JP5709331B2 - エレベータ用案内システム - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、エレベータ用案内システムに関する。
従来、エレベータは、昇降路内を乗りかご(かご)が移動することにより、乗りかごを任意の階床に移動させる。このようなエレベータでは、例えば、車椅子利用者等の特定の利用者に対して種々の案内を行うエレベータ用案内システムが適用される場合がある。
ところで、従来技術においては、例えば、サービス性向上の点でさらなる改善の余地がある。
実施形態のエレベータ用案内システムは、斜め方向撮像装置と、第1処理装置と、かご内案内装置とを備える。斜め方向撮像装置は、乗りかご内に設けられ、前記乗りかごのかご床面と乗場の乗場床面との隙間を斜め方向から撮像する。第1処理装置は、前記斜め方向撮像装置が撮像した前記隙間の画像に基づいて、前記かご床面と前記乗場床面との段差の寸法を計測する。かご内案内装置は、前記乗りかご内に設けられ、前記斜め方向撮像装置が撮像した画像、及び、前記第1処理装置によって計測された前記段差の寸法を含む案内情報を出力する。かご内案内装置は、前記第1処理装置によって計測された前記段差の寸法が予め設定された所定寸法以上である場合に注意喚起を行う。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るエレベータの概略構成例を示すブロック図である。図2は、実施形態1に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図3は、実施形態1に係るエレベータ用案内システムの斜め方向撮像装置が撮像した画像の一例である。図4は、実施形態1に係るエレベータ用案内システムにおける案内表示の一例である。図5は、実施形態1に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。
図1は、実施形態1に係るエレベータの概略構成例を示すブロック図である。図2は、実施形態1に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図3は、実施形態1に係るエレベータ用案内システムの斜め方向撮像装置が撮像した画像の一例である。図4は、実施形態1に係るエレベータ用案内システムにおける案内表示の一例である。図5は、実施形態1に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。
本実施形態に係るエレベータ用案内システム100は、図1に示すようなエレベータ1に適用される。エレベータ1は、乗りかご2が昇降路7内を昇降することで任意の目的階の乗場6に移動することができるものである。エレベータ1は、乗りかご2、カウンタウェイト3、メインロープ4、巻上機5、制御装置10等を含んで構成される。エレベータ1は、乗りかご2とカウンタウェイト3とをメインロープ4で連結したいわゆるつるべ式のエレベータである。エレベータ1は、乗場6が設けられる。
乗りかご2は、建物に設けられた昇降路7を昇降可能である。乗りかご2は、かご操作盤8、かご内案内装置9等を含んで構成される。かご操作盤8は、乗りかご2の内部に設けられる。かご操作盤8は、利用者による操作入力に応じていわゆるかご呼び登録等を行う。かご操作盤8は、主に一般の標準的な利用者が利用するために設けられた主操作盤8aと、主に車椅子利用者、身障者等の特定の利用者が利用するために設けられた副操作盤8bと含む。主操作盤8aは、主に一般の標準的な利用者等による操作入力に応じて、一般かご呼び登録等を行う。副操作盤8bは、主に車椅子利用者等の特定の利用者による操作入力に応じて、特定かご呼び登録としての車椅子かご呼び登録等を行う。副操作盤8bは、乗りかご2内において鉛直方向に対して車椅子利用者が操作可能な比較的低い位置に設けられており、典型的には、主操作盤8aより低い位置に設けられている。かご内案内装置9は、例えば、報知音を出力可能なブザー、種々の音声情報をアナウンス可能なスピーカ、種々の表示情報を表示可能な表示装置等を含んで構成される。かご内案内装置9は、制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10によって制御される。
メインロープ4は、巻上機5のメインシーブ5aやそらせシーブ5b等に掛けられる。メインロープ4は、一端に乗りかご2が接続され、他端にカウンタウェイト3が接続される。巻上機5は、例えば、動力を発生させる電動機(モータ)5cを有する。巻上機5は、電動機5cが駆動することで、この電動機5cに連結されたメインシーブ5aが回転駆動する。そして、巻上機5は、メインシーブ5aとメインロープ4との間に生じる摩擦力を利用してメインロープ4を電動で巻き上げる。
乗場6は、乗りかご2が着床可能な各エレベータ停止階床に設けられる。各乗場6は、それぞれ乗場操作盤11、乗場案内装置12等が設けられる。乗場操作盤11は、利用者による操作入力に応じていわゆる乗場呼び登録等を行う。乗場案内装置12は、例えば、報知音を出力可能なブザー、種々の音声情報をアナウンス可能なスピーカ、種々の表示情報を表示可能な表示装置等を含んで構成される。乗場案内装置12は、制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10によって制御される。
制御装置10は、通常の形式の双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU(中央演算処理装置)、ROM、RAM、バックアップRAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を備えている。ROM(Read Only Memory)は、所定の制御プログラム等を予め記憶している。RAM(Random Access Memory)は、CPUの演算結果を一時記憶する。バックアップRAMは予め用意されたマップデータ、エレベータ1の仕様等の情報を記憶する。制御装置10は、種々のセンサ、検出器や巻上機5の電動機5c、かご操作盤8(主操作盤8a、副操作盤8b)、かご内案内装置9、乗場操作盤11、乗場案内装置12等のエレベータ1の各部と電気的に接続され、各部の動作を統括的に制御する。制御装置10は、例えば、かご操作盤8、乗場操作盤11への利用者からの操作入力に応じて、巻上機5の駆動を制御し、乗りかご2を呼び登録に応じた指定の目的階に移動させる。
上記のように構成されるエレベータ1は、利用者によりかご操作盤8(主操作盤8a、副操作盤8b)、乗場操作盤11等を介して乗りかご2の呼び操作が行われた場合、下記のように動作する。すなわち、エレベータ1は、かご操作盤8、乗場操作盤11等から制御装置10にこれに応じたかご呼び登録信号、乗場呼び登録信号が入力される。そして、エレベータ1は、制御装置10がこのかご呼び登録信号、乗場呼び登録信号に応じて乗りかご2のかご呼び登録、あるいは、乗場呼び登録を行う。そして、制御装置10は、かご呼び登録、乗場呼び登録、種々のセンサ、検出器からの出力、乗りかご2の現在の移動方向(昇降方向)等に基づいて、乗りかご2が合理的に移動しながらそれぞれの呼びに応答するように乗りかご2の着床順序を定める。そして、制御装置10は、巻上機5を駆動制御し、乗りかご2を目的の階床へと移動させる。これにより、エレベータ1は、乗りかご2が昇降路7内を鉛直方向上下に昇降移動し、任意の目的階の乗場6に移動する。そして、エレベータ1は、乗りかご2が目的階の乗場6に着床し、所定の着床位置に着床したことが検出されると、その後、制御装置10が乗りかご2及び乗場6の扉13を開放する。これにより、乗場6で待機している利用者は、乗りかご2内に乗り込むことが可能となり、また、乗りかご2内の利用者は乗場6に降りることが可能となる。
そして、本実施形態のエレベータ用案内システム100は、図1、図2に示すように、斜め方向撮像装置101と、第1処理装置102と、かご内案内装置9とを備えることで、サービス性の向上を図っている。なお、図2では、乗りかご2内のかご操作盤8や乗場6の乗場操作盤11、乗場案内装置12等の図示を省略している。
斜め方向撮像装置101は、乗りかご2内に設けられ、乗りかご2のかご床面2aと乗場6の乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像するものである。かご床面2aと乗場床面6aとの水平方向に対する隙間14は、いわゆるランニングクリアランスとして形成される。斜め方向撮像装置101は、例えば、乗りかご2において、乗場6への出入口15と対向する面である背面側の側板の天井付近、あるいは、天井の背面側板付近に設けられる。斜め方向撮像装置101は、光軸が隙間14を通る鉛直方向仮想線Lに対して所定の角度αを有するように、斜め方向から隙間14を撮像する。ここで、所定の角度αは、0度より大きく、かつ、乗りかご2内で斜め方向撮像装置101が利用者の邪魔にならない範囲で可能な限り大きな角度とされることが好ましい。斜め方向撮像装置101は、画像として、所定時間ごとの静止画を撮像してもよいし動画を撮像してもよい。斜め方向撮像装置101は、例えば、防犯用に乗りかご2内に設置されているカメラ(防犯カメラ)等によって兼用されてもよい。斜め方向撮像装置101は、制御装置10に電気的に接続されており、撮像した画像を制御装置10に送信する。
第1処理装置102は、斜め方向撮像装置101が撮像した画像を処理する第1画像処理装置である。第1処理装置102は、制御装置10の一部を構成する。ここでは、制御装置10は、機能概念的に、第1処理装置102、運行制御装置103等を含んで構成される。運行制御装置103は、エレベータ1の基本的な運行を行うものである。運行制御装置103は、上述したように、かご操作盤8、乗場操作盤11への利用者からの操作入力に応じて、巻上機5の駆動を制御し、乗りかご2を呼び登録に応じた指定の目的階に移動させる。第1処理装置102と運行制御装置103とは、相互に電気的に接続されており、種々の情報を授受することができる。
第1処理装置102は、斜め方向撮像装置101が撮像した隙間14の画像に基づいて、かご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測する。かご床面2aと乗場床面6aとの段差16は、例えば、メインロープ4の延びや各種シーブとメインロープ4との間に発生するすべり、着床検出器の誤差等に応じて生じる場合がある。
第1処理装置102は、例えば、図3に例示するように、種々の画像処理によって、斜め方向撮像装置101が撮像した画像から、隙間14の画像17を検出する。そして、第1処理装置102は、この画像17上の隙間14の寸法Dに基づいて、実際の段差16の寸法Hを計測する。第1処理装置102は、例えば、画像17上の隙間14の寸法Dと段差16の寸法Hとの対応関係を記述した段差マップを予め記憶しておき、当該段差マップに基づいて、画像17上の隙間14の寸法Dから段差16の寸法Hを算出する。段差マップは、画像17上の隙間14の寸法(隙間距離)D、斜め方向撮像装置101の設置位置及び設置角度(例えば、所定の角度α)、かご床面2aと乗場6の乗場床面6aとの隙間14の実際の寸法等に基づいて、実機評価等により予め作成される。
第1処理装置102は、かご床面2aと乗場床面6aとが同等の高さにあり、段差16の寸法H=0の場合の寸法Dを基準として、計測した寸法Dが相対的に短いほど、かご床面2aが乗場床面6aより高いものとして、寸法Hを算出する。一方、第1処理装置102は、寸法H=0の場合の寸法Dを基準として、計測した寸法Dが相対的に長いほど、乗場床面6aがかご床面2aより高いものとして、寸法Hを算出する。
かご内案内装置9は、上述したように、種々の案内を行うものであり、図2の例では、一例として、背面や側板等に設けられる表示装置91を図示している。かご内案内装置9は、斜め方向撮像装置101が撮像した画像、及び、第1処理装置102によって計測されたかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを含む案内情報を出力する。本実施形態のかご内案内装置9は、表示装置91において、図4で例示するような案内表示を行う。図4の例示では、表示装置91は、案内情報として、斜め方向撮像装置101が撮像した画像を案内表示すると共に、かご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを表示する。このとき、表示装置91は、かご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hとあわせて、かご床面2a、乗場床面6aのうちどちらが高いかを表すダイヤグラム18を表示するようにしてもよい。図4は、かご床面2aが乗場床面6aより5mm高いことを表している。なお、かご内案内装置9は、スピーカによって音声での案内を行うようにしてもよい。この場合、かご内案内装置9は、例えば、案内情報として、かご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法H、及び、かご床面2a、乗場床面6aのうちどちらが高いかを音声で出力するようにしてもよい。
ここで、本実施形態のエレベータ用案内システム100は、図2に示すように、さらにエレベータ1の扉13の開閉を確認する戸開閉確認装置19を含んで構成される。戸開閉確認装置19は、扉13が開き始めたことを確認すると、運行制御装置103に戸開信号を送信する。また、戸開閉確認装置19は、扉13が閉じきったことを確認すると、運行制御装置103に戸閉信号を送信する。かご内案内装置9は、戸開閉確認装置19によって扉13が開き始めたことが確認されたら、運行制御装置103による制御に応じて案内情報の出力を開始する。かご内案内装置9は、戸開閉確認装置19によって扉13が閉じきったことが確認されたら、運行制御装置103による制御に応じて案内情報の出力を終了する。
次に、図5のフローチャートを参照して、エレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明する。以下の説明は、段差計測処理の一例である。図5に示す制御フローは、例えば、所定の間隔で繰り返し実行される(以下、同様。)。
まず、制御装置10の運行制御装置103は、戸開確認を行う(ステップS1)。すなわち、運行制御装置103は、戸開閉確認装置19によって扉13が開き始めたことが確認されたか否かを判定する。運行制御装置103は、扉13が開き始めたことが確認されていないと判定した場合(ステップS1:No)、このステップS1の判定を繰り返し実行する。
制御装置10の第1処理装置102は、運行制御装置103によって扉13が開き始めたことが確認されたと判定された場合(ステップS1:Yes)、すなわち、戸開閉確認装置19の戸開信号を受信した場合、段差演算処理を開始する(ステップS2)。第1処理装置102は、段差演算として、斜め方向撮像装置101が撮像した隙間14の画像に基づいて段差16の寸法Hを計測する(ステップS3)。
次に、運行制御装置103は、かご内案内装置9の表示装置91を制御して、案内情報として、斜め方向撮像装置101が撮像した段差16を含む映像と、ステップS3で計測した段差16の寸法Hを案内表示させる(ステップS4)。
次に、運行制御装置103は、戸閉確認を行う(ステップS5)。すなわち、運行制御装置103は、戸開閉確認装置19によって扉13が閉じきったことが確認されたか否かを判定する。運行制御装置103は、扉13が閉じきったことが確認されていないと判定した場合(ステップS5:No)、ステップS3の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
次に、運行制御装置103は、扉13が閉じきったことが確認されたと判定した場合(ステップS5:Yes)、すなわち、戸開閉確認装置19の戸閉信号を受信した場合、この段差演算処理を終了する。
上記のように構成されるエレベータ用案内システム100は、かご床面2aと乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像する1台の斜め方向撮像装置101によって正確にかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測することができる。そして、エレベータ用案内システム100は、かご内案内装置9によって、斜め方向撮像装置101が撮像した画像、及び、計測した段差16の寸法Hを含む案内情報を出力することで、利用者に対して段差16の大きさを周知することができる。この結果、エレベータ用案内システム100は、利用者が乗りかご2から降車する際の安全性、安心感を向上させることができる。例えば、エレベータ用案内システム100は、車椅子利用者等が後ろ向きで降車するような場合に、上記案内情報を出力することで、段差16の高さや当該段差16までの距離等を視覚情報として提供することができる。これにより、エレベータ用案内システム100は、車椅子利用者等に対して更なる安全性、安心感を提供することができる。したがって、エレベータ用案内システム100は、少ない台数の斜め方向撮像装置101でサービス性を向上することができる。
なお、エレベータ用案内システム100は、斜め方向撮像装置101が撮像した画像上で隙間14を認識できない場合、例えば、乗場床面6aに対してかご床面2aが高すぎる場合、ただちに、扉13を閉鎖し、乗りかご2の着床位置を修正するようにしてもよい。このとき、かご内案内装置9は、乗りかご2内の乗客に対して乗りかご2の着床位置を修正する旨を案内するようにしてもよい。
以上で説明したエレベータ用案内システム100によれば、斜め方向撮像装置101と、第1処理装置102と、かご内案内装置9とを備える。斜め方向撮像装置101は、乗りかご2内に設けられ、乗りかご2のかご床面2aと乗場6の乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像する。第1処理装置102は、斜め方向撮像装置101が撮像した隙間14の画像17に基づいて、かご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測する。かご内案内装置9は、乗りかご2内に設けられ、斜め方向撮像装置101が撮像した画像、及び、第1処理装置102によって計測された段差16の寸法Hを含む案内情報を出力する。したがって、エレベータ用案内システム100は、かご床面2aと乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像する斜め方向撮像装置101によってかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測し、利用者に対して案内することができる。この結果、エレベータ用案内システム100は、サービス性を向上することができる。
[実施形態2]
図6は、実施形態2に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図7は、実施形態2に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態2に係るエレベータ用案内システムは、特定の状況の際に限定して案内情報を出力する点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。また、エレベータの各構成については、適宜上述の図面を参照する場合がある(以下で説明する他の実施形態も同様である。)。
図6は、実施形態2に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図7は、実施形態2に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態2に係るエレベータ用案内システムは、特定の状況の際に限定して案内情報を出力する点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。また、エレベータの各構成については、適宜上述の図面を参照する場合がある(以下で説明する他の実施形態も同様である。)。
図6に示す本実施形態のエレベータ用案内システム200では、かご内案内装置9は、乗りかご2内での特定の利用者による特定かご呼び登録に該当する階床に乗りかご2が着床する際に限定して、段差16に関する案内情報を出力する。なお、図6では、乗りかご2内の主操作盤8aや乗場6の乗場操作盤11、乗場案内装置12等の図示を省略している。
ここで、特定の利用者とは、上述したように、例えば、車椅子利用者、身障者等の利用者である。また、特定かご呼び登録とは、上述したように、例えば、車椅子利用者用の行先階登録ボタンを含む副操作盤8bを介した車椅子かご呼び登録等である。本実施形態の運行制御装置103は、副操作盤8bを介した車椅子かご呼び登録を、主操作盤8aを介した一般かご呼び登録と区別して検出する。これにより、運行制御装置103は、乗りかご2内での車椅子利用者等(特定の利用者)による車椅子かご呼び登録(特定かご呼び登録)を検出する特定呼び登録検出装置として機能する。
ここで、本実施形態のエレベータ用案内システム200は、さらに、エレベータ1の乗りかご2の位置を検出するかご位置検出装置20を含んで構成される。かご位置検出装置20は、乗りかご2に設けられたかご着床検出装置21と、各階床に対応してそれぞれ設けられ乗りかご2が各階床の所定の着床位置に停止した際にかご着床検出装置21によって検出される位置検出板22等を含んで構成される。かご位置検出装置20は、かご着床検出装置21が各階床において位置検出板22を検出することで、乗りかご2が各階床の適正な着床位置に停止したことを検出することができる。
そして、運行制御装置103は、車椅子利用者等による副操作盤8bを介した車椅子かご呼び登録を検出すると、乗りかご2が当該車椅子かご呼び登録に該当する階床の適正な着床位置に着床したか否かを判定する。この場合、運行制御装置103は、巻上機5に設けられたパルス発生器の出力に応じたかご位置情報、かご位置検出装置20による検出結果等に基づいて、当該目的階への乗りかご2の着床判定を行う。
そして、運行制御装置103は、車椅子かご呼び登録に該当する階床の適正な着床位置に乗りかご2が着床したことが検出され、扉13が開き始めたことが確認されると、かご内案内装置9を制御し、段差16に関する案内情報を出力させる。一方、運行制御装置103は、車椅子かご呼び登録以外の一般かご呼び登録に該当する階床に乗りかご2が着床した場合には、かご内案内装置9による段差16に関する案内情報の出力を行わない。この結果、かご内案内装置9は、乗りかご2内での特定の利用者(車椅子利用者等)による特定かご呼び登録(車椅子かご呼び登録)に該当する階床に乗りかご2が着床する際に限定して、段差16に関する案内情報を出力することができる。
なお、かご内案内装置9は、車椅子かご呼び登録以外の一般かご呼び登録に該当する階床に乗りかご2が着床した場合には、表示装置91等に段差16に関する案内情報とは別の情報を表示するようにしてもよい。ここで、段差16に関する案内情報とは別の情報としては、例えば、エレベータ1が設置される建物の館内情報、天気予報、ニュースなどの情報等、種々の情報を用いることができる。
次に、図7のフローチャートを参照して、エレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明する。
運行制御装置103は、副操作盤8bを介した車椅子かご呼びが発生したか否かを判定する(ステップS11)。運行制御装置103は、車椅子かご呼びが発生していないと判定した場合(ステップS11:No)、段差16に関する案内を行わずに本制御フローを終了する。
運行制御装置103は、車椅子かご呼びが発生したと判定した場合(ステップS11:Yes)、当該車椅子かご呼びに応じた車椅子かご呼び登録を実行する(ステップS12)。
そして、運行制御装置103は、乗りかご2が車椅子かご呼び登録階に着床したか否かを判定する(ステップS13)。ここで、車椅子かご呼び登録階とは、車椅子かご呼び登録に該当する階床である。運行制御装置103は、乗りかご2が車椅子かご呼び登録階に着床していないと判定した場合(ステップS13:No)、このステップS13の判定を繰り返し実行する。
第1処理装置102、及び、運行制御装置103は、乗りかご2が車椅子かご呼び登録階に着床したと判定した場合(ステップS13:Yes)、図5で説明したステップS1〜ステップS5の処理を実行する。
上記のように構成されるエレベータ用案内システム200は、かご内案内装置9が、特定かご呼び登録に該当する階床に乗りかご2が着床する際に限定して、段差16に関する案内情報を出力する。この結果、エレベータ用案内システム200は、車椅子利用者等、特定の利用者が乗りかご2から降車する際に段差16に関する案内を行うようにすることができる一方、それ以外のときには通常の案内サービス等を極力阻害しないようにすることができる。したがって、エレベータ用案内システム200は、車椅子利用者等の特定の利用者に対するサービス性を確保した上で、一般利用者の利便性低下を抑制することができる。
以上で説明したエレベータ用案内システム200は、かご床面2aと乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像する斜め方向撮像装置101によってかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測し、利用者に対して案内することができる。この結果、エレベータ用案内システム200は、サービス性を向上することができる。
[実施形態3]
図8は、実施形態3に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図9は、実施形態3に係るエレベータ用案内システムにおける案内表示の一例である。図10は、実施形態3に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態3に係るエレベータ用案内システムは、直上方向撮像装置を備える点で実施形態1、2とは異なる。
図8は、実施形態3に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図9は、実施形態3に係るエレベータ用案内システムにおける案内表示の一例である。図10は、実施形態3に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態3に係るエレベータ用案内システムは、直上方向撮像装置を備える点で実施形態1、2とは異なる。
図8に示す本実施形態のエレベータ用案内システム300は、第1の撮像装置としての斜め方向撮像装置101に加えて、第2の撮像装置としての直上方向撮像装置304を備える。さらに、エレベータ用案内システム300は、第2処理装置305を備える。第2処理装置305は、機能概念的に、第1処理装置102、運行制御装置103と共に制御装置10を構成する。なお、図8では、乗りかご2内の主操作盤8aや乗場6の乗場操作盤11、乗場案内装置12等の図示を省略している。
直上方向撮像装置304は、乗りかご2の出入口15を直上方向から撮像するものである。ここでは、直上方向撮像装置304は、乗りかご2内の出入口15の直上に設けられる。直上方向撮像装置304は、典型的には、乗りかご2のかご床面2aと乗場6の乗場床面6aとの隙間14(図2参照)を直上方向から撮像する。直上方向撮像装置304は、隙間14を通る鉛直方向仮想線L(図2参照)とほぼ平行に直上方向から隙間14を撮像する。言い換えれば、直上方向撮像装置304は、光軸が隙間14を通る鉛直方向仮想線Lに対してなす角度β(不図示)がほぼ0(β≒0)となるように、直上方向から隙間14を撮像する。直上方向撮像装置304は、制御装置10に電気的に接続されており、撮像した画像を制御装置10に送信する。
第2処理装置305は、斜め方向撮像装置101が撮像した画像を処理する第2画像処理装置である。第2処理装置305は、斜め方向撮像装置101が撮像した隙間14の画像に基づいて、段差16に関する案内情報に含まれる画像を切り替える。第2処理装置305は、扉13が開いた状態で斜め方向撮像装置101では隙間14を撮像できない場合に、かご内案内装置9によって出力される案内情報を、斜め方向撮像装置101が撮像した画像から直上方向撮像装置304が撮像した画像に切り替える。
第2処理装置305は、例えば、斜め方向撮像装置101が撮像した画像における隙間14の認識率である隙間認識率に基づいて、斜め方向撮像装置101では隙間14を撮像できないか否かを判定する。第2処理装置305は、扉13が開いた状態で、種々の画像処理によって、斜め方向撮像装置101が撮像した画像から隙間認識率を演算する。第2処理装置305は、斜め方向撮像装置101が撮像した画像において、隙間14に利用者や障害物等が重なっていない状態での当該隙間14の領域の面積を予め計測しておき、これを基準面積として記憶しておく。そして、第2処理装置305は、利用者の乗降等に際し、斜め方向撮像装置101が撮像した画像において、隙間14に利用者等が重なった状態での当該隙間14の領域の面積を実面積としてリアルタイムに計測する。そして、第2処理装置305は、計測した実面積を上記基準面積で除した値に100を掛けた値を演算し、これを隙間認識率とする(隙間認識率=実面積/基準面積 ×100)。第2処理装置305は、上記のようにして算出した隙間認識率が予め設定された閾値未満となった場合に、斜め方向撮像装置101では隙間14を撮像できない状態となったと判定する。
そして、かご内案内装置9は、第2処理装置305によって斜め方向撮像装置101では隙間14を撮像できない状態となったと判定されると、斜め方向撮像装置101が撮像した画像にかえて直上方向撮像装置304が撮像した画像を含む案内情報を出力する。つまり、かご内案内装置9は、斜め方向撮像装置101が撮像した画像上の隙間14の画像17の領域が小さくなった場合に、斜め方向撮像装置101が撮像した画像から直上方向撮像装置304が撮像した画像に切り替えて案内を行う。ここでは、かご内案内装置9は、直上方向撮像装置304が撮像した画像、及び、第1処理装置102によって計測されたかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを含む案内情報を出力する。本実施形態のかご内案内装置9は、図9で例示するように、表示装置91において、ダイヤグラム18等を含む案内表示を行う。
次に、図10のフローチャートを参照して、エレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明する。
まず、第1処理装置102、及び、運行制御装置103は、図7で説明したステップS
11〜ステップS13の処理、図5で説明したステップS1〜ステップS3の処理を実行する。
11〜ステップS13の処理、図5で説明したステップS1〜ステップS3の処理を実行する。
そして、第2処理装置305は、ステップS3の処理の後、斜め方向撮像装置101が撮像した画像から隙間認識率を演算し、当該隙間認識率が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS21)。
運行制御装置103は、第2処理装置305によって演算された隙間認識率が閾値以上であると判定された場合(ステップS21:Yes)、下記の処理を実行する。すなわち、運行制御装置103は、かご内案内装置9の表示装置91を制御して、案内情報として、斜め方向撮像装置101が撮像した段差16を含む画像と、ステップS3で計測した段差16の寸法Hを案内表示(例えば、図4参照)させる(ステップS22)。そして、制御装置10は、ステップS5の処理に移行する。
一方、運行制御装置103は、第2処理装置305によって演算された隙間認識率が閾値未満であると判定された場合(ステップS21:No)、下記の処理を実行する。すなわち、運行制御装置103は、かご内案内装置9の表示装置91を制御して、案内情報として直上方向撮像装置304が撮像した段差16を含む画像と、ステップS3で計測した段差16の寸法Hを案内表示(例えば、図9参照)させる(ステップS23)。そして、制御装置10は、ステップS5の処理に移行する。
上記のように構成されるエレベータ用案内システム300は、斜め方向撮像装置101では隙間14を撮像できない場合に、かご内案内装置9によって出力される案内情報を、直上方向撮像装置304が撮像した画像に切り替える。この結果、エレベータ用案内システム300は、利用者の乗降等に際し、斜め方向撮像装置101が撮像した画像では段差16に利用者等が重なってしまい当該段差16が映りにくい状態となった際に直上方向撮像装置304が撮像した画像に切り替えることができる。これにより、エレベータ用案内システム300は、利用者等に対して更なる安全性、安心感を提供することができる。したがって、エレベータ用案内システム300は、サービス性をさらに向上することができる。
以上で説明したエレベータ用案内システム300は、かご床面2aと乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像する斜め方向撮像装置101によってかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測し、利用者に対して案内することができる。この結果、エレベータ用案内システム300は、サービス性を向上することができる。
[実施形態4]
図11は、実施形態4に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態4に係るエレベータ用案内システムは、所定の条件下で注意喚起を行う点で実施形態1、2、3とは異なる。なお、実施形態4に係るエレベータ用案内システムの構成については、図2を参照する。
図11は、実施形態4に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態4に係るエレベータ用案内システムは、所定の条件下で注意喚起を行う点で実施形態1、2、3とは異なる。なお、実施形態4に係るエレベータ用案内システムの構成については、図2を参照する。
本実施形態のエレベータ用案内システム400(図2参照)は、所定の条件下で利用者に対して注意喚起を行う。本実施形態のかご内案内装置9は、第1処理装置102によって計測された段差16の寸法Hが予め設定された所定寸法以上である場合に注意喚起を行う。ここで、所定寸法は、利用者の安全性等を考慮して予め任意に設定されればよい。ここでは、第1処理装置102は、画像17上の隙間14の寸法Dから段差16の寸法Hを算出した後、当該算出した段差16の寸法Hが所定寸法より小さいか否かを判定する。そして、運行制御装置103は、第1処理装置102によって算出した段差16の寸法Hが所定寸法以上であると判定された場合、かご内案内装置9を制御し、ブザー、音声等により、段差16が大きい旨の注意喚起を行う。なお、かご内案内装置9は、例えば、段差16の寸法Hの表示の色を変えることで注意喚起を行ってもよい。また、かご内案内装置9は、乗りかご2の照明装置の色・照度を変更したり、警告灯を点灯したりすることで注意喚起を行ってもよい。
次に、図11のフローチャートを参照して、エレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明する。
まず、第1処理装置102、及び、運行制御装置103は、図5で説明したステップS1〜ステップS4の処理を実行する。
そして、第1処理装置102は、ステップS4の処理の後、ステップS3で演算した段差16の寸法Hが予め設定された所定寸法より小さいか否かを判定する(ステップS31)。制御装置10は、第1処理装置102によって、段差16の寸法Hが予め設定された所定寸法より小さいと判定された場合(ステップS31:Yes)、ステップS5の処理に移行する。
運行制御装置103は、第1処理装置102によって、段差16の寸法Hが予め設定された所定寸法以上であると判定された場合(ステップS31:No)、下記の処理を実行する。すなわち、運行制御装置103は、かご内案内装置9を制御して、案内情報として、段差16を含む映像、段差16の寸法Hの表示案内に加えて、ブザー、音声等により、段差16が大きい旨の注意喚起を行う(ステップS32)。そして、制御装置10は、ステップS5の処理に移行する。
上記のように構成されるエレベータ用案内システム400は、段差16の寸法Hが予め設定された所定寸法以上である場合に注意喚起を行うことで、利用者に対して段差16が大きいことを予め周知することができる。これにより、エレベータ用案内システム400は、利用者等に対して更なる安全性、安心感を提供することができる。したがって、エレベータ用案内システム400は、サービス性をさらに向上することができる。
以上で説明したエレベータ用案内システム400は、かご床面2aと乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像する斜め方向撮像装置101によってかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測し、利用者に対して案内することができる。この結果、エレベータ用案内システム400は、サービス性を向上することができる。なお、本実施形態のエレベータ用案内システム400は、上述の実施形態1、2、3や後述で説明する実施形態と適宜組み合わせることができる。
[実施形態5]
図12は、実施形態5に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図13は、実施形態5に係るエレベータ用案内システムにおける案内表示の一例である。図14は、実施形態5に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態5に係るエレベータ用案内システムは、第3処理装置、第4処理装置を備える点で実施形態1、2、3、4とは異なる。
図12は、実施形態5に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図13は、実施形態5に係るエレベータ用案内システムにおける案内表示の一例である。図14は、実施形態5に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態5に係るエレベータ用案内システムは、第3処理装置、第4処理装置を備える点で実施形態1、2、3、4とは異なる。
図12に示す本実施形態のエレベータ用案内システム500は、さらに、第3処理装置506と、第4処理装置507とを備える。第3処理装置506、第4処理装置507は、機能概念的に、第1処理装置102、運行制御装置103、第2処理装置305と共に制御装置10を構成する。なお、図12では、乗りかご2内の主操作盤8aや乗場6の乗場操作盤11、乗場案内装置12等の図示を省略している。
第3処理装置506は、斜め方向撮像装置101、又は、直上方向撮像装置304が撮像した画像を処理する第3画像処理装置である。第3処理装置506は、斜め方向撮像装置101が撮像した画像、又は、直上方向撮像装置304が撮像した画像に基づいて、特定の利用者としての車椅子利用者を検出する。第3処理装置506は、種々の画像処理によって、斜め方向撮像装置101が撮像した画像、又は、直上方向撮像装置304が撮像した画像から、乗りかご2内の車椅子利用者を抽出する。
第4処理装置507は、斜め方向撮像装置101、又は、直上方向撮像装置304が撮像した画像を処理する第4画像処理装置である。第4処理装置507は、第3処理装置506によって検出された特定の利用者としての車椅子利用者と、隙間14との距離を測定する。第4処理装置507は、種々の画像処理によって、斜め方向撮像装置101が撮像した画像、又は、直上方向撮像装置304が撮像した画像から、当該画像上の車椅子利用者と隙間14との距離を演算する。第4処理装置507は、例えば、斜め方向撮像装置101が撮像した画像、又は、直上方向撮像装置304が撮像した画像における車椅子利用者の画像座標と隙間14の画像座標とに基づいて車椅子利用者と隙間14との距離を演算することができる。この車椅子利用者と隙間14との距離は、車椅子利用者と段差16との距離に相当する。
そして、本実施形態のかご内案内装置9は、第4処理装置507によって測定された車椅子利用者と隙間14(段差16)との距離を含む案内情報を出力する。本実施形態のかご内案内装置9は、図13で例示するように、表示装置91において、段差16の寸法Hと共に、車椅子利用者と段差16(隙間14)との距離(ここでは段差まで1m)を表示するダイヤグラム518等を含む案内表示を行う。この場合、第4処理装置507は、車椅子利用者と隙間14との距離をリアルタイムに測定し、かご内案内装置9は、車椅子利用者が出入口15に近づくにつれて、当距離をカウントダウンするように案内表示してもよい。図13では、かご内案内装置9は、斜め方向撮像装置101が撮像した画像にダイヤグラム518を付加して案内表示するものとして例示しているが、直上方向撮像装置304が撮像した画像にダイヤグラム518を付加して案内表示するようにしてもよい。
また、本実施形態のかご内案内装置9は、第4処理装置507によって測定された車椅子利用者と隙間14との距離が予め設定された所定距離以下になった場合に注意喚起を行うようにしてもよい。ここで、所定距離は、利用者の安全性等を考慮して予め任意に設定されればよい。ここでは、第4処理装置507は、車椅子利用者と隙間14との距離を算出した後、当該算出した隙間14(段差16)までの距離が所定距離より大きいか否かを判定する。そして、運行制御装置103は、第4処理装置507によって算出した隙間14(段差16)までの距離が所定距離以下であると判定された場合、かご内案内装置9を制御し、ブザー、音声等により、隙間14(段差16)が近づいている旨の注意喚起を行う。なお、かご内案内装置9は、例えば、隙間14(段差16)の距離の表示の色を変えることで注意喚起を行ってもよい。また、かご内案内装置9は、乗りかご2の照明装置の色・照度を変更したり、警告灯を点灯したりすることで注意喚起を行ってもよい。
次に、図14のフローチャートを参照して、エレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明する。
まず、第1処理装置102、及び、運行制御装置103は、図5で説明したステップS1〜ステップS3の処理を実行する。
そして、第3処理装置506は、ステップS3の処理の後、斜め方向撮像装置101が撮像した画像、又は、直上方向撮像装置304が撮像した画像に基づいて、特定の利用者としての車椅子利用者を検出する(ステップS41)。
次に、第4処理装置507は、斜め方向撮像装置101が撮像した画像、又は、直上方向撮像装置304が撮像した画像から、第3処理装置506によって検出された当該画像上の車椅子利用者と隙間14との距離を演算し、これを車椅子利用者と段差16との距離とする。そして、第4処理装置507は、算出した車椅子利用者と段差16との距離が予め設定される所定距離より大きいか否かを判定する(ステップS42)。
運行制御装置103は、第4処理装置507によって、車椅子利用者と段差16との距離が所定距離より大きいと判定された場合(ステップS42:Yes)、下記の処理を実行する。すなわち、運行制御装置103は、かご内案内装置9を制御して、案内情報として、段差16を含む映像、段差16の寸法H、段差16から車椅子利用者までの距離を含む表示案内を行う(ステップS43)。そして、制御装置10は、ステップS5の処理に移行する。
一方、運行制御装置103は、第4処理装置507によって、車椅子利用者と段差16との距離が所定距離以下であると判定された場合(ステップS42:No)、下記の処理を実行する。すなわち、運行制御装置103は、かご内案内装置9を制御して、案内情報として、段差16を含む映像、段差16の寸法H、段差16から車椅子利用者までの距離を含む表示案内に加えてブザー、音声等により、段差16が近づいている旨の注意喚起を行う(ステップS44)。そして、制御装置10は、ステップS5の処理に移行する。
上記のように構成されるエレベータ用案内システム500は、車椅子利用者と隙間14(段差16)との距離を含む案内や段差16が近づいている旨の注意喚起を行うことで、車椅子利用者に対して段差16を通るタイミング等を周知することができる。これにより、エレベータ用案内システム500は、利用者等に対して更なる安全性、安心感を提供することができる。したがって、エレベータ用案内システム500は、サービス性をさらに向上することができる。
以上で説明したエレベータ用案内システム500は、かご床面2aと乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像する斜め方向撮像装置101によってかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測し、利用者に対して案内することができる。この結果、エレベータ用案内システム500は、サービス性を向上することができる。
[実施形態6]
図15は、実施形態6に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図16は、実施形態6に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態6に係るエレベータ用案内システムは、伝送装置を備える点で実施形態1、2、3、4、5とは異なる。
図15は、実施形態6に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図16は、実施形態6に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態6に係るエレベータ用案内システムは、伝送装置を備える点で実施形態1、2、3、4、5とは異なる。
図15に示す本実施形態のエレベータ用案内システム600は、さらに、伝送装置608を備える。伝送装置608は、機能概念的に、第1処理装置102、運行制御装置103等と共に制御装置10を構成する。なお、図15では、乗りかご2内のかご操作盤8や乗場6の乗場操作盤11、乗場案内装置12等の図示を省略している。
伝送装置608は、かご内案内装置9によって案内される段差16に関する案内情報を携帯端末に伝送するものである。伝送装置608は、例えば、予め登録されている特定の携帯端末のアドレスに段差16に関する案内情報をリアルタイムに伝送する。この場合、エレベータ用案内システム600は、例えば、乗りかご2内に、利用者を識別するための識別カード(IDカード等)に記憶されている識別情報を読み取るための読取装置(不図示)を備える。そして、伝送装置608は、この読取装置によって読み取られた識別情報に対応する携帯端末のアドレスを読み出し、当該アドレスに上記段差16に関する案内情報を伝送する。識別カードの識別情報と携帯端末のアドレスとの対応関係は、事前に予め設定され、記憶部に記憶されている。伝送装置608は、例えば、各種無線装置などにより構成され、種々の伝送方式で情報を伝送することができる。
次に、図16のフローチャートを参照して、エレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明する。
まず、第1処理装置102、及び、運行制御装置103は、図5で説明したステップS1〜ステップS4の処理を実行する。
そして、伝送装置608は、かご内案内装置9の表示装置91での表示内容と同様の段差16に関する案内情報を、上記のようにして識別カード等により特定される所定の利用者の携帯端末に伝送する(ステップS51)。そして、制御装置10は、ステップS5の処理に移行する。
上記のように構成されるエレベータ用案内システム600は、所定の携帯端末に段差16に関する案内情報を伝送することで、利用者が携帯端末にて段差16に関する案内情報を確認しながら乗りかご2から降車することができる。これにより、エレベータ用案内システム600は、利用者等に対して更なる安全性、安心感を提供することができる。したがって、エレベータ用案内システム600は、サービス性をさらに向上することができる。
以上で説明したエレベータ用案内システム600は、かご床面2aと乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像する斜め方向撮像装置101によってかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測し、利用者に対して案内することができる。この結果、エレベータ用案内システム600は、サービス性を向上することができる。
[実施形態7]
図17は、実施形態7に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図18は、実施形態7に係るエレベータ用案内システムにおける三方枠カメラの設置例について説明する模式的な断面図である。図19は、実施形態7に係るエレベータ用案内システムにおける三方枠カメラの設置例について説明する模式的な正面図である。図20、図21、図22、図23は、実施形態7に係るエレベータ用案内システムにおける案内表示の一例である。図24は、実施形態7に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態7に係るエレベータ用案内システムは、直上方向撮像装置の設置位置が実施形態3等とは異なる。
図17は、実施形態7に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図18は、実施形態7に係るエレベータ用案内システムにおける三方枠カメラの設置例について説明する模式的な断面図である。図19は、実施形態7に係るエレベータ用案内システムにおける三方枠カメラの設置例について説明する模式的な正面図である。図20、図21、図22、図23は、実施形態7に係るエレベータ用案内システムにおける案内表示の一例である。図24は、実施形態7に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態7に係るエレベータ用案内システムは、直上方向撮像装置の設置位置が実施形態3等とは異なる。
図17に示す本実施形態のエレベータ用案内システム700は、乗りかご2が着床可能な各乗場6にそれぞれ設けられる直上方向撮像装置としての三方枠カメラ704を備える。なお、図17では、乗りかご2内の主操作盤8aや乗場6の乗場操作盤11、乗場案内装置12等の図示を省略している。
三方枠カメラ704は、図18、図19に示すように、各乗りかご2が着床可能な各乗場6に設置される三方枠6bの上部にそれぞれ設けられる。三方枠6bは、乗場6において、扉13が設けられる開口の幅方向両側、及び、鉛直方向上側の三方を囲うようにして設けられる枠状部材である。各三方枠カメラ704は、各三方枠6bの上部に設けられ、撮影範囲704aに示すように、かご床面2aと乗場床面6aとの隙間14を直上方向から真下に向けて撮像する。つまり、各三方枠カメラ704は、各乗場6にて、扉13が開いた状態で、出入口15近傍のかご床面2aと乗場床面6aとを同時に撮像することができる。各三方枠カメラ704は、上述の直上方向撮像装置304と同様に、隙間14を通る鉛直方向仮想線L(図2参照)とほぼ平行に直上方向から隙間14を撮像する。各三方枠カメラ704は、制御装置10に電気的に接続されており、撮像した画像を制御装置10に送信する。
そして、本実施形態のかご内案内装置9は、図18、図19の例では、乗りかご2の内部において当該乗りかご2の出入口15と対向する面である背面に設けられる表示装置91を有する。表示装置91は、三方枠カメラ704が撮像した画像を表示する。なお、図18、図19の例では、かご内案内装置9は、さらに乗りかご2内に設けられるスピーカ92を有し、乗場案内装置12は、乗場6に設けられるスピーカ121を有している。
本実施形態の第2処理装置305は、扉13が開いた状態で斜め方向撮像装置101では隙間14を撮像できない場合に、かご内案内装置9によって出力される案内情報を、斜め方向撮像装置101が撮像した画像から各三方枠カメラ704が撮像した画像に切り替える。この場合、第2処理装置305は、乗りかご2が現在着床している階床の三方枠カメラ704が撮像した画像に切り替える。
図20、図21、図22、図23は、三方枠カメラ704が撮像した画像による案内表示の一例である。ここでは、ダイヤグラム18等の図示を省略している。図20は、扉13が開いた状態で乗りかご2内に車椅子利用者がいることを表しており、かご床面2a、乗場床面6a、扉13を構成するかご扉13a及び乗場扉13bの端面、かご敷居23、乗場敷居24、リターンパネル25等が映りこんでいる。図21は、車椅子利用者が降車するため乗場6側に近づいている状態を表している。図22は、車椅子利用者が乗りかご2内におり、扉13が開いた際に乗場6側に他の利用者が1人いることを表している。図23は、扉13が閉鎖しており、乗場呼びがなされた乗場6で利用者が2人待っていることを表している。
かご内案内装置9は、第2処理装置305によって扉13が開いた状態で斜め方向撮像装置101では隙間14を撮像できない状態となったと判定されると、斜め方向撮像装置101が撮像した画像にかえて当該三方枠カメラ704が撮像した画像を含む案内情報を出力する。ここでは、かご内案内装置9は、図20、図21、図22等で示した三方枠カメラ704が撮像した画像、及び、第1処理装置102によって計測されたかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを含む案内情報を出力する(図9等参照)。
ここではさらに、運行制御装置103は、車椅子利用者等(特定の利用者)により副操作盤8bを介した車椅子かご呼び登録(特定かご呼び登録)がなされた場合には、三方枠カメラ704によって撮像された画像を事前に表示装置91に表示するようにしてもよい。この場合、表示装置91は、乗りかご2内での車椅子利用者等による車椅子かご呼び登録に該当する階床に乗りかご2が着床し戸開する前に、三方枠カメラ704によって撮像された当該車椅子かご呼び登録に該当する階床の乗場6の画像(図23等参照)を表示する。
次に、図24のフローチャートを参照して、エレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明する。
まず、運行制御装置103は、副操作盤8bを介した車椅子かご呼び登録(特定かご呼び登録)があったか否かを判定する(ステップS71)。
運行制御装置103は、車椅子かご呼び登録があったと判定した場合(ステップS71:Yes)、車椅子かご呼び登録に該当する目的階(車椅子かご呼び登録階)の三方枠カメラ704による撮像を開始する(ステップS72)。
そして、運行制御装置103は、かご背面モニタとしての表示装置91を制御し、目的階の三方枠カメラ704によって撮像された当該目的階の乗場6の画像を表示させる(ステップS73)。
そして、運行制御装置103は、乗りかご2が目的階に到着し着床すると(ステップS74)、戸開し(ステップS75)、案内情報を、一旦、三方枠カメラ704の画像から斜め方向撮像装置101の画像に切り替えて、段差16に関する案内を開始する(ステップS76)。ここでは、制御装置10は、図10で説明したステップS2、ステップS3、ステップS21、ステップS22、ステップS23等の処理を実行する。
そして、運行制御装置103は、戸閉確認を行い(ステップS77)、扉13が閉じきったことが確認されていないと判定した場合(ステップS77:No)、このステップS77の判定を繰り返し実行する。
運行制御装置103は、扉13が閉じきったことが確認されたと判定した場合(ステップS77:Yes)、かご背面モニタとしての表示装置91を消灯(または通常の情報を表示)し(ステップS78)、本制御フローを終了する。
運行制御装置103は、ステップS71にて、車椅子かご呼び登録がないと判定した場合(ステップS71:No)、ステップS72、ステップS73の処理を行わず、ステップS74の処理に移行し、以降の処理を実行する。
上記のように構成されるエレベータ用案内システム700では、車椅子利用者は、かご背面モニタとしての表示装置91に映し出される三方枠カメラ704や斜め方向撮像装置101が撮像した画像によって、乗場6の状況を確認しながら、乗りかご2から安全に降車することができる。この場合、表示装置91に映し出される画像には、図20等のように、車椅子利用者自身も映りこんでいることから、車椅子利用者は、自分の位置を容易に把握することができる。そして、乗場6側に他の利用者がいる場合には、車椅子利用者は、図22のように、当該他の利用者の存在を確認することができる。その後、車椅子利用者は、かご背面モニタとしての表示装置91に映し出された自分の姿と、自分の後方側となる乗場6側や段差16の状況とを同時に確認しながら、安全に後退し降車することができる。つまり、車椅子利用者は、例えば、乗りかご2の背面に設けられた鏡等では死角となりやすい三方枠6bの脇の状況等を確認しながら安全に降車することができる。またこの場合、車椅子利用者は、自分の姿と、乗場6側の状況とを1つの表示装置91で確認しながら、少ない情報処理量で容易に降車することができる。これにより、エレベータ用案内システム700は、利用者等に対して更なる安全性、安心感を提供することができる。したがって、エレベータ用案内システム700は、サービス性をさらに向上することができる。
またさらに、エレベータ用案内システム700は、車椅子かご呼び登録がなされた場合には、当該車椅子かご呼び登録に該当する階床の乗場6で乗りかご2が戸開する前に、事前に当該階床の乗場6の画像を表示装置91に表示する。これにより、エレベータ用案内システム700は、車椅子利用者の目的階で乗りかご2が戸開する前に、当該車椅子利用者に降車先の乗場6の状況を把握させることができる。この結果、車椅子利用者は、事前に降車先の乗場6の状況を把握することができるので、例えば、降車する際に乗場6で待っている他の利用者と接触するような事態が生じることを回避することができる。この点でも、エレベータ用案内システム700は、利用者等に対して更なる安全性、安心感を提供することができ、サービス性をさらに向上することができる。
以上で説明したエレベータ用案内システム700は、かご床面2aと乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像する斜め方向撮像装置101によってかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測し、利用者に対して案内することができる。この結果、エレベータ用案内システム700は、サービス性を向上することができる。
[実施形態8]
図25は、実施形態8に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図26は、実施形態8に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態8に係るエレベータ用案内システムは、乗場の状況に応じて案内を行う点で実施形態7等とは異なる。
図25は、実施形態8に係るエレベータ用案内システムの概略構成例を示すブロック図である。図26は、実施形態8に係るエレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態8に係るエレベータ用案内システムは、乗場の状況に応じて案内を行う点で実施形態7等とは異なる。
図25に示す本実施形態のエレベータ用案内システム800は、乗りかご2が着床可能な各乗場6にそれぞれ設けられる直上方向撮像装置としての三方枠カメラ704を備える。エレベータ用案内システム800は、さらに、第5処理装置808を備える。第5処理装置808は、機能概念的に、第1処理装置102、運行制御装置103、第2処理装置305と共に制御装置10を構成する。なお、図25は、乗りかご2内の主操作盤8aや乗場6の乗場操作盤11等の図示を省略している。
第5処理装置808は、三方枠カメラ704が撮像した画像を処理する第5画像処理装置である。第5処理装置808は、三方枠カメラ704によって撮像された画像に基づいて、乗りかご2内での車椅子利用者等による車椅子かご呼び登録に該当する階床の乗場6の障害物及び待機者を抽出する。
そして、本実施形態のかご内案内装置9は、第5処理装置808によって、当該車椅子かご呼び登録に該当する階床の乗場6の障害物又は待機者が検出された場合に、当該障害物又は当該待機者がある旨を含む案内情報を出力する。この場合、かご内案内装置9は、例えば、表示装置91に、目的階の乗場6に障害物又は当該待機者がある旨の案内として、『乗場ドア前に人がいます。ご注意ください。』等の情報を案内表示してもよい。また、かご内案内装置9は、例えば、目的階の乗場6に障害物又は当該待機者がある旨の案内として、スピーカ92(図18参照)によって、『乗場ドア前に人がいます。ご注意ください。』等の音声でアナウンスするようにしてもよい。
また、本実施形態の乗場案内装置12は、乗りかご2内での車椅子利用者等による車椅子かご呼び登録に該当する階床の乗場6において、車椅子利用者等が降車する旨を含む案内情報を出力する。この場合、乗場案内装置12は、例えば、車椅子利用者等が降車する旨の案内として、目的階の乗場6のスピーカ121(図19参照)によって、『車椅子の方が降ります。ドア前をおあけ下さい。』等の音声でアナウンスするようにしてもよい。また、乗場案内装置12は、例えば、目的階の乗場6の表示装置(不図示)に、車椅子利用者等が降車する旨の案内として、『車椅子の方が降ります。ドア前をおあけ下さい。』等の情報を案内表示してもよい。
次に、図26のフローチャートを参照して、エレベータ用案内システムにおける制御の一例を説明する。
まず、運行制御装置103は、副操作盤8bを介した車椅子かご呼び登録(特定かご呼び登録)があったか否かを判定する(ステップS71)。
運行制御装置103は、車椅子かご呼び登録があったと判定した場合(ステップS71:Yes)、当該車椅子かご呼び登録に該当する目的階の乗場呼びがあるか否か、言い換えれば、当該目的階の乗場6の他の利用者の有無を判定する(ステップS81)。
運行制御装置103は、目的階の乗場呼びがあると判定した場合(ステップS81:Yes)、車椅子かご呼び登録に該当する目的階の三方枠カメラ704による撮像を開始する(ステップS82)。
そして、第5処理装置808は、目的階の三方枠カメラ704が撮像した画像に基づいて、当該目的階の乗場6の障害物及び待機者を抽出するための画像処理を開始する(ステップS83)。
次に、運行制御装置103は、第5処理装置808の画像処理によって目的階の乗場6で障害物や待機者(人等)を認識したか否かを判定する(ステップS84)。
運行制御装置103は、目的階の乗場6で人等を認識したと判定した場合(ステップS84:Yes)、かごスピーカとしてのスピーカ92を制御し、目的階の乗場6に障害物又は当該待機者がある旨のアナウンスを行う(ステップS85)。
次に、運行制御装置103は、目的階の乗場スピーカとしてのスピーカ121を制御し、車椅子利用者等が降車する旨のアナウンスを行い(ステップS86)、ステップS73の処理に移行し、以降の処理を実行する。
運行制御装置103は、ステップS71にて、車椅子かご呼び登録がないと判定した場合(ステップS71:No)、ステップS74の処理に移行し、以降の処理を実行する。
運行制御装置103は、ステップS81にて、目的階の乗場呼びがないと判定した場合(ステップS81:No)、車椅子かご呼び登録に該当する目的階の三方枠カメラ704による撮像を開始する(ステップS87)。そして、運行制御装置103は、ステップS83〜ステップS86の処理を行わず、ステップS73の処理に移行し、以降の処理を実行する。
運行制御装置103は、ステップS84にて、目的階の乗場6で人等を認識していないと判定した場合(ステップS84:No)、ステップS85、ステップS86の処理を行わず、ステップS73の処理に移行し、以降の処理を実行する。
上記のように構成されるエレベータ用案内システム800は、車椅子かご呼び登録に該当する目的階の乗場6に障害物や待機者がある場合に、乗りかご2内の利用者に対して目的階の乗場6に障害物又は当該待機者がある旨を案内する。この結果、エレベータ用案内システム800は、乗りかご2内の車椅子利用者等に、目的階の乗場6の障害物、待機者の存在を事前に把握させることができるので、利用者等に対して更なる安全性、安心感を提供することができ、サービス性をさらに向上することができる。
またさらに、エレベータ用案内システム800は、車椅子かご呼び登録に該当する目的階の乗場6で待機する待機者等に対して、車椅子利用者等が降車する旨を案内する。この結果、エレベータ用案内システム800は、目的階の乗場6で待機する待機者等に、乗りかご2内に車椅子利用者等が乗っており、当該車椅子利用者等が降車してくることを事前に知らせることができる。これにより、エレベータ用案内システム800は、車椅子利用者等が降車する予定の階床の乗場6にて、事前に扉13付近のスペースをあけておくように促すことができるので、車椅子利用者等の降車をより円滑に行わせることができる。この点でも、エレベータ用案内システム800は、利用者等に対して更なる安全性、安心感を提供することができ、サービス性をさらに向上することができる。
以上で説明したエレベータ用案内システム800は、かご床面2aと乗場床面6aとの隙間14を斜め方向から撮像する斜め方向撮像装置101によってかご床面2aと乗場床面6aとの段差16の寸法Hを計測し、利用者に対して案内することができる。この結果、エレベータ用案内システム800は、サービス性を向上することができる。
なお、上述した実施形態に係るエレベータ用案内システムは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係るエレベータ用案内システムは、以上で説明した各実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
以上で説明した第1処理装置102、運行制御装置103、第2処理装置305、第3処理装置506、第4処理装置507、伝送装置608、第5処理装置808等は、制御装置10を構成するものとして説明したが、これに限らず、それぞれ別体に構成され、相互に接続される構成であってもよい。
以上で説明したエレベータ用案内システム700、800は、直上方向撮像装置としての三方枠カメラ704と共に、斜め方向撮像装置101、第2処理装置305を備えるものとして説明したが、斜め方向撮像装置101、第2処理装置305を備えない構成としてもよい。つまり、エレベータ用案内システム700、800は、斜め方向撮像装置101を備えずに、単に直上方向撮像装置としての三方枠カメラ704と、表示装置91とを備える構成であってもよい。この場合、三方枠カメラ704は、乗りかご2が着床可能な各乗場6に設置される三方枠6bの上部にそれぞれ設けられ、乗りかご2のかご床面2aと乗場6の乗場床面6aとを直上方向から撮像する。表示装置91は、乗りかご2の内部において当該乗りかご2の出入口15と対向する面である背面に設けられ、三方枠カメラ704が撮像した画像を表示する。この場合であってもエレベータ用案内システム700、800は、例えば、乗りかご2内の車椅子利用者等に対して、降車先の乗場6の状況を事前に把握させ、死角となりやすい三方枠6bの脇の状況等を確認させながら安全に降車させることができる。この結果、エレベータ用案内システム700、800は、利用者等に対して安全性、安心感を提供することができ、サービス性をさらに向上することができる。
以上で説明した実施形態、変形例に係るエレベータ用案内システムによれば、サービス性を向上することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
2 乗りかご
2a かご床面
6 乗場
6a 乗場床面
9 かご内案内装置
14 隙間
16 段差
100、200、300、400、500、600、700、800 エレベータ用案内システム
101 斜め方向撮像装置
102 第1処理装置
2a かご床面
6 乗場
6a 乗場床面
9 かご内案内装置
14 隙間
16 段差
100、200、300、400、500、600、700、800 エレベータ用案内システム
101 斜め方向撮像装置
102 第1処理装置
Claims (8)
- 乗りかご内に設けられ、前記乗りかごのかご床面と乗場の乗場床面との隙間を斜め方向から撮像する斜め方向撮像装置と、前記斜め方向撮像装置が撮像した前記隙間の画像に基づいて、前記かご床面と前記乗場床面との段差の寸法を計測する第1処理装置と、前記乗りかご内に設けられ、前記斜め方向撮像装置が撮像した画像、及び、前記第1処理装置によって計測された前記段差の寸法を含む案内情報を出力するかご内案内装置とを備え、前記かご内案内装置は、前記第1処理装置によって計測された前記段差の寸法が予め設定された所定寸法以上である場合に注意喚起を行うことを特徴とする、エレベータ用案内システム。
- 前記かご床面と前記乗場床面との前記隙間を直上方向から撮像する直上方向撮像装置を備え、前記斜め方向撮像装置では前記隙間を撮像できない場合に、前記かご内案内装置によって出力される前記案内情報を、前記斜め方向撮像装置が撮像した画像から前記直上方向撮像装置が撮像した画像に切り替える第2処理装置を備える、請求項1に記載のエレベータ用案内システム。
- 前記斜め方向撮像装置が撮像した画像、又は、前記直上方向撮像装置が撮像した画像に基づいて、特定の利用者を検出する第3処理装置と、前記第3処理装置によって検出された前記特定の利用者と前記隙間との距離を測定する第4処理装置とを備え、前記かご内案内装置は、前記第4処理装置によって測定された前記特定の利用者と前記隙間との前記距離を含む前記案内情報を出力すると共に、当該距離が予め設定された所定距離以下になった場合に注意喚起を行う、請求項2に記載のエレベータ用案内システム。
- 前記直上方向撮像装置は、前記乗りかごが着床可能な各前記乗場に設置される三方枠の上部にそれぞれ設けられ、前記かご内案内装置は、前記乗りかごの内部において当該乗りかごの出入口と対向する面である背面に設けられ、前記直上方向撮像装置が撮像した画像を表示する表示装置を有する、請求項2又は請求項3に記載のエレベータ用案内システム。
- 前記表示装置は、前記乗りかご内での特定の利用者による特定かご呼び登録に該当する階床に前記乗りかごが着床し戸開する前に、前記直上方向撮像装置によって撮像された当該特定かご呼び登録に該当する階床の前記乗場の画像を表示する、請求項4に記載のエレベータ用案内システム。
- 前記直上方向撮像装置によって撮像された画像に基づいて、前記乗りかご内での特定の利用者による特定かご呼び登録に該当する階床の前記乗場の障害物及び待機者を検出する第5処理装置を備え、前記かご内案内装置は、前記第5処理装置によって、当該特定かご呼び登録に該当する階床の前記乗場の前記障害物又は前記待機者が検出された場合に、当該障害物又は当該待機者がある旨を含む前記案内情報を出力する、請求項4又は請求項5に記載のエレベータ用案内システム。
- 前記乗場にそれぞれ設けられる乗場案内装置を備え、前記乗場案内装置は、前記乗りかご内での特定の利用者による特定かご呼び登録に該当する階床の前記乗場において、前記特定の利用者が降車する旨を含む案内情報を出力する、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のエレベータ用案内システム。
- 前記かご内案内装置によって案内される前記段差に関する前記案内情報を携帯端末に伝送する伝送装置を備える、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のエレベータ用案内システム。
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