JPWO2006038457A1 - インクジェット用インクセット、重合方法及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

少なくとも1種類のイエロー色材を含むインクジェット用イエローインク組成物,少なくとも1種類のマゼンタ色材を含むインクジェット用マゼンタインク組成物,少なくとも1種類のシアン色材を含むインクジェット用シアンインク組成物を含むインクセットにおいて、各インク組成物がa)一つ以上の重合性基を有する化合物、b)赤外線吸収剤及びc)重合開始剤を少なくとも1種ずつ含有し、かつ、各インクジェット用インク組成物の内、イエローインク組成物とシアンインク組成物では含有される赤外線吸収剤が同一ではないことを特徴とするインクジェット用インクセット。

Description

本発明は、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物から成るインクジェット用インクセット、各インク組成物に赤外線又は/及び紫外線を照射するインクジェット用インクセットの重合方法と画像形成方法に関する。
紫外線硬化技術は、その良好な硬化性を応用し、種々の材料のコーティング剤、種々のインク、塗料、印刷材用分野において日々その重要性が増大している。その中でも特に紫外線硬化技術をインクに応用するにあたり、インクの硬化性をより一層向上させる要求が高まっている。
輻射熱を利用して、硬化性を向上させる試みは種々知られている。例えば、光重合開始剤と多官能(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート組成物に紫外線照射後、あと追い加熱を行う方法(特許文献1参照)や、又、熱硬化性樹脂と光重合性組成物を併用した塗料組成物及び該組成物に光照射及び加熱により硬化を促進させる方法(特許文献2参照)が開示されているが、これらの方法では塗料組成物だけでなく基材も一緒に加熱しており、基材は何れも自動車用鋼鈑塗装用途として意図されたものであり、使用できる基材は鋼材等に制限される。
紫外線線硬化組成物の硬化性を向上させるための手段として、強力な紫外光源を用いることは、紫外線照射用の光源から発する熱によって基材等に悪影響を及ぼす場合があり、柔軟な合成樹脂基材を使用する場合には、基材が熱変形を生じる可能性があった。又、硬化に使用する紫外線照射手段が光源から発する熱を除去する手段を設けたものであっても、照射する紫外線の照射光量が多くなると発熱が大きくなり、熱による変形等の問題が生じる可能性があった。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光により架橋させるUVインクジェット方式などである。
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されている(特許文献3、4参照)。
UVインクとしては、主にラジカル重合型、カチオン重合型が知られている。
紫外線硬化型インクジェット記録方式においては、画質、即ち着弾ドット径は、着弾後の光照射タイミング、光照射照度、エネルギー、インク液滴サイズ、インクの感度、表面エネルギー、粘度、基材の濡れ性、着弾配列、誤差拡散パターンなどの因子により制御される。特に、画質を大きく左右する要因としては、インクの感度、粘度、表張、基材濡れ性と露光条件である。この中でも、インク感度は、インク液の溶媒として用いられている重合性モノマーの重合性に本質的に依存することから、重合性を改善する為に、ラジカル重合型紫外線硬化インクにおいては、上述した特許文献1のような光照射後の後加熱方法、カチオン重合型紫外線硬化インクにおいては、着弾したインクを加熱する方法が知られている(特許文献5参照)。しかしながら、加熱機構はプリンターコスト、熱に弱い基材などの適用の観点で好ましいものとは言えない。フラッシュ乾燥機構を備えたプリンター(特許文献6参照)が知られているが、基材とインク液との赤外線の吸収性の差のみを利用している為、インク液を十分な温度に到達させるには不充分であり、又、インク液の色調によって加熱のされ方が異なる為、各インク色の色により到達する温度がばらつくという問題があった。
特開昭64−11169号公報(実施例1〜5) 特開2004−190015号公報(実施例5〜9) 特開平6−200204号公報(実施例) 特表2000−504778号公報(実施例1〜5) 特開2002−137375号公報(発明の実施の形態) 特開2000−272101号公報(請求項)
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、色再現性とインク硬化性を高い次元で両立し、更に、基材密着性に優れ、滲みのない高品位の画像を得られるインクジェット用インクセット、重合方法及びこのインクジェット用インクセットを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、イエローインク組成物,マゼンタインク組成物,シアンインク組成物から成るインクジェット用インクセットにおいて、各インク組成物が、それぞれ一つ以上の重合性基を有する化合物、赤外線吸収剤、重合開始剤を含み、かつ、各インク組成物の内、イエローインク組成物とシアンインク組成物では、含有する赤外線吸収剤が異なるインクジェット用インクセットを用い、このインクジェット用インクセットに赤外線を照射する重合方法を採用した場合に、色再現性とインク硬化性を高い次元で両立し、基材密着性に優れ、かつ高品位の画像を得ることができることを見い出し、本発明を為すに到った。
即ち、本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)
少なくとも1種類のイエロー色材を含むインクジェット用イエローインク組成物,少なくとも1種類のマゼンタ色材を含むインクジェット用マゼンタインク組成物,少なくとも1種類のシアン色材を含むインクジェット用シアンインク組成物を含むインクセットにおいて、各インク組成物が下記a),b)及びc)を少なくとも1種ずつ含有し、かつ、各インクジェット用インク組成物の内、インクジェット用イエローインク組成物とインクジェット用シアンインク組成物では含有される赤外線吸収剤が同一ではないことを特徴とするインクジェット用インクセット。
a)一つ以上の重合性基を有する化合物
b)赤外線を吸収して熱を発生する化合物(赤外線吸収剤)
c)重合開始剤
(2)
前記一つ以上の重合性基を有する化合物が、カチオン重合性を有することを特徴とする(1)に記載のインクジェット用インクセット。
(3)
前記重合開始剤が、活性光線の照射により活性種を発生する重合開始剤であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のインクジェット用インクセット。
(4)
各インクジェット用インク組成物の30℃における粘度が10〜500mPa・sの範囲にあることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット用インクセット。
(5)
前記赤外線吸収剤が760〜1500nmに極大吸収波長を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット用インクセット。
(6)
インクジェット用イエローインク組成物に含まれる赤外線吸収剤が、該赤外線吸収剤のインク中での極大吸収波長の吸光度を1とした時に630〜690nmの間の吸光度が0.15以下の赤外線吸収剤であり、かつインクジェット用シアンインク組成物に含まれる赤外線吸収剤が、該赤外線吸収剤のインク中での極大吸収波長の吸光度を1とした時に410〜460nmの間の吸光度が0.15以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェット用インクセット。
(7)
上記(1)〜(6)のいずれかに記載のインクジェット用インクセットのインクジェット用インク組成物を、各々選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも一つのノズルを有する記録ヘッドで、記録材料上にインク滴を吐出することにより基材面上へ噴射し、インク滴が着弾した後、赤外線と紫外線を照射することでインクを硬化させることを特徴とする画像形成方法。
(8)
赤外線と紫外線を同時に照射することでインクを硬化させることを特徴とする上記(7)に記載の画像形成方法。
以下本発明について詳細に説明する。本発明の、一つ以上の重合性基を有する化合物(以下、「本発明の重合性化合物」とも言う)における重合性基は一つ〜六つが好ましく、より好ましくは一つ〜四つであり、最も好ましくは一つ又は二つである。一つ以上の重合性基を有する化合物は重合性モノマーであってもよく、重合性モノマーが複数重合した重合性オリゴマーであってもよく、又、高分子量化した重合性プレポリマーでもよい。具体的には、ラジカル重合性を有する基もしくはカチオン重合性を有する基を表す。
(ラジカル重合性を有する化合物)
ラジカル重合性を有する化合物としては、具体的には脂肪族系(メタ)アクリレート、脂環式系(メタ)アクリレート、芳香族系(メタ)アクリレート、エーテル系(メタ)アクリレート、ビニル系モノマー、(メタ)アクリルアミド類等を挙げることができる。尚、(メタ)アクリレートは、アクリレート、メタアクリレートの何れかを少なくとも1種類以上含有するものを意味する。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体;メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル酸誘導体;その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」,(1981年大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」,(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁,(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」,(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品又は業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
(カチオン重合性を有する化合物)
カチオン重合性を有する化合物としては、具体的にはオキシラン環含有化合物(エポキシ化合物とも言う)、オキセタン環含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物、プロペニルエーテル基含有化合物、チイラン基含有化合物、及びチエタン基含有化合物、スチレン化合物、ビニルナフタレン化合物、N−ビニル化合物を挙げることができる。好ましくはオキシラン環含有化合物、オキセタン環含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物(ビニルエーテル化合物とも言う)、プロペニルエーテル基含有化合物であり、より好ましくはオキシラン環含有化合物、オキセタン環含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物である。
オキシラン環含有化合物の例としては、分子中に1個以上のオキシラン環を有する化合物であり、通常エポキシ樹脂として用いられているものは、モノマー、オリゴマー又はポリマー何れも使用可能である。具体的には、従来公知の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドが挙げられる。尚、以下、エポキシドとは、モノマー又はそのオリゴマーを意味する。これら化合物は1種又は必要に応じて2種以上用いてもよい。
(芳香族エポキシド)
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
(脂環式エポキシド)
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
(脂肪族エポキシド)
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド、エポキシ化脂肪酸エステル又はエポキシ化脂肪酸グリセライド(脂肪酸エステル、脂肪酸グリセライドにエポキシ基を導入したものであれば、特に制限はなく用いられる。エポキシ化脂肪酸エステルとしては、例えばオレイン酸エステルをエポキシ化して製造されたものとして、エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル等を挙げることができる。又、エポキシ化脂肪酸グリセライドとしては、不飽和脂肪酸を含む油脂をエポキシ化したエポキシ化油脂を挙げることができ、例えば大豆油、亜麻仁油、ヒマシ油等をエポキシ化して製造されたもので、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油等を挙げることができる。)等が挙げられる。
これらのエポキシドの内、迅速な硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
脂環式エポキシ化合物として特に好ましいのは下記一般式(A)、(1)〜(6)で表される化合物である。
Figure 2006038457
Figure 2006038457
上記一般式(A)、(1)〜(6)において、R100、R101、R102、R103、R104、R105、R106は各々置換基を表す。該置換基としては、例えばハロゲン原子(塩素、臭素、弗素等)、炭素数1〜6個のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、トリフルオロアセチル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、プロピオニルオキシ、トリフルオロアセトキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等)等が挙げられる。上記置換基の中でも好ましいものは、アルキル基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基である。m0、m1、m2、m3、m4、m6は各々0〜2の整数を表すが、0又は1が好ましい。m5は1又は2を表す。
前記一般式(A)において、L0は、主鎖に酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr0+1価の連結基あるいは単結合を、一般式(1)において、L1は主鎖に酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr1+1価の連結基あるいは単結合を、一般式(2)において、L2は主鎖に酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr2+1価の連結基あるいは単結合を、一般式(3)、一般式(4)において、L3、L4は各々、主鎖に酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい炭素数8の2価の連結基あるいは単結合を表す。
上記主鎖に酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい2価の連結基の例としては、以下に列挙する基及びこれらの基と−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせて出来る基を挙げることができる。
メチレン基[−CH2−]、エチリデン基[>CHCH3]、
イソプロピリデン基[>C(CH32]、1,2−エチレン基[−CH2CH2−]、
1,2−プロピレン基[−CH(CH3)CH2−]、
1,3−プロパンジイル基[−CH2CH2CH2−]、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH32CH2−]、
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(OCH32CH2−]、
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH2OCH32CH2−]、
1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH3)CH2CH2−]、
1,4−ブタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2−]、
1,5−ペンタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]、
オキシジエチレン基[−CH2CH2OCH2CH2−]、
チオジエチレン基[−CH2CH2SCH2CH2−]、
3−オキソチオジエチレン基[−CH2CH2SOCH2CH2−]、
3,3−ジオキソチオジエチレン基[−CH2CH2SO2CH2CH2−]、
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]、
3−オキソペンタンジイル基[−CH2CH2COCH2CH2−]、
1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基[−COCH2OCH2CO−]、
4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基[−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2−]、
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−]、
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]、
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH32CH2OCH2CH2−]、
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(OCH32CH2OCH2CH2−]、
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH2OCH32CH2OCH2CH2−]、
4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2O−COCH2CH2CO−OCH2CH2−]、
3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2CO−OCH2CH2O−COCH2CH2−]、
1,3−シクロペンタンジイル基[−1,3−C58−]、
1,2−シクロヘキサンジイル基[−1,2−C610−]、
1,3−シクロヘキサンジイル基[−1,3−C610−]、
1,4−シクロヘキサンジイル基[−1,4−C610−]、
2,5−テトラヒドロフランジイル基[2,5−C46O−]
p−フェニレン基[−p−C64−]、m−フェニレン基[−m−C64−]、
α,α′−o−キシリレン基[−o−CH2−C64−CH2−]、
α,α′−m−キシリレン基[−m−CH2−C64−CH2−]、
α,α′−p−キシリレン基[−p−CH2−C64−CH2−]、
フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C42O−CH2−]、
チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C42S−CH2−]、
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C64−C(CH32−p−C64−]。
3価以上の連結基としては、上記で列挙した2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基、及びそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
0、L1、L2、L3、L4は各々、置換基を有してもよい。該置換基の例としては、ハロゲン原子(塩素、臭素、弗素等)、炭素数1〜6個のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ基、i−プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、トリフルオロアセチル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、プロピオニルオキシ、トリフルオロアセトキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等)等が挙げられる。置換基として好ましいのはアルキル基、アルコキシ基又はアルコキシカルボニル基である。
0、L1、L2としては、主鎖に酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜8の2価の連結基が好ましく、あるいはL0、L1、L2、L3、L4としては各々主鎖が炭素のみからなる炭素数1〜5の2価の連結基がより好ましい。
p1、q1は各々0又は1を表し、p1+q1が1以上であることが好ましい。p2、q2は各々0又は1を表し、各々1が好ましい。p3、p4は各々0又は1を表す。
以下に、好ましい脂環式エポキシ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006038457
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本発明に係る上記各脂環式エポキシ化合物においては、分子量を分子内のエポキシ基の総数で除した数値が160〜300であることが好ましい。
前記一般式(A)、(1)〜(6)で表される脂環式エポキシ化合物の合成は、例えば以下に列挙する米国特許に記載の方法に準じて行うことができる。
米国特許2,745,847号、同2,750,395号、同2,853,498号、同2,853,499号、同2,863,881号。
以下に、上記特許に記載される方法に準じた、例示化合物の合成例を示すが、これらに限定されるものではない。
(合成例1)
例示化合物EP−9:エチレングリコール−ビス−(4−メチル−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシレート)の合成
〈メチル−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレート)の合成〉
公知のディールス・アルダー反応によって、イソプレンとアクリル酸メチルを原料に、メチル−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレートを合成した。反応は、文献(J.Organomet.Chem.,285,1985,333−342、J.Phys.Chem.,95,5,1992,2293−2297、Acta.Chem.Scand.,47,6,1993,581−591)又は米国特許1,944,731号等に記載された条件に準じた反応条件で行ない、高収率で目的の化合物を得た。
〈エチレングリコール−ビス−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレート)の合成〉
メチル−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレート)340g(2mol)と、エチレングリコール62g(1mol)とに、トルエンスルホン酸1水和物1gを添加し、80〜90℃で8時間反応した。反応液を重曹水で洗浄した後、減圧蒸溜を行い、目的の化合物を得た(収率92)。
〈例示化合物EP−9の合成〉
エチレングリコール−ビス−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレート)306g(1mol)を2Lの三頭フラスコに入れ、内温を35〜40℃に保ったまま、過酢酸含有率が25質量%のアセトン溶液770g(過酢酸192g(2.5mol))を4時間かけて滴下した。滴下終了後、そのままの温度で4時間後反応した。反応液は−11℃で一晩保存した後、過酢酸の残量を調べ理論量の98%以上が反応していることを確認した。
次いで、反応液をトルエン1Lで希釈し、水流アスピレーターによる減圧下で50℃に加熱し溜出物がなくなるまで低沸点成分を溜去した。残った反応組成物を減圧蒸溜し、目的の例示化合物EP−9を得た(収率78%)。
得られた例示化合物EP−9の構造は、NMR、MASS分析で確認した。
1H NMR (CDCl3) δ(ppm):1.31(s,6H,CH3−)、1.45〜2.50(m,14H,シクロヘキサン環)、3.10(m,2H,エポキシ根元)、4.10(s,4H,−CH2−O−)
(合成例2)
例示化合物EP−12:プロパン−1,2−ジオール−ビス−(4−メチル−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシレート)の合成
〈プロパン−1,2−ジオール−ビス−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレート)の合成〉
メチル−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレート)340g(2mol)と、プロパン−1,2−ジオールの76g(1mol)にトルエンスルホン酸1水和物1gを添加し、80〜90℃で8時間反応した。反応液を重曹水で洗浄した後、減圧蒸溜を行い目的の化合物を得た(収率90)。
〈例示化合物EP−12の合成〉
プロパン−1,2−ジオール−ビス−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレート)320g(1mol)を2Lの三頭フラスコに入れ、内温を35〜40℃に保ったまま、過酢酸含有率が25質量%のアセトン溶液770g(過酢酸192g(2.5mol))を4時間かけて滴下した。滴下終了後、そのままの温度で4時間後反応した。反応液は−11℃で一晩保存した後、過酢酸の残量を調べ理論量の98%以上が反応していることを確認した。
次いで、反応液をトルエン1Lで希釈し、水流アスピレーターによる減圧下で50℃に加熱し溜出物がなくなるまで低沸点成分を溜去した。残った反応組成物を減圧蒸留し、目的の例示化合物EP−12を得た(収率75%)。
得られた例示化合物EP−12の構造は、NMR、MASS分析で確認した。
1H NMR (CDCl3) δ(ppm):1.23(d,3H,CH3−)、1.31(s,6H,CH3−)、1.45〜2.50(m,14H,シクロヘキサン環)、3.15(m,2H,エポキシ根元)、4.03(m,1H,−O−CH2−)、4.18(m,1H,−O−CH2−)、5.15(m,1H,>CH−O−)
(合成例3)
例示化合物EP−17:2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジオール−ビス−(4−メチル−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシレート)の合成
〈2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジオール−ビス−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレート)の合成〉
メチル−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレート)340g(2mol)と、2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジオールの104g(1mol)とに、トルエンスルホン酸1水和物1gを添加し80〜90℃で12時間反応した。反応液を重曹水で洗浄した後、減圧蒸溜を行い目的の化合物を得た(収率86%)。
〈例示化合物EP−17の合成〉
2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジオール−ビス−(4−メチル−3−シクロヘキサンカルボキシレート)の348g(1mol)を2Lの三頭フラスコに入れ、内温を40℃に保ったまま、過酢酸含有率が25質量%のアセトン溶液770g(過酢酸192g(2.5mol))を4時間かけて滴下した。滴下終了後、そのままの温度で4時間後反応した。反応液は−11℃で一晩保存した後、過酢酸の残量を調べ理論量の98%以上が反応していることを確認した。
次いで、反応液をトルエン1Lで希釈し、水流アスピレーターによる減圧下で50℃に加熱し溜出物がなくなるまで低沸点成分を溜去し除去した。
残った反応組成物を減圧蒸溜し、目的の例示化合物EP−17を得た(収率70%)。
例示化合物EP−17の構造は、NMR、MASS分析で確認した。
1H NMR (CDCl3) δ(ppm):0.96(s,6H,CH3−)、1.31(s,6H,CH3−)、1.45〜2.50(m,14H,シクロヘキサン環)、3.00(m,2H,エポキシ根元)、3.87(s,4H,−O−CH2−)
(合成例4)
例示化合物EP−31:1,3−ビス−(4−メチル−3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチロキシ)−2−プロパノールの合成
〈4−メチル−3−シクロヘキセニルメタノールの合成〉
公知のディールス・アルダー反応によって、イソプレンとアクロレインを原料に、4−メチル−3−シクロヘキセニルアルデヒドを合成した。反応は、文献(J.Amer.Chem.Soc.,119,15,1997,3507〜3512、Tetrahedron Lett.,40,32,1999,5817〜5822)等に記載された条件に準じた反応条件で行ない、高収率で目的の化合物を得た。次いで、この化合物を還元することで4−メチル−3−シクロヘキセニルメタノールを高収率で合成した。
〈1,2−ビス−(4−メチル−3−シクロヘキシルメチロキシ)−2−プロパノールの合成〉
4−メチル−3−シクロヘキセニルメタノール284g(2mol)と、エピクロルヒドリンを92g(1mol)含むアセトン1L溶液に、炭酸カリウムを305g(2.2mol)添加し、50℃で8時間反応した。析出した塩を濾過によって除去し、反応液を減圧濃縮した後、残った粗生物の減圧蒸溜を行い目的の化合物を得た(収率90%)。
〈例示化合物EP−31の合成〉
1,2−ビス−(4−メチル−3−シクロヘキシルメチロキシ)−2−プロパノール308g(1mol)を2Lの三頭フラスコに入れ、内温を35〜40℃に保ったまま、過酢酸含有率が25質量%のアセトン溶液770g(過酢酸192g(2.5mol))を4時間かけて滴下した。滴下終了後、そのままの温度で4時間後反応した。反応液は−11℃で一晩保存した後、過酢酸の残量を調べ理論量の98%以上が反応していることを確認した。
次いで、反応液をトルエン1Lで希釈し、水流アスピレーターによる減圧下で50℃に加熱し溜出物がなくなるまで低沸点成分を溜去し除去した。残った反応組成物を減圧蒸溜し、目的の例示化合物EP−31を得た(収率83%)。
例示化合物EP−31の構造は、NMR、MASS分析で確認した。
1H NMR (CDCl3) δ(ppm):1.31(s,6H,CH3−)、1.4〜2.0(m,14H,シクロヘキサン環)、2.7(s,1H,−OH)、3.10(m,2H,エポキシ根元)、3.45(d,4H,−CH2−O−)、3.50(m,4H,−CH2−O−)、3.92(m,1H,>CH−)
(合成例5)
例示化合物EP−35:ビス−(4−メチル−3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチル)オキサレートの合成
〈ビス−(4−メチル−3−シクロヘキセニルメチル)サクシネートの合成〉
4−メチル−3−シクロヘキセニルメタノール284g(2mol)と、琥珀酸無水物を100g(1mol)含むトルエン1L溶液とに、トルエンスルホン酸1水和物5gを添加し、生成する水を水分離装置で除去しながら110〜120℃で8時間反応した。反応液を重曹水で洗浄した後、減圧濃縮でトルエンを溜去した。残った粗生物の減圧蒸溜を行い目的の化合物を得た(収率90%)。
〈例示化合物EP−35の合成〉
ビス−(4−メチル−3−シクロヘキセニルメチル)サクシネート335g(1mol)を2Lの三頭フラスコに入れ、内温を35〜40℃に保ったまま、過酢酸含有率が25質量%のアセトン溶液770g(過酢酸192g(2.5mol))を4時間かけて滴下した。滴下終了後、そのままの温度で4時間後反応した。反応液は−11℃で一晩保存した後、過酢酸の残量を調べ理論量の98%以上が反応していることを確認した。
次いで、反応液をトルエン1Lで希釈し、水流アスピレーターによる減圧下で50℃に加熱し、溜出物がなくなるまで低沸点成分を溜去した。残った反応組成物を減圧蒸溜し、例示化合物EP−35を得た(収率75%)。
例示化合物EP−35の構造は、NMR、MASS分析で確認した。
1H NMR (CDCl3) δ(ppm):1.31(s,6H,CH3−)、1.4〜2.0(m,14H,シクロヘキサン環)、3.10(m,2H,エポキシ根元)、2.62(s,4H,−CH2−CO−)、4.05(d,4H,−CH2−O−)
その他の本発明に係る各脂環式エポキシド化合物も、上記の方法と同様にして収率良く合成できる。
(オキセタン環含有化合物)
オキセタン環含有化合物(以下、オキセタン化合物とも言う)について説明する。オキセタン環とは環状4員環エーテル構造を表し、本発明のオキセタン環含有化合物とは、4員環エーテル構造を分子中に少なくとも一つ以上有していればよく、他の部分構造は特に制限は無い。本発明のオキセタン化合物のオキセタン環の数及びその他の部分構造は、本発明を実際に使用するに当たり、使用者の所望する性能を発揮するために必要な種々の性能評価を検討の上、決定すればよい。
下記一般式(11)で表されるオキセタン化合物は本発明においてより好ましい。
Figure 2006038457
式中、R1〜R6は各々、水素原子又は置換基を表す。ただし、R1〜R6は全てが同時に水素原子を表すことはない。
一般式(1)において、R1〜R6で各々表される置換基としては、例えばアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ペンチル基、ヘキシル、オクチル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、アリル等)、アルキニル基(アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル、プロパルギル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、芳香族炭化水素基(フェニル、ナフチル、アントラセニル等)、複素芳香族基(フリル、チエニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジル、トリアジル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリル、フタラジル、ピロリル、2−キノリル、1−イソキニリル等)、複素環基(ピロリジル、イミダゾリジル、モルホリル、オキサゾリジル、2−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチエニル、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル等)、ハロゲン原子(塩素、臭素、弗素原子等)、弗化炭化水素基(フルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロフェニル等)が挙げられる。R1とR2、R3とR4、R5とR6が互いに結合して2価の基となり環を形成してもよい。R1〜R6で表される置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、ハロゲン原子、弗化炭化水素基である。
これらR1〜R6で表される基は、更に置換基を有していてもよい。この置換可能な基の例としてはアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルシクロペンチル、シクロヘキシル等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、アリル等)、アルキニル基(アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル、プロパルギル等)、芳香族炭化水素基(フェニル、ナフチル、アントラセニル等)、複素芳香族基(フリル、チエニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジル、トリアジル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリル、フタラジル、ピロリル、2−キノリル、1−イソキニリル等)、複素環基(ピロリジル、イミダゾリジル、モルホリル、オキサゾリジル、2−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチエニル、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ、ナフチルオキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル等)、スルファモイル基(アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、オクチルアミノスルホニル、ドデシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル、2−ピリジルアミノスルホニル等)、アシル基(アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、オクチルカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル、ドデシルカルボニル、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、ピリジルカルボニル等)、アシルオキシ基(アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、アミド基(メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、カルバモイル基(アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、2−エチルヘキシルアミノカルボニル、ドデシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニルナフチルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等)、ウレイド基(メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、オクチルウレイド、ドデシルウレイド、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、2−ピリジルアミノウレイド等)、スルフィニル基(メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、シクロヘキシルスルフィニル、2−エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル、2−ピリジルスルフィニル等)、アルキルスルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、2−ピリジルスルホニル等)、アミノ基(アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ等)、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素等)、弗化炭化水素基(フルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロフェニル等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シリル基(トリメチルシリル、トリ−i−プロピルシリル、トリフェニルシリル、フェニルジエチルシリル等)、カルボキシル基等が挙げられ、これらの置換基は、上述したR1〜R6で表される置換基に置換可能な基の例と同義の基によって更に置換されてもよく、又、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
1〜R6で表される置換基に置換可能な基として好ましいのは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、ヒドロキシル基、弗化炭化水素基である。R1〜R6で表される置換基の任意の位置の何れかが、一般式(11)と同義のオキセタン環を置換基として有し、2官能以上の多官能オキセタン化合物となってもよい。
本発明のオキセタン化合物は、オキセタン環の2位もしくは3位に置換基を有することが好ましい。オキセタン環の2位に置換可能な置換基としては特に制限は無いが、好ましくは芳香族基である。本発明の芳香族基とは、上述の芳香族炭化水素基(フェニル、ナフチル、アントラセニル等)、複素芳香族基(フリル、チエニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジル、トリアジル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリル、フタラジル、ピロリル、2−キノリル、1−イソキニリル等)と同義の基を表す。これらの芳香族基は更に置換基を有してもよく、置換基の例としては、上述のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基と同義の基である。2位の置換基が芳香族基の場合、更に3位に置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、上述のアルキル基、アルコキシ基と同義の基である。2位に置換基を有するオキセタン化合物は、下記一般式(A)又は一般式(B)で表されるオキセタン化合物がより好ましい。
Figure 2006038457
式中、QAは(mA+nA)価の芳香族基を表し、RA1〜RA4は各々、水素原子又は置換基を表し、RA5は置換基を表し、mAは1〜3の正数を表し、nAは0〜5の正数を表す。
Aで表される芳香族基は、(mA+nA)価の上述した芳香族基と同義の基を表す。
A1〜RA4で表される置換基は、上述のR1〜R6で表される置換基と同義の基を表し、各々好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基である。RA5で表される置換基は上述のR1〜R6で表される置換基と同義の基を表し、複数個のRA5は各々同一でも異なってもよく、互いに結合して環を形成してもよい。RA5として好ましくは、アルキル基、アルコキシ基であり、複数個のRA5のうち少なくとも一つはアルコキシ基であることがより好ましい。mAは好ましくは1〜2の正数であり、nAは好ましくは0〜3の正数、より好ましくは0〜2の正数であり、mA+nAは1〜6の正数であることが好ましく、より好ましくは1〜3の正数である。
Figure 2006038457
式中、QBは(nB+2)価の芳香族基を表し、RB1〜RB4は各々水素原子又は置換基を表し、RB5は置換基を表し、LBはmB価の連結基を表し、mBは2〜4の正数を表し、nBは0〜4の正数を表す。
Bで表される芳香族基は、(nB+2)価の上述した芳香族基と同義の基を表す。
B1〜RB4で表される置換基は上述したR1〜R6で表される置換基と同義の基を表し、好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基である。RB5で表される置換基は上述のR1〜R6で表される置換基と同義の基を表し、複数個のRB5は各々同一でも異なってもよく、互いに結合して環を形成してもよい。RB5はアルキル基、アルコキシ基であることがより好ましい。mBは好ましくは2又は3の正数であり、nBは好ましくは0〜3の正数、より好ましくは0〜2の正数である。
Bは、主鎖に酸素原子もしくは硫黄原子を含んでもよい炭素数0〜15のmB価の連結基又は単結合であることが好ましく、主鎖に酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい2価の連結基としては、前記一般式(A)、一般式(1)〜(4)のL0、L1〜L4で挙げた基と同様の連結基が挙げられる。
3価以上の連結基としても、上記2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いて出来る基、及びそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせて出来る基を挙げることができる。
上述のオキセタン化合物の製造方法は特に制限されず、従来知られた方法に従えばよく、以下の文献に記載の方法に準じて合成することができる。
Hu Xianming,Richard M.Kellogg,Synthesis,533〜538,May(1995)、A.O.Fitton,J.Hill,D.Ejane,R.Miller,Synth.,12,1140(1987)、Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can.J.Chem.Vol.59,2503〜2509(1981)、Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka and Yuho Tsuno,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3853〜3854(1983)、Walter Fisher and Cyril A.Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2336(1978)、Chem.Ber.101,1850(1968)、「Heterocyclic Compounds with Three− and Four−membered Rings」,Part2,Chapter IX,Interscience Publishers,John Wiley & Sons,New York(1964)、Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1653(1988)
I:Pure Appl.Chem.,A29(10),915(1992)、Pure Appl.Chem.,A30(2&3),189(1993)、特開平6−16804号、ドイツ特許1,021,858号。
以下に一般式(11)、一般式(A)、一般式(B)で表されるオキセタン化合物の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2006038457
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オキセタン環の3位に置換可能な置換基としては特に制限は無いが、好ましくは上述のアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、ハロゲン原子、弗化炭化水素基と同義の基を挙げることができる。
3位に置換基を有するオキセタン化合物としては、2位が置換されていないオキセタン化合物がより好ましい。2位が置換されていないオキセタン化合物の一例としては、下記一般式(101)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006038457
式中、R1は水素原子やメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基である。R2はメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜6個のアルキル基;1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル等の炭素数2〜6個のアルケニル基;フェニル、ベンジル、フルオロベンジル、メトキシベンジル、フェノキシエチル等の芳香環を有する基;エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基;エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基;又はエチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、ペンチルカルバモイル等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。
本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(102)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2006038457
式中、R1は上記一般式(101)におけるそれと同様の基である。R3は、エチレン、プロピレン、ブチレン等の線状又は分枝状アルキレン基;ポリ(エチレンオキシ)、ポリ(プロピレンオキシ)等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基;プロペニレン、メチルプロペニレン、ブテニレン等の線状または分枝状不飽和炭化水素基;カルボニル基又はカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
又、R3としては、下記一般式(103)、(104)及び(105)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
Figure 2006038457
式中、R4は水素原子やメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜4個のアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等の炭素数1〜4個のアルコキシ基;塩素、臭素等のハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基又はカルバモイル基である。
Figure 2006038457
式中、R5は酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32又はC(CH32を表す。
Figure 2006038457
式中、R6はメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜4個のアルキル基又はアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜4個のアルキル基又はアリール基である。R7としては、更に下記一般式(106)で示される基から選択される基も挙げることができる。
Figure 2006038457
式中、R8はメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜4個のアルキル基又はアリール基である。mは0〜100の整数である。
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2006038457
例示化合物11は、前記一般式(102)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。又、例示化合物12は、前記一般式(102)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(105)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(107)で示される化合物がある。
Figure 2006038457
式中、R1は前記一般式(101)のR1と同義である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(108)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006038457
式中、R1は前記一般式(101)におけるR1と同義である。R9としては、例えば下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは3又は4である。
Figure 2006038457
上記Aにおいて、R10はメチル、エチル又はプロピル等の低級アルキル基である。又、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例として、例示化合物13が挙げられる。
Figure 2006038457
更に、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(109)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006038457
式中、R8は前記一般式(106)のR8と同義である。R11はメチル、エチル、プロピル又はブチル等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
Figure 2006038457
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えばパティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。又、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006038457
(ビニルエーテル基含有化合物)
ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、i−プロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
一つ以上の重合性基を有する化合物を用いる場合は、1種類で用いてもよく、又、2種類以上を混合して用いてもよい。2種類以上混合して用いる場合には、2種類以上のラジカル重合性基を有する化合物を混合してもよく、2種類以上のカチオン重合性を有する化合物を混合してもよく、ラジカル重合性基を有する化合物を1種類以上とカチオン重合性を有する化合物を1種類以上混合してもよい。本発明の重合性化合物は油溶性であり、本発明に添加され得る種々の成分に対して、溶媒もしくは分散媒として使用される。
(重合開始剤)
次に重合開始剤について述べる。重合開始剤は熱、光照射等何らかのエネルギーを与えることにより、本発明の重合性化合物を重合せしめるものであれば特に制限なく使用可能である。重合開始剤は、重合性化合物100質量部に対して0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。重合開始剤の含有量が0.2質量部未満では硬化物を得ることが困難であり、20質量部を超えて含有させても、更なる硬化性向上効果はない。これら重合開始剤は、1種又は2種以上を選択して使用することができる。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤もしくはカチオン重合開始剤を用いることができる。
本発明においては、活性光線による硬化性を有効にするために光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤は、70℃まで熱分解を起こさないものであることが好ましい。70℃以下で熱分解を起こす開始剤を用いると、製品保存上問題があるため好ましくない。
(光ラジカル重合開始剤)
光ラジカル重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p′−ジクロロベンゾフェノン、p,p,−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビス−i−ブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド等を挙げることができる。これらの重合開始剤を1種で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
(増感剤)
本発明には、更に増感剤を使用することもできる。増感剤は、単独では光照射によって活性化しないが、光重合開始剤と併用した場合に光重合開始剤単独で用いた場合よりも効果があるものであり、三重項増感剤、電子移動増感剤、レドックス増感剤など、従来公知のものが使用できる。光増感剤は、紫外線の長波長域、例えば300nm以上の長波長域に特性吸収を有するものが好ましい。増感剤としては、脂肪族アミン、芳香族基を有するアミンもしくはピペリジン等の環状アミン系化合物、o−トリルチオ尿素等の尿素系化合物、ナトリウムジエチルチオホスフェートもしくは芳香族スルフィン酸の可溶性塩等の硫黄化合物、N,N′−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル等のニトリル化合物、トリブチルホスフィンもしくはナトリウムジエチルジチオホスフィード等の燐化合物、ミヒラーケトン、N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドとジアミンとの縮合物等の窒素化合物等を挙げることができる。これらの増感剤を1種で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
(光カチオン重合開始剤)
光カチオン重合開始剤としては、例えば化学増幅型ホトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニックス材料研究会編「イメージング用有機材料」,ぶんしん出版(1993年),187〜192頁参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のBF4 -、B(C654 -、AsF6 -、p−CH3−C64−SO3 -塩、CF3SO3 -塩などのスルホン酸塩を挙げることができる。対アニオンとしてボレート化合物を持つもの及びPF6 -塩が、酸発生能力が高く好ましい。オニウム化合物の具体的代表例を以下に示す。
Figure 2006038457
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。具体的化合物例を以下に示す。
Figure 2006038457
第3に、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物も用いることができる。以下に具体的化合物例を示す。
Figure 2006038457
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 2006038457
本発明で用いる光カチオン重合開始剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172等)、アリールヨードニウム塩誘導体(ローディア社製のRP−2074等)、アレン−イオン錯体誘導体(チバガイギー社製のイルガキュア261等)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤などが挙げられる。これら光カチオン重合開始剤は、1種又は2種以上を選択して使用することができる。
(スルホニウム塩)
好ましい光カチオン重合開始剤としては、下記一般式(b)で表されるアリールスルホニウム塩化合物である。
Figure 2006038457
式中、Rb1〜Rb3は置換基を表し、それぞれ同一でも異なってもよく、該置換基として特に制限は受けないが、例としては、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチルペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、トリデシル、テトラデシルペンタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アルケニル基(ビニル、アリル等)、アルキニル基(エチニル、プロパルギル等)、芳香族炭化水素基(フェニル、ナフチル等)、複素芳香族基(フリル、チエニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル、トリアジル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリル、フタラジル等)、複素環基(ピロリジル、イミダゾリジル、モルホリル、オキサゾリジル等)等が挙げられ、これらRb1〜Rb3で表される置換基は更に置換基を有してもよく、該置換基に置換可能な基の例としては、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、複素環基の他に、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ等)、シクロアルコキシ基(シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ、ナフトキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ等)、シクロアルキルチオ基(シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル等)、スルファモイル基(アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、オクチルアミノスルホニル、ドデシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル、2−ピリジルアミノスルホニル等)、アシル基(アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、オクチルカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル、ドデシルカルボニル、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、ピリジルカルボニル等)、アシルオキシ基(アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、アミド基(メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、カルバモイル基(アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、2−エチルヘキシルアミノカルボニル、ドデシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、ナフチルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等)、ウレイド基(メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、オクチルウレイド、ドデシルウレイド、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、2−ピリジルアミノウレイド等)、スルフィニル基(メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、シクロヘキシルスルフィニル、2−エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、2−ピリジルスルホニル等)、アミノ基(アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ等)、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素等)、弗化炭化水素基(フルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロフェニル等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シリル基(トリメチルシリル、トリ−i−プロピルシリル、トリフェニルシリル、フェニルジエチルシリル等)、カルボキシル基等が挙げられ、これらの置換基は、上述の置換基によって更に置換されてもよく、又、これら置換基の複数が互いに結合して環を形成してもよい。Rb1〜Rb3は互いに結合して環を形成してもよい。
b1〜Rb3は好ましくは、アルキル基、芳香族炭化水素基であり、これらは更に置換基を有してもよく、該置換基としては上述したRb1〜Rb3で表される置換基に置換可能な基の例を挙げることができる。
b -は対イオンを表し、該対アニオンとしては、F-、Cl-、Br-等のハロゲンイオン、BF4 -、B(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、GaF6 -等の錯イオン、ベンゼンスルホン酸イオン(p−CH3−C64−SO3 -、C65SO3 -等)、アルキルスルホン酸イオン(CH3SO3 -、C25SO3 -等)、弗化アルキルスルホン酸イオン(CF3SO3 -、C25SO3 -、C919SO3 -等)、弗化アルキルベンゼンスルホン酸イオン(p−CF3−C64SO3 -、p−CF3−C64SO3 -等)、弗化ベンゼンスルホン酸イオン(p−F−C64SO3 -、C65SO3 -等)等のスルホネートイオンを挙げることができる。対アニオンとしては、PF6 -、BF4 -、SbF6 -、GaF6 -、AsF6 -、B(C654 -、弗化アルキルスルホン酸イオンがより好ましく、BF4 -、B(C654 -及びPF6 -が最も好ましい。
一般式(b)で表される化合物は下記一般式(I−1)、(I−2)、(I−3)で表されるスルホニウム塩の何れかであることが好ましい.
Figure 2006038457
式中、R11、R12及びR13は各々、置換基を表し、m、n、pは0〜5の整数を表す。X11 -は対イオンを表す。
Figure 2006038457
式中、R14は置換基を表し、qは0〜2の整数を表す。R15、R16は各々、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。X12 -は対イオンを表す。
Figure 2006038457
式中、R17は置換基を表し、rは0〜3の整数を表す。R18は水素原子、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。X13 -は対イオンを表す。
一般式(I−1)において、R11、R12及びR13で表される置換換基としては、例えばハロゲン原子(塩素、臭素、弗素等)、炭素数1〜6個のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル等)、炭素数1〜6個のアルキニル基(アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等)、炭素数1〜6個のアルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、i−プロピルチオ、ブチルチオ、t−ブチルチオ等)、炭素数6〜14のアリール基(フェニル、ナフチル、アントラセニル等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(フェノキシ、ナフトキシ等)、炭素数6〜10のアリールチオ基(フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、プロピオニルオキシ、トリフルオロアセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(フリル、チエニル等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基である。これら置換基の内、可能なものは更に置換されてもよい。
m、n、pは0〜5の整数を表すが、それぞれが1以上であることが好ましい。
11 -で表される対アニオンとしては、前記一般式(b)のXb -と同様の対アニオンを挙げることができる。
一般式(I−2)において、R14で表される置換基の例としては、ハロゲン原子(塩素、臭素、弗素等)、炭素数1〜6個のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル等)、炭素数1〜6個のアルキ二ル基(アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等)、炭素数1〜6個のアルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、i−プロピルチオ、ブチルチオ、t−ブチルチオ等)、炭素数6〜14のアリール基(フェニル、ナフチル、アントラセニル等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(フェノキシ、ナフトキシ等)、炭素数6〜10のアリールチオ基(フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、プロピオニルオキシ、トリフルオロアセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(フリル、チエニル等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。これら置換基の内、可能なものは更に置換されてもよい。
qは0〜2の整数を表すが、1以上であることが好ましく、より好ましくは2である。
15及びR16は各々、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。
置換基の例としては、ハロゲン原子(塩素、臭素、弗素等)、炭素数1〜6個のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル等)、炭素数1〜6個のアルキ二ル基(アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等)、炭素数1〜6個のアルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、i−プロピルチオ、ブチルチオ、t−ブチルチオ等)、炭素数6〜14のアリール基(フェニル、ナフチル、アントラセニル等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(フェノキシ、ナフトキシ等)、炭素数6〜10のアリールチオ基(フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、プロピオニルオキシ、トリフルオロアセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(フリル、チエニル等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基である。
15、R16として好ましくは、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基であり、置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、ヒドロキシル基である。
12 -で表される対アニオンとしては、前記一般式(b)のXb -と同様の対アニオンを挙げることができる。
一般式(I−3)において、R17で表される置換基の例としては、ハロゲン原子(塩素、臭素、弗素等)、炭素数1〜6個のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル等)、炭素数1〜6個のアルキ二ル基(アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等)、炭素数6〜14のアリール基(フェニル、ナフチル、アントラセニル等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、プロピオニルオキシ、トリフルオロアセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル等)、炭素数6〜10のアリール基(フェニル、ナフチル、アントラセニル等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(フリル、チエニル等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基である。
rは0〜3の整数を表すが、1以上であることが好ましく、より好ましくは2である。
18は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R19及びR20は各々、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。
置換基の例としては、ハロゲン原子(塩素、臭素、弗素等)、炭素数1〜6個のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル等)、炭素数1〜6個のアルキ二ル基(アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等)、炭素数6〜14のアリール基(フェニル、ナフチル、アントラセニル等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、プロピオニルオキシ、トリフルオロアセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等)、炭素数6〜10のアリール基(フェニル、ナフチル、アントラセニル等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(フリル、チエニル等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基である。
18として好ましくは、水素原子又は無置換の低級アルキル基(メチル、エチル、プロピル等)であり、R19、R20として好ましくは、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基であり、置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基である。
13 -で表される対アニオンとしては、前記一般式(b)のXb -と同様の対アニオンを挙げることができる。
以下に、一般式(b)、(I−1)、(I−2)(I−3)で表されるスルホニウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006038457
Figure 2006038457
Figure 2006038457
Figure 2006038457
Figure 2006038457
更に前記一般式(I−1)は、下記一般式(T−1)で表されるスルホニウム塩であることがより好ましい。
Figure 2006038457
式中、RT11、RT12はアルキル基又は芳香族基を表し、該アルキル基は直鎖でも分岐を有しても、環状になってもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられ、該芳香族基としては、芳香族炭化水素環基でも芳香族複素環基でもよく、縮合環を有してもよく、例としては芳香族炭化水素基(フェニル、ナフチル等)、芳香族複素環基(フリル、チエニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル、トリアジル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリル、フタラジル等)等が挙げられる。上述したアルキル基又は芳香族基は、更に置換基を有してもよく、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成してもよく、縮合環を有してもよく、該置換基の例としては、上述したアルキル基の他に、アルケニル基(ビニル、アリル等)、アルキニル基(エチニル、プロパルギル等)、芳香族炭化水素基(フェニル、ナフチル等)、複素芳香族基(フリル、チエニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル、トリアジル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリル、フタラジル等)、複素環基(ピロリジル、イミダゾリジル、モルホリル、オキサゾリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ等)、シクロアルコキシ基(シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ、ナフチルオキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ等)、シクロアルキルチオ基(シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、スルファモイル基(アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、オクチルアミノスルホニル、ドデシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル、2−ピリジルアミノスルホニル等)、アシル基(アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、オクチルカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル、ドデシルカルボニル、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、ピリジルカルボニル等)、アシルオキシ基(アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、アミド基(メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、カルバモイル基(アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、2−エチルヘキシルアミノカルボニル、ドデシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、ナフチルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等)、ウレイド基(メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、オクチルウレイド、ドデシルウレイド、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、2−ピリジルアミノウレイド等)、スルフィニル基(メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、シクロヘキシルスルフィニル、2−エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル、2−ピリジルスルフィニル等)、アルキルスルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、2−ピリジルスルホニル等)、アミノ基(アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ等)、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素等)、弗化炭化水素基(フルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロフェニル等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シリル基(トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられ、これらの置換基は、上記の置換基によって更に置換されてもよく、又、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成しててもよい。RT11、RT12で表される、アルキル基もしくは芳香族基は、更に置換基を有しても、有してなくてもよいが、好ましくは、無置換のアルキル基もしくは芳香族基であるか、又はハロゲン原子が置換したアルキル基、もしくはアルコキシ基が置換した芳香族基であり、より好ましくは、無置換のアルキル基もしくは芳香族基であるか、又は弗素原子が置換したアルキル基、又はアルコキシ基が置換した芳香族基であり、弗素原子が置換したアルキル基の例としてはフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロフェニル等を挙げることができる。
T1は酸素原子又は硫黄原子を表し、スルホニウムイオンが結合したベンゼン環に対してオルト位もしくはパラ位に結合することが好ましく、パラ位で結合することがより好ましい。RT13、RT14は各々アルキル基、芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、該アルキル基、芳香族基は上述したRT11、RT12と同義の基を表し、該アルコキシ基、該アリールオキシ基としては、酸素原子に上述のRT11、RT12と同義の基が1箇所結合した基であり、例としてはアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、フルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロフェニル等)、シクロアルコキシ基(シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ、ナフチルオキシ等)等が挙げられ、該アルキルチオ基、アリールチオ基としては、硫黄原子に上述のRT11、RT12と同義の基が1箇所結合した基であり、例としてはアルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ等)、シクロアルキルチオ基(シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ、ナフチルチオ等)等が挙げられる。上述の芳香族基、アリールオキシ基、アリールチオ基は、縮合環を有してもよい。上述のアルキル基、芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基は更に置換基を有してもよく、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成してもよく、縮合環を有してもよく、該置換基の例としては、上述したRT11の置換基の例と同義の基を挙げることができ、これらの置換基は、更に置換基によって置換されてもよく、又、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成してもよい。
T13、RT14で表される、アルキル基、芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基は、更に置換基を有しても、有してなくてもよいが、好ましくは無置換のアルキル基、芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であるか、又は、ハロゲン原子が置換したアルキル基もしくはアルコキシ基が置換した芳香族基であり、より好ましくは、無置換のアルキル基、芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であるか、又は、弗素原子が置換したアルキル基、又は、アルコキシ基が置換した芳香族基であり、弗素原子が置換したアルキル基の例としてはフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロフェニル等を挙げることができる。
mt1は0〜4の整数を表し、好ましく0〜3であり、より好ましくは0〜2であり、nt1及びpt1は各々1〜5の整数を表し、好ましくは各々1〜3であり、より好ましくは各々1〜2である。複数個のRT12、RT13、RT14、は各々、同じでも異なっても良く、RT11とRT12あるいは複数個のRT12同士が結合して環を形成しても良く、RT12とRT13あるいは複数個のRT13同士が結合して環を形成しても良く、RT12とRT14あるいは複数個のRT14同士が結合して環を形成してもよく、RT12とRT14が結合して環を形成してもよい。RT13の少なくとも一つはスルホニウムイオンが結合したベンゼン環に対して、オルト位もしくはパラ位に結合することが好ましく、パラ位で結合することがより好ましい。RT14の少なくとも一つはスルホニウムイオンが結合したベンゼン環に対して、オルト位もしくはパラ位に結合することが好ましく、パラ位で結合することがより好ましい。
T1 -は対イオンを表し、該対アニオンとしては、前記一般式(b)のXb -と同様の対アニオンを挙げることができる。
以下に一般式(T−1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006038457
Figure 2006038457
Figure 2006038457
Figure 2006038457
Figure 2006038457
Figure 2006038457
(光重合促進剤)
光重合促進剤としては、アントラセン、アントラセン誘導体(旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−100等)、フェノチアジン(10H−フェノチアジン)、フェノチアジン誘導体が(10−メチルフェノチアジン、10−エチルフェノチアジン、10−デシルフェノチアジン、10−アセチルフェノチアジン10−デシルフェノチアジン−5−オキシド、10−デシルフェノチアジン−5,5−ジオキシド、10−アセチルフェノチアジン−5,5−ジオキシド等)が挙げられる。これらの光重合促進剤は1種又は複数を組み合わせて使用することができる。
(赤外線吸収剤)
次に赤外線吸収剤について述べる。赤外線吸収剤とは、近赤外線を有効に吸収する染料又は顔料であり、好ましくは波長760〜1500nmの赤外線を有効に吸収する染料又は顔料であり、更に好ましくは760〜1200nmの赤外線を有効に吸収する染料又は顔料である。これらの赤外線吸収剤は近赤外線領域に吸収極大を有することが好ましく、波長760〜1500nmに吸収極大を有することがより好ましく、波長760〜1200nmに吸収極大を有することが特に好ましい。
赤外線吸収剤は、可視光線領域の透明性を要求される用途や色再現性を要求される用途においては、その要求される可視光線領域の透明性、色再現性に実質的に影響を与えない範囲内で添加することが好ましい。本発明を実施するに当たり、使用者の所望する性能を発揮するために必要な種々の性能評価を検討の上、赤外線吸収剤の添加量を決定すればよい。特にインクのような色再現性を必要とされる用途においては、その色再現に実質的に影響を与えない範囲内で添加することが好ましい。具体的には、重合性化合物の全質量に対して0.0001〜10質量%、好ましくは0.0001〜5質量%、更に好ましくは0.001〜1質量%であることが好ましい。
インクジェット用イエローインク組成物に含まれる赤外線吸収剤が、該赤外線吸収剤の極大吸収波長の吸光度を1とした時に630〜690nmの間の吸光度が0.15以下の赤外線吸収剤であれば、イエローインク組成物に使用する赤外線吸収剤の緑色光領域の吸収が、実質的にイエローインク組成物の硬化後の色再現性に影響を与えない上、充分にイエローインク組成物のインク硬化性を向上させ、かつ、インクジェット用シアンインク組成物に含まれる赤外線吸収剤が、該赤外線吸収剤の極大吸収波長の吸光度を1とした時に410〜460nmの間の吸光度が0.15以下であれば、シアンインク組成物に使用する赤外線吸収剤の青色光領域の吸収が、実質的にシアンインク組成物の硬化後の色再現性に影響を与えない上、充分にシアンインク組成物のインク硬化性を向上させ、更に、各々のインク組成物の基材密着性や色滲みにを格段に向上させ、優れた硬化性と優れた画質を両立した画像が得られるので好ましい。
吸光度の測定は、一般的な紫外〜赤外域まで測定可能な分光光度計を用いて測定する。吸光度を測定する溶媒としては、一般的な有機溶媒を用いてもよく、又、本発明中の重合性化合物に溶解して測定してもよい。
近赤外線を有効に吸収する染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧(有機合成化学協会編集,昭和45年刊)」等の文献に記載されている公知のものの中で、近赤外線領域に極大吸収を有するものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料(メロシアニン染料を含む)、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料の中で、近赤外線領域に極大吸収を有するものが挙げられる。
本発明に使用される近赤外線を有効に吸収する顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧(日本顔料技術協会編,1977年刊)」、「最新顔料応用技術(CMC出版,1986年刊)」、「印刷インキ技術(CMC出版,1984年刊)」に記載されている中で、近赤外線領域に極大吸収を有する顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機酸化錫、インジウム系化合物、無機顔料の中で近赤外線領域に極大吸収を有する顔料が使用できる。
本発明における赤外線吸収剤として好ましくは近赤外線を有効に吸収する染料であり、具体的には、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料(メロシアニン染料を含む)、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体であり、より好ましくは、フタロシアニン染料、キノンイミン染料、シアニン染料(メロシアニン染料含む)、スクワリリウム色素の染料の中で近赤外線領域に極大吸収を有するものが挙げられる。
赤外線吸収剤の好ましい例としては、特開2001−117201号記載の一般式1〜一般式8又は一般式11で表される化合物であり、具体的には同公報11〜25頁に記載の例示化合物(1)−1〜(1)−24、(2)−1〜(2)−38、(3、5)−1〜(3、5)−6、(4、6)−1〜(4、6)−6、P−1〜P−26、1〜15が挙げられ、特開2000−160042号記載の一般式(1)〜(3)で表される化合物であり、具体的には同公報8〜15頁に記載の例示化合物S1〜S42が挙げられ、特許番号2633086号記載の請求項1〜14に記載の式で表される化合物であり、具体的には、同公報15〜18頁に記載の例示化合物(IR1)〜(IR8)で表される化合物が挙げられ、特開2004−117705号記載の一般式(a)、一般式(a−1)〜(a−4)、一般式(b)〜(f)で表される化合物であり、具体的には同公報29〜41頁に記載の例示化合物が挙げられ、特開2004−66482号26〜29頁に記載の例示化合物(IR−1)〜(IR−29)であり、特開2004−98332号33〜34頁に記載の例示化合物(IR−1)〜(IR−11)であり、特開2004−77763号記載の一般式(a)〜一般式(d)で表される化合物であり、具体的には同公報23〜30頁に記載の例示化合物が挙げられ、特開平10−140022号記載の一般式(I)で表される化合物であり、具体的には同公報6〜8頁記載の例示化合物(1)〜(57)が挙げられ、特開2002−187879号記載の一般式(1)で表される化合物であり、具体的には同公報7〜23頁記載の例示化合物(1)〜(51)が挙げられ、特開平9−188689号請求項1に記載の化合物であり、特開2004−10822号の請求項1又は2に記載の化合物であり、特開平7−191492号に記載の一般式(1)、(2)、一般式(4)〜(8)で表される化合物であり、特開2003−55643号記載の式(1)で表される化合物であり、具体的には同公報5〜6頁に記載の実施例1〜4、実施例7、8で製造された化合物が挙げられ、特開2000−35689号の請求項1に記載の一般式で表される化合物であり、具体的には同公報4〜5頁記載の実施例1〜3で使用する化合物が挙げられ、又、ORGANICA社カタログ記載の化合物Dye1451、化合物BDN(CAS.38465−55−3)、日本化薬社製KAYASORB IRG−022、KAYASORB IRG−040、KAYASORB IRG−050、KAYASORB IR−820(B)、KAYASORB CY−10、SYNTON社カタログ記載の化合物ST1139、ST971、ST946、ST1226、ST959、ST990、ST1844、ST186、ST84、ST1133、ST380、ST798、ST1291、ST1292、ST1458等を挙げることができる。
(インク組成物の粘度)
本発明のインクジェット用インクセットは、各々のインク組成物の粘度が30℃において1〜1000mPa・sであることが好ましい。より好ましくは粘度が30℃において1〜500mPa・sであることが好ましい。インク組成物が上記粘度範囲にあることで、例えばインク組成物を多孔質な材料内のサブミクロンオーダーレベルの微細な孔の内部へも短時間で浸透せしめることができたり、又、逆に吸収性のある基材へのインク組成物の浸透を適度に防ぎたい場合には、適度な粘度に調整することで、より一層の硬化促進を可能にすることができる。更には、粘度が30℃において10〜500mPa・sであることが好ましく、これは、吸収性のある記録媒体へのインクの浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、着弾時のドット滲みを抑えることが出来、画質が改善される。又、表面張力の違う基材間でも同じようなドットが形成されるため、同じような画質が得られるので好ましい。本発明のインクジェット用インク組成物を実際に使用するに際し、使用者の所望する性能を発揮するために必要な種々の性能評価を検討の上、インク組成物の粘度を決定すればよい。
(活性光線照射)
本発明においては、紫外線、赤外線、可視光線などを総称して活性光線とも称する。
インクジェット用インクに赤外線を照射する場合、赤外線源は、本発明を実際に使用するに当たり、使用者の所望する性能を発揮するために必要な種々の性能評価を検討の上、使用者にとって好適な赤外線源を決定すればよい。
赤外線源の例としては、例えば通常の赤外線ランプの他に、キセノンフラッシュランプ、キセノンランプ、キセノンショートアークランプ、近赤外線ハロゲンヒーター、赤外LED、赤外線レーザー等を挙げることができる。好ましくはキセノンフラッシュランプ、キセノンランプ、近赤外線ハロゲンヒーター、赤外LED、波長700〜1500nmの赤外線を放射する固体レーザー又は半導体レーザーである。赤外線と紫外線は同じ光源から照射してもよく、それぞれ別個に赤外線源と紫外線源を設置し、照射してもよい。赤外線源から同時に放射される赤外線以外の紫外線や可視光線がある場合、赤外線以外の光線を光線フィルター等で遮蔽することなく赤外線と同時に利用すると、装置が小型化できることになり、より好ましい。更に補助的に別の赤外線源や紫外線源を併用してもよい。
インクジェット用インクに赤外線と紫外線を照射する場合、赤外線を先に照射してもよく、逆に紫外線を先に照射してもよく、赤外線と紫外線を同時に照射してもよい。又、紫外線と赤外線のどちらか一方を連続的に照射し、どちらかを周期的(一定周期のストロボ発光など)に照射してもよい。赤外線と紫外線の照射法方については何ら制限は無く、本発明を実際に使用するに当たり、使用者の所望する性能を発揮するために必要な種々の性能評価を検討の上、使用者にとって好適な方式を採用すればよい。
(色材)
本発明で用いる色材は染料もしくは顔料である。本発明のインクジェット用インク組成物においては、色材濃度として、インク全体の1〜10質量%であることが好ましい。インクジェット用インク組成物のセットで用いる色材としては、重合性化合物の主成分に溶解又は分散できる色材が使用できる。色材としては染料と顔料が使用できるが、耐候性の点から顔料が好ましい。
まず染料について述べる。染料としては油溶性染料が好ましい。本発明のインク組成物のセットに使用する油溶性染料は、退色、特にオゾン等の酸化性物質に対する耐性を向上させるために、酸化電位が高いことが望ましい。油溶性染料の酸化電位は1.0V(vs
SCE)よりも高いことが望ましい。酸化電位は高いほうが好ましく、1.1V(vs
SCE)よりも高いものがより好ましく、1.2V(vs SCE)より高いものが更に好ましく、1.3V(vs SCE)より高いものが特に好ましい。
酸化電位の値(Eox)の測定方法に関しては、例えばP.Delahay著「NewInstrumental Methods in Electrochemistry(1954年,Interscience Publishers社刊)」やA.J.Bard他著「Electrochemical Methods(1980年,JohnWiley&Sons社刊)」、藤嶋昭他著「電気化学測定法(1984年,技報堂出版社刊)」に記載されている。具体的には、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶剤中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6モル/リットル溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10mV程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
本発明では、電位を一義的に規定するため、0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染料の濃度は0.001moldm-3)で直流ポーラログラフィーにより測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
Eoxの値は試料から電極への電子の移りやすさを表し、その値が大きい(酸化電位が高い)ほど試料から電極への電子が移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより高くなり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより低くなる。従って、置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であるハメットの置換基定数σp値を用いれば、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のようにσp値が大きい置換基を導入することにより酸化電位をより高くすることができると言える。
次に本発明に使用できる油溶性染料について述べる。
マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができ、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;カップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;アリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;ナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドン等のようなキノン系染料;ジオキサジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることができる。
中でも、特開2004−175874号に記載される一般式(I−1a)で表される、ピロール、イソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾチアゾール等の5員複素環とピリジン環を結合したヘテリルアゾ染料が好ましく、具体的にはa−1〜a−36、b−1〜b−8、c−1〜c−5、d−1〜d−5、e−1〜e−5で例示される。
シアン染料としては、任意のものを使用することができ、例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料あるいはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。
中でも、上記特開2004−175874号に記載される一般式(A−1)、更には一般式(A−II)で表されるフタロシアニン金属錯体が好ましく、具体的にはAI−1〜AI−3及びAII−1〜AII−28で例示される。
イエロー染料としても、任意のものを使用することができが、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;ナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
中でも、上記特開2004−175874号に記載の一般式(Y−I)、更には一般式(Y−II)、(Y−III)、(Y−IV)で表される、チアジアゾール、イミダゾール等の5員複素環と5−アミノピラゾール環を結合したヘテリルアゾ染料が好ましく、具体的にはY−101〜Y−160を挙げることができる。
前記油溶性染料がモノマーに溶解するのは必須であるが、経時での結晶析出がないことも重要である。一般にモノマーの溶解性パラメーター(以下、SP値と言う)と油溶性染料のSP値が近い方が良いと言われているが、溶解する分子(本発明では油溶性染料)と溶剤(本発明ではモノマー)の構造に依存する部分があるため、SP値のみで解釈できない場合がある。一般式(Y−I)、(Y−II)、(Y−III)及び(Y−IV)の油溶性染料の場合、分子体積V値とSP値の物性値を用いることで、溶解性と経時保存安定性に優れることを見い出した。
SP値は26〜21が好ましく、25〜21がより好ましく、24〜21が更に好ましく、24〜22が特に好ましい。V値は810〜270が好ましく、800〜300がより好ましく、750〜350が更に好ましく、700〜380が特に好ましい。ここでV値(cm3/mol)、SP値(J0.5/cm1.5)は、Fedorsの方法により計算した値である。これらの算出方法はPolym.Eng.Sci.14巻(1974年)147頁に記載されている。
前記の各染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更には、それらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
これら油溶性色素のインク組成物における含有量としては、インク組成物に対して0.05〜40質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%が更に好ましく、2〜10質量%が特に好ましい。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I.Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、81、83、87、95、109、42、
C.I.Pigment Orange−16、36、38、
C.I.Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101、
C.I.Pigment Violet−19、23、
C.I.Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
C.I.Pigment Green−7、36、
C.I.Pigment White−6、18、21、
C.I.Pigment Black−7、
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。又、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズが挙げられる。又、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤又は重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる活性光線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤ではなく重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化の感度を維持することができる。
本発明は、上記説明した構成要素の他に、各種の添加剤を用いることができる。
本発明においては、吐出安定性、保存性を向上させる目的で、熱塩基発生剤も用いることができる。
熱塩基発生剤としては、例えば、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位、ベックマン転位等の反応により分解してアミン類を放出する化合物や、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが好ましく用いられる。具体的には、英国特許第998,949号記載のトリクロロ酢酸の塩、米国特許第4,060,420号に記載のアルファースルホニル酢酸の塩、特開昭59−157637号に記載のプロピール酸類の塩、2−カルボキシカルボキサミド誘導体、特開昭59−168440号に記載の塩基成分に有機塩基の他にアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いた熱分解性酸との塩、特開昭59−180537号に記載のロッセン転位を利用したヒドロキサムカルバメート類、加熱によりニトリルを生成する特開昭59−195237号に記載のアルドキシムカルバメート類等が挙げられる。その他、英国特許第998,945号、米国特許第3,220,846号、英国特許第279,480号、特開昭50−22625号、同61−32844号、同61−51139号、同61−52638号、同61−51140号、同61−53634号〜同61−53640号、同61−55644号、同61−55645号等に記載の熱塩基発生剤が有用である。更に具体的に例を挙げると、トリクロロ酢酸グアニジン、トリクロロ酢酸メチルグアニジン、トリクロロ酢酸カリウム、フェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−クロロフェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−メタンスルホニルフェニルスルホニル酢酸グアニジン、フェニルプロピオール酸カリウム、フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルプロピオール酸セシウム、p−クロロフェニルプロピオール酸グアニジン、p−フェニレン−ビス−フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルスルホニル酢酸テトラメチルアンモニウム、フェニルプロピオール酸テトラメチルアンモニウムがある。上記の熱塩基発生剤は広い範囲で用いることができる。
本発明のインクジェット用インク組成物には、特開平8−248561号、同9−34106号をはじめとし、既に公知となっている活性光線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を含有することも可能である。
本発明のインクジェット用インク組成物は、活性エネルギー線硬化性化合物、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。予め、顔料高濃度の濃縮液を調製しておき、活性エネルギー線硬化性化合物で希釈することが好ましい。通常の分散機による分散でも充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としないため、インク成分の分散時の変質を招きにくく、安定性に優れたインクが調製される。インクは、孔径3μm以下、更には1μm以下のフィルターにて濾過することが好ましい。
又、本発明のインクジェット用インク組成物は、ピエゾヘッドにおいては、10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインクとすることが好ましい。又、コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には、0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
本発明においては、インクジェット用インク組成物の25℃における表面張力が、25〜40mN/mの範囲にあることが好ましい。25℃におけるインクの表面張力が25mN/m未満では、安定した出射が得られにくく、又40mN/mを越えると所望のドット径を得ることができない。25〜40mN/mの範囲外では、本発明のように、インクの粘度や含水率を制御しながら出射、光照射しても、様々な支持体に対して均一なドット径を得ることが困難となる。
表面張力を調整するために、必要に応じて、界面活性剤を含有させてもよい。本発明に係るインクに好ましく使用される界面活性剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤、重合性基を有する界面活性化合物などが挙げられる。これらの中で特に、シリコーン変性アクリレート、弗素変性アクリレート、シリコーン変性エポキシ、弗素変性エポキシ、シリコーン変性オキセタン、弗素変性オキセタンなど、不飽和結合やオキシラン、オキセタン環など重合性基を有する界面活性化合物が好ましい。
本発明のインクジェット用インク組成物には、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。記録媒体との密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その使用量は0.1〜5%の範囲であり、好ましくは0.1〜3%である。又、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
本発明の画像形成方法においては、インク組成物をインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる。
本発明の画像形成方法においては、インク出射時にはインクをインクジェットノズルごと加温し、インク液を低粘度させることが好ましい。加熱温度としては、30〜80℃、好ましくは35〜60℃である。
本発明において、インクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・しわの問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため使えない。又、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。
本発明においては、高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早い方が好ましいが、本発明においては、インクの粘度又は含水率が好ましい状態となるタイミングで光照射を開始することが好ましい。
詳しくは、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜2.0秒の間に活性光線照射を開始することが好ましく、より好ましくは0.001〜0.4秒である。又、0.1〜3秒後、好ましくは0.2〜1秒以内に、インクの流動性が失われる程度まで光照射を行なった後、終了させることが好ましい。上記条件とすることにより、ドット径の拡大やドット間の滲みを防止することができる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、記録ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式で記録ヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源を記録ヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらのいずれの照射方法も用いることができる。
又、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、かつ、全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
活性光線照射で用いる光源の例としては、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプ、低圧水銀ランプ、UVレーザー、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LEDをなどがあるが、これらに限定されないが、この中でも蛍光管が低エネルギー・低コストであり、好ましい。光源波長としては250〜370nm、好ましくには270〜320nmに発光波長のピークがある光源が、感度の点で好ましい。照度は、1〜3000mW/cm2、好ましくは1〜200mW/cm2である。又、電子線により硬化させる場合には、通常300eVの以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
本発明を用いて、被記録媒体(基材ともいう)への画像印字を行うが、被記録媒体としては、従来各種の用途で使用されている広汎な合成樹脂を全て用いることができ、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等が挙げられ、これらの合成樹脂基材の厚みや形状は何ら限定されない。
本発明で用いることのできる基材としては、通常の非コート紙、コート紙などの他に、非吸収性支持体を用いることができるが、その中でも、基材として非吸収性支持体を用いることが好ましい。
本発明においては、非吸収性支持体としては、各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。又、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録材料の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含むが、基材として、濡れ指数が40〜60mN/mであることが好ましい。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作成効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
実施例1
〈インクセットの調製〉
(インクジェット用インク組成物の調製)
表1及び表2記載の組成から成るインクジェット用インク組成物(インク組成物と略記)を、それぞれ調製した。
インク組成物は、重合開始剤を除く各組成物に分散剤ソルスパース24000(Avecia社製)を加えた後、サンドグラインダーを用いて4時間分散した後、重合開始剤を添加し、0.8μmのメンブランフィルターで濾過を行った後、50℃に加熱しながら減圧脱水を行って調製した。表中、インク色欄のCはシアンインク、Mはマゼンタインク、Yはイエローインクを表す。
〈粘度の測定〉
上記各インク組成物を、振動式粘度計を用い30℃での粘度を測定し、下記基準により評価した。
3:500mPa・s未満
2:500〜1000mPa・s
1:1000mPa・sより高粘度
結果を表1、表2に併せて示す。
〈画像記録〉
得られた各インク組成物を、液滴サイズ7pLが得られるピエゾタイプのインクジェットノズル(ノズルピッチ360dpi、ここでdpiとは1インチ即ち2.54cm当たりのドット数を表す)を、ノズル部分を50℃に加熱制御し、コロナ処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム基材に出射し、ベタ画像(インク液付き量10g/m2)と6ポイントMS明朝体文字を印字した。光源として308nmに主ピークを持つ蛍光管を用い、光源直下の基材面の照度1mW/cm2の条件で、着弾後0.1秒後に露光を開始し、0.5秒後に露光を終了させた。尚、露光エネルギーは3mJ/cm2であった。
又、蛍光菅と並列に赤外フラッシュランプを設置し、蛍光菅による露光開始と同時に赤外フラッシュランプ(発光面の発光エネルギー1.5J/cm2)を着弾後0.05秒後及び0.25秒後の計2回照射した。この画像印字を30℃・85%RH(相対湿度)の環境下にて行った。比較の為、赤外線を照射しない試料も作成した。赤外線照射の有無も併せて表1及び表2に示す。
Figure 2006038457
Figure 2006038457
表1,2中の色材、重合性化合物、重合開始剤、赤外線吸収剤の構造は以下の通り。
色材1:C.I.pigment Blue−15:3
色材2:C.I.pigment Red−57:1
色材3:C.I.pigment Yellow−13
RPC−A(ラジカル重合性化合物A):テトラエチレングリコールジアクリレート
RPC−B(ラジカル重合性化合物B):εカプロラクタム変性ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート
RPC−C(ラジカル重合性化合物C):フェノキシエチルメタクリレート
CPC−A(カチオン重合性化合物A):セロキサイド3000(ダイセルUCB社製)
CPC−B(カチオン重合性化合物B):セロキサイド2021P(ダイセルUCB社製)
CPC−C(カチオン重合性化合物C):OXT−221:ジ〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル(東亞合成社製)
CPC−D(カチオン重合性化合物D):OXT−212:3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成社製)
CPC−E(カチオン重合性化合物E):エポリードGT401(ダイセル化学工業社製)
EP−17:本願例示化合物
開始剤1:イルガキュア−907(チバガイギー社製)
開始剤2:サイラキュアUVI6990(ユニオンカーバイド社製)
開始剤3:CI2855(日本曹達社製)
TAS−13:本願例示化合物
赤外線吸収剤A:特開2001−117201号の例示化合物P−1
赤外線吸収剤B:KAYASORB IRG−022(日本化薬社製)
赤外線吸収剤C:KAYASORB IR−820(B)(日本化薬社製)
赤外線吸収剤D:ビス−(4,5−ビス−ジメチルアミノ−1,2−ベンゼンジチオレン)ニッケルテトラブチルアンモニウム(特開平9−188689号の請求項1記載化合物)
赤外線吸収剤E:特開2001−117201号の例示化合物P−4
Figure 2006038457
以下に、赤外線吸収剤の赤外極大波長での吸光度を1とした時の可視光領域の吸光度の割合を示す。吸光度はカチオン重合性化合物C(CPC−C)を溶媒にして測定した。
赤外線吸収剤 赤外極大の吸光度に対する 赤外極大の吸光度に対する
410〜460nmの間の 630〜690nmの間の
最大吸光度の割合 最大吸光度の割合
A ≧0.1 ≧0.1
B 0.125 ≧0.1
C ≧0.1 0.35
D 0.4 0.13
E ≧0.1 0.2
以上のようにして得られた各色画像について、以下の評価を行った。4及び3が実用上問題ない硬化性である。
《インク硬化性》
印字画像について、下記の基準に則りインク硬化性を評価した。
4:露光終了直後に触っても画像はタッキネスがない
3:露光終了直後に触ると画像はタッキネスが極若干あるが、問題なく使用可能な
硬化性
2:露光終了直後に触ると画像はタッキネスが若干あるが、1分後にはタッキネスが無くなる
1:露光終了1分後でもタッキネスが残る
《基材接着性》
ベタ画像上に、幅25mmのセロテープ(登録商標)を貼り付けて強く圧着した後、90度の剥離角度で素早く剥離し、剥離後の画像の状態を目視観察し、下記の基準に則り基材接着性を評価した。3が実用上問題ないレベルである。
3:テープ剥離でも画像は剥がれない
2:テープ剥離で画像が一部剥がれる
1:テープ剥離で画像が全て剥がれる
《画像滲み耐性》
6ポイントMS明朝体文字をルーペで観察し、隣り合うドットの状態を観察し、下記の基準に則り画像滲み耐性の評価を行った。3が実用上問題ないレベルである。
3:2ドット間の滲みが殆どない
2:2ドット間の滲みが僅かに見られる
1:ドットが大きく滲む
《色再現性》
イエローベタ画像部、シアンベタ画像部に関してのみ評価した。ベタ画像上の画像の状態を目視観察し、下記の基準に則り色再現の評価を行った。
2:イエローベタ画像部もしくはシアンベタ画像部に、色濁りは全く見られない
1:イエローベタ画像部もしくはシアンベタ画像部に、明らかな色濁りが観察された。
《ベタ画像部の光沢感》
イエローベタ画像部、シアンベタ画像部に関してのみ評価した。ベタ画像部面に対して正面から目視観察した場合と、斜め45°から目視観察した場合のベタ画像部の光沢感を、10人の観察者の官能評価により判断し、光沢感の評価とした。即ち、イエローベタ、シアンベタ画像の両方とも、斜めから見た場合の光沢が適度なグロス感を有しつつ、イエローもしくはシアンの色が確認できるかどうかで判断した。4及び3が、実用上問題ないレベルである。
4:イエロー、シアン共に光沢感良好と回答した人数が9人以上
3:イエロー、シアン共に光沢感良好と回答した人数が6人以上
2:イエロー、シアン共に光沢感良好と回答した人数が5人以下
1:イエロー、シアン共に光沢感良好と回答した人数が1人以下
結果を表3に示す。
Figure 2006038457
表3より明らかなように、本発明のインクセットは、インクの色毎による硬化性、基材密着性のバラツキが大きく改善され、尚かつ、色再現性と格段に優れたインク硬化性が両立し、基材密着性に優れ、滲みのない高品位で、イエローベタ画像、シアンベタ画像の両方とも画像部の光沢感が極めて良好な画像が得られることが判る。
実施例2
実施例1の記録用基材PETに代えて表4に示す基材を用いて画像記録した以外は、実施例1と同様にしてインクセット及び画像試料を作製し、同様の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2006038457
表4より明らかなように、本発明のインクセットは、格段に優れたインク硬化性を示し、基材密着性に優れ、滲みのない高品位で、イエローベタ画像、シアンベタ画像の両方とも画像部の光沢感が極めて良好な画像が、様々な基材を使用しても得られることが判る。
本発明により、各々のインクジェット用インク組成物の色再現性とインク硬化性を高い次元で両立し、更に、基材密着性に優れ、滲みのない高品位で、ベタ画像部の光沢感が非常に好適な画像を得られるインクジェット用インクセット、インクジェット用インクセットの重合方法、インクジェット用インクセットを用いた画像形成方法を提供することができた。

Claims (8)

  1. 少なくとも1種類のイエロー色材を含むインクジェット用イエローインク組成物,少なくとも1種類のマゼンタ色材を含むインクジェット用マゼンタインク組成物,少なくとも1種類のシアン色材を含むインクジェット用シアンインク組成物を含むインクセットにおいて、各インク組成物が下記a),b)及びc)を少なくとも1種ずつ含有し、かつ、各インクジェット用インク組成物の内、インクジェット用イエローインク組成物とインクジェット用シアンインク組成物では含有される赤外線吸収剤が同一ではないことを特徴とするインクジェット用インクセット。
    a)一つ以上の重合性基を有する化合物
    b)赤外線を吸収して熱を発生する化合物(赤外線吸収剤)
    c)重合開始剤
  2. 前記一つ以上の重合性基を有する化合物が、カチオン重合性を有することを特徴とする請求の範囲第1項記載のインクジェット用インクセット。
  3. 前記重合開始剤が、活性光線の照射により活性種を発生する重合開始剤であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載のインクジェット用インクセット。
  4. 各インクジェット用インク組成物の30℃における粘度が10〜500mPa・sの範囲にあることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項記載のインクジェット用インクセット。
  5. 前記赤外線吸収剤が760〜1500nmに極大吸収波長を有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項記載のインクジェット用インクセット。
  6. インクジェット用イエローインク組成物に含まれる赤外線吸収剤が、該赤外線吸収剤のインク中での極大吸収波長の吸光度を1とした時に630〜690nmの間の吸光度が0.15以下の赤外線吸収剤であり、かつインクジェット用シアンインク組成物に含まれる赤外線吸収剤が、該赤外線吸収剤のインク中での極大吸収波長の吸光度を1とした時に410〜460nmの間の吸光度が0.15以下であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項記載のインクジェット用インクセット。
  7. 請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項記載のインクジェット用インクセットのインクジェット用インク組成物を、各々選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも一つのノズルを有する記録ヘッドで、記録材料上にインク滴を吐出することにより基材面上へ噴射し、インク滴が着弾した後、赤外線と紫外線を照射することでインクを硬化させることを特徴とする画像形成方法。
  8. 赤外線と紫外線を同時に照射することでインクを硬化させることを特徴とする請求の範囲第7項記載の画像形成方法。
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