WO2018225748A1 - 組成物、硬化膜の製造方法及び電子部品 - Google Patents

組成物、硬化膜の製造方法及び電子部品 Download PDF

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Abstract

高温高湿下などの過酷な環境下であっても絶縁性を維持できる硬化膜を形成可能な組成物、及び前記硬化膜の製造方法を提供する。 本発明に係る組成物は、ラジカル重合性化合物、光ラジカル発生剤、及び光カチオン発生剤を含有する組成物であって、前記組成物の全質量を100質量%としたきに、ハロゲン原子を0.5ppm以上100ppm以下含有する。

Description

組成物、硬化膜の製造方法及び電子部品
 本発明は、組成物、硬化膜の製造方法及び電子部品に関する。
 回路基板などの電子部品には、配線や電極などの様々な金属が用いられており、そして金属間の電気的短絡を防ぐために絶縁膜が用いられている。絶縁膜には、ソルダーレジストなどの組成物から露光・現像により形成されるパターン化した硬化膜が用いられている(例えば、特許文献1~2参照)。
特開2006-028497号公報 特開2006-243161号公報
 近年の電子部品の小型化に伴い、配線間距離が狭くなってきており、電子部品の小型化には、配線間に用いられる絶縁膜の絶縁性が益々重要となってきている。特に回路基板などの電子部品は、高温高湿下などの過酷な環境下で用いられることもあり、電子部品に用いられる絶縁膜は、このような過酷な環境下であっても絶縁性を維持できる必要がある。しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されている材料は、高温高湿下などの過酷な環境下で用いられると絶縁劣化となりやすく、更なる改良が求められていた。
 そこで、本発明に係る幾つかの態様は、前記課題の少なくとも一部を解決することで、高温高湿下などの過酷な環境下であっても絶縁性を維持できる硬化膜を形成可能な組成物、及び前記硬化膜の製造方法を提供する。
 本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
 [適用例1]
 本発明に係る組成物の一態様は、
 ラジカル重合性化合物、光ラジカル発生剤、及び光カチオン発生剤を含有する組成物であって、
 前記組成物の全質量を100質量%としたときに、ハロゲン原子を0.5ppm以上100ppm以下含有する。
 [適用例2]
 上記適用例の組成物において、
 さらに、前記組成物の全質量を100質量%としたときに、水を0.01質量%以上1質量%以下含有することができる。
 [適用例3]
 上記適用例のいずれかの組成物において、
 さらに、前記組成物の全質量を100質量%としたときに、硫黄原子を0.01質量%以上2質量%以下含有することができる。
 [適用例4]
 上記適用例のいずれかの組成物において、
 前記ラジカル重合性化合物が、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリレート及びラジカル重合性基を有する重合体を含有することができる。
 [適用例5]
 上記適用例のいずれかの組成物において、
 さらに、カチオン反応性化合物を含有することができる。
 [適用例6]
 本発明に係る硬化膜の製造方法の一態様は、
 上記適用例のいずれかの組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成する工程と、
 前記塗布膜を露光する工程と、
を含む。
 [適用例7]
 本発明に係る電子部品の一態様は、
 上記適用例のいずれかの組成物を用いて作成された硬化膜を有する。
 本発明に係る組成物によれば、高温高湿下などの過酷な環境下であっても絶縁性を維持できる硬化膜を形成することができる。また、本発明に係る組成物の幾つかの態様によれば、上記効果に加えて、保存安定性にも優れ、かつ、硬化性及び(基材等との)密着性にも優れる硬化膜を形成することができる。
 本発明に係る電子部品は、前記硬化膜を有することで、埃、熱、湿気などの外部環境から回路パターンを保護できるとともに回路パターン間の絶縁信頼性に優れ、長年にわたって安定して動作させることが可能となる。
図1は、実施例の<絶縁性の評価>で用いた、銅配線を有する基板を模式的に示す平面図である。 図2は、図1のA-A’線に沿った断面図である。
 以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸~」とは、「アクリル酸~」及び「メタクリル酸~」の双方を包括する概念である。また、「~(メタ)アクリレート」とは、「~アクリレート」及び「~メタクリレート」の双方を包括する概念である。
 本明細書において、「~」を用いて記載された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味である。
 1.組成物
 本発明に係る組成物は、ラジカル重合性化合物、光ラジカル発生剤、及び光カチオン発生剤を含有する組成物であって、組成物の全質量を100質量%としたときに、ハロゲン原子を0.5ppm以上100ppm以下含有する。以下、本実施形態に係る組成物に含まれる各成分について説明する。
 1.1.ラジカル重合性化合物
 ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性基(官能基)を有する化合物であり、光ラジカル発生剤の存在下において紫外線等の光を照射することで発生するラジカルにより反応する化合物である。ラジカル重合性化合物が有するラジカル重合性基としては、ラジカル重合性不飽和結合を有する基が好ましい。また、本実施形態に係る組成物は、ラジカル重合性化合物を2種以上併用することが好ましく、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリレート及びラジカル重合性基を有する重合体を併用することがより好ましい。
 本実施形態に係る組成物がラジカル重合性基を有する重合体を含有する場合、ラジカル重合性基を有する重合体の含有割合は、前記組成物に含まれる固形分100質量部に対し、10~80質量部が好ましく、20~70質量部がより好ましい。
 本実施形態に係る組成物がラジカル重合性基を有する(メタ)アクリレート及びラジカル重合性基を有する重合体を併用する場合、ラジカル重合性基を有する化合物の含有割合は、前記組成物に含まれる固形分100質量部に対して、10~80質量部が好ましく、20~70質量部がより好ましい。
 1.1.1.ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリレート
 本明細書において「ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリレート」とは、2個以上のラジカル重合性基を有する多官能(メタ)アクリレートのことをいう。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとを反応させて得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート、及び水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートと酸無水物とを反応させて得られるカルボキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートは、カチオン重合性基であるエポキシ基を有していてもよい。
 ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシメチルエチルエーテル、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシエチルエーテル、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ-プロポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、及びビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート等の二官能アクリレート;
 トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、プロポキシ変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ブトキシ変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ブトキシ変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、及びカプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物等の三官能以上のアクリレート;並びに
エポキシ(メタ)アクリレートと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、及び水添フタル酸等のカルボン酸、アルコール性化合物、又はフェノール性化合物などとの反応によって得られる化合物、及びアルキレングリコールジグリシジルエーテル又はポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応物;が挙げられる。
 これらの中でも、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ブトキシ変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ブトキシ変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、及びカプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上の(メタ)アクリレートが高温高湿下であっても絶縁性を維持できる硬化膜を形成しやすいことから好ましい。
 1.1.2.ラジカル重合性基を有する重合体
 ラジカル重合性基を有する重合体は、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、例えば下記一般式(1)又は(9)で示される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rは、置換基を有してもよい炭素数1~12の分岐状若しくは鎖状アルキル基、置換基を有してもよい炭素数5~20の脂環式アルキル基、窒素原子、硫黄原子若しくは酸素原子を含む複素環基、ベンジル基、ナフチル基、又はアントラニル基である。Xは、式(2)~(4)で示される基のいずれかであり、式(4)中、nは、2~6の整数であり、式(2)~(4)の各々における*の結合手が酸素と結合する。Yは、式(5)~(8)で示される基のいずれかであり、式(5)中、mは、2~6の整数であり、式(7)中、p1及びp2は、それぞれ独立に、2又は3であり、式(8)中、Rは、水素原子又はメチル基であり、*の結合手が酸素と結合する。式(9)中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はハロゲン原子であり、Lは、1~5の整数であり、rは、2~12の整数であり、Rは、水素原子又はメチル基である。
 式(1)及び(9)の繰り返し単位において、R、R、R、R及びR、並びにR、R及びRは、重合体中に複数種のものを含んでいてよい。すなわち、これらの重合体の構成原料であるエチレン性不飽和結合含有単量体及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体は、それぞれ、複数種の単量体の混合物を用いることができる。
 また、これらの重合体は、それぞれ以下の反応式に従って合成することができる。式(11)~(17)で示される繰り返し単位を有する重合体の原料である式(18)又は(19)で示される繰り返し単位を有する重合体は、メタクリル酸とメタクリル酸メチル、又はメタクリル酸メチルとメタクリル酸2-ヒドロキシエチルエステルとを、重合開始剤の存在下、加熱し重合させることによって得ることができる。また、式(18)又は(19)で示される繰り返し単位を有する重合体に対し、式(20)~(26)で示されるグリシジル基、エポキシシクロヘキシル基又はイソシアネート基を有するメタ(アクリロイル)基含有化合物を反応させることによって、式(11)~(17)で示される繰り返し単位を有する重合体を得ることができる。この反応は、カルボキシ基又はヒドロキシ基由来の酸素アニオン又は酸素原子上の不対電子が、エポキシ炭素あるいはイソシアネート炭素を求核攻撃し、それらの間に結合が生成されることで進行すると考えられる。なお、式(22)~(25)で示されるイソシアネート基を有するメタ(アクリロイル)基含有化合物は、それぞれ、カレンズMOI、カレンズAOI、カレンズMOI-EG及びカレンズBEIの商品名(昭和電工株式会社製)で市販されている。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 ラジカル重合性基を有する重合体が(メタ)アクリロイル基を有する場合、例えば、特開2011-90163号公報、特開2010-128007号公報、特開2015-184675号公報等に記載された方法で合成することができる。ラジカル重合性基を有する重合体は、ラジカル重合性基(好ましくはラジカル重合性不飽和結合を有する基)を有する繰り返し単位を含有するが、硬化膜を形成することができればそれ以外の繰り返し単位は特に限定されない。
 ラジカル重合性基を有する重合体を合成するために使用できる単量体としては、例えば、モノカルボン酸、ジカルボン酸、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル、両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、カルボキシ基を有する多環式化合物及びその無水物、フェノール性水酸基を有する不飽和化合物、オキシラニル基を有する不飽和化合物、オキセタニル基を有する不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、不飽和カルボン酸エステル、マクロ単量体等が挙げられる。
 モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等を用いることができる。ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、シクロヘキセンジカルボン酸等を用いることができる。ジカルボン酸の無水物としては、例えば、上記ジカルボン酸として例示した化合物の無水物等が挙げられる。
 多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステルとしては、例えば、コハク酸モノ〔2-(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2-(メタ)アクリロイロキシエチル〕等が挙げられる。
 両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 カルボキシ基を有する多環式化合物及びその無水物としては、例えば、5-カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等が挙げられる。
 フェノール性水酸基を有する不飽和化合物としては、例えば、p-イソプロペニルフェノール、ヒドロキシスチレン、N-ヒドロキシフェニルマレイミド、o-ビニル安息香酸、m-ビニル安息香酸、p-ビニル安息香酸等が挙げられる。
 オキシラニル基を有する不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、α-エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α-n-プロピル(メタ)アクリル酸グリシジル、α-n-ブチル(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸-3,4-エポキシブチル、(メタ)アクリル酸-6,7-エポキシヘプチル、α-エチル(メタ)アクリル酸-6,7-エポキシヘプチル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。
 オキセタニル基を有する不飽和化合物としては、例えば、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-2-メチルオキセタン、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-3-エチルオキセタン、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-2-トリフルオロメチルオキセタン、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-2-ペンタフルオロエチルオキセタン、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-2-フェニルオキセタン、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-2,2-ジフルオロオキセタン、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-2,2,4-トリフルオロオキセタン、3-((メタ)アクリロイルオキシメチル)-2,2,4,4-テトラフルオロオキセタン、3-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)オキセタン等が挙げられる。
 マレイミド化合物としては、例えば、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
 不飽和芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メトキシスチレン、p-ヒドロキシ-α-メチルスチレン等が挙げられる。
 不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2~10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2~10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2~10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2~10)モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 マクロ単量体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ-n-ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロ単量体等が挙げられる。
 ラジカル重合性基を有する重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000~1,000,000が好ましく、2,000~50,000がより好ましい。
 1.2.光ラジカル発生剤
 光ラジカル発生剤は、光照射によりラジカルを発生し、ラジカル重合性化合物のラジカル重合を開始させる化合物である。光ラジカル発生剤の極大吸収波長は、150nm~380nmであることが好ましい。光ラジカル発生剤は、2種以上を併用してもよい。
 本明細書において、化合物の極大吸収波長は、例えば、該化合物を、その良溶媒に溶解させることで得られる溶液の吸光度を測定した時の、吸収が極大となる波長として観察できる。
 光ラジカル発生剤としては、特開2008-276194号公報、特開2003-241372号公報、特表2009-519991号公報、特表2009-531730号公報、国際公開第2010/001691号、国際公開第2010/146883号、特開2011-132215号公報、特表2008-506749号公報、特表2009-519904号公報等に記載された化合物が挙げられる。
 光ラジカル発生剤としては、ビイミダゾール系化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物、アルキルフェノン系化合物、オキシム系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及びチオキサントン系化合物等が挙げられる。
 ビイミダゾール系化合物としては、2,2’-ビス(2,4-ジクロロフェニル)-4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-メチルフェニル)-4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’-ジフェニル-4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール等が挙げられる。
 アシルホスフィンオキサイド系化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
 アルキルフェノン系化合物としては、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-ヒドロキシ-4-メトキシフェニルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-{(4-メチルフェニル)メチル}-1-{4-(4-モルホリニル)フェニル}-1-ブタノン、2-(2-メチルベンジル)-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2-(3-メチルベンジル)-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2-(4-メチルベンジル)-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2-(2-エチルベンジル)-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2-(2-プロピルベンジル)-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2-(2-ブチルベンジル)-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン等が挙げられる。
 オキシム系化合物としては、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-エトキシカルボニルオキシ-1-フェニルプロパン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-{2-メチル-4-(3,3-ジメチル-2,4-ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル〕-,2-(O-ベンゾイルオキシム)、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)、エタノン,1-〔9-エチル-6-(2-メチル-4-テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)、およびエタノン,1-〔9-エチル-6-{2-メチル-4-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等が挙げられる。
 ベンゾイン系化合物しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
 ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン等が挙げられる。
 チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
 これらの中でも、アルキルフェノン系化合物が、高温高湿下であっても絶縁性を維持できる硬化膜を形成しやすいことから好ましい。
 本実施形態に係る組成物中に含まれる光ラジカル発生剤の含有割合は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、0.1~40質量部であることが好ましく、0.5~30質量部であることがより好ましい。
 1.3.光カチオン発生剤
 光カチオン発生剤は、光照射によりカチオンを発生し、該カチオンによる反応によってカチオン反応性化合物の架橋を開始させる化合物である。光カチオン発生剤の極大吸収波長は、紫外領域であることが好ましく、150nm~380nmであることがより好ましい。光カチオン発生剤は、2種以上を併用してもよい。
 光カチオン発生剤としては、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、及びジアゾメタン化合物が挙げられる。
 オニウム塩化合物としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びピリジニウム塩が挙げられる。オニウム塩化合物の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp-トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-t-ブチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4-t-ブチルフェニルジフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート、4,7-ジ-n-ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4,7-ジ-n-ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロブタンスルホネート、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。オニウム塩化合物の具体的な商品名としては、CPI-101A、CPI-100P、CPI-200K、CPI-210S(以上、サンアプロ株式会社製);SP-056、SP-140、SP-082、SP-606、SP-171(以上、株式会社ADEKA製);WPI-113、WPI-116、WPI-169、WPI-170、WPI-124(以上、和光純薬工業株式会社製)等が挙げられる。
 ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物及びハロアルキル基含有複素環式化合物が挙げられる。ハロゲン含有化合物の具体例としては、1,10-ジブロモ-n-デカン、1,1-ビス(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリクロロエタン、フェニル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-メトキシフェニル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、スチリル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、ナフチル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、および2-[2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス-(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン等のs-トリアジン誘導体が挙げられる。
 スルホン化合物としては、β-ケトスルホン化合物、β-スルホニルスルホン化合物及びこれらの化合物のα-ジアゾ化合物が挙げられる。スルホン化合物の具体例としては、4-トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタン等が挙げられる。
 スルホン酸化合物としては、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、及びイミノスルホネート類等が挙げられる。スルホン酸化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o-ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、およびo-ニトロベンジルp-トルエンスルホネート等が挙げられる。
 スルホンイミド化合物の具体例としては、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、及びN-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等が挙げられる。
 ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
 これらの中でも、オニウム塩化合物が高温高湿下であっても絶縁性を維持できる硬化膜を形成しやすいことから好ましい。
 本実施形態に係る組成物中に含まれる光カチオン発生剤の含有割合は、カチオン反応性化合物100質量部に対して、0.1~40質量部であることが好ましく、0.5~30質量部であることがより好ましい。
 1.4.ハロゲン原子
 本実施形態に係る組成物は、該組成物の全質量を100質量%としたときに、ハロゲン原子を0.5ppm以上100ppm以下含有する。ハロゲン原子は、イオンの状態で存在してもよく、非イオンの状態で存在してもよい。絶縁膜は、配線からの電流リークを防止するものであるから、配線素材の腐食や拡散を抑制することが重要な機能の一つである。このような観点から、一般的には絶縁材料中のイオン成分、あるいはイオン化し易い成分、特にハロゲン含有量は少ないほどよいとされている。しかしながら、本発明者らが検討した結果、特定のハロゲン含有量の範囲内であれば十分な絶縁性能を発揮するのみでなく、優れた硬化性を発揮することを見出した。
 本実施形態に係る組成物中のハロゲン原子の含有量は、該組成物中の有機溶媒を除いた不揮発性成分中の濃度として0.5ppm以上100ppm以下であり、0.5ppm以上80ppm以下であることが好ましく、1ppm以上60ppm以下であることが特に好ましい。ハロゲン原子の含有量が、前記上限以下であると絶縁耐久性に優れ、前記下限以上であると十分な硬化性を有する硬化膜を形成することができる。なお、本実施形態に係る組成物に含まれるハロゲン原子には、フッ素原子は含まれず、塩素原子及び臭素原子よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
 ハロゲン原子の含有量の制御は、上記範囲のハロゲン原子の含有量となるようなハロゲン含率の原材料を用いてもよく、組成物の吸着材処理等による精製で調整してもよく、ハロゲン含有化合物を添加・調整してもよい。ハロゲン含有化合物としては、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、塩化ベンジル、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、臭化ベンジル、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。
 1.5.水
 本実施形態に係る組成物は、該組成物の全質量を100質量%としたときに、水を0.01質量%以上1質量%以下含有することが好ましい。本実施形態に係る組成物がカチオン反応性成分を含有する場合、適量の水を含有することにより絶縁性が維持できるだけでなく硬化性が高まることを見出した。
 本実施形態に係る組成物中の水含有量は、組成物中の濃度として0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上1質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下であることが特に好ましい。
 水含有量の制御は、上記範囲の水含有量となるような水を含有する原材料を用いてもよく、組成物の吸着材処理等による精製で調整してもよく、水を添加・調整してもよい。
 1.6.硫黄原子
 本実施形態に係る組成物は、該組成物の全質量を100質量%としたときに、硫黄原子を0.01質量%以上2質量%以下含有することが好ましい。絶縁膜は、配線からの電流リークを防止するものであるから、配線素材の腐食や拡散を抑止することが重要な機能の一つである。配線素材の腐食・拡散は、電圧印加条件下、加湿及び加温により生じることが知られており、硫黄化合物は銅配線を腐食する場合があるため、絶縁材料中の硫黄原子濃度は低いほどよいとされている。しかしながら、本発明者らは絶縁材料中の硫黄原子の含有量を特定範囲とすることによって、優れた絶縁性能を発現することを見出した。すなわち、硫黄化合物を含有することにより、絶縁材料と配線基板間の密着性を十分に高めると共に、絶縁材料中のイオン拡散性を抑制し、優れた絶縁性能を得ることに成功した。
 本実施形態に係る組成物中の硫黄原子の含有量は、該組成物中の有機溶媒を除いた不揮発性成分中の濃度として0.01質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。硫黄原子の含有量が前記上限以下であると、配線の腐食等を抑制して絶縁性能が発現されやすくなる。また、硫黄原子の含有量が前記下限以上であると絶縁材料と配線基板間の密着性を高めることができる。
 硫黄原子の含有量の制御は、上記範囲の硫黄原子濃度となるような硫黄含率の原材料を用いてもよく、組成物の吸着材処理等による精製で調整してもよく、硫黄化合物を添加・調整してもよい。
 硫黄化合物としては、カレンズMT-PE1、カレンズMT-BD1、カレンズMTNR1(昭和電工(株))、TMMP、TEMPIC、PEMP、β-メルカプトプロピオン酸(SC有機化学(株))、2-メルカプトベンゾチアゾール、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
 1.7.その他成分
 本実施形態に係る組成物には、前記成分以外にも、カチオン反応性化合物、アミン、溶剤、熱重合禁止剤、接着助剤、単官能(メタ)アクリレート、レベリング剤、界面活性剤、増感剤、フィラー等の公知の成分を、本発明の目的及び特性を損なわない範囲で配合することができる。
 1.7.1.カチオン反応性化合物
 本明細書において「カチオン反応性化合物」とは、カチオン反応性基を少なくとも2つ有する化合物のことをいう。カチオン反応性化合物は、カチオン反応性基の他にラジカル重合性基を1つ有していてもよいが、2つ以上のラジカル重合性基を有する化合物(すなわち、多官能ラジカル反応性化合物)は含まれない。カチオン反応性化合物は、2種以上を併用してもよい。
 カチオン反応性化合物としては、メチロール化アミノ基を有する化合物、アルキルエーテル化アミノ基を有する化合物、メチロール基含有芳香族化合物、及びアルキルエーテル化芳香族化合物等の活性メチレンを有する化合物;オキサゾリン化合物、オキシラン環含有化合物(エポキシ化合物)、オキセタン環含有化合物、及び環状チオエーテル化合物等の環状エーテル化合物;イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む。);アルデヒド基含有フェノール化合物;ビニルエーテル化合物;並びにジプロペニルエーテル化合物が挙げられる。これらの中でもオキシラン環含有化合物が好ましい。
 前記オキシラン環含有化合物としては、分子内にオキシラン環(オキシラニル基ともいう。)が含有されていればよく、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール-キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール-キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール-ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール-ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、及び脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもビスフェノール型エポキシ樹脂が、高温高湿下であっても絶縁性を維持できる硬化膜を形成しやすいことから好ましい。
 ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型などを主骨格とし、両末端にグリシジルエーテル基が結合された樹脂が挙げられる。ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、ジャパンエポキシレジン社製JER806、JER807、JER825、JER827及びJER828、ADEKA製EPシリーズ、並びに大日本インキ化学工業株式会社製エピクロン850Sなどが挙げられる。
 本実施形態に係る組成物中に含まれるカチオン反応性化合物の含有割合は、前記組成物に含まれる固形分100質量部に対して、1~60質量部であることが好ましく、2~50質量部であることがより好ましい。また、カチオン反応性化合物の含有割合は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、1~100質量部であることが好ましく、2~50質量部であることがより好ましい。
 1.7.2.アミン
 アミンは、アンモニアの水素原子を、任意の数、置換可能な炭化水素基で置換した化合物のことであり、保護基を有するアミンとは、1級アミンまたは2級アミンの水素原子を、t-ブトキシカルボニル基やベンジルオキシカルボニル基等の光や熱により水素原子に置換しやすい基で置換した化合物のことである。
 露光(後述の工程(b))で光カチオン発生剤から発生したカチオンを捕捉する機能を有するものと推定され、カチオンを捕捉することにより、高温高湿下であっても絶縁性を維持できる硬化膜を形成できるものと推定される。また、アルカリ現像性基を有する酸性の化合物とカチオン硬化性の化合物が共存しても、優れた保存安定性が得られる。アミンは2種以上を併用してもよい。
 アミンは光酸発生剤から生じたカチオンを捕捉する機能を有する一方で、エポキシ化合物等の硬化反応を促進する。さらに、アミンが保護基により保護される等してエポキシ化合物等に対して反応しない場合には、組成物の保存安定性をより向上させることができる。
 アミンの保護基としては、t-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、フタロイル基、トシル基及び2-ニトロベンゼンスルホニル基等が挙げられる。
 保護基を有するアミンとしては、N-t-ブトキシカルボニルジ-n-オクチルアミン、N-t-ブトキシカルボニルジ-n-ノニルアミン、N-t-ブトキシカルボニルジ-n-デシルアミン、N-t-ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N-t-ブトキシカルボニル-1-アダマンチルアミン、N-t-ブトキシカルボニル-N-メチル-1-アダマンチルアミン、N,N-ジ-t-ブトキシカルボニル-1-アダマンチルアミン、N,N-ジ-t-ブトキシカルボニル-N-メチル-1-アダマンチルアミン、N-t-ブトキシカルボニル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N’-ジ-t-ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラ-t-ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N-ジ-t-ブトキシカルボニル-1,7-ジアミノヘプタン、N,N’-ジ-t-ブトキシカルボニル-1,8-ジアミノオクタン、N,N’-ジ-t-ブトキシカルボニル-1,9-ジアミノノナン、N,N’-ジ-t-ブトキシカルボニル-1,10-ジアミノデカン、N,N’-ジ-t-ブトキシカルボニル-1,12-ジアミノドデカン、N,N’-ジ-t-ブトキシカルボニル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N-t-ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N-t-ブトキシカルボニル-2-メチルベンズイミダゾール、N-t-ブトキシカルボニル-2-フェニルベンズイミダゾール、N-t-ブトキシカルボニル-ピロリジン、N-t-ブトキシカルボニル-ピペリジン、N-t-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシ-ピペリジン、N-t-ブトキシカルボニル-モルホリンが挙げられる。
 また、トリオクチルアミン、トリエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン、ジアザビシクロウンデセン、N,N-ジメチルベンジルアミン、ピリジン等の保護基を有していないアミンも好適に用いることができる。
 本実施形態に係る組成物中に含まれるアミンの含有割合は、光カチオン発生剤100質量部に対して、1~50質量部であることが好ましく、5~40質量部であることがより好ましい。
 1.7.3.溶剤
 溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテル類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n-プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n-アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n-ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、及びシクロヘキサノン等のケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びN-メチルピロリドン等のアミド類;γ-ブチロラクン等のラクトン類;並びにトルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。
 これらの中でも、乳酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル類が好ましい。
 本実施形態に係る組成物中に含まれる溶剤の含有量は、組成物100質量部中、1~80質量部であることが好ましく、10~75質量部であることがより好ましい。
 1.7.4.界面活性剤
 界面活性剤としては、市販されている界面活性剤を用いることができる。界面活性剤の具体例としては、例えば、NBX-15、FTX-204D、FTX-208D、FTX-212D、FTX-216D,FTX-218、FTX-220D、FX-222D(以上、(株)ネオス製)、BM-1000、BM-1100(以上、BMケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC-135、同FC-170C、同FC-430、同FC-431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS-112、同S-113、同S-131、同S-141、同S-145(以上、旭硝子(株)製)、SH-28PA、同-190、同-193、SZ-6032、SF-8428(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)が挙げられる。これらの中では、FTX-216D、FTX-218、FTX-220Dが好ましい。
 本実施形態に係る組成物中に含まれる界面活性剤の含有量は、組成物100質量部中、0.0001~10質量部であることが好ましい。
 1.7.5.接着助剤
 接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。官能性シランカップリング剤としては、カルボキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、またはエポキシ基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤(但し、上記のラジカル重合性化合物及びカチオン反応性化合物を除く。)が挙げられ、具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、及び1,3,5-N-トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
 本実施形態に係る組成物中に含まれる接着助剤の含有量は、組成物100質量部中、0.5~30質量部であることが好ましい。
 1.7.6.単官能(メタ)アクリレート
 単官能(メタ)アクリレートとしては、上記のラジカル重合性化合物、カチオン反応性化合物、接着助剤を除く。単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレート、3-メトキシブチルアクリレート、3-メトキシブチルメタクリレート、(2-アクリロイルオキシエチル)(2-ヒドロキシプロピル)フタレート、(2-メタクリロイルオキシエチル)(2-ヒドロキシプロピル)フタレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート等を挙げることができる。市販品として、商品名で、例えば、アロニックスM-101、同M-111、同M-114、同M-5300(以上、東亜合成(株)製);KAYARAD TC-110S、同TC-120S(以上、日本化薬(株)製);ビスコート158、同2311(以上、大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
 本実施形態に係る組成物中に含まれる単官能(メタ)アクリレートの含有量は、組成物100質量部中、0~30質量部であることが好ましい。
 1.8.組成物の製造方法
 本実施形態に係る組成物は、上述の各成分を混合することにより製造することができる。また、異物を取り除くために、各成分を混合した後、得られた混合物をフィルター等で濾過してもよい。
 2.硬化膜及びその製造方法
 本実施形態に係る硬化膜は、上述の組成物から形成され、高温高湿下であっても絶縁性を維持できる。このため、本実施形態に係る硬化膜は、回路基板(半導体素子)、半導体パッケージまたは表示基板等の電子部品が有する、表面保護膜、再配線層または平坦化膜として好適に用いることができる。
 本実施形態に係る硬化膜の製造方法は、上述の組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成する工程(工程(a))と、前記塗布膜を露光する工程(工程(b))と、を含む。また、本実施形態に係る硬化膜の製造方法は、前記塗布膜を現像してパターンを形成する工程(工程(c))や、工程(c)の後、前記パターンを露光する工程(工程(d))を含んでもよい。
 2.1.工程(a)
 工程(a)は、上述の組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成する工程である。基板としては、例えば、素子(半導体素子、光学素子、液晶表示素子等)を有するウエハが挙げられる。
 前記塗布膜は、上述の組成物を、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、スリットダイ塗布法、バー塗布法またはインクジェット法等の塗布方法により塗布し、必要に応じてその塗布された膜を加熱乾燥することにより形成することができる。また、スピンコート法の場合、回転速度は600~3000rpmであることが好ましく、回転時間は1~300秒間であることが好ましい。前記加熱乾燥の条件は、50~250℃で1~30分間程度が好ましい。
 前記塗布膜の膜厚は、特に限定されないが、0.1~100μmが好ましく、1~30μmがより好ましい。
 前記塗布膜は、基板上に組成物を2回以上塗布して形成してもよい。例えば、基板上に組成物を1回塗布した後、その塗布された膜の上に組成物を更に塗布し、次いで、加熱乾燥することによって塗布膜を形成してもよい。
 2.2.工程(b)
 工程(b)は、前記工程(a)で形成した塗布膜を露光する工程である。露光は、所望のマスクパターンを介して、コンタクトアライナー、ステッパーまたはスキャナー等を用いて、上記塗布膜に対して露光を行う。露光光の光線波長は、200~500nmが好ましい。活性光線の照射量は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜の厚さなどによっても異なるが、露光光にi線(365nm)を使用する場合、露光量は、10~10,000mJ/cmが好ましい。
 前記塗布膜中のラジカル重合性化合物のラジカル重合反応や、カチオン反応性化合物のカチオン反応を促進させるために、露光後の塗布膜を加熱することもできる。加熱条件としては、80~150℃で90~300秒間加熱することが好ましい。
 2.3.工程(c)
 工程(c)は、露光後の塗布膜を現像してパターンを形成する工程である。現像により塗布膜に生じた潜像を残存させ、それ以外を除去することで所望のレジストパターンを形成することができる。現像は、例えば、露光後の塗布膜にアルカリ性の水溶液等の公知の現像液を接触することにより行われる。
 現像時間は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜の厚さなどによっても異なるが、30~600秒間が好ましい。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー法、シャワー現像法等が挙げられる。現像した後、基板を水で洗浄し、乾燥させてもよい。
 2.4.工程(d)
 工程(d)は、前記パターンを露光(以下、「後露光」ともいう。)する工程である。後露光により、未反応のカチオン反応性化合物を反応させることができ、これにより、高温高湿下であっても絶縁性を維持できる硬化膜を形成しやすい。
 後露光光としては、紫外線が好ましく、波長150~380nmの紫外線がより好ましい。後露光光の積算照射量は、例えば高圧水銀灯を使用する場合、10~10,000mJ/cmが好ましい。後露光後に加熱処理を行ってもよく、加熱処理の条件としては、、100~250℃で30分~10時間が好ましい。
 3.電子部品
 本実施形態に係る電子部品は、上述の組成物を用いて作成された硬化膜を有する。本実施形態に係る電子部品としては、回路基板、半導体パッケージまたは表示基板等が挙げられる。前記硬化膜はこれらの電子部品の、表面保護膜、再配線層または平坦化膜として用いることができる。前記硬化膜は高温高湿下であっても絶縁性を維持できることから、本実施形態に係る電子部品は、埃、熱、湿気などの外部環境から回路パターンを保護できるとともに回路パターン間の絶縁信頼性に優れ、長年にわたって安定して動作させることが可能となる。
 例えば、前記硬化膜のパターン間にメッキ等により金属を充填し、必要に応じて、硬化膜を積層し、金属を充填することを繰り返して再配線層を形成することで、基板と、金属配線及び絶縁膜を含む再配線層とを有する電子部品を製造することができる。
 4.実施例
 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の本実施例における「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
 4.1.合成例
 4.1.1.合成例1
 撹拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計、ガス導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル163.1質量部を秤り取り、窒素置換しながら撹拌し120℃に昇温した。次に、メタクリル酸56.3質量部、ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成(株)製、商品名「FA-513M」)72.89質量部、スチレン1.55質量部、及びt-ヘキシルヒドロパーオキサイド(日本油脂(株)製、商品名「パーヘキシルO」)6.46質量部を混合し、滴下組成物を作成した。この滴下組成物を2時間かけて滴下ロートからフラスコに滴下し、滴下終了後、更に120℃で2時間撹拌した。次に、グリシジルメタクリレート(日油(株)製、商品名「ブレンマーGS」)29.0質量部、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.4質量部及びハイドロキノン0.1質量部を混合し、側鎖修飾組成物を作成した。フラスコ内を空気置換し、作成した側鎖修飾混合物を滴下し、120℃で6時間反応させ、ラジカル重合性基を有する重合体P1を得た。
 重合体P1の重量平均分子量(Mw)を、東ソー(株)製のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を使用し、ポリスチレン換算で、測定装置「HLC-8220-GPC」(東ソー(株)製)を用いて測定した。その結果、重合体P1の重量平均分子量は1.9×10であった。
 4.1.2.合成例2~7
 表1の記載の組成に変更した以外は、合成例1と同様にラジカル重合性基を有する重合体P2~P7を合成した。また、これらの重合体の重量平均分子量を合成例1と同様に測定した。その結果を表1に示す。
 4.1.3.合成例8
 合成例1で作成した重合体P1を、メタノール中に再沈殿し、さらに25℃にて真空乾燥し、ラジカル重合性基を有する重合体P8を得た。合成例1と同様に測定した重合体P8の重量平均分子量(Mw)は2.4×10であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000017
 なお、表1中のグリシジルメタクリレートの記号は、それぞれ下記の商品名のグリシジルメタクリレートを表す。
・G:日油(株)製、商品名「ブレンマーG」
・GH-LC:日油(株)製、商品名「ブレンマーGH-LC」
・GS:日油(株)製、商品名「ブレンマーGS」
 4.2.実施例
 4.2.1.実施例1
<組成物の調製>
 ラジカル重合性化合物として、ラジカル重合性基を有する重合体P1を100質量部、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリレートとして商品名「KAYARAD DPHA」(日本化薬(株)製)を100質量部、光ラジカル発生剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを5質量部、光カチオン発生剤として商品名「CPI-210S」(サンアプロ(株)製)を1質量部、その他添加剤として、カチオン反応性化合物(ADEKA(株)製、商品名「アデカレジン EP-4000L」)を20質量部、アミン(和光純薬工業(株)のトリオクチルアミン)を0.1質量部、界面活性剤(ネオス(株)製、商品名「FTX-218」)を0.1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを157質量部、さらに必要に応じて0.1質量%のジクロロベンゼンを含有するプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液又は0.1質量%のジブロモベンゼンを含有するプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液及び/又は0.1質量%のペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)(商品名「カレンズMT-PE1」、昭和電工(株)製)を含有するプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液及び/又は0.1質量%の水を含有するプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を添加し、表2に記載のハロゲン含有量、硫黄含有量、及び水含有量となるように制御して組成物を得た。
 組成物中のハロゲン含有量は、ルースパウダー用試料容器を用いてヘリウム雰囲気下にて、蛍光X線装置PANalytical製MagiX PRO(プログラム:Uni Quant5)を用いて、FP法により塩素量及び臭素量を測定し、表2に記載のハロゲン含有量であることを確認した。
 組成物中の硫黄含有量は、ルースパウダー用試料容器を用いてヘリウム雰囲気下にて、蛍光X線装置PANalytical製MagiX PRO(プログラム:Uni Quant5)を用いてFP法により測定し、表2に記載の硫黄含有量であることを確認した。
 組成物中の水含有量は、カールフィッシャー水分計(メトローム社製、KF Coulometer756)を用いて測定し、表2に記載の水含有量であることを確認した。
<絶縁性の評価>
 まず、図1及び図2に示す銅配線10を有する基板100を用意した。図1は、基板100を模式的に示す平面図であり、図2は、図1のA-A’線に沿った断面図である。図1及び図2に示すように、基板100は、シリコン(Si)14の上にSiO膜12が形成されており、SiO膜12の上に銅配線10が厚さ8μmで形成されている。基板100におけるLine/Space=20μmである。
 上記で得られた組成物を図1及び図2に示す基板100上に塗布し、ホットプレートで110℃3分間加熱し、塗布膜を形成した。前記塗布膜を全面露光(装置名「MA8」、Suss MicroTec社製、波長365nm、照射量600mJ/cm)し、次いで、オーブンにて120℃1時間加熱し、前記基板100上に硬化膜(SiOの表面から膜厚20μmの硬化膜)を形成した。この硬化膜を有する基板を評価基板とした。
 図1及び図2に示す配線の両端部の電極上の硬化樹脂をカッターナイフで削り取り、半田付けによりHAST評価装置(装置名「EHS-211」、ESPEC社製)と接続した。本基板をHAST装置に入れ、温度121℃、湿度85%、印加電圧5Vの条件にて試験を行った。絶縁性が低下し、抵抗値が10Ωを下回る時間により以下の基準で評価した。
(評価基準)
 A:抵抗値が10Ωを下回る時間が168hを超えており、非常に良好と判断できる。
 B:抵抗値が10Ωを下回る時間が168h以下100h超であり、良好と判断できる。
 C:抵抗値が10Ωを下回る時間が100h以下50h以上であり、実用に供することが可能なレベルと判断できる。
 D:抵抗値が10Ωを下回る時間が50h未満であり、実用に供することができないため不良と判断できる。
<硬化性の評価>
 上記で得られた組成物をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレートで110℃3分間加熱し、塗布膜を形成した。マスクを介して前記塗布膜を露光(装置名「MA8」、Suss MicroTec社製、波長365nm、照射量600mJ/cm)した。露光後、現像液(商品名「OPD5262」、富士フイルム(株)製)で現像し、水にて洗浄し、硬化膜(高さ20μm、線幅40μmの1L/1Sパターン)を形成した。硬化膜を光学顕微鏡で観察し、更に得られた硬化膜をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に5分間浸漬した後、再度光学顕微鏡で観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
 A:PGMEA浸漬前後において硬化膜の剥離や外観に変化が認められず、非常に良好と判断できる。
 B:PGMEA浸漬前後に僅かな膨潤が認められるが、硬化膜の剥離や外観に変化が認められず、良好と判断できる。
 C:PGMEA浸漬前後に膨潤が認められ、硬化膜の剥離や外観に僅かな変化が認められるが、実用に供することが可能なレベルと判断できる。
 D:PGMEA浸漬前後に硬化膜の剥離が認められ、実用に供することができないため不良と判断できる。
<密着性の評価>
 上記で得られた組成物をシリコンウェハー上に塗布し、ホットプレートで110℃3分間加熱し、塗布膜を形成した。前記塗布膜を全面露光(Suss MicroTec社製、装置名「MA8」、波長365nm、照射量600mJ/cm)し、次いで、オーブンにて120℃で1時間加熱し、評価基板を形成した。評価基板スタッドプル試験機(フォトテクニカ(株)製、装置名「ロミュラス」)を用いて、以下の基準で密着性を評価した。
(評価基準)
 A:密着性が20MPa超であり、非常に良好と判断できる。
 B:密着性が20MPa以下15MPa超であり、良好と判断できる。
 C:密着性が15MPa以下10MPa超であり、実用に供することが可能なレベルと判断できる。
 D:密着性が10MPa以下であり、実用に供することができないため不良と判断できる。
<保存安定性の評価>
 上記で得られた組成物を、25℃、暗所で168時間保管し、保管前後の粘度変化率を評価した。
 A:粘度変化率5%未満であり、非常に良好と判断できる。
 B:粘度変化率5%以上10%以下であり、実用に供することが可能であり良好と判断できる。
 C:粘度変化率10%超であり、実用に供することができないため不良と判断できる。
 4.2.2.実施例2~14及び比較例1~5
 使用した組成物をそれぞれ表2の記載の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
 4.3.評価結果
 下表2に、各実施例及び比較例で使用した組成物の組成及び評価結果を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000018
 上表2において、水を除いた各成分の数値は質量部を表す。水の行における数値は、組成物100質量%中の水の質量%を表す。また、上表2における略称はそれぞれ下記成分を表す。
<ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリレート>
・B1:商品名「KAYARAD DPHA」、日本化薬(株)製
・B2:商品名「NKエステルCBZ-SA」、新中村化学工業(株)製
・B3:商品名「NKエステルA-TMM-3LM-N」、新中村化学工業(株)製
・B4:商品名「NKエステルA-DPH-6E」、新中村化学工業(株)製
・B5:商品名「NKエステルA-BPE-2」、新中村化学工業(株)製
<光ラジカル発生剤>
・C1:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、和光純薬工業(株)製
・C2:商品名「Irgacure 379EG」、BASF社製
<カチオン反応性化合物>
・D1:商品名「アデカレジン EP-4000L」、ADEKA(株)製
・D2:商品名「デナコールEX-321L」、ナガセケムテックス(株)製
・D3:商品名「デナコールEX-810P」、ナガセケムテックス(株)製
・D4:商品名「ブレンマーGS」、日油(株)製
<光カチオン発生剤>
・E1:商品名「CPI-210S」、サンアプロ(株)製
・E2:商品名「WPI-113」、和光純薬工業(株)製
<アミン>
・F1:トリオクチルアミン、和光純薬工業(株)製
<界面活性剤>
・H1:商品名「FTX-218」、ネオス(株)製
 上表2によれば、本発明の実施例1~14の組成物を用いて基板100上に硬化膜を形成することにより、高温高湿下などの過酷な環境下であっても回路基板の絶縁性を維持できることがわかる。また、本発明の実施例1~14の組成物は、保存安定性にも優れており、硬化性及び基板との密着性にも優れた硬化膜を形成できることがわかる。
 これに対して、ラジカル重合性化合物及び光ラジカル発生剤を含有しない比較例1の組成物や、光カチオン発生剤を含有しない比較例2の組成物を用いて基板100上に硬化膜を形成しても、高温高湿下などの過酷な環境下では回路基板の絶縁信頼性が得られないことがわかる。特に比較例2の組成物は、カチオン反応性化合物を含有していないので、絶縁信頼性が得られないだけでなく、硬化性も低下していることがわかる。
 また、ハロゲン原子を0.1ppm含有する比較例3の組成物は、硬化性が低下して基板上に良好な硬化膜を形成することができなかった。臭素原子を150ppm含有する比較例4の組成物及び塩素原子を128ppm含有する比較例5の組成物は、ハロゲン含有量が高すぎることで絶縁信頼性に優れた硬化膜を形成できないことがわかる。
 本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を包含する。また本発明は、上記の実施形態で説明した構成の本質的でない部分を他の構成に置き換えた構成を包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成をも包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成をも包含する。
10…銅配線、12…SiO、14…シリコン(Si)、100…基板
 

Claims (7)

  1.  ラジカル重合性化合物、光ラジカル発生剤、及び光カチオン発生剤を含有する組成物であって、
     前記組成物の全質量を100質量%としたときに、ハロゲン原子を0.5ppm以上100ppm以下含有する、組成物。
  2.  さらに、前記組成物の全質量を100質量%としたときに、水を0.01質量%以上1質量%以下含有する、請求項1に記載の組成物。
  3.  さらに、前記組成物の全質量を100質量%としたときに、硫黄原子を0.01質量%以上2質量%以下含有する、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  4.  前記ラジカル重合性化合物が、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリレート及びラジカル重合性基を有する重合体を含有する、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の組成物。
  5.  さらに、カチオン反応性化合物を含有する、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の組成物。
  6.  請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成する工程と、
     前記塗布膜を露光する工程と、
    を含む、硬化膜の製造方法。
  7.  請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された組成物を用いて作成された硬化膜を有する電子部品。
     
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