JP2000029212A - 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物及び樹脂絶縁パターン形成方法 - Google Patents

光硬化性・熱硬化性樹脂組成物及び樹脂絶縁パターン形成方法

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JP2000029212A
JP2000029212A JP10210281A JP21028198A JP2000029212A JP 2000029212 A JP2000029212 A JP 2000029212A JP 10210281 A JP10210281 A JP 10210281A JP 21028198 A JP21028198 A JP 21028198A JP 2000029212 A JP2000029212 A JP 2000029212A
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美弥子 十二
Masaki Sasaki
正樹 佐々木
Teruo Saito
照夫 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤の蒸散による環境汚染や乾燥塗膜の
体積収縮を生ずることのない樹脂絶縁層、特にバイヤホ
ールを有する樹脂絶縁層の形成に有用なポジ型の光硬化
性・熱硬化性樹脂組成物及び樹脂絶縁パターン形成方法
を提供する。 【解決手段】 組成物は、(A)酸分解性エステル基を
有する重量平均分子量500〜40,000の樹脂化合
物、(B)1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有
し、かつ、酸により分解してカルボン酸を生成する基を
有する化合物、(C)活性エネルギー線の照射により酸
を発生する化合物、(D)光ラジカル重合開始剤及び
(E)エポキシ樹脂を含有する。この組成物を基材上に
塗布し、活性エネルギー線を照射して塗膜を形成した
後、上記活性エネルギー線より短波長の活性エネルギー
線を選択的に照射し、加熱処理し、現像して上記活性エ
ネルギー線の選択的照射部分の塗膜を除去し、次いで加
熱硬化して樹脂絶縁パターンを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種樹脂接着層の
形成、プリント配線板におけるエッチングレジストやソ
ルダーレジスト等のレジスト皮膜の形成、特に多層プリ
ント配線板の製造におけるバイヤホールを有する樹脂絶
縁層の形成に有用な光硬化性・熱硬化性樹脂組成物に関
する。本発明はまた、このような光硬化性・熱硬化性樹
脂組成物を用いた樹脂絶縁パターンの形成方法、さらに
詳しくは、有機溶剤を蒸散することなく、基材上に塗布
した該組成物の塗布層に活性エネルギー線を照射してタ
ックフリーの塗膜を形成でき、次いで上記活性エネルギ
ー線より短波長の活性エネルギー線の選択的照射及び加
熱処理後、アルカリ水溶液で現像することによりポジ型
パターンを形成でき、さらに加熱硬化することにより耐
熱性、電気絶縁性等の特性に優れた樹脂絶縁層が得られ
る樹脂絶縁パターンの形成方法にも関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】最近の半
導体部品の急速な進歩により、電子機器は小型軽量化、
高性能化、多機能化の傾向にあり、これらに追従してプ
リント配線板の高密度化が進みつつある。これらの高密
度プリント配線板に対応して、多層プリント配線板の需
要が増えてきた。さらに、これに対応して、新しい多層
プリント配線板の製造方法が提唱されている。従来の多
層プリント配線板の製造方法は、回路形成された内層板
の面に、ガラスクロスなどの基材に樹脂ワニスを含浸さ
せて乾燥処理した半硬化のシート状プリプレグを重ね、
さらに銅箔あるいは外層用銅張り積層板等を順に積み重
ねていき、多層成形プレスにより加熱・加圧して硬化さ
せ、多層プリント配線板を製造する方法である。しかし
ながら、層間の導通を取るバイヤホールを形成するた
め、ドリル又はレーザー等で1穴ずつ開ける必要があ
り、工程的に時間がかかるという問題と、プリプレグの
厚みやドリルで開けられる穴径から高密度化に限界があ
る。
【0003】このような問題に対処するため、ネガ型の
液状ソルダーレジスト組成物を中間絶縁層に用いた多層
化技術(ビルドアップ工法)が提唱されている。しかし
ながら、光硬化系のネガ型であるため、中間絶縁層とし
て必要な膜厚を1回の露光で光硬化できない。そのた
め、組成物の塗布、乾燥、露光、現像という工程を数回
繰り返し、必要な膜厚を確保しなければならないという
問題がある。また、この時、場合によってはレジスト中
のレベリング剤等の添加剤が層間剥離を引き起こすとい
う問題も発生する。さらに、液状化するために用いられ
ている有機溶剤が乾燥工程の際に蒸散して環境を汚染す
るという問題もあり、また、これに伴って乾燥塗膜に体
積収縮が生じ、樹脂絶縁層の膜厚コントロールが難しく
なる。
【0004】このようなことから、回路形成された基板
と銅箔を、アルカリ可溶性の熱硬化性樹脂組成物で加熱
・圧着させ、表面銅箔のバイヤホール部のみエッチング
した後、その下の樹脂層をアルカリ水溶液で溶解してバ
イヤホールを形成する工法(特開平5−218651
号、特開平5−259649号、特開平5−34385
0号、特開平7−17003号)が提唱されている。し
かしながら、これらの樹脂組成物は、アルカリ可溶の固
形樹脂を有機溶剤に溶解して液状化し、銅箔又は回路形
成されたプリント配線板に塗布し、熱乾燥してタックフ
リーな塗膜を得ている。この場合、銅箔をラミネート
後、バイヤホールを形成し、熱硬化する際、樹脂組成物
中に残存する有機溶剤が揮発し、気泡が発生して銅箔と
樹脂組成物間に剥離が起こるという問題がある。さら
に、アルカリ水溶液により溶解されるのはバイヤホール
部だけでなく、バイヤホール部より浸透したアルカリ水
溶液がバイヤホール周辺(周壁部)の樹脂組成物をも溶
解し、アンダーカット状になり、微細なバイヤホール形
成ができないという問題もある。
【0005】本発明は、前記したような従来技術の問題
を解決すべくなされたものであり、その基本的な目的
は、有機溶剤を含有せず、従って有機溶剤の蒸散による
環境汚染や乾燥塗膜の体積収縮を生ずることのない、各
種樹脂接着層の形成、プリント配線板におけるエッチン
グレジストやソルダーレジスト等のレジスト皮膜の形
成、特に多層プリント配線板の製造におけるバイヤホー
ルを有する樹脂絶縁層の形成に有用な光硬化性・熱硬化
性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】本発明のより具体的な目的は、銅箔ラミネ
ート方式による多層プリント配線板の製造において、熱
硬化の際に残存有機溶剤による銅箔の剥離等を生ずると
いう問題がなく、さらに、ポジ型にすることにより、厚
膜の絶縁層作製時において、塗布、乾燥、露光、現像と
いう工程を繰り返すことなく、厚膜を一括して塗布し、
全面露光によりタックフリーの塗膜を形成でき、さらに
必要に応じてバイヤホール形成部分のみの選択的露光、
熱処理、現像を行なうのみで厚膜の塗膜にバイヤホール
を形成することができ、層間剥離等を引き起こすことな
く安定した形状のバイヤホール形成に有用な中間絶縁層
として使用できるポジ型の光硬化性・熱硬化性樹脂組成
物を提供することにある。
【0007】さらに本発明の目的は、多層プリント配線
板の中間絶縁層のパターン形成において、有害な有機溶
剤を蒸散する工程を含まない、すなわち活性エネルギー
線硬化により体積収縮を生ずることなくタックフリーな
塗膜を形成でき、その後、上記活性エネルギー線より短
波長の活性エネルギーの照射、熱処理、現像、及び加熱
硬化により、耐熱性、電気絶縁性、密着性等の諸特性に
優れた高解像度の樹脂絶縁パターンを安定して生産性良
く形成できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、(A)酸分解性エステル基を有す
る重量平均分子量500〜40,000の樹脂化合物、
(B)1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有し、
かつ、酸により分解してカルボン酸を生成する基を有す
る化合物、(C)活性エネルギー線の照射により酸を発
生する化合物(以下、光酸発生剤という)、(D)光ラ
ジカル重合開始剤、及び(E)エポキシ樹脂を含有する
ことを特徴とする光硬化性・熱硬化性樹脂組成物が提供
される。
【0009】さらに本発明によれば、多層プリント配線
板の製造において、中間絶縁層パターンの形成工程が、
前記光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を基材上に塗布する
工程、上記組成物の塗布層に活性エネルギー線を照射し
てタックフリーの塗膜を形成する工程、該塗膜に上記活
性エネルギー線より短波長の活性エネルギー線を選択的
に照射した後、加熱処理し、次いでアルカリ水溶液で現
像して上記活性エネルギー線を選択的に照射した塗膜部
分を除去する工程、及び現像処理後の塗膜を加熱処理し
て熱硬化する工程を含むことを特徴とする樹脂絶縁パタ
ーンの形成方法が提供される。
【0010】好適な態様においては、前記樹脂化合物
(A)としては、カルボキシル基及び/又はフェノール
性水酸基を有し、固形分酸価が60〜600mgKOH
/gであり、かつ重量平均分子量が500〜40,00
0であるアルカリ可溶性樹脂に、モノビニルエーテル化
合物を反応せしめて得られる樹脂が用いられる。上記ア
ルカリ可溶性樹脂としては、一つの好適な態様において
は、固形分酸価が60〜300mgKOH/gであり、
かつ、重量平均分子量が1,000〜40,000であ
るアクリル酸及び/又はメタクリル酸(以下、アクリル
酸、メタクリル酸及びそれらの混合物を総称して(メ
タ)アクリル酸という)8〜40重量%と他の単量体と
の共重合樹脂が用いられる。また、他の好適な態様にお
いては、固形分酸価が200〜600mgKOH/g、
重量平均分子量が500〜20,000のフェノールノ
ボラック樹脂及び/又はクレゾールノボラック樹脂が用
いられる。さらに、上記モノビニルエーテル化合物とし
ては、沸点が30〜200℃のモノビニルエーテルが好
ましい。
【0011】また、1分子中に1個のエチレン性不飽和
結合を有し、かつ、酸により分解してカルボン酸を生成
する基を有する化合物(B)としては、下記一般式
(1)で表わされる基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル、
【化2】 又は、t−ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。ま
た、光酸発生剤(C)と光ラジカル重合開始剤(D)の
組み合わせとしては、前記光酸発生剤(C)の活性化す
る波長が、光ラジカル重合開始剤(D)の活性化する波
長より短い化合物の組み合わせが用いられる。好ましく
は、光酸発生剤(C)が活性化する限界波長(以下、こ
の波長をλ1と略記する)よりも、50nm以上長波長
の活性エネルギー線で活性化する光ラジカル重合開始剤
の組み合わせが用いられる。前記エポキシ樹脂(E)と
しては、全エポキシ樹脂中に、有機溶剤に難溶性である
粉体エポキシ樹脂を20重量%以上含むことが好まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る光硬化性・熱硬化性
樹脂組成物は、(A)酸分解性エステル基を有する樹脂
化合物、(B)1分子中に1個のエチレン性不飽和結合
を有し、かつ、酸により分解してカルボン酸を生成する
基を有する化合物、(C)光酸発生剤、(D)光ラジカ
ル重合開始剤、及び(E)エポキシ樹脂を含有している
ことを特徴としているポジ型の感光性組成物である。こ
の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、光酸発生剤(C)
の活性化する限界波長(λ1)より長波長で活性化する
光ラジカル重合開始剤の組み合わせを用いることを特徴
としており、光学フィルター等により光酸発生剤(C)
が活性化する限界波長(λ1)より短波長をカットした
活性エネルギー線を、基材上に塗布した上記組成物の塗
布層全面に照射(一次照射)することにより、光ラジカ
ルのみ発生し、エチレン性不飽和結合を有する化合物
(例えば、前記(B)1分子中に1個のエチレン性不飽
和結合を有し、かつ、酸により分解してカルボン酸を生
成する基を有する化合物)がラジカル重合する。この反
応により、体積収縮を生ずることなくタックフリーな塗
膜を形成することができ、樹脂絶縁層の膜厚コントロー
ルが容易となる。また、このように長波長の活性エネル
ギー線を用いることにより、厚膜硬化性を得ることが可
能となる。
【0013】さらに、前記塗膜に、λ1以下の波長の活
性エネルギー線を選択的に照射(二次選択照射)するこ
とにより、光酸発生剤(C)が反応し、照射部のみ選択
的に酸を発生させることができる。次に、例えば約60
〜120℃で5〜30分程度、好ましくは約70〜10
0℃で10〜20分程度、加熱処理することにより、酸
の発生した部分(二次選択照射部分)のみ選択的に前記
酸分解性エステル基を有する樹脂化合物(A)及び前記
一次照射により光ラジカル重合した化合物(B)の重合
体が分解して、アルカリ水溶液に可溶となる。従って、
二次選択照射部分は、アルカリ水溶液による現像によっ
て容易に溶解、除去され、パターンが形成される。その
後、約140〜180℃で15〜60分程度、加熱処理
することにより、二次選択照射されなかった部分の塗膜
中に存在する光酸発生剤(C)が熱分解し、それによっ
て発生する酸の触媒作用により、酸分解性エステル基を
有する樹脂化合物(A)が分解して発生した酸及び前記
一次照射により光カチオン重合した化合物(B)の重合
体が分解して発生した酸、又は酸分解性エステル基自体
の熱分解により発生した酸が、エポキシ樹脂と架橋反応
し、耐熱性、電気絶縁性を有するパターン状樹脂絶縁膜
を形成することができる。
【0014】前記酸分解性エステル基を有する重量平均
分子量500〜40,000の樹脂化合物(A)として
は、フェノールノボラック樹脂やビニルフェノールの重
合体から誘導されるt−ブトキシカルボニルエステル基
を持つ樹脂化合物、(メタ)アクリル酸−t−ブチルエ
ステルの樹脂化合物、カルボキシル基及び/又はフェノ
ール性水酸基を有する樹脂にモノビニルエーテルを付加
した樹脂化合物などがある。好適には、カルボキシル基
及び/又はフェノール性水酸基を有し、固形分酸価が6
0〜600mgKOH/gであり、かつ、重量平均分子
量が500〜40,000のアルカリ可溶性樹脂に、モ
ノビニルエーテル化合物を反応せしめて得られる樹脂が
用いられる。上記酸分解性エステル基を有する樹脂化合
物(A)の重量平均分子量が500未満の場合、塗膜の
強度が低下し、また、熱硬化後の特性が低下するので好
ましくない。一方、重量平均分子量が40,000を越
えた場合、アルカリ水溶液による現像が困難になるので
好ましくない。
【0015】上記アルカリ可溶性樹脂としては、一つの
好適な態様においては、(メタ)アクリル酸8〜40重
量%と他の単量体との共重合樹脂が用いられる。他の単
量体としては、スチレン、クロロスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルフェノール;置換基としてメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチ
ル、t−ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチ
ル、カプリル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オク
タデシル、シクロヘキシル、イソボロニル、メトキシエ
チル、ブトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒ
ドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ル等の置換基を有するアクリレート、メタクリレート又
はフマレート;ポリエチレングリコールのモノアクリレ
ートもしくはモノメタクリレート、又はポリプロピレン
グリコールのモノアクリレート、モノメタクリレート;
酢酸ビニル、酪酸ビニル又は安息香酸ビニル;エチレ
ン、プロピレン等のオレフィン類;アクリロニトリル等
が挙げられる。
【0016】これら樹脂化合物(A)の出発材料の上記
共重合樹脂の重量平均分子量が1,000未満の場合、
合成時の分子量のコントロールが難しく、また、誘導さ
れる樹脂化合物(A)の塗膜の強度が低下し、さらに、
熱硬化後の特性が低下するので好ましくない。一方、重
量平均分子量が40,000を越えた場合、アルカリ水
溶液による現像が困難になるので好ましくない。さら
に、これら樹脂化合物(A)の出発材料の前記共重合樹
脂の酸価が60mgKOH/g未満の場合、活性エネル
ギー線照射及び加熱によって上記重合体から分解、生成
するポリカルボン酸樹脂の酸価が低いため、塗膜の活性
エネルギー線照射部(二次選択照射部)はアルカリ水溶
液による現像が困難になり、一方、酸価が300mgK
OH/gを越えた場合、共重合樹脂の粘度が高くなり、
合成が困難になる。また、立体障害の影響により共重合
樹脂に対するモノビニルエーテルの付加率が上がらない
という問題が発生し、好ましくない。
【0017】また、前記アルカリ可溶性樹脂の他の好適
な例としては、ビニルフェノールの重合体やフェノール
樹脂やアルキルフェノール樹脂などが挙げられるが、フ
ェノールノボラック樹脂及び/又はクレゾールノボラッ
ク樹脂が好ましい。さらに、フェノール樹脂に部分的に
ジカルボン酸無水物を付加した樹脂などが使用できる。
これら樹脂化合物(A)の出発材料のポリフェノール樹
脂の重量平均分子量が500未満の場合、誘導される樹
脂化合物(A)の塗膜の強度が低下し、また、熱硬化後
の特性が低下するので好ましくない。一方、重量平均分
子量が20,000を越えた場合、アルカリ水溶液によ
る現像が困難になるので好ましくない。
【0018】さらに、これら樹脂化合物(A)の出発材
料の上記フェノールノボラック樹脂及び/又はクレゾー
ルノボラック樹脂の酸価が200mgKOH/g未満の
場合、活性エネルギー線照射及び加熱によって上記重合
体から分解、生成するポリフェノール樹脂の酸価が低い
ため、塗膜の活性エネルギー線照射部(二次選択照射
部)はアルカリ水溶液による現像が困難になり、一方、
酸価が600mgKOH/gを越えた場合、ポリフェノ
ール樹脂の粘度が高くなり、立体障害の影響によりポリ
フェノール樹脂に対するモノビニルエーテルの付加率が
上がりにくく、また、熱硬化時においても、立体障害に
より未反応のフェノール性水酸基が残り、電気特性等を
低下させるという問題が発生し、好ましくない。
【0019】前記モノビニルエーテル化合物としては、
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソプロピルエーテル、ビニル−n−プロピルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル−n−ブチルエ
ーテル、ビニル−t−ブチルエーテル、ビニル−n−ア
ミルエーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−n
−オクタデシルエーテル、エチレングリコールブチルビ
ニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルビニ
ルエーテルなどが挙げられるが、沸点が30〜200℃
のモノビニルエーテル化合物が好ましい。モノビニルエ
ーテル化合物の沸点が30℃未満の場合、前記樹脂化合
物(A)の合成の際にポリカルボン酸樹脂及び/又はポ
リフェノール樹脂に付加し難くなる。一方、沸点が20
0℃を越えた場合、塗膜の加熱処理時、前記樹脂化合物
(A)の熱分解によって生成したモノビニルエーテル化
合物が同様に生成したポリカルボン酸樹脂及び/又はポ
リフェノール樹脂に再付加する可逆反応が起こり、塗膜
の活性エネルギー線照射部(二次選択照射部)がアルカ
リ水溶液で現像困難になるため、好ましくない。
【0020】これらのモノビニルエーテル化合物は、適
当な触媒中、常温〜100℃でカルボキルシ基及び/又
はフェノール性水酸基と反応し、前記樹脂化合物(A)
が生成される。この合成反応は無触媒下でも進行する
が、必要に応じて、微量の酸触媒や層間移動触媒等を用
いることができる。カルボキシル基及び/又はフェノー
ル性水酸基に対するモノビニルエーテル化合物の付加率
は50%以上が好ましく、より好ましくは90%以上で
ある。付加率が50%未満の場合、塗膜の活性エネルギ
ー線による二次選択照射がされなかった部分のアルカリ
水溶液に対する耐現像性が不充分となり、良好なパター
ンが形成され難くなるため好ましくない。さらに、得ら
れる樹脂化合物(A)の熱安定性を考慮した場合、遊離
酸が分解触媒となるため、モノビニルエーテルの付加率
を90%以上に上げることが好ましい。
【0021】前記1分子中に1個のエチレン性不飽和結
合を有し、かつ、酸により分解してカルボン酸を生成す
る基を有する化合物(B)としては、下記一般式(1)
で表わされる基を有する(メタ)アクリル酸エステル、
又は、t−ブチル(メタ)アクリレートを好適に用いる
ことができる。
【化3】 上記一般式(1)で表わされる(メタ)アクリル酸エス
テルの具体例としては、(a)(メタ)アクリル酸や、
ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートに多塩基酸
無水物を付加したモノ(2−アクリロイルオキシエチ
ル)コハク酸、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)
フタル酸、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)ヘキ
サヒドロフタル酸、モノ(2−アクリロイルオキシプロ
ピル)コハク酸、モノ(2−アクリロイルオキシプロピ
ル)フタル酸、モノ(2−アクリロイルオキシプロピ
ル)ヘキサヒドロフタル酸、モノ(2−メタクリロイル
オキシエチル)コハク酸、モノ(2−メタクリロイルオ
キシエチル)フタル酸、モノ(2−メタクリロイルオキ
シエチル)ヘキサヒドロフタル酸、モノ(2−メタクリ
ロイルオキシプロピル)コハク酸、モノ(2−メタクリ
ロイルオキシプロピル)フタル酸、モノ(2−メタクリ
ロイルオキシプロピル)ヘキサヒドロフタル酸などのカ
ルボキシル基含有不飽和化合物に、(b)ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソプロピル
エーテル、ビニル−n−プロピルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル
−t−ブチルエーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビ
ニル−n−アミルエーテル、ビニル−n−ヘキシルエー
テル、ビニルシクロヘキシルエーテル、ビニル−N−オ
クタデシルエーテル、エチレングリコールブチルビニル
エーテル、トリエチレングリコールモノメチルビニルエ
ーテルなどのモノビニルエーテルを付加した化合物が挙
げられる。また、これらの化合物(B)は、単独で又は
2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】さらに、これらの化合物(B)と共重合す
る1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する化合
物、例えば、スチレン、クロロスチレン、α−メチルス
チレン;置換基としてメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、アミ
ル、2−エチルヘキシル、オクチル、カプリル、ノニ
ル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘ
キシル、イソボロニル、メトキシエチル、ブトキシエチ
ル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メトキシエチ
ル、エトキシエチル、フェノキシエチル、フェノキシエ
トキシエチル、アセチルオキシエチル等の置換基を有す
るアクリレート、メタクリレート又はフマレート;ポリ
エチレングリコールのモノアクリレートもしくはモノメ
タクリレート、又はポリプロピレングリコールのモノア
クリレートもしくはモノメタクリレート;酢酸ビニル、
酪酸ビニル又は安息香酸ビニル;エチレン、プロピレン
等のオレフィン類;アクリロニトリル等を、活性エネル
ギー線照射(一次照射)により生成する共重合物のアル
カリ溶解性を落とさない範囲、具体的には酸により共重
合物が分解した時の酸価が80mgKOH/g以上とな
る範囲で加えてもよいが、揮発性の高い化合物は、環境
汚染を引き起こすので好ましくない。
【0023】前記化合物(B)及び1分子中に1個のエ
チレン性不飽和結合を有する化合物の配合量は、前記樹
脂化合物(A)100重量部当り、50〜400重量部
の割合が好ましい。これらの化合物は、本発明の光硬化
性・熱硬化性樹脂組成物を液状化するために必要な成分
であり、上記範囲よりも少ない場合、組成物の粘度が高
くなり、印刷性、レベリング性が得られなくなるので好
ましくない。また、上記範囲を越えた場合、組成物の光
硬化性が低下し、タックフリーな塗膜を得られ難くなる
ので好ましくない。
【0024】前記光酸発生剤(C)としては、ジアゾニ
ウム塩、ヨードニウム塩、ブロモニウム塩、クロロニウ
ム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、ピリリウム
塩、チアピリリウム塩、ピリジニウム塩、フェロセニウ
ム塩等のオニウム塩などの各種カチオン重合開始剤;ト
リス(トリハロメチル)−s−トリアジン及びその誘導
体等のハロゲン化化合物;スルホン酸の2−ニトロベン
ジルエステル;イミノスルホナート;1−オキソ−2−
ジアゾナフトキノン−4−スルホナート誘導体;N−ヒ
ドロキシイミド=スルホナート;トリ(メタンスルホニ
ルオキシ)ベンゼン誘導体;ビススルホニルジアゾメタ
ン類;スルホニルカルボニルアルカン類;スルホニルカ
ルボニルジアゾメタン類;ジスルホン化合物等が用いら
れる。但し、各種カチオン重合開始剤は、用いるエポキ
シ樹脂(E)が有機溶剤に難溶性の微粒状エポキシ樹脂
の場合には使用可能であるが、脂環式エポキシ樹脂な
ど、芳香環を含まないエポキシ樹脂の場合には、カチオ
ン重合を引き起こし、現像性を低下させることがあるの
で、好ましくない。また、トリス(トリハロメチル)−
s−トリアジン及びその誘導体等のハロゲン化化合物
は、発生したハロゲン化水素が活性エネルギー線照射
(二次選択照射)後の加熱処理時にガス化して非照射部
の耐現像性を低下させることがあるので注意を要する。
このようなことから、不揮発性のスルホン酸を発生させ
るスルホン酸の2−ニトロベンジルエステル;イミノス
ルホナート;1−オキソ−2−ジアゾナフトキノン−4
−スルホナート誘導体;N−ヒドロキシイミド=スルホ
ナート;トリ(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン誘導
体;ビススルホニルジアゾメタン類;スルホニルカルボ
ニルアルカン類;スルホニルカルボニルジアゾメタン
類;ジスルホン化合物等が好ましい。
【0025】前記光酸発生剤(C)の市販されているも
のとしては、例えばユニオン・カーバイト社製のCYR
ACURE(登録商標)UVI−6950,UVI−6
970、旭電化社製のオプトマーSP−150,SP−
151,SP−152,SP−170,SP−171、
日本曹達社製のCI−2855、デグサ社製のDega
cere KI 85 Bなどのトリアリールスルホニ
ウム塩や、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイ
ルガキュア261などのフェロセニウム塩、非置換又は
置換されたアリールジアゾニウム塩、ジアリールヨード
ニウム塩;三和ケミカル社製のs−トリアジン、TTC
−トリアジン、TFE−トリアジン、トリアジンAなど
のトリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン及びそ
の誘導体;みどり化学社製のベンゾイントシレート、M
BZ−101、PYR−100、SI−100、SI−
101、SI−105、PI−105、NDI−10
5、NAI−101、NAI−105、NAI−10
6、PAI−101、DS−101などのスルホン酸発
生剤がある。
【0026】これら光酸発生剤(C)の配合割合は、前
記樹脂化合物(A)100重量部当り、2〜40重量部
が適当である。上記範囲より少ない場合、活性エネルギ
ー線照射により生成する酸が少なくなり、パターン形成
ができなくなる。一方、上記範囲より多い場合、これら
の化合物自身の光吸収により感度が低下し易くなるので
好ましくない。
【0027】前記光ラジカル重合開始剤(D)として
は、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベ
ンゾインとベンゾインアルキルエーテル類、アセトフェ
ノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の
アセトフェノン類、2−メチル−1−[4−(メチルチ
オ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−
ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノ
フェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン
類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキ
ノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアン
トラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキ
サントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチ
ルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール
類、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサント
ン類などがあり、これら公知慣用の光ラジカル重合開始
剤を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることが
できる。さらに、このような光ラジカル重合開始剤
(D)は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエス
テル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエス
テル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、ト
リエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン
類のような公知慣用の光増感剤の1種あるいは2種以上
と組み合わせて用いることができる。このような単独又
は2種類以上を組み合わせた時の光ラジカル重合開始剤
(D)の活性化する波長が、前記光酸発生剤(C)の活
性化する限界波長(λ1)より長波長となる光ラジカル
重合開始剤の組み合わせが用いられる。好ましくは、上
記λ1より50nm以上長波長の活性エネルギー線で活
性化する光ラジカル重合開始剤の組み合わせが用いられ
る。
【0028】これら光ラジカル重合開始剤(D)の配合
割合(光増感剤と組み合わせる場合には合計量)は、前
記化合物(B)及び1分子中に1個のエチレン性不飽和
結合を有する化合物の合計量100重量部当り、2〜3
0重量部が適当である。上記範囲より少ない場合、組成
物の光硬化性、アルカリ水溶液に対する溶解性が劣るた
め好ましくない。一方、上記範囲より多い場合、これら
の化合物自身の光吸収により感度が低下し易くなるので
好ましくない。
【0029】前記エポキシ樹脂(E)としては、公知慣
用の各種エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
フェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型
エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル化合物、テレフ
タル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジ
グリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル
などのグリシジルエステル化合物、トリグリシジルイソ
シアヌレート、N,N,N′,N′−テトラグリシジル
メタキシレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラグ
リシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジ
グリシジルアニリンなどのグリシジルアミン化合物など
の公知慣用のエポキシ化合物があるが、グリシジルアミ
ン化合物は、活性エネルギー線照射により光酸発生剤
(C)から発生した酸を吸着するので、多量に添加する
ことは好ましくない。これらのエポキシ樹脂は、単独で
又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。さ
らに、好適な態様としては、トリグリシジルイソシアヌ
レートやビキシレノールジグリシジルエーテルなどの有
機溶剤に難溶性の粉体エポキシ樹脂が、全エポキシ樹脂
中に20重量%以上含まれることが好ましい。粉体エポ
キシ樹脂の割合が少ない場合、エポキシ樹脂の粘性や疎
水性により現像性を低下させる場合がある。また、前記
光酸発生剤(C)の種類によっては、エポキシ樹脂の光
カチオン重合が起こり、現像性をさらに低下させる場合
がある。
【0030】これらのエポキシ樹脂(E)の配合割合
は、前記樹脂化合物(A)及び化合物(B)から誘導さ
れる酸に対して、0.6〜1.8当量であることが、熱
硬化後の耐熱性、電気絶縁性、銅箔との接着性などの特
性面から好ましい。
【0031】本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物
は、塗膜の密着性、硬度、はんだ耐熱性等の特性を上げ
る目的で、硫酸バリウム、タルク、シリカ、酸化アルミ
ニウムなどの公知慣用の無機充填剤を配合できるが、水
酸化アルミニウムなどの塩基性無機充填剤は、活性エネ
ルギー線照射により発生した酸を中和するため、好まし
くない。これらの無機充填剤の配合割合は、前記樹脂化
合物(A)100重量部当り、100重量部以下が適当
であり、好ましくは5〜50重量部である。上記範囲よ
り多い場合、塗膜の強度の低下、感度低下などを生じる
ので好ましくない。
【0032】さらに、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂
組成物は、必要に応じて、公知慣用の着色顔料、着色染
料、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、カ
ップリング剤等を配合できる。また、感度アップの目的
で、必要に応じて、フェノチアジン系、アントラセン
系、コロネン系、ベンズアントラセン系、ペリレン系、
ピレン系、メロシアニン系、ケトクマリン系、チオキサ
ントン系などの増感色素を配合できる。さらに必要に応
じて、潜在性の硬化触媒として、イミダゾール塩類や三
フッ化ホウ素錯体、有機金属塩等を添加することができ
る。また、プリント配線板の回路、即ち銅の酸化防止の
目的で、アデニン、ビニルトリアジン、ジシアンジアミ
ド、オルソトリルビグアニド、メラミン等の化合物、又
はこれらの塩を添加することができるが、前記光酸発生
剤(C)から発生する酸を吸着するため、多量に添加す
ることは好ましくない。これらの化合物の配合割合は、
前記樹脂化合物(A)100重量部当り20重量部以下
であり、これらを添加することにより、硬化塗膜の耐薬
品性や銅箔との接着性が向上する。
【0033】さらに、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂
組成物は、酸性領域で変色するpH指示薬、例えば、メ
チルバイオレッド、メチルエロー、メチルオレンジ、メ
チルレッド、2,4−ジニトロフェノール、2,6−ジ
ニトロフェノール、チモールブルー、トロペオリンO
O、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリー
ンなどを添加することもできる。これらを添加した場
合、活性エネルギー線照射により発生した酸により塗膜
の色調が変わり、露光位置の整合性が露光工程終了基板
で容易に確認でき、現像前に不良品の判別が容易に行え
るという利点が得られる。
【0034】本発明のポジ型の光硬化性・熱硬化樹脂組
成物は、スクリーン印刷法、ロールコート法等の方法に
より基材上に塗布し、形成された塗布層に光学フィルタ
ー等で前記光酸発生剤(C)の活性化する限界波長(λ
1)以下の波長をカットした活性エネルギー線を照射
(一次照射)し、エチレン性不飽和結合を有する化合物
を光ラジカル重合させ、タックフリーの塗膜を形成す
る。その後、形成された塗膜に、所定の露光パターンを
形成したフォトマスクを通して光酸発生剤(C)の活性
化する波長を含む活性エネルギー線を選択的に照射(二
次選択照射)し、さらに、約60〜120℃で5〜40
分、好ましくは70〜100℃で10〜20分、加熱処
理することにより、二次選択照射部分において、前記酸
分解性エステル基を有する樹脂化合物(A)、及び前記
一次照射によって光ラジカル重合した1分子中に1個の
エチレン性不飽和結合を有し、かつ、酸により分解して
カルボン酸を生成する基を有する化合物(B)の重合物
が、活性エネルギー線照射により光酸発生剤(C)から
発生した酸の触媒作用により、熱分解され、アルカリ水
溶液に可溶性となる。次いで、活性エネルギー線照射部
(二次選択照射部)のみをアルカリ水溶液による現像で
溶解・除去することにより、ポジ型レジストパターンを
形成できる。その後、約140〜180℃で15〜12
0分、加熱処理することにより、光酸発生剤が熱分解し
て酸を発生し、この酸により酸分解性エステル基を有す
る樹脂化合物(A)が分解して発生した酸及び一次照射
により光カチオン重合した化合物(B)の重合物が分解
して発生した酸、又は酸分解性エステル自体の熱分解に
より発生した酸が、エポキシ樹脂と架橋反応し、耐熱
性、電気絶縁性に優れた樹脂絶縁パターンを得ることが
できる。
【0035】このようなポジ型の光硬化性・熱硬化性樹
脂組成物を多層プリント配線板の中間絶縁層作製に用い
る場合、例えば、回路形成されたプリント配線板に塗布
し、光学フィルターで前記光酸発生剤(C)の活性化す
る限界波長(λ1)以下の波長をカットした活性エネル
ギー線を照射(一次照射)し、タックフリーの塗膜を形
成した後、光酸発生剤の活性化する波長を含む活性エネ
ルギー線をバイヤホール形成部のみに選択的に照射(二
次選択照射)することにより、バイヤホール形成部のみ
酸が発生し、さらに、約60〜120℃で5〜40分、
好ましくは70〜100℃で10〜20分、加熱処理し
た後、アルカリ水溶液で現像することにより、前記と同
じ作用によりバイヤホール形成部の樹脂組成物がアルカ
リ水溶液で溶解・除去される。この1回の現像で目的の
深さが得られない場合、上記選択的な活性エネルギー線
の照射(二次選択照射)、加熱処理、現像を繰り返すこ
とにより、バイヤホールが形成される。その後さらに、
約140〜180℃で15〜120分、加熱処理するこ
とにより、前記と同じ作用により、耐熱性、電気絶縁性
に優れた塗膜を得ることができる。この後、無電解銅め
っき、電解銅めっきし、その後、エッチングレジストを
用いてエッチングすることにより、第二層目の回路が形
成される。あるいは逆に、銅めっき−エッチング−加熱
硬化の工程順序を採用することもできる。これら各工程
を順次繰り返すことにより、所望の層数の多層プリント
配線板を製造できる。
【0036】前記塗膜の現像に用いられるアルカリ水溶
液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
強アルカリ水溶液を用いることができるが、前記樹脂化
合物(A)がポリカルボン酸から誘導された重合体の場
合、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などの弱
アルカリ水溶液が使用できる。また、活性エネルギー線
の照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水
銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライ
ドランプなどが適当である。その他、レーザー光線、電
子線なども露光用活性エネルギー線として利用できる。
【0037】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるも
のでないことはもとよりである。なお、以下において
「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り全て
重量基準である。
【0038】合成例1 温度計、撹拌器、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコに、メチルイソブチルケトン362.7部とア
ゾビスイソブチロニトリル11.5部を入れ、75℃に
加熱した。そこに、アクリル酸72.0部、メタクリル
酸メチル215.7部の混合溶液を3時間かけて滴下し
た。その後、さらに4時間撹拌し、樹脂溶液を得た。得
られた共重合樹脂は、重量平均分子量が16,000
で、酸価が193mgKOH/gであった。この樹脂溶
液を常温まで冷却後、ビニルイソブチルエーテル150
部を加え、50℃で50時間反応させることにより、上
記樹脂のカルボキシル基の95%にビニルイソブチルエ
ーテルが付加したことを酸価の測定により確認した。こ
の反応溶液中に、アセチルオキシエチルメタクリレート
255.1部を加え、残存している未反応のイソブチル
ビニルエーテル及び溶剤のメチルイソブチルケトンを分
留装置により除去し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を
A−1ワニスと称す。
【0039】合成例2 温度計、撹拌器、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコに、メチルイソブチルケトン210.0部とフ
ェノールノボラック樹脂(昭和高分子(株)製BRG−
558)210.0部を入れ、90℃で加熱・溶解し
た。この樹脂溶液を60℃まで冷却後、ビニルイソブチ
ルエーテル400部を加え、60℃で80時間反応させ
ることにより、上記樹脂のフェノール性水酸基の93%
にビニルイソブチルエーテルが付加したことを酸価の測
定により確認した。この反応溶液中に、メトキノン0.
1部とフェノキシエチルメタクリレート213.2部を
加え、残存している未反応のビニルイソブチルエーテル
及び溶剤のメチルイソブチルケトンを分留装置により除
去し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液をA−2ワニスと
称す。
【0040】合成例3 温度計、撹拌器、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコに、ジイソブチルエーテル210.0部とクレ
ゾールノボラック樹脂(昭和高分子(株)製CRG−9
51)240.0部を入れ、90℃で加熱・溶解した。
この樹脂溶液を常温まで冷却後、無水コハク酸80部と
トリフェニルホスフィン5.0部を加え、80℃で10
時間反応させることにより、カルボキシル基含有クレゾ
ール樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を60℃まで冷却
後、ビニルシクロヘキシルエーテル378部を加え、6
0℃で72時間反応させることにより、上記樹脂のカル
ボキシル基の92%にビニルシクロヘキシルエーテルが
付加したことを酸価の測定により確認した。この反応溶
液中に、メトキノン0.1部とアセチルオキシエチルメ
タクリレート203.2部を加え、残存している未反応
のビニルシクロヘキシルエーテル及び溶剤のジイソブチ
ルエーテルを分留装置により除去し、樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液をA−3ワニスと称す。
【0041】合成例4 温度計、撹拌器、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコにモノ(2−アクリロイルオキシエチル)ヘキ
サヒドロフタル酸270部と重合禁止剤0.05部を入
れ、ビニルイソブチルエーテル200部を加え、50℃
で50時間反応させることにより、上記化合物のカルボ
キシル基の99.7%にビニルイソブチルエーテルが付
加したことを酸価の測定により確認した。この溶液を常
温まで冷却後、反応物中に残存している未反応のビニル
イソブチルエーテルを分留装置により除去し、目的の化
合物を得た。この化合物をB−1化合物と称す。
【0042】合成例5 温度計、撹拌器、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコにモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)ヘ
キサヒドロフタル酸284部と重合禁止剤0.05部を
入れ、ビニルイソブチルエーテル200部を加え、50
℃で50時間反応させることにより、上記化合物のカル
ボキシル基の99.7%にビニルイソブチルエーテルが
付加したことを酸価の測定により確認した。この反応物
を常温まで冷却後、反応物中に残存している未反応のビ
ニルイソブチルエーテルを分留装置により除去し、目的
の化合物を得た。この化合物をB−2化合物と称す。
【0043】実施例1 合成例1及合成例4で得られたA−1ワニス及びB−1
化合物を用いた以下の配合成分を、3本ロールミルにて
練肉し、ポジ型の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を得
た。 A−1ワニス 100部 B−1化合物 25部 Lucirin TPO (BASF社製のラジカル重合開始剤) 5部 フタロシアニングリーン 0.5部 UVI−6950 (ユニオン・カーバイト社製の光酸発生剤) 6部 シリコーン系消泡剤 1部 メチルレッド 0.2部 硫酸バリウム 10部 TEPIC−H(日産化学工業(株)製のエポキシ樹脂) 25部 微粉シリカ 1部 ───────────────────────────────── 合計 173.7部
【0044】実施例2 合成例2及び合成例4で得られたA−2ワニス及びB−
1化合物を用いた以下の配合成分を、3本ロールミルに
て練肉し、ポジ型の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を得
た。 A−2ワニス 100部 B−1化合物 25部 Lucirin TPO 5部 フタロシアニングリーン 0.5部 UVI−6950 6部 アントラセン 0.5部 シリコーン系消泡剤 1部 2MZ−OK(四国化成工業(株)製のイミダゾール塩) 0.2部 硫酸バリウム 5部 TEPIC−H 35部 YX−4000 (油化シェルエポキシ(株)製のエポキシ樹脂) 5部 微粉シリカ 1部 ───────────────────────────────── 合計 184.2部
【0045】実施例3 合成例3及び合成例5で得られたA−3ワニス及びB−
2化合物を用いた以下の配合成分を、3本ロールミルに
て練肉し、ポジ型の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を得
た。 A−3ワニス 100部 B−2化合物 20部 Lucirin TPO 5部 イルガキュア 819 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のラジカル重合開始剤 1部 フタロシアニングリーン 0.5部 UVI−6970 (ユニオン・カーバイト社製の光酸発生剤) 6部 シリコーン系消泡剤 1部 硫酸バリウム 5部 TEPIC−H 30部 YX−4000 10部 微粉シリカ 1部 ───────────────────────────────── 合計 179.5部
【0046】比較例1 温度計、撹拌器、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコに、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル362.7部とアゾビスイソブチロニトリル11.5
部を入れ、75℃に加熱せしめた。そこに、アクリル酸
72.0部、メタクリル酸メチル330部、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート65.0部の混合溶液を3時
間かけて滴下した。その後、さらに4時間撹拌し、樹脂
溶液を得た。得られた共重合樹脂は、重量平均分子量が
21,000で、酸価が118mgKOH/gであっ
た。この樹脂溶液を常温まで冷却後、ビニルイソブチル
エーテル150部を加え、50℃で30時間反応させる
ことにより、上記樹脂のカルボキシル基の85%にイソ
ブチルビニルエーテルが付加したことを酸価の測定によ
り確認した。この反応溶液中に、残存している未反応の
ビニルイソブチルエーテルを分留装置により除去し、樹
脂溶液を得た。この樹脂溶液をC−1ワニスと称す。こ
のC−1ワニスを用いた以下の配合成分を、3本ロール
ミルにて練肉し、溶剤乾燥型のポジ型の感光性・熱硬化
性樹脂組成物を得た。 C−1ワニス 200部 フタロシアニングリーン 0.6部 ジシアンジアミド 0.5部 SP−150 6部 シリコーン系消泡剤 1部 硫酸バリウム 10部 TEPIC−H 25部 微粉シリカ 1部 ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10部 ───────────────────────────────── 合計 254.1部
【0047】性能評価: (1)指触乾燥性 前記実施例1〜3の各光硬化性・熱硬化性樹脂組成物
を、それぞれ銅張基板上にスクリーン印刷で全面塗布し
た。紫外線カットフィルターL−37(kenko社
製)を設置した紫外線コンベア露光装置(メタルハライ
ドランプ)を用い、80W,3.5m/sの条件で前記
L−37透過光にて全面露光することにより乾燥させ
た。一方、比較例1の感光性・熱硬化性樹脂組成物は、
銅張基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で2
0分間加熱して乾燥させた。それらの塗膜表面の指触乾
燥性を以下の基準で評価した。 ○ : 全く、べた付きのないもの △ : ほんの僅かに、べた付きのあるもの × : べた付きのあるもの
【0048】(2)乾燥重量減少率 前記実施例1〜3及び比較例1で得られた各感光性樹脂
組成物を、それぞれガラス板に塗布し、前記(1)指触
乾燥性試験と同条件で乾燥した。乾燥前後の重量を測定
し、下記(式−1)にて乾燥重量減少率を算出した。
【数1】 0 : 塗布前(ガラス板のみ)の重量 W1 : 塗布後(ガラス板と乾燥前感光性樹脂組成
物)の重量 W2 : 乾燥後(ガラス板と乾燥後感光性樹脂組成
物)の重量
【0049】(3)現像性 前記実施例1〜3及び比較例1で得られた各樹脂組成物
を、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷で
それぞれ全面塗布し、前記(1)指触乾燥性試験と同条
件で乾燥した。これらの基板にポジフィルムを当て、露
光量500mJ/cm2 の露光条件で露光した。さら
に、90℃で20分間加熱処理した後、スプレー圧2k
g/cm2 の1wt%Na2 CO3 水溶液で1分間現像
し、パターンを形成した。それらの現像性を以下の基準
で評価した。 ○ : 完全に、現像されているもの △ : 僅かに、現像残りがあるもの × : 全く、現像されないもの
【0050】(4)はんだ耐熱性 前記実施例1〜3及び比較例1で得られた各樹脂組成物
を、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷で
約20μmの膜厚でそれぞれ全面塗布し、前記(2)現
像性試験と同条件で樹脂パターンを形成した。この基板
を、150℃で60分熱硬化し、評価基板を作製した。
ロジン系フラックスを塗布した評価基板を、予め260
℃に設定したはんだ槽に30秒間浸漬し、イソプロピル
アルコールでフラックスを洗浄した後、目視によるレジ
スト層の膨れ・剥がれ・変色について評価した。◎ :
全く変化が認められないもの ○ : ほんの僅か変化したもの △ : 塗膜の膨れ、剥がれが20%以下のもの × : 塗膜の膨れ、剥がれが20%以上のもの
【0051】(5)絶縁特性 IPC B−25のクシ型電極Bクーポンを用い、前記
と同じ条件で評価基板を作製し、このクシ型電極にDC
500Vのバイアスを印加し、初期絶縁抵抗値を測定し
た。
【0052】前記各試験で得られた結果を表1に示す。
【表1】 表1に示されるように、本発明の光硬化性・熱硬化性樹
脂組成物を用いることにより、乾燥後の体積収縮を生ず
ることなくはんだ耐熱性、電気絶縁性に優れた樹脂絶縁
パターンを形成できることがわかる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、環境を
汚染することなく、耐熱性・電気絶縁性に優れた塗膜を
形成することができる。また、活性エネルギー線の一次
照射により体積収縮を生ずることなくタックフリーの塗
膜を形成することができ、樹脂絶縁層の膜厚コントロー
ルが容易になると共に、省エネルギー化にも貢献し、作
業時間を短縮することができる。さらに、活性エネルギ
ー線の一次照射によりタックフリーの塗膜を形成した
後、活性エネルギー線の二次選択照射、加熱、現像処理
によってポジ型レジストパターンを形成でき、その後、
無電解銅めっき・電解銅めっきすることにより、中間絶
縁層に容易に高密度のバイヤホールを形成することがで
きる。また、これらの工程を繰り返すことにより、高密
度のビルドアップ多層配線基板を容易に、かつ安価に製
造することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 C 5E339 157/04 157/04 5E346 161/14 161/14 163/00 163/00 G03F 7/029 G03F 7/029 7/032 7/032 // H05K 3/06 H05K 3/06 H 3/28 3/28 D 3/46 3/46 T (72)発明者 斎藤 照夫 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 Fターム(参考) 2H025 AA10 AA20 AB15 AC01 AC06 AC08 AD03 BC14 BC34 BC85 BE00 BG00 CB00 CB29 CB30 CB41 CB43 CB45 CB51 CB52 CB55 DA01 FA05 FA06 FA12 FA15 FA29 4J002 BG011 CC031 CD042 CD052 CD122 CD132 CD142 EB117 EE038 EE058 EH076 EQ017 EU187 EU238 EV217 EV247 EV297 EV308 FD010 FD207 FD208 GQ05 4J027 AA01 AA08 AC03 AC04 AC06 AH03 AJ01 AJ05 AJ08 BA02 BA04 BA05 BA08 BA17 CA10 CA23 CA25 CA26 CB10 CC05 CC06 CC07 CD10 4J038 CG031 DA041 DB002 FA112 GA03 GA06 KA04 MA02 MA14 NA21 PA17 PA19 5E314 AA27 AA31 AA32 AA45 BB11 CC07 DD06 DD07 FF01 GG17 GG24 GG26 5E339 CC01 CC02 CD01 CF16 CF18 DD05 5E346 AA43 CC09 CC32 CC55 DD03 DD23 DD24 DD33 EE39 HH08 HH18 HH40

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)酸分解性エステル基を有する重量
    平均分子量500〜40,000の樹脂化合物、(B)
    1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有し、かつ、
    酸により分解してカルボン酸を生成する基を有する化合
    物、(C)活性エネルギー線の照射により酸を発生する
    化合物、(D)光ラジカル重合開始剤、及び(E)エポ
    キシ樹脂を含有することを特徴とする光硬化性・熱硬化
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記樹脂化合物(A)が、カルボキシル
    基及び/又はフェノール性水酸基を有し、固形分酸価が
    60〜600mgKOH/gであり、かつ、重量平均分
    子量が500〜40,000であるアルカリ可溶性樹脂
    に、モノビニルエーテル化合物を反応せしめて得られる
    樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ可溶性樹脂が、アクリル酸
    及び/又はメタクリル酸8〜40重量%と他の単量体と
    の共重合樹脂であり、固形分酸価が60〜300mgK
    OH/gであり、かつ、重量平均分子量が1,000〜
    40,000であることを特徴とする請求項2に記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ可溶性樹脂が、フェノール
    ノボラック樹脂及び/又はクレゾールノボラック樹脂で
    あり、固形分酸価が200〜600mgKOH/gであ
    り、かつ、重量平均分子量が500〜20,000であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記モノビニルエーテル化合物が、沸点
    が30〜200℃のモノビニルエーテルであることを特
    徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記1分子中に1個のエチレン性不飽和
    結合を有し、かつ、酸により分解してカルボン酸を生成
    する基を有する化合物(B)が、下記一般式(1)で表
    わされる基を有する(メタ)アクリル酸エステル、又
    は、t−ブチル(メタ)アクリレートであることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の組成物。 【化1】
  7. 【請求項7】 前記活性エネルギー線の照射により酸を
    発生する化合物(C)の活性化する波長が、光ラジカル
    重合開始剤(D)の活性化する波長より短いことを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記エポキシ樹脂(E)中に、有機溶剤
    に難溶性である粉体エポキシ樹脂を20重量%以上含む
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載
    の組成物。
  9. 【請求項9】 前記請求項1乃至8のいずれか一項に記
    載の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を基材上に塗布する
    工程、上記組成物の塗布層に活性エネルギー線を照射し
    てタックフリーの塗膜を形成する工程、該塗膜に上記活
    性エネルギー線より短波長の活性エネルギー線を選択的
    に照射した後、加熱処理し、次いでアルカリ水溶液で現
    像して上記活性エネルギー線を選択的に照射した塗膜部
    分を除去する工程、及び現像処理後の塗膜を加熱処理し
    て熱硬化する工程を含むことを特徴とする樹脂絶縁パタ
    ーンの形成方法。
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