JPH03285911A - ポリエチレンテレフタレートおよびその製造方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートおよびその製造方法

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JPH03285911A
JPH03285911A JP8675790A JP8675790A JPH03285911A JP H03285911 A JPH03285911 A JP H03285911A JP 8675790 A JP8675790 A JP 8675790A JP 8675790 A JP8675790 A JP 8675790A JP H03285911 A JPH03285911 A JP H03285911A
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幹夫 橋本
Hiroyuki Hori
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ボトル形成用などに用いられるポリエチレン
テレフタレートに関し、さらに詳しくは、成形時に金型
汚れが発生しにくいポリエチレンテレフタレートに関す
る。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来より、調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの容器
の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目的
に応じて種々の樹脂が採用されている。
これらのうちでポリエチレンテレフタレートは機械的強
度、耐熱性、透明性およびガスバリヤ−性に優れている
ので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充
填用容器の素材として好適である。
このようなポリエチレンテレフタレートは、射出成形機
械などの成形機に供給して中空成形体用プリフォームを
成形し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延
伸ブロー成形した後熱処理(ヒートセット)して中空成
形容器に成形されるのが一般的である。
ところが、従来のポリエチレンテレフタレートには、環
状三量体などのオリゴマーが含まれており、このオリゴ
マーが金型内面に付着することによる金型汚れが発生し
やすかった。
このような金型汚れは、得られるボトルの表面肌荒れや
白化の原因となる。もしボトルが白化してしまうと、そ
のボトルは廃棄しなければならない。このため従来公知
のポリエチレンテレフタレートを用いてボトルを成形す
る際に、金型汚れを頻繁に除去しなければならず、ボト
ルの生産性が著しく低下してしまうという大きな問題点
があった。
本発明者らは、上記のような現状に鑑み、成形時に金型
汚れを発生させにくいポリエチレンテレフタレートを得
るべく鋭意研究したところ、成形時に金型汚れが発生す
る主な原因は、ポリエチレンテレフタレートの成形時に
環状三量体が多量に生成してポリエチレンテレフタレー
ト中に含まれる環状三量体などのオリゴマー量が増加し
てしまうことにあることを見出した。
本発明者らは、上記のような知見に基いてさらに検討し
たところ、温湿度が特定の範囲にある空気雰囲気中に特
定期間以上放置したポリエチレンテレフタレートを原料
としてブロー成形を行うと、成形時に金型汚れが生じに
くいことを見出して、本発明を完成するに至った。
なお特開昭59−25815号公報には、ポリエチレン
テレフタレートを固相重縮合するに先立って、ポリエチ
レンテレフタレートを結晶化させるために、ポリエチレ
ンテレフタレート粉粒体を110℃以上の加熱水蒸気で
処理する方法が開示されている。
また特開昭59−219328号公報には、固有粘度が
少なくとも0.4dl/g以上であり、密度が1.35
g/cm3以下である、エチレンテレフタレート単位を
主たる繰返し単位とするポリエステルを、水分率が少な
くとも0.2重量%以上になるように調湿する工程、1
40℃以上の温度で予備結晶化する工程、および180
℃以上240℃以下の温度で不活性ガス雰囲気下または
減圧下で固相重合する工程を含むことを特徴とする高重
合度ポリエステルの製造方法が開示されている。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決し
ようとするものであって、飲料充填用容器などの成形品
の原料として金型を用いて成形した場合、成形中に金型
内に生成する環状三量体の生成量が少なく、金型汚れを
発生させにくいポリエチレンテレフタレ−トを提供する
ことを目的としている。
発明の概要 本発明に係るポリエチレンテレフタレートは、オルト−
クロロフェノール液中に溶解して25℃の液温で測定し
た極限粘度が0.7〜1.5di 7gの範囲にあり、
環状三量体の含有量が0.40重量%以下であって、か
つ吸水率が2000ppm以上であることを特徴として
いる。
ここで本発明における吸水率とは、ポリエチレンテレフ
タレートの表面に付着している水分を除去した水分量に
対応する値であり、ポリエチレンテレフタレート内部に
浸透して含まれている水分がポリエチレンテレフタレー
トに占める割合を意味する。
また、このようなポリエチレンテレフタレートは、オル
ト−クロロフェノール液中に溶解して25℃の液温で測
定した極限粘度が0.7〜1.5dl/gの範囲にあり
、環状三量体の含有量が0,40重量%以下であって、
吸水率が50〜11000ppの範囲にあるポリエチレ
ンテレフタレートを相対湿度50〜80%、温度0〜5
0℃の空気雰囲気中に50日以上放置するか、あるいは
相対湿度80〜95%、温度0〜50℃の空気雰囲気中
に30日以上放置することによって製造することができ
る。
さらに、上記本発明に係るポリエチレンテレフタレート
は、チップに存在する水分の水分率、即ちポリエチレン
テレフタレートの表面および内部の双方に存在する水分
の水分率が2000ppm以上の状態で、相対湿度20
%以上、温度0℃以上の空気雰囲気中に20日以上放置
することによっても製造することができる。
すなわち、以上のように長期間ポリエチレンテレフタレ
ートを放置することにより、ポリエチレンテレフタレー
ト表面の水分が徐々にポリエチレンテレフタレート内部
に浸透し、前記吸水率のポリエチレンテレフタレートが
得られることとなる。
発明の詳細な説明 以下本発明に係るポリエチレンテレフタレートおよびそ
の製造方法について具体的に説明する。
本発明に係るポリエチレンテレフタレートは、後述する
ように特定の極限粘度を有するとともに、環状三量体の
含有量が0.40重量%以下であり、吸水率が2000
ppm以上のものである。
そして、このようなポリエチレンテレフタレートは前記
の通り特定雰囲気中に特定時間放置することによって製
造される。
このようにして得られる2000ppm以上の吸水率を
有するポリエチレンテレフタレートは、これを真空乾燥
、または空気流通下で乾燥し、次いでチップ中の水分量
を50ppm以下にして300℃で8分間加熱すると、
加熱時に生成する環状三量体の量はO,ippm以下と
なる。
従って、このようなポリエチレンテレフタレートは、こ
れを射出成形機械などの成形機に供給して中空成形体用
プリフォームを成形し、このプリフォームを所定形状の
金型に挿入して延伸ブロー成形した後にヒートセットし
て中空成形容器を成形する際に、プリフォーム成形用金
型および延伸ブロー成形用金型のどちらにも環状三量体
がほとんど付着することはなく、このような環状三量体
の付着による金型汚れはほとんど発生しない。
このように本発明に係るポリエチレンテレフタレートを
ボトルなどの成形品の原料とすると金型汚れの原因とな
る環状三量体量が減少する理由は次のように推定される
すなわち、ポリエチレンテレフタレート内部に含まれて
いる水分により、この水分と同様にポリエチレンテレフ
タレート中に含まれている触媒(ポリエチレンテレフタ
レートの製造時に使用した重縮合反応用触媒)が失活し
てこの触媒中に占める活性な触媒量が減少するが、ポリ
エチレンテレフタレートの吸水率が2000ppm以上
であると前記触媒中に占める活性な触媒がほとんどなく
なり、このためポリエチレンテレフタレートを金型に投
入して成形時に加熱してもポリエチレンテレフタレート
に残存するモノマーの重縮合反応はほとんど進行せず、
このため加熱成形時に環状三量体がほとんど生成しなく
なるものと考えられる。
本発明においては、ポリエチレンテレフタレート成形体
中に含まれる環状三量体の量は、以下のようにして測定
している。
すなわち所定量のポリエチレンテレフタレートをオルト
−クロロフェノールに溶解した後、テトラヒドロフラン
で再析出して濾過して線状ポリエチレンテレフタレート
を除いた後、次いで得られた濾液を液クロマトグラフイ
ー(島原製作所製LC7A)に供給してポリエチレンテ
レフタレート中に含まれる環状三量体量を求め、この値
を測定に用いたポリエチレンテレフタレート量で割って
、ポリエチレンテレフタレート中に含まれる環状三量体
量(重量%)とする。
上記のような本発明に係るポリエチレンテレフタレート
は、たとえば以下のようにして製造することができる。
本発明に係るポリエチレンテレフタレートは、テレフタ
ル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリ
コールまたはそのエステル形成性誘導体とを原料として
製造されるが、このポリエチレンテレフタレートは20
モル%以下の他のジカルボン酸および/または他のグリ
コールが共重合されていてもよい。
テレフタル酸以外の共重縮合に用いられるジカルボン酸
としては、具体的にはフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
リンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。
エチレングリコール以外の共重縮合に用いられるグリコ
ールとしては、具体的にはトリメチレングリコール、プ
ロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデ
カメチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロ
ヘキサンジメタツールなどの脂環族グリコール、ビスフ
ェノール類、ハイドロキノン、2.2−ビス(4−β−
ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジ
オール類などが挙げられる。
上記したようなテレフタル酸またはそのエステル形成性
誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成
性誘導体とを含む原料は、エステル化触媒の存在下でエ
ステル化された後、重合用触媒の存在下で液相重合され
た後、固相重合される。
本発明に係るポリエチレンテレフタレートの製造方法と
しては回分方式、連続方式のいずれを採用してもよいが
、以下に好ましい製造方法の一例について説明すると、
具体的にはまず、テレフタル酸またはそのエステル形成
性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形
成性誘導体とを含むスラリーを調製する。
このようなスラリーには、テレフタル酸またはそのエス
テル形成性誘導体1モルに対して1.02〜1.4モル
好ましくは1.03〜1.3モルのエチレングリコール
またはそのエステル形成性誘導体が含まれる。このスラ
リーは、エステル化反応工程に連続的に供給される。
エステル化反応は、少なくとも2個のエステル化反応器
を直列に連結した装置を用いてエチレングリコールが還
流する条件下で、反応によって生成した水を精留塔で系
外に除去しながら実施される。エステル化反応を行なう
際の反応条件は、第1段目のエステル化反応の温度が通
常240〜270℃好ましくは245〜265℃であり
、圧力が通常0.2〜3kg/cdG好ましくは0.5
〜2 kg/Ciであり、また最終段目のエステル化反
応の温度が通常250〜280℃好ましくは255〜2
75℃であり、圧力が通常0〜1. 5kg/alG好
ましくは0〜1.3kg/dGである。
したがって、エステル化反応を2段階で実施する場合に
は、第1段目および第2段目のエステル化反応条件がそ
れぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施する場合に
は、第2段目から最終段の1段前までエステル化反応の
反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応
条件の間の条件である。
たとえば、エステル化反応が3段階で実施される場合に
は、第2段目のエステル化反応の反応温度は通常245
〜275℃好ましくは250〜270℃であり、圧力は
通常0〜2 kg/CiG好ましくは0.2〜1.5k
g/alGである。これらのエステル化反応の反応率は
、それぞれの段階においては、とくに制限はないが、各
段階におけるエステル化反応率の上昇と度合が滑らかに
分配されることが好ましく、さらに最終段目のエステル
化反応生成物においては通常は90%以上、好ましくは
93%以上に達することが望ましい。
これらのエステル化工程により低次縮合物が得られ、こ
の低次縮合物の数平均分子量は、通常、500〜500
0である。
このようなエステル化反応はテレフタル酸およびエチレ
ングリコール以外の添加物を添加せず1こ実施すること
も可能であり、また後述する重縮合触媒の共存下に実施
することも可能である力(、さらにトリエチルアミン、
トリn−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの
第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸
化テトラn−ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベ
ンジルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウムお
よび炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢
酸ナトリウムなどの塩基性化合物を少量添加して実施す
ると、ポリエチレンテレフタレートの主鎖中のジオキシ
エチレンテレフタレート成分単位の割合を比較的低水準
に保持できるので好ましく1゜次いで得られた低次縮合
物は、重縮合触媒の存在下に減圧下で、得られるポリエ
チレンテレフタレートの融点以上の温度に加熱し、この
際生成するグリコールを系外に留去させて縮重合する液
相縮重合工程に供給される。
このような液相での重縮合反応は、1段階で行なっても
、複数段階に分けて行なってもよい。複数段階で行なう
場合、重縮合反応条件は、第1段階目の重縮合の反応温
度が、通常、250〜290℃好ましくは260〜28
0℃であり、圧力が通常、500〜20Torr好まし
くは200〜30Torrであり、また最終段階の重縮
合反応の温度が通常265〜300℃好ましくは275
〜295℃であり、圧力が通常10〜0.1To++好
ましくは5〜0 、 5 Tourである。
重縮合反応を2段階で実施する場合には、第1段目およ
び第2段目の重縮合反応条件はそれぞれ上記の範囲であ
り、3段階以上で実施する場合には、第2段目から最終
段目の1段前までの重縮合反応の反応条件は上記1段目
の反応条件と最終段目の反応条件との間の条件である。
たとえば、重縮合反応が3段階で実施される場合には、
第2段目の重縮合反応の反応温度は通常260〜295
℃好ましくは270〜285℃であり、圧力は通常、5
0〜2’l” orr好ましくは40〜5Torrの範
囲である。これらの重縮合反応工程の各々において到達
される極限粘度[ηコはとくに制限はないが、各段階に
おける極限粘度の上昇の度合が滑らかに分配されること
が好ましく、さらに最終段目の重縮合反応器から得られ
るポリエチレンテレフタレートの極限粘度[η]は通常
0.50〜0.80dJ/g好ましくは0.55〜0.
75dllHの範囲であることが望ましい。
本明細書において、極限粘度は、ポリエチレンテレフタ
レート1.2gをオルト−クロロフェノール15ce中
に加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘
度から算出される。
重縮合反応は、触媒および安定剤の存在下に実施される
ことが好ましい。触媒として二酸化ゲルマニウム、ゲル
マニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラn−ブ
トキシドなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン
などのアンチモン触媒およびチタニウムテトラブトキサ
イドなどのチタン触媒を用いることができる。これらの
触媒の中では、二酸化ゲルマニウム化合物を用いると生
成するポリエチレンテレフタレートの色相および透明性
が優れるので好ましい。また、安定剤としては、トリメ
チルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリn−
ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなど
の燐酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリス
ドデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファ
イトなどの亜リン酸エステル類、メチルアラシドホスフ
ェート、イソプロビルアラシドホスフェート、プチルア
ッシドホスフエート、ジブチルホスフェート、モノブチ
ルホスフェート、ジオクチルホスフェートなどの酸性リ
ン酸エステルおよびリン酸、ポリリン酸などのリン化合
物が用いられる。
これらの触媒あるいは安定剤の使用割合は、テレフタル
酸とエチレングリコールとの混合物の重量に対して、触
媒の場合には触媒中の金属の重量として、通常、0.0
005〜0.2重量%好ましくは0.001〜0,05
重量%の範囲であり、また安定剤の場合には、安定剤中
のリン原子の重量として通常、o、ooi〜0.1重量
%好ましくは0.002〜0.02重量%の範囲である
これらの触媒および安定剤の供給方法は、エステル化反
応工程の段階において供給することもできるし、重縮合
反応工程の第1段目の反応器に供給することもできる。
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、上
述のようにテレフタル酸以外のジカルボン酸やエチレン
グリコール以外のジオールが20モル%以下の量で含ま
れていてもよいが、本発明で特に好ましく用いられるポ
リエチレンテレフタレートは、一般式[I] (1)の含有率が、95.0〜99.0モル%の範囲に
あり、一般式[11] 分単位(b)の含有率が、1.0〜5.0モル%の範囲
にあることが望ましい。
このような液相重縮合工程で得られるポリエチレンテレ
フタレートは、通常、溶融押出成形法によって粒状(チ
ップ状)に成形される。
このような粒状ポリエチレンテレフタレートは、通常2
,0〜5.0閣、好ましく2.2〜4.0諺の平均粒径
を有することが望ましい。
最終重縮合反応器から得られたポリエチレンテレフタレ
ートの密度は、通常、1.33〜1.35g/cm’で
ある。
上記のようにして得られた粒状ポリエチレンテレフタレ
ートは固相重縮合工程に供給される。
面相重合工程に供給される粒状ポリエチレンテレフタレ
ートは、予め固相重縮合を行なう場合の温度より低い温
度に加熱して予備結晶化を行なった後、固相重縮合工程
に供給してもよい。
予備結晶化工程は、粒状ポリエチレンテレフタレートを
乾燥状態で通常、120〜200℃好ましくは130〜
180℃の温度に1分〜4時間加熱して行なうこともで
き、あるいは粒状ポリエチレンテレフタレートを水蒸気
または水蒸気含有不活性雰囲気下で通常、120〜20
0℃の温度に1分間以上加熱して行なうこともできる。
上記のような粒状ポリエチレンテレフタレートが供給さ
れる固相重縮合工程は少なくとも1段からなり、重縮合
温度が通常190〜230℃好ましくは195〜225
℃であり、圧力が通常、1 kg/ciG〜10 Ta
rr好ましくは常圧ないし100To++の条件下で、
窒素ガス、アルゴンガス、炭酸ガスなどの不活性ガス雰
囲気下で固相重縮合反応が実施される。これらの不活性
ガスの中では窒素ガスが好ましい。
このようして得られたポリエチレンテレフタレートの内
、極限粘度が0.7〜1.5d1/g。
好ましくは0.72〜1. 5 clJ 7gのものが
本発明において使用される。
また、ポリエチレンテレフタレートの密度は、通常1.
38g/C1l’以上、好ましくは1.39g/cm3
以上であることが望ましい。
また、本発明においては、環状三量体の量が0.4重量
%以下、好ましくは0.35重量%以下のものが使用さ
れる。
また、本発明のポリエチレンテレフタレートは、吸水率
が2000ppm以上のものである。
このように吸水率の高いポリエチレンテレフタレートは
、既に説明したようにボトルなどの成形品の原料として
金型成形する際の成形過程での環状三量体の増加が著し
く抑制される。このことは、たとえばポリエチレンテレ
フタレートを290℃の温度に一加熱溶融して段付角板
を成形した後の環状三量体の増加量を測定することによ
り確かめられる。このようにして吸水率が2000pp
m以上のポリエチレンテレフタレートは、具体的には、
温度290℃に加熱溶融して段付角板を成形した後の環
状三量体の増加量y(重量%)を、y≦−〇、20x+
0.20の範囲に抑えることができる。
上記式中Xは、段付角板成形前における環状三量体の濃
度(重量%)である。
本明細書において、粒状ポリエチレンテレフタレートか
ら段付角板は以下のような方法で成形され、並びにこの
ように角板を成形した後の環状三量体増加量y(重量%
)は、以下のようにして測定される。
すなわち予め環状三量体の含有量が測定された(測定値
X%)粒状ポリエチレンテレフタレート2 kgヲi度
140℃、圧力10 torrの条件で16時時間上棚
段式の乾燥器を用いて乾燥して、粒状ポリエチレンテレ
フタレートの水分を50 ppm以下にする。
次に、乾燥された粒状ポリエチレンテレフタレートを各
機製作所■製M−70A射出成形機によりシリンダー温
度290℃、金型冷却水温度15℃の条件下で射出成形
して、段付角板状の成形物を得る。
段付角板状成形物の射出成形は、計量12秒、射出60
秒となるようにして、乾燥された粒状ポリエチレンテレ
フタレートをホッパより射出成形機に供給して行なう。
また成形機内の溶融樹脂の滞留時間は約72秒とする。
なお段付角板状成形物1個当りの重量は75gであり、
環状三量体測定用試料は、射出成形開始後11個〜15
個目のいずれか1個を用いて行なう。
段付角板状成形物1は、第1図に示すような形状を有し
ており、A部の厚みは約6.5−であり、B部の厚みは
約5mであり、0部の厚みは約4mmである。この0部
を用いて成形物の環状三量体増加量を調べる。
次に成形された4m厚さの板状成形物をチップ状に切断
し、環状三量体測定用試料として環状三量体量が測定さ
れる。
また本発明に係るポリエチレンテレフタレートは、成形
時にアセトアルデヒドの増加量が少なく、したがってア
セトアルデヒド含有量の少ないボトルなどの成形品を得
ることができる。なおアセトアルデヒド含有量の多いポ
リエチレンテレフタレートを成形品とした場合には、悪
臭あるいは異臭の原因となったり、内容物の風味、香り
が変化したりしてしまう。またアセトアルデヒド含有量
の多いポリエチレンテレフタレートから写真用フィルム
を製造すると、かぶりの原因ともなりやすい。
発明の効果 本発明に係るポリエチレンテレフタレートは、オルト−
クロロフェノール液中に溶解して25℃の液温で測定し
た極限粘度が0.7〜1.5dl/gの範囲にあり、環
状三量体の含有量が0.40重量%以下であって、かつ
吸水率が2000pprn以上であるため、成形時に環
状三量体の生成量が少なく、しかも成形時におけるポリ
エチレンテレフタレート中に含まれる環状三量体の総量
が少ないため、成形時に金型汚れが発生しにくい。
したがって、本発明に係るポリエチレンテレフタレート
は、成形品を製造する際に頻繁に金型洗浄を行なう必要
がないため、ボトルなどの成形品の生産性を向上させる
ことができ、しかも得られるボトルの白化を防止するこ
とができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
実施例1 極限粘度が0.80dl/gであり、密度が1.40g
/cm3であり、環状三量体の含有量が0.33重量%
である粒状ポリエチレンテレフタレートを、相対湿度6
0%で温度40℃にセットした恒温恒湿槽に40日間放
置した。
この40日間放置したポリエチレンテレフタレート粒子
表面の水分を濾紙によって濾紙に水分が付かなくなるま
で除去した。この後にポリエチレンテレフタレート内部
に含まれている水分の割合、即ち吸水率は4500pp
mであった。
このポリエチレンテレフタレートを射出成形機で200
℃で成形し、得られた射出成形板中の環状三量体の量を
既に説明した方法により測定したところ、この環状三量
体の量は0.34重量%であった。
実施例2〜5 実施例1と同様の粒状ポリエチレンテレフタレートをそ
れぞれ表1に示す相対湿度および温度にセットした恒温
恒湿槽に表1に示す時間放置して実施例2〜5のポリエ
チレンテレフタレートを得た。
これらのポリエチレンテレフタレート内部の吸水率およ
び実施例1と同様にして測定した環状三量体の量を表1
に併記する。
(以下、余白) 以上の実施例1〜5のポリエチレンテレフタレートを原
料として繰り返し射出成形機でプリフォームを成形し、
次いでこのプリフォームを延伸ブロー成形した後にヒー
トセットしてボトルを成形したところ、金型汚れは見ら
れず、また、成形されたボトルは白化の少ない優れた品
質のものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は段付角板状成形物の斜視図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)オルト−クロロフェノール液中に溶解して25℃
    の液温で測定した極限粘度が0.7〜1.5dl/gの
    範囲にあり、環状三量体の含有量が0.40重量%以下
    であって、かつ吸水率が2000ppm以上であること
    を特徴とするポリエチレンテレフタレート。
  2. (2)オルト−クロロフェノール液中に溶解して25℃
    の液温で測定した極限粘度が0.7〜1.5dl/gの
    範囲にあり、環状三量体の含有量が0.40重量%以下
    であって、吸水率が50〜1000ppmの範囲にある
    ポリエチレンテレフタレートを相対湿度50〜80%、
    温度0〜50℃の空気雰囲気中に50日以上放置するこ
    とを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法
  3. (3)オルト−クロロフェノール液中に溶解して25℃
    の液温で測定した極限粘度が0.7〜1.5dl/gの
    範囲にあり、環状三量体の含有量が0.40重量%以下
    であって、吸水率が50〜1000ppmの範囲にある
    ポリエチレンテレフタレートを相対湿度80〜95%、
    温度0〜50℃の空気雰囲気中に30日以上放置するこ
    とを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法
  4. (4)オルト−クロロフェノール液中に溶解して25℃
    の液温で測定した極限粘度が0.7〜1.5dl/gの
    範囲にあり、環状三量体の含有量が0.40重量%以下
    であって、水分率が2000ppm以上のリエチレンテ
    レフタレートを、相対湿度20%以上、温度0℃以上の
    空気雰囲気中に20日以上放置することを特徴とするポ
    リエチレンテレフタレートの製造方法。
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