JPWO2007117028A1 - ポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、成形品のアセトアルデヒド含有量、オリゴマー含有量が少ないポリエチレンテレフタレートを提供することにある。本発明の課題は、ポリエチレンテレフタレートの製造方法であって、下記一般式(I)で表される化合物を重縮合触媒として使用し溶融重縮合を行い、極限粘度が0.48〜0.53dL/g、末端カルボキシル数が14〜22mmol/kgの溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートを得る工程、更に溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートを固相重縮合して極限粘度0.70〜0.86dL/gの固相重縮合ポリエチレンテレフタレートを得る工程を含むポリエチレンテレフタレートの製造方法によって解決する事ができる。[但し、上記一般式(I)中、R1は、2〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表す。]

Description

本発明は、アセトアルデヒド含有量及び環状三量体含有量が少ない成形品を色相の悪化を伴わずに得ることのできるポリエチレンテレフタレートの製造方法に関する。アセトアルデヒドは悪臭、異臭の原因となる恐れ、又は内容物の風味を変質させる恐れがあり、ポリエチレンテレフタレート成形品を使用する際に悪影響を及ぼすことがある。
ポリエチレンテレフタレートは、その優れた機械的性質、化学的性質から、繊維、フィルム、シート、ボトル、カップ、又はトレイに成形されて広く用いられている。
このようなポリエチレンテレフタレートは、通常、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコールなどの脂肪族ジオール類とを原料として製造することができる。具体的には、まず、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとのエステル化反応により低次縮合物(エステル低重合体)を形成し、次いで重縮合触媒の存在下にこの低次縮合物を脱グリコール反応(溶融重縮合)させて製造している。また、必要によっては溶融重縮合の後、更に固相重縮合を行い、さらに分子量を高めている。
ポリエチレンテレフタレートの製造方法では、重縮合触媒として、従来アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物が使用されていた。しかしながら、アンチモン化合物を重縮合触媒として製造したポリエチレンテレフタレートは透明性、耐熱性の点でゲルマニウム化合物を重縮合触媒として製造したポリエチレンテレフタレートに劣っていた。また、特に飲料ボトル用途、食料包装材向けには得られるポリエチレンテレフタレート中のアセトアルデヒド含有量を低減させることも要望されている。更にアンチモン化合物は、衛生上の懸念があるとの考えもある。
一方、ゲルマニウム化合物は衛生上の懸念も無い上に、ゲルマニウム化合物を重縮合触媒として製造したポリエチレンテレフタレート成形品は透明性が良好で、アセトアルデヒド含有量、オリゴマー含有量も少ない。しかし、ゲルマニウム化合物が高価であるため、ポリエチレンテレフタレートの製造コストが高くなるという問題があった。
更に近年、ポリエチレンテレフタレートの重縮合触媒としてアルミニウム化合物が提案されている。しかし、有機アルミニウム化合物はゲルマニウム化合物ほどでは無いが比較的高価であり、また一部の水溶性アルミニウム塩は神経毒性を有することが知られており、衛生上の懸念点も残る。
ところでチタン化合物もエステルの重縮合反応を促進する作用を持つことが知られており、チタンアルコキシド、四塩化チタン、シュウ酸チタニル、又はオルソチタン酸などが重縮合触媒として公知である。しかも衛生上も問題が無く安価であるため、チタン化合物を重縮合触媒として利用するために多くの検討が行われている。
しかしながら、チタン化合物を重縮合触媒に用いた場合、ゲルマニウム化合物を重縮合触媒に用いて得られるポリエチレンテレフタレートに比べ、ポリエチレンテレフタレートチップ及びその成形品中のアセトアルデヒド含有量やオリゴマー含有量が多いという問題があった。そのオリゴマーの主成分はエチレンテレフタレートの環状三量体であり、以下Cy−3と略称することがある。
ポリエチレンテレフタレートチップ中に存在するオリゴマー、又はポリエチレンテレフタレート成形中に生成されるオリゴマーが、延伸設備のローラー、加熱処理設備のローラーに白粉として付着して汚染する問題、または染色加工時にはオリゴマーが粉末状の異物となって染色液を汚染するという問題がある。またフィルム製膜時には繊維製造時と同様、各種設備のローラーを汚染する問題や、磁気テープにおけるいわゆるドロップアウトといった製品欠陥の原因になるという問題がある。更に、中空容器その他の各種成形品の成形時においては、白粉となって成形金型を汚染したり、成形品の表面に付着したりして、正常な外観の成形品が得られなくなる。加えて延伸処理時、加熱処理時に発生するオリゴマーが金型などに付着し、これがさらに転写により成形品の透明性が著しく損なわれる問題もあった。
これらの問題を解決する為に、ポリエチレンテレフタレート中のオリゴマー含有量を減少させる方法が検討され、数多くの提案がなされている。例えば特許文献1及び特許文献2には、ポリエチレンテレフタレートをその融点以下において高真空状態で加熱処理する固相重縮合法によるオリゴマー含有量の減少方法が提案されている。また特許文献3には、ポリエチレンテレフタレートを不活性気体雰囲気下で融点以下の温度で熱処理する固相重縮合法によるオリゴマー含有量の減少方法が提案されている。
この方法でオリゴマー含有量を低減する場合、ポリエチレンテレフタレート中のオリゴマー含有量が比較的多いポリエチレンテレフタレートに対しては、白粉発生量の低減効果を有する。しかし、ポリエチレンテレフタレート中のオリゴマー含有量が比較的少ないポリエチレンテレフタレートに対しては白粉発生量の低減効果を発揮出来ないばかりか、逆に白粉発生量が増加したりすることがある。
また、食品特に飲料の包装用樹脂としてポリエチレンテレフタレートが用いられる場合は、ポリエチレンテレフタレート中に含まれるアセトアルデヒドが飲料のフレーバー性に影響することがあるので、ポリエチレンテレフタレート中のアセトアルデヒド含有量を低減させることも同時に求められている。特許文献4には、固相重縮合後のポリエチレンテレフタレートを水で処理することにより成形時に生成するアセトアルデヒドの量とオリゴマーの量を低減できるとしている。しかし、重縮合触媒がゲルマニウム化合物以外のアンチモン化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物である場合は全く効果が無い。
なお、ポリエチレンテレフタレート成形品中のアセトアルデヒド含有量及びやオリゴマー含有量を低減させる方法として、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を添加する方法が特許文献6及び特許文献7に提案されている。しかし、この手法だけではポリエチレンテレフタレート成形品中のアセトアルデヒド含有量は、ゲルマニウム化合物を触媒として用いたポリエチレンテレフタレートよりもかなり高くなってしまう。
またチタン化合物とモノアルキルホスフェートを反応させて得られる化合物を重縮合触媒として使用することにより、従来のチタン触媒使用時よりも成形品中のアセトアルデヒド含有量が低いポリエチレンテレフタレートが得られるという手法も特許文献8に報告されている。しかし、この手法でも成形品中のアセトアルデヒド含有量は、ゲルマニウム化合物を触媒として用いたポリエチレンテレフタレートよりも高くなっている。
特開昭48−101462号公報 特開昭51−048505号公報 特開昭55−189331号公報 特開平3−47830号公報 米国特許第5017680号公報 国際公開第05/023900号パンフレット 特開2004−010657号公報 国際公開第03/008479号パンフレット
本発明の目的は、上記のような従来技術が有していた問題点を解消し、アセトアルデヒド含有量が少ない成形品を得るのに好適なポリチレンテレフタレートの製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、成形品のアセトアルデヒド含有量、及びオリゴマー含有量が少なく色相良好なポリエチレンテレフタレートを提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決する為に鋭意研究したところ、チタン原子とリン原子を含む特定の化合物を用いて、溶融重縮合の条件を詳細に検討しカルボキシル末端数と固有粘度を厳密に制御されたポリエチレンテレフタレートを得て、それを固相重縮合することによって課題が解決できることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の課題はポリエチレンテレフタレートの製造方法であって、下記一般式(I)で表される化合物を重縮合触媒として使用し溶融重縮合を行い、極限粘度が0.48〜0.53dL/g、末端カルボキシル数が14〜22mmol/kgの溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートを得る工程、更に溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートを固相重縮合して極限粘度0.70〜0.86dL/gの固相重縮合ポリエチレンテレフタレートを得る工程を含むポリエチレンテレフタレートの製造方法によって解決する事ができる。
Figure 2007117028
[但し、上記一般式(I)中、Rは、2〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表す。]
更にポリエチレンテレフタレート製造工程中のいずれかの工程で、ナトリウム、カリウム、セシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を含む金属塩を添加することがより好ましい。
本発明は、ゲルマニウム化合物より安価で、アンチモン化合物、アルミニウム化合物に比べ衛生面で懸念の少ないチタン化合物を重縮合触媒として使用し、特定の条件でポリエチレンテレフタレートを製造する方法である。その製造方法により、ゲルマニウム化合物を重縮合触媒として使用したポリエチレンテレフタレートと同等の低アセトアルデヒド含有量、低オリゴマー含有量の成形体を製造できるポリエチレンテレフタレートを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の製造方法におけるポリエチレンテレフタレートは主たる繰返し単位がエチレンテレフタレート単位のポリエチレンテレフタレートである。ここで「主たる」とは、ポリエチレンテレフタレートを構成している繰返し単位の中で80モル%以上100モル%以下であることを示す。従って本発明のポリエチレンテレフタレートにおいては残りの0〜20モル%をエチレンテレフタレート成分以外の共重合成分が共重合されていても良い。ここで他の共重合成分とは、無置換若しくは置換基があるイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、若しくはこれらの低級アルキルエステル、これらの低級アリールエステル若しくはこれらの酸ハライドのエステル形成性誘導体、トリメチレングリコール、1,2−プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカンメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジ(テトラメチレン)グリコール、トリ(テトラメチレン)グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ペンタエリスリトール、又は2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンを挙げることができる。
本発明においては、下記式(I)で表される化合物を重縮合触媒として使用することが必要である。更に固相重縮合後に得られるポリエチレンテレフタレートに対してチタン原子濃度で1〜50ppmとなるように重縮合触媒を使用することが好ましい。その重縮合触媒となる化合物は、例えばチタン化合物とリン化合物とをグリコールを溶媒として加熱することにより製造することができる。その場合、重縮合触媒となる化合物は、グリコール中に析出物として得られる。
Figure 2007117028
[但し、上記一般式(I)中、Rは、2〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表す。]
一般式(I)中の2つのR基はそれぞれ互いに独立に、チタン化合物に由来するアルキル基又はリン化合物に由来するアルキル基であり、3〜6個の炭素原子を有するアルキル基が好ましい。
重縮合触媒の製造に用いるチタン化合物としては、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルプロポキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラメトキシド、チタンテトラキスアセチルアセトナート錯体、チタンテトラキス(2,4−ヘキサンジオナト)錯体、チタンテトラキス(3,5−ヘプタンジオナト)錯体、チタンジメトキシビスアセチルアセトナート錯体、チタンジエトキシビスアセチルアセトナート錯体、チタンジイソプロポキシビスアセチルアセトナート錯体、チタンジノルマルプロポキシビスアセチルアセトナート錯体、チタンジブトキシビスアセチルアセトナート錯体、チタンジヒドロキシビスグリコレート、チタンジヒドロキシビスラクテート、チタンジヒドロキシビス(2−ヒドロキシプロピオネート)、乳酸チタン、チタンオクタンジオレート、チタンジメトキシビストリエタノールアミネート、チタンジエトキシビストリエタノールアミネート、チタンジブトキシビストリエタノールアミネート、ヘキサメチルジチタネート、ヘキサエチルジチタネート、ヘキサプロピルジチタネート、ヘキサブチルジチタネート、ヘキサフェニルジチタネート、オクタメチルトリチタネート、オクタエチルトリチタネート、オクタプロピルトリチタネート、オクタブチルトリチタネート、オクタフェニルトリチタネート、ヘキサアルコキシジチタネート、又はオクタアルキルトリチタネートを挙げることができる。
又、リン化合物としては、モノエチルホスフェート、モノプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノヘキシルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、モノラウリルホスフェート、モノオレイルホスフェート、若しくはモノテトラデシルホスフェートといったモノアルキルホスフェート類又はモノフェニルホスフェートが好ましい。これらのリン化合物は、混合物で用いてもよく、例えばモノアルキルホスフェートとモノフェニルホスフェートの混合物の組合せを好ましくあげることができる。なかでも、モノアルキルホスフェートの比率が90モル%以上100モル%以下で構成されていることが特に好ましい。
また一般式(I)の重縮合触媒を製造する際に溶媒として用いるグリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、又はシクロヘキサンジメタノールを例示することができる。重縮合触媒の製造に用いるグリコールは、その重縮合触媒を用いて製造するポリエチレンテレフタレートの原料として使用するグリコールと同じグリコールを使用することが好ましい。
本発明で使用する重縮合触媒は、チタン化合物、リン化合物及びグリコールの3つを同時に混合し加熱する方法、又はチタン化合物とリン化合物のそれぞれグリコールの溶液を作成しその後それらのグリコール溶液を混合し加熱させる方法で製造することが出来る。これらの中で、後者の方法が好ましい。
重縮合触媒を製造する際の反応温度を常温で行うと、反応が十分に進行しないこと、又は反応に過大に時間を要することがある。従って通常反応温度は50℃〜200℃の温度で反応させることが好ましく、反応時間は、1分〜4時間で完結させるのが好ましい。具体的には、グリコールとしてエチレングリコールを用いるときの反応温度は50℃〜150℃が好ましく、ヘキサメチレングリコールを用いるときの反応温度は100℃〜200℃が好ましい。又これらのグリコールを用いるときの反応時間は、30分〜2時間がより好ましい範囲である。反応温度が高すぎるとき、又は反応時間が長すぎるときには製造された重縮合触媒の劣化がおこるため好ましくない。
又チタン化合物とリン化合物を反応させ、重縮合触媒を製造するにあたり、チタン原子に対するリン原子のモル比率(リン原子モル量/チタン原子モル量)が1.5以上2.5未満であることが好ましく、1.7以上2.3未満であることがより好ましい。モル比率が1.5未満のとき、未反応チタン化合物が多く存在することにより、ポリエチレンテレフタレートの物性が劣化することがある。逆にモル比率が2.5以上のとき、未反応のリン化合物が多く存在することにより、ポリエチレンテレフタレートの重合速度が遅くなること、ポリエチレンテレフタレートの物性が劣化することがある。
このような操作で得られた本発明に用いる重縮合触媒を析出物として含有する液体は、固液分離することなくそれをそのままポリエチレンテレフタレート製造用触媒として用いてもよい。一方遠心分離処理又は濾過処理により析出物と溶媒を分離した後、この分離された析出物を精製し重縮合触媒として用いても良い。具体的な精製方法としては、アセトン、メチルアルコール、又はメチルアルコールと水の混合溶媒を用いて再結晶する方法を挙げる事ができる。
上記の本発明に用いる重縮合触媒はフィルターを用いて容易にグリコールと分離できるため、分離後固体NMR及びXMAの金属定量分析でその化学構造及びその重縮合触媒中のチタン原子含有率を分析することができる。一方、未反応のチタン化合物とリン化合物はグリコールに可溶である為、濾液成分中のチタン原子濃度又はリン原子濃度を分析することで未反応率を求めることできる。
上記の重縮合触媒を使用したポリエチレンテレフタレートの製造においては、固相重縮合後に得られるポリエチレンテレフタレートに対してチタン原子濃度で1〜50ppmとなるように重縮合触媒を使用することが好ましい。さらに最終的に得られる固相重縮合ポリエチレンテレフタレート中にチタン原子濃度換算で5〜25ppmになる量で重縮合触媒として使用するのが好ましく、6〜20ppmになる量で使用するのがさらに好ましい。後述するナトリウム、カリウム、セシウムのうち、少なくとも1種の原子を含む化合物を添加する操作を行う際には特に5〜25ppmの範囲の量で重縮合触媒を用いるのが好ましい。重縮合触媒を50ppm以上含まれるように使用したとき、液相重縮合若しくは固相重縮合の重合速度が速すぎること、ポリエチレンテレフタレートが強く着色することがある。一方重縮合触媒を1ppm未満となる様に用いたときには、液相重縮合若しくは固相重縮合の重合速度が遅すぎる又は重縮合反応が全く進行しないことがあり好ましくない。そして、得られるポリエチレンテレフタレート中の金属原子として、チタン原子以外の金属原子は、金属原子濃度換算で10ppm以下が好ましく、更には5ppm以下が好ましい。なお、上記重縮合触媒は重縮合反応時に存在していればよい。このため重縮合触媒の添加は、溶融重縮合の工程内、すなわち原料スラリー調製工程、エステル化反応工程、液相重縮合工程その他の工程のいずれの工程で行ってもよい。また、重縮合触媒全量を一括で反応器に添加しても、複数回に分けて反応器に添加してもよい。以下本発明のポリエチレンテレフタレート製造方法について工程ごとに更に詳細に説明する。
(原料)
更に本発明におけるポリエチレンテレフタレートの製造方法について詳細に説明する。上記の重縮合触媒を用いて、主にテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールとを重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造することができる。
芳香族ジカルボン酸成分としては、主にテレフタル酸を用いるほか、そのエステル形成性誘導体を用いる事ができる。エステル形成性誘導体とは低級アルキルエステル、低級アリールエステル又は酸ハライドを表す。なお、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体は、芳香族ジカルボン酸成分100モル%に対して、80モル%以上100モル%以下、好ましくは90モル%以上100モル%以下となるように用いられることが好ましい。エチレングリコールは脂肪族グリコール成分100モル%に対して、80モル%以上100モル%以下、好ましくは90モル%以上100モル%以下となるように用いられることが好ましい。以下、テレフタル酸とエチレングリコールを用いてポリエチレンテレフタレートを製造する例について詳述する。
(原料スラリー調製工程)
まず、ポリエチレンテレフタレートを製造するに際して、テレフタル酸とエチレングリコールをエステル化させる。具体的には、テレフタル酸と、エチレングリコールとを含むスラリーを調製する。このスラリーにはテレフタル酸1モルに対して、好ましくは1.2〜1.8モル、より好ましくは1.3〜1.6モルのエチレングリコールが含まれる。このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供給される。そのエチレングリコールには、後述のエステル化反応工程、液相重縮合工程で反応器から留去され、回収されたエチレングリコールを一部に用いても良い。
(エステル化反応工程)
エステル化反応工程は、反応物をエステル化反応器内で自己循環させなから一段で実施する方法、又は2つ以上のエステル化反応器を直列に連結し同様に反応物を自己循環させながら実施する方法が好ましい。いずれもエチレングリコールが還流する条件下で、エステル化反応によって生成した水を精留塔でエステル化反応器外に除去しながら行う。反応物を自己循環させながら一段で連続的にエステル化を行うときの反応条件は、通常、反応温度が240〜280℃であり、反応圧力は常圧〜0.3MPaの条件下で行われるのが好ましい。エステル化工程の反応温度は、最初はこの範囲内の低温度の領域で行っても良いが、最終のエステル化反応温度は250〜279℃にすることが好ましく、265〜276℃がより好ましく、273〜275℃が最も好ましい。ここで最終のエステル化反応温度とは、エステル化反応工程終了時点での反応温度を表す。
このエステル化反応工程においては、用いるエチレングリコール/テレフタル酸のモル比が1.2〜1.8になるようにすることが好ましく、1.3〜1.6になるように用いる事がより好ましい。連続式で製造するときには上述のように予めエチレングリコールとテレフタル酸を含むスラリーを調整しておき、そのスラリー内のモル比を上記の範囲内に調整しておくことが好ましい。バッチ式で製造するときには、エステル化反応開始当初に反応器内に存在するエチレングリコールとテレフタル酸以外にもエステル化反応の途中で添加するエチレングリコール又はテレフタル酸を含めて上記のモル比の範囲内にすることが好ましい。このモル比の範囲内でエステル化反応を行うことで、後述する溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートの極限粘度の値や末端カルボキシル数の値を所定の範囲内に制御しやすくなる。
このエステル化反応工程において、エステル化反応率が通常90%以上、好ましくは90%以上100%以下、より好ましくは95%以上100%以下、更により好ましくは97%以上100%以下になるまで反応させることが望ましい。このエステル化反応時の反応温度、エチレングリコールの還流比を調整することにより、溶融重縮合反応で得られるポリエチレンテレフタレートの末端カルボキシル数を制御することができる。またこれらの条件範囲を逸脱するとこの後の液相重縮合工程で極限粘度が上がらないことがある。
このエステル化反応工程により、テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応物(エチレンテレフタレートオリゴマー)が得られる。このエチレンテレフタレートオリゴマーの重合度は3〜12が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜10が最も好ましい。上記のようなエステル化反応工程で得られたエチレンテレフタレートオリゴマーは、次いで重縮合(液相重縮合)工程に供給される。エチレンテレフタレートオリゴマーの重合度は上記のエチレングリコール/テレフタル酸のモル比、エステル化反応時間、反応圧力、及び反応時間を適宜調節し、エステル化反応率を調整することにより制御することができる。このエチレンテレフタレートオリゴマーの重合度範囲を逸脱するとこの後の液相重縮合工程で極限粘度が上がらないことがある。
(液相重縮合工程)
次に液相重縮合工程において、上記した重縮合触媒の存在下に、エステル化反応工程で得られたエチレンテレフタレートオリゴマーを、減圧下で且つポリエチレンテレフタレートの融点以上、ポリエチレンテレフタレートの分解温度以下の温度(通常240〜280℃)に加熱することにより重縮合させる。この重縮合反応では、未反応のエチレングリコール及び重縮合で発生するエチレングリコールを反応器外に留去させながら行われることが望ましい。
液相重縮合工程は、1槽で行ってもよく、複数の槽に分けて行ってもよい。例えば液相重縮合工程が2段階で行われるときには、第1槽目の重縮合反応は、反応温度が245〜290℃、好ましくは260〜280℃、反応圧力が100〜1kPa、好ましくは50〜2kPaの条件下で行われる。最終第2槽目での重縮合反応は、反応温度が265〜300℃、好ましくは270〜290℃、反応圧力は通常1000〜10Paで、好ましくは500〜30Paの条件下で行われる。これらの重縮合反応温度、重縮合反応圧力、重縮合反応時間を適宜調整することにより、得られる溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートの極限粘度を下記の範囲になるように制御する。なお重縮合工程の反応時間は重縮合反応槽内の滞留時間で240分以下が好ましく、200分以下がより好ましい。このようにして、上述の重縮合触媒を用いてポリエチレンテレフタレートを製造することができる。
この重縮合工程で得られるポリエチレンテレフタレートは、通常、溶融状態で押出しながら、冷却後、切断して粒状(チップ状)のポリエチレンテレフタレートを得る。得られたポリエチレンテレフタレートの極限粘度IVは0.48〜0.53dL/g、かつ末端カルボキシル数が14〜22mmol/kgの範囲に該当する必要がある。好ましくは極限粘度が0.48〜0.52dL/g、末端カルボキシル数が17〜22mmol/kgの範囲に該当することである。極限粘度がこの範囲の下限を下回ると、ポリエチレンテレフタレートチップの搬送時や固相重縮合工程でチップの変形、粉体化が起こる問題、又は固相重縮合反応の時間が長くなり生産性が低下するなどの問題が生じる。このため、ポリエチレンテレフタレートの極限粘度はできるだけ高い方が好ましい。しかし、極限粘度が上記範囲の上限を超すと、固相重縮合後のポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンテレフタレート成形品中のアセトアルデヒドや環状三量体量が多いという問題が生じる。また末端カルボキシル数が上記範囲の下限を下回ると、ポリエチレンテレフタレート成形品中のアセトアルデヒド含有量が大きくなり、また末端カルボキシル数が上記範囲の上限を上回ると環状三量体含有量が多くなってしまう。
また、重縮合反応では、必要に応じてトリメチルホスフェートなどのリン安定剤をポリエチレンテレフタレート製造における任意の段階で加えても良い。さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、整色剤、消泡剤又はその他の添加剤などをポリエチレンテレフタレート中に配合してもよい。さらに、得られるポリエチレンテレフタレートの色相の改善補助をするために、ポリエチレンテレフタレートの製造段階において、アゾ化合物、トリフェニルメタン化合物、キノリン化合物、アントラキノン化合物、若しくはフタロシアニン化合物の有機青色顔料、無機青色色素、又はその他の整色剤を反応器に添加することもできる。
(固相重縮合工程)
本発明においては、上記液相重縮合工程で得られるポリエチレンテレフタレートはさらに固相重縮合に供給される必要がある。固相重縮合工程に供給される粒状ポリエチレンテレフタレートは、予め、固相重縮合を行う場合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重縮合工程に供給してもよい。
この予備結晶化工程は、粒状ポリエチレンテレフタレートを乾燥状態で、通常120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度で1分から4時間加熱することによって行うことができる。またこのような予備結晶化は、粒状ポリエチレンテレフタレートを水蒸気雰囲気、水蒸気含有不活性ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、水蒸気含有空気雰囲気下、又はこれらの気体の流通下で120〜200℃の温度で1分間以上加熱することによって行うこともできる。加熱時間は1分以上20時間以下が好ましく、30分以上10時間以下がより好ましく、1時間以上8時間以下が最も好ましい。
予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートは、結晶化度が20〜50%であることが望ましい。なお、この予備結晶化処理によっては、いわゆるポリエチレンテレフタレートの固相重縮合反応は進行せず、予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートの極限粘度は、液相重縮合後のポリエチレンテレフタレートの極限粘度とほぼ同じである。その予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートの極限粘度と予備結晶化される前のポリエチレンテレフタレートの極限粘度との差は、通常0.06dL/g以下である。ポリエチレンテレフタレートの結晶化度については、完全結晶状態の密度と、完全非晶状態の密度がそれぞれ1.501g/cm、1.335g/cmとされているので、得られたポリエチレンテレフタレートサンプルの比重を密度勾配管などで測定することによって結晶化度を算出することができる。
固相重縮合工程は、少なくとも1段からなり、反応温度が190〜230℃、好ましくは195〜225℃であり、より好ましくは200〜225℃である。反応圧力は200kPa〜1kPa、好ましくは常圧から10kPaの条件下で、窒素、アルゴン、炭酸ガス、その他の不活性ガス雰囲気下で行われることが酸化分解を抑制する事ができるので好ましい。使用する不活性ガスとしては安価な窒素ガスが望ましい。
このような固相重縮合工程を経て得られた粒状ポリエチレンテレフタレートには、必要に応じて水処理を行ってもよく、この水処理は、粒状ポリエチレンテレフタレートを水、水蒸気、水蒸気含有不活性ガス、又は水蒸気含有空気と接触させることにより行われる。
このようにして得られた粒状ポリエチレンテレフタレートの極限粘度IVは、0.70〜0.86dL/gであることが必要である。更に固相重縮合後のポリエチレンテレフタレートは末端カルボキシル数が15mmol/kg未満であることが好ましい。末端カルボキシル数はより好ましくは0〜15mmol/kg未満、更により好ましくは5〜12mmol/kgである。上記のようなエステル化反応工程、液相重縮合工程、固相重縮合工程を含むポリエチレンテレフタレートの製造工程はバッチ式、半連続式、連続式のいずれでも行うことができる。固相重縮合後のポリエチレンテレフタレートの極限粘度が0.70dL/g未満であると、ポリエチレンテレフタレートを溶融成形して得られるポリエチレンテレフタレート成形体の強度が不足すること、ボトル等の透明性が必要な用途のときには外観が白化する場合があり好ましくない。一方極限粘度が0.86dL/gを超えるとポリエチレンテレフタレート成形体の靱性が失われ、脆くなったり結晶化速度が遅くなったりすることがあり好ましくない。また固相重縮合後のポリエチレンテレフタレートの末端カルボキシル数が15mmol/kg以上になると、環状三量体含有量が増えることがあり好ましくない。固相重縮合後のポリエチレンテレフタレートの末端カルボキシル数が15mmol/kg未満とするには、液相重縮合工程において上述した極限粘度、末端カルボキシル数の溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートを得て、不活性ガス雰囲気下、上記の温度範囲内、且つ圧力範囲内で行うことが重要である。
なお、本出願の技術においては、成形されるまでにポリエチレンテレフタレートにナトリウム、カリウム、セシウムのうち、少なくとも1種の原子を含む化合物を、ポリエチレンテレフタレート中のこれらの金属原子濃度で2〜25ppm含むよう添加されることが好ましい。ナトリウム、カリウム、セシウム以外の金属塩は殆どアセトアルデヒド含有量の低減効果が無い。ナトリウム塩、カリウム塩又はセシウム塩を用いたときでも、ポリエチレンテレフタレート中のその金属原子濃度が2ppm未満では殆どアセトアルデヒド含有量の低減効果が無く、また25ppmを超える量を添加したときは、ポリエチレンテレフタレート成形品に異物が発生するなど成形異常が起こる。通常のポリエチレンテレフタレート製造工程では添加時に投入した金属塩の量がそのままポリエチレンテレフタレート中に含有されるので、この点を考慮することにより、得られるポリエチレンテレフタレート中に2〜25ppm含むように製造時に添加する量を算出することができる。上述のナトリウム、カリウム、セシウムのうち少なくとも1種の原子をポリエチレンテレフタレート中に含ませるには、酢酸塩、炭酸塩、硫酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属塩を添加することが好ましい。これらの中でも酢酸塩が好ましく、すなわち酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、又は酢酸セシウムを用いる事が好ましい。
これらのナトリウム、カリウム、セシウム金属塩の具体的な添加方法としては、ポリエチレンテレフタレート製造工程における任意の工程で可能であるが、液相重縮合段階で添加すると、ポリエチレンテレフタレートの色相の悪化や重縮合反応の低下が発生し、好ましくないことがある。また溶融成形時に直接粉体状の形態で添加するのは付着量が不均一になる恐れがある上、操作が煩雑になることもある。これらの点を考慮すると固相重縮合工程後に金属塩を含む溶液と接触させる方法が好ましく挙げられる。さらに金属塩を含む溶液としては、金属塩を適切な濃度で溶解できる液体であれば制限することなく用いることができるが、溶解度が高く溶媒を容易に入手できることから水溶液が好ましい。また接触させる方法としては、バッチ式又は連続式のいずれの方法においても採用する事ができる。バッチ式とするときには、処理装置にこれらの金属塩の溶液と固相重縮合が終了したポリエチレンテレフタレートをいれて接触させる方法を挙げる事ができる。または連続式のときには連続的にこれらの金属塩の水溶液を向流又は並流で供給しポリエチレンテレフタレートと接触させる方法又はポリエチレンテレフタレートに溶液を噴霧させる方法を挙げる事ができる。更にこれらの金属塩の水溶液を付着させてから適切な温度で乾燥させる方法が最も優れている。
尚、ポリエチレンテレフタレート中の環状三量体含有量及びアセトアルデヒド含有量は、通常、固相重縮合工程で低減されるため、固相重縮合前の溶融重縮合後の極限粘度IV及び固相重縮合の条件などを調整する手法で対応できる。そして本発明の製造方法によれば固相重縮合して得られたポリエチレンテレフタレート中のアセトアルデヒド含有量を15ppm未満であり、環状三量体含有量を0.40重量%以下にすることができる。アセトアルデヒド含有量は好ましくは8ppm以下、より好ましくは6ppm以下である。また環状三量体含有量は好ましくは0.38重量%以下、より好ましくは0.35重量%以下である。ここでのポリエチレンテレフタレートとは上記の金属塩を含む溶液と接触させた直後のポリエチレンテレフタレート、その後射出成形法などの方法により得た場合のそのポリエチレンテレフタレート製成形品も含まれる。
(その他)
よって、本発明の製造方法で得られたポリエチレンテレフタレートは、色相及び透明性に優れ、且つ、アセトアルデヒドの含有量及び、Cy−3の含有量も少なく、ボトル、その他の飲料用途の成形体材料として有用である。成形体を製造する前には、ポリエチレンテレフタレートを充分乾燥させることが好ましく、120〜180℃の温度で空気雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、又は不活性ガス流通下で行うのが好ましい。
本発明の製造方法により得られたポリエチレンテレフタレートを適切な金型を用意し、成形温度300℃で成形して外径28mm、内径19mm、長さ136mm、重量56gの試験管状成形体を得ることができる。その詳細な形状は概ね中空の円筒形であり、一方の端がほぼ半球状の形に閉ざされた形状をしている。その試験管状成形体中のアセトアルデヒド含有量が13ppm未満且つ環状三量体含有量が0.40重量%以下にすることもできる。これは従来のゲルマニウム化合物を使用して最適の条件で得られてポリエチレンテレフタレートの同条件での成形体と同じ水準である。
以上の様に本発明によれば、ゲルマニウム化合物より安価で、アンチモン化合物、アルミニウム化合物に比べ衛生性に懸念の無いチタン化合物を触媒として使用し、ポリエチレンテレフタレートを製造する事ができる。そのポリエチレンテレフタレートは、ゲルマニウム化合物を重縮合触媒として使用したポリエチレンテレフタレートと同等の、アセトアルデヒド含有量が少なく、環状三量体含有量が少ない成形体を製造する事ができる。この事実は産業上の意義が大きい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。各実施例、比較例における分析評価は次のように行った。
(1)極限粘度(IV)
ポリエチレンテレフタレートサンプル0.6gをo−クロロフェノール50cc中に加熱溶解した後、一旦冷却させ、ポリエチレンテレフタレートのo−クロロフェノール溶液を得た。ウベローデ式粘度計を用いて35℃の温度条件で測定したその溶液の溶液粘度から極限粘度を算出した。
(2)末端カルボキシル数(CV)
ポリエチレンテレフタレートサンプルを粉砕して精秤した後ベンジルアルコールに溶解し、水酸化カリウムによる中和滴定を行った。その滴定値からポリエチレンテレフタレート単位重量当たりの数値に換算し、末端カルボキシル数を算出した。
(3)アセトアルデヒド(AA)含有量
ポリエチレンテレフタレートサンプルを凍結粉砕しバイアル瓶に仕込み、150℃×60分に保持した。その後、バイアル瓶中の気体を日立製ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにて分析して、AA含有量を算出した。
(4)金属原子、リン原子含有濃度分析
乾燥した重縮合触媒スラリーサンプルを走査電子顕微鏡(SEM,日立計測機器サービスS570型)にセットした。SEMに連結したエネルギー分散型X線マイクローアナライザー(XMA,堀場EMAX−7000型)にて定量分析を行い、重縮合触媒サンプル中のチタン、リン原子濃度を算出した。
ポリエチレンテレフタレート中の触媒金属濃度は、粒状のサンプルをアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平面を有する成形体を作成し、蛍光X線装置(理学電機工業3270E型)にて、定量分析した。
(5)環状三量体(Cy−3)含有量
ポリエチレンテレフタレートサンプルを粉砕機で粉砕後、一定量秤量し、少量のヘキサフロロイソプロパノール/クロロホルム混合溶液で一旦溶解し、クロロホルムで一定濃度(50g/L)に希釈した。その後、この溶液をゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC、Waters社ALC/GPC244型)にて、低分子量領域に表れた成分のピークを検出した。一方、環状三量体(Cy−3)の標準サンプルから求めた検量線を基準に、ポリエチレンテレフタレート中のCy−3の定量を行った。
(6)オリゴマーの重合度
エステル化工程によって得られたエステル化反応物の試料をサンプリングし、Mauriceらの方法[Anal.Chim.Acta,22,p363(1960)]によりカルボキシル末端基量を測定した。次にエステル化反応物の試料をヘキサフルオロイソプロパノールに溶解し、この溶液について13C−NMRを用いることでヒドロキシル末端基量を定量した。さらに両方の末端基量から数平均分子量を求め、重合度に換算した。
(7)ポリエチレンテレフタレート中のアルカリ金属原子含有量分析
ポリエチレンテレフタレートサンプルを1重量%のo−クロロフェノール溶液として、その2倍量の0.5モル%塩酸水溶液を加え振とうし、抽出処理した。得られた水相の溶液を日立ハイテクノロジーズ社のZ−2300型原子吸光光度分析計にて分析し定量した。
[参考例1]
攪拌機、窒素流通配管及び加熱装置を備えた触媒調製槽中にエチレングリコール21重量部を入れて混合攪拌した中に、酢酸0.023重量部、チタンテトラブトキシド0.162重量部を徐々に添加した。触媒調整槽を50℃で2時間保持し透明なチタン化合物のエチレングリコール溶液を得た。以下、この溶液を「TBT/EG溶液」と称する。このTBT/EG溶液中のチタン濃度を、蛍光X線を用い測定したところ、チタン含有量は1.0重量%であった。
更に、別の攪拌機、窒素流通配管及び加熱装置を備えた触媒調製槽中にエチレングレコール17.57重量部を入れて攪拌しながら120℃まで加熱し、モノ−n−ブチルホスフェート0.147重量部を添加した。内容物を攪拌しながら加熱混合して溶解した。その触媒調整槽へ、先に準備したTBT/EG溶液全量を徐々に添加した。その後、120℃の温度で1時間攪拌保持し、チタン化合物とリン化合物の反応を完結させた。その反応物は白濁状態で微細な析出物として存在した。以下、この溶液を「TBMBP触媒液」と称する。この溶液の一部から、溶液中の微細な析出物を分離・精製を行い、各種の分析を行った結果、この微細な析出物は一般式(I)で表される化合物であってRがノルマルブチル基である化合物であることを確認した。
[実施例1]
単位時間当たり平均450質量部のエチレンテレフタレートオリゴマーが滞留する完全混合反応器内に、攪拌下、窒素雰囲気下で274.5℃、常圧下に維持された条件下に、単位時間当たり358質量部の高純度テレフタル酸と単位時間当たり190質量部のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリーを連続して供給した。エステル化反応で発生する水とエチレングリコールを反応器外に留去しながら、反応器内の理論滞留時間が4時間でエステル化反応を完結させた。この時のエステル化反応で発生した水量から計算したエステル化率は98%以上で、生成したエチレンテレフタレートオリゴマーの重合度は、約5〜9であった。
このエステル化反応で得られたエチレンテレフタレートオリゴマー450質量部を順次、重縮合反応槽に移し、重縮合触媒として、参考例1で調製したTBMBP触媒液を単位時間当たり4質量部投入した。重縮合反応槽内の反応温度を276.5℃、反応圧力を60Paに保ち、重縮合反応で発生する水、エチレングリコールを重縮合反応槽外に除去しながら溶融状態で重縮合反応を行った。この時の重縮合反応槽内の滞留時間は、180分であった。その後、重縮合反応槽内の反応物を吐出部からストランド状に連続的に押出し、水で冷却、次いで切断して、大きさが約3mm程度の粒状ポリエチレンテレフタレートを得た。このポリエチレンテレフタレート(溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート)のIVは0.492dL/g、末端カルボキシル数は17mmol/kgであった。
この溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートを窒素流通下、160℃で5時間結晶化及び乾燥させた。続いてタンブラー式固相重縮合装置に結晶化したポリエチレンテレフタレートを投入して0.13kPaの減圧下、225℃で27時間固相重縮合反応を行った。この固相重縮合済みポリエチレンテレフタレート(固相重縮合ポリエチレンテレフタレート)を用いプリフォーム成形体を下記の方法で成形した。
ポリエチレンテレフタレート5kgを温度160℃、常圧、窒素流入下条件で5時間以上棚段式の乾燥機を用いて乾燥させた。乾燥したポリエチレンテレフタレートを射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000型)にてシリンダー温度300℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径28mm、内径19mm、長さ136mm、重量56gの円筒状の試験管状成形体を射出成形した。この試験管状成形体をブロー成形するとボトルが得られることから、この試験管状成形体は成形プリフォームと称される。
一連のポリエチレンテレフタレート(溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート)及び成形プリフォームの極限粘度、末端カルボキシル数、Ti原子含有量、P原子含有量及びK原子含有量、並びにその他の品質を表1及び表2に示した。
[実施例2]
実施例1において、エステル化反応温度を273.5℃に変更して溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVを0.489dL/g、末端カルボキシル数を19mmol/kgとする以外は実施例1と同様にして重縮合反応を行った。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[実施例3]
実施例1において、エステル化反応温度を273.0℃に変更して溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVを0.483dL/g、末端カルボキシル数を22mmol/kgとする以外は実施例1と同様にして重縮合反応を行った。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[実施例4]
実施例1においてエステル化反応温度を273.5℃、溶融重縮合の温度を277.5℃に変更して溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVを0.520dL/g、末端カルボキシル数を18mmol/kgとする以外は実施例1と同様にして重縮合反応を行った。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[比較例1]
実施例1において、エステル化反応温度を272.0℃に変更して溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVを0.491dL/g、末端カルボキシル数を26mmol/kgとする以外は実施例1と同様にして重縮合反応を行った。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[比較例2]
実施例1においてエステル化反応温度を273.5℃、溶融重縮合の温度を278.3℃に変更して溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVを0.544dL/g、末端カルボキシル数を17mmol/kgとする以外は実施例1と同様にして重縮合反応を行った。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[実施例5]
単位時間当たり平均450質量部のエチレンテレフタレートオリゴマーが滞留する完全混合反応器内に、攪拌下、窒素雰囲気で274.5℃、常圧下に維持された条件下に、単位時間当たり358質量部の高純度テレフタル酸と単位時間当たり190質量部のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリーを連続して供給した。エステル化反応で発生する水とエチレングリコールを反応器外に留去しながら、反応器内の理論滞留時間が4時間でエステル化反応を完結させた。この時、実施例1と同様の手法にて測定したエステル化率は98%以上で、生成したエチレンテレフタレートオリゴマーの重合度は、約5〜9であった。
このエステル化反応で得られたエチレンテレフタレートオリゴマー450質量部を順次、重縮合反応槽に移し、重縮合触媒として、参考例1で調製したTBMBP触媒液を単位時間当たり4質量部投入した。重縮合反応槽内の反応温度を276.5℃、反応圧力を60Paに保ち、重縮合反応で発生する水,エチレングリコールを重縮合反応槽外に除去しながら溶融状態で重縮合反応を行った。この時の重縮合反応槽内の滞留時間は、180分であった。その後、重縮合反応槽内の反応物を吐出部からストランド状に連続的に押出し、水で冷却、次いで切断して、大きさが約3mm程度の粒状ポリエチレンテレフタレートを得た。この溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVは0.492dL/g、末端カルボキシル数は17mmol/kgであった。
この溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートを窒素流通下、160℃で5時間結晶化及び乾燥させた。続いてタンブラー式固相重縮合装置に結晶化したポリエチレンテレフタレートを投入して0.13kPaの減圧下、225℃で27時間固相重縮合反応を行った。得られたポリエチレンテレフタレートに、ポリエチレンテレフタレート中のカリウム原子含有量で8ppmになるように酢酸カリウム水溶液を噴霧することにより添加した。その後、乾燥することによって固相重縮合ポリエチレンテレフタレートを得た。その後プリフォーム成形体を実施例1と同様の方法で成形した。
一連の溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの極限粘度、末端カルボキシル数、Ti原子含有量、P原子含有量及びK原子含有量、並びにその他の品質を表1及び表2に示した。
[実施例6]
実施例5において、エステル化反応温度を273.5℃に変更して溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVを0.489dL/g、末端カルボキシル数を19mmol/kgとする以外は実施例5と同様にして重縮合反応を行った。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[実施例7]
実施例5において、エステル化反応温度を273.0℃に変更して溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVを0.483dL/g、末端カルボキシル数を22mmol/kgとする以外は実施例5と同様にして重縮合反応を行った。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[実施例8]
実施例5において、エステル化反応温度を274.9℃に変更して溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVを0.494dL/g、末端カルボキシル数を15mmol/kgとする以外は実施例5と同様にして重縮合反応を行った。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[実施例9]
実施例5においてエステル化反応温度を273.5℃、溶融重縮合の温度を277.5℃に変更して溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVを0.520dL/g、末端カルボキシル数を18mmol/kgとする以外は実施例5と同様にして重縮合反応を行った。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[実施例10、11]
実施例9において、ポリエチレンテレフタレート中のカリウム原子含有量が表2で示した値になるように酢酸カリウム水溶液の噴霧量を変更し、その後乾燥することによって固相重縮合ポリエチレンテレフタレートを得た。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[実施例12,13]
実施例9において、酢酸カリウム水溶液を用いる代わりに、酢酸ナトリウム水溶液又は酢酸セシウム水溶液を用い、ポリエチレンテレフタレート中のアルカリ金属原子含有量が表2で示した値になるように噴霧量を変更し、その後乾燥することによって固相重縮合ポリエチレンテレフタレートを得た。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
[比較例3]
実施例1において以下に示した条件に変更する以外は実施例1と同様にして重縮合反応を行った。エステル化反応温度を274.5℃から277.2℃に、重縮合触媒としてTBMBP触媒液を単位時間当たり4質量部投入する代わりに、1質量%二酸化ゲルマニウム/エチレングリコール溶液を単位時間当たり6.8質量部及びリン酸のエチレングリコール溶液(リン濃度として5.5質量%)を単位時間当たり1質量部投入することに変更した。更に、溶融重縮合の温度を276.5℃から277.0℃に変更して溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートのIVを0.510dL/g、末端カルボキシル数を26mmol/kgとした。最後に、固相重縮合を225℃で27時間行うことから220℃で23時間行うことに変更した。得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート及び成形プリフォームの品質を表1及び表2に示した。
Figure 2007117028
Figure 2007117028

Claims (10)

  1. ポリエチレンテレフタレートの製造方法であって、下記一般式(I)で表される化合物を重縮合触媒として使用し溶融重縮合を行い、極限粘度が0.48〜0.53dL/g、末端カルボキシル数が14〜22mmol/kgの溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートを得る工程、更に溶融重縮合ポリエチレンテレフタレートを固相重縮合して極限粘度0.70〜0.86dL/gの固相重縮合ポリエチレンテレフタレートを得る工程を含むポリエチレンテレフタレートの製造方法。
    Figure 2007117028
    [但し、上記一般式(I)中、Rは、2〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表す。]
  2. 固相重縮合ポリエチレンテレフタレート中のチタン原子含有量が1〜50ppmである請求の範囲第1項に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  3. 溶融重縮合の工程がエステル化反応工程を含み、エステル化反応工程でのエステル化反応率が90%以上である請求の範囲第1項に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  4. 溶融重縮合の工程がエステル化反応工程を含み、エステル化反応工程での最終のエステル化反応温度が250〜279℃である請求の範囲第1項に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  5. 溶融重縮合の工程がエステル化反応工程を含み、エステル化反応工程で得られたエチレンテレフタレートオリゴマーの重合度が3〜12である請求の範囲第1項に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  6. 溶融重縮合の工程がエチレングリコールとテレフタル酸を原料に用いるエステル化反応工程を含み、エステル化反応工程で用いるエチレングリコール/テレフタル酸のモル比が1.2〜1.8である請求の範囲第1項に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  7. 固相重縮合ポリエチレンテレフタレートの末端カルボキシル数15mmol/kg未満であり、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート中にナトリウム、カリウム及びセシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を2〜25ppm含む請求の範囲第1項に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  8. 固相重縮合ポリエチレンテレフタレート中のチタン原子含有量が5〜25ppmである請求の範囲第7項に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  9. 固相重縮合ポリエチレンテレフタレート中にナトリウム、カリウム及びセシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を含ませるにあたり、ポリエチレンテレフタレート製造工程における任意の工程において、酢酸塩、炭酸塩及び硫酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属塩を添加する請求の範囲第7項に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  10. 固相重縮合ポリエチレンテレフタレート中にナトリウム、カリウム及びセシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を含ませるにあたり、その原子を含む塩の水溶液と固相重縮合ポリエチレンテレフタレートを接触させる請求の範囲第7項に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
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