JP2004060063A - ポリエステル未延伸糸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたり連続的に、安定して、好ましい色調を有し、かつ品質斑の少ない、分子配向度が複屈折率で0.03〜0.06のポリエステル未延伸糸(部分配向糸)を製造する方法を提供すること。
【解決手段】特定のチタン化合物と特定のリン化合物とを、チタン元素のモル数に対するリン元素のモル数(P/Ti)が1〜4の範囲となるようにグリコール中で加熱して得た析出物を触媒として用いて、合成したポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを溶融し、冷却・固化しつつ、2500〜4000m/minの速度で紡糸引き取りして、複屈折率が0.03〜0.06のポリエステル未延伸糸を得る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル未延伸糸(部分配向糸)の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、長期にわたり溶融紡糸操作を中断することなく、好ましい色調、優れた品質を有する、複屈折率が0.03〜0.06のポリエステル未延伸糸(部分配向糸)を、安定して製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートの溶融紡糸においては、紡糸時間の経過と共に、紡糸口金吐出孔周辺に異物(以下、単に口金異物と称する場合もある)が発現し、付着・堆積し、溶融ポリマーの正常な流れを阻害し、吐出糸条の屈曲、ピクツキ、旋回等(以下、単に異常吐出現象と称する場合もある)が進行し、ついには吐出ポリマー糸条が紡糸口金面に付着して断糸するという現象が起こる。特に、分子配向度が複屈折率で0.03以上のポリエステル未延伸糸(部分配向糸)を紡糸引き取りする際には、該口金異物が溶融ポリマー吐出状態に及ぼす影響が大きく、短時間の間に、異常吐出現象が発生することが多くなる。このような異常吐出現象が起こると、紡糸運転に支障をきたすのみならず、冷却・固化の過程で繊維構造斑が発生し、得られたポリエステル未延伸糸(部分配向糸)は品質斑(延伸仮撚加工時毛羽、断糸発生など)を内在したものとなる。
【0003】
このような口金異物の付着・堆積原因は、ポリエステル中に存在するアンチモンに起因することが知られているが、そのアンチモンは、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートの触媒として、優れた重縮合触媒性能を有する、また色調の良好なポリエステルが得られるなどの理由から、最も広く使用されているアンチモン系触媒に由来するものであり、通常のポリエステル中には必然的に存在している。したがって、通常のポリエステルの溶融紡糸においては、紡糸口金吐出孔周辺に付着・堆積した口金異物を拭き取る為に、紡糸引き取り操作を一定間隔で中断し、再び正常運転を繰り返さねばならないという問題がある。
【0004】
一方、該アンチモン化合物以外の重縮合触媒として、チタンテトラブトキシドのようなチタン化合物を用いることも提案されているが、このようなチタン化合物を使用した場合、上記のような、口金異物の付着・堆積は減少するが、ポリエステル自身の黄色味が強くなり、ポリエステル繊維として衣料用途に使用できない色調となるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、長期にわたり溶融紡糸操作を中断することなく、好ましい色調、優れた品質を有し、分子配向度が複屈折率で0.03〜0.06のポリエステル未延伸糸(部分配向糸)を、安定して製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の目的は、「複屈折率が0.03〜0.06のポリエステル未延伸糸を製造するに際し、下記式(I)で表されるチタン化合物と下記式(II)で表されるリン化合物とを、チタン元素のモル数に対するリン元素のモル数(P/Ti)が1〜4の範囲となるようにグリコール中で加熱して得た析出物を触媒として用いて、合成したポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを溶融し、冷却・固化しつつ、2500〜4000m/minの速度で紡糸引き取りすることを特徴とする、ポリエステル未延伸糸の製造方法」によって達成される。
【0007】
【化3】
Figure 2004060063
【0008】
【化4】
Figure 2004060063
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、主たる繰り返し単位としてエチレンテレフタレート単位が85モル%以上、好ましくは95モル%以上からなるポリエステルである。テレフタル酸成分および/またはエチレングリコール成分以外の成分を少量(通常は、テレフタル酸成分またはエチレングリコール成分に対して20モル%以下)共重合したものであっても良い。
【0010】
本発明においては、実質的にアンチモン(Sb)を含まず、下記一般式(I)で表されるチタン化合物と下記一般式(II)で表されるリン化合物との反応生成物を使用して合成されたポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを使用する。
【0011】
【化5】
Figure 2004060063
【0012】
【化6】
Figure 2004060063
【0013】
このように、アンチモン(Sb)を含まず、特定のチタン化合物と特定のリン化合物との反応生成物を使用して合成されたポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを溶融吐出すると、口金異物の発生が劇的に低減し、吐出ポリマー糸条が安定となり、紡糸操作を中断することなく、長期にわたり、品質斑の少ない、分子配向度が複屈折率で0.03〜0.06のポリエステル未延伸糸(部分配向糸)を連続して製造することができる。さらに、得られたポリエステル未延伸糸は、アンチモン系触媒を使用して合成された従来のポリエチレンテレフタレート系ポリエステルから得られた未延伸糸(部分配向糸)と同じレベルの色調を有している。
【0014】
ここで、上記一般式(I)で表されるチタン化合物と上記一般式(II)で表されるリン化合物とを反応させる場合、反応生成物中のチタン元素のモル数に対するリン元素のモル数(以下P/Tiと称する)が1〜4となる範囲として、反応を行う必要がある。P/Tiが1より小さい場合、得られるポリエステルは著しく黄味を帯び、該ポリエステルからの未延伸糸(部分配向糸)を延伸糸あるいは仮撚加工糸(以下、単に繊維と称する)とした時、衣料用途に使用できない色調となる。ここで「繊維とした時、衣料用途に使用できない色調」とは、繊維を筒編状として測定したカラーL値とカラーb値との差(以下(L−b)と称する)が80未満の場合をいう(逆に好ましい色調とはL−bが80以上の場合をいう)。一方、P/Tiが4を越えるとポリエチレンテレフタレート系ポリエステルの重合反応性が大幅に低下し、目的の未延伸糸を製造できるポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを得ることができない。なお、(P/Ti)が1.2〜3.5の範囲であるときには、更に好ましい色調の繊維となるポリエチレンテレフタレート系ポリエステルが得られる。特に1.5〜3.0の範囲であるときが最も好ましい色調の繊維となる。
【0015】
また、チタン化合物成分(I)とリン化合物成分(II)との触媒調製は、エチレングリコール中で加熱反応する必要があるが、反応方法としては例えばリン化合物(II)からなる成分とエチレングリコールとを混合して、リン化合物成分の一部又は全部を溶媒中に溶解し、この混合液にチタン化合物成分(I)を滴下し、反応系を0℃〜200℃の温度に30分間以上、好ましくは60〜150℃の温度に40〜90分間、加熱することによって行われる。この反応において、反応圧力については格別の制限はなく、通常は常圧下で行われる。
【0016】
ここで上記式(I)で表されるチタン化合物としては例えば、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラエトキシドなどのチタンテトラアルコキシドや、オクタアルキルトリチタネート、ヘキサアルキルジチタネートなどのアルキルチタネート、酢酸チタン等を挙げることができる。
【0017】
また上記式(II)で表されるリン化合物としては式中のpが0の場合は、例えば、フェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニルホスホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−カルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸等を挙げることができるが、中でもフェニルホスホン酸が好ましい。
【0018】
また、pが1の場合は例えば、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノトリメチルホスフェート、モノ−n−ブチルホスフェート、モノヘキシルホスフェート、モノヘプチルホスフェート、モノノニルホスフェート、モノデシルホスフェート、モノドデシルホスフェート、モノフェニルホスフェート、モノベンジルホスフェート、モノ(4−ドデシル)フェニルホスフェート、モノ(4−メチルフェニル)ホスフェート、モノ(4−エチルフェニル)ホスフェート、モノ(4−プロピルフェニル)ホスフェート、モノ(4−ドデシルフェニル)ホスフェート、モノトリルホスフェート、モノキシリルホスフェート、モノビフェニルホスフェート、モノナフチルホスフェート、モノアントリルホスフェート等が挙げられる。
【0019】
上記式(I)で表されるチタン化合物は予め下記式(III)の多価カルボン酸及び/又はその無水物と反応させて使用する方法も好ましく用いられる。その場合、チタン化合物と多価カルボン酸及び/又はその無水物の反応モル比は(2:1)〜(2:5)の範囲が好ましい。特に好ましい範囲は(1:1)〜(1:2)である。
【0020】
【化7】
Figure 2004060063
【0021】
該チタン化合物は、テレフタル酸を原料とする直接重合工程においては、全添加量の一部及び/又はその全量をエステル化反応終了後に反応系内に添加する方法が好ましく採用され、エステル交換反応を伴う重縮合工程においては、全添加量の一部及び/又はその全量をエステル交換反応開始前に反応系内に添加し、エステル交換反応と重縮合反応触媒とに兼用する方法が好ましく採用される。
【0022】
本発明に使用するポリエチレンテレフタレート系ポリエステルの固有粘度は0.45〜0.75、より好ましくは0.50〜0.70の範囲にあることが、目的のポリエステル未延伸糸を製造する上で望ましい。
【0023】
なお、該ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルは、必要に応じて少量の添加剤、例えば滑剤、顔料、染料、酸化防止剤、固相重合促進剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤、艶消剤等を含んでいても良い。
【0024】
本発明における溶融紡糸は、溶融押出機(スクリュウーエクストルーダー)を装備した通常のポリエステル溶融紡糸機を用い、上述のポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを通常のポリエステル溶融紡糸温度(270〜310℃)で溶融し、紡糸口金より吐出し、冷却・固化しつつ、回転ローラーあるいは計量ノズル型給油装置で油剤を付与しながら2500〜4000m/minの速度で引き取りする方法で、行う。紡糸速度が2500m/min未満の場合は得られたポリエステル未延伸糸(部分配向糸)の複屈折率が0.03未満となり、延伸仮撚加工が困難となる。複屈折率が0.06を越える場合はポリエステル未延伸糸(部分配向糸)からの延伸仮撚加工糸の強度、伸度が実用範囲以下に低下する。
【0025】
このように、本発明によれば、長期にわたり連続的に、安定して、好ましい色調を有し、かつ品質斑の少ない、分子配向度が複屈折率で0.03〜0.06のポリエステル未延伸糸(部分配向糸)を製造することができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定を受けるものでは無い。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
【0027】
(1)チタン元素含有量、リン元素含有量
粒状のポリエステル試料をアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平坦面を有する試験成型体を作成し、理学電気工業株式会社社製蛍光X線測定装置3270Eを用いてチタン元素含有量およびリン元素含有量を測定した。
【0028】
(2)固有粘度
常法に従い、オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定した。
【0029】
(3)複屈折率
常法に従い、光学顕微鏡とコンペンセーターを用いて、繊維の表面に観察される偏光のリターデーションから求めた。
【0030】
(4)口金異物高さ
各実施例に示す方法、条件で溶融紡糸を行い、3、6、9日後に紡糸口金表面に離型剤を吹き付けて、吐出ポリマーが付着しないようにして、紡糸口金を取り外し、顕微鏡にて吐出孔周辺に付着・堆積した口金異物の高さを測定した。全ての吐出孔について口金異物の高さを測定し、それらの平均値で表した。
【0031】
(5)紡糸断糸率(%)
人為的あるいは機械的要因に起因する断糸を除き、紡糸機運転中に発生した紡糸断糸回数を記録し下記式で紡糸断糸率(%)を計算した。
紡糸断糸率(%)=[断糸回数/(稼動ワインダー数×ドッフ数)]×100
ここで、ドッフ数とは未延伸糸パッケージを既定量(10kg)まで捲き取った回数をいう。
【0032】
(6)毛羽個数(個/10m)
東レ株式会社社製DT−104型毛羽カウンター装置を用いて、延伸仮撚加工糸を500m/minの速度で20分間連続測定して発生毛羽数をカウントした。
【0033】
(7)延伸仮撚断糸率(%)
人為的あるいは機械的要因に起因する断糸を除き、延伸仮撚機運転中に発生した断糸回数を記録し下記式で延伸仮撚断糸率(%)を計算した。
延伸仮撚断糸率(%)=[断糸回数/(稼動錘数×ドッフ数)]×100
ここで、ドッフ数とは仮撚加工糸パッケージを既定量(2.5kg)まで捲き取った回数をいう。
【0034】
(8)(L−b)値
ポリエステル繊維を12ゲージ丸編機で30cm長の筒編みとし、ミノルタ株式会社社製ハンター型色差計CR−200を用い、L値、b値を測定し、その差を(L−b)値とした。
【0035】
(9)強度・伸度
JIS−L1013に準拠して測定した。
【0036】
[実施例1〜3、比較例1]
フェニルホスホン酸とチタンテトラブトキシドとをエチレングリコール中にて120℃で反応させ、おのおの表1に示すP/Ti値を有する反応生成物スラリーを得た。
【0037】
おのおのの反応生成物スラリーを触媒として用いて、テレフタル酸とエチレングリコールとを重縮合し、固有粘度0.630のポリエチレンテレフタレートを合成した。
【0038】
該ポリエチレンテレフタレートをペレット状となし、150℃で5時間乾燥した後、スクリュウー式押出機を装備した溶融紡糸設備にて溶融し、295℃のスピンブロックに導入し、孔径0.23mmの吐出孔が同心円状に72個配列してある紡糸口金から、48g/分の流量で吐出し、ポリマー流を、クロスフロー式の送風筒から噴出される空気流で冷却・固化しつつ、紡糸口金から80cm下方に設置された計量ノズル式給油装置で、給油しながら集束し、エアーノズルで交絡処理を施した後に3300m/分の速度で引き取り、145dtex/72filamentsの未延伸糸(部分配向糸)として、10kgをパッケージ状に巻き取った。上記溶融紡糸操作は9日間連続して行った。
【0039】
本例においては、表1から明らかなように、何れの例においても、紡糸経時に伴う口金異物の付着・堆積が極めて少なく、ポリマー吐出状態は長期にわたり安定であり、紡糸断糸率も低いレベルであった。
【0040】
次に、得られたポリエステル未延伸糸(部分配向糸)パッケージを、直径45mmのウレタンディスクを仮撚具として装備した帝人製機株式会社社製HTS−1500型延伸仮撚加工機にて、延伸倍率1.65、第1ヒーター前半部温度500℃、後半部温度310℃、延伸仮撚速度700m/minの延伸仮撚条件で、延伸仮撚加工を行い85dtex/72filamenntsの仮撚加工糸を得た。なお、10kg捲の未延伸パッケージから2.5kg捲の仮撚加工糸パッケージを4個作成する方法で延伸仮撚加工を行った。
【0041】
表1から明らかなように、何れの例においても、紡糸経時に関連した毛羽発生の増加および延伸仮撚断糸率の上昇は認められなかった。しかし、比較例1における仮撚加工糸の筒編地色調(L−b)値は80未満であり、衣料用途に使用できない色調を有していた。
【0042】
[比較例2]
3酸化アンチモン(Sb)を重合触媒として用いて、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとから、常法に従って重縮合し、固有粘度0.630のポリエチレンテレフタレートを得た。
【0043】
該ポリエチレンテレフタレートをペレット状となし、実施例1と同じ方法、条件で溶融紡糸を行い、145dtex/72filamentsのポリエステル未延伸糸(部分配向糸)を製造した。
【0044】
本例においては、表1から明らかなように、紡糸時間の経過にともない口金異物が急速に成長し、吐出糸条の屈曲、ピクツキおよび旋回が増加するに従い、紡糸断糸の急激な増加が認められた。なお、紡糸3日経過後は、紡糸断糸が多発し、正常な紡糸操作が困難となり、運転を中止した。
【0045】
得られたポリエステル未延伸糸(部分配向糸)パッケージを、実施例1と同じ方法、条件で延伸仮撚加工を行い85dtex/72filamenntsの仮撚加工糸を得た。表1から明らかなように、本比較例における紡糸3日後ポリエステル未延伸糸(部分配向糸)では、延伸仮撚時、毛羽および断糸の発生が極めて多かった。
【0046】
【表1】
Figure 2004060063
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、長期にわたり連続的に、安定して、好ましい色調を有し、かつ品質斑の少ない、分子配向度が複屈折率で0.03〜0.06のポリエステル未延伸糸(部分配向糸)を製造することができる。

Claims (1)

  1. 複屈折率が0.03〜0.06のポリエステル未延伸糸を製造するに際し、下記式(I)で表されるチタン化合物と下記式(II)で表されるリン化合物とを、チタン元素のモル数に対するリン元素のモル数(P/Ti)が1〜4の範囲となるようにグリコール中で加熱して得た析出物を触媒として用いて、合成したポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを溶融し、冷却・固化しつつ、2500〜4000m/minの速度で紡糸引き取りすることを特徴とするポリエステル未延伸糸の製造方法。
    Figure 2004060063
    Figure 2004060063
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