。
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素及び還元型補酵素測定試薬を含有する第一試薬と、sdLDL−Cの反応を引き起こす試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、sdLDL−C定量用キット。
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素及び過酸化水素除去試薬を含有する第一試薬と、界面活性剤B及び過酸化水素測定試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、sdLDL−C定量用キット。
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素及び還元型補酵素測定試薬を含有する第一試薬と、界面活性剤Bを含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、sdLDL−C定量用キット。
第一試薬及び第二試薬からなる2試薬系のsdLDL−C定量用キットにおいては、コレステロールエステル加水分解酵素は第一試薬に含有されるが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。コレステロール酸化酵素は、第一試薬に含有されるが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。コレステロール脱水素酵素は、第一試薬に含有されるが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。
酸化型補酵素は、第一試薬に含有されるが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。還元型補酵素酸化酵素は、第一試薬に含有されるが、第一及び第二試薬両方に含有されてもよい。
過酸化水素除去試薬は、第一試薬に含有されることが好ましい。過酸化水素除去試薬としてカタラーゼを用いる場合、カタラーゼは第一試薬に含有されることが好ましく、カタラーゼ阻害剤は、第二試薬に含有されることが好ましい。過酸化水素除去試薬としてパーオキシダーゼと酸化カップリング型発色反応に使用される2つの酸化カップリング型色原体の一方との組み合わせを用いる場合、該組み合わせは第一試薬に含有されることが好ましい。
過酸化水素測定試薬として、パーオキシダーゼと2つの酸化カップリング型色原体とを含有する試薬を用いる場合には、2つの酸化カップリング型色原体はそれぞれ別々の試薬に含有されることが好ましい。パーオキシダーゼは、第一、第二試薬のいずれか一方又は両方に含有される。尚、過酸化水素除去試薬として、パーオキシダーゼと酸化カップリング型発色反応に使用される2つの酸化カップリング型色原体の一方との組み合わせを用いる場合、当該組み合わせと共に、もう一方のカップリング型色原体とを組み合わせて過酸化水素測定試薬とすることができる。尚、該もう一方のカップリング型色原体は第二試薬に含有される。
本発明のsdLDL−C定量用キットとしては、例えば以下の態様のキットが挙げられるがこれらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。
キット1
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、カタラーゼ
第二試薬
界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬
キット2
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方
第二試薬
界面活性剤B、もう一方の酸化カップリング型色原体
キット3
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体
第二試薬
界面活性剤B
キット4
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素
第二試薬
界面活性剤B
キット5
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素測定試薬
第二試薬
界面活性剤B
キット6
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、カタラーゼ
第二試薬
界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬
キット7
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方
第二試薬
界面活性剤B、もう一方の酸化カップリング型色原体
キット8
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、カタラーゼ、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬
キット9
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、もう一方の酸化カップリング型色原体
キット10
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B
キット11
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B
キット12
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素測定試薬、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B
キット13
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、カタラーゼ、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬
キット14
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、もう一方の酸化カップリング型色原体
キット15
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、カタラーゼ、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬、アルブミン
キット16
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、アルブミン、もう一方の酸化カップリング型色原体
キット17
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、アルブミン
キット18
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、アルブミン
キット19
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素測定試薬、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、アルブミン
キット20
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、カタラーゼ、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、カタラーゼ阻害剤、過酸化水素測定試薬、アルブミン
キット21
第一試薬
界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、パーオキシダーゼ、酸化カップリング型色原体の一方、アルブミン
第二試薬
界面活性剤B、アルブミン、もう一方の酸化カップリング型色原体
本発明のsdLDL−C定量用キットに用いられる、界面活性剤A、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素、還元型補酵素酸化酵素、過酸化水素除去試薬、界面活性剤B、アルブミン、過酸化水素測定試薬としては、それぞれ、前述のものが挙げられる。
本発明のsdLDL−C定量用キットにおけるコレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素の含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.001〜2000U/mLとなる含量が好ましく、0.005〜1000U/mLとなる含量がより好ましい。
本発明のsdLDL−C定量用キットにおける酸化型補酵素の含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.01〜500mmol/Lとなる含量が好ましく、0.1〜100mmol/Lとなる含量がより好ましい。
本発明のsdLDL−C定量用キットにおける界面活性剤Bの含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.001〜5%となる含量が好ましく、0.01〜0.5%となる含量がより好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。尚、本実施例および参考例においては、下記メーカーの試薬及び酵素を使用した。
第一試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
EMSE 0.3 g/L
硫酸ナトリウム 2 g/L
界面活性剤A(以下、「界A」と略記する)
LPL3 100 kU/L
CHO−PEL 1 kU/L
パーオキシダーゼ 10 kU/L
第二試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3 g/L
パーオキシダーゼ 20 kU/L
界面活性剤B(以下、「界B」と略記する)
(1)各リポ蛋白分画中コレステロールと実施例1のキットとの反応による各リポ蛋白分画における「反応吸光度」の算出
日立7170S形自動分析装置を用いて、以下の操作により「反応吸光度」を算出した。
日立7170S形自動分析装置を用いて、総コレステロール定量用キットであるデタミナーC TC(協和メデックス社製)を実施例1のキットの代わりに用いる以外は(1)の場合と同様の方法で、「反応吸光度4」を算出し、以下の(式4)にて、実施例1(1)〜1(34)のそれぞれのキットにおける各リポ蛋白分画中コレステロールの反応率(%)を算出した。尚、デタミナーC TCを用いた測定において算出した「反応吸光度4」は、対象とするリポ蛋白中のコレステロールが全て反応した際の「反応吸光度」を意味する。
第一試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
EMSE 0.3 g/L
硫酸ナトリウム 2 g/L
界面活性剤A(以下、「界A」と略記する)
LPL3 100 kU/L
CHO−PEL 1 kU/L
パーオキシダーゼ 10 kU/L
BSA
第二試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3 g/L
パーオキシダーゼ 20 kU/L
界面活性剤B(以下、「界B」と略記する)
次に、該血清を用いてJournal of Lipid Research vol.44, p.2193-2201(2003) 記載の超遠心法にて該検体中のsdLDLを遠心分離し、得られたsdLDL分画中のコレステロール量をデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定した。実施例3(35)〜3(47)のキットを用いた測定における測定値と、超遠心法による測定値との相関係数を第4表に記す。
第一試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
EMSE 0.3 g/L
硫酸ナトリウム 2 g/L
パーオキシダーゼ 10 kU/L
BSA 3 g/L
界面活性剤A(以下、「界A」と略記する)
コレステロールエステル加水分解酵素(以下、「CHER」と略記する)
コレステロール酸化酵素(以下、「CHOD」と略記する)
第二試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3 g/L
パーオキシダーゼ 20 kU/L
BLAUNON LPE−1007 1 g/L
ワンダサーフS−800 0.3 g/L
次に、該血清を用いてJournal of Lipid Research vol.44, p.2193-2201(2003) 記載の超遠心法にて該検体中のsdLDLを遠心分離し、得られたsdLDL分画中のコレステロール量をデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定した。実施例3(43)、及び、実施例5(48)〜5(57)のキットを用いた測定における測定値と、超遠心法による測定値との相関係数を第6表に記す。
第一試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
EMSE 0.3 g/L
硫酸ナトリウム 2 g/L
界面活性剤A(以下、「界A」と略記する)
LPL3 100 kU/L
CHO−PEL 1 kU/L
パーオキシダーゼ 10 kU/L
BSA
第二試薬
MOPS(pH7.0) 20 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3 g/L
パーオキシダーゼ 20 kU/L
界面活性剤B(以下、「界B」と略記する)
次に、該血清を用いてJournal of Lipid Research vol.44, p.2193-2201(2003) 記載の超遠心法にて該血清中のsdLDLを遠心分離し、得られたsdLDL分画中のコレステロール量をデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定した。各実施例及び比較例のキットを用いた測定における測定値と、超遠心法による測定値との相関係数を第8表に記す。
超遠心法並びに本発明の実施例3(36)及び実施例3(44)のキットを用いて、ヒト新鮮血清2検体について、各検体中のsdLDL−Cを以下の方法により定量した。
(1)超遠心法を用いたヒト血清検体中のsdLDL−Cの定量
該ヒト血清2検体を用いてJournal of Lipid Research vol.44, p.2193-2201(2003) 記載の超遠心法にて該血清中のsdLDLを遠心分離し、得られたsdLDL分画中のコレステロール量をデタミナーL TCII(協和メデックス社製)を用いて測定した。
(2)検量線の作成
超遠心法による測定より、sdLDL−C濃度が43.1mg/dLであることが判明している血清標準液を検量線作成用サンプルとした。実施例2の(1)記載の測定方法と同様にして日立7170S自動分析装置により、実施例3(36)及び実施例3(44)のキットにより、検量線作成用サンプル検体の反応吸光度を測定し、該反応吸光度と検量線作成用サンプル中のsdLDL−C濃度との関係からそれぞれのキットの検量線を作成した。
(3)ヒト血清2検体中のsdLDL−Cの定量
検量線作成用サンプルの代わりにヒト血清2検体を用いて、上記(2)と同様の方法により、該2検体各々について反応を行い、反応後の反応液の吸光度と上記(2)で作成した検量線とから、それぞれのキットについて各検体中のsdLDL−C濃度を決定した。
Claims (12)
- 下記工程(i)、(ii)及び(iii)を含む、検体中の小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の定量方法。
(i)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、HDL−Cと略記する)、超低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、VLDL−Cと略記する)、カイロミクロン中のコレステロール(以下、CM−Cと略記する)及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、LgLDL−Cと略記する)の反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素によるsdLDL−Cの反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)を含有する反応液中で、検体に該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素、又は、該コレステロールエステル加水分解酵素、該コレステロール脱水素酵素及び酸化型補酵素を作用させ、該検体中のHDL−C、VLDL−C、CM−C及びLgLDL−Cを除去する工程
(ii)前記工程(i)の界面活性剤Aを含有する反応液に残存するsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を引き起こす試薬を添加し、過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定する工程
(iii)既知濃度のsdLDL−Cを含有する標準検体を用いて、前記(i)及び(ii)の工程を行い過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、生成した過酸化水素又は還元型補酵素を測定し、sdLDL−C濃度と過酸化水素又は還元型補酵素に係る測定値とを関連づけ、該検体中のsdLDL−C濃度を決定する工程 - 工程(i)の界面活性剤Aを含有する反応液に残存するsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を引き起こす試薬が、sdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応の抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)である請求項1記載の方法。
- 界面活性剤Aが、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体、一般式(I)
- 界面活性剤Bが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、一般式(II)
- 工程(i)をアルブミン存在下で行う請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- (a)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール、超低密度リポ蛋白中のコレステロール、カイロミクロン中のコレステロール及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素による小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素及び過酸化水素除去試薬を含有する第一試薬と、(b)界面活性剤A共存下でsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を引き起こす試薬、及び、過酸化水素測定試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、検体中のsdLDL−C定量用キット。
- (a)コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による高密度リポ蛋白中のコレステロール、超低密度リポ蛋白中のコレステロール、カイロミクロン中のコレステロール及び大粒子低密度リポ蛋白中のコレステロールの反応に比較して、該コレステロールエステル加水分解酵素及び該コレステロール酸化酵素若しくは該コレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素による小粒子低密度リポ蛋白中のコレステロール(以下、sdLDL−Cと略記する)の反応を優先的に抑制する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Aと略記する)、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素及びコレステロール脱水素酵素を含有する第一試薬と、(b)界面活性剤A共存下でsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を引き起こす試薬を含有する第二試薬とを含有することを特徴とする、検体中のsdLDL−C定量用キット。
- 界面活性剤A共存下でsdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−酸化型補酵素による反応を引き起こす試薬が、sdLDL−Cの、コレステロールエステル加水分解酵素及びコレステロール酸化酵素若しくはコレステロール脱水素酵素−該酸化型補酵素による反応の抑制を解除する界面活性剤(以下、該界面活性剤を界面活性剤Bと略記する)である請求項6又は7記載のキット。
- 界面活性剤Aが、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド類、アルキルベタイン、アルキルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、酸アミドアルキルベタイン、ポリオキシエチレンベンジル−アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン硫酸エステル塩、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、エチレンジアミン−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールを含まないポリプロピレングリコール誘導体、一般式(I)
- 界面活性剤Bが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル(該アルキルは炭素数10以上のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、一般式(II)
- 少なくとも第一試薬にアルブミンを含有する請求項6〜10のいずれかに記載のキット。
- 第三試薬として、既知濃度のsdLDLを含有する標準品を含有する請求項6〜11のいずれかに記載のキット。
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