JPWO2006100717A1 - エレベータの出入口装置 - Google Patents

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Abstract

エレベータの出入口装置は、発信装置からの発信情報を読み取る読み取り装置と、読み取り装置による発信情報の読み取りの有無の情報に基づいて、エレベータの運転を制御する制御装置とを有している。読み取り装置は、エレベータ出入口の内側における所定の検出範囲内に発信装置があるときのみに、発信情報を読み取るようになっている。

Description

この発明は、エレベータ出入口における乗客を検出するためのエレベータの出入口装置に関するものである。
従来、エレベータの利用者をより確実に検出するために、乗場に設置されたカメラによって利用者を検出するエレベータの利用客検出装置が提案されている。この従来のエレベータの利用客検出装置は、カメラで撮影された画像を処理して、健常者と身障者とを判別するようになっている。これにより、健常者及び身障者のそれぞれに応じたエレベータの運転を行うことができる(特許文献1参照)。
特開2004−10303号公報
しかし、このような従来のエレベータの利用客検出装置では、カメラや画像処理装置等が高価であるため、設備を導入するための大きなコストがかかってしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、エレベータ出入口において乗客をより確実に検出することができ、かつコストの低減を図ることができるエレベータの出入口装置を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータの出入口装置は、エレベータ出入口の内側における所定の検出範囲内に発信装置があるときのみに、発信装置からの発信情報を読み取る読み取り装置、及び読み取り装置による発信情報の読み取りの有無の情報に基づいて、エレベータの運転を制御する制御装置を備えている。
この発明の実施の形態1によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 図2の給電装置及び受信装置を示す断面図である。 図1のエレベータの出入口装置における戸開状態から戸閉動作完了までの動作を示すフローチャートである。 警告情報の報知を行うか否かの判定を行うときの図1の制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 図1のIDタグが取り付けられた手押し台車を示す側面図である。 図1のIDタグが取り付けられたフォークリフトを示す側面図である。 図1のIDタグが取り付けられたストレッチャーを示す側面図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータの出入口装置の制御装置による通常運転モードと特定運転モードとの切替を行うときの処理動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3によるエレベータの出入口装置のIDタグ読み取り装置を示す平断面図である。 この発明の実施の形態4によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。 図11のXII-XII線に沿った断面図である。 この発明の実施の形態5によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。 図13のXIV-XIV線に沿った断面図である。 この発明の実施の形態6によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。 図15のXVI-XVI線に沿った断面図である。 この発明の実施の形態7によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態8によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。また、図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図において、乗場1には、乗場出入口2が設けられている。乗場出入口2は、一対の乗場の戸3により開閉されるようになっている。また、かご4には、かご出入口5が設けられている(図2)。かご出入口5は、一対のかごの戸6により開閉されるようになっている(図2)。かご4が各階床に着床されているときには、乗場の戸3及びかごの戸6が図示しない係合装置により互いに係合されて一体に移動するようになっている。
なお、かご4が各階床に着床されているときに乗場1とかご4内との間を連通するエレベータ出入口7は、乗場出入口2及びかご出入口5を有している。また、エレベータ出入口7を開閉するエレベータドア8は、乗場の戸3及びかごの戸6を有している。
乗場出入口2の側部及び上部には、金属板を折り曲げて作製された三方枠(出入口枠)9が設けられている。三方枠9は、各乗場の戸3よりも乗場1側に配置されている。また、三方枠9は、乗場出入口2の側部に設けられた一対の縦枠10,11と、各縦枠10,11の上部間に水平に設けられた上枠12とを有している。
一方の縦枠10及び他方の縦枠11には、IDタグ読み取り装置13が設けられている。IDタグ読み取り装置13は、エレベータ出入口7の内側における所定の検出範囲14内にIDタグ15(発信装置)があるときのみに、IDタグ15からの発信情報を読み取るようになっている。この例では、所定の検出範囲14は、エレベータ出入口7の下部に位置し、かつ乗場の戸3よりも乗場1側に位置する範囲に設定されている。また、IDタグ15は、身障者用の車いす16の背もたれに設けられた持ち手部分と、車いす16の前端部に設けられた足置き部分とにそれぞれ取り付けられている。
IDタグ読み取り装置13は、乗場1に存在する車いす16がエレベータ出入口7に差しかかってIDタグ15が所定の検出範囲14内に入ることにより、IDタグ15からの発信情報を読み取るようになっている。また、IDタグ読み取り装置13は、IDタグ15に発信情報を発信させるための電力をIDタグ15へ電波により供給するための無線給電部である給電装置17と、IDタグ15からの発信情報を受信するための受信部である受信装置18とを有している。給電装置17は一方の縦枠10の下部に設けられ、受信装置18は他方の縦枠11の下部に設けられている。
IDタグ15は、給電装置17からの電波を受けて電力を発生し、発生した電力を動力として発信情報を含む電波を発信するようになっている。また、IDタグ15からの発信情報は、IDタグ15が所定の検出範囲14内にあるときのみに、受信装置18に受信されるようになっている。
IDタグ読み取り装置13には、エレベータの運転を制御する制御装置19が電気的に接続されている。制御装置19は、IDタグ読み取り装置13による発信情報の読み取りの有無の情報に基づいて、エレベータの運転を制御するようになっている。また、各乗場1には、報知装置である乗場スピーカ(図示せず)が設けられ、かご4内には、報知装置であるかご内スピーカ(図示せず)が設けられている。さらに、かご4には、かご4内の乗客の存在の有無を検出するための秤装置(図示せず)が設けられている。各乗場スピーカ、かご内スピーカ及び秤装置は、制御装置19に電気的に接続されている。
制御装置19は、エレベータ出入口7が戸開状態とされ、IDタグ15からの発信情報がIDタグ読み取り装置13により読み取られているときには、エレベータ出入口7の戸開状態を維持するようにエレベータの運転を制御するようになっている。また、制御装置19は、IDタグ読み取り装置13による発信情報の読み取りによりエレベータ出入口7の戸開状態が維持されているときには、乗客に注意を喚起させるための警告情報を乗場スピーカ及びかご内スピーカにより報知(アナウンス)させるようになっている。さらに、制御装置19は、エレベータ出入口7の戸閉動作時にIDタグ15からの発信情報がIDタグ読み取り装置13により読み取られたときには、エレベータ出入口7の戸閉動作が戸開動作に反転されるようにエレベータの運転を制御するようになっている。
また、制御装置19は、かご4内及び乗場1に設けられた操作盤の操作によりかご呼び登録の対象とされた行き先階においてIDタグ15からの発信情報がIDタグ読み取り装置13により読み取られ、かつ秤装置からの情報に基づいてかご4内に乗客が存在していることを検出しているときには、乗客に注意を喚起させるための警告情報を行き先階の乗場スピーカ及びかご内スピーカにより報知(アナウンス)させるようになっている。
図3は、図2の給電装置17及び受信装置18を示す断面図である。図において、一方の縦枠10及び他方の縦枠11のそれぞれの下部には、エレベータ出入口7の高さ方向へ延びる切り欠き部(読み取り装置設置部)20が設けられている。
一方の縦枠10に設けられた切り欠き部20には、電波を遮蔽する金属板を折り曲げて作製された給電側筐体21が設けられている。給電側筐体21には、エレベータ出入口7の間口方向内側に開口された開口部22が設けられている。また、給電側筐体21内には、IDタグ15に電力を供給する電波を発信するための給電アンテナ23が収容されている。給電アンテナ23は、制御装置19に電気的に接続されている。開口部22は、例えばプラスチック、ゴムあるいは樹脂等の電波を通す材料により構成された給電側カバー24により塞がれている。
即ち、給電アンテナ23により発信された電波のうち、開口部22を通った電波のみが給電側筐体21の外部へ送信されるようになっている。これにより、給電側筐体21は、給電アンテナ23からの電波をIDタグ15へ送信する範囲を制限するようになっている。なお、給電装置17は、給電側筐体21及び給電アンテナ23を有している。
他方の縦枠11に設けられた切り欠き部20には、電波を遮蔽する金属板を折り曲げて作製された受信側筐体25が設けられている。受信側筐体25には、エレベータ出入口7の間口方向内側に開口された開口部26が設けられている。また、受信側筐体25内には、IDタグ15からの発信情報を含む電波を受ける受信アンテナ27が収容されている。受信アンテナ27は、制御装置19に電気的に接続されている。開口部26は、例えばプラスチック、ゴムあるいは樹脂等の電波を通す材料により構成された受信側カバー28により塞がれている。
即ち、IDタグ15からの電波のうち、開口部26を通った電波のみが受信アンテナ27に受信されるようになっている。これにより、受信側筐体25は、受信アンテナ27がIDタグ15からの電波を受信する範囲を制限するようになっている。なお、受信装置18は、受信側筐体25及び受信アンテナ27を有している。
次に、動作について説明する。図4は、図1のエレベータの出入口装置における戸開状態から戸閉動作完了までの動作を示すフローチャートである。図に示すように、エレベータ出入口7が戸開状態とされているときには、かご4内に設けられた戸閉釦(図示せず)の操作、あるいは戸開状態とされてからの所定の時間の経過によって戸閉指令が制御装置19において発生する。この後、戸閉指令が発生したか否かが制御装置19により判定される(S1)。戸閉指令が発生していない場合には、戸開状態が維持されたまま(S2)、戸閉指令の発生の有無の判定が制御装置19により繰り返し行われる。
戸閉指令が発生した場合には、IDタグ15からの発信情報がIDタグ読み取り装置13により読み取られたか否かが制御装置19により判定される(S3)。発信情報が読み取られた場合には、例えば「エレベータ出入口7に障害物があります」等のアナウンス(乗客に注意を喚起させるための警告情報)が乗場スピーカから乗場1へ制御装置19の制御により報知されるとともに、戸閉指令の発生が制御装置19によりキャンセルされる(S4)。この後、再度の戸閉指令が発生するまで、戸開状態が維持される(S2)。
IDタグ読み取り装置13による発信情報の読み取りが回避されている場合には、戸閉動作が開始される(S5)。この後、戸閉動作中に、再度、IDタグ15からの発信情報がIDタグ読み取り装置13により読み取られたか否かが制御装置19により判定される(S6)。発信情報が読み取られた場合には、制御装置19の制御により戸閉動作から戸開動作へ反転される(S7)。この後、戸開動作が完了すると、再度の戸閉指令が発生するまで、エレベータ出入口7の戸開状態が維持される(S2)。
IDタグ読み取り装置13による発信情報の読み取りが回避されている場合には、エレベータ出入口7の戸閉動作が完了したか否かが制御装置19により判定される(S8)。戸閉動作が完了していない場合には、戸閉動作が継続され、IDタグ読み取り装置13による発信情報の読み取りの有無が制御装置19により繰り返し判定される。戸閉動作が完了している場合には、エレベータ出入口7の開閉動作の処理を終了し、その後の動作に移行する。
次に、エレベータ出入口7が戸閉状態とされているときに、警告情報を報知(アナウンス)するか否かを判定するための処理について説明する。図5は、警告情報の報知を行うか否かの判定を行うときの図1の制御装置19の処理動作を示すフローチャートである。図に示すように、かご4内に設けられたかご操作盤(図示せず)の操作によりかご呼び登録が行われると、かご呼び登録の対象階である行き先階へかご4が移動される。このとき、制御装置19では、行き先階のエレベータ出入口7に設置されたIDタグ読み取り装置13によりIDタグ15からの発信情報が読み取られているか否かが判定される(S11)。IDタグ15からの発信情報の読み取りが回避されている場合には、警告情報の発報が停止されることにより警告情報の報知は行われず(S12)、行き先階での発信情報の読み取りの有無の判定が制御装置19により繰り返し行われる。
IDタグ15からの発信情報が読み取られている場合には、かご4が行き先階に着床したか否かが制御装置19により判定される(S13)。かご4が行き先階に着床していない場合には、警告情報の発報は停止され(S12)、行き先階での発信情報の読み取りの有無が制御装置19により繰り返し判定される。
かご4が行き先階に着床した場合には、秤装置からの情報に基づいて、かご4内に乗客が存在するか否かが制御装置19により判定される(S14)。かご4内に乗客が存在しない場合には、警告情報の発報は停止され(S12)、行き先階での発信情報の読み取りの有無が制御装置19により繰り返し判定される。
かご4内に乗客が存在している場合には、制御装置19の制御により警告情報が乗場スピーカ及びかご内スピーカから報知される(S15)。この例では、かご4内には「お乗りになるお客様がいらっしゃいます。ご注意下さい。」というアナウンスが行われ、乗場1には「他のお客様が乗っています。ご注意下さい。」というアナウンスが行われる。
このようなエレベータの出入口装置では、IDタグ読み取り装置13は、エレベータ出入口7の内側における所定の検出範囲14内にIDタグ15があるときのみに、IDタグ15からの発信情報を読み取り、制御装置19がIDタグ読み取り装置13による発信情報の読み取りの有無の情報に基づいて、エレベータの運転を制御するようになっているので、エレベータ出入口7における乗客をより確実に検出することができ、エレベータ出入口7の開閉動作時における誤動作を防止することができる。例えば、エレベータ出入口7から離れた位置に存在する乗客を誤って検出したり、エレベータ出入口7に乗客が差しかかっているにもかかわらず乗客を検出できなかったりすることを防止することができる。また、カメラや画像処理装置等のような高価な装置を必要とせず、コストの低減も図ることができる。
また、IDタグ読み取り装置13は、IDタグ15に発信情報を発信させるための電力をIDタグ15へ送信する給電装置17と、IDタグ15からの発信情報を受信する受信装置18とを有しているので、IDタグ15からの発信情報を簡単な構成で、かつより確実に読み取ることができる。
また、給電アンテナ23は、IDタグ15への電力を送信する範囲を制限する給電側筐体21内に収容され、受信アンテナ27は、IDタグ15からの発信情報を受信する範囲を制限する受信側筐体25内に収容されているので、ID読み取り装置13による発信情報の読み取り可能な範囲を容易に所定の検出範囲とすることができる。
また、IDタグ読み取り装置13は三方枠9に設けられているので、IDタグ読み取り装置13を設けるためのスペースを小さくすることができるとともに、IDタグ読み取り装置13の設置作業を容易にすることができる。
また、三方枠9には切り欠き部20が設けられており、IDタグ読み取り装置13は切り欠き部20内に設けられているので、IDタグ読み取り装置13が三方枠9の表面から突出することを防止することができる。これにより、車いす16等がIDタグ読み取り装置13に接触することを防止することができ、IDタグ読み取り装置13の損傷の防止を図ることができる。
また、制御装置19は、エレベータ出入口7が戸開状態とされ、IDタグ15からの発信情報がIDタグ読み取り装置13により読み取られているときには、エレベータ出入口7の戸開状態を維持するようにエレベータの運転を制御するようになっているので、エレベータドア8が乗客に接触することを防止することができる。
また、制御装置19は、エレベータ出入口7の戸閉動作時にIDタグ15からの発信情報がIDタグ読み取り装置13により読み取られたときには、エレベータ出入口7の戸閉動作が戸開動作に反転されるようにエレベータの運転を制御するようになっているので、エレベータドア8が乗客に接触することを防止することができる。
また、制御装置19は、かご呼び登録の対象とされた行き先階においてIDタグ15からの発信情報がIDタグ読み取り装置13により読み取られ、かつ秤装置からの情報に基づいてかご4内に乗客が存在していることを検出しているときには、乗客に注意を喚起させるための警告情報を行き先階の乗場スピーカ及びかご内スピーカにより報知させるようになっているので、乗場1及びかご4内の乗客に注意を喚起させることができる。
なお、上記の例では、給電装置17が縦枠10の下部に設けられ、受信装置18が縦枠11の下部に設けられているが、縦枠10の高さ方向の全域に渡って給電装置17を設け、縦枠11の高さ方向の全域に渡って受信装置18を設けてもよい。
また、上記の例では、車いす16にIDタグ15が取り付けられているが、図6に示すように、手押し台車29の荷台30の前端部にIDタグ15を設けてもよい。また、図7に示すように、フォークリフト31のフォーク部(爪部)32に複数のIDタグ15を設けてもよいし、図8に示すように、ストレッチャー33の運搬台34に複数のIDタグ15を設けてもよい。例えばフォーク部32や運搬台34に複数のIDタグ15を設ける場合には、フォークリフト31やストレッチャー33の進行方向へ間隔を置いてIDタグ15が配置される。
実施の形態2.
上記の例では、IDタグ15からの発信情報の読み取りの有無のみを検出するだけでよいので、複数のIDタグ15からは共通の発信情報が発信されるようになっているが、複数のIDタグ15から互いに異なる発信情報が発信されるようにして、各IDタグ15を識別するようにしてもよい。即ち、IDタグ15から発信される発信情報が、IDタグ15を識別するためのID情報(識別情報)であってもよい。
この場合、制御装置19によるエレベータの運転は、ID情報に基づいて設定される特定運転モードと、通常運転を行うようにあらかじめ設定された通常運転モードとの間で切替可能になっている。また、制御装置19によるエレベータの運転は、ID情報が読み取られているときに特定運転モードとされ、ID情報が読み取られていないときに通常運転モードとされるようになっている。特定運転モードにおけるエレベータの運転としては、例えば、戸開状態の継続時間を通常運転モード時よりも長くすること、戸閉速度を通常運転モード時よりも遅くすること、あるいは他の乗場1からのかご呼び登録を無効とすること等が挙げられる。他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、通常運転モードと特定運転モードとの切替を行うときの処理について説明する。図9は、この発明の実施の形態2によるエレベータの出入口装置の制御装置19による通常運転モードと特定運転モードとの切替を行うときの処理動作を示すフローチャートである。図に示すように、エレベータ出入口7の戸開動作が完了すると、エレベータ出入口7が戸開状態とされているときにIDタグ読み取り装置13によってIDタグ15からの発信情報が読み取られたか否かが制御装置19により判定される(S21)。発信情報の読み取りが回避されている場合には、制御装置19によるエレベータの運転が通常運転モードとされる(S22)。この後、発信情報の読み取りの有無の判定が制御装置19により再度行われる。
発信情報が読み取られた場合には、発信情報がID情報であるか否かが制御装置により判定される(S23)。ID情報でない場合には、制御装置19の運転モードが通常運転モードとされる(S22)。この後、発信情報の読み取りの有無の判定が制御装置19により再度行われる。
発信情報がID情報である場合には、制御装置19によるエレベータの運転は、ID情報に基づいて設定された特定運転モードとされる(S24)。
このようなエレベータの出入口装置では、制御装置19によるエレベータの運転が、通常運転モードと、ID情報に基づいて設定される特定運転モードとの間で切替可能で、ID情報の読み取りが回避されているときに通常運転モードとされ、ID情報が読み取られているときに特定運転モードとされるようになっているので、エレベータの運転をID情報に応じて行うことができる。これにより、例えば車いすの使用者やフォークリフトの使用者等のかご4への乗降に時間がかかる乗客を識別することができ、これらの乗客に対して、エレベータ出入口7の戸開状態の継続時間を長くしたり、戸閉速度を遅くしたりすることができる。
実施の形態3.
図10は、この発明の実施の形態3によるエレベータの出入口装置のIDタグ読み取り装置を示す平断面図である。図において、給電装置17は、給電アンテナ23と、給電アンテナ23を収容する給電側筐体35と、給電アンテナ23及び給電側筐体35を覆う保護部材36とを有している。受信装置18は、受信アンテナ27と、受信アンテナ27を収容する受信側筐体37と、受信アンテナ27及び受信側筐体37を覆う保護部材38とを有している。
給電アンテナ23及び給電側筐体35は、保護部材36内に埋められ、保護部材36により固められている。保護部材36は、例えばプラスチック、ゴムあるいは樹脂等の電波を通す材料により構成されている。また、給電側筐体35は、電波を遮蔽する金属板を折り曲げて作製されている。さらに、給電側筐体35には、開口部が設けられている。給電アンテナ23により発信された電波のうち、開口部を通った電波のみが給電側筐体35の外部へ送信されるようになっている。即ち、給電アンテナ23からIDタグ15へ送信される電波の範囲は、給電側筐体35により制限されるようになっている。
受信アンテナ27及び受信側筐体37は、保護部材38内に埋められ、保護部材38により固められている。保護部材38は、例えばプラスチック、ゴムあるいは樹脂等の電波を通す材料により構成されている。また、受信側筐体37には、開口部が設けられている。IDタグ15により発信された電波のうち、開口部を通った電波のみが受信アンテナ27により受信されるようになっている。即ち、IDタグ15からの発信情報を含む電波が受信アンテナ27で受信される範囲は、受信側筐体37により制限されるようになっている。他の構成は実施の形態1と同様である。
このように、給電アンテナ23及び給電側筐体35が保護部材36内に埋められて保護部材36により固められており、受信アンテナ27及び受信側筐体37が保護部材38内に埋められて保護部材38により固められているので、例えば乗客等の接触による給電装置17及び受信装置18の損傷の防止を図ることができる。また、給電アンテナ23の給電側筐体35に対するずれ、及び受信アンテナ27の受信側筐体37に対するずれを防止することができ、IDタグ15を読み取るための所定の検出範囲をより安定して設定することができる。
実施の形態4.
図11は、この発明の実施の形態4によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。また、図12は、図11のXII-XII線に沿った断面図である。図において、一方の縦枠10の下部におけるエレベータ出入口7の側部に沿った表面には、実施の形態3と同様の給電装置17が設けられている。他方の縦枠11の下部におけるエレベータ出入口7の側部に沿った表面には、実施の形態3と同様の受信装置18が設けられている。また、給電装置17及び受信装置18のそれぞれの形状は、縦枠10,11の表面に沿った板状にされている。他の構成は実施の形態1と同様である。
このようなエレベータの出入口装置では、給電装置17及び受信装置18が縦枠10,11におけるエレベータ出入口7の側部に沿った表面に設けられているので、給電装置17及び受信装置18の縦枠10,11に対する取り付けを容易にすることができる。また、保護部材36,38により固められた給電装置17及び受信装置18により縦枠10,11を保護することができ、例えば車いす等が接触することにより縦枠10,11に傷を付けることを防止することができる。
実施の形態5.
図13は、この発明の実施の形態5によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。また、図14は、図13のXIV-XIV線に沿った断面図である。図において、一方の縦枠10の下部は、実施の形態3と同様の給電装置17とされている。また、他方の縦枠11の下部は、実施の形態3と同様の受信装置18とされている。給電装置17の乗場1側の露出面は、縦枠10の乗場1側の露出面と連続するようになっている。また、受信装置18の乗場1側の露出面は、縦枠11の乗場1側の露出面と連続するようになっている。他の構成は実施の形態1と同様である。
このようなエレベータの出入口装置では、縦枠10の下部が給電装置17とされ、縦枠11の下部が受信装置18とされているので、給電装置17と縦枠10との間の段差、及び受信装置18と縦枠11との間の段差をそれぞれ無くすことができ、三方枠9の意匠性の低下を防止することができる。
実施の形態6.
図15は、この発明の実施の形態6によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。また、図16は、図15のXVI-XVI線に沿った断面図である。図において、エレベータの側部には、一対のガード部材41が設けられている。各ガード部材41は、エレベータ出入口7の高さ方向へ延びる棒状部材である。各ガード部材41は、各縦枠10,11よりも乗場1側に配置され、かつ各縦枠10,11間に配置されている。
各ガード部材41には、互いに対抗するように切り欠き部がそれぞれ設けられている。一方のガード部材41の切り欠き部内には、実施の形態1と同様の給電装置17が設けられている。他方のガード部材41の切り欠き部内には、実施の形態1と同様の受信装置18が設けられている。各ガード部材41に設けられた給電装置17及び受信装置18によって所定の検出範囲が設定される。他の構成は実施の形態1と同様である。
このようなエレベータの出入口装置では、エレベータ出入口7の側部に設けられたガード部材41に給電装置17及び受信装置18が設けられているので、ガード部材41により各縦枠10,11を保護することができ、例えば車いす等が接触することにより縦枠10,11に傷を付けることを防止することができる。
実施の形態7.
図17は、この発明の実施の形態7によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。図において、IDタグ読み取り装置45は、IDタグ15に給電するための給電装置と、IDタグ15からの発信情報を受信するための受信装置とが一体とされている。また、IDタグ読み取り装置45は、縦枠10,11ではなく、上枠12のみに設けられている。さらに、IDタグ読み取り装置45は、エレベータ出入口7の間口方向の全域に渡って配置されている。IDタグ読み取り装置45によりIDタグ15の発信情報が読み取られる所定の検出範囲は、エレベータ出入口7の内側における全体の範囲とされている。他の構成は実施の形態1と同様である。
このようなエレベータの出入口装置では、給電装置と受信装置とが一体とされているので、IDタグ読み取り装置45の取り付け位置を少なくすることができ、IDタグ読み取り装置45の三方枠9に対する取り付け作業における手間を少なくすることができる。また、IDタグ読み取り装置45が上枠12のみに設けられているので、例えば車いす等が接触することによりIDタグ読み取り装置45が破損することを防止することができる。
なお、上記の例では、IDタグ読み取り装置45が上枠12に設けられているが、縦枠10,11のいずれか一方にIDタグ読み取り装置45を設けてもよい。このようにしても、IDタグ読み取り装置45の取り付け作業の手間を少なくすることができる。
実施の形態8.
図18は、この発明の実施の形態8によるエレベータの出入口装置を示す構成図である。図において、上枠12には、実施の形態7と同様のIDタグ読み取り装置45が設けられている。また、エレベータ出入口7の側部には、実施の形態6と同様の一対のガード部材41が設けられている。各ガード部材41には、実施の形態6と同様のIDタグ読み取り装置13が設けられている。即ち、この実施の形態8の構成は、実施の形態6及び実施の形態7のそれぞれの構成を組み合わせた構成とされている。
このようなエレベータの出入口装置では、IDタグ読み取り装置45が上枠12に設けられ、エレベータ出入口7の側部に設けられた一対のガード部材41にIDタグ読み取り装置13が設けられているので、エレベータ出入口7が広い場合であっても、IDタグ読み取り装置13,45により、IDタグ15からの発信情報を読み取る範囲を互いに補完することができ、所定の検出範囲を設定することができる。
なお、上記の例では、IDタグ読み取り装置13が各ガード部材41に設けられているが、縦枠10,11に設けてもよい。
また、各上記実施の形態では、IDタグ15への電力供給、及びIDタグからの発信情報の出力の方式を電波により行う電波式とされているが、磁気により行う磁気式、あるいは音響磁気により行う音響磁気式としてもよい。



Claims (10)

  1. エレベータ出入口の内側における所定の検出範囲内に発信装置があるときのみに、上記発信装置からの発信情報を読み取る読み取り装置、及び
    上記読み取り装置による上記発信情報の読み取りの有無の情報に基づいて、エレベータの運転を制御する制御装置
    を備えていることを特徴とするエレベータの出入口装置。
  2. 上記読み取り装置は、上記発信情報を発信させる電力を上記発信装置へ送信するための無線給電部と、上記発信装置からの上記発信情報を受信するための受信部とを有していることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの出入口装置。
  3. 上記無線給電部は、上記発信装置への電力を供給するための電波を発信する給電用アンテナと、上記給電用アンテナを収容し、上記給電用アンテナから発信される電波の範囲を制限する給電側筐体とを有し、
    上記受信部は、上記発信装置からの上記発信情報を受信する受信用アンテナと、上記受信用アンテナを収容し、上記受信用アンテナによって上記発信装置からの上記発信情報が受信される範囲を制限する受信側筐体とを有しており、
    上記発信情報が上記読み取り装置により読み取られる範囲は、上記給電側筐体及び上記受信側筐体により、上記所定の検出範囲に制限されていることを特徴とする請求項2に記載のエレベータの出入口装置。
  4. 上記読み取り装置は、上記エレベータ出入口を囲む出入口枠に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のエレベータの出入口装置。
  5. 上記出入口枠には、切り欠き部が設けられており、
    上記読み取り装置は、上記切り欠き部内に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のエレベータの出入口装置。
  6. 上記エレベータ出入口の側部には、ガード部材が設けられており、
    上記読み取り装置は、上記ガード部材内に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のエレベータの出入口装置。
  7. 上記制御装置は、上記エレベータ出入口が戸開状態とされ、上記発信情報が上記読み取り装置により読み取られているときには、上記エレベータ出入口の戸開状態を維持するようにエレベータの運転を制御するようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のエレベータの出入口装置。
  8. 上記制御装置は、上記エレベータ出入口の戸閉動作時に上記発信情報が上記読み取り装置により読み取られたときには、上記エレベータ出入口の戸閉動作が戸開動作に反転されるようにエレベータの運転を制御するようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のエレベータの出入口装置。
  9. 乗場及びかご内の少なくともいずれか一方には、報知装置が設けられ、
    上記かごには、上記かご内における乗客の存在の有無を検出するための秤装置が設けられており、
    上記制御装置は、かご呼び登録の対象とされた行き先階において上記発信情報が上記読み取り装置により読み取られ、かつ上記秤装置からの情報に基づいて上記かご内に乗客が存在していることを検出しているときには、乗客に注意を喚起させるための警告情報を上記報知装置により報知させるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載のエレベータの出入口装置。
  10. 上記発信情報は、上記発信装置を識別するためのID情報であり、
    上記制御装置による上記エレベータの運転は、上記ID情報に基づいて設定される特定運転モードと、通常運転を行うようにあらかじめ設定された通常運転モードとの間で切替可能になっており、上記ID情報が上記読み取り装置により読み取られているときに上記特定運転モードとされ、上記ID情報の上記読み取り装置による読み取りが回避されているときに上記通常運転モードとされるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載のエレベータの出入口装置。


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