JPWO2007040243A1 - 生分解性樹脂組成物、その製造方法、それを用いた成形体 - Google Patents

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Abstract

透明性が高く、かつ凝集物の少ない、生分解性樹脂組成物である。この生分解性樹脂組成物は、生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩とを含有し、かつ、ポリエーテルリン酸エステル化合物と、極性ワックスと、ホホバ油とから選ばれる少なくともいずれか一つを含有する。

Description

本発明は、生分解性樹脂組成物、その製造方法、それを用いた成形体に関する。
近年、環境保全の見地から、ポリ乳酸をはじめとする生分解性樹脂が注目されている。生分解性樹脂のなかで、ポリ乳酸は透明性が良好でかつ最も耐熱性が高い樹脂のひとつであり、またトウモロコシやサツマイモ等の植物由来原料から大量生産可能なためコストが安く、さらにカーボンニュートラルであることから環境負荷低減にも貢献でき、非常に有用性が高い。
生分解性樹脂のみからなる成形体は強度不足であるため、無機フィラー、特にタルクや層状珪酸塩を分散させて強度を向上する手法が知られている。しかし、タルクを添加すると透明性が低下し、層状珪酸塩を添加する場合は、量が増えれば凝集物が多くなり外観を損ねる。このため、容器、シートあるいはフィルムなどに適用するには問題がある。
この問題を解決する方法として、JP−A−2004−027136には、水または水系溶媒で予め膨潤させた層状珪酸塩を用いて融点以下でポリ乳酸と混練することにより、分散性を高める方法が開示されている。JP−A−2004−204143には、ヘクトライトあるいはサポナイトを含む生分解性樹脂を特殊な条件範囲内で混練することにより、透明性を高める方法が開示されている。JP−A−2004−323758には、層間にラクチドもしくは数平均分子量が50000以下の低分子量ポリ乳酸が挿入されることにより層間距離が拡大された層状珪酸塩を用いて、その分散性を向上させる方法が開示されている。
しかしながら、JP−A−2004−027136に開示された方法では、特殊な混練機が必要になり経済的に好ましくなく、また混練中に樹脂組成物の分子量が低下することにより成形時に熱劣化が生じる。JP−A−2004−204143に開示された方法では、凝集物を減らすために混練を強くすると、樹脂組成物の劣化やフィラーの再凝集が起こり、かえって透明性や成形性を損ねるという問題がある。JP−A−2004−323758で提示された方法では、分散性の向上について、さらなる改善の余地がある。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、透明性が高く、かつ凝集物の少ない、生分解性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、生分解性ポリエステル樹脂に、層状珪酸塩を添加するとともに、ポリエーテルリン酸エステル化合物と、極性ワックスと、ホホバ油とから選ばれる少なくともいずれか一つを添加することにより、層状珪酸塩の分散性を向上させて、樹脂組成物の透明性を向上させることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記のとおりのものである。
(1)生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩とを含有し、かつ、ポリエーテルリン酸エステル化合物と、極性ワックスと、ホホバ油とから選ばれる少なくともいずれか一つを含有することを特徴とする生分解性樹脂組成物。
(2)ポリ乳酸を50質量%以上含有した生分解性ポリエステル樹脂100質量部と、層状珪酸塩0.1〜10質量部と、ポリエーテルリン酸エステル化合物0.1〜10質量部とを含有することを特徴とする(1)の生分解性樹脂組成物。
(3)厚み1mmの成形体のヘーズが35%以下であることを特徴とする(2)の生分解性樹脂組成物。
(4)α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位とω−ヒドロキシアルカノエート単位とのいずれかを主成分とする生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩と、極性ワックスとを含有することを特徴とする(1)の生分解性樹脂組成物。
(5)生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、極性ワックスが0.1〜15質量部含有されていることを特徴とする(4)の生分解性樹脂組成物。
(6)厚み1mmの成形体のヘーズが60%以下であり、20℃かつ相対湿度90%下での酸素透過係数が150ml・mm/m・day・MPa以下であることを特徴とする(4)または(5)の生分解性樹脂組成物。
(7)α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位とω−ヒドロキシアルカノエート単位とのいずれかを主成分とする生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩と、ホホバ油とを含有することを特徴とする(1)の生分解性樹脂組成物。
(8)生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、ホホバ油が0.1〜15質量部含有されていることを特徴とする(7)の生分解性樹脂組成物。
(9)厚み1mmの成形体のヘーズが40%以下であり、20℃かつ相対湿度90%下での酸素透過係数が150ml・mm/m・day・MPa以下であることを特徴とする(7)または(8)の生分解性樹脂組成物。
(10)生分解性ポリエステル樹脂がポリ乳酸を50質量%以上含有したものであることを特徴とする(4)から(9)までのいずれかの生分解性樹脂組成物。
(11)生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、層状珪酸塩が0.5〜10質量部含有されていることを特徴とする(4)から(10)までのいずれかの生分解性樹脂組成物。
(12)層状珪酸塩が、層間に1級ないし4級アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、またはホスホニウムイオンが結合したものであることを特徴とする(1)から(11)までのいずれかの生分解性樹脂組成物。
(13)生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物およびオキサゾリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を0.1〜5質量部含有することを特徴とする(1)から(12)までのいずれかの生分解性樹脂組成物。
(14)生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して、ホスファイト化合物またはホスホナイト化合物を0.1〜5質量部を含有することを特徴とする(1)から(13)までのいずれかの生分解性樹脂組成物。
(15)上記(1)から(14)までのいずれかの生分解性樹脂組成物を製造するための方法であって、溶融混練時または成形時に、生分解性ポリエステル樹脂に、層状珪酸塩を添加するとともに、ポリエーテルリン酸エステル化合物と極性ワックスとホホバ油とから選ばれる少なくともいずれか一つを添加することを特徴とする。
(16)上記(1)から(14)までのいずれかの生分解性樹脂組成物からなるものであることを特徴とする成形体。
本発明によると、生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩とを含有し、かつ、ポリエーテルリン酸エステル化合物と、極性ワックスと、ホホバ油とから選ばれる少なくともいずれか一つを含有するものであるため、層状珪酸塩の分散性を向上させて、凝集物が少なく透明性が高い生分解性樹脂組成物が得られる。この樹脂組成物は、各種の成形品として、種々の用途に良好に使用できる。しかも、本発明の樹脂組成物は、生分解性を有することから、廃棄する際にはコンポスト化でき、廃棄物の減量化や肥料としての再利用も可能である。
本発明の生分解性樹脂組成物は、生分解性ポリエステル樹脂を含有する。
本発明の第1の態様として、ポリ乳酸を50質量%以上含有した生分解性ポリエステル樹脂100質量部と、層状珪酸塩0.1〜10質量部と、ポリエーテルリン酸エステル化合物0.1〜10質量部とを含有した生分解性樹脂組成物を挙げることができる。 この樹脂組成物においては、生分解性ポリエステル樹脂は、ポリ乳酸を50質量%以上含有している必要がある。このポリ乳酸の含有量は、好ましくは60質量部以上、さらに好ましくは80質量部以上である。ポリ乳酸以外の生分解性樹脂が50質量部を超えると、得られる生分解性樹脂組成物の機械物性や透明性が不足する。
ポリ乳酸としては、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、およびこれらの混合物、共重合体、またはステレオコンプレックスなどを挙げることができる。ポリ乳酸は、公知の溶融重合法により、あるいは必要に応じてさらに固相重合法を併用して製造される。なお、ポリ乳酸の原料として植物由来のものを使用するときは、石油資源の使用量を削減するという効果も得られる。
ポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂として、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンアジペート)等に代表されるジオールとジカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル;ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシカプロン酸)等のポリヒドロキシカルボン酸;ポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(δ−バレロラクトン)に代表されるポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート);芳香族成分を含んでいても生分解性を示すポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンテレフタレート)やポリ(ブチレンアジペート−co−ブチレンテレフタレート)の他;ポリエステルアミド;ポリエステルカーボネート等であってもよい。これらの樹脂は、1種でも、2種以上用いてもよく、混合物であっても共重合体であってもよい。
上記の生分解性ポリエステル樹脂は、生分解性を損なわない限り、ジカルボン酸、ジオール、ヒドロキシカルボン酸が共重合されていてもよい。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジオン酸、オクタデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、炭素原子数20〜45のダイマー酸または水添ダイマー酸のような脂肪族ジカルボン酸や;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸や;2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4´−ビフェニルジカルボン酸、2,2´−ビフェニルジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4´−ジフェニルメタンカルボン酸、4,4´−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−エタン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、n−ブトキシエチレングリコール、水添ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ダイマージオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA、2,2−ビス(2´−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、キシリレングリコール、フェニルエチレングリコールなどが挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酩酸、4−ヒドロキシ酩酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酪、6−ヒドロキシカプロン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ安息香酸)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4´−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸などを挙げることができる。これらの共重合成分が不斉炭素を有する場合は、L体、D体、及びその混合物、あるいはラセミ体であってもよい。
上記の共重合成分の中で、透明性の点から、ジカルボン酸として、コハク酸、アジピン酸、炭素原子数20〜45のダイマー酸又は水添ダイマー酸、ジオールとしてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールを用いるのが好ましい。
本発明の第2の態様として、α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位とω−ヒドロキシアルカノエート単位とのいずれかを主成分とする生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩と、極性ワックスおよび/またはホホバ油とを含有した生分解性樹脂組成物を挙げることができる。
α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位の例としては、D−乳酸、L−乳酸、これらの混合物、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸など、およびこれらの混合物、共重合体が挙げられ、D−乳酸、L−乳酸が特に好ましい。ω−ヒドロキシアルカノエート単位ととしては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンが挙げられる。なお、ポリエステル樹脂の生分解性を損なわない範囲であれば、上述の場合と同様に、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸が共重合されていてもよく、こうした共重合ポリエステルも、ここにいう生分解性ポリエステル樹脂に含まれる。
このような生分解性ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)のほか、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)などが挙げられ、またポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(δ−バレロラクトン)に代表されるポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)などが挙げられる。これらの成分は、1種でも、2種以上用いてもよく、混合されていてもよいし、共重合されていてもよい。また、ポリ乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸の含有比率は特に限定されないが、市販されているものとしては(L−乳酸/D−乳酸)=80/20〜99.8/0.2(モル比)の範囲のものが一般的であり、良好に使用できる。ポリ乳酸は、ステレオコンプレックスを形成していてもよい。
第2の態様の場合も、ポリ乳酸を50質量%以上含有している材料を用いると、植物由来度が高いことから環境への効果が高い上に、透明性、耐熱性とのバランスもとれるためにさらに好ましい。ポリ乳酸の含有量は、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。ポリ乳酸以外の生分解性樹脂が50質量%を超えると、ポリ乳酸を使用しているにもかかわらず、得られる生分解性樹脂組成物の機械的特性や透明性や耐熱性が不足する。また、ポリ乳酸以外の原料として、ナイロン11や天然ゴムなどの植物由来の原料が増えれば、植物由来の樹脂含量が増えることになり、石油資源の使用量の削減効果が大きくなる。
これらの樹脂は、一部が架橋されていてもかまわない。
生分解性ポリエステル樹脂は、公知の溶融重合法で、あるいは必要に応じてさらに固相重合法を併用して、製造される。また、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)およびポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)などについては、微生物による生産が可能である。
生分解性ポリエステル樹脂の分子量は、特に限定されないが、その指標となる190℃、21.2Nにおけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10minの範囲であれば、好ましく使用することができ、さらに好ましくは0.2〜40g/10minの範囲である。
上記した第1の態様、第2の態様のいずれにおいても用いられる層状珪酸塩は、膨潤性層状粘土鉱物の一種であり、具体的には、スメクタイト、バーミキュライト、膨潤性フッ素雲母等が挙げられる。スメクタイトの例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイトが挙げられる。膨潤性フッ素雲母の例としては、Na型フッ素四ケイ素雲母、Na型テニオライト、Li型テニオライト等が挙げられ、また上記の他に、カネマイト、マカタイト、マガディアイト、ケニアイト等のアルミニウムやマグネシウムを含まない層状珪酸塩を使用することもできる。好ましいものとしてはモンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母が挙げられる。層状珪酸塩は、天然品でも合成品でもよい。合成方法としては、溶融法、インターカレーション法、水熱法等が挙げられるが、いずれの方法であってもよい。層状珪酸塩は単独で使用してもよいし、鉱物の種類、産地、粒径等が異なるものを2種類以上組み合わせて使用してもよい。
生分解性ポリエステル樹脂中での層状珪酸塩の分散性を向上させ、それによって透明性をいっそう向上させるために、層状珪酸塩の層間には、1級ないし4級アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオンまたはホスホニウムイオンがイオン結合していることが好ましい。
1級ないし3級アンモニウムイオンは、対応する1級ないし3級アミンがプロトン化したものである。ここで、1級アミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン等が挙げられる。2級アミンとしては、ジオクチルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジオクタデシルアミン等が挙げられる。3級アミンとしては、トリオクチルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジドデシルモノメチルアミン等が挙げられる。4級アンモニウムイオンとしては、ジヒドロキシエチルメチルオクタデシルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルドデシルアンモニウム、ベンジルジヒドロキシエチルドデシルアンモニウム、ベンジルジヒドロキシエチルオクタデシルアンモニウム、ドデシル(ジヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、オクタデシル(ジヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3’−ドデシルオキシ−2’−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウム、メチルドデシルビス(ポリエチレングリコール)アンモニウム、メチルジエチル(ポリプロピレングリコール)アンモニウム等が挙げられる。ホスホニウムイオンとしては、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム等が挙げられる。これらのうち、ジヒドロキシエチルメチルオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルドデシルアンモニウム、ドデシル(ジヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、オクタデシル(ジヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3’−ドデシルオキシ−2’−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウム、メチルドデシルビス(ポリエチレングリコール)アンモニウム、メチルジエチル(ポリプロピレングリコール)アンモニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム等の、分子内に1つ以上の水酸基を有するアンモニウムイオンやホスホニウムイオンで処理した層状珪酸塩は、生分解性ポリエステル樹脂との親和性が高く、層状珪酸塩の分散性が向上するため特に好ましい。これらのイオン化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
層状珪酸塩を上記1級ないし4級アンモニウムイオンやホスホニウムイオンで処理する方法は、特に制限はないが、例えば、層状珪酸塩を水またはアルコール中に分散させ、上記1級ないし3級アミンと酸(塩酸等)、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩を添加して撹拌混合することにより、層状珪酸塩の層間の無機イオンを上記アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンとイオン交換させた後、濾別・洗浄・乾燥する方法が挙げられる。
層状珪酸塩の配合量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して、第1の態様では0.1〜10質量部であることが必要である。第2の態様では0.5〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8質量部、さらに好ましくは2〜5質量部である。第1の態様において0.1質量部未満、または第2の態様において0.5質量部未満では、成形体を構成したときに必要な実用的な機械物性の向上効果を得にくい。また、10質量部を超える場合には、透明性が悪化したり、成形加工性が低下したりする傾向がある。
第1の態様におけるポリエーテルリン酸エステル化合物としては、主鎖がポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンーポリオキシブチレン共重合体、ポリオキシプロピレンーポリオキシブチレン共重合体、あるいはポリオキシエチレンーポリオキシプロピレンーポリオキシブチレン共重合体などのようなポリオキシアルキレンである化合物のリン酸モノエステル、リン酸ジエステル、あるいは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。その数平均分子量は、1,000〜100,000が好ましい。
上記したポリエーテルリン酸エステル化合物は、側鎖および主鎖中に、炭化水素基、エステル結合で結合している基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、水酸基、ハロゲン原子、リン酸基、スルホニル基などの置換基を1種類以上有していてもよい。これらポリエーテルリン酸エステル化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において特に好ましいポリエーテルリン酸エステル化合物は、下記一般式(i)および/または一般式(ii)で表される化合物である。
R−O(CHCHO)−PO(OH) (i)
(R−O(CHCHO)−)−PO(OH) (ii)
上記一般式(i)、(ii)中、Rは、炭素数4〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアルキルアリール基、または炭素数6〜20のアルキルフェノキシ基を表す。
Rで表される炭素数4〜20のアルキル基としては、炭素数8〜16のアルキル基がより好ましい。具体的には、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、セチル基、2−エチル−ヘキシル基などが挙げられる。
Rで表される炭素数6〜20のアルキルアリール基としては、炭素数14〜18のアルキルアリール基がより好ましい。具体的には、オクチルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが挙げられる。
Rで表される炭素数6〜20のアルキルフェノキシ基としては、炭素数14〜18のアルキルフェノキシ基がより好ましい。具体的には、オクチルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ラウリルフェノキシ基などが挙げられる。
Rはさらに置換基を有していてもよい。
nは1〜50の整数を表し、6〜20であることが好ましい。
ポリエーテルリン酸エステル化合物は、市販品を使用してもよい。式(i)や式(ii)で表される化合物として、商品名:ディスパロンDA375(楠本化成社製)、商品名:プライサーフA215C(第一工業製薬社製)、商品名:プライサーフA217E(第一工業製薬社製)、商品名:ネオスコアCM57(東邦化学社製)、商品名:アデカコールTS、アデカコールCS(旭電化社製)などが挙げられる。
ポリエーテルリン酸エステル化合物の添加量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部であることが必要であり、好ましくは0.2〜5質量部である。0.1質量部未満では、層状珪酸塩を良好に分散させて凝集物を低減させる効果に乏しく、このため目的とする透明性が得られない。10質量部を超えて用いると、成形体の機械物性を低下させるなど効果的でない。
樹脂組成物における層状珪酸塩とポリエーテルリン酸エステル化合物との配合割合は、質量比で、(層状珪酸塩)/(ポリエーテルリン酸エステル化合物)=1/0.01〜1/20の範囲が好ましく、1/0.1〜1/10の範囲がより好ましい。
第2の態様における極性ワックスは、天然ワックス、合成ワックスのいずれでもよい。天然ワックスとしては、石油ワックス、モンタンワックス、動物ワックス、植物ワックスなどが挙げられる。石油ワックスとしては、パラフィンワックスやマイクロワックスなど飽和脂肪族炭化水素を主とする構造を有するような無極性ワックス以外のものであればよく、例えばこれらを酸化反応などによりアルコール型ワックスなどに変性したものであれば極性を有することもある。モンタンワックスとしてはエステル化または部分ケン化により極性を有する構造を有するものであればよい。植物ワックスではカルナバワックスやライスワックスやキャンデリラワックスのような高級脂肪酸と高級アルコールのエステルの混合物を含むものなどが挙げられる。合成ワックスとしては、脂肪酸や脂肪酸エステル、脂肪酸アミドなどが挙げられ、例えば、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、アジピン酸、フタル酸、トリメリット酸、セバシン酸のエステル化物、12−ヒドロキシステアリン酸およびそのエステル化物やアミド化合物、けん化物などでもよい。
これらのワックスは、極性を有するため、ポリ乳酸と混合したときにその透明性が維持され、外観に優れた樹脂組成物が得られるという効果がある。
また、極性を有するために生分解性ポリエステル樹脂および層状珪酸塩とのなじみがよく、層状珪酸塩の分散効果も持ち合わせている。
ワックスは、水と混合しないために、ガスバリア性を向上させるには非常に適している。また、沸点は全般的に高く安定性が良いため、通常高温を必要とする樹脂の溶融混練などに対しても安定に存在することができる。
極性ワックスの配合量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部であることが好ましく、いっそう好ましくは0.5〜10質量部である。0.1質量部未満ではガスバリア性を得にくくなり、15質量部を超えると基材の樹脂の物性低下、成形不良、混練不良などが生じやすくなる。
第2の態様におけるホホバ油は、天然のホホバの種子からの圧搾、蒸留により採取したエステルで、高級不飽和脂肪酸と高級不飽和アルコールとから構成される。ホホバは、米国西南部(アリゾナ州、カリフォルニア州)およびメキシコ北部(ソノーラ、バハ地方)の乾燥地帯に自生する常緑性の灌木で、雌雄異株で、樹高60cm〜180cmでなかには3mに達するものもある。現在は、栽培化され、米国、メキシコの他、イスラエル、オーストラリア、アルゼンチンなどの乾燥地帯でも栽培されている。
本発明において用いられるホホバ油の具体例としては、上述のように種子から圧搾したものをそのまま使用した粗ホホバ油、分子蒸留により精製した精製ホホバ油、精製ホホバ油を水素添加することにより固体とした水素添加ホホバ油、ホホバアルコール、ホホバクリームなど、樹脂に混合できるものであればいずれのものでも良い。なかでも、樹脂組成物の透明性をできる限り保つためには、精製ホホバ油が好ましい。
ホホバ油は、水と混合しないため、ガスバリア性を向上させるには非常に適している。また、沸点は420℃と非常に高く安定性が良いため、通常高温を必要とする樹脂の溶融混練などに対しても安定に存在することができる。また、層状珪酸塩および生分解性ポリエステル樹脂との相溶性も良好で、脂肪族ポリエステル中の層状珪酸塩の分散性を向上させるのにも適している。
ホホバ油の配合量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましく、いっそう好ましくは0.5〜8質量部である。0.1質量部未満ではバリア性を得にくくなり、15質量部を超えると基材の樹脂の物性や成形性が低下しやすくなる。
本発明においては、極性ワックスとホホバ油とを併用することもできる。そのほかにも、ポリエーテルリン酸エステル化合物と極性ワックスとホホバ油とを適宜に組み合わせて用いることもできる。
第1の態様の樹脂組成物は、厚み1mmの成形体でヘーズが35%以下であることが好ましい。ヘーズがこの値より大きいものでは、透明性が悪かったり、粗大な凝集物が見られたりするなど、商品価値の低いものとなりやすい。ここでいうヘーズとは、濁度計で測定した濁度のことをいう。ヘーズが大きいほど濁度が強いことを示し、ヘーズが小さいほど濁度が弱く透明であることを示す。ヘーズは、より好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは25%以下であり、最も好ましくは20%以下である。
第2の態様の樹脂組成物のうち、極性ワックスを含有するものでは、透明性や層状珪酸塩の分散性などに優れることにより外観に優れ、厚み1mmの成形体でヘーズを60%以下とすることができる。ヘーズがこの値より大きいものでは、透明性が不十分である場合や、たとえヘーズ値がそれほど大きくない場合でも粗大な凝集物が見られるために、商品価値が低くなる場合がある。厚み1mmの成形体で、好ましくはヘーズが上記のように60%以下であり、より好ましくはヘーズが55%以下であり、さらに好ましくはヘーズが50%以下である。
第2の態様の樹脂組成物のうち、ホホバ油を含有するものでは、厚み1mmの成形体でヘーズを40%以下とすることができる。厚み1mmの成形体で、好ましくは前記のようにヘーズが40%以下であり、より好ましくはヘーズが35%以下であり、さらに好ましくはヘーズが30%以下であり、最も好ましくはヘーズが25%以下である。
第2の態様の生分解性樹脂組成物は、20℃、90%RH下での酸素透過係数が、150ml・mm/m・day・MPa以下であることが好ましく、120ml・mm/m・day・MPa以下であることがいっそう好ましい。
生分解性ポリエステル樹脂の末端基を封鎖し、耐加水分解性を向上させることを目的として、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物およびオキサゾリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有していてもよく、中でもカルボジイミド化合物が好ましい。これらの化合物の添加量の合計は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2質量部である。
カルボジイミド化合物の具体例としては、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(住化バイエルウレタン社製、商品名:スタバクゾールI)、N,N´−ジ−o−トリルカルボジイミド、N,N´−ジフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−シクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミドなどのモノカルボジイミドや、脂肪族ポリカルボジイミドや、芳香族ポリカルボジイミド(例えば、住化バイエルウレタン社製、商品名:スタバクゾールPなど)が挙げられる。これらカルボジイミド化合物は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でもN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドが特に好ましい。
エポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド、水添ビスフェノールA―ジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチルプロパンポリグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェニル(ポリエチレングリコール)グリシジルエーテル、フェニル(ポリプロピレングリコール)グリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジグリシジル−o−フタレート、ジグリシジルテレフタレート、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、エポキシ化植物油、あるいはグリシジル基を側鎖に有するポリマーなどが挙げられる。これらエポキシ化合物は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でもエチレングリコールジグリシジルエーテルあるいはポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが特に好ましい。
イソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。これらイソシアネート化合物は、単独で使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートが特に好ましい。
オキサゾリン化合物の具体例としては、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2,4−ジメチル−2−オキサゾリンのようなモノオキサゾリン化合物、2、2’−(1,3−フェニレン)ビス(2−オキサゾリン)のようなビスオキサゾリン化合物、あるいはオキサゾリン基を側鎖に有するポリマーなどが挙げられる。これらオキサゾリン化合物は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(2−オキサゾリン)が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、色調改善のために、ホスファイト化合物またはホスホナイト化合物を含有していてもよい。具体的には、例えばテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]4,4’−ジイルビスホスフォナイト(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:IRGAFOS P-EPQ)、3,9−ビス(p−ノニルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ―3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブPEP-4C)、O,O’−ジアルキル(C=8〜18)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブPEP-8,PEP-8W)、本出願人にとって正確な物質名は不明であるが、旭電化工業社製の、商品名:アデカスタブPEP-11C、ビス(2,4−ジ―tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブPEP24G)、ビス(2,6−ジ―tert―ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブPEP36,PEP-36Z)、トリス(2,4−ジ−tert-ブチルフェニル)ホスファイト(旭電化工業社製、商品名:2112)、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホスファイトポリマー(城北化学工業社製、商品名:JPH3800)などが挙げられる。中でも、ビス(2,4−ジ―tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(商品名:PEP24G)、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(商品名:PEP36,PEP-36Z)、トリス(2,4−ジ−tert-ブチルフェニル)ホスファイト(商品名:2112)、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホスファイトポリマー(商品名:JPH3800)などが好ましい。
ホスファイト化合物またはホスホナイト化合物を添加する場合、その添加量の合計は生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、0.1〜2質量部であることがさらに好ましい。これらは、1種のみ使用しても、2種以上併用してもよい。
本発明の樹脂組成物においては、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物およびオキサゾリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、ホスファイト化合物またはホスホナイト化合物とを併用することが好ましい。併用することにより、前者の化合物の末端封鎖による耐加水分解の効果を格段に向上することができる。併用する場合には、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物およびオキサゾリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、ホスファイト化合物またはホスホナイト化合物との質量比は、1/0.002〜1/200の範囲が好ましく、1/0.01〜1/50の範囲がより好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法において、層状珪酸塩の添加方法としては、生分解性樹脂の重合時に添加する方法、溶融混練時に添加する方法、成形時に添加する方法などが挙げられる。この際に、層状珪酸塩を予め高濃度に調整したペレットを添加する方法、すなわち、いわゆるマスターバッチ法を用いてもよい。添加時期としては、溶融混練時または成形時が好ましい。溶融混練時や成形時に添加する場合の添加方法としては、樹脂と予めドライブレンドしておいてから、一般的な混練機や成形機に供給する方法や、サイドフィーダーを利用して混練の途中から添加する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物の製造方法において、ポリエーテルリン酸エステル化合物の添加方法としては、一般的な混練機を用いて生分解性ポリエステル樹脂とポリエーテルリン酸エステル化合物を溶融混練する方法や、生分解性ポリエステルを形成するモノマーに対してポリエーテルリン酸エステル化合物を所定量存在させた状態で、モノマーを重合することによって、生分解性ポリエステル樹脂組成物を得る方法や、成形時に添加する方法などが挙げられる。ポリエステル樹脂の分子量低下が少ないことや、添加の簡便性などの理由から、前者の方法が好ましい。この際に、ポリエーテルリン酸エステル化合物を予め高濃度に調整したペレットを添加する方法、すなわち、いわゆるマスターバッチ法を用いてもよい。なお、溶融混練時や成形時に添加する場合の添加方法としては、樹脂と予めドライブレンドしておいてから、一般的な混練機や成形機に供給する方法や、定量供給ポンプを利用して混練の途中から添加する方法などが挙げられる。
例えば、定量供給ポンプを用いてポリエーテルリン酸エステル化合物を添加する場合には、本発明の効果を損なわない範囲において、操業性向上のために溶剤で希釈/溶解して添加しても構わない。溶剤としては一般的なものが用いられ、特に限定されないが、本発明で用いる生分解性樹脂との相溶性に優れた可塑剤が好ましく、また生分解性のものが好ましい。例えば、脂肪族多価カルボン酸エステル誘導体、脂肪族多価アルコールエステル誘導体、脂肪族オキシエステル誘導体、脂肪族ポリエーテル誘導体、脂肪族ポリエーテル多価カルボン酸エステル誘導体などから選ばれた1種以上の可塑剤などが挙げられる。具体的な化合物としては、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、トリエチレングリコールジアセテート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルトリブチルクエン酸、ポリエチレングリコール、ジブチルサクシネート、ジオクチルサクシネート、ジブチルジグリコールサクシネートなどが挙げられる。可塑剤の使用量としては、樹脂量100質量部に対し30質量部以下が好ましく、0.1〜20質量部が更に好ましい。
樹脂中への層状珪酸塩の分散性をさらに向上させるために、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸の部分ケン化エステル、植物由来油等の成分を添加してもよい。また、樹脂を無水マレイン酸等で変性して極性基を導入する方法も挙げられる。
本発明の樹脂組成物の製造方法に関し、極性ワックスおよび/またはホホバ油の添加方法としては、生分解性樹脂の重合時に添加する方法、溶融混練時に添加する方法、成形時に添加する方法などが挙げられる。この際に、極性ワックスやホホバ油を予め高濃度に調整したペレットを添加する方法、すなわち、いわゆるマスターバッチ法を用いてもよい。添加時期としては、溶融混練時または成形時が好ましい。溶融混練時や成形時に添加する場合の添加方法としては、樹脂と予めドライブレンドしておいてから、一般的な混練機や成形機に供給する方法や、サイドフィーダーを利用して混練機の途中から添加する方法などが挙げられる。
溶融混練に際しては、単軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダーなどの一般的な混練機を使用することができ、添加剤の分散性向上のためには二軸押出機を使用することが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに、本発明で規定する以外の熱安定剤、酸化防止剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材、分散剤等を添加してもよい。熱安定剤や酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用することができる。これらの添加剤は一般に溶融混練時あるいは重合時に加えることができる。
充填材としては、無機充填材と有機充填材とを挙げることができる。このうち、無機充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、ガラス繊維等が挙げられる。有機充填材としては、グラファイト、炭素繊維、フラーレン、カーボンナノチューブ、澱粉、多糖類、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ、ケナフ等の天然に存在するポリマーやこれらの変性品が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリオキシメチレン、ポリシクロオレフィン系樹脂、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリル酸エステル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸エステル)、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびそれらの共重合体等の非生分解性樹脂を添加してもよい。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、押出成形などの公知の成形方法により、各種成形体とすることができる。
射出成形法としては、一般的な射出成形法のほか、ガス射出成形法、射出プレス成形法などを採用できる。射出成形時のシリンダ温度は、樹脂組成物の融点(Tm)または流動開始温度以上であることが必要であり、例えば生分解性ポリエステル樹脂がポリ乳酸である場合には、好ましくは180〜230℃、さらに好ましくは190〜220℃の範囲である。成形温度が低すぎると、樹脂の流動性の低下により成形不良や装置の過負荷に陥りやすい。逆に成形温度が高すぎると、樹脂組成物が分解し、成形体の強度低下、着色などの問題が発生する。一方、金型温度に関しては、樹脂組成物のTg(ガラス転移温度)以下とする場合には、好ましくは(Tg−10℃)以下である。また、剛性、耐熱性向上を目的として結晶化を促進するために、Tg以上かつ(樹脂組成物の融点Tm−30℃)以下とすることもできる。
ブロー成形法としては、例えば原料チップから直接成形を行うダイレクトブロー法や、まず射出成形で予備成形体(有底パリソン)を成形後にブロー成形を行う射出ブロー成形法や、延伸ブロー成形法などが挙げられる。予備成形体成形後に連続してブロー成形を行うホットパリソン法、いったん予備成形体を冷却し取り出してから再度加熱してブロー成形を行うコールドパリソン法のいずれの方法も採用できる。
押出成形法としては、Tダイ法、丸ダイ法等を適用することができる。押出成形温度は原料の樹脂組成物の融点(Tm)以上または流動開始温度以上であることが必要であり、例えば生分解性ポリエステル樹脂がポリ乳酸である場合には、好ましくは180〜230℃、さらに好ましくは190〜220℃の範囲である。成形温度が低すぎると、操業が不安定になったり、過負荷に陥ったりしりやすい。逆に成形温度が高すぎると、樹脂組成物が分解して、押出成形体の強度低下や着色などの問題が発生する。押出成形により、シートやパイプなどを作製することができる。
押出成形法により得られたシートまたはパイプの具体的用途としては、深絞り成形用原反シート、バッチ式発泡用原反シート、クレジットカードなどのカード類、下敷き、クリアファイル、ストロー、農業・園芸用硬質パイプなどが挙げられる。シートは、さらに、真空成形や、圧空成形や、真空圧空成形などの深絞り成形を行うことで、食品用容器、農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器などを製造することができる。深絞り成形温度および熱処理温度は、(Tg+20℃)〜(Tg+100℃)であることが好ましい。深絞り温度が(Tg+20℃)未満では深絞りが困難になり、逆に深絞り温度が(Tg+100℃)を超えると、樹脂組成物が分解して、偏肉が生じたり、配向がくずれて耐衝撃性が低下したりする場合がある。食品用容器、農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器の形態は、特に限定されないが、食品、物品、薬品などを収容するためには、深さ2mm以上に深絞りされていることが好ましい。容器の厚さは、特に限定されないが、強力の点から、50μm以上であることが好ましく、150〜500μmであることがより好ましい。食品用容器の具体例としては、生鮮食品のトレー、インスタント食品容器、ファーストフード容器、弁当箱などが挙げられる。農業・園芸用容器の具体例としては、育苗ポットなどが挙げられる。ブリスターパック容器の具体例としては、食品以外にも事務用品、玩具、乾電池などの多様な商品群の包装容器が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を用いて製造されるその他の成形品としては、皿、椀、鉢、箸、スプーン、フォーク、ナイフなどの食器;流動体用容器;容器用キャップ;定規、筆記具、クリアケース、CDケース等の事務用品;台所用三角コーナー、ゴミ箱、洗面器、歯ブラシ、櫛、ハンガー等の日用品;プラモデルなどの各種玩具類;エアコンパネル、各種筐体などの電化製品用樹脂部品;バンパー、インパネ、ドアトリムなどの自動車用樹脂部品などが挙げられる。
なお、流動体用容器の形態は、特に限定されないが、流動体を収容するためには深さ20mm以上に成形されていることが好ましい。容器の厚さは、特に限定されないが、強力の点から、0.1mm以上であることが好ましく、0.1〜5mmであることがより好ましい。流動体用容器の具体例としては、乳製品や清涼飲料水や酒類などのための飲料用コップおよび飲料用ボトル、醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、食用油などの調味料の一時保存容器、シャンプー、リンスなどの容器、化粧品用容器、農薬用容器などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物からなる成形品は、熱処理を施すことにより結晶化を促進させ、耐熱性やガスバリア性を向上させることもできる。熱処理温度は、通常Tg以上Tm以下の範囲であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は繊維とすることもできる。その製造方法は特に限定されないが、溶融紡糸し、延伸する方法が好ましい。溶融紡糸温度としては、160℃〜260℃が好ましい。160℃未満では溶融押出しが困難となる傾向にあり、一方、250℃を超えると分解が顕著となって、高強度の繊維を得られ難くなる傾向にある。溶融紡糸した繊維糸条は、目的とする繊維径となるようにTg以上の温度で延伸させるとよい。
上記方法により得られた繊維は、衣料用繊維、産業資材用繊維、短繊維不織布などとして利用される。
本発明の樹脂組成物は、長繊維不織布に展開することもできる。その製造方法は、特に限定されないが、樹脂組成物を高速紡糸法により紡糸して得られる繊維を堆積した後ウェッブ化し、さらに熱圧接などの手段を用いて布帛化する方法を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
[測定・評価方法]
(1)ヘーズ:
JIS K−7136に従い、厚さ1mmのプレスシートに対して測定を行った。すなわち、樹脂組成物にテスター産業社製の卓上テストプレス機を使用し、190℃で約3分間プレスして、成形体として厚さ1mmのプレスシートを作製した。このプレスシートについて、日本電色工業社製NDH−2000型濁度・曇り度計を用いて、測定を行った。
(2)凝集物の状態(透明性):
厚み1mmの成形体の目視評価を行い、凝集物が多いものを不良(×)、凝集物がほとんど無いものを良(○)、凝集物が全く確認できないものを最良(◎)とした。
(3)曲げ弾性率、曲げ破断強度:
樹脂組成物を射出成形して、127mm×13mm×3mmの成形片を得た。これにASTM−790に準じて変形速度1mm/分で荷重をかけ、曲げ弾性率および曲げ破断強度を測定した。試験片の作製条件すなわち射出成形条件は、下記の通りであった。
射出成形条件:射出成形機(東芝機械社製IS−80G型)を用い、シリンダ温度190〜170℃、金型温度15℃、射出圧60%、射出時間20秒、冷却時間20秒、インターバル2秒とし、ASTM規格の、1/8インチ3点曲げ・ダンベル試験片用金型を用いて射出成形を行った。
(4)耐加水分解性:
恒温恒湿器(ヤマト科学社製IG400型)を用い、(3)で作製した成形片を、温度60℃、相対湿度90%の環境下に300時間保存処理し、その後に(3)と同法で曲げ破断強度の測定を行うことにより評価した。
強度保持率(%)は、
(強度保持率)=(処理後の強度)/(処理前の強度)×100
という式により算出した。
(5)黄色度(YI値):
日本電色工業社製の色差計Z−Σ90を用い、1.5mm×3mm角のペレットを、12mm×30mmφのガラスセルに充填して測定した。この値が低いほど、黄味が少なく、色調は良好であることを示す。
(6)ガスバリア性(酸素透過係数):
樹脂組成物に熱プレスを施すことにより形成しかつ予め調湿しておいたシート(厚み200−300μm)について、20℃、相対湿度90%の条件下で、差圧式ガス・気体透過率測定装置(Yanaco社製、GTR−30XAU)を用いて、差圧法で酸素透過度を測定した。なお、酸素透過度は、測定時間0.5h、1h、2hの3つの測定点から得られた値を用いた。酸素透過係数は、
(酸素透過係数)=(酸素透過度)×(サンプル厚み)
より算出した。
酸素透過係数の値は、ガスバリア性の指標となるものであり、小さいほどガスバリア性が良好であることを示す。
(7)ブローボトルの成形性の評価:
樹脂組成物を用いて、125℃の高温金型でブローボトルの作製を試み、作製できたものは○、できなかったものは×と評価した。
(8)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210にしたがい、付属書A表1のDの条件(190℃、21.2N)にて測定した。
[原料]
下記の実施例、比較例において用いた各種原料を示す。
(1)生分解性ポリエステル樹脂
樹脂A:
ポリ乳酸(カーギルダウ社製、品名:NatureWorks 4032D、重量平均分子量(Mw)180,000、融点170℃、D体含有率1.4モル%、MFR5g/10min)。
樹脂B:
乳酸/ダイマー酸/プロピレングリコール共重合体(コグニス社製、品名:「エンポール1062」(部分水添した炭素原子数18の脂肪族不飽和カルボン酸の2量体であるダイマー酸)とプロピレングリコールとから合成されたポリエステルに、L−ラクチドを加えて重合した共重合体)。樹脂Bは以下のように合成した。
(樹脂Bの製造方法)
撹拌器、精留器、ガス導入管を付した50リットル反応槽に、「エンポール1062」1モル当量と、プロピレングリコール1.4モル当量とを仕込み、窒素気流下で150℃から1時間に10℃ずつ昇温させながら加熱撹拌した。そして、生成する水を留去しながら220℃まで昇温し、2時間後、エステル交換触媒としてチタンテトラブトキシド70ppmを添加し、0.1kPaまで減圧して1時間撹拌した。これにより、GPCを用いたポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)が14,000、重量平均分子量(Mw)が23,000の脂肪族ポリエステルを得た。この脂肪族ポリエステル20質量部と、L−ラクチド80質量部と、これらラクチドとポリエステルの合計100質量部に対し15質量部のトルエンとをセパラブルフラスコに取り、175℃で溶融した。溶液が均一になってからチタンビスアセチルアセトナ−ト500ppmを添加し、175℃で7時間撹拌した。これにより、GPCを用いたポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)が40,000、重量平均分子量(Mw)が73,000の樹脂Bを得た。樹脂B中の乳酸成分は68質量%であった。
樹脂C:
ポリ乳酸(カーギルダウ社製「NatureWorks」、重量平均分子量(MW)=130,000、融点170℃、D体含有率1.3モル%、MFR7.3g/10min)。
(2)層状珪酸塩
ソマシフMEE:
層間イオンがジヒドロキシエチルメチルドデシルアンモニウムイオンで置換された膨潤性合成フッ素雲母(コープケミカル社製、平均粒径6.2μm)。
ソマシフMTE:
層間イオンがメチルトリオクチルアンモニウムイオンで置換された膨潤性合成フッ素雲母(コープケミカル社製)。
エスベンW:
層間イオンがジオクタデシルジメチルアンモニウムイオンで置換されたモンモリロナイト(ホージュン社製)。
ルーセンタイトSAN:
層間がジメチルジオクタデシルアンモニウム塩で置換された膨潤性合成ヘクトライト(コープケミカル社製)。
ラクチド挿入層状珪酸塩MLE:
層間がジヒドロキシエチルメチルドデシルアンモニウム塩で置換された膨潤性合成フッ素雲母(ソマシフMEE)100gと、L−ラクチド(武蔵野化学社製)25gとをボールミルを用いて48時間混合処理し、ラクチド挿入層状珪酸塩MLEとした。この層状珪酸塩の層間距離は2.9nmであった。
(3)ポリエーテルリン酸エステル化合物
DA375:
商品名:ディスパロンDA375(楠本化成社製)。
A215C:
商品名:プライサーフA215C(第一工業製薬社製)。
(4)極性ワックス
極性ワックスD:
アルコール型ワックス(日本精ろう社製「OX1949」)。
極性ワックスE:
酸化ワックス(日本精ろう社製「LUVAX0321」)。
極性ワックスF:
ジブチルセバケート(DBS)(豊国製油社製)。
極性ワックスG:
ジオクチルセバケート(DOS)(豊国製油社製)。
極性ワックスH:
パラフィンワックス(日本精ろう社製「Parrafin155」)。
(5)ホホバ油
ホホバ油I:
香栄興業社製の精製ホホバ油。
(6)カルボジイミド化合物
CDI:
N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(バイエル社製、品名:スタバクゾールI)。
(7)酸化防止剤(ホスファイト化合物)
PEP−36(ホスファイト系酸化防止剤):
ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(旭電化工業社製、品名:アデカスタブPEP−36)。
JPH−3800(ホスファイト系酸化防止剤):
水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホスファイトポリマー(城北化学工業社製)。
(8)希釈剤
ATBC:
アセチルトリブチルクエン酸(田岡化学工業社製)
実施例1
100質量部の樹脂Aと、4質量部のMEEと、0.5質量部のDA375とをドライブレンドし、池貝社製PCM−30型二軸押出機(スクリュー径30mmφ、平均溝深さ2.5mm)に供給し、シリンダ温度190℃、スクリュー回転数200rpm(=3.3rps)、滞留時間1.6分で溶融混練を行い、ストランド状に押出し、カッティングしてペレット状の樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を用いて得られた成形体の評価結果を表1に示す。
Figure 2007040243
実施例2〜10、比較例1〜7
樹脂、層状珪酸塩、ポリエーテルリン酸エステル化合物、その他の添加剤の配合組成を表1のようにし、実施例1と同様に溶融混練して樹脂組成物を得た。なお、その他の添加剤は、押出機に供給する前に、樹脂、層状珪酸塩、ポリエーテルリン酸エステル化合物と同時にドライブレンドした。
上記樹脂組成物を用いて得られた成形体の評価結果を表1に示す。
実施例11
100質量部の樹脂Aと、4質量部のMEEと、2質量部のCDIと、0.5質量部のJPH−3800とをドライブレンドし、池貝社製PCM−30型二軸押出機(スクリュー径30mmφ、平均溝深さ2.5mm)に供給し、シリンダ温度190℃、スクリュー回転数200rpm(=3.3rps)、滞留時間1.6分で溶融混練を行った。そして、DA375とATBCとを質量比1/0.5で混合したものを、定量供給ポンプを用いて、供給されるDA375と樹脂Aとの質量比が1/100となるように混練機の途中から添加した。混練物をストランド状に押出し、カッティングしてペレット状の樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を用いて得られた成形体の評価結果を表1に示す。
実施例1〜11の樹脂組成物はいずれもヘーズが35%以下となり、凝集物もほとんど認められなかった。
さらに実施例3においては、カルボジイミド化合物を添加しているため、カルボジイミド化合物を添加していない実施例1に比べて、高い耐加水分解性を示す良好な結果が得られた。
実施例4は、ホスファイト化合物を添加しているため、YI値が低く、色調が良好であった。
実施例2、8および11においては、カルボジイミド化合物とホスファイト化合物とを併用しているため、耐加水分解性と色調が向上した。特に、カルボジイミド化合物を単独で配合した実施例3よりも耐加水分解性が格段に向上していた。
これに対して比較例1〜7では次のような問題があった。すなわち、比較例1〜7はいずれもポリエーテルリン酸エステルを含んでいないため、層状珪酸塩の分散性が不十分であり、40以上の高いヘーズを示した。また、目視で確認できる凝集物が非常に多かった。
実施例12
100質量部の樹脂Cと、4質量部のMEEと、0.5質量部の極性ワックスDとをドライブレンドし、池貝社製PCM−30型二軸押出機(スクリュー径30mmφ、平均溝深さ2.5mm)を用いて、190℃、スクリュー回転数200rpm(=3.3rps)、滞留時間1.6分で溶融混練を行い、押出し、ペレット状に加工し、乾燥して、樹脂組成物を得た。得られた組成物をプレスシートに成形し、ヘーズ、透明性、酸素透過係数の評価を行った。
次いで、射出ブロー成形機(日精ASB機械社製「ASB−50TH」)を用いて、樹脂組成物をシリンダ設定温度200℃で溶融して10℃の金型に充填し、10秒間冷却して5mm厚の予備成形体(有底パリソン)を得た。これを120℃の電熱ヒーターで加熱した後、125℃に設定された高温金型に入れ、圧力空気3.5MPaの条件でブロー成形し、内容積130ミリリットル、厚み1.1mmのボトル容器を作製し、成形時の状況を観察した。
その結果を表2に示す。
Figure 2007040243
実施例13〜22
実施例12に対して表1に示すように組成を変更した。それ以外は実施例12と同様として、各種評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例8
実施例12に比べ、極性ワックスを添加せずに樹脂と層状珪酸塩のみで同様の混練を行い、成形体を得て評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例9〜12
比較例8と同様に極性ワックスを添加しなかったが、比較例8に比べ表2に示すように組成を変更し、成形体を得て評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例13
表2に示すように層状珪酸塩を添加せずに樹脂と極性ワックスのみで同様の混練を行い、成形体を得て評価を行った。
比較例14
実施例12に比べ、ワックスを極性を持たないものに変更して同様の混練を行い、成形体を得て評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例12〜22の樹脂組成物は、外観、ガスバリア性、成形性共に優れていた。それに比べて比較例8〜14の樹脂組成物は、外観、ガスバリア性、成形性共に優れているものはなかった。
実施例23
100質量部の樹脂Cと、2質量部のMEEと、2質量部の精製ホホバ油Iとをドライブレンドし、池貝社製PCM−30型二軸押出機(スクリュー径30mmφ、平均溝深さ2.5mm)を用いて、190℃、スクリュー回転数200rpm(=3.3rps)、滞留時間1.6分で溶融混練を行い、押出し、ペレット状に加工し、乾燥して、樹脂組成物を得た。得られた組成物をプレスシートに成形し、ヘーズ、透明性、酸素透過係数の評価を行った。
次いで、射出ブロー成形機(日精ASB機械社製「ASB−50TH」)を用いて、樹脂組成物をシリンダ設定温度200℃で溶融して10℃の金型に充填し、10秒間冷却して5mm厚の予備成形体(有底パリソン)を得た。これを120℃の電熱ヒーターで加熱した後、125℃に設定された高温金型に入れ、圧力空気3.5MPaの条件下でブロー成形し、内容積130ミリリットル、厚み1.1mmのボトル容器を作製し、成形時の状況を確認した。
その結果を表3に示す。
Figure 2007040243
実施例24〜32
実施例23に対して表3に示すように組成を変更した。それ以外は実施例23と同様として、各種評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例15および18
実施例24に比べ、精製ホホバ油を添加せずに樹脂と層状珪酸塩のみで同様の混練を行い、成形体を得て評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例16〜17
比較例15と同様に精製ホホバ油を添加しなかったが、比較例15に比べ表3に示すように組成を変更し、成形体を得て評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例19
表3に示すように層状珪酸塩を添加せずに樹脂とホホバ油のみで同様の混練を行い、成形体を得て評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例23〜32の樹脂組成物は、透明性、ガスバリア性共に優れ、さらに高温金型での成形が可能であった。それに対し比較例15〜19の樹脂組成物は、透明性、ガスバリア性共に優れているものはなかった。

Claims (16)

  1. 生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩とを含有し、かつ、ポリエーテルリン酸エステル化合物と、極性ワックスと、ホホバ油とから選ばれる少なくともいずれか一つを含有することを特徴とする生分解性樹脂組成物。
  2. ポリ乳酸を50質量%以上含有した生分解性ポリエステル樹脂100質量部と、層状珪酸塩0.1〜10質量部と、ポリエーテルリン酸エステル化合物0.1〜10質量部とを含有することを特徴とする請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  3. 厚み1mmの成形体のヘーズが35%以下であることを特徴とする請求項2記載の生分解性樹脂組成物。
  4. α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位とω−ヒドロキシアルカノエート単位とのいずれかを主成分とする生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩と、極性ワックスとを含有することを特徴とする請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  5. 生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、極性ワックスが0.1〜15質量部含有されていることを特徴とする請求項4記載の生分解性樹脂組成物。
  6. 厚み1mmの成形体のヘーズが60%以下であり、20℃かつ相対湿度90%下での酸素透過係数が150ml・mm/m・day・MPa以下であることを特徴とする請求項4記載の生分解性樹脂組成物。
  7. α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位とω−ヒドロキシアルカノエート単位とのいずれかを主成分とする生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩と、ホホバ油とを含有することを特徴とする請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  8. 生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、ホホバ油が0.1〜15質量部含有されていることを特徴とする請求項7記載の生分解性樹脂組成物。
  9. 厚み1mmの成形体のヘーズが40%以下であり、20℃かつ相対湿度90%下での酸素透過係数が150ml・mm/m・day・MPa以下であることを特徴とする請求項7記載の生分解性樹脂組成物。
  10. 生分解性ポリエステル樹脂がポリ乳酸を50質量%以上含有したものであることを特徴とする請求項4または7記載の生分解性樹脂組成物。
  11. 生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、層状珪酸塩が0.5〜10質量部含有されていることを特徴とする請求項4または7記載の生分解性樹脂組成物。
  12. 層状珪酸塩が、層間に1級ないし4級アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、またはホスホニウムイオンが結合したものであることを特徴とする請求項2または4または7記載の生分解性樹脂組成物。
  13. 生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物およびオキサゾリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を0.1〜5質量部含有することを特徴とする請求項2または4または7記載の生分解性樹脂組成物。
  14. 生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して、ホスファイト化合物またはホスホナイト化合物を0.1〜5質量部を含有することを特徴とする請求項2または4または7記載の生分解性樹脂組成物。
  15. 請求項2または4または7に記載の生分解性樹脂組成物を製造するための方法であって、溶融混練時または成形時に、生分解性ポリエステル樹脂に、層状珪酸塩を添加するとともに、ポリエーテルリン酸エステル化合物と極性ワックスとホホバ油とから選ばれる少なくともいずれか一つを添加することを特徴とする。
  16. 請求項2または4または7に記載の生分解性樹脂組成物からなるものであることを特徴とする成形体。
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