JPWO2006054461A1 - 活性光線硬化組成物、インク活性光線硬化型インク及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
下記一般式(1−1)または(1−2)で表されるエポキシ化合物、活性光線の照射により酸を発生する化合物および顔料を含有することを特徴とする活性光線硬化型インク。
Description
本発明は、活性光線硬化組成物、活性光線硬化型インク及び画像形成方法に関するものであり、特に、低粘度であり、環境湿度の影響がなく高感度で硬化し、更には硬化皮膜の基材への密着性、皮膜の硬さ、柔軟性及び皮膜の耐光性に優れ、かつ保存安定性に優れる活性光線硬化組成物、活性光線硬化型インク及び該インクを用いる画像形成方法関する。
従来、紫外線や電子線等の活性エネルギー線または熱により硬化する硬化組成物は、プラスチック、紙、木工及び無機質材等の塗料、接着剤、印刷インキ、印刷回路基板及び電気絶縁関係等の種々の用途に実用化されている。近年、その中でも印刷インキ、塗料、及び接着剤用途ではより一層の耐候性と基材への密着性の改善が望まれている。また、これらを含有する活性光線硬化型インクとしては、紫外線で硬化する紫外線硬化型インクがある。該インクを用いたインクジェット方式は、比較的低臭気であり、速乾性があり、かつインク吸収性のない記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつあり、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。この分野においては、低粘度であることに加え、形成される膜がより強固であること及び柔軟であることが求められている。インクジェット用インクに可塑剤を添加することにより可塑性をもたせることができることが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、溶融型インクにおけるものであり、溶剤型のインクを用いた紫外線硬化型インクジェットインクについての記載はない。
また、これらのインクを用いた場合、記録材料の種類や作業環境によって、硬化感度が変動しやすいという問題がある。
ラジカル重合性化合物を用いたインクは、酸素阻害作用を受けるため、インク液滴量が少ない場合には硬化阻害が起こりやすい。また、カチオン重合性化合物を用いたインク(例えば、特許文献4〜7参照。)は、酸素阻害作用を受けることはないが、分子レベルの水分(湿度)の影響を受けやすいといった問題がある。また硬化皮膜の基材への密着性、皮膜の硬さ、柔軟性はいまだ不十分であり。特に皮膜形成後の光に対する堅牢性が低い欠点がある。
特開平6−200204号公報
特表2000−504778号公報
特開平8−3493号公報
特開2001−220526号公報
特開2002−188025号公報
特開2002−317139号公報
特開2003−55449号公報
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、低粘度であり、環境湿度の影響がなく高感度で硬化し、更には硬化皮膜の基材への密着性、皮膜の硬さ、柔軟性及び皮膜の耐光性に優れ、かつ保存安定性に優れる活性光線硬化型インクを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
[項1]
下記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物、活性光線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)および顔料を含有することを特徴とする活性光線硬化型インク。
[項1]
下記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物、活性光線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)および顔料を含有することを特徴とする活性光線硬化型インク。
(式中、R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含む炭化水素基、又は置換または未置換のアルコキシ基を表す。)
[項2]
更に、下記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする項1記載の活性光線硬化型インク。
[項2]
更に、下記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする項1記載の活性光線硬化型インク。
(式中でR21〜R30は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含む炭化水素基、又は置換または未置換のアルコキシ基を表す。)
[項3]
前記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物がビシクロヘキシル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−3,3′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−4,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、またはビシクロヘキシル−3,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシドであることを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項4]
前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項5]
前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする項4に記載の活性光線硬化型インク。
[項6]
前記スルホニウム塩化合物が、下記一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする項5に記載の活性光線硬化型インク。
[項3]
前記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物がビシクロヘキシル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−3,3′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−4,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、またはビシクロヘキシル−3,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシドであることを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項4]
前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項5]
前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする項4に記載の活性光線硬化型インク。
[項6]
前記スルホニウム塩化合物が、下記一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする項5に記載の活性光線硬化型インク。
(式中、R11、R12、R13は置換基を表し、m、n、pは0〜2の整数を表す。X11 -は対イオンを表す。)
[項7]
更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項8]
更に、塩基性化合物を含有することを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項9]
25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項10]
カールフィッシャー法による測定含水率が1.50〜5.00質量%であることを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項11]
下記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物、光酸発生剤および顔料を含有することを特徴とする活性光線硬化型インク。
[項7]
更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項8]
更に、塩基性化合物を含有することを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項9]
25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項10]
カールフィッシャー法による測定含水率が1.50〜5.00質量%であることを特徴とする項1に記載の活性光線硬化型インク。
[項11]
下記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物、光酸発生剤および顔料を含有することを特徴とする活性光線硬化型インク。
(式中、R1〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含む炭化水素基、又は置換または未置換のアルコキシ基を表す。)
[項12]
更に、前記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする項11記載の活性光線硬化型インク。
[項13]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1〜R12が全て水素原子であることを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項14]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12のどちらか、及びR5かR6のどちらかがメチル基であることを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項15]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12の一方がメチル基であり、他方が水素原子であり、且つ、R5かR6の一方がメチル基であり、他方が水素原子であることを特徴とする項14に記載の活性光線硬化型インク。
[項16]
前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項17]
前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする項14に記載の活性光線硬化型インク。
[項18]
前記スルホニウム塩化合物が、上記一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする項17に記載の活性光線硬化型インク。
[項19]
更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項20]
更に、塩基性化合物を含有することを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項21]
25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項22]
カールフィッシャー法による測定含水率が1.50〜5.00質量%であることを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項23]
前記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物及び前記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化組成物。
[項24]
前記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物がビシクロヘキシル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−3,3′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−4,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、またはビシクロヘキシル−3,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシドであることを特徴とする項23に記載の活性光線硬化組成物。
[項25]
更に、光酸発生剤を含有することを特徴とする項23に記載の活性光線硬化組成物。
[項26]
前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする項25に記載の活性光線硬化組成物。
[項27]
前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする項26に記載の活性光線硬化組成物。
[項28]
前記スルホニウム塩化合物が、一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする項27に記載の活性光線硬化組成物。
[項29]
更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする項23に記載の活性光線硬化型インク。
[項30]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物及び前記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化組成物。
[項31]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1〜R12が全て水素原子であることを特徴とする項30に記載の活性光線硬化型インク。
[項32]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12のどちらか、及びR5かR6のどちらかがメチル基であることを特徴とする項30に記載の活性光線硬化型インク。
[項33]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12の一方がメチル基であり、他方が水素原子であり、且つ、R5かR6の一方がメチル基であり、他方が水素原子であることを特徴とする項32に記載の活性光線硬化型インク。
[項34]
更に、光酸発生剤を含有することを特徴とする項30に記載の活性光線硬化組成物。
[項35]
前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする項34に記載の活性光線硬化組成物。
[項36]
前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする項35に記載の活性光線硬化組成物。
[項37]
前記スルホニウム塩化合物が、一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする項36に記載の活性光線硬化組成物。
[項38]
更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする項30に記載の活性光線硬化型インク。
[項39]
項1に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して、記録材料上にインク画像を形成し、該インク画像に活性光線を照射して、該インク画像を硬化させることを特徴とする画像形成方法。
[項40]
項11に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して、記録材料上にインク画像を形成し、該インク画像に活性光線を照射して、該インク画像を硬化させることを特徴とする画像形成方法。
[項12]
更に、前記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする項11記載の活性光線硬化型インク。
[項13]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1〜R12が全て水素原子であることを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項14]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12のどちらか、及びR5かR6のどちらかがメチル基であることを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項15]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12の一方がメチル基であり、他方が水素原子であり、且つ、R5かR6の一方がメチル基であり、他方が水素原子であることを特徴とする項14に記載の活性光線硬化型インク。
[項16]
前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項17]
前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする項14に記載の活性光線硬化型インク。
[項18]
前記スルホニウム塩化合物が、上記一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする項17に記載の活性光線硬化型インク。
[項19]
更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項20]
更に、塩基性化合物を含有することを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項21]
25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項22]
カールフィッシャー法による測定含水率が1.50〜5.00質量%であることを特徴とする項11に記載の活性光線硬化型インク。
[項23]
前記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物及び前記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化組成物。
[項24]
前記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物がビシクロヘキシル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−3,3′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−4,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、またはビシクロヘキシル−3,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシドであることを特徴とする項23に記載の活性光線硬化組成物。
[項25]
更に、光酸発生剤を含有することを特徴とする項23に記載の活性光線硬化組成物。
[項26]
前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする項25に記載の活性光線硬化組成物。
[項27]
前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする項26に記載の活性光線硬化組成物。
[項28]
前記スルホニウム塩化合物が、一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする項27に記載の活性光線硬化組成物。
[項29]
更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする項23に記載の活性光線硬化型インク。
[項30]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物及び前記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化組成物。
[項31]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1〜R12が全て水素原子であることを特徴とする項30に記載の活性光線硬化型インク。
[項32]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12のどちらか、及びR5かR6のどちらかがメチル基であることを特徴とする項30に記載の活性光線硬化型インク。
[項33]
前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12の一方がメチル基であり、他方が水素原子であり、且つ、R5かR6の一方がメチル基であり、他方が水素原子であることを特徴とする項32に記載の活性光線硬化型インク。
[項34]
更に、光酸発生剤を含有することを特徴とする項30に記載の活性光線硬化組成物。
[項35]
前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする項34に記載の活性光線硬化組成物。
[項36]
前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする項35に記載の活性光線硬化組成物。
[項37]
前記スルホニウム塩化合物が、一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする項36に記載の活性光線硬化組成物。
[項38]
更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする項30に記載の活性光線硬化型インク。
[項39]
項1に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して、記録材料上にインク画像を形成し、該インク画像に活性光線を照射して、該インク画像を硬化させることを特徴とする画像形成方法。
[項40]
項11に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して、記録材料上にインク画像を形成し、該インク画像に活性光線を照射して、該インク画像を硬化させることを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、低粘度であり、環境湿度の影響がなく高感度で硬化し、更には硬化皮膜の基材への密着性、皮膜の硬さ、柔軟性及び皮膜の耐光性に優れ、かつ保存安定性に優れる活性光線硬化型インクを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず初めに、本発明に係る一般式(1−1)、(1−2)及び(2)で表されるエポキシ化合物について述べる。
前記一般式(1−1)において、R1〜R18は、それぞれ独立でありそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでもよい炭化水素基、又は置換基を有してもよいアルコキシ基である。R1とR9は同時に水素原子とはならずに、一方が水素原子で他方がアルキル基(好ましくはメチル基)であることがエポキシ化合物及び活性光線硬化型インクの安全性及び安定性が高くなり好ましい。R10とR18についても同様に、同時に水素原子とはならずに、一方が水素原子で他方がアルキル基(好ましくはメチル基)であることが好ましい。
本発明の一般式(1)で表される化合物の具体例としては、1−1:ビシクロヘキシル−3,3′−ジエポキシド1−2:ビシクロヘキシル−3,3′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド1−3:ビシクロヘキシル−4,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド1−4:ビシクロヘキシル−3,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド等が挙げられる。
前記一般式(1−2)において、R1〜R12は、それぞれ独立でありそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでもよい炭化水素基、又は置換基を有してもよいアルコキシ基である。R1とR12は同時に水素原子とはならずに、一方が水素原子で他方がアルキル基(好ましくはメチル基)であることがエポキシ化合物及び活性光線硬化型インクの安全性及び安定性が高くなり好ましい。R5とR6についても同様に、同時に水素原子とはならずに、一方が水素原子で他方がアルキル基(好ましくはメチル基)であることが好ましい。
これら一般式(1−1)、(1−2)で表されるエポキシ化合物は以下の文献を参照して合成することができる。
特開2004−182648号明細書;丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年;Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds,Small
Ring;Heterocycles part3 Oxiranes,John &
Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985;吉村、接着、29巻12号、32、1985;吉村、接着、30巻5号、42、1986;吉村、接着、30巻7号、42、1986。
Ring;Heterocycles part3 Oxiranes,John &
Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985;吉村、接着、29巻12号、32、1985;吉村、接着、30巻5号、42、1986;吉村、接着、30巻7号、42、1986。
更に、一般式(2)で表される、エポキシ化合物を併用は、更に低粘度になり、かつより柔軟な硬化膜を形成するという点で好ましい。本発明では、また、オキセタン化合物を併用することが環境湿度の影響を更に小さいものとし、高感度で硬化するという点で好ましい。
前記一般式(2)において、R21〜R30は、それぞれ独立でありそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでもよい炭化水素基、又は置換基を有してもよいアルコキシ基である。R21とR30は同時に水素原子とはならずに、一方が水素原子で他方がアルキル基(好ましくはメチル基)であることがエポキシ化合物及び活性光線硬化型インクの安全性及び安定性が高くなり好ましい。
次に、本発明に係るオキセタン化合物(本明細書中においては、オキセタン環含有化合物、オキセタン化合物ともいい、いずれも同義の化合物を表す)について説明する。オキセタン環とは環状4員環エーテル構造を表す。
本発明において、下記一般式(10)で表されるオキセタン化合物はより好ましい。
一般式(10)において、Ra1〜Ra6は、各々水素原子または置換基を表す。ただし、Ra1〜Ra6は全てが同時に水素原子を表すことはない。
一般式(10)において、Ra1〜Ra6で各々表される置換基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、プロパルギル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素芳香族基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基、ピロリル基、2−キノリル基、1−イソキニリル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロチエニル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、が挙げられる。Ra1とRa2、Ra3とRa4、Ra5とRa6が互いに結合して2価の基となり環を形成してもよい。Ra1〜Ra6で各々表される置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基である。
これらのRa1〜Ra6で各々表される基は、更に置換基を有していてもよい。
Ra1〜Ra6で各々表される置換基に置換可能な基の例としてはアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素芳香族基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基、ピロリル基、2−キノリル基、1−イソキニリル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロチエニル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基等が挙げられ、これらの置換基は、上述したRa1〜Ra6で各々表される置換基に置換可能な基の例と同義の基によってさらに置換されていてもよく、また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
Ra1〜Ra6で各々表される置換基に置換可能な基として好ましいのは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、水酸基、フッ化炭化水素基である。Ra1〜Ra6で表される置換基の任意の位置のいずれかが、一般式(10)と同義のオキセタン環を置換基として有し、二官能以上の多官能オキセタン化合物となっても良い。
本発明のオキセタン化合物は、オキセタン環の2位もしくは3位に置換基を有することが好ましい。
オキセタン環の2位に置換可能な置換基としては特に制限は無いが、好ましくは、芳香族基であり、本発明の芳香族基とは、上述した、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素芳香族基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基、ピロリル基、2−キノリル基、1−イソキニリル基等)と同義の基を表す。これらの芳香族基はさらに置換基を有していても良く、置換基の例としては、上述したハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基と同義の基である。2位の置換基が芳香族基の場合、さらに3位に置換基を有していても良く、好ましい置換基の例としては、上述したアルキル基、アルコキシ基と同義の基である。
2位に置換基を有する本発明のオキセタン化合物は下記一般式(a)もしくは下記一般式(b)で表されるオキセタン化合物がより好ましい。
一般式(a)中QAは(mA+nA)価の芳香族基を表し、RA1からRA4は各々水素原子または置換基を表し、RA5は置換基を表し、mAは1から3の正数をあらわし、nAは0から5の整数をあらわす。QAで表される芳香族基は、(mA+nA)価の上述した芳香族基と同義の基を表す。RA1からRA4で表される置換基は上述したR1からR6で表される置換基と同義の基を表し、RA1からRA4は各々好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基である。RA5で表される置換基は上述したR1からR6で表される置換基と同義の基を表し、複数個のRA5は各々同一でも異なっていても良く、互いに結合して2価の基となり環を形成してもよい。RA5は好ましくは、アルキル基、アルコキシ基であり、複数個のRA5のうち少なくとも一つはアルコキシ基であることがより好ましい。mAは好ましくは1から2の整数であり、nAは好ましくは0から3の整数であり、より好ましくは0から2の整数であり、mA+nAは1から6の整数であることが好ましく、より好ましくは1から3の整数である。
一般式(b)中QBは(nB+2)価の芳香族基を表し、RB1からRB4は各々水素原子または置換基を表し、RB5は置換基を表し、LBはmB価の連結基を表し、mBは2から4の整数を表し、nBは0から4の整数をあらわす。QBで表される芳香族基は、(nB+2)価の上述した芳香族基と同義の基を表す。RB1からRB4で表される置換基は上述したR1からR6で表される置換基と同義の基を表し、RB1からRB4は各々好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基である。RB5で表される置換基は上述したR1からR6で表される置換基と同義の基を表し、複数個のRB5は各々同一でも異なっていても良く、互いに結合して2価の基となり環を形成してもよい。RB5はアルキル基、アルコキシ基であることがより好ましい。mBは好ましくは2もしくは3の整数であり、nBは好ましくは0から3の整数であり、より好ましくは0から2の整数である。
LBは、主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数0〜15のmB価の連結基あるいは単結合であることが好ましく、主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い2価の連結基の例としては、以下の列挙する基及びこれらの基と−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。メチレン基[−CH2−]、エチリデン基[>CHCH3]、イソプロピリデン基[>C(CH3)2]、1,2−エチレン基[−CH2CH2−]、1,2−プロピレン基[−CH(CH3)CH2−]、1,3−プロパンジイル基[−CH2CH2CH2−]、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH3)2CH2−]、2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(OCH3)2CH2−]、2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH2OCH3)2CH2−]、1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH3)CH2CH2−]、1,4−ブタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2−]、1,5−ペンタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]、オキシジエチレン基[−CH2CH2OCH2CH2−]、チオジエチレン基[−CH2CH2SCH2CH2−]、3−オキソチオジエチレン基[−CH2CH2SOCH2CH2−]、3,3−ジオキソチオジエチレン基[−CH2CH2SO2CH2CH2−]、1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]、3−オキソペンタンジイル基[−CH2CH2COCH2CH2−]、1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基[−COCH2OCH2CO−]、4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基[−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2−]、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−]、1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]、5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH3)2CH2OCH2CH2−]、5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(OCH3)2CH2OCH2CH2−]、5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH2OCH3)2CH2OCH2CH2−]、4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2O−COCH2CH2CO−OCH2CH2−]、3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2CO−OCH2CH2O−COCH2CH2−]、1,3−シクロペンタンジイル基[−1,3−C5H8−]、1,2−シクロヘキサンジイル基[−1,2−C6H10−]、1,3−シクロヘキサンジイル基[−1,3−C6H10−]、1,4−シクロヘキサンジイル基[−1,4−C6H10−]、2,5−テトラヒドロフランジイル基[2,5−C4H6O−]、p−フェニレン基[−p−C6H4−]、m−フェニレン基[−m−C6H4−]、α,α′−o−キシリレン基[−o−CH2−C6H4−CH2−]、α,α′−m−キシリレン基[−m−CH2−C6H4−CH2−]、α,α′−p−キシリレン基[−p−CH2−C6H4−CH2−]、フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C4H2O−CH2−]、チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C4H2S−CH2−]、イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C6H4−C(CH3)2−p−C6H4−]。
3価以上の連結基としては、上記で列挙した2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基、及びそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
上述したオキセタン化合物の製造方法は特に制限されず、従来知られた方法に従えば良く、以下の文献に記載の方法に準じて合成することができる。
A:Hu Xianming,Richard M.Kellogg,Synthesis,533〜538,May(1995)
B:A.O.Fitton,J.Hill,D.Ejane,R.Miller,Synth.,12,1140(1987)
C:Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can.J.Chem.Vol.59,2503〜2509(1981)
D:Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka and
Yuho Tsuno,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3853〜3854(1983)
E:Walter Fisher and Cyril A.Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2336(1978)
F:Chem.Ber.101,1850(1968)
G:“Heterocyclic Compounds with Three− and Four−membered Rings”,Part Two,Chapter
IX,Interscience Publishers,John Wiley &
Sons,New York(1964)
H:Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1653(1988) I:Pure Appl.Chem.,A29(10),915(1992) J:Pure Appl.Chem.,A30(2&3),189(1993)
K:特開平6−16804号公報
L:ドイツ特許第1,021,858号明細書
以下に一般式(10)、一般式(a)、一般式(b)で表されるオキセタン化合物の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
B:A.O.Fitton,J.Hill,D.Ejane,R.Miller,Synth.,12,1140(1987)
C:Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can.J.Chem.Vol.59,2503〜2509(1981)
D:Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka and
Yuho Tsuno,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3853〜3854(1983)
E:Walter Fisher and Cyril A.Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2336(1978)
F:Chem.Ber.101,1850(1968)
G:“Heterocyclic Compounds with Three− and Four−membered Rings”,Part Two,Chapter
IX,Interscience Publishers,John Wiley &
Sons,New York(1964)
H:Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1653(1988) I:Pure Appl.Chem.,A29(10),915(1992) J:Pure Appl.Chem.,A30(2&3),189(1993)
K:特開平6−16804号公報
L:ドイツ特許第1,021,858号明細書
以下に一般式(10)、一般式(a)、一般式(b)で表されるオキセタン化合物の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
オキセタン環の3位に置換可能な置換基としては特に制限はないが、好ましくは上述したアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基と同義の基を挙げることができる。
3位に置換基を有するオキセタン化合物としては、2位が置換されていないオキセタン化合物がより好ましい。2位が置換されていないオキセタン化合物の1例としては、下記一般式(101)で示される化合物が挙げられる。
一般式(101)において、Ra1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。Ra2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(102)で示される化合物等が挙げられる。
一般式(102)において、Ra1は上記一般式(101)におけるそれと同様の基である。Ra3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
また、Ra3としては、下記一般式(103)、(104)及び(105)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
一般式(103)において、Ra4は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
一般式(104)において、Ra5は酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、またはC(CH3)2を表す。
一般式(105)において、Ra6はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。Ra7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。Ra7としては、さらに下記一般式(106)で示される基から選択される基も挙げることができる。
一般式(106)において、Ra8はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
例示化合物11は、前記一般式(102)において、Ra1がエチル基、Ra3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物12は、前記一般式(102)において、Ra1がエチル基、Ra3が前記一般式(105)でRa6及びRa7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(107)で示される化合物がある。
一般式(107)において、Ra1は前記一般式(101)のRa1と同義である。
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(108)で示される化合物が挙げられる。
一般式(108)において、Ra1は前記一般式(101)におけるRa1と同義である。Ra9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基または下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは3または4である。
上記Aにおいて、Ra10はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物13が挙げられる。
さらに、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(109)で示される化合物が挙げられる。
一般式(109)において、Ra8は前記一般式(106)のRa8と同義である。Ra11はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
次に本発明に係る活性光線の照射により酸を発生する化合物(以下光酸発生剤と称する)について詳述する。
本発明に係る光酸発生剤としては具体的には、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)が用いられる。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、p−CH3C6H4SO3 -塩、CF3SO3 -塩等のスルホン酸塩を挙げることができる。
対アニオンとしてボレート化合物を持つもの及びPF6 -塩が酸発生能力が高く好ましい。オニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に例示する。
第3に、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物も用いることができる。以下に具体的な化合物を例示する。
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
本発明で用いられる光酸発生剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(例えば、ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172)、アリルヨードニウム塩誘導体(例えば、ローディア社製のRP−2074)、アレン−イオン錯体誘導体(例えば、チバガイギー社製のイルガキュア261)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤が挙げられる。光酸発生剤は、カチオン重合性を有する化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
本発明では、活性光線により酸を発生する化合物(酸発生剤)としては、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩化合物がより好ましい。 特に、スルホニウム塩化合物は硬化後の皮膜の光照射による着色を起こしにくいという優れた効果を有する。スルホニウム塩化合物の中で、前記一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物が、更に好ましい。
一般式(I−1)において、R11、R12、R13は置換基を表す。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基等)、炭素数1〜6個のアルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、炭素数1〜6個のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等)、炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基等)、炭素数6〜10のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(例えば、フリル基、チエニル基等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基である。これらの置換基のうち可能なものはさらに置換されていてもよい。m、n、pは0〜2の整数を表し、それぞれが1以上であることが好ましい。X11 -は対アニオンを表す。対アニオンとしては、BF4 -、B(C6F5)4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -等の錯イオン、p−CH3C6H4SO3 -、CF3SO3 -等のスルホネートイオンを挙げることができる。対アニオンとしてはボレートイオン及びPF6 -が酸発生能力が高く好ましい。
以下に、本発明に係るスルホニウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
光重合促進剤としては、アントラセン、アントラセン誘導体(例えば、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−100)、フェノチアジン(10H−フェノチアジン)、フェノチアジン誘導体(例えば、10−メチルフェノチアジン、10−エチルフェノチアジン、10−デシルフェノチアジン、10−アセチルフェノチアジン10−デシルフェノチアジン−5−オキシド、10−デシルフェノチアジン−5,5−ジオキシド、10−アセチルフェノチアジン−5,5−ジオキシド等)が挙げられる。これらの光重合促進剤は1種または複数を組み合わせて使用することができる。
本発明における活性光線としては特に波長領域に制限はないが、好ましくは200〜1500nmに発光スペクトルを有する光源から放射される光が挙げられる。特に好ましくはUV領域に発光スペクトルを有する光源から放射される光であり、光源波長としては感度の点で250〜370nmに発光波長のピークがある光源が好ましい。エネルギー密度は硬化組成物を硬化させるのに十分なものであれば、特に制限はないが、好ましくは1〜30W/cm2の範囲である。また電子線も本発明の活性光線として用いることができるが、この場合、通常は300eV以下のエネルギーを照射することが好ましい。
活性光線を照射する光源の例としては、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、蛍光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプ、低圧水銀ランプ、UVレーザー、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LED等が挙げられる。
本発明の活性光線硬化組成物または活性光線硬化型インクの100質量部に対して、一般式(1−1)、(1−2)または(2)で表されるエポキシ化合物は10〜95質量部であることが好ましい。さらに該エポキシ化合物は分子内にオキシラン環を唯1個有する化合物と複数子有する化合物との混合物であることがより好ましいが、前者と後者の比率は質量比で95:5〜30:70の範囲であることが好ましい。本発明にはオキセタン化合物を含有せしめることがさらに好ましいが、オキセタン化合物の含有量は本発明の活性光線硬化型インクの100質量部に対して10〜90質量部であることが好ましい。さらに好ましくは50〜70質量部である。活性光線の照射により酸を発生させる化合物の好ましい添加量は、本発明の活性光線硬化型インクの100質量部に対して、1〜20質量部の範囲である。
次に本発明の活性光線硬化型インク(以下、本発明のインクまたは単にインクともいう)について詳述する。
本発明の活性光線硬化型インクは着色剤として顔料を含有する。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I.Pigment Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、151、154
C.I.Pigment Orange−16、36、38
C.I.Pigment Red−5、7、12、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202
C.I.Pigment Violet−19、23
C.I.Pigment Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60
C.I.Pigment Green−7、36
C.I.Pigment White−6、18、21
C.I.Pigment Black−7
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のアジスパーシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる活性光線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤ではなく重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
C.I.Pigment Orange−16、36、38
C.I.Pigment Red−5、7、12、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202
C.I.Pigment Violet−19、23
C.I.Pigment Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60
C.I.Pigment Green−7、36
C.I.Pigment White−6、18、21
C.I.Pigment Black−7
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のアジスパーシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる活性光線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤ではなく重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化の感度を維持することができる。
本発明の活性光線硬化型インクにおいては、色材濃度として、インク全体の1〜10質量%であることが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクは、保存安定性を向上させる為に塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、公知のあらゆるものを用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物等が挙げられる。
前記の塩基性アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属のアルコラート(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等)が挙げられる。
前記の塩基性アルカリ土類金属化合物としては、同様に、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(マグネシウムメトキシド等)が挙げられる。
また、塩基性有機化合物としては、アミンならびにキノリンおよびキノリジンなど含窒素複素環化合物などが挙げられるが、これらの中でも、光重合成モノマーとの相溶性の面からアミンが好ましく、例えば、オクチルアミン、ナフチルアミン、キシレンジアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジメチルアニリン、キヌクリジン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノ−2−プロパノール、ジメチルアミノメチルプロパノールおよびトリエタノールアミン等が挙げられる。
アミン化合物はカチオン重合性組成物全体の0.01〜1質量%添加することが好ましく、保存安定性や硬化感度が向上する。
本発明の活性光線硬化型インクは、カールフィッシャー法による測定含水率が1.50〜5.00質量%であることが好ましく、保存安定性や硬化感度が向上する。
本発明においては、吐出安定性、保存性を向上させる目的で、熱塩基発生剤も用いることができる。
熱塩基発生剤としては、例えば、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位、ベックマン転位等の反応により分解してアミン類を放出する化合物や、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが好ましく用いられる。具体的には、英国特許第998,949号記載のトリクロロ酢酸の塩、米国特許第4,060,420号に記載のアルファースルホニル酢酸の塩、特開昭59−157637号に記載のプロピール酸類の塩、2−カルボキシカルボキサミド誘導体、特開昭59−168440号に記載の塩基成分に有機塩基の他にアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いた熱分解性酸との塩、特開昭59−180537号に記載のロッセン転位を利用したヒドロキサムカルバメート類、加熱によりニトリルを生成する特開昭59−195237号に記載のアルドキシムカルバメート類等が挙げられる。その他、英国特許第998,945号、米国特許第3,220,846号、英国特許第279,480号、特開昭50−22625号、同61−32844号、同61−51139号、同61−52638号、同61−51140号、同61−53634号〜同61−53640号、同61−55644号、同61−55645号等に記載の熱塩基発生剤が有用である。さらに具体的に例を挙げると、トリクロロ酢酸グアニジン、トリクロロ酢酸メチルグアニジン、トリクロロ酢酸カリウム、フェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−クロロフェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−メタンスルホニルフェニルスルホニル酢酸グアニジン、フェニルプロピオール酸カリウム、フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルプロピオール酸セシウム、p−クロロフェニルプロピオール酸グアニジン、p−フェニレン−ビス−フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルスルホニル酢酸テトラメチルアンモニウム、フェニルプロピオール酸テトラメチルアンモニウムがある。上記の熱塩基発生剤は広い範囲で用いることができる。
本発明の活性光線硬化型インクは、特開平8−248561号、同9−34106号をはじめとし、既に公知となっている活性光線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を含有することも可能である。
本発明の活性光線硬化型インクは、活性光線硬化組成物、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。予め、顔料高濃度の濃縮液を調製しておき、活性光線硬化組成物で希釈することが好ましい。通常の分散機による分散でも充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としないため、インク成分の分散時の変質を招きにくく、安定性に優れたインクが調製される。インクは、孔径3μm以下、さらには1μm以下のフィルターにて濾過することが好ましい。
(粘度及びその他の物性)
本発明の活性光線硬化型インクは、25℃での粘度が7〜40mPa・sと高めに調整することが好ましい。25℃での粘度が7〜40mPa・sのインクは、特に通常の4〜10kHzの周波数を有するヘッドから、10〜50kHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。
本発明の活性光線硬化型インクは、25℃での粘度が7〜40mPa・sと高めに調整することが好ましい。25℃での粘度が7〜40mPa・sのインクは、特に通常の4〜10kHzの周波数を有するヘッドから、10〜50kHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。
また、本発明の活性光線硬化型インクは、ピエゾヘッドにおいては、10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインクとすることが好ましい。また、コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には、0.5mS/cm以上の電導度に調整することが好ましい。
本発明においては、インクの25℃における表面張力が、25〜40mN/mの範囲にあることが好ましい。25℃におけるインクの表面張力が25mN/m未満では、安定した出射が得られにくく、また40mN/mを越えると所望のドット径を得ることができない。25〜40mN/mの範囲外では、本発明のように、インクの粘度や含水率を制御しながら出射、光照射しても、さまざまな支持体に対して均一なドット径を得ることが困難となる。
表面張力を調整するために、必要に応じて、界面活性剤を含有させてもよい。本発明に係るインクに好ましく使用される界面活性剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤、重合性基を有する界面活性化合物等が挙げられる。これらの中で特に、シリコーン変性アクリレート、フッ素変性アクリレート、シリコーン変性エポキシ、フッ素変性エポキシ、シリコーン変性オキセタン、フッ素変性オキセタン等、不飽和結合やオキシラン、オキセタン環等重合性基を有する界面活性化合物が好ましい。
本発明のインクには、上記説明した以外にさまざまな添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。記録媒体との密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その使用量は0.1〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜3質量%である。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
画像形成方法
(液滴量、照射タイミング、ヘッド加温)
本発明の画像形成方法においては、インク組成物をインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで活性光線を照射してインクを硬化させる。
(液滴量、照射タイミング、ヘッド加温)
本発明の画像形成方法においては、インク組成物をインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで活性光線を照射してインクを硬化させる。
本発明の画像形成方法においては、インク出射時にはインクをインクジェットノズルごと加温し、インク液を低粘度させることが好ましい。加熱温度としては、30〜80℃、好ましくは35〜60℃である。
本発明において、インクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、記録材料のカール・しわの問題だけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題があるため使えない。また、本発明では各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。
本発明においては、高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早い方が好ましいが、本発明においては、インクの粘度または含水率が好ましい状態となるタイミングで光照射を開始することが好ましい。
詳しくは、発生光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に活性光線照射を開始することが好ましく、より好ましくは0.001〜0.4秒である。また、0.1〜3秒後、好ましくは0.2〜1秒以内に、インクの流動性が失われる程度まで光照射を行なった後、終了させることが好ましい。上記条件とすることにより、ドット径の拡大やドット間の滲みを防止することができる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、記録ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式で記録ヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源を記録ヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらのいずれの照射方法も用いることができる。
本発明の活性光線硬化型インクを用いて、被記録媒体(基材ともいう)への画像印字を行うが、被記録媒体としては、従来各種の用途で使用されている広汎な合成樹脂を全て用いることができ、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等が挙げられ、これらの合成樹脂基材の厚みや形状は何ら限定されない。
本発明で用いることのできる基材としては、通常の非コート紙、コート紙等の他に、非吸収性支持体を用いることができるが、その中でも、基材として非吸収性支持体を用いることが好ましい。
本発明においては、非吸収性支持体としては、各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類等が使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録材料の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱等により、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含むが、基材として、濡れ指数が40〜60mN/mであることが好ましい。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
次いで、本発明において、画像形成方法に用いられる記録装置について説明する。
以下、記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、図面の記録装置はあくまでも本発明に係る記録装置の一態様であり、本発明に係る記録装置はこの図面に限定されない。
図1は、本発明に係る記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるR方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるR方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるR方向に往復移動する。
なお、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、淡イエロー(Ly)、淡マゼンタ(Lm)、淡シアン(Lc)、淡ブラック(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えば、紫外線硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるR方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対して活性光線硬化型インクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けて活性光線線硬化インクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対して活性光線硬化型インクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3から活性光線硬化型インクを吐出することにより、記録材料P上に活性光線硬化型インク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザ、紫外線レーザ、冷陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ管、冷陰極管、水銀ランプ管もしくはブラックライトが好ましい。特に波長365nmの紫外線を発光する冷陰極管及びブラックライトが滲み防止、ドット径制御を効率よく行なえ、かつ、硬化の際の皺も低減でき好ましい。ブラックライトを照射手段4の放射線源に用いることで、活性光線硬化型インクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によって活性光線硬化型インクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(紫外線硬化型インクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。また、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にするとさらに好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプまたはフィルターを交換することで適宜変更することができる。
図2は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す図である。
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。ヘッドキャリッジ2は遮光されている。
記録ヘッド3は、各色インク、ホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)を収納している。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる紫外線ランプは、図1に記載したのと同様のものを用いることができる。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
(インクの調製)
分散剤(PB822、味の素ファインテクノ社製)を5質量部と、表1、表2に記載の光重合性化合物をステンレスビーカーに入れ、60℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて撹拌、混合して溶解させた。次いで、この溶液に各種顔料を3質量部添加した後、直径1mmのジルコニアビーズ100重量部と共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理を行った。次いで、ジルコニアビーズを取り除き、光重合開始剤(光酸発生剤)、塩基性化合物、界面活性剤等の各種添加剤を表1に記載の組み合わせで添加し、これをプリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過して、インクを調製した。
(インクの調製)
分散剤(PB822、味の素ファインテクノ社製)を5質量部と、表1、表2に記載の光重合性化合物をステンレスビーカーに入れ、60℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて撹拌、混合して溶解させた。次いで、この溶液に各種顔料を3質量部添加した後、直径1mmのジルコニアビーズ100重量部と共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理を行った。次いで、ジルコニアビーズを取り除き、光重合開始剤(光酸発生剤)、塩基性化合物、界面活性剤等の各種添加剤を表1に記載の組み合わせで添加し、これをプリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過して、インクを調製した。
使用した化合物を以下に示す。
〈エポキシ化合物1〉
比較
セロキサイド2021P:ダイセル化学工業社製
セロキサイド3000:ダイセル化学工業社製
本発明の一般式(1−1)のエポキシ化合物
(1):ビシクロヘキシル−3,3′−ジエポキシド
(2):ビシクロヘキシル−3,3′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド
(3):ビシクロヘキシル−4,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド
(4):ビシクロヘキシル−3,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド
本発明の一般式(1−2)のエポキシ化合物
比較
セロキサイド2021P:ダイセル化学工業社製
セロキサイド3000:ダイセル化学工業社製
本発明の一般式(1−1)のエポキシ化合物
(1):ビシクロヘキシル−3,3′−ジエポキシド
(2):ビシクロヘキシル−3,3′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド
(3):ビシクロヘキシル−4,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド
(4):ビシクロヘキシル−3,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド
本発明の一般式(1−2)のエポキシ化合物
〈エポキシ化合物2〉
〈オキセタン化合物〉
〈光酸発生剤〉
〈塩基性化合物〉
TIPA:トリイソプロパノールアミン
〈界面活性剤〉
F1405:メガファックスF1405(パーフルオロアルキル基含有エチレンオキサイド付加物(大日本インキ化学工業社製))
F178k:メガファックスF178k(パーフルオロアルキル基含有アクリルオリゴマー(大日本インキ化学工業社製))
〈相溶化剤〉
145P:ハリタック145P(ロジン変性マレイン酸樹脂 播磨化学社製)
R100:ハリタックR100(ロジン変性マレイン酸樹脂 播磨化学社製)
〈使用した顔料を下記に示す〉
K:CI pigment Black 7
C:CI pigment Blue 15:3
M:CI pigment Red 57:1
Y:CI pigment Yellow 13
W:酸化チタン(アナターゼ型、粒径0.2μm)
Lk:CI pigment Black 7
Lc:CI pigment Blue 15:3
Lm:CI pigment Red 57:1
Ly:CI pigment Yellow 13
TIPA:トリイソプロパノールアミン
〈界面活性剤〉
F1405:メガファックスF1405(パーフルオロアルキル基含有エチレンオキサイド付加物(大日本インキ化学工業社製))
F178k:メガファックスF178k(パーフルオロアルキル基含有アクリルオリゴマー(大日本インキ化学工業社製))
〈相溶化剤〉
145P:ハリタック145P(ロジン変性マレイン酸樹脂 播磨化学社製)
R100:ハリタックR100(ロジン変性マレイン酸樹脂 播磨化学社製)
〈使用した顔料を下記に示す〉
K:CI pigment Black 7
C:CI pigment Blue 15:3
M:CI pigment Red 57:1
Y:CI pigment Yellow 13
W:酸化チタン(アナターゼ型、粒径0.2μm)
Lk:CI pigment Black 7
Lc:CI pigment Blue 15:3
Lm:CI pigment Red 57:1
Ly:CI pigment Yellow 13
(インクジェット画像形成方法)
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製したインクを装填し、巾600mm、長さ20mの長尺の各記録材料へ、下記の画像記録を連続して行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。なお、各硬化組成物インクの粘度に合わせてヘッド部を加温し、2〜15plの液滴量のマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動して、上記記載の硬化組成物インクを連続吐出した。また、記録材料は面ヒーターにより50℃に加温した。着弾した後、キャリッジ両脇の照射光源:高圧水銀ランプVZero085(INTEGRATION TECHNOLOGY社製)により瞬時(着弾後0.5秒未満)に硬化させた。かくして、インクジェット画像が記録材料上に記録された評価用サンプルを作成した。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って、30℃・80%RHと25℃・20%RHの環境下で印字を行った。画像記録後に、総インク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製したインクを装填し、巾600mm、長さ20mの長尺の各記録材料へ、下記の画像記録を連続して行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。なお、各硬化組成物インクの粘度に合わせてヘッド部を加温し、2〜15plの液滴量のマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動して、上記記載の硬化組成物インクを連続吐出した。また、記録材料は面ヒーターにより50℃に加温した。着弾した後、キャリッジ両脇の照射光源:高圧水銀ランプVZero085(INTEGRATION TECHNOLOGY社製)により瞬時(着弾後0.5秒未満)に硬化させた。かくして、インクジェット画像が記録材料上に記録された評価用サンプルを作成した。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って、30℃・80%RHと25℃・20%RHの環境下で印字を行った。画像記録後に、総インク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。
なお、各照射光源の照度は、岩崎電機社製のUVPF−A1を用いて、254nmの積算照度を測定した。
また、記載した各記録材料の略称の詳細は、以下の通りである。
合成紙:ユポコーポレーション社製合成紙 ユポFGS
PVC:polyvinyl chloride
(粘度の測定)
25℃、せん断速度10001/s時の粘度を測定した。
PVC:polyvinyl chloride
(粘度の測定)
25℃、せん断速度10001/s時の粘度を測定した。
(射出性の評価)
連続でインクを30分間吐出させた後、インク欠の状況を目視にて下記基準で評価した。
連続でインクを30分間吐出させた後、インク欠の状況を目視にて下記基準で評価した。
◎:インク欠がなく、良好なレベル
○:インク欠がわずかにあるが、問題のないレベル
△:インク欠があり、画質に影響を与えるレベル
×:インク欠が多発し、許容できないレベル。
○:インク欠がわずかにあるが、問題のないレベル
△:インク欠があり、画質に影響を与えるレベル
×:インク欠が多発し、許容できないレベル。
(記録画像の評価)
上記画像形成方法で記録した各画像について、下記の文字品質及び滲みの評価を行った。
上記画像形成方法で記録した各画像について、下記の文字品質及び滲みの評価を行った。
〈文字品質〉
目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル。
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル。
〈色混じり(滲み、皺)〉
720dpiでY、M、C、K各色1ドットが隣り合うように印字し、隣り合う各色ドットをルーペで拡大し、滲み及び皺の具合を目視観察し、下記基準に則り色混じりの評価を行った。
720dpiでY、M、C、K各色1ドットが隣り合うように印字し、隣り合う各色ドットをルーペで拡大し、滲み及び皺の具合を目視観察し、下記基準に則り色混じりの評価を行った。
◎:隣り合うドット形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うドット形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うドットが少し滲んでいてドット形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うドットが滲んで混じり合っており、また、重なり部に皺の発生があり、使えないレベル。
○:隣り合うドット形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うドットが少し滲んでいてドット形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うドットが滲んで混じり合っており、また、重なり部に皺の発生があり、使えないレベル。
(硬化膜の評価)
シアン顔料を分散したシアンインクを用い上記の画像形成方法によって作製した硬化膜の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
シアン顔料を分散したシアンインクを用い上記の画像形成方法によって作製した硬化膜の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
(1)鉛筆引っかき試験
JIS K 5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。即ち、JIS K5401に準拠した鉛筆引っ掻き試験機を用いた試験機法によって硬化膜の硬度を試験した。荷重は1000gで5Bから5Hの鉛筆硬度を有する三菱ユニ鉛筆を使用して行なった。評価は、塗膜のすり傷で判定し、鉛筆硬度の隣り合う2つの鉛筆について、すり傷が2回以上と2回未満とになる1組を求め、2回未満となる鉛筆の鉛筆硬度を塗膜の鉛筆引っかき値とした。
JIS K 5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。即ち、JIS K5401に準拠した鉛筆引っ掻き試験機を用いた試験機法によって硬化膜の硬度を試験した。荷重は1000gで5Bから5Hの鉛筆硬度を有する三菱ユニ鉛筆を使用して行なった。評価は、塗膜のすり傷で判定し、鉛筆硬度の隣り合う2つの鉛筆について、すり傷が2回以上と2回未満とになる1組を求め、2回未満となる鉛筆の鉛筆硬度を塗膜の鉛筆引っかき値とした。
(2)柔軟性の評価
JIS K 5600の耐屈曲性評価の方法に則り評価した。
JIS K 5600の耐屈曲性評価の方法に則り評価した。
(3)基盤目テープ剥離残留付着率試験
上記柔軟性試験に使用した試料を用い、基盤目テープ剥離残留付着率試験を行った。
上記柔軟性試験に使用した試料を用い、基盤目テープ剥離残留付着率試験を行った。
即ち、JIS K 5400の碁盤目試験で得た硬化物試料に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数、付着残留率(%)を調査した。
(4)光に対する堅牢性の評価
得られた硬化膜にキセノンウェザーメーター(ツツナカテクノ(株)製、光源:キセノンアーク灯、放射照度:40〜60W/m2、300〜400nm、温度40℃、湿度50%)を用いて、光源からの距離を20cmとして7日間光照射した。この試料について下記着色性及び耐屈曲性を評価した。
得られた硬化膜にキセノンウェザーメーター(ツツナカテクノ(株)製、光源:キセノンアーク灯、放射照度:40〜60W/m2、300〜400nm、温度40℃、湿度50%)を用いて、光源からの距離を20cmとして7日間光照射した。この試料について下記着色性及び耐屈曲性を評価した。
〈着色性〉
硬化物の着色性を以下の5段階で評価した
1:ほとんど着色がない
2:若干の着色がある
3:着色がある
4:着色が強い
5:着色が著しい。
硬化物の着色性を以下の5段階で評価した
1:ほとんど着色がない
2:若干の着色がある
3:着色がある
4:着色が強い
5:着色が著しい。
〈耐屈曲性〉
JIS K 5600の耐屈曲性評価の方法に則り評価した。
JIS K 5600の耐屈曲性評価の方法に則り評価した。
以上の評価の結果を表3、表4に示す。
表3、表4より、本発明の試料はインクの粘度が低く、インクの射出性に優れ、環境湿度の影響が小さく良好な硬化性を示すことがわ分かる。また、基材への密着性、皮膜の硬さ、柔軟性、及び皮膜の光に対する堅牢性も高いことが分かる。
実施例2
(インクの調製)
表5、表6に示す組成を有するインクを、実施例1と同様の方法で作製した。出来上がった各インクの含水率をカールフィッシャー法で測定し、含水率が表5、表6に示す値となるように、純水を添加して調整した。含水率調整後の各インクを、アルミ防湿袋内に気泡が入らないように密封し、70℃の恒温槽内に7日間投入して保存安定性を確認した。
(インクの調製)
表5、表6に示す組成を有するインクを、実施例1と同様の方法で作製した。出来上がった各インクの含水率をカールフィッシャー法で測定し、含水率が表5、表6に示す値となるように、純水を添加して調整した。含水率調整後の各インクを、アルミ防湿袋内に気泡が入らないように密封し、70℃の恒温槽内に7日間投入して保存安定性を確認した。
TIPA:トリイソプロパノールアミン
EDA=N−エチルジエタノールアミン
BDA=N−n−ブチルジエタノールアミン
DEHA=N,N−ジエチルヒドロキシルアミン
AEAE=2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール
EDA=N−エチルジエタノールアミン
BDA=N−n−ブチルジエタノールアミン
DEHA=N,N−ジエチルヒドロキシルアミン
AEAE=2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール
(粘度の測定)
恒温槽投入前及び投入後において、25℃、せん断速度10001/s時の粘度を測定した。
恒温槽投入前及び投入後において、25℃、せん断速度10001/s時の粘度を測定した。
(射出性の評価)
恒温槽投入前及び投入後において、実施例1と同様の方法で評価した。
恒温槽投入前及び投入後において、実施例1と同様の方法で評価した。
(硬化膜の評価)
シアン顔料を分散したシアンインクを用い上記の画像形成方法によって作製した硬化膜の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
シアン顔料を分散したシアンインクを用い上記の画像形成方法によって作製した硬化膜の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
(1)鉛筆引っかき試験
JIS K 5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。
JIS K 5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。
以上の評価の結果を表7、表8に示す。
表7、表8より、本発明のインクに塩基性化合物を添加することにより、保存安定性が向上することが分かる。また、インクの含水率を調整することにより、保存安定性が向上することが分かる。
実施例3
(活性光線硬化組成物の作製)
本発明に係る光重合性化合物、光重合開始剤(光酸発生剤)を表9に示すように添加、溶解させて活性光線硬化組成物試料試料3−1〜3−14を作製した。を作製した。
(活性光線硬化組成物の作製)
本発明に係る光重合性化合物、光重合開始剤(光酸発生剤)を表9に示すように添加、溶解させて活性光線硬化組成物試料試料3−1〜3−14を作製した。を作製した。
(活性光線硬化組成物の硬化)
得られた活性光線硬化組成物を合成紙(ユポ・コーポレーション(株)社製の合成紙ユポFGS)に膜厚が3μmになるように塗布した後、800mJ/cm2の紫外線をメタルハライドランプにより1秒以内で照射し、硬化物を得た。
得られた活性光線硬化組成物を合成紙(ユポ・コーポレーション(株)社製の合成紙ユポFGS)に膜厚が3μmになるように塗布した後、800mJ/cm2の紫外線をメタルハライドランプにより1秒以内で照射し、硬化物を得た。
(硬化物の評価方法)
得られた硬化物の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
得られた硬化物の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
(1)鉛筆引っかき試験
JIS K 5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。
JIS K 5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。
即ち、JIS K5401に準拠した鉛筆引っ掻き試験機を用いた試験機法によって硬化膜の硬度を試験した。荷重は1000gで5Bから5Hの鉛筆硬度を有する三菱ユニ鉛筆を使用して行なった。評価は、塗膜のすり傷で判定し、鉛筆硬度の隣り合う2つの鉛筆について、すり傷が2回以上と2回未満とになる1組を求め、2回未満となる鉛筆の鉛筆硬度を塗膜の鉛筆引っかき値とした。
(2)基盤目テープ剥離残留付着率試験
JIS K 5400の碁盤目試験で得た硬化物試料に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数、付着残留率(%)を調査した。
JIS K 5400の碁盤目試験で得た硬化物試料に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数、付着残留率(%)を調査した。
(3)柔軟性の評価
JIS K 5600の耐屈曲性評価の方法に則り評価した。
JIS K 5600の耐屈曲性評価の方法に則り評価した。
(4)光に対する堅牢性の評価
得られた試料をキセノンウェザーメーター(ツツナカテクノ(株)製、光源:キセノンアーク灯、放射照度:40〜60W/m2、300〜400nm、温度40℃、湿度50%)を用いて、光源からの距離を20cmとして7日間照射した。この試料について下記着色性及び耐屈曲性を評価した。
得られた試料をキセノンウェザーメーター(ツツナカテクノ(株)製、光源:キセノンアーク灯、放射照度:40〜60W/m2、300〜400nm、温度40℃、湿度50%)を用いて、光源からの距離を20cmとして7日間照射した。この試料について下記着色性及び耐屈曲性を評価した。
〈着色性〉
硬化物の着色性を以下の5段階で評価した
1:ほとんど着色がない
2:若干の着色がある
3:着色がある
4:着色が強い
5:着色が著しい。
硬化物の着色性を以下の5段階で評価した
1:ほとんど着色がない
2:若干の着色がある
3:着色がある
4:着色が強い
5:着色が著しい。
〈耐屈曲性〉
JIS K 5600の耐屈曲性評価の方法に則り評価した。
JIS K 5600の耐屈曲性評価の方法に則り評価した。
以上の評価の結果を表10に示す。
表10より本発明の試料は基材への密着性、皮膜の硬さ、柔軟性に優れ、光に対する堅牢性も高いことが分かる。
実施例4
(活性光線硬化組成物の作製)
本発明に係る光重合性化合物、光重合開始剤(光酸発生剤)及び比較化合物を表11に示すように添加、溶解させて活性光線硬化組成物試料4−1〜4−15を作製した。
(活性光線硬化組成物の作製)
本発明に係る光重合性化合物、光重合開始剤(光酸発生剤)及び比較化合物を表11に示すように添加、溶解させて活性光線硬化組成物試料4−1〜4−15を作製した。
実施例3と同様な方法で活性光線硬化組成物を硬化し、得られた硬化物の評価も実施例3と同様な方法で行い、結果を表12に示す。
表12より本発明の試料は基材への密着性、皮膜の硬さ、柔軟性に優れ、光に対する堅牢性も高いことが分かる。
本発明によれば、低粘度であり、環境湿度の影響がなく高感度で硬化し、更には硬化皮膜の基材への密着性、皮膜の硬さ、柔軟性及び皮膜の耐光性に優れ、かつ保存安定性に優れる活性光線硬化型組成物及び活性光線硬化型インクを提供することができる。
Claims (40)
- 前記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物がビシクロヘキシル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−3,3′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−4,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、またはビシクロヘキシル−3,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシドであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の活性光線硬化型インク。
- 更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の活性光線硬化型インク。
- 更に、塩基性化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の活性光線硬化型インク。
- 25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の活性光線硬化型インク。
- カールフィッシャー法による測定含水率が1.50〜5.00質量%であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の活性光線硬化型インク。
- 更に、前記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第11項記載の活性光線硬化型インク。
- 前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1〜R12が全て水素原子であることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12のどちらか、及びR5かR6のどちらかがメチル基であることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12の一方がメチル基であり、他方が水素原子であり、且つ、R5かR6の一方がメチル基であり、他方が水素原子であることを特徴とする請求の範囲第14項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第14項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記スルホニウム塩化合物が、上記一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第17項に記載の活性光線硬化型インク。
- 更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の活性光線硬化型インク。
- 更に、塩基性化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の活性光線硬化型インク。
- 25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の活性光線硬化型インク。
- カールフィッシャー法による測定含水率が1.50〜5.00質量%であることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物及び前記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化組成物。
- 前記一般式(1−1)で表されるエポキシ化合物がビシクロヘキシル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−3,3′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、ビシクロヘキシル−4,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシド、またはビシクロヘキシル−3,4′−ジメチル−3,3′−ジエポキシドであることを特徴とする請求の範囲第23項に記載の活性光線硬化組成物。
- 更に、光酸発生剤を含有することを特徴とする請求の範囲第23項に記載の活性光線硬化組成物。
- 前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第25項に記載の活性光線硬化組成物。
- 前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第26項に記載の活性光線硬化組成物。
- 前記スルホニウム塩化合物が、一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第27項に記載の活性光線硬化組成物。
- 更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第23項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物及び前記一般式(2)で表されるエポキシ化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化組成物。
- 前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1〜R12が全て水素原子であることを特徴とする請求の範囲第30項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12のどちらか、及びR5かR6のどちらかがメチル基であることを特徴とする請求の範囲第30項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記一般式(1−2)で表されるエポキシ化合物のR1かR12の一方がメチル基であり、他方が水素原子であり、且つ、R5かR6の一方がメチル基であり、他方が水素原子であることを特徴とする請求の範囲第32項に記載の活性光線硬化型インク。
- 更に、光酸発生剤を含有することを特徴とする請求の範囲第30項に記載の活性光線硬化組成物。
- 前記光酸発生剤が、オニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第34項に記載の活性光線硬化組成物。
- 前記オニウム塩が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第35項に記載の活性光線硬化組成物。
- 前記スルホニウム塩化合物が、一般式(I−1)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求の範囲第36項に記載の活性光線硬化組成物。
- 更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第30項に記載の活性光線硬化型インク。
- 請求の範囲第1に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して、記録材料上にインク画像を形成し、該インク画像に活性光線を照射して、該インク画像を硬化させることを特徴とする画像形成方法。
- 請求の範囲第11項に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して、記録材料上にインク画像を形成し、該インク画像に活性光線を照射して、該インク画像を硬化させることを特徴とする画像形成方法。
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