JP4241243B2 - 脂肪族ポリエステル組成物及びその成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪族ポリエステル組成物、並びにそれを溶融成形せしめた成形体に関する。
脂肪族ポリエステル、中でもポリ乳酸などいくつかは、とうもろこし、サトウキビ、サツマイモなど植物由来の原料から得られる。これらの材料は燃焼(熱分解)又は生分解により容易に水とCO2になるが、本来光合成により貯えられたCO2であり、大気中のCO2濃度を増やさない。しかし、高い強度、弾性率を持ついくつかの脂肪族ポリエステルは脆く、十分な耐衝撃性を得ることが困難であった。
このような問題点を改善するために、米国特許第5922832号明細書(特許文献1)には、ポリ乳酸系樹脂とエラストマーとを含有する生分解性樹脂組成物が記載されており、このようなエラストマーとしてエポキシ化天然ゴムの含有量が25重量%以上であるエポキシ化天然ゴムと天然ゴムとの混合物が記載されている。しかしながら、米国特許第5922832号明細書記載の生分解性樹脂組成物であっても、熱処理時における熱劣化(分子量低下)が十分には抑制されず、耐久性並びに耐衝撃性の点で未だ十分なものではなかった。
また、特開2001−288228号公報(特許文献2)には、ポリ乳酸等の生分解性ポリマーに用いられる改質剤が記載されており、このような改質剤としてアクリル等で変性したグラフト効率が30%以上である天然ゴム及び/又はエポキシ化天然ゴムが記載されている。しかしながら、特開2001−288228号公報記載の改質剤を用いたポリ乳酸系樹脂組成物であっても、耐衝撃性が未だ十分なものではなく、また熱処理時における耐久性という点においても十分なものではなかった。
米国特許第5922832号明細書 特開2001−288228号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、耐衝撃性が十分に高く、しかも熱処理時における熱劣化が十分に抑制されて耐久性に優れた脂肪族ポリエステル組成物、並びにそれを溶融成形せしめた成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、脂肪族ポリエステルに未変性天然ゴムと共に所定量のアクリル変性天然ゴムを含有せしめることにより、耐衝撃性が顕著に向上し、しかも熱処理時における熱劣化が十分に抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の脂肪族ポリエステル組成物は、脂肪族ポリエステルと未変性天然ゴムとアクリル変性天然ゴムとを含有する脂肪族ポリエステル組成物であって、該組成物中の前記未変性天然ゴム及び前記アクリル変性天然ゴムの合計含有量が1〜40重量%であり、かつ、前記未変性天然ゴム及び前記アクリル変性天然ゴムの総量中の前記アクリル変性天然ゴムの含有量が0.5〜70重量%であることを特徴とするものである。
また、本発明の成形体は、脂肪族ポリエステルと未変性天然ゴムとアクリル変性天然ゴムとを含有する脂肪族ポリエステル組成物であって、該組成物中の前記未変性天然ゴム及び前記アクリル変性天然ゴムの合計含有量が1〜40重量%であり、かつ、前記未変性天然ゴム及び前記アクリル変性天然ゴムの総量中の前記アクリル変性天然ゴムの含有量が0.5〜70重量%である脂肪族ポリエステル組成物を溶融成形せしめたものであることを特徴とするものである。
上記本発明にかかる脂肪族ポリエステル組成物においては、アミド基を有する低分子化合物、有機オニウム塩で有機化された層状粘土鉱物、及びタルクからなる群から選択される少なくとも一つが更に含有されていることが好ましい。
本発明によれば、耐衝撃性が十分に高く、しかも熱処理時における熱劣化が十分に抑制されて耐久性に優れた脂肪族ポリエステル組成物が提供され、その脂肪族ポリエステル組成物を溶融成形せしめることにより耐衝撃性及び耐久性に優れた成形体を得ることが可能となる。

以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の脂肪族ポリエステル組成物は、脂肪族ポリエステルと未変性天然ゴムとアクリル変性天然ゴムとを含有することを特徴とするものである。
先ず、本発明にかかる脂肪族ポリエステルについて説明する。本発明において用いられる脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4−ヒドロキシ吉草酸)、ポリカプロラクトン等の開環重付加系脂肪族ポリエステル、並びに、ポリエステルカーボネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリヘキサメチレンオキサレート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート等の重縮合反応系脂肪族ポリエステルが挙げられ、中でもポリ乳酸、ポリグリコール酸等のポリ(α−ヒドロキシ酸)が好ましく、ポリ乳酸が特に好ましい。
本発明において用いられる脂肪族ポリエステルの分子量(重量平均分子量)は、10000〜400000程度であることが好ましい。分子量が前記下限未満では得られる成形体の強度が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると得られる成形体の加工性が低下する傾向にある。
本発明において用いられる脂肪族ポリエステルは、前記脂肪族ポリエステルを単独で用いてもよいが、それらの2種以上のブレンド物若しくは共重合物であってもよい。このような脂肪族ポリエステルの共重合物としては、乳酸と乳酸以外のヒドロキシ酸とのコポリマーや、ポリブチレンサクシネートアジペート等が挙げられる。また、共重合体の配列様式は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
また、脂肪族ポリエステルのブレンド物としては、例えばポリ乳酸をベースとするポリ乳酸系樹脂が好ましく、ポリ乳酸にブレンドされる他の樹脂としては、ポリ乳酸以外の前記脂肪族ポリエステル;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド等が挙げられる。
本発明にかかる脂肪族ポリエステルとして特に好ましいポリ乳酸は、一般的に式: -[O-CH(CH3)-C(O)]n- により表わされる。このようなポリ乳酸は本発明により特に耐衝撃性及び耐久性が向上することから本発明において用いる脂肪族ポリエステルとして好適である。
このようなポリ乳酸の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは10,000以上であり、より好ましくは50,000以上であり、さらに好ましくは100,000以上である。ポリ乳酸の数平均分子量が前記下限値未満であると、強度、弾性率等の機械物性が不十分となる傾向にある。また、ポリ乳酸の数平均分子量は、成形時の流動性の点から400,000以下であることが好ましい。
ポリ乳酸の合成方法は特に制限されず、D−乳酸、L−乳酸の直接重合でもよく、乳酸の環状2量体であるD−ラクチド、L−ラクチド、meso−ラクチドの開環重合であってもよい。
このようにして得られるポリ乳酸はL−乳酸由来のモノマー単位と、D−乳酸由来のモノマー単位のいずれか一方のみで構成されていてもよいし、また双方の共重合体であってもよい。また、L−乳酸由来のモノマー単位と、D−乳酸由来のモノマー単位の比率が異なる複数のポリ乳酸が任意の割合でブレンドされたものを用いてもよい。
さらに、本発明にかかるポリ乳酸においては、乳酸又はラクチドに加えて、グリコリド、カプロラクトン等の他の重合性単量体を更に重合させて共重合体としてもよい。また、他の重合性単量体の単独重合により得られるポリマーをポリ乳酸とブレンドしてもよい。なお、他の重合性単量体に由来する重合鎖がポリマー全量に占める割合は、モノマー換算で50mol%以下であることが好ましい。
次に、本発明の脂肪族ポリエステル組成物に配合される未変性天然ゴム及びアクリル変性天然ゴムについて説明する。
先ず、本発明にかかる天然ゴムとは、いわゆるゴム植物から得られる弾性に富んだ物質であり、一般にポリイソプレンを主成分とするものである。そして、本発明にかかる未変性天然ゴムとは、変性、すなわちアクリル変性やエポキシ変性がなされていない天然ゴムをいう。
一方、本発明にかかるアクリル変性天然ゴムとは、天然ゴムにアクリル系ポリマーを結合(共有結合)させたゴムであり、一般的には天然ゴムの二重結合部分にアクリル系モノマー(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のアルキル又はアリールメタクリレート類や、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアルキル又はアリールアクリレート類)をラジカル反応でグラフト重合せしめたものである。このようなアクリル変性天然ゴムの変性度は、アクリル変性天然ゴムにおけるアクリルユニットの重量分率で表され、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%である。変性度が5重量%未満の場合はアクリル変性天然ゴムによる相溶性が十分に達成されない傾向にあり、他方、80重量%を超える変性度は変性ゴム調製上困難な傾向にある。なお、アクリル変性天然ゴムの添加により耐衝撃性及び耐久性が向上する理由は定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず、アクリル変性天然ゴムが相溶化剤の役割を担っており、コア−シェル構造をとる天然ゴム相のシェル部分にアクリル変性天然ゴムが偏在して天然ゴム相と脂肪族ポリエステル相の界面接着性を高めている。更に、エポキシ化天然ゴム等と異なり、アクリル変性天然ゴムは脂肪族ポリエステル相との反応を伴わないため、耐久性にも優れているものと本発明者らは推察する。
本発明の脂肪族ポリエステル組成物においては、その組成物中の前記未変性天然ゴム及び前記アクリル変性天然ゴムの合計含有量が1〜40重量%であることが必要であり、より好ましくは2〜30重量%であり、特に好ましくは5〜20重量%である。かかる合計含有量が1重量%未満では耐衝撃性向上効果が低く、他方、40重量%を超えると得られる成形体の弾性率が低下し、強度、耐熱性等が不十分となる。
更に、本発明の脂肪族ポリエステル組成物においては、前記未変性天然ゴム及び前記アクリル変性天然ゴムの総量中の前記アクリル変性天然ゴムの含有量が0.5〜70重量%であることが必要であり、より好ましくは2〜50重量%であり、特に好ましくは3〜40重量%である。アクリル変性天然ゴムの含有量が0.5重量%未満では相溶化による耐衝撃性及び耐久性の向上効果が低く、他方、70重量%を超えるとアクリル変性天然ゴム由来の硬さが顕著となり却って耐衝撃の向上効果が低下する。
なお、上記の脂肪族ポリエステルと未変性天然ゴムとアクリル変性天然ゴムとを混合して本発明の脂肪族ポリエステル組成物を得る方法は特に制限されず、例えば、ロールや2軸押出機を用いて160〜250℃程度の温度で混練する方法や、クロロホルム等の溶媒を用いて諸成分を混合した後に溶媒を除去する方法であってもよい。
また、本発明の脂肪族ポリエステル組成物においては、前記の諸成分に加えて更に、アミド基を有する低分子化合物、有機オニウム塩で有機化された層状粘土鉱物、タルク及びクレイからなる群から選択される少なくとも一つの結晶核剤が含有されていることが好ましい。このような結晶核剤を添加することにより結晶化速度が向上し、射出成形等の成形方法によって結晶化が可能となり、得られる成形体の耐熱性が向上する(耐衝撃性は向上する場合もある)。なお、このような結晶核剤の添加効果は金型内における結晶化の場合に限ったものではなく、後工程で加熱結晶化させる場合にも有効なものである。
本発明にかかるアミド基を有する低分子化合物としては、脂肪族モノカルボン酸アミド、N−置換脂肪族モノカルボン酸アミド、脂肪族ビスカルボン酸アミド、N−置換脂肪族カルボン酸ビスアミド、N−置換尿素類などの脂肪族カルボン酸アミドや、芳香族カルボン酸アミド、あるいは水酸基をさらに有するヒドロキシアミドなどが挙げられ、これらの化合物が有するアミド基は1個でも2個以上でもよい。
アミド基を有する低分子化合物の具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、リシノール酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、乳酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘニン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、メチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘニン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N'−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N'−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N'−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N'−ジステアリルテレフタル酸アミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド、N−ブチル−N'−ステアリル尿素、N−プロピル−N'−ステアリル尿素、N−ステアリル−N'−ステアリル尿素、N−フェニル−N'−ステアリル尿素、キシレンビスステアリル尿素、トルイレンビスステアリル尿素、ヘキサメチレンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスラウリル尿素などを例示することができる。これらの中でも、乳酸アミド、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド、トリメシン酸トリス(n−ブチルアミド)、トリメシン酸トリス(sec−ブチルアミド)、トリメシン酸トリス(iso−ブチルアミド)、トリメシン酸トリス(tert−ブチルアミド)、トリメシン酸トリス(n−オクチルアミド)、トリメシン酸トリス(tert−オクチルアミド)、トリメシン酸トリス(n−ステアリルアミド)、イソフタル酸ビス(tert−ブチルアミド)、テレフタル酸ビス(tert−ブチルアミド)、トリメシン酸ビス(tert−ブチルアミド)、トリメシン酸ビス(n−ブチルアミド)、トリメシン酸モノ(tert−ブチルアミド)、トリメシン酸モノメチルエステルビス(tert−ブチルアミド)、トリメシン酸ジメチルエステルモノ(tert−ブチルアミド)、トリメシン酸モノエチルエステルビス(tert−ブチルアミド)、トリメシン酸ジエチルエステルモノ(tert−ブチルアミド)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジn−ブチルアミド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジsec−ブチルアミド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジiso−ブチルアミド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジtert−ブチルアミド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジシクロヘキシルアミドが特に好ましい。
また、アミド基を有する低分子化合物の分子量は、好ましくは1,000以下であり、より好ましくは100〜900である。当該低分子化合物の分子量が1,000を超えると、脂肪族ポリエステルとの相溶性が低下して、分散性が低下したり成形体からブリードアウトしやすくなる傾向にある。
さらに、アミド基を有する低分子化合物の含有量は、本発明の脂肪族ポリエステル組成物中において、0.001〜10重量%であることが好ましく、0.01〜8重量%であることがより好ましく、0.1〜8重量%であることがさらに好ましく、0.5〜5重量%であることが最も好ましい。アミド基を有する低分子化合物の含有量が前記下限値未満であると、剛性及び結晶化速度の向上の程度が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超えると、可塑剤的作用が過剰に強く発現するようになるため、剛性が低下する傾向にある。
本発明にかかる有機オニウム塩で有機化された層状粘土鉱物としては、一般的な層状粘土鉱物を有機化して用いることができる。また、このような有機化された層状粘土鉱物は市販されており、このような市販品としては、Nanocor社Southern Clay Products、コープケミカル株式会社等から販売されているものがある。
前記一般的な層状粘土鉱物としては特に制限されないが、具体的には、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト族;カオリナイト、ハロサイト等のカオリナイト族;ジオクタヘドラルバーミキュライト、トリオクタヘドラルバーミキュライト等のバーミキュライト族;テニオライト、テトラシリシックマイカ、マスコバイト、イライト、セリサイト、フロゴバイト、バイオタイト等の雲母等が挙げられる。これらの層状粘土鉱物は、天然鉱物であってもよく、水熱合成、溶融法、固相法等による合成鉱物であってもよい。また、本発明では、上記の層状粘土鉱物のうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、層状粘土鉱物の陽イオン交換容量は30〜300meq/100gであることが好ましい。
このような有機化とは、有機物を層状粘土鉱物の層間及び/又は表面に物理的、化学的方法(好ましくは化学的方法)により吸着及び/又は結合させることを意味する。このような有機化には、有機オニウム塩が用いられる。前記有機オニウム塩は、層状粘土鉱物を有機化してその層間距離を広げるものであり、これにより脂肪族ポリエステルと層状粘土鉱物との分散均一性を高めることができる。
このような有機オニウム塩としては、具体的には、有機アンモニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機ピリジニウム塩、有機スルホニウム塩等が挙げられる。このような有機アンモニウム塩としては、例えば、NR4 +-[4個のRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルキルエーテル基又はアリール基を表し、X-はカウンターイオンを表す]で表されるものである。ここで、有機オニウム塩の炭素数(4個のRの炭素数の総和)は6以上であることが好ましい。当該有機オニウム塩の炭素数が6未満であると、層状粘土鉱物の層間距離が十分に広げられず、層状粘土鉱物をポリ乳酸中に均一に分散することが困難となる傾向にある。また、Rがアルキル基又はアルキルエーテル基の場合、当該アルキル基又はアルキルエーテル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては水酸基が好ましい。さらに、X-で表されるカウンターイオンとしては、例えばCl-、Br-などのハロゲンイオンが挙げられる。
上記NR4 +で表される有機アンモニウムイオンの特に好ましい例として、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表されるものを挙げることができ、これらは1種を単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
Figure 0004241243
[式中、R1、R2及びR3は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、lは6〜22の整数を表す。]
Figure 0004241243
[式中、R4及びR5は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又はアルキル基又はアリール基を表し、R4とR5との合計の炭素数は6以上であり、m及びnは同一でも異なっていてもよく、1〜20の整数を表す。]
Figure 0004241243
[式中、R6、R7、R8及びR9は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R6、R7、R8及びR9の合計の炭素数は6以上である。]
上記一般式(1)中、R1、R2又はR3は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。かかるアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分岐鎖状のペンチル基、直鎖又は分岐鎖状のヘキシル基、直鎖又は分岐鎖状のヘプチル基、直鎖又は分岐鎖状のオクチル基、直鎖又は分岐鎖状のノニル基、直鎖又は分岐鎖状のデシル基、直鎖又は分岐鎖状のウンデシル基、直鎖又は分岐鎖状のドデシル基、直鎖又は分岐鎖状のトリデシル基、直鎖又は分岐鎖状のテトラデシル基、直鎖又は分岐鎖状のペンタデシル基、直鎖又は分岐鎖状のオクタデシル基等が挙げられるが、当該アルキル基の炭素数は1〜4であることが好ましい。アルキル基の炭素数が前記上限値を超えると有機オニウム塩の合成が困難となる傾向にある。またかかるアリール基として具体的には、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
また、上記一般式(1)中、lはメチレン基(−CH2−)の重合度を表し、6〜22、好ましくは8〜18の整数である。lが6未満であると、層状粘土鉱物の層間距離が十分に広がらず、ポリ乳酸中での層状粘土鉱物の分散均一性が低下する傾向にある。他方、lが22を越えると、有機オニウム塩の合成が困難となる傾向にある。
また、上記一般式(2)中、R4及びR5は水素原子又はアルキル基を表す。かかるアルキル基としては、一般式(1)中のR1、R2及びR3の説明において例示されたアルキル基が挙げられる。一般式(2)中のR4及びR5は同一でも異なっていてもよいが、それらの合計の炭素数は、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。R4とR5との合計の炭素数が6未満であると、層状粘土鉱物の層間距離が十分に広がらず、脂肪族ポリエステルと層状粘土鉱物との分散均一性が低下する傾向にある。例えばR4が水素原子でR5がドデシル基である化合物、R4がメチル基でR5がオクタデシル基である化合物、R4及びR5がオクタデシル基である化合物は、上記の条件を満たす化合物として好ましく用いられる。
また、上記一般式(2)中、m及びnはオキシエチレン基(−CH2CH2O−)の重合度を表し、1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の整数であり、特に好ましくは1である。m又はnが20を越えると、層状粘土鉱物の親水性が過剰に高くなり、調整が困難となる傾向にある。なお、m及びnは同一でも異なっていてもよい。更に、式(3)中、R6、R7、R8及びR9は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R6、R7、R8及びR9の合計の炭素数は6以上である。
また、有機オニウム塩の含有量は、層状粘土鉱物100重量部に対して10〜150重量部であることが好ましく、20〜100重量部であることがより好ましい。当該有機オニウム塩の含有量が前記下限値未満であると、層状粘土鉱物の層間距離が十分に広げられず、脂肪族ポリエステルと層状粘土鉱物との分散均一性が低下する傾向にあり、他方、前記上限値を超える場合には物理吸着によって導入される有機オニウム塩の量が増加して脂肪族ポリエステル組成物の物性が損なわれる(例えば脆化)傾向にある。
前記有機化された層状粘土鉱物の含有量は、本発明の脂肪族ポリエステル組成物中において0.01〜10重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%であることがより好ましく、0.1〜5重量%であることがさらに好ましく、0.3〜3重量%であることが最も好ましい。前記層状粘土鉱物の含有量が前記下限値未満であると、剛性及び結晶化速度の向上の程度が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超える場合には、脂肪族ポリエステルが脆化し、衝撃強度が著しく低下する傾向にある。
本発明にかかるタルクは、耐熱性に優れ化学的に安定な鉱物であり、その組成は特に限定されないが、本発明の脂肪族ポリエステル組成物中にできるだけ分散させるために、その平均粒径は小さいほど好ましく具体的には、30μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、7.0μm以下であることが特に好ましい。また、このようなタルクは、樹脂との接着性を向上させるために表面処理を施していてもよい。このようなタルクは市販されており、日本タルク、富士タルク工業から販売されているものがある。
前記タルクの含有量は、本発明の脂肪族ポリエステル組成物中において、0.1〜40重量%であることが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好ましく、0.5〜20重量%であることがさらに好ましく、1〜20重量%であることが最も好ましい。前記タルクの含有量が前記下限値未満であると、結晶化速度の向上の程度が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超える場合には、脂肪族ポリエステルが脆化し、衝撃強度が著しく低下する傾向にある。
さらに、本発明の脂肪族ポリエステル組成物においては、その特性を損なわない限りにおいて、充填剤、可塑剤、顔料、安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、離型剤、滑剤、染料、抗菌剤、末端封止剤等の添加剤を更に添加してもよい。このような添加剤の含有量は、本発明の脂肪族ポリエステル組成物中において、20重量%以下であることが好ましい。
次に、本発明の成形体について説明する。すなわち、本発明の成形体は、前述の本発明の脂肪族ポリエステル組成物を溶融成形せしめたものである。
本発明の成形体を製造するに際し、脂肪族ポリエステル組成物を溶融する際の温度は160〜250℃であることが好ましい。この温度が前記下限未満であると、脂肪族ポリエステル組成物の溶融が不十分となり、諸成分が均一に分散しにくくなる傾向がある。他方、この温度が前記上限を超えると、脂肪族ポリエステルの分子量が低下して得られる成形体の物性が損なわれる傾向がある。
また、本発明の脂肪族ポリエステル組成物は、結晶化させて用いることも、非晶状態で用いることもできるが、結晶化させたい場合、前述の結晶核剤を添加することにより、上記溶融成形の際に結晶化せしめることが可能である。その場合、上記溶融温度における保持時間は0.1〜30分であることが好ましい。この保持時間が上記下限未満であると、諸成分が均一に分散しにくくなる傾向があり、他方、この保持時間が上記上限を超えると、脂肪族ポリエステルの分子量が低下して得られる成形体の物性が損なわれる傾向がある。
さらに、溶融したポリ乳酸樹脂組成物を結晶化せしめる方法としては、溶融状態から30〜160℃の温度まで冷却し、10秒から30分間、その温度で保持する方法が好ましい。保持時間が上記下限未満であると、得られる成形体における結晶化が不十分となる傾向があり、他方、保持時間が上記上限を超えると、成形体を得るのに長時間が必要となる傾向がある。
また、本発明の成形体を製造するに際し、その成形方法は特に制限されず、射出成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、異形押出成形、射出ブロー成形、真空圧空成形、紡糸等のいずれにも好適に使用することができる。
本発明の成形体の形状、厚み等は特に制限されず、射出成形品、押出成形品、圧縮成形品、ブロー成形品、シート、フィルム、糸、ファブリック等のいずれでもよい。より具体的には、バンパー、ラジエーターグリル、サイドモール、ガーニッシュ、ホイールカバー、エアロパーツ、インストルメントパネル、ドアトリム、シートファブリック、ドアハンドル、フロアマット等の自動車部品、家電製品のハウジング、製品包装用フィルム、防水シート、各種容器、ボトル等が挙げられる。また、本発明の成形体をシートとして使用する場合には、紙又は他のポリマーシートと積層し、多層構造の積層体として使用してもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
先ず、関西ロール(株)製のロールを用いて天然ゴム(「天然ゴム各種等級品の国際品質包装標準」の規定にあるリブドスモークドシート3号(RSS3)を加藤産商より入手した)とアクリル変性天然ゴム(ムサシノケミカル(株)製、MG50、アクリル変性度50%)とを75/25(重量比)の割合で充分混合した。続いて、得られたゴム混合物を、2軸押出機(日本製鋼所社製、TEX30)を用いて180℃でポリ乳酸(トヨタ自動車社製、#5000、重量平均分子量20万、光学純度99.2%)と混練し、ポリ乳酸とゴム混合物との重量比が80/20である複合材料(脂肪族ポリエステル組成物)を得た。次に、得られた複合材料を、小型射出成形機(日精樹脂工業社製、PS40E2ASE)を用い、樹脂温度180℃、金型温度30℃の条件下で成形して試験片を得た。
そして、得られた試験片のIzod衝撃値を、Izod衝撃試験機(上島製作所社製)を用いてASTM D256に規定されるIzod衝撃試験方法により測定した。また、得られた試験片の曲げ強さ、曲げ弾性率及び熱変形温度を、インストロン型万能試験機(インストロン社製、4302型)を用いてASTM D790に規定される曲げ試験方法により測定した。得られた物性値を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の天然ゴム(RSS-3)とアクリル変性天然ゴム(MG50)の比を50/50(重量比)に変えた以外は実施例1と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例3]
実施例1のアクリル変性天然ゴム(MG50)をMG30(アクリル変性度30%)に変えた以外は実施例1と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例4]
実施例1における複合材料にエチレンビス(12-ヒドロキシステアリン酸)アミド(川研ファインケミカル社製、WX-1)とタルク(日本タルク社製、MicroAce P6)をそれぞれ1重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例5]
実施例4の総ゴム添加量を20wt%から10wt%に変えた以外は実施例4と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例6]
実施例4のアクリル変性天然ゴム(MG50)をMG30に変えた以外は実施例4と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例7]
実施例6の総ゴム添加量を20wt%から10wt%に変えた以外は実施例6と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例8]
実施例7のタルクをクレイ(Southern Clay社製、Cloisite 30B)に変えた以外は実施例7と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例9]
実施例5の金型温度を30℃から110℃に変えた以外は実施例5と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例10]
実施例9の天然ゴム/変性天然ゴム比を80/20に変えた以外は実施例9と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例11]
実施例9の天然ゴム/変性天然ゴム比を90/10に変えた以外は実施例9と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例12]
実施例9の天然ゴム/変性天然ゴム比を98/2に変えた以外は実施例9と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例13]
実施例9の総ゴム添加量を10wt%から5wt%に変え、天然ゴム/変性天然ゴム比を95/5に変えた以外は実施例9と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例14]
実施例9のアクリル変性天然ゴム(MG50)をMG30に変えた以外は実施例9と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例15]
実施例10のアクリル変性天然ゴム(MG50)をMG30に変えた以外は実施例10と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例16]
実施例11のアクリル変性天然ゴム(MG50)をMG30に変えた以外は実施例11と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例17]
実施例12のアクリル変性天然ゴム(MG50)をMG30に変えた以外は実施例12と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[比較例1]
変性天然ゴムを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[比較例2]
比較例1における複合材料にエチレンビス(12-ヒドロキシステアリン酸)アミド(川研ファインケミカル社製、WX-1)とタルク(日本タルク社製、MicroAce P6)をそれぞれ1重量部添加したこと以外は比較例1と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[比較例3]
比較例2の金型温度を30℃から110℃に変えた以外は比較例2と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[比較例4]
未変性の天然ゴム(RSS-3)を用いず、MG50を20wt%複合化したこと以外は実施例1と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[比較例5]
比較例4における複合材料にエチレンビス(12-ヒドロキシステアリン酸)アミド(川研ファインケミカル社製、WX-1)とタルク(日本タルク社製、MicroAce P6)をそれぞれ1重量部添加したこと以外は比較例4と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[比較例6]
比較例5の金型温度を30℃から110℃に変えた以外は比較例6と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
Figure 0004241243
[実施例18]
実施例1で得られた試験片を110℃にて30分間窒素雰囲気下に維持して熱処理し、その前後のIzod衝撃値を測定した。得られた物性値を表2に示す。
[比較例7]
実施例18のアクリル変性天然ゴム(MG50)を50wt%エポキシ化天然ゴム(ムサシノケミカル(株)製、ENR50)に変えた以外は実施例18と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
[実施例19]
実施例2で得られた試験片を110℃にて30分間窒素雰囲気下に維持して熱処理し、その前後のIzod衝撃値を測定した。得られた物性値を表2に示す。
[比較例8]
実施例19のアクリル変性天然ゴム(MG50)を50wt%エポキシ化天然ゴム(ムサシノケミカル(株)製、ENR50)に変えた以外は実施例19と同様にして試験を行った。得られた物性値を表1に示す。
Figure 0004241243
表1及び表2に示した結果から明らかなように、本発明の脂肪族ポリエステル組成物を用いた場合はいずれも、得られた成形体において耐衝撃性が十分に高く、しかも熱処理時における熱劣化が十分に抑制されて耐久性にも優れたものであった。

Claims (4)

  1. 脂肪族ポリエステルと未変性天然ゴムとアクリル変性天然ゴムとを含有する脂肪族ポリエステル組成物であって、該組成物中の前記未変性天然ゴム及び前記アクリル変性天然ゴムの合計含有量が1〜40重量%であり、かつ、前記未変性天然ゴム及び前記アクリル変性天然ゴムの総量中の前記アクリル変性天然ゴムの含有量が0.5〜70重量%であることを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物。
  2. アミド基を有する低分子化合物、有機オニウム塩で有機化された層状粘土鉱物及びタルクからなる群から選択される少なくとも一つを更に含有することを特徴とする請求項1記載の脂肪族ポリエステル組成物。
  3. 脂肪族ポリエステルと未変性天然ゴムとアクリル変性天然ゴムとを含有する脂肪族ポリエステル組成物であって、該組成物中の前記未変性天然ゴム及び前記アクリル変性天然ゴムの合計含有量が1〜40重量%であり、かつ、前記未変性天然ゴム及び前記アクリル変性天然ゴムの総量中の前記アクリル変性天然ゴムの含有量が0.5〜70重量%である脂肪族ポリエステル組成物を溶融成形せしめたものであることを特徴とする成形体。
  4. アミド基を有する低分子化合物、有機オニウム塩で有機化された層状粘土鉱物及びタルクからなる群から選択される少なくとも一つを更に含有することを特徴とする請求項3記載の成形体。
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