JP2854834B2 - ポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートの製造方法

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JP2854834B2
JP2854834B2 JP6640796A JP6640796A JP2854834B2 JP 2854834 B2 JP2854834 B2 JP 2854834B2 JP 6640796 A JP6640796 A JP 6640796A JP 6640796 A JP6640796 A JP 6640796A JP 2854834 B2 JP2854834 B2 JP 2854834B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ボトルをはじめとしてフ
ィルム、シート形成用などに用いられるポリエチレンテ
レフタレートの製造方法に関し、さらに詳しくは、成形
時に金型汚れが発生しにくいポリエチレンテレフタレー
トを得ることができるようなポリエチレンテレフタレー
トの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景ならびにその問題点】従来より、調
味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの容器の素材として
は、充填内容物の種類およびその使用目的に応じて種々
の樹脂が採用されている。
【0003】これらのうちでポリエチレンテレフタレー
トは機械的強度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性
に優れているので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料
などの飲料充填用容器の素材として好適である。
【0004】このようなポリエチレンテレフタレート
は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、
エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体と
をエステル化触媒の存在下でエステル化した後、重縮合
触媒の存在下で液相重縮合し、次いで固相重縮合して得
ることができる。そしてこのポリエチレンテレフタレー
トは、射出成形機械などの成形機に供給して中空成形体
用プリフォームを成形し、このプリフォームを所定形状
の金型に挿入し延伸ブロー成形したり、さらに熱処理
(ヒートセット)して中空成形容器に成形されるのが一
般的である。
【0005】ところが、上記したような製造方法で得ら
れる従来公知のポリエチレンテレフタレートには、環状
三量体などのオリゴマー類が含まれており、この環状三
量体などのオリゴマー類がブロー成形金型内面や金型の
ガス排気口、排気管などに付着して金型汚れが発生した
り、あるいはまた該オリゴマー類が上述したような射出
成形機の金型のベント部に付着して金型汚れが発生して
いた。
【0006】このような金型汚れは、得られるボトルの
表面肌荒れや白化の原因となる。もしボトルが白化して
しまうと、そのボトルは廃棄しなければならない。この
ため従来公知のポリエチレンテレフタレートを用いてボ
トルを成形する際に、金型汚れを頻繁に除去しなければ
ならず、ボトルの生産性が著しく低下してしまうという
大きな問題点があった。
【0007】本発明者らは、上記のような現状に鑑み、
成形時に金型汚れを発生させにくいポリエチレンテレフ
タレートを得るべく鋭意研究したところ、成形時に金型
汚れが発生する主な原因は、ポリエチレンテレフタレー
トの成形時に環状三量体などのオリゴマー類が多量に生
成してポリエチレンテレフタレート中に含まれる環状三
量体などのオリゴマー類の総量が増加してしまうことに
あることを見出した。
【0008】本発明者らは、上記のような知見に基いて
さらに検討したところ、一連の連続工程により得られる
ポリエチレンテレフタレートを水と接触させることによ
り成形時の環状三量体などのオリゴマー総量の増加を抑
制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】なお特開昭59-25815号公報には、ポリエチ
レンテレフタレートを固相重縮合するに先立って、ポリ
エチレンテレフタレートを結晶化させるために、ポリエ
チレンテレフタレート粉粒体を110℃以上の加熱水蒸
気で処理する方法が開示されている。
【0010】また特開昭59-219328号公報には、固有粘
度が少なくとも0.4dl/g以上であり、密度が1.
35g/cm3以下である、エチレンテレフタレート単
位を主たる繰返し単位とするポリエステルを、水分率が
少なくとも0.2重量%以上になるように調湿する工
程、140℃以上の温度で予備結晶化する工程、および
180℃以上240℃以下の温度で不活性ガス雰囲気下
または減圧下で固相重合する工程を含むことを特徴とす
る高重合度ポリエステルの製造方法が開示されている。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、成形時でのオ
リゴマーの生成量が少なく、金型汚れを発生させにくい
ポリエチレンテレフタレートを得ることができるような
ポリエチレンテレフタレートの製造方法を提供すること
を目的としている。
【0012】
【発明の概要】本発明に係るポリエチレンテレフタレー
トの製造方法は、テレフタル酸またはそのエステル形成
性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形
成性誘導体とをエステル化するエステル化工程と、上記
エステル化工程で得られたエステル化物を重縮合触媒の
存在下で加熱溶融する液相重縮合工程と、上記液相重縮
合工程で得られた重縮合反応物を不活性雰囲気下で溶融
点以下の温度に加熱する固相重縮合工程と、上記固相重
縮合工程で得られた固有粘度が0.54dl/g以上で
あるとともに密度が1.37g/cm3以上であり、か
つオリゴマー(環状三量体)含有量が0.50重量%以
下の重縮合反応物を70〜110℃の水と3分間〜5時
間接触させて、ポリエチレンテレフタレート中に含まれ
る重縮合触媒を失活させる水処理工程とを含むことを特
徴としている。
【0013】本発明に係るポリエチレンテレフタレート
の製造方法により得られたポリエチレンテレフタレート
は、成形時に生成する環状三量体などのオリゴマーの量
が少なく、したがって金型汚れが発生しにくい。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリエチレン
テレフタレートの製造方法ついて具体的に説明する。
【0015】本発明に係るポリエチレンテレフタレート
の製造方法は、エステル化工程と、エステル化工程で得
られたエステル化物を加熱溶融する液相重縮合工程と、
液相重縮合工程で得られた重縮合反応物を溶融点以下の
温度に加熱する固相重縮合工程と、固相重縮合工程で得
られた重縮合反応物を水と接触させる水処理工程とを含
む。
【0016】本発明に係るポリエチレンテレフタレート
の製造方法は、テレフタル酸またはそのエステル形成性
誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成
性誘導体とを原料として用いて行なわれるが、このポリ
エチレンテレフタレートには20モル%以下の他のジカ
ルボン酸および/または他のグリコールが共重縮合され
ていてもよい。
【0017】テレフタル酸以外の共重縮合に用いられる
ジカルボン酸としては、具体的にはフタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デ
カンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙
げられる。
【0018】エチレングリコール以外の共重縮合に用い
られるグリコールとしては、具体的にはトリメチレング
リコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族グリコ
ール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコ
ール、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2-ビス
(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの
芳香族ジオール類などが挙げられる。
【0019】上記したようなテレフタル酸またはそのエ
ステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはその
エステル形成性誘導体とを含む原料は、エステル化され
る。具体的にはまず、テレフタル酸またはそのエステル
形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステ
ル形成性誘導体とを含むスラリーを調製する。
【0020】このようなスラリーには、テレフタル酸ま
たはそのエステル形成性誘導体1モルに対して1.02
〜1.4モル好ましくは1.03〜1.3モルのエチレ
ングリコールまたはそのエステル形成性誘導体が含まれ
る。このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供
給される。
【0021】エステル化反応は、少なくとも2個のエス
テル化反応器を直列に連結した装置を用いてエチレング
リコールが還流する条件下で、反応によって生成した水
を精留塔で系外に除去しながら実施される。エステル化
反応を行なう際の反応条件は、第1段目のエステル化反
応の温度が通常240〜270℃好ましくは245〜2
65℃であり、圧力が通常0.2〜3kg/cm2G好
ましくは0.5〜2kg/cm2Gであり、また最終段
目のエステル化反応の温度が通常250〜280℃好ま
しくは255〜275℃であり、圧力が通常0〜1.5
kg/cm2G好ましくは0〜1.3kg/cm2Gであ
る。
【0022】したがって、エステル化反応を2段階で実
施する場合には、第1段目および第2段目のエステル化
反応条件がそれぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実
施する場合には、第2段目から最終段の1段前までエス
テル化反応の反応条件は、上記第1段目の反応条件と最
終段目の反応条件の間の条件である。
【0023】たとえば、エステル化反応が3段階で実施
される場合には、第2段目のエステル化反応の反応温度
は通常245〜275℃好ましくは250〜270℃で
あり、圧力は通常0〜2kg/cm2G好ましくは0.
2〜1.5kg/cm2Gである。
【0024】これらのエステル化反応の反応率は、それ
ぞれの段階においては、とくに制限はないが、各段階に
おけるエステル化反応率の上昇と度合が滑らかに分配さ
れることが好ましく、さらに最終段目のエステル化反応
生成物においては通常90%以上、好ましくは93%以
上に達することが望ましい。
【0025】これらのエステル化工程によりエステル化
物(低次縮合物)が得られ、このエステル化物の数平均
分子量は、通常、500〜5000である。このような
エステル化反応はテレフタル酸およびエチレングリコー
ル以外の添加物を添加せずに実施することも可能であ
り、また後述する重縮合の触媒の共存下に実施すること
も可能であるが、さらにトリエチルアミン、トリn-ブチ
ルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミ
ン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラn-
ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモ
ニウムなどの水酸化第4級アンモニウムおよび炭酸リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム
などの塩基性化合物を少量添加して実施すると、ポリエ
チレンテレフタレートの主鎖中のジオキシエチレンテレ
フタレート成分単位の割合を比較的低水準に保持できる
ので好ましい。
【0026】次いで得られたエステル化物は、重縮合触
媒の存在下に減圧下で、得られるポリエチレンテレフタ
レートの融点以上の温度に加熱し、この際生成するグリ
コールを系外に留去させて重縮合する液相重縮合工程に
供給される。
【0027】このような液相での重縮合反応は、1段階
で行なっても、複数段階に分けて行なってもよい。複数
段階で行なう場合、重縮合反応条件は、第1段階目の重
縮合の反応温度が、通常、250〜290℃好ましくは
260〜280℃であり、圧力が、通常、500〜20
Torr好ましくは200〜30Torrであり、また最終段階
の重縮合反応の温度が通常265〜300℃好ましくは
270〜295℃であり、圧力が通常10〜0.1Torr
好ましくは5〜0.5Torrである。
【0028】重縮合反応を2段階で実施する場合には、
第1段目および第2段目の重縮合反応条件はそれぞれ上
記の範囲であり、3段階以上で実施する場合には、第2
段目から最終段目の1段前までの重縮合反応の反応条件
は上記1段目の反応条件と最終段目の反応条件との間の
条件である。
【0029】たとえば、重縮合反応が3段階で実施され
る場合には、第2段目の重縮合反応の反応温度は通常2
60〜295℃好ましくは270〜285℃であり、圧
力は通常、50〜2Torr好ましくは40〜5Torrの範囲
である。これらの重縮合反応工程の各々において到達さ
れる固有粘度(IV)はとくに制限はないが、各段階に
おける固有粘度の上昇の度合が滑らかに分配されること
が好ましく、さらに最終段目の重縮合反応器から得られ
るポリエチレンテレフタレートの固有粘度(IV)は通
常0.35〜0.80dl/g好ましくは0.45〜
0.75dl/g、さらに好ましくは0.55〜0.7
5dl/gの範囲であることが望ましい。
【0030】本明細書において、固有粘度は、ポリエチ
レンテレフタレート1.2gをo-クロロフェノール15
cc中に加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶
液粘度から算出される。
【0031】またこのポリエチレンテレフタレートの密
度は、通常1.33〜1.35g/cm3であることが
望ましい。本明細書において、ポリエチレンテレフタレ
ートの密度は、四塩化炭素およびヘプタンの混合溶媒を
用いた密度勾配管により、23℃の温度で測定される。
【0032】上記のような重縮合反応は触媒および安定
剤の存在下に実施されることが好ましい。触媒として二
酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲ
ルマニウムテトラn-ブトキシドなどのゲルマニウム化合
物、三酸化アンチモンなどのアンチモン触媒およびチタ
ニウムテトラブトキサイドなどのチタン触媒を用いるこ
とができる。これらの触媒の中では、二酸化ゲルマニウ
ム化合物を用いると生成するポリエチレンテレフタレー
トの色相および透明性が優れるので好ましい。
【0033】また、安定剤としては、トリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリn-ブチルホスフ
ェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェートなどの燐酸エステ
ル類、トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホス
ファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜
リン酸エステル類、メチルアッシドホスフェート、イソ
プロピルアッシドホスフェート、ブチルアッシドホスフ
ェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェー
ト、ジオクチルホスフェートなどの酸性リン酸エステル
およびリン酸、ポリリン酸などのリン化合物が用いられ
る。
【0034】これらの触媒あるいは安定剤の使用割合
は、テレフタル酸とエチレングリコールとの混合物の重
量に対して、触媒の場合には触媒中の金属の重量とし
て、通常、0.0005〜0.2重量%好ましくは0.
001〜0.05重量%の範囲であり、また安定剤の場
合には、安定剤中のリン原子の重量として通常、0.0
01〜0.1重量%好ましくは0.002〜0.02重
量%の範囲である。
【0035】これらの触媒および安定剤の供給方法は、
エステル化反応工程の段階において供給することもでき
るし、重縮合反応工程の第1段目の反応器に供給するこ
ともできる。
【0036】本発明で用いられるポリエチレンテレフタ
レートには、上述のようにテレフタル酸以外のジカルボ
ン酸やエチレングリコール以外のジオールが20モル%
以下の量で含まれていてもよいが、特に好ましく用いら
れるポリエチレンテレフタレートは、一般式[I]:
【0037】
【化1】
【0038】で表わされるエチレンテレフタレート成分
単位(a)の含有率が、95.0〜99.0モル%の範囲
にあり、一般式[II]:
【0039】
【化2】
【0040】で表わされるジオキシエチレンテレフタレ
ート成分単位(b)の含有率が、1.0〜5.0モル%の
範囲にあることが望ましい。このようにして、最終重縮
合反応器から得られたポリエチレンテレフタレートは、
通常、溶融押出成形法によって粒状(チップ状)に成形
される。
【0041】このような粒状ポリエチレンテレフタレー
トは、通常2.0〜5.0mm、好ましくは2.2〜
4.0mmの平均粒径を有することが望ましい。このよ
うにして液相重縮合工程を経た粒状ポリエチレンテレフ
タレートには、固相重縮合工程が加えられる。
【0042】固相重縮合工程に供給される粒状ポリエチ
レンテレフタレートは、予め固相重縮合を行なう場合の
温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行なった後、
固相重縮合工程に供給してもよい。
【0043】このような予備結晶化工程は、粒状ポリエ
チレンテレフタレートを乾燥状態で通常、120〜20
0℃好ましくは130〜180℃の温度に1分〜4時間
加熱することによって行なってもよく、あるいは粒状ポ
リエチレンテレフタレートを水蒸気雰囲気下または水蒸
気含有不活性ガス雰囲気下あるいは水蒸気含有空気雰囲
気下で通常、120〜200℃の温度に1分間以上加熱
することによって行なってもよい。
【0044】このような粒状ポリエチレンテレフタレー
トが供給される固相重縮合工程は、少なくとも1段から
なり、重縮合温度が通常190〜230℃好ましくは1
95〜225℃であり、圧力が通常、1kg/cm2
〜10Torr好ましくは常圧ないし100Torrの条件下
で、窒素ガス、アルゴンガス、炭酸ガスなどの不活性ガ
ス雰囲気下で固相重縮合反応が実施される。これらの不
活性ガスの中では窒素ガスが好ましい。
【0045】このようして得られたポリエチレンテレフ
タレートの固有粘度は、通常0.54dl/g以上、好
ましくは0.70dl/g以上、特に好ましくは0.7
2dl/g以上であることが望ましい。
【0046】このポリエチレンテレフタレートの密度
は、通常1.37g/cm3以上、好ましくは1.38
g/cm3以上、さらに好ましくは1.39g/cm3
上であることが望ましい。
【0047】またこのようなポリエチレンテレフタレー
ト中に含まれるオリゴマー[式
【0048】
【化3】
【0049】の環状三量体である]の量は、0.5重量
%以下好ましくは0.45重量%以下特に好ましくは
0.40重量%以下であることが望ましい。本明細書に
おいて、ポリエチレンテレフタレート中に含まれるオリ
ゴマーの量は、以下のようにして測定される。
【0050】すなわち所定量のポリエチレンテレフタレ
ートをo-クロロフェノールに溶解した後、テトラヒドロ
フランで再析出して濾過して線状ポリエチレンテレフタ
レートを除いた後、次いで得られた濾液を液クロマトグ
ラフィー(島津製作所製LC7A)に供給してポリエチ
レンテレフタレート中に含まれるオリゴマー量を求め、
この値を測定に用いたポリエチレンテレフタレート量で
割って、ポリエチレンテレフタレート中に含まれるオリ
ゴマー量(重量%)とする。
【0051】このような固相重縮合工程を経て得られた
粒状ポリエチレンテレフタレートには、水処理が加えら
れるが、この水処理は、粒状ポリエチレンテレフタレー
トを水と接触させることにより行なわれる。
【0052】粒状ポリエチレンテレフタレートと水との
接触は、粒状ポリエチレンテレフタレートを、70〜1
10℃の熱水に3分〜5時間浸漬することにより行なわ
れる。特に好ましくは、粒状ポリエチレンテレフタレー
トを80〜100℃の熱水に5分間〜3時間浸漬するこ
とにより行なわれる。
【0053】以下に粒状ポリエチレンテレフタレートと
水との接触処理を工業的に行なう方法を例示するが、こ
れに限定されるものではない。また処理方法は連続方
式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない。
【0054】粒状ポリエチレンテレフタレートをバッチ
方式で水と接触処理をする場合は、サイロタイプの処理
装置が用いられる。すなわち粒状ポリエチレンテレフタ
レートをサイロへ受け入れ、バッチ方式で、水を供給し
接触処理を行なう。あるいは回転筒型の接触処理装置に
粒状ポリエチレンテレフタレートを受け入れ、回転させ
ながら接触処理を行ない接触をさらに効率的にすること
もできる。
【0055】粒状ポリエチレンテレフタレートを連続で
水と接触処理する場合は塔型の処理装置に連続で粒状ポ
リエチレンテレフタレートを上部より受け入れ、並流あ
るいは向流で水を連続供給し水と接触処理させることが
できる。その後、水で処理した場合は粒状ポリエチレン
テレフタレートを振動篩機、シモンカーターなどの水切
り装置で水切りし、次の乾燥工程へ移送する。水蒸気ま
たは水蒸気含有ガスで処理した場合はそのまま乾燥工程
へ移送することができる。
【0056】水と接触処理した粒状ポリエチレンテレフ
タレートの乾燥は通常用いられるポリエチレンテレフタ
ートの乾燥処理を用いることができる。連続的に乾燥す
る方法としては上部より粒状ポリエチレンテレフタレー
トを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパー型の
通気乾燥機が通常使用される。
【0057】乾燥ガス量を減らし、効率的に乾燥する方
法としては回転ディスク型加熱方式の連続乾燥機が選ば
れ、少量の乾燥ガスを通気しながら、回転ディスクや外
部ジャケットに加熱蒸気、加熱媒体などを供給し粒状ポ
リエチレンテレフタレートを間接的に加熱乾燥すること
ができる。
【0058】バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブ
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。
【0059】乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えな
いが、ポリエチレンテレフタレートの加水分解による分
子量低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好ま
しい。
【0060】上記のようにポリエチレンテレフタレート
に水処理を施すことによって、ポリエチレンテレフタレ
ートの固相重縮合速度が減少するとともに、該ポリエチ
レンテレフタレートを290℃の温度に加熱溶融して段
付角板を成形した後のオリゴマー増加量を抑制すること
ができる。
【0061】このように水処理が施されたポリエチレン
テレフタレートは、上述のように固相重縮合速度が減少
せしめられているが、不活性ガス雰囲気下で、215℃
の温度に加熱して固相重縮合した際の重縮合速度は、
0.0050dl/g・時間以下好ましくは0.004
0dl/g・時間以下特に好ましくは0.0030dl
/g・時間以下であることが望ましい。
【0062】本明細書では、ポリエチレンテレフタレー
トの固相重縮合した際の重縮合速度は、具体的には、以
下のようにして測定される。粒状ポリエチレンテレフタ
レート60gを内径22mm、高さ80mmの円筒状ス
テンレス容器に充填し、密閉する。この容器は、底部に
不活性ガス通気用のノズルを有し、上部から不活性ガス
が系外に放出されるようになっている。
【0063】固相重縮合は、加熱装置を有するサンドバ
ス(日本パーカライジンク(株)社製、酸化アルミ)中
に粒状ポリエチレンテレフタレートが充填密閉されたス
テンレス容器を装着固定し、不活性ガスとして窒素を通
気しながら実施する。
【0064】この際に用いる窒素は、露点が−50℃以
下であり、酸素濃度が20ppm以下であるものを使用
し、ステンレス容器に供給する前に予めバス温度と同じ
となるように予熱する。窒素は、毎時200Nリットル
(標準状態)の量でステンレス容器に供給する。
【0065】サンドバスは空気により流動状態とし、サ
ンドバスの温度が均一で温度分布がないようにする。サ
ンドバスの加熱ヒータはバスの温度がプログラムコント
ローラで所定の固相重縮合温となるように制御される。
【0066】固相重縮合速度の測定は、上記のような装
置を用いて、具体的には以下の方法によって定量化す
る。粒状ポリエチレンテレフタレートを上記のような円
筒状ステンレス容器に充填密閉した状態で、サンドバス
中に装着固定し、窒素を毎時200Nリットルの量で通
気しながら、常温から170℃までを30分間で昇温
し、次に170℃で1時間保持した後、170℃から2
15℃までを30分間で昇温し、さらに215℃で4時
間保持し、固相重縮合反応を行なう。
【0067】固相重縮合反応後、加熱を停止し、窒素通
気のまま、サンドバス中の温度を70℃まで降温させ、
次いでステンレス容器をサンドバスより取り出し、固相
重縮合した粒状ポリエチレンテレフタレートの固有粘度
dl/g(IV)を測定する。このIV値をA(dl/
g)とする。
【0068】同様な方法で215℃での保持時間を20
時間にした時の粒状ポリエチレンテレフタレートのIV
を測定する。このIV値をB(dl/g)とする。固相
重縮合速度は、次式により算出される。
【0069】
【数1】
【0070】ここに、Rは固相重縮合速度(dl/g・
時間)であり、AおよびBは各々4時間後および20時
間後のIV値(dl/g)である。また上記のようにし
て水処理が施されたポリエチレンテレフタレートは、そ
の後の成形過程でのオリゴマーの増加が著しく抑制され
る。このことは、たとえばポリエチレンテレフタレート
を290℃の温度に加熱溶融して段付角板を成形した後
のオリゴマー増加量を測定することにより確かめられ
る。
【0071】本発明により水処理されたポリエチレンテ
レフタレートは、具体的には、温度290℃に加熱溶融
して段付角板を成形した後のオリゴマー増加量y(重量
%)が、 y≦−0.20x+0.20 好ましくは y≦−0.20x+0.18 さらに好ましくは y≦−0.20x+0.16であることが望ましい。
【0072】上記式中xは、段付角板成形前のオリゴマ
ー濃度(重量%)である。本明細書において、粒状ポリ
エチレンテレフタレートから段付角板を成形した後のオ
リゴマー増加量y(重量%)は、以下のようにして測定
される。
【0073】すなわち予めオリゴマー含有量が測定され
た(測定値X%)粒状ポリエチレンテレフタレート2k
gを温度140℃、圧力10Torrの条件で16時間以上
棚段式の乾燥器を用いて乾燥して、粒状ポリエチレンテ
レフタレートの水分を50ppm以下にする。
【0074】次に、乾燥された粒状ポリエチレンテレフ
タートを名機製作所(株)製M−70A射出成形機によ
り、成形時には露点が−70℃の窒素をホッパ上部、ス
クリューフィーダーシュート部に各5ノルマル立方メー
トル/時間の割合でフィードし、バレル設定温度290
℃、また成形機のC1/C2/C3 /(ノズル先)の温度
を260/290/290/300℃の各温度にして、
金型冷却温度15℃の条件下で射出成形して、段付角板
状の成形物を得る。
【0075】段付角板状成形物の射出成形は、計量12
秒、射出60秒となるようにして、乾燥された粒状ポリ
エチレンテレフタレートをホッパより射出成形機に供給
して行なう。また成形機内の溶融樹脂の滞留時間は約7
2秒とする。なお段付角板状成形物1個当りの重量は7
5gであり、オリゴマー測定用試料は、射出成形開始後
11個〜15個目のいずれか1個を用いて行なう。
【0076】段付角板状成形物1は、図1に示すような
形状を有しており、A部の厚みは約6.5mmであり、
B部の厚みは約5mmであり、C部の厚みは約4mmで
ある。このC部を用いて成形物のオリゴマー増加量を調
べる。
【0077】次に成形された4mm厚さの板状成形物を
チップ状に切断、オリゴマー測定用試料とする。なお段
付角板を構成するポリエチレンテレフタレートのオリゴ
マー含有量の測定は、上記と同様の方法で測定される。
【0078】このようにポリエチレンテレフタレートに
水処理を施すことによって、固相重縮合速度が減少する
とともに成形時にポリエチレンテレフタレート中に含ま
れる環状三量体などのオリゴマー類の増加を抑制できる
のは、ポリエチレンテレフタレートに水処理を加えるこ
とによって、ポリエチレンテレフタレート中に含まれる
重縮合触媒たとえばゲルマニウム触媒が失活し、したが
って成形時に加熱されても分解反応あるいはエステル交
換反応がほとんど進行せず、このため生成する環状三量
体などのオリゴマー類の量が少なくなるのである。
【0079】このように本発明に係る製造方法で得られ
たポリエチレンテレフタレートは、成形時に生成する環
状三量体などのオリゴマー類の量が少なく、したがっ
て、射出成形機械などの成形機に供給して中空成形体用
プリフォームを成形し、このプリフォームを所定形状の
金型に挿入し延伸ブロー成形した後ヒートセットして中
空成形容器を成形する際に、環状三量体などのオリゴマ
ー類が金型に付着することによる金型汚れが発生しにく
い。
【0080】
【発明の効果】本発明に係るポリエチレンテレフタレー
トの製造方法は、特に水と接触させて水処理工程を含ん
でいるため、この製造方法により得られたポリエチレン
テレフタレートは、成形時に生成する環状三量体などの
オリゴマー類の量が少なく、しかも成形時にポリエチレ
ンテレフタレート中に含まれる環状三量体などのオリゴ
マー類の総量が少ないため、成形時に金型汚れが発生し
にくい。
【0081】したがって、本発明に係るポリエチレンテ
レフタレートの製造方法により得るポリエチレンテレフ
タレートは、成形品を製造する際に頻繁に洗浄を行なう
必要がなく、ボトルやフィルム、シートなどの成形品の
生産性を向上させることができ、しかも得られるボトル
やフィルム、シートの白化を防止することができる。
【0082】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0083】
【実施例1】第1、第2、第3、第4および第5の反応
器が槽型であり、また第6の反応器が二軸回転式の横型
反応器からなる連続重縮合装置を用いて、以下のとおり
操作して連続重合を行い、ポリエチレンテレフタレート
を製造した。
【0084】予め3750重量部の反応液が滞留されて
おり、撹拌下255℃で窒素雰囲気下に1.7kg/c
2Gの条件下に維持された第1反応器に、毎時高純度
テレフタル酸1437重量部およびエチレングリコール
645重量部を混合して調製されたスラリーを連続的に
供給し、第1段目のエステル化反応を行った。
【0085】この第1段目のエステル化反応において
は、203重量部の水と3重量部のエチレングリコール
との混合液が留去された。また、この第1段目のエステ
ル化反応物は、平均滞留時間が2.0時間になるように
制御され、連続的に撹拌下260℃で0.8kg/cm
2Gの条件下に維持された第2反応器に導かれた。
【0086】この反応器2においては、毎時0.35重
量部の二酸化ゲルマニウムと32重量部のエチレングリ
コールとの均一溶液が連続的に供給されるとともに、毎
時84重量部の水と7重量部のエチレングリコールとの
混合液が連続的に留去されて、第2段目のエステル化反
応が継続された。
【0087】また、この第2段目のエステル化反応物
は、平均滞留時間が2.0時間になるように制御され、
連続的に撹拌下265℃で常圧の条件下に維持された第
3反応器に導かれた。
【0088】この第3反応器においては、毎時1.23
重量部のトリメチルホスフェートと22重量部のエチレ
ングリコールとが混合された均一溶液が連続的に供給さ
れるとともに、毎時21重量部の水と38重量部のエチ
レングリコールとの混合液が連続的に留去され、第3段
目のエステル化反応が継続された。
【0089】この第3段目のエステル化反応物も平均滞
留時間が2.0時間となるように制御され、連続的に撹
拌下275℃で70mmHgに維持された第4反応器に
導かれた。
【0090】この第4反応器においては、毎時62重量
部のエチレングリコールと6重量部の水との混合物が連
続的に留去されて第1段目の重縮合反応が行われた。ま
た、この第1段目の重縮合反応物は、平均滞留時間が
1.0時間となるように制御され、連続的に撹拌下28
0℃で5mmHgに維持された第5反応器に導かれた。
【0091】この第5反応器においては、毎時26重量
部のエチレングリコールと3重量部の水との混合液が連
続的に留去されて第2段目の重縮合反応が継続された。
また、この第2段目の重縮合反応物は、平均滞留時間が
1.0時間になるように制御され、連続的に282℃〜
285℃で1.8mmHg〜2.5mmHgの条件下に
維持された横型二軸回転式反応槽である第6反応器に導
かれた。
【0092】この第6反応器においては、毎時12重量
部のエチレングリコールと1重量部の水との反応液が連
続的に留去されて第3段目の重縮合反応が継続された。
また、この第3段目の重縮合反応物は、平均滞留時間が
2.5時間となるように制御され、連続的にポリエステ
ル抜き出し装置によって、反応器外にストランド状で抜
き出され、水中に浸漬されて冷却された後、ストランド
カッターによってチップ状に裁断された。
【0093】以上の液相重合によって得られたポリエチ
レンテレフタレートのo-クロロフェノール中で25℃で
測定した固有粘度IVは0.57dl/gであり、また
ジオキシエチレンテレフタレート成分の含有量は2.5
0モル%であった。
【0094】さらに、その液相重合によるポリエチレン
テレフタレートは、窒素雰囲気下約140℃で約15時
間乾燥するとともに結晶化を行った後、塔型の固相重合
器に装填し、窒素雰囲気下205℃で15時間固相重合
を行った。
【0095】このようにして得られたポリエチレンテレ
フタレートのo-クロロフェノール中25℃で測定した固
有粘度は0.80dl/gであり、密度は1.40g/
cm 3であり、オリゴマー含有量は0.31重量%であ
り、またそのジオキシエチレンテレフタレート成分の含
量は2.53モル%であった。
【0096】このようにして得られたポリエチレンテレ
フタレート(A)5kgを、ステンレス容器内で6.5
kgの蒸留水に浸漬させた。次に、ポリエチレンテレフ
タレートおよび蒸留水が入ったステンレス容器を外部よ
り加熱し、内温を90℃にコントロールし、4時間保持
して水処理を行なった後、脱水し、140℃で14時間
窒素中で乾燥した。
【0097】乾燥ポリエチレンテレフタレートをすでに
本明細書中で説明したようにして窒素ガス雰囲気下で2
15℃の温度に加熱して固相重縮合処理した重縮合速度
は、0.0026dl/g・時間であった。
【0098】また該ポリエチレンテレフタレートを名機
製作所(株)製M−70Aの射出成形機で290℃にお
いて成型した段付角板状の成形物のオリゴマー含有量は
0.35重量%であり、オリゴマー増加量は0.04重
量%であった。
【0099】
【比較例1】実施例1において、熱水処理を行なわずに
得られたポリエチレンテレフタレートを140℃で14
時間窒素ガス中で乾燥した後、窒素雰囲気下で215℃
の温度に加熱して固相重縮合処理した重縮合速度は、
0.0067dl/g・時間であった。
【0100】また該ポリエチレンテレフタレートを29
0℃で成型した成形物のオリゴマー含有量は0.50重
量%であり、オリゴマー増加量は0.19重量%であっ
た。
【0101】
【実施例2】実施例1で用いた粒状ポリエチレンテレフ
タレートを実施例1と同様に熱水処理し、脱水乾燥を
し、減圧下150℃で約16時間乾燥後、窒素雰囲気下
で名機製作所(株)製M-100A-SJ 型射出成形機を用いて
バレル設定温度280℃で溶融し、10℃に冷却された
プリフォーム金型に成形圧力700kg/cm2で射出
成形し、口径が38mmで胴径が28mmであり、かつ
胴部の厚みが4.5mmの重量64gのプリォームを成
形サイクル60秒で作成した。
【0102】プリフォーム中のオリゴマーは0.35重
量%であった。次いで、口栓部のみ160℃のオイルバ
ス中にて結晶化してプリフォームを作成した。この口栓
部結晶化プリフォームを二軸延伸吹込み成形機[コポプ
ラスト(CORPOPLAST)社製LB010]を用いて、吹き込み圧力
約20kg/cm2、プリフォーム加熱時間約60秒、
延伸温度105℃の条件下で縦約2.2倍および横約
3.0倍に二軸延伸し、さらに160℃の表面温度を有
する金型内で60秒間保持した後、20秒間金型を水に
て冷却する方法でヒートセットを行なって、内容積が
1.5リットルの胴部に6枚の減圧パネルを有し、底部
が底上げの二軸延伸ボトルを作成した。
【0103】なお、延伸後に60秒間加熱(ヒートセッ
ト)したのはボトル白化を加速させて評価するためであ
り、ボトル製造時の加熱(ヒートセット)時間は0.1
〜30秒間で充分である。
【0104】ボトルを500本成形したが、すべて透明
なボトルが得られた。
【0105】
【比較例2】実施例1で用いたポリエチレンテレフタレ
ートを比較例1と同様に熱処理なしで、また実施例1と
同様に乾燥および成形を行なった。
【0106】実施例2と同様にボトルを500本成形し
たが、曇り模様のあるボトルが400本目位より発生し
た。なお、得られたプリフォーム中のオリゴマーは0.
46重量%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、段付角板状成形物の斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 63/88 C08G 63/80 C08G 63/183

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸またはそのエステル形成性
    誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成
    性誘導体とをエステル化するエステル化工程と、 上記エステル化工程で得られたエステル化物を重縮合触
    媒の存在下で加熱溶融する液相重縮合工程と、 上記液相重縮合工程で得られた重縮合反応物を不活性雰
    囲気下で溶融点以下の温度に加熱する固相重縮合工程
    と、 上記固相重縮合工程で得られた固有粘度が0.54dl
    /gを超えるとともに密度が1.37g/cm3以上で
    あり、かつオリゴマー(環状三量体)含有量が0.50
    重量%以下の重縮合反応物を70〜110℃の水と3分
    間〜5時間接触させて、ポリエチレンテレフタレート中
    に含まれる重縮合触媒を失活させる水処理工程とを含む
    ことを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方
    、ただし上記水処理工程において、 固相重合工程を経て製造された固有粘度が0.70dl
    /g以上であるとともに密度が1.37g/cm 3 以上
    であり、かつオリゴマー(環状三量体)含有量が0.5
    0重量%以下であり、しかも重縮合触媒を失活しない状
    態で含有するポリエチレンテレフタレートを、50℃〜
    110℃の水と3分〜5時間接触させてポリエチレンテ
    レフタレート中に含まれる重縮合触媒を失活させる場合
    を除く
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